JP5673921B2 - 焦電型赤外線センサアレイを用いた測位システム及び測位方法 - Google Patents

焦電型赤外線センサアレイを用いた測位システム及び測位方法 Download PDF

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Description

本発明は、焦電型赤外線センサを用いて熱源の動作を感知し、その位置を推定する測位システム及び測位方法に関する。
近年、携帯電話でGPSを利用した測位サービスが利用できるようになり、また、身近にある無線LANの電波強度を利用して行う測位方法やIMESを利用した屋内測位法なども開発され、測位サービスは、いつでも、どこでも、だれでも手軽に利用できるユビキタスな情報サービスの基盤として広く普及しつつある。
測位システムは大きく2つの方法に分類できる。1つは、ユーザが所有する端末で環境からの情報を受信するタイプ(ユーザ側測位)と、もう1つは、環境側に設置したセンサ等でユーザからの情報を受信するタイプ(環境側測位)である。
ユーザ側測位システムとして、カーナビや携帯電話による測位サービスなどが既に実用化されているが、このタイプの最大の欠点は、測位デバイスがユーザに常時付随していることが挙げられる。
一方、環境側測位システムは、さらに2つのタイプに分かれ、ユーザが発信機を利用するタイプと利用しないタイプがある。前者では、RFIDを使った測位などが挙げられる。人流計測などに使用されている応用例があるが、このタイプもユーザに発信機が常時付随するという欠点がある。後者では、カメラや音を利用した測位などが挙げられる。環境側にカメラやマイクを設置することで、測位対象の位置推定や追跡が可能になるが、カメラには暗闇の中での測位に弱点があり、音を利用するシステムは、カメラのその弱点は補えるが、音が発生しなければ、そもそも測位対象の位置推定や追跡は不可能である。また、カメラや音を使うシステムには、システム利用に際して解決しなければならないプライバシー侵害という深刻な問題がある。
本発明は、焦電型赤外線センサをアレイ状に配置した焦電型赤外線センサアレイを用いて、熱源の動作を感知し、その位置を推定する測位システム及び測位方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するものとして、各センサの検出範囲が互いに少なくとも一部重複するように配置された焦電型赤外線センサアレイと、
焦電型赤外線センサアレイの出力信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号から周波数帯毎のパワースペクトルを計算し、周波数毎にパワースペクトルを加算してパワーを取得する手段とを備え、
パワーの値に基づいて検出範囲における熱源の位置を求める、測位システムを提供する。
本発明はまた、パワーの値の変化と検出範囲の位置の関係を表す予め設定された評価関数を用いて、検出範囲における熱源の位置を求める、前記測位システム、センサアレイの検出範囲を各センサの重複部分と非重複部分とに分割し、各分割領域における各センサのパワーの反応パターンを表す対角要素を持つ行列に基づく対数尤度関数を計算する、前記測位システム、センサアレイの検出範囲の分割が等分割とされている、前記測位システムを提供する。
本発明はさらに、各センサの検出範囲が互いに少なくとも一部重複するように配置された焦電型赤外線センサアレイからの出力信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号から周波数帯毎のパワースペクトルを計算し、周波数毎にパワースペクトルを加算してパワーを取得し、パワーの値に基づいて検出範囲における熱源の位置を求める測位方法を提供する。
本発明はさらにまた、パワーの値の変化と検出範囲の位置の関係を表す予め設定された評価関数を用いて、検出範囲における熱源の位置を求める、前記方法、センサアレイの検出範囲を各センサの重複部分と非重複部分とに分割し、各分割領域における各センサのパワーの反応パターンを表す対角要素を持つ行列に基づく対数尤度関数を計算する、前記方法を提供する。
