JP6878583B2 - 調湿装置および調湿方法 - Google Patents

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Description

本発明のいくつかの態様は、調湿装置および調湿方法に関する。
本願は、2017年6月20日に、日本に出願された特願2017−120514号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、吸着剤を備える調湿エレメントが知られており、調湿装置などに広く利用されている(特許文献1参照。)。この調湿エレメントには、例えばハニカム状や段ボール状の支持体が設けられており、支持体によって多数の空気流通路が形成されている。
また、支持体の表面には、ゼオライト、シリカゲル又は活性炭など無機材料の粉末状吸着剤がバインダによって保持されている。そして、調湿エレメントの空気流通路に空気を流すと、空気中の水蒸気等が吸着剤に吸着されることにより空気を乾燥させることができる。
特開2001−149737号公報
特許文献1に記載の除湿器(調湿装置)は、繰り返し使用するため、処理対象の空気から水分を吸着(吸収)した後、吸着した水分を脱離(分離)させて、水分を吸着する性能を回復させる必要がある。しかし、従来の除湿剤(吸着剤)を用いた除湿器は、吸着した水分の脱離時に水分の液体から気体への状態変化を伴うため、吸着水の潜熱量以上のエネルギーを加える必要があった。そのため、従来の除湿器では、大量の電力を消費するという問題があった。
本発明の一態様はこのような事情に鑑みてなされたものであって、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、吸湿性物質を含む吸湿性液体を第1空気に接触させ、第1空気に含まれる水分を吸湿性液体に吸収させる吸湿工程と、水分を吸収した吸湿性液体から水分を分離する再生工程と、を有し、再生工程では、水分を吸収した吸湿性液体を貯留し、貯留した吸湿性液体の少なくとも一部に超音波を照射して、水分を吸収した吸湿性液体から霧状液滴を発生させ、除去することで、吸湿性液体から水分を分離する調湿方法を提供する。
本発明の一態様においては、吸湿工程において、吸湿性液体を冷却しながら第1空気に吸湿性液体を接触させる方法としてもよい。
本発明の一態様においては、再生工程では、水分を吸収した吸湿性液体を加熱しながら吸湿性液体に超音波を照射する方法としてもよい。
本発明の一態様においては、再生工程で水分を分離した吸湿性液体を、吸湿工程で再使用する方法としてもよい。
本発明の一態様においては、霧状液滴の少なくとも一部を、第1空気とは時間的または空間的に異なって存在する第2空気に放出する方法としてもよい。
本発明の一態様においては、霧状液滴の少なくとも一部を回収し、回収して得られた第1液体を貯留する方法としてもよい。
本発明の一態様においては、貯留した第1液体の少なくとも一部に超音波を照射し、第1液体から霧状液滴を発生させる方法としてもよい。
本発明の一態様においては、霧状液滴は、吸湿性物質の一部を含む粗大液滴を含み、粗大液滴を分離し、回収し、回収して得られた第2液体の少なくとも一部を吸湿性液体に混合する方法としてもよい。
本発明の一態様においては、第2液体を貯留し、貯留した第2液体の少なくとも一部に超音波を照射し、第2液体から第2液体の霧状液滴を発生させる方法としてもよい。
本発明の一態様は、内部空間を有する筐体と、内部空間に配置され、吸湿性物質を含む吸湿性液体を貯留する貯留部と、を備え、貯留部は、筐体の外部の空気を内部空間に送り、空気と内部空間の吸湿性液体とを接触させ、空気に含まれる水分を吸湿性液体に吸収させる手段と、貯留部と筐体の外部とを連通する排気口と、水分を吸収した吸湿性液体の少なくとも一部に超音波を照射する第1超音波発生部と、水分を吸収した吸湿性液体から発生した霧状液滴を除去する第1手段と、有する調湿装置を提供する。
本発明の一態様においては、吸湿性液体を冷却する冷却機構を備える構成としてもよい。
本発明の一態様においては、水分を吸収した吸湿性液体を加熱する加熱機構を備える構成としてもよい。
本発明の一態様においては、霧状液滴の少なくとも一部を回収し、回収して得られた第1液体を捕集する捕集部を備える構成としてもよい。
本発明の一態様においては、捕集部は、捕集した第1液体の少なくとも一部に超音波を照射する第2超音波発生部と、第1液体から発生した霧状液滴を除去する第2手段と、を備える構成としてもよい。
本発明の一態様においては、霧状液滴は、吸湿性物質の一部を含む粗大液滴を含み、粗大液滴を分離し回収し、回収して得られた第2液体の少なくとも一部を吸湿性液体に混合する手段を備える構成としてもよい。
本発明の一態様においては、第2液体の少なくとも一部に超音波を照射する第3超音波発生部と、第2液体から発生した第2液体の霧状液滴を除去する第3手段と、を備える構成としてもよい。
本発明の一態様においては、排気口は、第1排気口と、第2排気口と、を有し、第1手段は、第1排気口が面する空間と、第2排気口が面する空間とに、貯留部の内部を区画する誘導部材を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、排気口は、第1排気口と、第2排気口と、を有し、貯留部は、第1貯留部と、第2貯留部と、第1貯留部と第2貯留部とを接続する流路と、を有し、第1貯留部は、吸収させる手段と、第1排気口と、を有し、第2貯留部は、第1超音波発生部と、第1手段と、第2排気口と、を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、吸収させる手段と第1空間とを接続する第1吸気管と、吸収させる手段と第2空間とを接続する第2吸気管と、第1吸気管と第2吸気管とを切り替える第1切替部と、第2排気口と第1空間とを接続する第3排気管と、第2排気口と第2空間とを接続する第4排気管と、第3排気管と第4排気管とを切り替える第2切替部と、を有し、第1切替部と第2切替部とは、第1空間と第2空間とのいずれか一方から空気を吸気し、他方に排気するように連動して駆動する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、第1空間を室内とし、第2空間を室外とする構成としてもよい。
本発明の一態様においては、第1超音波発生部は、超音波を発生させる本体部と、吸湿性液体よりも低比重の浮子と、本体部と浮子とを連結する連結部と、を有する構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。
