JP6877430B2 - 吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布、並びに上記積層不織布の、吸収性物品の液透過性シートへの使用 - Google Patents

吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布、並びに上記積層不織布の、吸収性物品の液透過性シートへの使用 Download PDF

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Description

本開示は、吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布、並びに上記積層不織布の、吸収性物品の液透過性シートへの使用に関する。
吸収性物品の液透過性シート用の不織布として、通気性等に優れる、複数の凹部及び凸部を有する不織布が知られており、種々の方法により製造された不織布、例えば、一対のギアロールに第1シートを通し、第1シートに凹凸賦形を形成し、凹凸賦形を有する第1シートを、第2シートに接合する方法、並びに当該方法により製造された不織布が知られている。
例えば、特許文献1には、第1シートと第2シートとが部分的に接合されて多数の接合部が形成されているとともに、第1シートには接合部以外の部分に凸部が形成されている複合シートの製造方法であって、前記両シートの少なくとも一方に熱処理により嵩が回復する嵩回復性シートを使用し、周面部に互いに噛み合う歯溝を有する第1及び第2ロールを回転させながらそれらの噛合い部分に第1シートを供給し、第1シートを第1ロールの周面部に沿わせてそのまま保持して前記噛合い部分から移動させた後、第2シートを第1シートに重ね合わせるように供給して両シートを部分的に接合して複合化するときに、前記嵩回復性シートの製造時における反ネット面を重ね合わせるシートとの対向面とし、前記両シートの接合前又は接合後に前記嵩回復性シートに熱処理を施す複合シートの製造方法が記載されている。
特階2008−155602号公報
特許文献1に記載の複合シートの製造方法は、その段落[0047]等に記載されるように、従来の製造方法において形成されていた凸部の空隙部を、毛羽だった繊維で埋めることにより、吸液性等を高めることを目的とするものであるが、特許文献1の複合シートは、その図1(b)に示されるように、依然として、凸部に空隙部を有するものである。凸部が空隙部を有すると、液体の透過が阻害される傾向にあり、特許文献1の複合シートは、吸液性の観点から改善の余地がある。
従って、本開示は、吸液性と、柔らかさとに優れる、吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布を提供することを目的とする。
本開示者らは、上方及び下方を含む厚さ方向と、平面方向とを有し、第1不織布と、第1不織布より上方に配置された第2不織布とを備える、吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布であって、上記積層不織布が、上記上方に突出する複数の凸部であって、そのそれぞれが頂部及び側壁部を有するものと、複数の凹部であって、そのそれぞれが第1不織布及び第2不織布のエンボス部を備えるものとを備え、上記複数の凸部のそれぞれが、第1不織布から構成され、第1上面及び第1下面を備える第1不織布部分と、第2不織布から構成され、第2上面及び第2下面を備え、上記頂部及び側壁部を構成している第2不織布部分とを含み、第1不織布部分の第1上面が、上記上方に突出しており、そして上記複数の凸部のそれぞれが、50%超の、上記頂部における上記平面方向に配向する繊維の比率と、50%超の、上記側壁部における上記厚さ方向に配向する繊維の比率とを有することを特徴とする積層不織布を見出した。
本開示の吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布は、吸液性と、柔らかさとに優れる。
図1は、第1実施形態に従う吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布1の斜視図である。 図2は、図1のII−II断面における、積層不織布1の部分断面図である。 図3は、積層不織布1の正面図である。 図4は、積層不織布1の背面図である。 図5は、第1実施形態に従う積層不織布1の、吸収性物品101の液透過性シート103への使用を説明するための図である。 図6は、図5のVI−VI断面における部分断面図である。 図7は、第2実施形態に従う積層不織布1を説明するための図である。 図8は、第3実施形態に従う積層不織布1を説明するための図である。 図9は、第4実施形態に従う積層不織布1を説明するための図である。 図10は、積層不織布1の製造装置201を模式的に示す図である。 図11は、製造装置201の、第1ロール205、第2ロール208及び接合ロール215を模式的に示す図である。 図12は、積層不織布1の製造工程を模式的に説明する図である。 図13は、積層不織布1の製造工程を模式的に説明する図である。 図14は、積層不織布1の製造工程を模式的に説明する図である。