本発明における焦電型赤外線センサアレイの一実施形態を示した斜視図。 焦電型赤外線センサの検出範囲について説明するための図。 アナログ型の焦電型赤外線センサの出力信号例を示した図。 焦電型赤外線センサの下を熱源が通過する例について説明するための図。 焦電型赤外線センサアレイの検出範囲の分割例を示した図。 焦電型赤外線センサアレイの下を人間が歩く例について説明するための図。 図6の場合の焦電型赤外線センサアレイの出力信号例を示した図。 図7の出力信号のパワースペクトル例を示した図。 図7の出力信号のパワー例を示した図。 9分割した焦電型赤外線センサアレイの検出範囲例を示した図。 本発明の測位システムの一実施例を示した図。 焦電型赤外線センサアレイの検出範囲に熱源がある場合を示した図。 熱源が検出範囲に存在しない場合の推定結果表示例を示した図。 熱源が検出範囲に存在する場合の推定結果表示例を示した図。
本発明では、熱源をもった生体、例えば人間や動物などに対する環境側測位を取り扱う。環境側に設置するセンサとして、赤外線センサの1つである焦電型赤外線センサを用い、これを図1に例示したようにアレイ状に設置して、各センサの出力を利用したa)発信機を付随しない、b)暗闇の中でも、c)音の発生、非発生に関係なく、d)プライバシー侵害の問題を全く考慮しない測位が実現される。
[焦電型赤外線センサ]
焦電型赤外線センサとは、赤外線を物質の表面に放射することで電化が誘起されて起電力が発生する現象、すなわち、焦電効果によって熱源を感知するセンサである。従って、本発明では、検知対象は熱源であるとし、その熱源と周囲との温度差によって反応するセンサを用いて、熱源の位置や方向を推定する。
[焦電型赤外線センサの検出範囲]
焦電型赤外線センサの検出範囲は、例えば、センサが備えるフレネルレンズの種類により異なる。図2は、フレネルレンズを備えたセンサの設置高さと検出範囲との関係の一例を示す。勿論フレネルレンズは図示したものに限定されるものではなく、所望の面積を持つ検出範囲を示すフレネルレンズであれば使用可能である。
ただし、例えば、図2に示したように、室内において高さ約2.4m程度の場所に焦電型赤外線センサを設置する場合では、そのセンサの検出範囲が床面にて約1m×約2m程度のものであると、センサをアレイ状に並べた場合の検出領域の決定が容易になる。
勿論、所望の検出範囲が得られる限りこの例に限定されない。検出範囲を考える際に上記のように床面を基準にする必要は必ずしもなく、屋内や屋外において検出対象とする場所に応じて決定すればよい。
[アナログ型の焦電型赤外線センサの応答]
焦電型赤外線センサには、アナログ型のものがある。アナログ型の焦電型赤外線センサにおいて、その検出範囲を熱源が通過すると、そのセンサの出力信号は、図3に例示したような周期性信号となる。
縦軸は、出力信号の振幅(単位はV)で、横軸は、データ数を表している。ただし、図示した出力信号は、サンプリング周期を1[ms]としたときに計測された結果を示しているので、単純計算では、データ数×1[ms]で、横軸を時間に変換することはできる。しかしながら、計測機器の性能や転送時間を考慮すると上記のような単純計算では、計測時間が求まらない。実際に、図3のデータ数は6250個で、単純計算での計測時間は、6.25[s]となるが、実計測時間は約20秒かかる。従って、混乱をさけるために、本発明において、時間領域における出力信号を表している図の横軸はデータ数とする。尚、図3の出力信号は、焦電型赤外線センサの検出範囲を、熱源が図4に示した矢印のように2回横切ったときに計測された信号である。
[焦電型赤外線センサアレイの応答]
本発明では、例えば図1に示したように、焦電型赤外線センサを並べて、アレイ状にした焦電型赤外線センサアレイを用いる。
この焦電型赤外線センサアレイにおいて、それぞれのセンサの検出範囲が重複するように焦電型赤外線センサを配置することが望ましい。そのような配置にすれば、熱源の位置推定において、精度の向上が期待できる。例えば、図1に示すアレイは4個の焦電型赤外線センサで構成されているが、それぞれの検出範囲の少なくとも一部を図5に示すように互いに重複させると、アレイの検出範囲はアレイ毎に重複部分と非重複部分に分けて9分割される。図5では2,4,5,6,8の番号が付された領域が重複検出範囲である。従って、重複がなければ、4つの検出範囲に対する位置推定のみ可能であるが、図5のように重複があれば、9つの検出領域に対する位置推定が可能となり、位置推定精度の向上が望める。
勿論、焦電型赤外線センサの数を増やし、検出範囲の重複部分を増やせば、検出範囲が広がり、かつ、位置推定精度のさらなる向上が期待できる。
