JP3575940B2 - 遠隔監視システム、及び、異常通報装置の監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンション、戸建て住宅、ビルなどの建物の状況を監視し、通信回線を介して建物の状態信号を遠隔地にある監視センタに通報することにより、遠隔地において建物の状態を監視する遠隔監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
遠隔監視システムは、機械警備システム、ビル監視システムなど種々のシステムが実用化されている。ここでは、機械警備システムを例に、従来の技術について説明する。
図1は、従来の機械警備システムの構成を示す。
【0003】
従来の機械警備システムは、中央監視センタに設けられたセンタ装置1と、監視建物に設けられた異常通報装置2とが、電話回線などの通信回線3を介して接続して構成される。4は通信回線3に設けられた交換局であり、交換機41と断線監視装置42から構成されている。5は、通信回線3と異常通報装置2との間に設けられた特定信号送出装置である。
【0004】
上記機械警備システムの動作について説明する。
異常通報装置2は、火災、侵入などの異常状態をセンサにより検出した場合、又は、センサの故障などの異常を検出した場合、異常信号を送出することにより、特定信号送出装置5、交換機41、通信回線3を介して、センタ装置1に異常状態を通報する。
【0005】
特定信号送出装置5は、異常通報装置2から電源の供給を受け、特定信号を常時、通信回線3を介して断線監視装置42に送出する。断線監視装置42は、特定信号送出装置5からの特定信号を受信し、通信回線3が切断されて特定信号が受信がされなくなったとき、異常信号を交換機41及び通信回線3を介してセンタ装置1に通報する。中央監視センタでは、センタ装置1が異常通報装置2又は断線監視装置42から異常信号を受信すると、それぞれの状況に応じた措置をとる。
【0006】
なお、異常通報装置2全体が故障した場合特定信号送出装置5への電源供給が停止される。これにより、特定信号送出装置5の動作が停止し特定信号が送出されなくなるので、断線監視装置42がセンタ装置1に対して異常信号を送出する。つまり、異常通報装置2の故障の場合もセンタ装置1に異常信号が送出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記機械警備システムにおいては、異常通報装置2の制御部が故障をしても、電源供給部が健全である場合があり得る。この場合、特定信号送出装置5は、電源供給を受けて特定信号を送出し続けるので、断線監視装置42は異常信号を送出せず、センタ装置1において、異常通報装置2における異常の発生を知ることができない。なお、この場合制御部が故障したため、機器異常信号を送出することができず、センタ装置1ではあたかも異常通報装置2が正常であるが如くみなしている。
【0008】
これに対処するため、異常通報装置2から自己の状態信号を定期的に通報させ、センタ装置1にて、該状態信号を所定期間受信しなかったときに異常通報装置2における異常発生と判定することが考えられる。しかしながら、既に多数設置されている異常通報装置2に定期通報のための変更を加えることは困難なことである。また、定期通報の間隔は、長くすると異常の検知が遅れ、短くすると通信費用が多くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、遠隔監視システムにおいて、異常通報装置の故障を、確実かつ速やかに中央監視センタにおいて知ることができるようにすることを目的とするものである。
また、本発明は、遠隔監視システムにおける異常通報装置の異常を監視する監視装置を、異常通報装置に変更を加えることなく設置できるようにすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明においては、センサに監視出力を送出してセンサの状態を監視するセンサ監視部を有する異常通報装置から、通信回線を介してセンタ装置に異常通報を行うことにより、センタ装置で遠隔監視を行う遠隔監視システムに、特定信号送出装置と、断線監視装置と、電源供給制御手段と、監視手段とを設ける。
【0011】
異常通報装置は、センサにより異常を検出したときは、異常状態を、特定信号送出装置と通信回線と交換機を介してセンタ装置に通報する。