[定義]
・「上方」及び「下方」
本明細書では、「上方」及び「下方」は、それぞれ、本開示の積層不織布の厚さ方向のうち、下面から上面に向かう方向及び上面から下面に向かう方向を意味する。なお、積層不織布の上面及び下面は、それぞれ、第2不織布及び第1不織布により構成される面であり、そして積層不織布の上面及び下面は、それぞれ、第2不織布部分の第2上面及び第1不織布部分の第1下面を含む。
・「凸部」及び「凹部」
本明細書では、「凸部」及び「凹部」は、積層不織布の厚さ方向に並行な面により区画される。凹部は、エンボス部から構成される。また、凹部が、所定の方向に延びる場合(例えば、溝部である場合)には、エンボス部は、所定方向に連続的又は間欠的に配置されることができ、間欠的に配置されたエンボス部のエンボス部間の領域も、凹部に含まれる。凸部は、上方に突出し、頂部及び側壁部を備える。
・凸部に関する「頂部」及び「側壁部」
本明細書では、凸部の「頂部」及び「側壁部」のそれぞれは、第2不織布部分から形成される。凸部の「頂部」及び「側壁部」とは、凸部の第2不織布部分の中で、最も高い点である頂点と、最も低い点である最低点との中間にあり、平面方向と平行な中間面で区画される。換言すると、凸部の頂部は、第2不織布部分のうち、頂点から中間面の間の高さに含まれる部分を意味し、凸部の側壁部は、第2不織布部分のうち、中間面よりも低く且つ最低点よりも高い部分を意味する。
図2を用いて説明すると、中間面57は、凸部25の頂点53と、凹部の最低点55との間の高低差DPの中間に位置し、凸部25の頂部27は、第2不織布部分18のうち、頂点53から中間面57の間の領域を意味し、凸部25の側壁部29は、第2不織布部分18のうち、中間面57よりも低く且つ最低点55よりの高い領域を意味する。
・第1不織布分に関する「第1頂部」及び「第1側壁部」
本明細書では、第1不織布部分の「第1頂部」及び「第1側壁部」は、第1不織布部分の第1上面の高低差、すなわち、第1上面の最も高い点である第1頂点と、第1上面の最も低い点である第1最低点との中間にあり、平面方向と平行な第1中間面で区画される。換言すると、第1不織布部分の第1頂部は、第1不織布部分のうち、第1頂点から第2中間面の間の高さに含まれる領域を意味し、第1不織布部分の第1側壁部は、第1不織布部分のうち、第1中間面よりも低く且つ最低点よりも高い領域を意味する。
図2を用いて説明すると、第1中間面61は、第1上面9の第1頂点59と、第1上面9の第1最低点63との間の高低差DFの中間に位置し、第1不織布部分8の第1頂部13は、第1不織布部分8のうち、第1頂点59から第1中間面61の間の領域を意味し、第1不織布部分8の第1側壁部15は、第1不織布部分8のうち、第1中間面61よりも低く且つ第1最低点63り高い領域を意味する。
・凸部に関する「中実」
本明細書では、凸部の第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面との間の最大距離が、凸部の高さの5%以下である場合に、凸部が「中実」であると定義する。中実な凸部は、好ましくは、凸部の高さの、好ましくは3%以下、そしてより好ましくは1%以下の、凸部の第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面との間の最大距離を有する。
・凸部に関する「空隙部」
「空隙部」は、凸部の第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面との間に形成された空間を意味する。中実な凸部は、空隙部を有しないもの(凸部の第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面との間の最大距離が0、すなわち、凸部の高さの0%であるもの)と、空隙部を有するもの(凸部の第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面との間の最大距離が、凸部の高さの0%超且つ5%以下であるもの)とに分けられる。なお、吸液性の観点からは、凸部が空隙部を有しないことが好ましい。
本開示は、以下の態様に関する。
[態様1]
上方及び下方を含む厚さ方向と、平面方向とを有し、第1不織布と、第1不織布より上方に配置された第2不織布とを備える、吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布であって、