分割においては、できるだけ多くの重複ができるように分割することが望ましい。分割数が多ければ、それだけ位置推定における分解能が上がり、位置推定精度の向上にもつながる。また、分割を縦と横それぞれに関して等分割にすれば、分解能にばらつきがなくなり、位置推定誤差はなくなる。しかしながら、等分割が難しい場合は、求められる精度の許容範囲内において分割にばらつきがあってもよい。
また、焦電型赤外線センサアレイ自体の数を増やす、つまり数メートル間隔にアレイを設置することによっても、検出範囲を広げることが可能である。この場合、アレイ内の各センサの検出範囲を重複するだけでなく、アレイ間で検出範囲を重複して配置することも好ましい。一方、アレイ間で検出範囲が重複しておらず、アレイからの出力情報が欠落することがある場合は、確率統計的手法などを用いて、その欠落を補間することによって、熱源を広範囲に検出するようにしてもよい。
[測位に利用する出力信号]
本発明では、焦電型赤外線センサの出力信号に周期性があるので、出力信号は周波数領域で取り扱う。ここで、図6に示したように焦電型赤外線センサアレイの下を人間が歩いた場合、出力信号は図7のようになる。
このとき、焦電型赤外線センサアレイの出力信号に短時間高速フーリエ変換(Short Time Fast Fourier Transform:STFFT)を適用する。得られた出力信号を以下のように記述する。
ここで、yi(ω,t) (i = 1、2、3、4)は、ある時刻tのある周波数ωに対する各センサ番号(図6参照のこと)に対応する周波数領域での信号を表している。
[位置推定方法]
ここでは、上述した焦電型赤外線センサアレイを用いた熱源の位置推定方法について説明する。この位置推定方法では、まず、式(1)に示したyi(ω,t)から得られる周波数帯毎のパワースペクトル、つまり、
を計算する。ここで、kは、STFFTを計算するときに利用するデータのブロック数、E[x]は、xの期待値を表している。Nは、期待値を求めるためのサンプル数を表している。
このとき、考慮しているある周波数における図7に示す出力信号のパワースペクトルは図8のようになる。図8から、焦電型赤外線センサアレイの出力信号にある程度の周波数をもった周期的な反応がある場合は、パワースペクトルの振幅も大きくなっていることがわかる。
次に、位置検出のために考慮する周波数毎に加算した(ここでは、パワーと呼ぶ)、すなわち、
を計算する。この値を位置推定に用いる。ここで、 ωl,ωhは、考慮する周波数の下限と上限を表している。
ここで、図7に示した出力信号を使って計算されたパワーを図9に示す。図9から、ある程度の周波数をもった出力信号で反応を示した部分においては、パワーが大きくなっていることがわかる。つまり、各焦電型赤外線センサの検出領域に熱源が入るとパワーの大きさに変動があるので、パワーの大きさの大小関係によって、検出領域に対する熱源の出入に関する状況が把握できる。従って、パワーの値の変化と検出領域の位置の関係が分かるものを熱源位置推定の評価関数として用いればよいことが分かる。
そこで、まず、図10に示した9分割の各領域に対応する行列を以下のように定義する。このとき、分割数に関しては、9分割は一例であり、焦電型赤外線センサの個数や考慮したい検出精度により変動するので、その分割数により、以下に示すKsi,jの個数や次元数も異なってくることに注意すべきである。
ここで、Ksi,jは、焦電型赤外線センサアレイのセンサ番号が図10のような場合に、それぞれの検出範囲が順に右上4領域、左上4領域、左下4領域、右下4領域としたときに、それぞれのセンサのパワーの反応パターンが分かるように対角要素を定義している。また、Ksi,jの下付けの番号i,jは、図10に示す領域番号(1,1)から(3,3)に対応している。従って、例えば、Ks1,1は、センサ番号2が単独で反応したときを識別したい行列になっているので、対角要素の2番目の値が1で、その他は0と定義している。Ks1,2は、センサ番号1と2が同時に反応したときを識別したい行列となっているので、対角要素の1と2番目の値が1で、その他は0と定義している。その他のKsi,jも同様の定義で値を決めている。ただし、Ksi,jは、考慮しているすべての周波数で同じ値をとるものとする。これは、Ksi,jを使うことによって、それぞれの焦電型赤外線センサのパワーの大小関係が計算できればよいと考えており、周波数毎に違う値を設定してもあまり意味をなさないので、ここでは、すべての周波数で同じ値としている。
