JP2010092422A - 車両検出装置、車両検出プログラム、およびライト制御装置 - Google Patents

車両検出装置、車両検出プログラム、およびライト制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】夜間において車両を精度よく検出することができる技術を提供する。
【解決手段】車両検出装置は、対向車両を検出し、対向車両が検出されると(S470:YES)、対向車両が検出されないときよりも、ヘッドライトの照射範囲を下向きに変更する(S490)。対向車両を検出する際には、車両検出装置は、撮像画像中の光源毎に明るさまたは面積を繰り返し検出し、基準時間内に所定の変動基準値以上に明るさまたは面積が変動した光源である変動光源を検出する(S330,S340,S370,S380)。そして、変動光源が検出された場合に、撮像画像中に対向車両が存在すると判断する(S420〜S440)。このような車両検出装置によれば、車両による光源と車両以外による光源とを識別することができるので、車両を適切に検出することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、夜間に車両を検出する車両検出装置、車両検出プログラム、およびライト制御装置に関する。
従来、夜間に車両を検出する車両検出装置として、光源の明るさの絶対値や光源の波長を解析することによって車両のヘッドライトと車両以外の光源とを識別するものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2005−092857号公報 特表2005−534903号公報
しかしながら、光源の明るさの絶対値を利用する車両検出装置では、車両のヘッドライトの明るさと車両以外の光源の明るさとが一致することがあり、この場合に車両以外の光源を車両であると判定する誤検出を起こすという問題点があった。また、光源の波長によって車両であるか否かを識別する車両検出装置においても、車両のヘッドライトの反射光がヘッドライトと同じ波長であることがあり、この場合に同様に誤検出と起こすという問題点があった。
そこで、このような問題点を鑑み、夜間において車両を精度よく検出することができる技術を提供することを本発明の目的とする。
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の車両検出装置において、変動検出手段は、撮像画像中の光源毎に明るさまたは面積を繰り返し検出し、基準時間内に所定の変動基準値以上に明るさまたは面積が変動した光源である変動光源を検出する。そして、判断手段は、変動光源が検出された場合に、撮像画像中に車両が存在すると判断する。
ここで、車両のヘッドライトには、一般的に、対向して走行する対向車両への眩惑を防止するために、ヘッドライトからの光の一部を遮光する遮光部材が設けられている。この遮光部材によって遮光される遮光領域と遮光されない照射領域との境界はカットラインと呼ばれ、このカットラインは、照射領域内に対向車のドライバーの視点が入らないように設定されている。しかし、車両の走行時には、路面の起伏等によって車両が振動し、この振動に伴ってカットラインが上下する。この際には、照射領域内に対向車のドライバーの視点が入ってしまうことが頻繁に起こる。
そこで、本発明では、撮像手段の配置された位置において遮光領域と照射領域とのどちらに入るかが変化する際に、撮像画像中の光源の明るさが急激に変化すること(変動光源になること)を検出するようにしている。なお、街路灯や看板等の路側物の多くは、光源の明るさがほぼ一様であり、変動光源にはならないと考えられるため、本発明においては、変動光源があれば車両が存在すると判断するようにしている。
また、光源の明るさが変化する際には、撮像画像中で検出される光源の大きさも変化すると考えられる。つまり、光源が明るくなると撮像画像中においては光源が大きくなり、光源が暗くなると撮像画像中において光源が小さくなる。よって、光源の明るさの変化に換えて光源の面積の変化を検出する構成であっても、同様に車両が存在すると判断できるものと考えられる。
従って、このような車両検出装置によれば、車両による光源と車両以外による光源とを識別することができるので、車両を適切に検出することができる。なお、本発明でいう「明るさ」としては、輝度や照度等を検出すればよい。
ところで、請求項1に記載の車両検出装置において、変動検出手段は、請求項2に記載のように、基準時間内に第1閾値以上明るさまたは面積が増加し、かつその後、明るさまたは面積が減少した光源を変動光源として検出するようにしてもよい。