特定信号送出装置は、電源供給制御部から電源の供給を受け、常時、通信回線を介して断線監視装置に対して特定信号を出力する。
断線監視装置は、特定信号送出装置とセンタ装置の間に設けられ、特定信号送出装置から特定信号を受信しなくなった場合、センタ装置に異常通報を行う。
【0012】
監視手段は、異常通報装置のセンサ監視部に接続され、異常通報装置に故障が発生してセンサ監視部からの監視出力が検出されなくなると、特定信号送出装置への電源供給を電源供給制御手段にて停止させる。次に、このように構成された遠隔監視システムの作用について説明する。異常通報装置に故障が発生すると異常通報装置は、特定信号送出装置に対する電源供給を強制的に停止する。このため、特定信号送出装置は断線監視装置に対する特定信号の送出を停止する。すると、断線監視装置では、該特定信号を受信しなくなるので、交換機を介して異常信号をセンタ装置に送出する。中央監視センタでは、このセンタ装置にて異常信号を受信すると、対処員の派遣等必要な措置をとる。
【0013】
第2の発明においては、センサに監視出力を送出してセンサの状態を監視するセンサ監視部を有する異常通報装置に接続し、この異常通報装置自体の異常を監視する監視装置を、監視手段と通報手段とで構成する。監視手段は、異常通報装置のセンサ監視部からの監視出力を監視し、監視出力が検出されないときは、通報手段により外部へ通報を行う。
【0014】
この監視装置は、異常通報装置がもともと有しているセンサ監視機能を利用しているので、既に設置されている異常通報装置に、何らの変更を加えずに設置をすることができる。
また、異常通報装置に、監視装置の機能を組み込むことにより、監視装置を外部に設置する必要がなく設置スペースが少なくなるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を機械警備システムに適用した例について図を用いて説明する。
図2に示した機械警備システムは、中央監視センタに設けられたセンタ装置1と、監視建物に設けられた異常通報装置2とが、電話回線などの通信回線3を介して接続して構成される。4は通信回線3に設けられた交換局であり、交換機41と断線監視装置42から構成されている。5は、通信回線3と異常通報装置2との間に設けられた特定信号送出装置である。また、異常通報装置2と特定信号送出装置5の間に監視装置6が設けられる。
【0016】
図3に、異常通報装置2の構成を示す。
図において、17は、制御部で、CPU、メモリなどにより構成され、所定のプログラムに従って装置内の各部を制御する。11,12,13は監視建物の状態を検出するセンサである。センサ11〜13としては、監視建物への侵入の恐れがある箇所に設置する侵入者センサ、火災の発生を検出できる箇所に設置する火災センサなどがある。以下の説明では、11を火災センサとする。
【0017】
14は、センサ監視部で、各センサ11〜13に対して所定周期で監視パルスを出力する。各センサからの返信パルスの電圧は、センサが異常を検出しないとき、センサ内の抵抗により減衰されて所定値以下の電圧となる。また、センサが異常を検出すると、火災センサ11に破線で示しているようにスイッチが切換わり、抵抗による減衰がないので、所定値以上となる。さらに、センサ回路に断線があるときは0となる。
【0018】
制御部17は、センサ監視部14を介して各センサ11〜13の状態を監視する。
また、センサ監視部14からは、監視装置6に対しても、配線S1,S2を介して監視パルスを出力する。この監視装置6への監視パルスについては後述する。
【0019】
15は通報部である。制御部17は、センサ11〜13により異常を検知したとき、通報部15から、配線L1,L2へ異常信号を出力し、通信回線3を介してセンタ装置1に通報をする。
16は表示部で、監視建物の状況を音又は表示にて利用者に告知する。
21は、商用のAC100Vを、異常通報装置2を動作させるDC12Vに変換するAC−DCコンバータである。22は、DC12Vを、制御部17で使用するDC5Vに変換するDC/DCコンバータである。23は、DC12Vを、配線P1,P2を介して特定信号送出装置5に供給する電源供給部である。
【0020】