第1実施形態の調湿装置1000を示す断面模式図である。 第2実施形態の調湿装置1001を示す断面模式図である。 第3実施形態の調湿装置1002を示す断面模式図である。 第4実施形態の調湿装置1003を示す断面模式図である。 第5実施形態の調湿装置1004を示す断面模式図である。 第6実施形態の調湿装置1005を示す断面模式図である。 第7実施形態の調湿装置1006を示す断面模式図である。 第8実施形態の第2貯留部12の周辺を示す断面模式図である。 空気A1の吸湿方式を示す第1の断面模式図である。 空気A1の吸湿方式を示す第2の断面模式図である。 空気A1の吸湿方式を示す第3の断面模式図である。 空気A1の吸湿方式を示す第4の断面模式図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。以下の図面においては、Z軸を図示する。本明細書において、Z軸は、本発明の実施形態における調湿装置の設置方向である。また、調湿装置の上方を+Z方向とする。
本実施形態の調湿方法は、吸湿性物質を含む吸湿性液体を第1空気に接触させ、第1空気に含まれる水分を吸湿性液体に吸収させる吸湿工程と、水分を吸収した吸湿性液体から水分を分離する再生工程と、を有する。
本明細書において、「再生」とは、水分を吸収した吸湿性液体から水分を分離させて、吸湿性液体の水分を吸収する性能を回復させることを意味する。
[調湿装置]
以下、本実施形態の調湿方法に用いる調湿装置について説明する。
図1は、第1実施形態の調湿装置1000の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の調湿装置1000は、筐体1と、貯留部10と、測定部120と、制御部300と、を備える。
(筐体)
本実施形態の筐体1は、内部空間5を有する。本実施形態の筐体1は、内部空間5に少なくとも貯留部10を収容する。
(貯留部)
貯留部10は、内部空間5に配置され、吸湿性液体Wを貯留する。吸湿性液体Wについては後述する。貯留部10は、第1貯留部11と、第2貯留部12と、流路13と、を備える。
以下の説明では、第1貯留部11における処理に用いられる液体を「吸湿性液体W1」と称する。また、第2貯留部12で処理される液体を「吸湿性液体W2」と称する。なお、吸湿性液体W1および吸湿性液体W2を合わせた構成を、「吸湿性液体W」と称する。
本明細書において、「吸湿性液体W2」は、特許請求の範囲における「水分を吸収した吸湿性液体」に相当する。
また、以下の説明では、第1貯留部11で処理される空気を「空気A1」と称する。また、第1貯留部11から放出される空気を「空気A3」と称する。さらに、第2貯留部12から放出される空気を「空気A4」と称する。「空気A4」と混合される空気を「空気A2」と称する。
本明細書において、「空気A1」は、特許請求の範囲における「第1空気」に相当する。本明細書において、「空気A2」は、特許請求の範囲における「第2空気」に相当する。
本発明の一態様に係る空気A1と空気A2とは、時間的または空間的に異なって存在する。本発明の一態様に係る空気A1と空気A2とが、時間的に異なって存在する場合、同一の空間に存在する。また、空間的に異なって存在する場合、同一の時間に存在する。
以下の実施形態では、空気A1と空気A2が時間的に異なって存在する場合について説明する。
(第1貯留部)
第1貯留部11は、導管201と、ブロワ202と、ノズル部133と、第1排気口14を有する。
本明細書において、導管201、ブロワ202およびノズル部133を合わせた構成は、特許請求の範囲における「吸収させる手段」に相当する。
導管201は、筐体1の内部空間5と筐体1の外部空間とを連通する。導管201の一端は、筐体1の外部空間の空気A1を送気するブロワ202に接続されている。一方、導管201の他端は、筐体1の外部空間に配置されている。
ブロワ202は、導管201の他端から空気A1を吸引する。これにより、ブロワ202は、導管201を介して、筐体1の外部空間の空気A1を筐体1の内部空間5に送気する。ブロワ202により送られた空気A1は、ブロア202から後述の第1排気口14に向かう気流を形成し、吸湿性液体W1と接触する。これにより、本実施形態の調湿装置1000は、空気A1と内部空間5の吸湿性液体W1とを接触させ、空気A1に含まれる水分を吸湿性液体W1に吸収させることができる。
第1排気口14は、空気A1に含まれる水分を吸湿性液体W1に吸収させて得られる空気A3を筐体1の外部空間に排気する。第1排気口14には、筐体1の外部空間に空気A3を導くための導管16が接続されている。導管16は、第1貯留部11の内部と筐体1の外部空間とを連通する。
空気A3は、空気A1から水分を除去して得られるため、筐体1の外部空間の空気A1よりも乾燥している。
また、第1貯留部11は、内部に測定部120を収容する。測定部120については後述する。
(第2貯留部)
第2貯留部12は、第2排気口15と、超音波振動子100と、ブロワ251と、誘導管252と、を有する。
本明細書において、超音波振動子100は、特許請求の範囲における「第1超音波発生部」に相当する。
本明細書において、誘導管252は、特許請求の範囲における「誘導部材」に相当する。
本明細書において、ブロワ251および誘導管252を合わせた構成は、特許請求の範囲における「第1手段」に相当する。
本明細書において、第1排気口14および第2排気口15を合わせた構成は、特許請求の範囲における「排気口」に相当する。
超音波振動子100は、吸湿性液体W2に超音波を照射し、吸湿性液体W2から水分を含む霧状液滴W3を発生させる。図1の超音波振動子100は、第2貯留部12の下方(−Z方向)で、第2貯留部12と接している。
超音波振動子100が吸湿性液体W2に超音波を照射する際、吸湿性液体W2の液面に吸湿性液体W2の液柱Cが生じることがある。上述の霧状液滴W3は、吸湿性液体W2の液柱Cから多く発生する。
第2排気口15は、霧状液滴W3を含む空気A4を、筐体1の外部空間の空気A2に放出し、除去する。これにより、吸湿性液体W2から水分を分離することができる。図1の第2排気口15には、空気A4を、空気A2に放出するための導管253が接続されている。導管253は、第2貯留部12と筐体1の外部空間とを連通する。第2排気口15は、超音波振動子100と平面的に重なっている。
空気A4は、発生した霧状液滴W3を含むため、筐体1の外部空間の空気A2よりも湿っている。
ブロワ251は、筐体1の外部空間から第2貯留部12の内部に空気を送り込み、第2貯留部12の内部から、第2排気口15を介して筐体1の外部に流れる気流を発生させる。
誘導管252は、吸湿性液体W2から発生した霧状液滴W3を第2排気口15に誘導する。誘導管252は、第2排気口15を平面的に囲んで設けられている。
本実施形態の調湿装置1000においては、第2排気口15が超音波振動子100と平面的に重なっていることから、第2排気口15の下方(−Z方向)に吸湿性液体W2の液柱Cが生じる。したがって、本実施形態の調湿装置1000においては、吸湿性液体W2の液柱Cの周囲を、誘導管252が囲んでいる。第2排気口15と、誘導管252と、液柱Cとがこのような位置関係であることで、吸湿性液体W2の液面から+Z方向に向かう気流によって、吸湿性液体W2の液柱Cから発生した霧状液滴W3が第2排気口15へと運ばれる。