このような車両検出装置によれば、車両以外の光源の明るさまたは面積が連続的に変化する場合を除外し、車両の振動等によって一瞬だけ明るさまたは面積が増加した光源のみを車両として判断することができる。よって、車両の検出精度を向上させることができる。
なお、変動検出手段は、明るさまたは面積が増加した後に、概ね増加前の明るさまたは面積に減少した光源を検出してもよい。ここで「概ね」とは、明るさまたは面積が変動する前後で撮像画像中の車両が接近することによって明るさまたは面積が増加することを考慮してもよい意図である。
さらに、請求項1または請求項2に記載の車両検出装置において、変動検出手段が撮像画像を構成する各画素の明るさを特定し、これらの画素の明るさを利用して光源の明るさを検出するよう設定されている場合には、変動検出手段は、請求項3に記載のように、撮像画像を構成する各画素の明るさを特定する際に、明るさを特定しようとする画素である特定画素自身の明るさと、この特定画素に隣接する複数の画素である隣接画素の明るさとを考慮して、特定画素の明るさを特定するようにしてもよい。
このような車両検出装置によれば、複数の隣接画素を含めた複数画素の明るさ考慮して特定画素の明るさを特定するので、撮像した小さな光源が複数の画素にまたがる場合であっても、正確に光源の明るさを検出することができる。つまり、撮像手段に対して遠距離にある光源であっても正確に明るさを検出することができる。
なお、特定画素の明るさを特定する際には、例えば、特定画素自身の明るさと隣接画素の明るさとの平均を取る手法や、隣接画素の明るさと特定画素の明るさとにそれぞれ所定の係数を乗じて足し合わせる手法(この際、隣接画素の明るさに乗じる係数は、特定画素の明るさに乗じる係数よりも小さな係数にしてもよい。)等を採用することができる。また、各画素の明るさから光源の明るさを特定する際には、各画素の平均の明るさや各画素のうちの最大の明るさ等を光源の明るさとすることができる。
また、請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両検出装置において判断手段は、請求項4に記載のように、同一の光源についての変動光源の検出回数をカウントし、該検出回数が複数回に設定された回数閾値以上である場合にのみ、車両が存在すると判断するようにしてもよい。
このような車両検出装置によれば、変動光源の検出回数が閾値以上である場合に光源が車両であると判断するので、他の光源の明るさがたまたま1度だけ変化した場合における誤判断を防止することができる。
また、請求項1〜請求項4の何れかに記載の車両検出装置において、判断手段は、請求項5に記載のように、同一の光源についての変動光源の検出間隔を測定し、この検出間隔が周期的であれば、この光源が車両ではないと判断するようにしてもよい。
このような車両検出装置によれば、回転灯、点滅信号、サーチライト等、周期的に明るさが変化する光源を車両でないものとして除外することができる。よって、車両の検出精度を向上させることができる。
次に、請求項6に記載の車両検出プログラムは、請求項1〜請求項5の何れかの車両検出装置を構成する各手段としての機能をコンピュータにおいて実行するための車両検出プログラムであることを特徴としている。
このような車両検出プログラムによれば、少なくとも請求項1の発明における効果と同様の効果を享受することができる。
次に、上記目的を達成するために成された請求項7に記載のライト制御装置は、対向車両を検出する車両検出手段と、対向車両が検出されると、対向車両が検出されないときよりも、ヘッドライトの照射範囲を下向きに変更する変更手段と、を備え、車両検出手段は、請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両検出装置として構成されていることを特徴としている。
このようなライト制御装置によれば、車両による光源と車両以外による光源とを識別することができるので、車両を適切に検出することができる。そして、車両が検出されたときにヘッドライトの照射範囲を下向きに変更することができる。
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[本実施形態の構成]
図1は本発明が適用されたライト制御システム1の概略構成を示すブロック図である。ライト制御システム1は、例えば乗用車等の車両(以下、「自車両」という。)に搭載され、自車両100(図2参照)におけるヘッドライトによる照射範囲を制御する機能を有するシステムである。