従って、これらの行列Ksi,jを用いて、熱源の位置を推定するために、以下の対数尤度関数を利用する。
ここで、det(X)は、行列Xの行列式、tr[X]は、行列Xのトレース、X-1は、行列Xの逆行列、|X|はXの絶対値を表している。Cyは、y(ω,t)の共分散行列を表しており、以下の式で求めることができる。
ただし、式(4)では、Cyのωとkは、記述の簡単化のため、省略している。上付きのHは、共役転置を表す記号である。Kyi,jは、以下の式からなる行列とする。
Knは、焦電型赤外線センサアレイに加わるノイズの共分散行列を表している。ここでは、ノイズは、ガウス分布に従う白色雑音であると定義するので、すべての周波数で同じ値をとるものとする。従って、すべての周波数でKnは、
とする。ここでは、Ksi,jに比べて、約30%程度のノイズが加わっていることを想定している。勿論この値は一例である。
Cyの対角要素は、式(2)のCyii(ω,k) (i = 1、2、3、4)であり、Kyi,jは対角行列であることから、式(4)のLyは、各焦電型赤外線センサのパワースペクトルの反応パターンによって、値が変化する関数となっている。評価する値はパワーなので、Lyを使って次式の値を求め、各焦電型赤外線センサのパワーが評価できるようにする。
従って、Cyの対角要素となるCyii(ω,k)のパワーの反応パターンに近いKsi,jが選択されたとき、L(ハット)yは大きな値を示し、そうでないKsi,jの場合は、L(ハット)yは小さな値を示すようになる。よって、9分割した位置(i、j)に対して、どこに熱源が存在するかが推定可能となる。このとき、図9に示すパワーに対しては、k=7くらいから、センサ2に反応が表れ、他はあまり反応していないので、図10における(1,1)に対応するKsi,jのL(ハット)yが他の値よりも一番大きな値を示し、(1,1)の領域に熱源が存在していることがわかる。
次に、kの値が大きくなるに従って、センサ3にも反応が表れてくるので、k=13あたりでは、図10の(2,1)に対応するKsi,jのL(ハット)yが他の値よりも一番大きな値を示すことになり、(2,1)の領域に熱源が存在することがわかる。最後に、k=15あたりになると、センサ3のみが反応しているので、図10の(3,1)に対するKsi,jのL(ハット)yが他の値よりも一番大きな値を示すことになり、(3,1)に熱源が存在していると推定できる。
[位置推定アルゴリズム]
以上の熱源位置推定のアルゴリズムをまとめると以下のようになる。
1.焦電型赤外線センサアレイを使って、熱源の動きを観測する。
2.焦電型赤外線センサアレイの出力信号にSTFFTを適用する。
3.式(8)を検出領域毎に計算する。
4.計算された検出領域毎の式(8)の値から熱源の位置を推定する。
ここで、焦電型赤外線センサは、熱源である人体や動物から放出される赤外線を感知する機能を持ち、熱源の温度変化で動作するセンサとして知られている。その特徴としては、1)暗闇の中でも利用可能、2)音の発生に関係なく利用可能、3)プライバシー侵害には無関係、4)環境側測位システムとして利用可能、5)安価などが挙げられる。
従来、この焦電型赤外線センサの用途は、人体検知、火災検出、照明制御などによる省エネスイッチ、侵入者検出によるセキュリティシステムなどに用いられている(「焦電型赤外線センサの応用例」http://www.tomen-ele.co.jp/ten/ten131/Cypress.pdfを参照)。また、介護用具の代替品として、患者のベッドからの転倒・転落防止を行うための検知センサや患者の離室を防ぐための感知センサなどに利用されている(澁谷他、「焦電型赤外線離床センサの試作・運用の検討」、日本農村医学会雑誌、Vol.57、No.4、pp.650-655、2008を参照)。従って、従来の焦電型赤外線センサは、「On/Off」制御を用いて何かを検出するセンサとしての利用法がほとんどである。
一方、生体の位置推定や追跡などに焦電型赤外線センサを用いている従来例はほとんどないが、例えば、
・奥田他、「アナログ型焦電センサによる人間の室内・身長の判別法の提案」、 UBI、 pp.1-8、 2004