特定信号送出装置5は、通信回線3の断線を監視するために設けられる。特定信号送出装置5は、異常通報装置2の電源供給部23から電源供給を受け、断線監視装置42に対して特定信号を常時送出する。つまり、特定信号送出装置5は特定信号送出の機能を有している。また、特定信号送出装置5は、異常通報装置2とセンタ装置1との通信を中継し、異常通報装置2からの異常信号を通信回線3に送出する。
【0021】
断線監視装置42は、特定信号を受信している場合は、通信回線3が正常であると認識する。この場合、断線監視装置42は信号の送出は行わない。一方、特定信号を受信しない場合は、通信回線3に断線が発生したと判定して、センタ装置1に対して異常信号を送出する。
図4に、監視装置6の構成を示す。
【0022】
監視装置6は、異常通報装置2からの電源供給用の配線P1,P2と断線監視装置5への電源供給用の配線P3,P4との間を接続する電源供給線31,32と、その中間に設けられた、電源の供給及び供給の停止を制御する電源供給制御部33を有する。また、異常通報装置2のセンサ監視部14からの配線S1,S2を通して送出されてくる監視パルスを監視するパルス監視部34を有する。
【0023】
パルス監視部34は、監視パルスをパルス検出部35により検出し、検出をした場合は信号を計時部36に出力する。計時部36は、信号の入力によりスタート及びリスタートを繰り返し、所定時間に渡って信号が入力されないときは、カウントアップして電源供給制御部33のリセット部37に信号を出力する。
電源供給制御部33では、計時部36から信号が入力されたとき、即ち、異常通報装置2のセンサ監視部14からの監視パルスが所定時間以上途絶えたとき、トランジスタ38をオフとする。これにより、異常通報装置2から断線監視装置6への電源供給が断たれる。
【0024】
なお、39は断線監視装置への電源供給がされているとき点灯する通電表示灯である。
次に、上記構成の機械警備システムの動作について説明する。
いま、監視建物に火災が発生したとする。異常通報装置2では、火災センサ11が破線で示すようにセンサ回路を短絡するので、センサ監視部14で受信する返信パルスの電圧が所定値より大きくなり、制御部17は異常を検出する。制御部17は、異常を検出すると、表示部16に火災発生を示す表示及びブザーを鳴動させると共に、通報部15から異常信号を送出して、通信回線3を介してセンタ装置1へ火災発生を通報する。
【0025】
センタ装置1で異常信号の受信がされると、中央監視センタの監視員は、センタ装置1の表示により該当監視建物の火災発生を知り、監視建物に対処者を急行させる。そして、対処者が火災の状況に応じて適切な処置を行う。例えば、消火器にて火災を消すことができる状態であれば、初期消火を行う。
また、センサ11〜13への配線に断線が発生した場合、センサ監視回路14で受信する返信パルスの電圧は0となる。制御部17はこれによりセンサ回路の断線を検出して、上記と同様の動作が行われる。
【0026】
ここで、通信回線3が交換局4より異常通報装置2側で切断されたりして断線状態となると、異常通報装置2が異常を検出しても、異常通報装置2から送信される異常信号がセンタ装置1に届かない。したがって、センタ装置1側にて異常発生を知ることができないという事態になる。しかしながら、本システムにおいては、通信回線3が断線をすると、特定信号送出装置5が常時定時的に送信している特定信号を、断線監視装置42が受信できなくなり、異常信号をセンタ装置1に送出する。
【0027】
この異常信号をセンタ装置1にて受信すると、中央監視センタの監視員は監視建物を担当している緊急対処者に連絡をとり、対処者は監視建物に急行し建物の異常確認を行う。そして、通信回線3の断線が復旧するまで、対処者がいわゆる有人の監視をすることにより、監視建物の安全監視を行う。
次に、異常通報装置2が故障した場合の監視装置6の動作を説明する。
【0028】
異常通報装置2が故障すると、センサ監視部14が所定周期にて出力している監視パルスが出力されなくなる。これにより、監視装置6のパルス監視部34では、パルス検出部35が監視パルスを受信しなくなるので、計時部36に信号を出力しなくなる。計時部36は、信号が入力されないため計時が継続される。所定時間(例えば1秒)が経過すると、計時部36から電源供給制御部33のリセット部37に信号を出力する。リセット部37は、この信号を受信すると、トランジスタ38をオフとして、特定信号送出装置5への電源供給を停止する。