ライト制御システム1は、図1に示すように、自車両100前方の道路上を撮像するカメラ5(撮像手段)と、カメラ5による撮像画像中から自車両100に対向する対向車両を検出する車両検出装置10と、ハイビーム用ランプ6およびロービーム用ランプ7を作動制御(本実施形態では点灯制御)するヘッドライト制御装置20とを備えている。なお、ハイビーム用ランプ6とは、自車両100の前方約100m程度までの領域を照射範囲内とする走行用ランプ(ハイビーム)であり、ロービーム用ランプ7とは、自車両100の前方約40m程度までの領域を照射範囲内とするすれ違い用ランプ(ロービーム)である。
車両検出装置10は、CPU11、ROM12、RAM13等を備えた周知のマイクロコンピュータを備えた構成とされている。CPU11は、ROM12に格納された車両検出プログラム等のプログラムに基づいて、後述するライト制御処理等の各種処理を実施する。また、車両検出装置10(CPU11)は、ヘッドライト制御装置20に対して光軸の向きを変更させる指示(ハイビーム用ランプ6を点灯または消灯させる指示を含む)を送信する。
ヘッドライト制御装置20は、CPU21、ROM22、RAM23等を備えた周知のマイクロコンピュータを備えた構成とされている。CPU21は、車両検出装置10からの指示を受けると、ROM22に格納されたプログラムに基づいて、ロービーム用ランプ7の光軸の向きを制御したり、ハイビーム用ランプ6の点灯・消灯を制御したりする。つまり、ヘッドライトによる照射範囲を変更する制御を実施する。
なお、本実施形態においては、ロービーム用ランプ7の光軸の向きを制御する処理および光軸の向きを制御するための機構については説明を省略し、ハイビーム用ランプ6およびロービーム用ランプ7の点灯・消灯を制御する処理のみについて以下に説明する。ここで、図2は自車両100と対向車両200との位置関係を示す説明図である。
図2においては、対向車両200におけるヘッドライトの搭載高さHが700mm、自車両100と対向車両200との車間距離が500m、自車両100においてカメラ5の搭載高さが1200mmとしている。
ここで、自車両100および対向車両200を含む一般的な車両のヘッドライト(ロービーム)には、対向して走行する対向車両への眩惑を防止するために、ヘッドライトからの光の一部を遮光する遮光部材が設けられている。この遮光部材によって遮光される遮光領域と遮光されない照射領域との境界はカットラインと呼ばれ、このカットラインは、照射領域内に対向車両が入らないように設定されている。具体的には、このカットラインは、ヘッドライトの設置位置から見て、水平方向に対して下向きに1%の勾配になる仮想平面の下側がヘッドライトの照射範囲となり、仮想平面の上側が遮光領域になるように設定されている。なお、この勾配を角度θに変換すると0.57度となる。
また、車間距離が500mのときにおいて、対向車両200のヘッドライトの搭載位置(H=700mm)からカメラ搭載位置(h=1200mm)への仰角φは0.08度となる。この際、対向車両200のピッチ角が角度θとφとの和である0.65度を超えると、カットラインの位置がカメラ搭載位置よりも上方になり、カメラ5が照射範囲内に含まれることになる。なお、ピッチ角とは、水平方向に対する車両の前後方向の傾斜角度を表し、以後の説明では車両前方の車高が車両後方の車高よりも高くなったときの傾きを正の値とする。
次に、図3(a)は車両の走行時におけるピッチ角の変化を示すグラフである。ただし、図3(a)のデータは、通常の舗装道路においてテスト車両を発進させ、時速30kmになってからは一定速度で走行させた際に得られたピッチ角の変化である。なお、データ計測開始から約7秒までの間は、加速によるピッチ角の変化が含まれている。
図3(a)から明らかなように、ピッチ角は頻繁かつ不規則に0.70度を超えることが分かる。また、車両の走行速度が速くなると、このピッチ角を大きくなることが予想される。
次に、図3(b)はカメラ5で対向車両200のヘッドライトを撮像したときにおける撮像画像中の輝度値の変化を示すグラフである。図3(b)のデータは、通常の舗装道路において自車両100と対向車両200との車間距離が1800mの状態から時速30kmで対向車両200を自車両100に接近させたときにおける輝度値の変化を示している。
図3(b)に示すように、対向車両200が接近する際に、撮像画像中のヘッドライトの輝度値は、頻繁に3倍以上に変化(輝度値が約10cd/m2から30cd/m2以上に変化)し、直後に概ね元の値に戻る。また、図3(a)および図3(b)から、対向車両200のピッチ角が変化することによって、自車両100のカメラ5による撮像画像中のヘッドライトの輝度値が変化することが分かる。