流路13は、第1貯留部11と第2貯留部12とを接続する。流路13は、貯留部10の内部に吸湿性液体Wを循環させるポンプ110と接続している。流路13は、流路131と、流路132と、を有する。
流路131は、第1貯留部11から第2貯留部12に吸湿性液体Wを流入させる。流路131の一端は、第1貯留部11の下部に接続している。第1貯留部11に対する流路131の一端の接続箇所は、第1貯留部11に貯留された吸湿性液体W1の液面下に位置している。一方、流路131の他端は、第2貯留部12の下部に接続している。第2貯留部12に対する流路131の他端の接続箇所は、第2貯留部12に貯留された吸湿性液体W2の液面下に位置している。
流路132は、第2貯留部12から第1貯留部11に吸湿性液体Wを流入させる。流路132の一端は、第2貯留部12の下部に接続している。第2貯留部12に対する流路132の一端の接続箇所は、第2貯留部12に貯留された吸湿性液体W2の液面下に位置している。一方、流路132の他端は、第1貯留部11の上部に接続している。第1貯留部11に対する流路132の他端の接続箇所は、第1貯留部11に貯留された吸湿性液体W1の液面上に位置している。
ノズル部133は、第1貯留部11の内部で吸湿性液体W1を略円柱状に重力方向に落下させる。ノズル部133は、第1貯留部11の内部上方に収容され、流路132の他端と連通している。上述したように、第1貯留部11の内部は、ブロア202により、空気A1の気流が発生している。この空気A1の気流に対し、略円柱状の吸湿性液体W1を接触させ、吸湿性液体W1に空気A1に含まれる水分を吸収させる。このような空気A1の吸湿方式は、一般に「流下方式」と呼ばれる。
(吸湿性液体)
本実施形態の吸湿性液体Wは、吸湿性を示す液体であり、25℃、50%相対湿度、大気下の条件で吸湿性を示す液体が好ましい。
本実施形態の吸湿性液体Wは、吸湿性物質を含む。また、本実施形態の吸湿性液体Wは、吸湿性物質と溶媒とを含んでもよい。このような溶媒としては、吸湿性物質を溶解させる、または吸湿性物質と混和する溶媒が挙げられ、例えば水である。
吸湿性物質は、有機材料であっても、無機材料であってもよい。
吸湿性物質として用いられる有機材料としては、例えば2価以上のアルコール、ケトン、アミド基を有する有機溶媒、糖類、保湿化粧品などの原料として用いられる公知の材料などが挙げられる。
なかでも、親水性が高いことから、吸湿性物質として用いられる有機材料としては、2価以上のアルコール、アミド基を有する有機溶媒、糖類、保湿化粧品などの原料として用いられる公知の材料が好ましい。
2価以上のアルコールとしては、例えばグリセリン、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、またはトリエチレングリコールなどが挙げられる。
アミド基を有する有機溶媒としては、例えばホルムアミド、またはアセトアミドなどが挙げられる。
糖類としては、例えばスクロース、プルラン、グルコース、キシロール、フラクトース、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。
保湿化粧品などの原料として用いられる公知の材料としては、例えば2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、ベタイン、ヒアルロン酸、コラーゲンなどが挙げられる。
吸湿性物質として用いられる無機材料としては、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛,塩化アルミニウム、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化カリウム、水酸化ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。
吸湿性物質の親水性が高いと、例えばこれらの材料を水と混合したときに、吸湿性液体Wの表面(液面)近傍における水分子の割合が多くなる。後述する再生工程では、吸湿性液体W2の表面近傍から霧状液滴W3を発生させて、吸湿性液体W2から水分を分離する。そのため、吸湿性液体Wの表面近傍における水分子の割合が多いと、効率的に水分を分離できる。
また、吸湿性液体Wの表面近傍における吸湿性物質の割合が相対的に少なくなる。そのため、再生工程での吸湿性物質の損失を抑えられる。
本実施形態の吸湿性液体Wは、粘度が100mPa・s以下であることが好ましい。これにより、後述する再生工程において、吸湿性液体W2の液面に吸湿性液体W2の液柱Cを生じさせやすい。そのため、吸湿性液体W2から効率的に水分を分離できる。
(測定部)
測定部120は、吸湿性液体W1における吸湿性物質の濃度を測定する。測定部120は、吸湿性液体W1における吸湿性物質の濃度を測定可能な装置を有する。測定部120の測定結果は、後述の制御部300に出力される。
(制御部)
制御部300は、測定部120で得られた測定結果に基づいて、吸湿性液体W1における吸湿性物質の濃度が所望の濃度範囲となるように制御する。ここで、「所望の濃度」とは、吸湿性液体が水分を吸収するのに適した濃度範囲を意味し、例えば40質量%以上である。
制御部300は、超音波振動子100、ポンプ110、ブロワ202、およびブロワ251からなる群から選ばれる少なくとも一つを制御して、吸湿性物質の濃度が所望の濃度となるように制御する。
[調湿方法]
以下、上述の調湿装置1000を用いた調湿方法について説明する。図1に示す調湿装置1000において、ポンプ110を駆動し、貯留部10の吸湿性液体Wを循環させておく。
本実施形態の吸湿工程では、第1貯留部11のブロワ202を駆動させ、導管201を介して、筐体1の外部空間の空気A1を筐体1の内部空間5に送気する。これにより、第1貯留部11の吸湿性液体W1を、空気A1に接触させ、空気A1に含まれる水分を吸湿性液体W1に吸収させる。
本実施形態の吸湿工程では、空気A1に含まれる水分を除去し、空気A3を得る。得られた空気A3を、第1貯留部11の第1排気口14から排気する。
本実施形態の再生工程では、まず、第2貯留部12に吸湿性液体W2を貯留する。次いで、超音波振動子100を駆動させて、吸湿性液体W2の少なくとも一部に超音波を照射し、吸湿性液体W2から水分を含む霧状液滴W3を発生させる。一方で、第2貯留部12のブロワ251を駆動させ、第2貯留部12の内部に気流を発生させる。この気流により、霧状液滴W3を含む空気A4が第2排気口15に運ばれ、筐体1の外部空間の空気A2に放出される。
本実施形態の再生工程では、種々の方法を用いて、霧状液滴W3の発生量を制御できる。
まず、本実施形態の再生工程では、超音波振動子100の周波数と投入電力とのいずれか一方または両方を調整することにより、霧状液滴W3の発生量を制御できる。
本実施形態の再生工程において、超音波振動子100の周波数は、吸湿性液体Wの種類にもよるが、例えば1.0MHz以上5.0MHz以下の範囲であることが好ましい。超音波振動子100の周波数がこの範囲内であると、霧状液滴W3の発生量を多くすることができる。