上記積層不織布が、上記上方に突出する複数の凸部であって、そのそれぞれが頂部及び側壁部を有するものと、複数の凹部であって、そのそれぞれが第1不織布及び第2不織布のエンボス部を備えるものとを備え、
上記複数の凸部のそれぞれが、第1不織布から構成され、第1上面及び第1下面を備える第1不織布部分と、第2不織布から構成され、第2上面及び第2下面を備え、上記頂部及び側壁部を構成している第2不織布部分とを含み、
第1不織布部分の第1上面が、上記上方に突出しており、そして
上記複数の凸部のそれぞれが、50%超の、上記頂部における上記平面方向に配向する繊維の比率と、50%超の、上記側壁部における上記厚さ方向に配向する繊維の比率とを有する、
ことを特徴とする、上記積層不織布。
上記積層不織布では、複数の凸部のそれぞれが、所定の形状を有する第1不織布部分と、所定の形状を有する第2不織布部分とを含むので、積層不織布が、その上面(第2不織布部分の第2上面)から厚さ方向に押し込む力を受けた際(以下、「積層不織布が押し込まれた際」と称する場合がある)に、第1不織布部分及び第2不織布部分の形状に起因して、積層不織布が、クッション性に優れる。また、凸部が中実である場合には、積層不織布の上面(第2不織布部分の第2上面)に到達した液体を、第2不織布部分から第1不織布部分に速やかに受け渡すことができ、そして凸部が中実でない場合(すなわち、凸部が空隙部を有する場合)であっても、積層不織布が押し込まれた際に、上方に突出する第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面とが接触し、空隙部が容易に消失し、積層不織布の上面に到達した液体を、第2不織布部分から第1不織布部分に速やかに受け渡すことができるので、積層不織布が液体の吸液性に優れる。
また、上記積層不織布の複数の凸部のそれぞれの第2不織布部分では、頂部及び側壁部が、それぞれ、50%超の、上記頂部における上記平面方向に配向する繊維(以下、「平面方向に配向する繊維」を、『平面方向配向繊維』と称する場合がある)の比率と、50%超の、上記側壁部における上記厚さ方向に配向する繊維(以下、「厚さ方向に配向する繊維」を、『厚さ方向配向繊維』と称する場合がある)の比率とを有するので、凸部の頂部が、平面方向配向繊維に起因して滑らかさに優れ、そして側壁部の厚さ方向配向繊維に起因して、凸部がクッション性に優れる。
以上より、上記積層不織布は、吸液性と、クッション感及び滑らかさに起因する柔らかさとに優れる。
[態様2]
上記複数の凸部のそれぞれの第2不織布部分では、第2上面の繊維の繊度が、第2下面の繊維の繊度よりも低い、態様1に記載の積層不織布。
上記積層不織布の複数の凸部のそれぞれの第2不織布部分では、第2上面の繊維の繊度が、第2下面の繊維の繊度よりも低いので、第2上面の繊度及び第2下面の繊度の差に起因して、凸部の頂部が滑らかさに優れ、そして凸部がクッション感に優れる。
[態様3]
上記複数の凸部のそれぞれでは、第1不織布部分の繊維密度が、第2不織布部分の繊維密度よりも高い、態様1又は2に記載の積層不織布。
上記積層不織布では、複数の凸部のそれぞれが、繊維密度の高い第1不織布部分と、繊維密度の低い第2不織布部分とを含むので、積層不織布が押し込まれた際に、積層不織布がクッション性に優れる。また、上記積層不織布は、その上面に到達した液体を、繊維密度差を利用して、凸部の第2不織布部分から第1不織布部分に引き込むことができるので、液体の吸液性に優れる。
[態様4]
上記複数の凸部の少なくとも一部が、中実である、態様1〜3のいずれか一項に記載の積層不織布。
上記積層不織布では、複数の凸部の少なくとも一部が中実であるので、第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面との間に、空隙部が存在しない場合、すなわち、凸部が空隙部を有しない場合には、積層不織布が、その上面に到達した液体を、第2不織布部分から、第1不織布部分に迅速に受け渡すことができる。また、第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面との間に、空隙部が存在する場合、すなわち、凸部が空隙部を有する場合には、積層不織布が押し込まれた際に、第1不織布部分の第1上面と、第2不織布部分の第2下面とが接触し、上記空隙部が容易に消失することができるので、積層不織布が、積層不織布の上面に到達した液体を、第2不織布部分から、第1不織布部分に迅速に受け渡すことができ、積層不織布が液体の吸液性に優れる。
[態様5]
上記積層不織布が、上記複数の凸部の少なくとも一部において、第1不織布部分と、第2不織布部分との間に、接着層をさらに含む、態様1〜4のいずれか一項に記載の積層不織布。