具体的には、図4(a)の白丸で示す領域の中央部分に示すように、対向車両200のピッチ角が小さいときには、ヘッドライトである光源の輝度値が小さく、撮像画像中の光源の面積も小さい。一方、図4(b)の白丸で示す領域の中央部分に示すように、対向車両200のピッチ角が大きくなると、光源の輝度値が大きくなり、撮像画像中の光源の面積も大きくなる。
[本実施形態の処理]
本実施形態では、対向車両200のピッチ角が大きくなったときに、撮像画像中の光源の輝度値および光源の面積が大きくなる特徴を利用して、車両(ヘッドライト)による光源と車両以外の他の光源とを識別する処理を実施する。図5および図6は、車両検出装置10が実施するライト制御処理を示すフローチャートである。
なお、本実施形態のライト制御処理において、S110の処理は本発明でいう取得手段に相当し、S120,S130の処理は光源検出手段に相当する。また、S160,S170,S330,S340,S370,S380の処理は本発明でいう変動検出手段に相当し、S420〜S440の処理は判断手段に相当する。
ライト制御処理においては、図示しないイグニッションスイッチ等の車両の電源がON状態にされると開始される処理であって、その後、カメラ5による撮像周期毎(例えば1/30秒毎)に起動される処理である。
なお、後述する振幅カウンタおよび面積カウンタは、処理開始時にクリアされるものとする。ライト制御処理の具体的な処理としては、図5に示すように、まず、カメラ5による撮像画像を取得する(S110)。
そして、撮像画像中において基準となる明るさで2値化し(S120)、基準となる明るさ以上の領域を光源として抽出し、各光源に対してラベリングする(S130)。ここで、「基準となる明るさ」とは、暗闇の領域とそれ以外の領域とを識別するための閾値を表す。
続いて、前回以前の撮像周期(前のフレーム)において抽出された光源との対応付けを行う(S140)。この処理は、光源の明るさや面積等を追跡することができるようにする処理である。
そして、抽出した光源の1つを選択し(S150)、光源領域における輝度の平均化をする(S160)。この処理は、光源の輝度を正確に検出するために、撮像画像を構成する各画素の輝度値を補正する処理である。詳細については、図7を用いて説明する。図7はカメラ5を構成する複数の撮像素子と、これらの撮像素子によって検出される光源のモデルを示す説明図である。なお、図7においては、カメラ5における多数の撮像素子のうちの一部(9画素分)を格子状に表示している。
対向車両200が遠距離にある場合等、カメラ5において撮像する際の光源の大きさが極めて小さい場合には、図7(a)左図に示すように、光源が1つの撮像素子内に収まって検出される場合と、図7(b)左図に示すように、光源が複数の撮像素子に跨って検出される場合とがある。ここで、光源の明るさが10であるとする場合、それぞれ中央の撮像素子の出力について検討すると、光源が1つの撮像素子内に収まって検出される場合では、図7(a)中図に示すように、10となるが、光源が複数の撮像素子に跨って検出される場合には、10未満の値となり、例えば、図7(b)中図に示すように、3となる。
つまり、単に撮像素子からの出力に基づいて光源の輝度を検出する構成では、光源の大きさが極めて小さい場合には、光源の輝度を正確に検出できない虞があることが分かる。
そこで、本実施形態においては、各画素における光源の輝度を検出する際にその画素(特定画素)に対応する撮像素子からの出力のみでなく、その周囲の撮像素子からの出力を考慮して光源の輝度を検出するようにしている。具体的には、輝度値を特定しようとする特定画素の輝度値にこの画素の周囲8画素分の輝度値を加えた値を新たに特定画素の輝度値としている。
なお、この輝度値は、加算した画素の数で除した平均値を採用してもよい。また、各輝度値に所定の係数を乗じたものを加算するようにしてもよい。
これら手法によれば、図7(a)右図および図7(b)右図に示すように、光源が1つの撮像素子内に収まって検出される場合と、光源が複数の撮像素子に跨って検出される場合とで、概ね同じ値の出力値(この場合は10)を得ることができる。以下の処理では、この処理による補正後の輝度値を利用するものとする。
次に、図5に戻り、S150にて選択した光源の領域(光源を構成する複数の画素)のうちの最も明るい画素の輝度値である最明輝度検索し(S170)、この最明輝度と閾値とを比較する(S180)。ここでいう閾値は、光源が車両のヘッドライトである可能性を判断するための閾値であって、前述の基準となる明るさよりも僅かに明るい程度の値を表す。