本実施形態の再生工程において、超音波振動子100の投入電力は、吸湿性液体Wや超音波振動子100の種類にもよるが、例えば5W以上が好ましく、10W以上がより好ましい。超音波振動子100の投入電力が5W以上であると、霧状液滴W3の発生量を多くすることができる。
また、本実施形態の再生工程では、超音波振動子100の表面から吸湿性液体Wの液面までの深さを調整することによっても、霧状液滴W3の発生量を制御できる。すなわち、本実施形態の再生工程では、第2貯留部12の下面(−Z側の面)から吸湿性液体Wの液面までの深さを調整することにより、霧状液滴W3の発生量を制御できる。
本実施形態の再生工程において、第2貯留部12の下面から吸湿性液体Wの液面までの深さは、1cm以上6cm以下の範囲であることが好ましい。上記深さが1cm以上であると、空焚きのリスクが低く、霧状液滴W3の発生量が十分多くすることができる。また、上記深さが6cm以下であると吸湿性液体W2の液柱Cを生じさせることができる。その結果、効率的に霧状液滴W3を発生させることができる。
本実施形態の再生工程では、吸湿性液体W2から水分を分離し、吸湿性液体W2を再生させる。
本実施形態の調湿方法では、再生工程で得られた吸湿性液体W1を、流路13を介して第1貯留部に戻して、上述の吸湿工程で再使用する。このようにして、本実施形態の調湿方法が行われる。
以上のように、本実施形態の調湿方法では、超音波を利用して吸湿性液体W2の再生工程を行う。本実施形態の再生工程において、吸湿性液体W2の水分は霧状液滴W3となって吸湿性液体W2から分離される。そのため、本実施形態の再生工程においては、従来の調湿方法の再生工程で行う水の液体から気体への状態変化をほとんど伴わないと考えられる。したがって、本実施形態の調湿方法は、低エネルギーで再生可能である。
また、本実施形態の再生工程において、霧状液滴W3の液滴のサイズを制御することにより、吸湿性液体Wの吸湿性物質の損失を抑えることができる。したがって、本実施形態の調湿方法は、繰り返し行っても効率を維持することができる。
本実施形態によれば、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。
[調湿装置]
図2は、第2実施形態の調湿装置1001を示す断面模式図である。図2に示すように、第2実施形態の調湿装置1001は、筐体1と、貯留部10と、測定部120と、分離装置151と、流路152と、制御部300と、を備える。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本明細書において、分離装置151および流路152を合わせた構成は、特許請求の範囲における「混合する手段」に相当する。
(分離装置151)
発明者らの検討により、吸湿性液体W2から発生する霧状液滴W3の中には、液滴のサイズがミクロオーダーの比較的大きい粗大液滴W4を含むことがわかった。また、粗大液滴W4は、吸湿性液体Wに溶解した吸湿性物質の一部を含むことがわかった。
そこで、本実施形態の調湿装置1001においては、分離装置151にて粗大液滴W4を分離し、回収し、回収して得られた液体W12の少なくとも一部を吸湿性液体W2に混合する。これにより、本実施形態の調湿装置1001は、吸湿性液体Wの吸湿性物質の損失を抑えられる。
本明細書において、「液体W12」は特許請求の範囲における「第2液体」に相当する。
分離装置151は、粗大液滴W4を分離し、回収することができる限り、特に限定されない。分離装置151としては、例えば公知のミストセパレータ、または公知の気体透過膜を有する膜モジュールが挙げられる。
公知のミストセパレータの例としては、サイクロンセパレータ、「デミスター」と呼ばれるメッシュ型ミストセパレータ、「シェブロン」と呼ばれる波板型ミストセパレータなどが挙げられる。
流路152は、得られた液体W12の少なくとも一部を第2貯留部12の内部に流入させ、液体W12の少なくとも一部を吸湿性液体W2に混合する。流路152は、分離装置151と第2貯留部12とを第2貯留部の外側で接続している。
[調湿方法]
以下、上述の調湿装置1001を用いた調湿方法について説明する。第2実施形態の調湿方法では、霧状液滴W3に含まれる粗大液滴W4を分離装置151により分離し、回収する。回収して得られた液体W12を、流路152を介して、第2貯留部12の吸湿性液体W2に混合する。
本実施形態によれば、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。また、分離装置151を併用することにより、さらに吸湿性液体Wの吸湿性物質の損失を抑えることができる。したがって、本実施形態の調湿方法は、繰り返し行っても効率を維持することができる。
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。
[調湿装置]
図3は、第3実施形態の調湿装置1002を示す断面模式図である。図3に示すように、第3実施形態の調湿装置1002は、筐体1と、貯留部10と、測定部120と、分離装置151と、流路152と、流路153と、分離器271と、制御部300と、を備える。したがって、本実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
分離器271は、粗大液滴W4を回収して得られた液体W12を分離し、貯留する。
分離器271は、超音波振動子130と、開口部275と、ブロワ272と、誘導管273と、を有する。
本明細書において、超音波振動子130は、特許請求の範囲における「第3超音波発生部」に相当する。
本明細書において、ブロワ272および誘導管273を合わせた構成は、特許請求の範囲における「第3手段」に相当する。
超音波振動子130は、液体W12に超音波を照射し、液体W12から霧状液滴W22を発生させる。図の超音波振動子130は、分離器271の下方(−Z方向)で、分離器271と接している。
本明細書において、「霧状液滴W22」は特許請求の範囲における「第2液体の霧状液滴」に相当する。
開口部275は、霧状液滴W22を含む空気A4を、筐体1の外部空間の空気A2に放出し、除去する。図3の開口部275には、霧状液滴W22を含む空気A4を、筐体1の外部空間に導くための導管274が接続されている。導管274は、分離器271と筐体1の外部空間とを連通する。開口部275は、超音波振動子130と平面的に重なっている。
ブロワ272は、筐体1の外部空間から分離器271の内部に空気を送り込み、分離器271の内部から、開口部275を介して筐体1の外部空間に流れる気流を発生させる。
誘導管273は、液体W12から発生した霧状液滴W22を開口部275に誘導する。
誘導管273は、開口部275を平面的に囲んで設けられている。
