JP6879036B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Description
例えば、プロジェクター用途又は車載用ヘッドライト用途として、半導体レーザ素子を複数備える光源装置が提案されている(特許文献1、2等)。
このような状況下において、複数の半導体レーザ素子を用いた場合においても、用途に応じた、満足できる性能が得られる光源装置の開発が熱望されている。
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、特に、出力の高い半導体レーザ素子を複数搭載した場合において、集光スポットの光強度分布における光強度差を緩和させることができる半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
(1)基体と、
該基体の上面に載置され、互いに対向して配置された一対の半導体レーザ素子を含む複数の半導体レーザ素子と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の半導体レーザ素子から出射される光を平行光にする一対の光学部品を含む複数の光学部品と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の光学部品からの光を上方に反射する一対の反射部材を含む複数の反射部材と、
前記一対の反射部材によって反射される一対の光が下方から照射されることにより、長軸及び短軸を有する一対のスポットがその下面に形成される波長変換部材とを備える半導体レーザ装置であって、
上方から見て、前記一対の半導体レーザ素子の光導波路領域がずれていることにより、前記波長変換部材の下面に形成される一対のスポットが部分的に重複するとともにその長軸が互いに平行であることを特徴とする半導体レーザ装置。
(2)基体と、
該基体の上面に載置され、互いに対向して配置された一対の半導体レーザ素子を含む複数の半導体レーザ素子と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の半導体レーザ素子から出射される光を平行光にする一対の光学部品を含む複数の光学部品と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の光学部品からの光を上方に反射する一対の反射部材を含む複数の反射部材と、
前記一対の反射部材によって反射される一対の光が下方から照射されることにより、長軸及び短軸を有する一対のスポットがその下面に形成される波長変換部材とを備える半導体レーザ装置であって、
前記一対の半導体レーザ素子及び前記一対の反射部材の双方が前記基体の上面の主要領域に対して傾いていることにより、上方から見て、前記波長変換部材の下面に形成される一対のスポットが部分的に重複するとともにその長軸が互いに平行であることを特徴とする半導体レーザ装置。
本願においては、半導体レーザ装置から光を取り出す面側を、上方と称する。
この実施形態1の半導体レーザ装置10は、図1A〜1Dに示すように、基体11と、光導波路領域を有する、複数の半導体レーザ素子12と、複数の光学部品13と、複数の反射部材14と、波長変換部材15とを備える。
この半導体レーザ装置10では、上方から見て、少なくとも一対の半導体レーザ素子は、それらの光導波路領域がずれて配置されており、波長変換部材の下面に形成される一対のスポットが部分的に重複し、かつスポットを形成する光の長軸が互いに平行である。
このような構成によって、波長変換部材の下面において集光されたスポットの強度分布を緩和させることができ、波長変換部材での光の励起効率を向上させることができる。
基体11は、半導体レーザ素子12を実装するものである。また、半導体レーザ素子12を配線等と電気的に接続するために利用してもよい。従って、半導体レーザ素子を実装することができる材料及び形状が選択される。例えば、基体11は、金属、ガラス、セラミックス等によって形成することができる。特に、基体11の耐食性及び放熱性等を考慮して、銅、銅合金、鉄もしくは鉄合金等を含む金属又は窒化アルミニウムもしくは酸化アルミニウム等を含むセラミック等が挙げられる。なかでも、耐食性及び放熱性に優れているため、窒化アルミニウムが好ましい。基体11の平面形状は、略円形、略楕円、略多角形等の種々の形状が挙げられ、略矩形状が好ましい。平面形状とは、上方から見た場合の基体11の外形を指す。
半導体レーザ素子12は、基体11の上面に載置され、上方から見て、少なくとも互いに対向して配置された一対の半導体レーザ素子、例えば、半導体レーザ素子12A、12B等を含む。半導体レーザ素子12は、さらに複数の対をなすように、複数含まれていることが好ましい。例えば、半導体レーザ素子12は、1つの半導体レーザ装置において、2つ、4つ、6つ、8つ等、複数であることが好ましい。