上記積層不織布は、複数の凸部の少なくとも一部において、第1不織布部分と、第2不織布部分との間に接着剤層をさらに含むので、凸部が空隙部を有する場合であっても、積層不織布が押し込まれた際に、凸部の空隙部が容易に消失しやすい。また、上記積層不織布が吸収性物品の液透過性シートとして用いられた場合に、ヨレ等が加わったときでも、凸部に空隙部が生じにくい。その結果、上記積層不織布が、長時間にわたり、吸液性と、柔らかさとに優れることができる。
[態様6]
第1不織布がエアスルー不織布である、態様1〜5のいずれか一項に記載の積層不織布。
上記積層不織布では、第1不織布がエアスルー不織布であるので、上記積層不織布が吸収性物品の液透過性シートとして用いられた場合に、第1不織布部分の形状、特に上方に突出する形状が、ドライ時及びウェット時の両方において保持されやすい。その結果、上記積層不織布が、吸液性と、柔らかさとに優れることができる。
[態様7]
第2不織布が、第2不織布部分の第2上面がネット面となるように配置されたエアスルー不織布である、態様1〜6のいずれか一項に記載の積層不織布。
上記積層不織布では、第2不織布が、第2不織布部分の第2上面がネット面となるように配置されたエアスルー不織布であるので、凸部の上面(第2不織布の第2上面)、ひいては積層不織布が滑らかさに優れる。
[態様8]
上記複数の凸部の少なくとも一部の第1不織布部分が、第1頂部と、第1側壁部とを備え、50%超の、第1頂部における上記平面方向に配向する繊維の比率と、50%超の、第1側壁部における上記厚さ方向に配向する繊維の比率とを有する、態様1〜7のいずれか一項に記載の積層不織布。
上記積層不織布の複数の凸部の少なくとも一部の第1不織布部分では、第1頂部及び第1側壁部が、それぞれ、特定量の平面方向配向繊維及び厚さ方向配向繊維を含むので、凸部、ひいては積層不織布がクッション性に優れる。
[態様9]
上記複数の凸部のそれぞれが、所定の方向に延びる畝部である、態様1〜8のいずれか一項に記載の積層不織布。
上記積層不織布では、複数の凸部のそれぞれが、所定の方向に延びる畝部であるので、上記積層不織布は、所定の方向への滑らかさに優れる。
[態様10]
上記複数の凹部のそれぞれが、隣接する2つの上記畝部の間で、上記所定の方向に沿って延びる溝部であり、上記溝部が、上記所定の方向に沿って間欠的に配置された上記エンボス部を含む、態様9に記載の積層不織布。
上記積層不織布では、複数の凹部のそれぞれが溝部であり、そして上記溝部が間欠的に配置されたエンボス部を含むので、上記積層不織布が、柔らかさに優れる。
[態様11]
上記複数の凸部の少なくとも一部において、第1不織布部分の第1下面が、平坦な領域を含む、態様1〜10のいずれか一項に記載の積層不織布。
上記積層不織布では、第1不織布部分の第1下面が平坦な領域を含むので、上記積層不織布が、吸収性物品の液透過性シートとして、第1不織布部分の第1下面が非肌当接面を構成するように用いられた場合に、液透過性シートから吸収体への液体の受渡し性に優れる。
[態様12]
態様1〜11のいずれか一項に記載の積層不織布の、吸収性物品の液透過性シートへの使用。
上記使用は、上述の効果を有する。
本開示の吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布、並びに上記積層不織布の、吸収性物品の液透過性シートへの使用について、以下、詳細に説明する。なお、以下、「吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布」を、単に『積層不織布』と称する場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)に従う吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布1の斜視図である。図2は、図1のII−II断面における、積層不織布1の部分断面図である。図3及び図4は、それぞれ、積層不織布1の正面図及び背面図である。
第1実施形態に従う積層不織布1は、上方TU及び下方TLを含む厚さ方向Tと、第1方向D1及び第1方向D1と直交する第2方向D2を含む平面方向Pとを有する。また、積層不織布1は、吸収性物品の液透過性シートとして用いられた際に肌当接面を形成する上面3と、吸収性物品の液透過性シートとして用いられた際に吸収体と向かい合う下面5とを備える。また、積層不織布1の上面3及び下面5は、それぞれ、第2不織布部分18の第2上面19及び第1不織布部分8の第1下面11を含む概念である。
積層不織布1は、第1不織布7と、第2不織布17と、第1不織布7及び第2不織布17の間に配置された接着層23からなる。第1不織布7は、第1上面9及び第1下面11を備える。第2不織布17は、第2上面19及び第2下面21を備える。