本実施形態の調湿装置1002においては、開口部275が超音波振動子130と平面的に重なっていることから、開口部275の下方(−Z方向)に液体W12の液柱C2が生じる。したがって、本実施形態の調湿装置1002においては、液体W12の液柱C2の周囲を、誘導管273が囲んでいる。開口部275と、誘導管273と、液柱C2とがこのような位置関係であることで、液体W12の液面から+Z方向に向かう気流によって、液体W12の液柱C2から発生した霧状液滴W22が開口部275へと運ばれる。
流路153は、流路152の途中で分岐して設けられている。流路153は、分離器271に接続している。流路153は液体W12の一部を、分離器271に流入させる。
本実施形態の調湿装置1002においては、吸湿性液体Wに溶解した吸湿性物質として上述した保湿化粧品などの原料として用いられる公知の材料が用いられる。保湿化粧品などの原料として用いられる公知の材料は、水分の保湿力が高いことが知られている。そのため、これらの材料を一部含む液体W12から発生した霧状液滴W22を利用することで、肌を保湿する効果が期待できる。
[調湿方法]
以下、上述の調湿装置1002を用いた調湿方法について説明する。第3実施形態の調湿方法では、第2実施形態の調湿方法と同様に、吸湿工程および再生工程を行う。本実施形態の調湿方法では、再生工程で得られた液体W12の一部を、分離器271で分離し、貯留する。
また、本実施形態の調湿方法では、液体W12を貯留しておくことができる。液体W12は、上述の、吸湿性液体Wに溶解した吸湿性物質の一部を含むため、肌を保湿する保湿効果が期待できる。そのため、例えば、肌を保湿したい場合に、超音波振動子130を駆動させて液体W12の一部に超音波を照射し、液体W12から霧状液滴W22を発生させることができる。
本実施形態によれば、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。また、本実施形態の調湿装置および調湿方法によれば、筐体1の外部空間を調湿しつつ、肌を保湿する効果が期待できる。
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。
[調湿装置]
図4は、第4実施形態の調湿装置1003を示す断面模式図である。図4に示すように、第4実施形態の調湿装置1003は、筐体1と、貯留部10と、測定部120と、回収装置280と、捕集器281と、流路286と、制御部300と、を備える。したがって、本実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本明細書において、回収装置280、捕集器281、および流路286を合わせた構成は特許請求の範囲における「捕集部」に相当する。
回収装置280は、霧状液滴W3の少なくとも一部を回収する。捕集器281は、回収して得られた液体W11を捕集する。
本明細書において、「液体W11」は特許請求の範囲における「第1液体」に相当する。
捕集器281は、超音波振動子140と、開口部285と、ブロワ282と、誘導管283と、を有する。
本明細書において、超音波振動子140は、特許請求の範囲における「第2超音波発生部」に相当する。
本明細書において、ブロワ282および誘導管283を合わせた構成は、特許請求の範囲における「第2手段」に相当する。
超音波振動子140は、液体W11に超音波を照射し、液体W11から霧状液滴W3を発生させる。図1の超音波振動子140は、捕集器281の下方(−Z方向)で、捕集器281と接している。
開口部285は、霧状液滴W3を含む空気A4を、筐体1の外部空間の空気A2に放出し、除去する。図4の開口部285には、霧状液滴W3を含む空気A4を、筐体1の外部空間に導くための導管284が接続されている。導管284は、捕集器281と筐体1の外部空間とを連通する。開口部285は、超音波振動子140と平面的に重なっている。
ブロワ282は、筐体1の外部空間から捕集器281の内部に空気を送り込み、捕集器281の内部から、開口部285を介して筐体1の外部空間に流れる気流を発生させる。
誘導管283は、液体W11から発生した霧状液滴W3を開口部285に誘導する。誘導管283は、開口部285を平面的に囲んで設けられている。
本実施形態の調湿装置1003においては、開口部285が超音波振動子140と平面的に重なっていることから、開口部285の下方(−Z方向)に液体W11の液柱C1が生じる。したがって、本実施形態の調湿装置1003においては、液体W11の液柱C1の周囲を、誘導管283が囲んでいる。開口部285と、誘導管283と、液柱C1とがこのような位置関係であることで、液体W11の液面から+Z方向に向かう気流によって、液体W11の液柱C1から発生した霧状液滴W3が開口部285へと運ばれる。
[調湿方法]
以下、上述の調湿装置1003を用いた調湿方法について説明する。第4実施形態の調湿方法では、第2実施形態の調湿方法と同様に、吸湿工程および再生工程を行う。本実施形態の調湿方法では、再生工程で得られた霧状液滴W3の一部を回収装置280で回収し、回収して得られた液体W11を捕集器281で捕集する。
また、本実施形態の調湿方法では、液体W11を捕集しておくことができる。例えば、筐体1の外部空間の空気A2を急速に加湿したい場合に、超音波振動子140を駆動させて液体W11の一部に超音波を照射し、液体W11から霧状液滴W3を発生させることができる。
本実施形態によれば、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。また、本実施形態の調湿装置および調湿方法によれば、調湿装置1003の運転状況に応じて、霧状液滴W3の発生量を増やすことが容易である。
<第5実施形態>
以下、本発明の第5実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。
[調湿装置]
図5は、第5実施形態の調湿装置1004を示す断面模式図である。図5に示すように、第5実施形態の調湿装置1004は、筐体1と、貯留部10と、測定部120と、分離装置151と、流路152と、冷却機構160と、加熱機構170と、制御部300と、を備える。したがって、本実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
冷却機構160は、第1貯留部11の吸湿性液体W1を冷却する。図5の冷却機構160は、第1貯留部11の壁面に接して設けられている。
冷却機構160としては、第1貯留部11の吸湿性液体W1を冷却できる装置であれば、特に限定されない。例えば、冷却機構160としては、ペルチェ素子が挙げられる。
加熱機構170は、第2貯留部12の吸湿性液体W2を加熱する。図5の加熱機構170は、第2貯留部12の壁面に接して設けられている。
加熱機構170としては、第2貯留部12の吸湿性液体W2を加熱できる装置であれば、特に限定されない。例えば、加熱機構170としては、ヒータが挙げられる。
また、本実施形態においては、上述した冷却機構160と加熱機構170との組み合わせ以外に、冷却機構160として用いるペルチェ素子の放熱部を加熱機構170として用いてもよい。
