JP5653708B2 - 乾式のスプリンクラー設備 - Google Patents
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また、グループホームのような福祉施設では、入居者各個人の居室は20m2以下であることが多くその場合、個人の居室にはスプリンクラーヘッドを2個も設ければ十分である。
従って、スプリンクラーヘッド設置数が4個を越える区域を有する施設に設置する乾式のスプリンクラー設備に蓄積方式の自動火災報知設備を併用して設けた場合、火災感知器が湿式スプリンクラーヘッドより20秒以上早く作動したとしても、蓄積方式による制御の遅延によって電動弁の開放が遅れるため、同時に作動するスプリンクラーヘッドの数が4個を越えることが考えられるため、湿式のスプリンクラー設備と同様の設計・施工ではなく、例えば同時に6個のスプリンクラーヘッドを開放したとすると、スプリンクラーヘッド1個当たりの放水量が減少して、有効に消火を行えなくなるため別途加圧送水ポンプが必要となり設備のコストが高くなるという不具合がある。
建物内部の複数の区域にそれぞれ配設された乾式のスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信した後、所定時間内に再度火災検出信号を受信すると火災発生と判断する火災受信機と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記第1区域および前記第2区域には、火災状態が検出された場合に直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器がそれぞれ配設され、
前記火災受信機は、前記第1区域または前記第2区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号を受信した後、いわゆる蓄積処理として所定時間内に再度火災検出信号を受信すると火災発生と判断して所定の信号を出力し、
前記電動弁制御盤は、前記火災受信機より出力された前記所定の信号を受信したこと、または、前記第2区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器が出力した火災検出信号を受信したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
建物内部の複数の区域にそれぞれ配設された乾式のスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信する火災受信機と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記第1区域には、火災状態が検出された場合に直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器が配設される一方、
前記第2区域には、最初の火災状態の検出後所定時間内に再度火災状態が検出された場合に火災検出信号を生成して出力する蓄積型の火災感知器および火災状態が検出された場合に直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器が配設され、
前記火災受信機は、前記第1区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号を受信した後、いわゆる蓄積処理として所定時間内に再度火災検出信号を受信すると火災発生と判断して所定の信号を出力し、
前記電動弁制御盤は、前記火災受信機より出力された前記所定の信号を受信したこと、または、前記第2区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器が火災検出信号を出力したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
前記電動弁制御盤には、前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が直接送信され、前記電動弁制御盤は前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
前記火災受信機には前記蓄積型の火災感知器および前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が送信され、前記火災受信機は前記蓄積型の火災感知器および前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号を受信したことに応じて前記電動弁制御盤へ信号を送信し、前記電動弁制御盤は前記火災受信機からの信号の受信に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする。
図1には、本発明に係るスプリンクラー設備を適用して有効なグループホームのような小規模社会福祉施設の一実施形態の概略構成が示されている。図1全体は施設(建物)10の平面見取り図を表しており、施設10の内部には、玄関11、エントランスホール12、事務室13、食堂兼居間としての共用スペース14、台所15、浴室16、脱衣所17、入居者の各人の居室18、廊下19等が設けられている。20は、水道水を生活使用箇所(図示せず)へ供給する生活用水道配管であり、生活用水道配管20の途中には分岐部21が設けられている。
スプリンクラーヘッド30は、いわゆる閉鎖型のスプリンクラーヘッドであり、周囲温度が所定の温度(例えば72℃)を超えるとスプリンクラーヘッドのハンダ溶着部のハンダが溶解し、弁体が外れる(閉鎖状態が解除される)ことによりスプリンクラーヘッドが作動・開放する(放水を開始する)ように構成されている。なお、かかる機能を有する閉鎖型スプリンクラーヘッドについては従来より種々の構造のものが提供されており、本発明においては従来と同様の構造の閉鎖型スプリンクラーヘッドを使用できるので、詳しい説明は省略する。
上記のように乾式のスプリンクラーヘッドを使用した水道直結型のスプリンクラー設備を設置した施設においては、前述したように、同時に作動するスプリンクラーヘッドの数が最大で4個という制限があるため、スプリンクラーヘッドを5個以上設置した区域である監視区域A1に蓄積処理される火災感知器を使用しその蓄積処理された検出信号で電動弁の制御を行うようにしたとすると、電動弁の作動が遅れて放水開始が遅くなり5個以上のスプリンクラーヘッドが開放状態になって単位面積当たりの放水量が規定量以下になってしまい、有効に延焼防止・消火が行えなくなるおそれがある。
これは、前述したように、消防法施行規則の規定を遵守して設置したスプリンクラー設備では、乾式のスプリンクラー設備においても、例えば火災感知器(非蓄積型)がスプリンクラーヘッドより20秒以上早く作動し、配管充水時間が最大20秒であれば、スプリンクラーヘッドからの放水開始タイミングは湿式のスプリンクラー設備と同等であるため、1つの区域にスプリンクラーヘッドが4個を超えて設置されていても同時に放水するスプリンクラーヘッドは4個を越えることはないためである。
(実施例)