【0029】
特定信号送出装置5では、電源の供給がなくなると、動作が停止するため、特定信号の送出を停止する。断線監視装置42は、特定信号の受信がなくなると、センタ装置へ異常信号を送出する。センタ装置1でこの異常信号を受信すると、中央監視センタの監視者は対処者を該当の監視建物に急行させ、適当な処理を行わせる。
【0030】
このようにして、常時、異常通報装置2の異常を中央監視センタにて監視することができるので、警備システムの信頼性が向上する。そして、監視装置6は、異常通報装置がもともと有しているセンサ監視機能を利用しているので、異常通報装置に何らの変更を加えずに設置をすることができる。さらに、監視装置6を異常通報装置2のセンサ監視部14に接続するだけで、異常通報装置2の異常監視ができるので、既設の異常通報装置に対する監視を容易に行うことができる。
【0031】
また、従来のような異常通報装置2からセンタ装置1への定期的な状態信号の通報の送出間隔を減らすことができるので、システムコストを下げることができる。
以上、本発明の1実施形態について説明をしてきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0032】
例えば、上記実施形態では、監視装置6が異常通報装置2の異常を検出したとき、特定信号送出装置5への電源供給を止めることにより、中央監視センタに異常を通報しているが、監視装置6に通報手段を設けて、直接、中央監視センタに異常通報をすることができる。また、監視装置6においてブザーを鳴動させて近隣の人に知らせるようにすることもできる。
【0033】
さらに、監視装置を異常通報装置に組み込むこともできる。この例について、図5を用いて説明する。
図5の異常通報装置2’は、図3の異常通報装置2に図4の監視装置6を組み込み、電源供給制御部33をAC−DCコンバータ21と電源供給部23との間に挿入したものである。なお、この電源供給制御部33は、AC−DCコンバータ21の入力側に挿入することもできる。また、電源供給部23と断線監視装置5は、配線P3,P4により直接接続される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の機械警備システムの構成を示す図。
【図2】本発明を適用した機械警備システムの構成を示す図。
【図3】図2における異常通報装置の構成を示す図。
【図4】図2における監視装置の構成を示す図。
【図5】図3の異常通報装置の変形例の構成を示す図。
【符号の説明】
1…センタ装置
2…異常通報装置
3…通信回線
4…交換局
41…交換機
42…断線監視装置
5…特定信号送出装置
6…監視装置
11,12,13…センサ
14…センサ監視部
15…通報部
17…制御部
21…AC−DCコンバータ
23…電源供給部
31,32…電源供給線
33…電源供給制御部
34…パルス監視部
35…パルス検出部
36…計時部
37…リセット部
Claims (3)
- センサに監視出力を送出してセンサの状態を監視するセンサ監視部を有する異常通報装置から、通信回線を介してセンタ装置に異常通報を行うことにより、前記センタ装置にて遠隔監視を行う遠隔監視システムにおいて、
電源が外部より供給され、前記通信回線に常時特定信号を出力する特定信号送出装置と、
前記通信回線に接続され、前記特定信号送出装置から特定信号を受信しない場合、前記センタ装置に異常通報を行う断線監視装置と、
前記特定信号送出装置に対して、電源供給及び電源供給停止を行う電源供給制御手段と、
前記異常通報装置のセンサ監視部に接続され、このセンサ監視部の監視出力を検出し、この監視出力が検出されないとき、前記電源供給制御手段に電源供給を停止させる監視手段と
を具備する遠隔監視システム。 - センサに監視出力を送出してセンサの状態を監視するセンサ監視部を有する異常通報装置の異常を監視する監視装置であって、
前記センサ監視部からの監視出力を検出する監視手段と、
この監視手段が前記監視出力を検出しないときに、外部への通報を行う通報手段と
を具備することを特徴とする監視装置。 - 請求項2記載の監視装置を組み込んだことを特徴とする異常通報装置。
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