・加納他、「焦電センサによる人の移動経路検出システムの検討」、IEICE東京支部学生会研究発表会予稿集、p。50、2008
・Q.Hao、"Multiple Human Tracking and Identification with Wireless Distributed PyroelectricSensors"、Doctoral thesis、Duke University、2006がある。これらの従来法は、焦電型赤外線センサの設置場所に対する検出範囲が既知であるとし、その検出範囲を測位対象者が通過すると、センサの前を通過したことと、その通過したセンサ設置場所からその通過位置の情報のみが得られる。しかしながら、センサの前を通過した情報から熱源の位置が分かるということだけでは、焦電型赤外線センサを用いた測位システムの応用範囲は限られたものになることは必至である。
また、関連特許に関しては、移動パターン認識装置を提案した特開H9-33215があるが、予め熱源の移動パターンのデータを収集しておき、認識時には、集めた移動パターンとのマッチングを行うことによって、どの方向に移動したかが分かる方法を提案している。しかしながら、この方法だと、予め収集した移動パターン以外の移動が発生した場合には、移動方向が把握できない場合がある。
そこで、本発明によれば、焦電型赤外線センサを1つ使用するのでは従来のスイッチOn/Off制御しかできないので、焦電型赤外線センサを複数使い、焦電型赤外線センサアレイを作製し、そのアレイを利用することにより、位置を推定することができる。ただし、前述した4個の焦電型赤外線センサで構成される焦電型赤外線センサアレイ(図1)は1例であり、焦電型赤外線センサの個数を4個に限定する必要はなく、複数の焦電型赤外線センサを使った焦電型赤外線センサアレイの利用も想定できる。
さらに、本発明による位置推定によれば、検出領域は予め既知とされているが、複数の領域に分割されていることから、センサの設置場所を通ったという情報にプラスして、どちらの方向に移動したのかが検知できる。このとき、予め移動パターンのデータを収集する必要はない。
以上のとおりの本発明では以下の応用的な実施形態も可能である。
1.焦電型赤外線センサアレイにマイクロフォンを付ける。
マイクロフォンを付けることにより、環境音も計測できるようになる。従って、計測した音の識別などを行うことにより、日頃発生しないような音、つまり、非日常音などの検出が可能となり、セキュリティーに関してより頑健なセンサとなり得る。
2.カメラに焦電型赤外線センサアレイを装着する。
カメラに赤外線センサを付けることは、熱源を感知した後カメラの映像取得を開始する機能があり、カメラの節電や収録効率化が図れ、効果的であることは知られているが、赤外線センサ付カメラは、熱源の方向にカメラを向けるということができないので、カメラが反応しても、測定対象物の映像をカメラで捉えることができない場合がある。焦電型赤外線センサアレイ付カメラでは、そのような欠点を解消することができる。つまり、焦電型赤外線センサアレイが熱源の位置を検出できるので、その方向にカメラを向けることができるようになり、熱源(測位対象物)の映像を確実に収録することが可能となる。
3.センサネット、例えば、Zigbeeノードなどで焦電型赤外線センサアレイで計測した位置情報をネットワーク上に流せるようにすれば、大規模な場所、例えば、ビル全体の熱源の位置情報の管理が可能となる。
以上の本発明により、図11に示す実験装置を用いて実際に熱源位置推定を行った。図11の実験装置において、環境側に設置したデバイスは、4個の焦電型赤外線センサから成るセンサアレイと、A/D(Analog to Digital)変換機ADCと、Micro Processing Unit MPU(マイクロコントローラ)と、Bluetooth BTを備えており、焦電型赤外線センサアレイから得られる出力信号は、ADCを通して、MPUに入力され、入力されたデータは、Bluetoothを使用し、別途の計算機PCに送信される。
送信されたデータを使って、PC上で、周波数解析を行い、式(8)の評価関数を計算し、位置推定を行う。推定結果は、PCの画面に表示される。ここで、データを送信する手段については、BTの他にも、Wi-Fi、有線LAN、UART(RS-232C、有線使用)などを採用でき、データ送信が可能であれば特に限定されるものではない。また、周波数解析等の各種データ処理、データ演算を行う手段についても限定されるものではなく、例えば、マイクロコントローラで周波数解析を行い、評価関数を計算することも可能であり、推定結果のみをPC上に出力するということでもよい。勿論、マイクロコントローラ及び/又はPCは、データ処理等に必要なデータを保存するメモリ等の記憶手段やデータの入出力手段を備えている。