[調湿方法]
以下、上述の調湿装置1004を用いた調湿方法について説明する。第5実施形態の調湿方法では、吸湿性液体W1を冷却機構160で冷却しながら吸湿工程を行う。また、第5実施形態の調湿方法では、吸湿性液体W2を加熱機構170で加熱しながら再生工程を行う。
本実施形態の吸湿工程において、吸湿性液体W1を冷却することにより、同じ運転時間での水分の吸収量を多くすることができる。
また、本実施形態の再生工程において、吸湿性液体W2を加熱することにより、同じ運転時間での霧状液滴W3の発生量を多くすることができる。したがって、第5実施形態では、第2実施形態と比べて、より低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。
なお、本実施形態の調湿装置1004が、冷却機構160と加熱機構170との両方を有する例を示したが、本発明の一態様の調湿装置は、これに限定されない。例えば、本発明の一態様の調湿装置は、冷却機構160と加熱機構170とのいずれか一方を有してもよい。この場合においても、本実施形態の効果は得られる。
本実施形態によれば、より低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。
<第6実施形態>
以下、本発明の第6実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。
[調湿装置]
図6は、第6実施形態の調湿装置1005を示す断面模式図である。図6に示すように、第6実施形態の調湿装置1005は、筐体1と、貯留部10Aと、を備える。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第1実施形態の調湿装置1000では、貯留部10が貯留部を2つ有していたが、第6実施形態の調湿装置1005では貯留部10Aは、貯留部を1つのみ有している。したがって、本実施形態の貯留部10Aは、導管201と、ブロワ202と、第1排気口14と、第2排気口15と、超音波振動子100と、ブロワ251と、誘導管252と、を有する。
本実施形態の誘導管252は、第1排気口14が面する空間と、第2排気口15が面する空間とに、貯留部10Aの内部を区画する。これにより、例えば、後述の調湿方法において、本実施形態の調湿装置1005を用いて吸湿工程と再生工程とを同時に行う場合、空気A3が第2排気口15から排気されたり、空気A4が第1排気口14から排気されたりするのを抑制できる。
[調湿方法]
以下、上述の調湿装置1005を用いた調湿方法について説明する。
本実施形態の吸湿工程では、貯留部10Aのブロワ202を駆動させ、導管201を介して、筐体1の外部空間の空気A1を筐体1の内部空間5に送気する。これにより、貯留部10Aの吸湿性液体Wを、空気A1に接触させ、空気A1に含まれる水分を吸湿性液体W1に吸収させる。
本実施形態の吸湿工程では、空気A1に含まれる水分を除去し、空気A3を得る。得られた空気A3を、貯留部10Aの第1排気口14から排気する。
本実施形態の再生工程では、貯留部10Aのブロワ251を駆動させ、貯留部10Aの内部に気流を発生させておく。まず、超音波振動子100を駆動させて、吸湿性液体Wの一部に超音波を照射し、吸湿性液体Wから水分を含む霧状液滴W3を発生させる。
本実施形態の再生工程では、得られた霧状液滴W3を、気流により第2排気口15から放出し、除去する。一方、本実施形態の再生工程では、吸湿性液体W2から水分を分離し、吸湿性液体W1を再生させる。このようにして、本実施形態の調湿方法が行われる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。また、本実施形態によれば、第1実施形態の調湿装置と比べて装置が小型化できる。
<第7実施形態>
以下、本発明の第7実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。
[調湿装置]
図7は、第7実施形態の調湿装置1006を示す断面模式図である。図7に示すように、第7実施形態の調湿装置1006は、第2実施形態の調湿装置1006と一部共通している。異なるのは、第7実施形態の調湿装置1006が、第1吸気管21と、第2吸気管22と、第3排気管23と、第4排気管24と、第1切替部25と、第2切替部26と、を有することである。したがって、本実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。また、図7では、筐体1、測定部120、分離装置151と、流路152と、制御部300を省略してある。
第1吸気管21は、第1貯留部11の導管201およびブロワ202と、第1空間AR1とを接続する。
第2吸気管22は、第1貯留部11の導管201およびブロワ202と、第2空間AR2とを接続する。
第3排気管23は、第2排気口15と、第1空間AR1とを接続する。
第4排気管24は、第2排気口15と、第2空間AR2とを接続する。
第1切替部25は、第1吸気管21と第2吸気管22とを切り替える。
第2切替部26は、第3排気管23と第4排気管24とを切り替える。
第1切替部25と第2切替部26とは、第1空間AR1と第2空間AR2のいずれか一方から空気A1を吸気し、他方に空気A3を排気するように連動して駆動する。
本実施形態の調湿装置1006において、第1空間AR1と、第2空間AR2とは互いにに異なる空間である。例えば、第1空間AR1を室内とし、第2空間AR2を室外としてもよい。
[調湿方法]
以下、上述の調湿装置1006を用いた調湿方法について説明する。
第7実施形態の調湿方法では、まず、第1切替部25を駆動させて、第1空間AR1と第1貯留部11の導管201およびブロワ202とが接続されるように、第1吸気管21に切り替える。このとき、第2切替部26は、第1切替部25と連動して駆動し、第2空間AR2と第2排気口15とが接続されるように、第4吸気管24に切り替える。
次いで、第1空間AR1から空気A1を吸気し、第2実施形態と同様に吸湿工程を行う。一方、第2実施形態と同様に再生工程を行い、第2空間AR2に空気A3を排気する。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様に、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。また、本実施形態によれば、調湿装置1006の設置場所によらず、調湿する空間を選択することができる。
<第8実施形態>
以下、本発明の第8実施形態における調湿装置および調湿方法について、図面に基づき説明する。
[調湿装置]