最明輝度が閾値以上であれば(S190:YES)、この輝度値をこの光源の輝度値としてRAM13の一部であるリングバッファに記録し(S200)、一方、最明輝度が閾値未満であれば(S190:NO)、リングバッファをクリアする(S210)。
続いて、図6に示すように、リングバッファにこの光源に関する所定数の輝度値が蓄積されているか否かを判定する(S310)。なお、所定数とは、最明輝度の輝度値の変化や、光源の面積の変化が認識できる程度のフレーム数をいう。
所定数の輝度値が蓄積されていなければ(S310:NO)、後述するS450の処理に移行する。所定数の輝度値が蓄積されていれば(S310:YES)、最初に記録された最明輝度、およびその次に記録された最明輝度の2つの最明輝度を選択する(S320)。なお、この処理においては、2つの最明輝度の測定時刻の間隔が適切な時間間隔となるように任意の2つのフレームを選択してもよい。
そして、2つのフレーム間において最明輝度の差を計算し(S330)、この差が閾値以上であるか否かを判定する(S340)。ここでいう閾値は、対向車両200のピッチ角が変化したことを判定するための明るさの変化量の基準値を表す値であって、実験的に求められる。この閾値としては、例えば、20cd/m2程度の値が該当する。
これらの差が閾値未満であれば(S340:NO)、直ちにS360に移行する。これらの差が閾値以上であれば(S340:YES)、この光源が車両である可能性があるものとして、振幅カウンタをインクリメントする(S350)。そして、選択した各フレームにおいて、光源を構成する画素数(面積)をカウントし(S360)、フレーム間において光源の面積の差を計算する(S370)。
これらの差が閾値以上であるか否かを判定する(S380)。ここでいう閾値は、対向車両200のピッチ角が変化したことを判定するための値であって、かつ光源の面積の変化量の基準値を表す値である。具体的な閾値としては、例えば変化後の面積が2倍となる値等が該当する。
これらの差が閾値未満であれば(S380:NO)、直ちにS400に移行する。これらの差が閾値以上であれば(S380:YES)、この光源が車両である可能性があるものとして、面積カウンタをインクリメントする(S390)。続いて、全てのフレームにおける最明輝度が選択されたか否かを判定する(S400)。
何れかのフレームにおける最明輝度が選択されていなければ(S400:NO)、次のフレームにおける最明輝度を選択する(S410)。詳細には、現在選択中の2つの最明輝度のうちの先のフレームにおける最明輝度に換えて、次のフレームの最明輝度を選択する。この処理が終了すると、S330以下の処理を繰り返す。
一方、全てのフレームにおける最明輝度が選択されていれば(S400:YES)、振幅カウンタ値および面積カウンタ値が閾値以上であるか否かを判定する(S420,S430)。ここでいう閾値は、自然数に設定されていればよいが、前述のように車両のヘッドライトは頻繁に明るさが変化することを考慮して、他の光源の明るさがたまたま1度だけ変化した場合に車両であると誤判定されることを除外するために、2以上の数値(例えば5程度)に設定されている。
振幅カウンタ値および面積カウンタ値が閾値未満であれば(S420:NOまたはS430:NO)、直ちにS450に移行する。
また、振幅カウンタ値または面積カウンタ値が閾値以上であれば(S420:YESまたはS430:YES)、車両検出フラグを立てて(S440)、S450に移行する。そして、S450では、全ての光源を選択したか否かを判定する(S450)。
何れかの光源が選択されていなければ(S450:NO)、次の光源を選択し(S460)、S160以下の処理を繰り返す(図5参照)。なお、S460の処理の際に、振幅カウンタ値および面積カウンタ値をリセットする。
また、全ての光源が選択されていれば(S450:YES)、車両検出フラグが立てられているか否かを判定する(S470)。車両検出フラグが立てられていれば(S470:YES)、ハイビームにする旨をヘッドライト制御装置20に指示し(S480)、ライト制御処理を終了する。なお、ハイビームにする旨を受けたヘッドライト制御装置20は、ハイビーム用ランプ6を点灯させる。この際、ロービーム用ランプ7を消灯させてもよいし、点灯させたままでもよい。
また、車両検出フラグが立てられていなければ(S470:NO)、ロービームにする旨をヘッドライト制御装置20に指示し(S490)、ライト制御処理を終了する。なお、ロービームにする旨を受けたヘッドライト制御装置20は、ロービーム用ランプ7を点灯させ、ハイビーム用ランプ6を消灯させる。
[本実施形態の効果]