図3に示す第1の実施例においては、自動火災報知設備を構成する火災受信機40およびスプリンクラー設備を構成する電動弁制御盤50と、スプリンクラーヘッド30の設置数が5個以上の監視区域に設置されている火災感知器32aからの信号を送信するための伝送線33aと、スプリンクラーヘッド30の設置数が5個以上の監視区域および4個以下の監視区域に設置されている火災感知器32bからの信号を送信するための伝送線33bと、制御盤50から電動弁31の駆動モータ31Mへ駆動信号を送信するための配線34と、が設けられている。また、各伝送線33aと33bの終端には、断線状態を検出可能にするための終端器(終端抵抗)35a,35bが設けられている。
図4のシステムは、電動弁制御盤50が入力端子(入力ポート)を一つしか持たない場合に適用することができる。
図5および図6には、上記実施例の自動火災報知設備およびスプリンクラー設備を備えたシステムの変形例が示されている。
このうち図5のシステムは、図4のシステムにおいて、5個以上のスプリンクラーヘッド30を設ける監視区域(共用スペース)に設けられた非蓄積型の火災感知器32aからの信号および火災受信機40からの移報信号を送信する伝送線(L−C線)33aの途中に、電動弁制御盤50へ電動弁31を強制的に開かせる信号を送信するための手動で操作可能な緊急操作スイッチ36を設けたものである。図3に示されているシステムにおいても、伝送線33aの途中に緊急操作スイッチ36を設けても良い。
また、電動弁31を強制的に開かせるための信号を送信するための緊急操作スイッチ36は、スプリンクラーヘッド30が設けられる共用スペース等に限定されず、電動弁制御盤50あるいは火災受信機40に設けても良い。
図8は、図2乃至図6における火災受信機40と電動弁制御盤50を接続する信号線(L−C線33aなど)の断線監視を行うための構成を示す概略図である。火災受信機40と電動弁制御盤50を接続する信号線は、電動弁制御盤50の耐雷回路51を介して警戒地区監視回路52に接続され、火災受信機40の移報出力端子F,F’および無電圧接点SWに接続され、さらに終端器35cと並列に接続されている。
図7に示すように、火災受信機40は、火災感知器からの信号を送信する信号線が接続される共通端子Cおよびn個の個別端子L1〜Lnと、雷から内部回路を保護する耐雷回路41と、n本の信号線に対応した端子L1〜Lnへ電流を出力するとともにその端子電圧の変化を監視する警戒地区監視回路42と、該警戒地区監視回路42の検出信号に基づいて火災の判断や断線の検出、警報器の鳴動などの処理を行う制御装置としてのCPU43と、移報出力端子F,F’、該端子間に設けられた無電圧接点SW0、警報器が接続される端子BC,B、CPUが火災発生と判断した場合に該接点SW0を導通させる信号を生成する移報回路44、AC100Vの交流電源に基づいて内部回路の動作に必要な直流電源電圧を生成する電源回路45などを備える。電動弁制御盤50も図7の火災受信機40と同様な構成あるいはCPU43を省略した簡単な回路によって構成することができるので、具体的な構成の図示および説明は省略する。
14 共用スペース
18 居室
20 生活用水道配管
21 分岐部
22、25 消火用メイン配管
23,26 消火用サブ配管
30 スプリンクラーヘッド
31 電動弁
32 火災感知器
33 伝送線
40 火災受信機
50 電動弁制御盤
Claims (5)
- 建物内部の複数の区域にそれぞれ配設された乾式のスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信した後、所定時間内に再度火災検出信号を受信すると火災発生と判断する火災受信機と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記第1区域および前記第2区域には、火災状態が検出された場合に直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器がそれぞれ配設され、
前記火災受信機は、前記第1区域または前記第2区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号を受信した後、所定時間内に再度火災検出信号を受信すると火災発生と判断して所定の信号を出力し、
前記電動弁制御盤は、前記火災受信機より出力された前記所定の信号を受信したこと、または、前記第2区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器が出力した火災検出信号を受信したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする乾式のスプリンクラー設備。 - 建物内部の複数の区域にそれぞれ配設された乾式のスプリンクラーヘッドと、
水道配管の途中から分岐してスプリンクラーヘッドへ水道水を供給可能であって通常は充水されない消火用配管と、
該消火用配管と前記水道配管の境界に配置され通常は閉状態にされている電動弁と、
前記電動弁を作動させる信号を生成し出力する電動弁制御盤と、
前記複数の区域にそれぞれ配設された火災感知器と、
前記火災感知器からの火災検出信号を受信する火災受信機と、
を備えた乾式のスプリンクラー設備であって、
前記建物内部に設けられた前記複数の区域には、n個(nは正の整数)以下のスプリンクラーヘッドが配設された第1区域と、n+1個以上のスプリンクラーヘッドが配設された第2区域とがあり、
前記第1区域には、火災状態が検出された場合に直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器が配設される一方、
前記第2区域には、最初の火災状態の検出後所定時間内に再度火災状態が検出された場合に火災検出信号を生成して出力する蓄積型の火災感知器および火災状態が検出された場合に直ちに火災検出信号を出力する非蓄積型の火災感知器が配設され、
前記火災受信機は、前記第1区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号を受信した後、所定時間内に再度火災検出信号を受信すると火災発生と判断して所定の信号を出力し、
前記電動弁制御盤は、前記火災受信機より出力された前記所定の信号を受信したこと、または、前記第2区域に配設された前記非蓄積型の火災感知器が火災検出信号を出力したことに応じて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする乾式のスプリンクラー設備。 - 前記電動弁制御盤には、前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が直接送信され、前記電動弁制御盤は前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乾式のスプリンクラー設備。
- 前記火災受信機には前記蓄積型の火災感知器および前記非蓄積型の火災感知器から出力された火災検出信号が送信され、前記火災受信機は前記蓄積型の火災感知器および前記非蓄積型の火災感知器からの火災検出信号を受信したことに応じて前記電動弁制御盤へ信号を送信し、前記電動弁制御盤は前記火災受信機からの信号の受信に基づいて前記電動弁を開状態にさせるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の乾式のスプリンクラー設備。
- 前記スプリンクラーヘッドは、火災により発生した熱によって開放状態となる閉鎖型スプリンクラーヘッドにより構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の乾式のスプリンクラー設備。
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