図8は、第8実施形態の第2貯留部12の周辺を示す断面模式図である。図8に示すように、第8実施形態の第2貯留部12は、第2実施形態の第2貯留部12と一部共通している。異なるのは、第8実施形態の超音波振動子100Aが、本体部101と、連結部102と、浮子103と、を有することである。したがって、本実施形態において第2実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の超音波振動子100Aは、投込式である。ここで、「投込式」とは、超音波振動子100Aの本体部101が、吸湿性液体Wに浸漬されている状態を指す。
本体部101は、超音波を発生させる。浮子103は、吸湿性液体Wよりも低比重であり、吸湿性液体Wの液面近傍に浮力により浮遊している。連結部102は、本体部101と浮子103とを連結する。
本体部101と浮子103とが連結部102で連結されていることにより、本体部101と浮子103との間隔一定になる。したがって、第2貯留部12の下面(−Z側の面)から吸湿性液体Wの液面までの深さが変動する場合においても、超音波振動子100Aの表面から吸湿性液体Wの液面までの深さを一定に保つことができる。上述したように、超音波振動子100Aの表面から吸湿性液体Wの液面までの深さを調整することにより、霧状液滴W3の発生量を制御できる。そのため、第2貯留部12の下面から吸湿性液体Wの液面までの深さが変動する場合においても、霧状液滴W3の発生量を制御しやすい。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様に、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことができる調湿装置および調湿方法が提供される。また、本実施形態によれば、第2貯留部12の下面から吸湿性液体Wの液面までの深さが変動する場合においても、霧状液滴W3の発生量を制御しやすい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上記実施形態では、空気A1の吸湿方式として、導管201およびブロワ202を用いた「流下方式」を示したが、これに限定されない。図9A〜図9Dは、空気A1の吸湿方式を示す断面模式図である。
空気A1の吸湿方式は、図9Aに示すような、ブロワ202により発生させた空気A1の気流中に吸湿性液体W1を静置する方式であってもよい。
また、図9Bに示すような、ブロワ202により発生させた空気A1の気流中で霧状の吸湿性液体Wを吹き付ける「スプレー方式」であってもよい。この方式を採用する調湿装置では、例えば、第1貯留部11に貯留された吸湿性液体W1を送液するポンプ203と、ポンプ203で送液された吸湿性液体W1が流動する配管204と、配管204の一端に設けられたスプレーノズル205と、を有する。スプレーノズル205は、第1貯留部11に貯留された吸湿性液体W1の液面上に位置する。
このような構成の調湿装置では、吸湿性液体Wを霧状とすることで、吸湿性液体Wの表面積を広げ、空気A1に含まれる水分を効率的に吸湿性液体Wに吸収させることができる。
また、図9Cに示すような、エアーポンプ207により空気A1の気泡を吸湿性液体W1中で発生させる「バブリング方式」であってもよい。この方式を採用する調湿装置では、例えば、第1貯留部11は導管206と、エアーポンプ207と、を有する。
導管206は、筐体1の内部空間5(図1参照)と筐体1の外部とを連通する。導管206の一端は、内部空間5に収容され、内部空間5の吸湿性液体W1に浸漬されている。
導管206は、筐体1の外部の空気A1を送気するエアーポンプ207に接続されている。
エアーポンプ207は、導管206を介して、筐体1の外部の空気A1を筐体1の内部空間5に送気する。エアーポンプ207により送られた空気A1は、導管206の一端から気泡となって吸湿性液体W1と接触する。
このような構成の調湿装置では、泡状の空気A1と内部空間5の吸湿性液体W1とを接触させることで、空気A1と吸湿性液体W1との接触面積を広げ、空気A1に含まれる水分を効率的に吸湿性液体W1に吸収させることができる。
また、図9Dに示すような、エアーポンプ210により発生させた空気A1の気流中で吸湿性液体Wをカラムに浸み込ませる「カラム方式」であってもよい。この方式を採用する調湿装置では、例えば、第1貯留部11は複数の充填材208と、充填材208を支持する支持板209と、外部の空気A1を送気するエアーポンプ210と、ノズル部133とを有する。
充填材208は、例えば、ガラスビーズのような吸湿性液体Wで劣化しない材質のものを採用することができる。
支持板209は、充填材208が通過しない程度の大きさの複数の孔を有しており、第1貯留部11の下方に位置している。充填材208は、第1貯留部11において支持板209の上に充填されている。
エアーポンプ210は、第1貯留部11の下方であって支持板209の下方に空気A1を送り込み、充填された充填材208の下方から上方に向けて空気A1の気流を形成する。
このような構成の調湿装置において、ノズル部133から吸湿性液体Wを流下させると、吸湿性液体Wは、充填材208を伝って広がり、第1貯留部11の下方に向かって流れる。この状態で、エアーポンプ210によって空気A1の気流を形成すると、充填材208の表面において、空気A1と吸湿性液体Wとが接触する。
このような構成の調湿装置では、充填材208の表面に吸湿性液体Wを広げることで、空気A1と吸湿性液体Wとの接触面積を広げ、空気A1に含まれる水分を効率的に吸湿性液体Wに吸収させることができる。
また例えば、上記実施形態では、超音波振動子100を一つ設ける例を示したが、超音波振動子100の数はこれに限定されず、2以上であってもよい。この場合、各超音波振動子100が生じさせる液柱C同士がぶつからないように隣接する超音波振動子100の間隔を調整するとよい。また、超音波振動子130、超音波振動子140についても同様である。
さらに例えば、上記実施形態では、特許請求の範囲における「誘導部材」として誘導管252を設ける例を示したが、これに限定されない。例えば、本発明の一態様の誘導部材は、第1排気口14が面する空間と、第2排気口15が面する空間との境界に配置される仕切板であってもよい。また、誘導管273、誘導管283についても同様である。
さらに例えば、上記実施形態では、第1排気口14および第2排気口15をそれぞれ第1貯留部11の上面(+Z側の面)および第2貯留部12の上面(+Z側の面)に設ける例を示したが、第1排気口14および第2排気口15の位置はこれに限定されない。第1排気口14および第2排気口15は下面(−Z側の面)以外の壁面に設けられていてもよい。
本発明の一態様は、低消費電力で水分の吸着と脱離を行うことが必要な調湿方法などに適用することができる。
1…筐体、5…内部空間、10,10A…貯留部、11…第1貯留部、12…第2貯留部、13,131,132,152,153,286…流路、14…第1排気口、15…第2排気口、21…第1吸気管、22…第2吸気管、23…第3排気管、24…第4排気管、25…第1切替部、26…第2切替部、101…本体部、102…連結部、103…浮子、160…冷却機構、170…加熱機構、1000,1001,1002,1003,1004,1005,1006…調湿装置、A1,A2,A3,A4…空気、AR1…第1空間、AR2…第2空間、W,W1,W2…吸湿性液体、W3,W22…霧状液滴、W4…粗大液滴、W11,W12…液体