なお、第1不織布の第1下面11が、積層不織布1の下面5の一部を、そして第2不織布の第2上面が、積層不織布1の上面3の一部を構成している。
積層不織布1は、上方TUに突出する複数の凸部25と、複数の凹部31とを備える。具体的には、複数の凹部31のそれぞれは、第1不織布7及び第2不織布17を、第1方向D1に沿って連続的にエンボスすることにより形成されたエンボス部41から構成されている。
また、複数の凸部25のそれぞれは、第1方向D1に延在する畝部であり、そして複数の凹部31のそれぞれは、第1方向D1に延在する溝部であり、凸部25(すなわち、畝部)と、凹部31(すなわち、溝部)とが、第2方向D2に交互に配置されている。
複数の凸部25のそれぞれは、頂点53を含む頂部27と、側壁部29とを有する。
複数の凸部25のそれぞれは、第1不織布7から構成された、第1上面9が上方TUに突出する第1不織布部分8と、第2不織布17から構成された、第2不織布部分18とを含む。第1不織布部分は、第1頂部13と、第1側壁部15とを備え、そして第2不織布部分は、凸部25の頂部27及び側壁部29を構成している。また、第2不織布部分18の第2下面21の形状は、第1不織布部分8の第1上面9の形状と対応するように構成されている。
複数の凸部25のそれぞれは、50%超の、頂部27における平面方向配向繊維の比率と、50%超の、側壁部29における厚さ方向配向繊維の比率を有する。そうすることにより、凸部25の頂部27が、平面方向配向繊維に起因して滑らかさに優れ、そして凸部25が、側壁部29の厚さ方向配向繊維に起因して、クッション性に優れる。
また、複数の凸部25のそれぞれの第2不織布部分18では、第2上面19の繊維の繊度が、第2下面21の繊維の繊度よりも低い。そうすることにより、第2上面19の繊度及び第2下面21の繊度の差に起因して、凸部25の頂部27が滑らかさに優れ、そして凸部25がクッション感に優れる。
複数の凸部25のそれぞれでは、第1不織布部分8の繊維密度が、第2不織布部分18の繊維密度よりも高い。そうすることにより、積層不織布1が、上面3から厚さ方向Tに押し込む力を受けた際に、積層不織布1がクッション性に優れる。また、積層不織布1は、上面3に到達した液体を、繊維密度差を利用して、凸部25の第2不織布部分18から第1不織布部分8に引き込むことができるので、積層不織布1が、液体の吸液性に優れる。
複数の凸部25のそれぞれでは、第1不織布部分8の第1下面11が平坦な領域を含む。換言すると、積層不織布1は、複数の凹部31、並びにそれらに隣接する部分を除いて、下面5が平坦である。そうすることにより、積層不織布1が、吸収性物品の液透過性シートとして、第1不織布部分8の第1下面11が非肌当接面を構成するように用いられた場合に、液透過性シートから吸収体への液体の受渡し性に優れ、ひいては吸収性物品が吸液性に優れる。
複数の凸部25のそれぞれにおいて、接着層23は、第1不織布部分8(の第1上面9)と、第2不織布部分18(の第2下面21)との間に配置されている。具体的には、接着層23は、凸部25の平面方向Pの全体にわたって、間欠的に、第1不織布部分8及び第2不織布部分18の間に配置されている。また、図示されていないが、接着層23は、複数の凹部31のそれぞれにおいて、第1不織布7及び第2不織布17の間に、凹部31の平面方向Pの全体にわたって、間欠的に配置されている。
第1不織布部分8は、50%超の、第1頂部13における平面方向配向繊維の比率と、第1側壁部15における厚さ方向配向繊維の比率とを有する。そうすることにより、凸部25がクッション性に優れる。
図5及び図6は、第1実施形態に従う積層不織布1の、吸収性物品101の液透過性シート103への使用を説明するための図である。具体的には、図5は、第1実施形態に従う積層不織布1を、液透過性シート103として備える吸収性物品101の平面図である。図6は、図5のVI−VI断面における、吸収性物品101の部分断面図である。
図5及び図6に示されるように、吸収性物品101は、お互いに直交する、長手方向Lと、幅方向Wと、上方TU及び下方TLを含む厚さ方向Tとを有し、そして厚さ方向Tにおいて、液透過性シート103と、吸収体105と、液不透過性シート111とを、その順番で備える。吸収体105は、吸収コア109と、吸収コア109を覆うコアラップ107とから構成されている。
なお、吸収性物品101は、サイドシート121と、吸収性物品101の端部をシールするシール部123と、液透過性シート103及び吸収体105をエンボスすることにより形成されたエンボス部125と、吸収性物品101を着衣に固定する固定部127とを有するが、いずれも当技術分野で公知のものであるので詳細な説明を省略する。