複数の半導体レーザ素子12が基体11の上面に載置される場合、それらの配列は、例えば、任意の点に対して放射状に、かつ均等な距離で配置されていることが好ましい。具体的には、任意の点を中心とする正方形、正六角形、正八角形の頂点にそれぞれ半導体レーザ素子が配置されていることが好ましい。このような配置によって、任意の点から、さらに、隣接する半導体レーザ素子間においても、均等な距離で、互いに離間して配置することができる。
このように配置することにより、隣接する半導体レーザ素子への熱干渉を低減でき、良好な放熱性を確保することができる。その結果、高輝度の出力が得られる。
三対の半導体レーザ素子12A、12B、半導体レーザ素子12C、12D、半導体レーザ素子12E、12Fを配置する場合には、各対の半導体レーザ素子は、60度で交わる3つの対角線近傍において、対向する半導体レーザ素子の光導波路領域が互いにずれた状態で、中心から等距離の位置に配置されることが好ましい。
四対の半導体レーザ素子12A、12B、半導体レーザ素子12C、12D、半導体レーザ素子12E、12F、半導体レーザ素子12G、12Hを配置する場合には、各対の半導体レーザ素子は、45度で交わる2つの対角線近傍において、対向する半導体レーザ素子の光導波路領域が互いにずれた状態で、中心から等距離の位置に配置されることが好ましい。
このように配置することにより、蛍光体に当たる光をずらす構成を容易に実現することができる。
半導体レーザ素子12は、シングルモード及びマルチモードのいずれの光を出射するものであってもよく、光出射端面から出射された光のスポットが長軸と短軸とを有するものであってもよい。
あるいは、そのずれの程度は、後述する波長変換部材の下面に形成される一対のスポットが部分的に重複し、かつそのスポットを形成する光の長軸が互いに平行となるように設定されることが好ましい。
サブマウントの形状は、適宜設定することができ、直方体又は立方体等の塊状のものであってもよいし、任意の部位にフィンが複数配置された形状であってもよい。
光学部品13は、基体11の上面に載置され、半導体レーザ素子12から出射される光を平行光にする部品である。光学部品13としては、例えば、凹レンズと凸レンズとを組み合わせてなるガリレオ式レンズ、凸レンズ同士を組み合わせてなるケプラー式レンズ等のコリメートレンズ等が挙げられる。
光学部品13は、半導体レーザ素子12の数に応じて、1対1で配置されることが好ましいが、半導体レーザ素子12の配置形態によっては、半導体レーザ素子の数よりも少なくてもよい。光学部品13は、基体11の上面であって、半導体レーザ素子12からの光を通過し得る位置に配置されていることが好ましい。
光学部品13は、半導体レーザ素子12と反射部材14との間に配置している限り、光学部品13の一部又は全部において、半導体レーザ素子12からの距離が異なってもよいが、光学部品13の全てが、半導体レーザ素子12から同じ距離で配置されていることが好ましい。
これに対して、基体11上において、半導体レーザ素子12に近接して、平行光にする光学部品13を配置するため、集光スポットを小径することができる。そのため、後述する波長変換部材に小径のスポットを形成することができ、効率的に波長変換部材における蛍光体を励起させることができる。それによって、波長変換後の光束の最も強度が高い発光点を小径とすることができる。その結果、光の利用効率を向上させることができる。例えば、プロジェクター用途に用いる場合は、エテンデュを小さくすることができ、半導体レーザ装置の後段で用いられる光学系を小型化することができる。また、車載用ヘッドライト用途に用いる場合は、発光点の小径化によってレンズ、リフレクター等の光学部品を小型化でき、小型、軽量、薄型のヘッドライトが可能となり、デザインの自由度を向上させることができる。
反射部材14は、基体11の上面に載置され、光学部品13を通過した光を上方に反射する部材であり、光学部品13を通過した光を反射し得る位置に配置されている。反射部材14は、基体11の上面に対して傾斜した反射面を有しており、この反射面によって、光学部品13を通過した光を上方に反射するように配置されている。