Claims (20)

  1. 吸湿性物質を含む吸湿性液体を第1空気に接触させ、前記第1空気に含まれる水分を前記吸湿性液体に吸収させる吸湿工程と、
    前記水分を吸収した前記吸湿性液体から前記水分を分離する再生工程と、を有し、
    前記再生工程では、前記水分を吸収した前記吸湿性液体を貯留し、貯留した前記吸湿性液体の少なくとも一部に超音波を照射して、前記水分を吸収した前記吸湿性液体から霧状液滴を発生させ、前記霧状液滴を除去することで、前記吸湿性液体から前記水分を分離する調湿方法。
  2. 前記吸湿工程において、前記吸湿性液体を冷却しながら前記第1空気に前記吸湿性液体を接触させる請求項1に記載の調湿方法。
  3. 前記再生工程では、前記水分を吸収した前記吸湿性液体を加熱しながら前記吸湿性液体に超音波を照射する請求項1または2に記載の調湿方法。
  4. 前記再生工程で前記水分を分離した前記吸湿性液体を、前記吸湿工程で再使用する請求項1〜3のいずれか1項に記載の調湿方法。
  5. 前記霧状液滴の少なくとも一部を、前記第1空気とは時間的または空間的に異なって存在する第2空気に放出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の調湿方法。
  6. 前記霧状液滴の少なくとも一部を回収し、回収して得られた第1液体を貯留する請求項1〜5のいずれか1項に記載の調湿方法。
  7. 貯留した前記第1液体の少なくとも一部に超音波を照射し、前記第1液体から前記霧状液滴を発生させる請求項6に記載の調湿方法。
  8. 前記霧状液滴は、前記吸湿性物質の一部を含む粗大液滴を含み、
    前記粗大液滴を分離し、回収し、回収して得られた第2液体の少なくとも一部を前記吸湿性液体に混合する請求項1〜7のいずれか1項に記載の調湿方法。
  9. 前記第2液体を貯留し、貯留した前記第2液体の少なくとも一部に超音波を照射し、前記第2液体から前記第2液体の霧状液滴を発生させる請求項8に記載の調湿方法。
  10. 内部空間を有する筐体と、
    前記内部空間に配置され、吸湿性物質を含む吸湿性液体を貯留する貯留部と、を備え、
    前記貯留部は、前記筐体の外部の空気を前記内部空間に送り、前記空気と前記内部空間の前記吸湿性液体とを接触させ、前記空気に含まれる水分を前記吸湿性液体に吸収させる手段と、
    前記貯留部と前記筐体の外部とを連通する排気口と、
    前記水分を吸収した前記吸湿性液体の少なくとも一部に超音波を照射する第1超音波発生部と、
    前記水分を吸収した前記吸湿性液体から発生した霧状液滴を除去する第1手段と、を有し、
    前記霧状液滴の少なくとも一部を回収し、回収して得られた第1液体を捕集する捕集部を備える調湿装置。
  11. 前記捕集部は、捕集した前記第1液体の少なくとも一部に超音波を照射する第2超音波発生部と、
    前記第1液体から発生した前記霧状液滴を除去する第2手段と、を備える請求項10に記載の調湿装置。
  12. 内部空間を有する筐体と、
    前記内部空間に配置され、吸湿性物質を含む吸湿性液体を貯留する貯留部と、を備え、
    前記貯留部は、前記筐体の外部の空気を前記内部空間に送り、前記空気と前記内部空間の前記吸湿性液体とを接触させ、前記空気に含まれる水分を前記吸湿性液体に吸収させる手段と、
    前記貯留部と前記筐体の外部とを連通する排気口と、
    前記水分を吸収した前記吸湿性液体の少なくとも一部に超音波を照射する第1超音波発生部と、
    前記水分を吸収した前記吸湿性液体から発生した霧状液滴を除去する第1手段と、を有し、
    前記霧状液滴は、前記吸湿性物質の一部を含む粗大液滴を含み、
    前記粗大液滴を分離し回収し、回収して得られた第2液体の少なくとも一部を前記吸湿性液体に混合する手段を備える調湿装置。
  13. 前記第2液体の少なくとも一部に超音波を照射する第3超音波発生部と、
    前記第2液体から発生した前記第2液体の霧状液滴を除去する第3手段と、を備える請求項12に記載の調湿装置。
  14. 内部空間を有する筐体と、
    前記内部空間に配置され、吸湿性物質を含む吸湿性液体を貯留する貯留部と、を備え、
    前記貯留部は、前記筐体の外部の空気を前記内部空間に送り、前記空気と前記内部空間の前記吸湿性液体とを接触させ、前記空気に含まれる水分を前記吸湿性液体に吸収させる手段と、
    前記貯留部と前記筐体の外部とを連通する排気口と、
    前記水分を吸収した前記吸湿性液体の少なくとも一部に超音波を照射する第1超音波発生部と、
    前記水分を吸収した前記吸湿性液体から発生した霧状液滴を除去する第1手段と、を有し、
    前記排気口は、第1排気口と、第2排気口と、を有し、
    前記第1手段は、前記第1排気口が面する空間と、前記第2排気口が面する空間と、前記貯留部の内部を区画する誘導部材を有する調湿装置。
  15. 前記排気口は、第1排気口と、第2排気口と、を有し、
    前記貯留部は、第1貯留部と、第2貯留部と、前記第1貯留部と前記第2貯留部とを接続する流路と、有し、
    前記第1貯留部は、前記吸収させる手段と、前記第1排気口と、を有し、
    前記第2貯留部は、前記第1超音波発生部と、前記第1手段と、前記第2排気口と、を有する請求項10〜14のいずれか1項に記載の調湿装置。
  16. 前記吸収させる手段と第1空間とを接続する第1吸気管と、
    前記吸収させる手段と第2空間とを接続する第2吸気管と、
    前記第1吸気管と前記第2吸気管とを切り替える第1切替部と、
    前記第2排気口と第1空間とを接続する第3排気管と、
    前記第2排気口と第2空間とを接続する第4排気管と、
    前記第3排気管と前記第4排気管とを切り替える第2切替部と、を有し、
    前記第1切替部と前記第2切替部とは、前記第1空間と前記第2空間とのいずれか一方から前記空気を吸気し、他方に排気するように連動して駆動する請求項15に記載の調湿装置。
  17. 前記第1空間を室内とし、前記第2空間を室外とする請求項16に記載の調湿装置。
  18. 前記吸湿性液体を冷却する冷却機構を備える請求項10〜17のいずれか1項に記載の調湿装置。
  19. 前記水分を吸収した前記吸湿性液体を加熱する加熱機構を備える請求項10〜18のいずれか1項に記載の調湿装置。
  20. 前記第1超音波発生部は、超音波を発生させる本体部と、
    前記吸湿性液体よりも低比重の浮子と、
    前記本体部と前記浮子とを連結する連結部と、を有する請求項10〜19のいずれか1項に記載の調湿装置。
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