以上のように詳述したライト制御システム1において、車両検出装置10は、ライト制御処理にて、対向車両200を検出し、対向車両200が検出されると、対向車両200が検出されないときよりも、ヘッドライトの照射範囲を下向きに変更する。対向車両200を検出する際には、車両検出装置10は、撮像画像中の光源毎に明るさまたは面積を繰り返し検出し、基準時間内に所定の変動基準値以上に明るさまたは面積が変動した光源である変動光源を検出する。そして、変動光源が検出された場合に、撮像画像中に車両が存在すると判断する。
このようなライト制御システム1によれば、車両による光源と車両以外による光源とを識別することができるので、車両を適切に検出することができる。そして、車両が検出されたときにヘッドライトの照射範囲を下向きに変更することができる。
また、車両検出装置10は、撮像画像を構成する各画素の明るさを特定し、これらの画素の明るさを利用して光源の明るさを検出するよう設定されており、撮像画像を構成する各画素の明るさを特定する際に、明るさを特定しようとする画素である特定画素自身の明るさと、この特定画素に隣接する複数の画素である隣接画素の明るさとを考慮して、特定画素の明るさを特定する。
このような車両検出装置10によれば、複数の隣接画素を含めた複数画素の明るさ考慮して特定画素の明るさを特定するので、撮像した小さな光源が複数の画素にまたがる場合であっても、正確に光源の明るさを検出することができる。つまり、カメラ5に対して遠距離にある光源であっても正確に明るさを検出することができる。
さらに、車両検出装置10は、同一の光源についての変動光源の検出回数をカウントし、該検出回数が複数回に設定された回数閾値以上である場合にのみ、車両が存在すると判断する。
このような車両検出装置10によれば、変動光源の検出回数が閾値以上である場合に光源が車両であると判断するので、他の光源の明るさがたまたま1度だけ変化した場合に他の光源を車両であると判断してしまう誤判断を防止することができる。
[その他の実施形態]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
例えば、上記実施形態においては、ハイビーム用ランプ6の点灯・消灯を制御することによってヘッドライトの照射範囲を変更したが、ロービーム用ランプ7の光軸の向きを変更することによって照射範囲を変更するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、光源の明るさ(輝度値)または面積が閾値以上に変化(増加または減少)したときに、振幅カウンタまたは面積カウンタをインクリメントするようにしたが、図8に示すような変形例のライト制御処理を実施し、輝度値または面積が閾値以上に増加し、その後減少したことが検出できたときに振幅カウンタまたは面積カウンタをインクリメントするようにしてもよい。
なお、変形例のライト制御処理(図8)において、S610〜S630,S650〜S660の処理は本発明でいう変動検出手段に相当し、S640,S670,S680の処理は判断手段に相当する。
変形例のライト制御処理では、図6に示すS320およびS330の処理に換えて、図8に示すように、任意の(例えば最先の)3フレーム以上の最明輝度を選択し(S610)、各フレーム同士の最明輝度の差および面積の差をそれぞれ計算するようにする(S620,S650)。そして、S340およびS380の処理に換えて、閾値以上に輝度値または面積が増加し、かつその後、輝度値または面積が減少した光源があるか否かを判定する(S630,S660)ようにしている。
このような車両検出装置10によれば、車両の振動等によって一瞬だけ明るさ(輝度値または面積)が増加し、その後、以前の明るさに戻った光源を車両として判断することができる。つまり、明るさが増加したままのもの、または、明るさが減少したままのものは、車両ではないものと判断する。よって、車両の検出精度を向上させることができる。
また、車両検出装置10においては、同一の光源についての明るさまたは面積が変動する変動光源の検出間隔を測定し、この検出間隔が周期的であれば、この光源が車両ではないと判断するようにしてもよい。具体的には、図8に示すように、振幅カウンタまたは面積カウンタをインクリメントする際に、明るさまたは面積の変化が検出されたフレームをカメラ5が撮像した時刻を記録するようにしておき(S640,S670)、これらの時刻が周期的であるか否かを判定する(S680)。
そして、これらの時刻が周期的でなければ(S680:NO)、光源が車両であるものとして車両検出フラグを立て(S440)、これらの時刻が周期的であれば(S680:YES)、車両ではないものとしてS450の処理に移行する。