図12に示すように、熱源が焦電型赤外線センサアレイの検出範囲内にいるときに、その位置を推定する実験において、本発明で用いる推定結果表示の一例を示す。熱源は焦電型赤外線センサアレイの検出範囲の(1,3)の場所に存在していることを想定している。
まず、熱源が検出範囲に入っていない場合の推定結果表示の例を図13に示す。図13では、図の白丸の部分に焦電型赤外線センサアレイがあると仮定し、L(ハット)yの値をある値間隔で色分けした色で表示する。濃紺色(図中で濃い灰色)に近いときは、検出範囲に熱源がないことを表し、赤褐色(図中で淡い灰色)に近くなるに従って、熱源の存在確率が高くなることを表すことができるようになっている。
次に、図13のように焦電型赤外線センサアレイの検出範囲に熱源が入った場合の推定結果表示例は図14のようになる。図14では、白線の四角の部分、つまり赤褐色の部分に熱源が存在する可能性が高いことを表しており、正確に熱源の位置が推定できるようになっている。

Claims (7)

  1. 各センサの検出範囲が互いに少なくとも一部重複するように配置された焦電型赤外線センサアレイと、
    焦電型赤外線センサアレイの出力信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号から周波数帯毎のパワースペクトルを計算し、周波数毎にパワースペクトルを加算してパワーを取得する手段とを備え、
    パワーの値の変化と検出範囲の位置の関係を表す予め設定された評価関数を用いて、検出範囲における熱源の位置を求める、測位システム。
  2. センサアレイの検出範囲を各センサの重複部分と非重複部分とに分割し、
    各分割領域における各センサのパワーの反応パターンを表す対角要素を持つ行列に基づく対数尤度関数を計算する、請求項に記載の測位システム。
  3. 各センサの検出範囲が互いに少なくとも一部重複するように配置された焦電型赤外線センサアレイと、
    焦電型赤外線センサアレイの出力信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号から周波数帯毎のパワースペクトルを計算し、周波数毎にパワースペクトルを加算してパワーを取得する手段とを備え、
    センサアレイの検出範囲を各センサの重複部分と非重複部分とに分割し、各分割領域における各センサのパワーの反応パターンを表す対角要素を持つ行列に基づく対数尤度関数を計算する、測位システム。
  4. センサアレイの検出範囲の分割が等分割とされている、請求項又はに記載の測位システム。
  5. 各センサの検出範囲が互いに少なくとも一部重複するように配置された焦電型赤外線センサアレイからの出力信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号から周波数帯毎のパワースペクトルを計算し、周波数毎にパワースペクトルを加算してパワーを取得し、
    パワーの値の変化と検出範囲の位置の関係を表す予め設定された評価関数を用いて、検出範囲における熱源の位置を求める、測位方法。
  6. センサアレイの検出範囲を各センサの重複部分と非重複部分とに分割し、
    各分割領域における各センサのパワーの反応パターンを表す対角要素を持つ行列に基づく対数尤度関数を計算する、請求項に記載の測位方法。
  7. 各センサの検出範囲が互いに少なくとも一部重複するように配置された焦電型赤外線センサアレイからの出力信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号から周波数帯毎のパワースペクトルを計算し、周波数毎にパワースペクトルを加算してパワーを取得し、
    センサアレイの検出範囲を各センサの重複部分と非重複部分とに分割し、各分割領域における各センサのパワーの反応パターンを表す対角要素を持つ行列に基づく対数尤度関数を計算する、測位方法。
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