図5及び図6に示されるように、液透過性シート103としての積層不織布1は、上面3が、吸収性物品101の肌当接面を構成するように、そして下面5が、吸収体105と接するように配置されている。また、積層不織布1は、第1方向D1及び第2方向D2が、それぞれ、吸収性物品101の長手方向L及び幅方向Wと一致するように配置されている。なお、積層不織布1の、上方TU及び下方TLを含む厚さ方向Tは、吸収性物品101のそれらと同一の概念である。
吸収性物品101では、液透過性シート103が、上述の積層不織布1の効果をそのまま有している。
また、吸収性物品101では、液透過性シート103(積層不織布1)の複数の凸部25の下面5の平坦な領域が、広範囲にわたって、吸収体105、具体的にはコアラップ107と接しているので、液透過性シート103(積層不織布1)の肌当接面に到達した液体を、吸収体105に迅速に受け渡すことができる。
<第2実施形態>
図7は、本開示の別の実施形態(以下、「第2実施形態」と称する)に従う積層不織布1を説明するための図であり、斜視図である。
なお、第2実施形態に従う積層不織布1は、後述の部分以外は、第1実施形態に従う積層不織布1と同様であるので、説明を省略する。
第2実施形態に従う積層不織布1は、上方TUに突出する複数の凸部25と、複数の凹部31とを備える。複数の凸部25のそれぞれは、第1方向D1に延在する畝部であり、そして複数の凹部31のそれぞれは、第1方向D1に延在する溝部であり、凸部25(すなわち、畝部)と、凹部31(すなわち、溝部)とが、第2方向D2に交互に配置されている。
複数の凸部25は、第1実施形態のものと同一である。複数の凹部31のそれぞれは、第1不織布7及び第2不織布17を、第1方向D1に沿って、間欠的にエンボスすることにより形成された、複数のエンボス部41を含む。また、複数の凹部31のそれぞれは、隣接する2つのエンボス部41の間に、非エンボス部43とを含む。換言すると、複数の凹部31のそれぞれは、複数のエンボス部41と、複数の非エンボス部43とを含み、複数のエンボス部41のそれぞれと、複数の非エンボス部43のそれぞれとは、第1方向D1に交互に配置されている。
第2実施形態に従う積層不織布1では、複数の凸部25のそれぞれにおいて、第1不織布部分8の第1下面11が平坦な領域を含み、そして複数の凹部31のそれぞれにおいて、複数の非エンボス部43の下面5が平坦な領域を含む。また、第2実施形態に従う積層不織布1では、複数のエンボス部41、並びにそれらに隣接する部分を除き、下面5が平坦である。
積層不織布1が、上述の構造を有することにより、特に、第1方向D1に沿って、間欠的に配置されたエンボス部41を含むことにより、積層不織布1が柔らかさに優れる。
<第3実施形態>
図8は、本開示の別の実施形態(以下、「第3実施形態」と称する)に従う積層不織布1を説明するための図であり、図1のII−II断面に相当する断面図である。
なお、第3実施形態に従う積層不織布1は、後述の部分以外は、第1実施形態に従う積層不織布1と同様であるので、説明を省略する。
第3実施形態に示される積層不織布1は、第1不織布7と、第2不織布17とからなり、第1不織布7と、第2不織布17との間に、接着層を有しない。
複数の凸部25のそれぞれは、第1上面9及び第1下面11を備える第1不織布部分8と、第2上面19及び第2下面21を備える第2不織布部分18とから成る。積層不織布1では、複数の凸部25のそれぞれが、第1不織布部分8の第1上面9と、第2不織布部分18の第2下面21との間に、空隙部51を備える。空隙部51は、第2不織布部分18(凸部25)の頂部27と、第1不織布部分8の第1頂部13と、厚さ方向Tに概ね重複する範囲に形成されている。複数の凸部25のそれぞれが、上述の特定の空隙部51を有することにより、積層不織布1の吸液性を保持しつつ、クッション性を高めることができる。
<第4実施形態>
図9は、本開示の別の実施形態(以下、「第4実施形態」と称する)に従う積層不織布1を説明するための図であり、斜視図である。
なお、第4実施形態に従う積層不織布1は、上述の部分以外は、第1実施形態に従う積層不織布1と同様であるので、説明を省略する。
第4実施形態に従う積層不織布1は、上方TUに突出する複数の凸部25と、複数の凹部31とを備える。具体的には、複数の凸部25のそれぞれは、厚さ方向Tにおいて、上方に突出する湾曲状、具体的には、略四角錐台の形状を有している。また、複数の凸部25のそれぞれは、平面方向Pにおいて、第1方向D1及び第2方向D2に間欠的に、千鳥状に配置されている。
複数の凹部31のそれぞれは、第1不織布7及び第2不織布17をエンボスすることにより形成されたエンボス部41から構成されており、平面方向Pにおいて、隣接する4つの凸部に囲まれ、そして平面方向Pにおいて、千鳥状に配置されている。