反射部材14は、その反射面が、後述する波長変換部材15の下方に位置するように配置されることが好ましい。特に、上方から見て、反射部材14で反射する光が波長変換部材15の下面に最も強度の強い反射光として入射し得る位置に配置されることが好ましい。言い換えると、上方から見て、光導波路領域の延長線上で、反射部材14の反射面においてレーザ光が反射し、かつその反射光の略全部が波長変換部材15に入射されるように配置されることが好ましい。上述したように、一対の半導体レーザ素子12では、光導波路領域が互いにずれて配置されるが、これら一対の半導体レーザ素子12に対応する反射部材は、上述した反射を実現する限り、それぞれ、半導体レーザ素子と同様に、上方からみてずれていてもよいし、ずれていなくてもよい。
波長変換部材15は、半導体レーザ素子12から出射されたレーザ光の波長を変換する部材であり、一対の反射部材14によって反射される一対の光が下方から照射されることにより、長軸及び短軸を有する一対のスポットがその下面に形成される位置に配置されている。
蛍光体は、半導体レーザ素子12と組み合わせて白色光が得られるような材料を選択するのが好ましい。例えば、半導体レーザ素子12から青色光が出射される場合には、半導体レーザ素子12の出射光を励起光として黄色光を発する蛍光体を用いることができる。黄色光を発する蛍光体としては、YAG系の蛍光体が挙げられる。また、半導体レーザ素子12から青色光よりも短波の光(例えば紫外光等)が出射される場合には、青色、緑色及び赤色の各色を発光する蛍光体を用いることができる。
また、一対のスポット17A、17Bは、波長変換部材15の下面において、実質的に同じ形状かつ同じ大きさであることが好ましく、全てのスポットは、実質的に同じ形状かつ同じ大きさであることがより好ましい。
さらに、一対のスポット17A、17Bは、波長変換部材15の下面において、短軸Sの方向に平行移動したように形成されることが好ましく、各スポットの全てが、それぞれ、短軸Sの方向に平行移動したように形成されることがより好ましい。
このようなずれは、一対のスポット17A、17Bが短軸S方向において完全に重複していなければよいが、例えば、長軸LAと長軸LBとの距離D(長軸LA、LB同士の距離D)が短軸Sの長さの1/10以上が挙げられ、1/4以上が好ましく、1/2以上であることがより好ましい。また、一対のスポット17A、17Bが短軸S方向において重なっていればよいが、長軸LAと長軸LBとの距離D(長軸LA、LB同士の距離D)が短軸Sの長さの9/10以下が挙げられ、7/4/5が好ましく、3/4以下であることがより好ましい。
具体的には、ずれの程度は、スポットの短軸方向の幅の1/2〜3/4が挙げられ、集光レンズのNAによるが、スポットの短軸方向の幅が、例えば、0.5mmである場合、ずれの程度は、約0.2〜0.4mmが例示される。
一対のスポット17A、17Bでは、短軸Sが互いに平行であることが好ましく、一対のスポット17A、17Bは、長軸方向には、同じ位置に形成されていることがより好ましい。つまり、互いに短軸Sが一致することがより好ましい。
このような構造を有する半導体レーザ装置では、波長変換部材の下面において集光されたスポットの強度分布を緩和させることができ、波長変換部材での光の励起効率を向上させることができる。
これに対する比較例として、一対の半導体レーザ素子のスポットが同じ位置に重ね合わさる半導体レーザ装置におけるX軸、Y軸に垂直な面の光強度を、それぞれ図4C、4Dに示す。
図4において、横軸はビーム巾であり、中心が0度に位置する。縦軸は光強度であり、単位は任意強度である。図4中、点線が半導体レーザ素子1つの強度であり、実線が2つの半導体レーザ素子を用いた場合の強度である。
この結果からわかるように、実施例は、比較例に対して、長軸と垂直な方向(Y軸)において集光スポットの中心の光の強度を緩和させ、半値幅を広くすることにより、強度分布を緩和させることができる。その結果、波長変換部材での光の励起効率を向上させることができる。
この実施形態2の半導体レーザ装置20は、図2Aに示したように、半導体レーザ装置10と同様に、基体21と、光導波路領域を有し、サブマウント26上に載置された、複数の半導体レーザ素子22A〜22Hと、複数の光学部品23と、複数の反射部材24と、これら反射部材24の上方に配置された波長変換部材とを備える。1つの半導体レーザ素子22と、この半導体レーザ素子22から出射された光を通過させる光学部品23と、その光を反射する反射部材24との配置の関係は、実施形態1でのそれらの配置と実質的に同様である。
一方、一対の半導体レーザ素子22A、22B及び一対の反射部材24の双方が、基体21の上面の主要領域21Aに対して傾斜して配置されている。また、半導体レーザ装置10と同様に、波長変換部材の下面に形成される一対のスポットが部分的に重複し、かつ、スポットを形成する光の長軸が互いに平行である。