このような車両検出装置10によれば、回転灯、点滅信号、サーチライト等、周期的に明るさが変化する光源を車両でないものとして除外することができる。よって、車両の検出精度を向上させることができる。
本発明が適用されたライト制御システム1の概略構成を示すブロック図である。 自車両100と対向車両200との位置関係を示す説明図である。 車両の走行時におけるピッチ角の変化を示すグラフ(a)およびカメラ5で対向車両200のヘッドライトを撮像したときにおける撮像画像中の輝度値の変化を示すグラフ(b)である。 撮像画像中の光源の明るさおよび面積が変化する具体例を示す説明図である。 実施形態のライト制御処理を示すフローチャート(前半部分)である。 実施形態のライト制御処理を示すフローチャート(後半部分)である。 カメラ5を構成する複数の撮像素子と、これらの撮像素子によって検出される光源のモデルを示す説明図である。 変形例のライト制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ライト制御システム、5…カメラ、6…ハイビーム用ランプ、7…ロービーム用ランプ、10…車両検出装置、11…CPU、12…ROM、13…RAM、20…ヘッドライト制御装置、21…CPU、22…ROM、23…RAM、100…自車両、200…対向車両。

Claims (7)

  1. 夜間に車両を検出する車両検出装置であって、
    道路上を撮像する撮像手段による撮像画像を繰り返し取得する取得手段と、
    前記各撮像画像中において基準となる明るさ以上の領域である光源を検出する光源検出手段と、
    前記光源毎に明るさまたは面積を繰り返し検出し、基準時間内に所定の変動基準値以上に明るさまたは面積が変動した光源である変動光源を検出する変動検出手段と、
    前記変動検出手段によって前記変動光源が検出された場合に、前記撮像画像中に車両が存在すると判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする車両検出装置。
  2. 請求項1に記載の車両検出装置において、
    前記変動検出手段は、基準時間内に第1閾値以上前記明るさまたは面積が増加し、かつその後、前記明るさまたは面積が減少した光源を前記変動光源として検出すること
    を特徴とする車両検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両検出装置において、
    前記変動検出手段は、前記撮像画像を構成する各画素の明るさを特定し、該各画素の明るさを利用して前記光源の明るさを検出するよう設定されており、当該変動検出手段が各画素の明るさを特定する際に、明るさを特定しようとする画素である特定画素自身の明るさと、この特定画素に隣接する複数の画素である隣接画素の明るさとを考慮して、前記特定画素の明るさを特定すること
    を特徴とする車両検出装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の車両検出装置において、
    前記判断手段は、同一の光源についての変動光源の検出回数をカウントし、該検出回数が複数回に設定された回数閾値以上である場合にのみ、車両が存在すると判断すること
    を特徴とする車両検出装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の車両検出装置において、
    前記判断手段は、同一の光源についての変動光源の検出間隔を測定し、該検出間隔が周期的であれば、当該光源が車両ではないと判断すること
    を特徴とする車両検出装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかの車両検出装置を構成する各手段としての機能をコンピュータにおいて実行するための車両検出プログラム。
  7. 車両に搭載され、当該車両におけるヘッドライトの光軸の向きを制御するライト制御装置であって、
    当該車両に対向する対向車両を検出する車両検出手段と、
    前記車両検出手段によって対向車両が検出されると、対向車両が検出されないときよりも、前記ヘッドライトの照射範囲を下向きに変更する変更手段と、
    を備え、
    前記車両検出手段は、請求項1〜請求項5の何れかに記載の車両検出装置として構成されていること
    を特徴とするライト制御装置。
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