第4実施形態に従う積層不織布1は、吸収性物品の液透過性シートとして使用された場合に、使用者との接触面積を減らすことができるので、肌を傷めにくく、そして平面方向の通気性に優れる。
<積層不織布の製造>
本開示の積層不織布は、特に制限されず、公知の方法を種々組み合わせることにより製造されうる。
一例として、第1実施形態に従う積層不織布は、図10〜図14に示される製造装置201及び製造方法を用いて製造することができる。
図10は、積層不織布1の製造装置201を模式的に示す図である。図11は、製造装置201の、第1ロール205、第2ロール208及び接合ロール215を模式的に示す図である。製造装置201は、第1の熱処理装置203と、第1ロール205と、第2ロール208と、第2の熱処理装置211と、接着剤塗布装置213と、接合ロール215とを備える。製造装置201は、積層不織布1の資材等の搬送に関し、搬送方向MDと、搬送方向MDと直交し且つ搬送面に沿う横断方向CDと、搬送方向MD及び横断方向CDと直交する上下方向TDとを有する。
なお、積層不織布1の製造装置201では、積層不織布1、並びに積層不織布1を構成する資材(部材)は、第1方向D1、第2方向D2及び厚さ方向Tが、それぞれ、搬送方向MD、横断方向CD及び上下方向TDと同一となるように搬送される。従って、積層不織布1の製造方法においては、搬送方向MD、横断方向CD及び上下方向TDは、それぞれ、積層不織布1、並びに積層不織布1を構成する資材に関する、第1方向D1、第2方向D2及び厚さ方向Tと読み替えることができる。
図10に示される、積層不織布1の製造方法は、第1の嵩回復工程S1と、賦形工程S2と、第2の嵩回復工程S3と、塗布工程S4と、接合工程S5とを含む。
[第1の嵩回復工程S1
第1の嵩回復工程S1では、第2の資材ロール(図示せず)から巻き出された、嵩回復前の第2不織布301を、第1の熱処理装置203で加熱する熱処理を行い、第2不織布17を形成する。具体的には、第1の熱処理装置203は、嵩回復前の第2不織布301を搬送方向MDに搬送しながら、嵩回復前の第2不織布301に熱を加え、嵩回復前の第2不織布301の嵩を回復し、嵩が回復された第2不織布17を形成する。
第1の熱処理装置203では、嵩回復前の第2不織布301は、第1の熱処理装置203の搬送方向MDの両端にそれぞれ設けられたニップロール等により、テンションを調整しながら搬送される。
上記熱処理の方法としては、例えば、嵩回復前の第2不織布301のいずれか一方の面(例えば、嵩回復前の第2不織布がエアスルー不織布である場合に、搬送用のネットに接していたネット面)又は両面から、嵩回復前の第2不織布301の厚さ方向に熱風が通過するように、熱風を供給する方法が挙げられる。
[賦形工程S2
賦形工程S2では、第2不織布17を、第1ロール205及び第2ロール208の噛合い領域219に供給する。
第1ロール205は、その第1外周面206に、搬送方向MD(回転方向)に沿って連続的に延設された複数の第1歯部207aであって、そのそれぞれが横断方向CDに所定のピッチで配置されるものを備える。隣接する2つの第1歯部207aの間の領域が、第1窪み部207bを形成しており、複数の第1歯部207aと、複数の第1窪み部207bとは、横断方向CDに交互に配置されている。
第2ロール208は、その第2外周面209に、搬送方向MD(回転方向)に沿って連続的に延設された複数の第2歯部210aであって、そのそれぞれが横断方向CDに所定のピッチで配置されるものを備える。隣接する2つの第2歯部210aの間の領域が、第2窪み部210bを形成しており、複数の第2歯部210aと、複数の第2窪み部210bとは、横断方向CDに交互に配置されている。
図11に示される仮想線EL1及び仮想線EL2から明らかなように、第1ロール205の第1歯部207a及び第1窪み部207bは、それぞれ、第2ロール208の第2窪み部210b及び第2歯部210aと噛み合うように配置されている。
図12に示されるように、第1ロール205及び第2ロール208は、両者の歯部及び溝部の噛合い領域に第2不織布17を狭持して、第2不織布17を賦形処理する、具体的には、第1ロール205に向かって突出する、複数の第1湾曲部309と、第2ロール208に向かって突出する第2湾曲部311とを形成し、賦形された第2不織布303を形成する。
具体的には、第2不織布17は、第1ロール205の第1歯部207aの間の部分が、第2ロール208の第2歯部210aにより、第2下面21から第2上面19へ向かって、すなわち、第1ロール205の第1外周面206に向かって押し出される。それにより、第2不織布17に、複数の第1湾曲部309が形成される。