ここでの基体21の上面の主要領域21Aとは、半導体レーザ素子22と反射部材24とを傾斜させて配置するための傾斜面21Cではなく、複数の半導体レーザ素子22A〜22H、光学部品23、反射部材24等を一体的に保持するための基体21の本来の主面を意味し、例えば、基体21の下面21Bに対して平行な領域と言い換えることができる。
言い換えると、一対の半導体レーザ素子22のそれぞれの光導波路領域の延長線を軸とした場合、一対の半導体レーザ素子22の軸は互いに平行に配置されているが、その軸を一致させた場合に、一対の半導体レーザ素子22A、22Bの傾きは、互いに反対方向となる。
図2Bに示すように、例えば、半導体レーザ素子22の光出射端面22aと向かい合う方向から半導体レーザ素子22を見た場合、基体21の主要領域21Aを基準として、半導体レーザ素子22等の傾斜角度αは、10度〜40度が挙げられ、20度〜30度が好ましい。また、基体21の主要領域21Aが、下面21Bに対して平行な領域である場合にはその下面21Bを、あるいは、半導体レーザ素子22の光導波路領域を含む平面を基準としてもよい。なお、傾きの程度は、一対の半導体レーザ素子22A、22Bで同じであることが好ましく、全ての半導体レーザ素子22A〜22Hで同じであることがより好ましい。
このような構成によっても、実施形態1と同様の効果を発揮することができる。
11、21 基体
11A 上面
21B 下面
12、12A、12B、12C、12D、12E、12F、12G、12H、22、22A、22B、22C、22D、22E、22F、22G、22H 半導体レーザ素子
13、23 光学部品
14、24 反射部材
15 波長変換部材
16、26 サブマウント
17A、17B スポット
21A 主要領域
21C 傾斜面
22a 光出射端面
L 長軸
S 短軸
α 傾斜角度
Claims (5)
- 基体と、
該基体の上面に載置され、互いに対向して配置された一対の半導体レーザ素子を含む複数の半導体レーザ素子と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の半導体レーザ素子から出射される光を平行光にする一対の光学部品を含む複数の光学部品と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の光学部品からの光を上方に反射する一対の反射部材を含む複数の反射部材と、
前記一対の反射部材によって反射される一対の光が下方から照射されることにより、長軸及び短軸を有する一対のスポットがその下面に形成される波長変換部材とを備える半導体レーザ装置であって、
上方から見て、前記一対の半導体レーザ素子の光導波路領域がずれていることにより、前記波長変換部材の下面に形成される一対のスポットが部分的に重複するとともにその長軸が互いに平行であることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 基体と、
該基体の上面に載置され、互いに対向して配置された一対の半導体レーザ素子を含む複数の半導体レーザ素子と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の半導体レーザ素子から出射される光を平行光にする一対の光学部品を含む複数の光学部品と、
前記基体の上面に載置され、前記一対の光学部品からの光を上方に反射する一対の反射部材を含む複数の反射部材と、
前記一対の反射部材によって反射される一対の光が下方から照射されることにより、長軸及び短軸を有する一対のスポットがその下面に形成される波長変換部材とを備える半導体レーザ装置であって、
前記一対の半導体レーザ素子及び前記一対の反射部材の双方が前記基体の上面の主要領域に対して傾いていることにより、上方から見て、前記波長変換部材の下面に形成される一対のスポットが部分的に重複するとともにその長軸が互いに平行であることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記複数の半導体レーザ素子のそれぞれは、該半導体レーザ素子の光出射端面と向かい合う方向から該半導体レーザ素子を見たときに、同じ側に傾いている請求項2に記載の半導体レーザ装置。
- 前記波長変換部材の下面に形成される一対のスポットは、実質的に同じ形状且つ大きさであり、長軸同士の距離が短軸の長さの1/2以上、3/4以下である請求項1から3のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
- 前記複数の半導体レーザ素子は、任意の点に対して放射状に均等な距離に配置されている請求項1から4のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
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