また、第2不織布17は、第2ロール208の第2歯部210a間の部分が、第1ロール205の第1歯部207aにより、第2上面19から第2下面21に向かって、すなわち第2ロール208の第2外周面209に向かって押し出される。それにより、第2不織布17に、複数の第2湾曲部311が形成される。
賦形工程S2では、複数の第2湾曲部311のそれぞれを、第1ロール205の第1歯部207aと、第2ロール208の第2外周面209とに押し付け、圧縮する。それにより、第2湾曲部311を構成する繊維の熱溶着、塑性変形等により、第2湾曲部311(特に、第1ロール205の第1歯部207aと、第2ロール208の第2外周面209とに接している部分)の形状が固定されやすくなる。
賦形工程S2では、複数の第1湾曲部309のそれぞれを、第2ロール208の第2歯部210aと、第1ロール205の第1外周面206との間で潰されないように圧縮することが好ましい。そうすることにより、第1湾曲部309を構成する繊維の熱溶着、塑性変形等が生じにくく、第1湾曲部309の構造(特に、第2下面21よりの構造)が固定されにくい。その結果、賦形工程S2を終え、第2ロール208を、第1ロール205から離間した場合に、第1湾曲部309を構成する繊維の反発力(又は弾性力)等により、第2不織布17の第1湾曲部309の構造(特に、第2下面21よりの構造)が、第2歯部210aにより噛まれる前の状態に戻りやすくなる。
次いで、賦形された第2不織布303の第2上面19が第1ロール205と接した状態を維持しつつ、賦形された第2不織布303の第2下面21を第2ロール208から引き離す。その際、図13に示されるように、賦形された第2不織布303の第2上面19が第1ロール205と接し続けるので、第1湾曲部309の第2上面19の湾曲形状が維持される一方で、第1湾曲部309の第2下面21は、元の形状に回復しようとする、すなわち、平面状に回復しようとする。
第1ロール205の温度は、常温(例えば、25℃)よりも高く、第2不織布17を構成する繊維のうちの最も低い融点の成分の融点よりも低い第1の所定温度であることが好ましい。第1ロール205の温度を高くすると、賦形的な効果により、賦形された第2不織布303における第1湾曲部309の第2上面19の湾曲形状をより安定化できる。それに加えて、賦形された第2不織布303の内部に熱が蓄えられるので、第2下面21が第2ロール208から引き離されて、第1湾曲部309の第2下面21が元の形状に回復する際に、その反発力(又は弾性力)による回復を、熱による嵩回復の効果により補助することができる。
第2ロール208の温度は、常温以上、上記の第1の所定温度未満の第2の所定温度であることが好ましい。そうすることにより、第2ロール208による賦形的な効果が少なくなり、嵩回復の効果が強くなり、賦形された第2不織布303の第1湾曲部309の第2下面21を元の状態により回復しやすくなる。
第2ロール208は、導電性を有さない誘電体、例えば、合成樹脂(例えば、ナイロン)から構成されてもよい。そうすることにより、第2ロール208から、賦形された第2不織布303が離れる際に、第2ロール208の第2外周面209と、賦形された第2不織布303との摩擦により発生する静電気により、賦形された第2不織布303の第2下面21の繊維が、第2ロール208に引き付けられる。それにより、賦形された第2不織布303の第2下面21の繊維が、第2ロール208の方向に立ち上がり、賦形された第2不織布303の第2下面21を、より小さな窪み又は平面状に回復させることができる。それにより、後述の接合工程S5にて、賦形された第2不織布303と、接着層を備える第1不織布307とを、それらの間に隙間が生じないように接合できる。その結果、積層不織布1の、複数の凸部25を中実に、より具体的には凸部25が空隙部を有しないようにすることができる。
なお、複数の第1湾曲部309及び複数の第2湾曲部311は、それぞれ、最終的に、積層不織布1の複数の凸部25及び複数の凹部31を構成する。
[第2の嵩回復工程S3
第2の嵩回復工程S3では、第2の資材ロール(図示せず)から巻き出された、嵩回復前の第1不織布305を、第2の熱処理装置211で加熱する熱処理を行い、第1不織布7を形成する。第2の熱処理装置211は、シートを熱処理し、シートを嵩回復させる装置であり、第1の熱処理装置203と同様である。具体的には、第2の熱処理装置211は、嵩回復前の第1不織布305を搬送方向MDに搬送しながら、嵩回復前の第1不織布305に熱を加え、嵩回復前の第1不織布305の嵩を回復し、嵩が回復された第1不織布7を形成する。
第2の熱処理装置211では、嵩回復前の第1不織布305は、第2の熱処理装置211の搬送方向MDの両端にそれぞれ設けられたニップロール等により、テンションを調整しながら搬送される。
[塗布工程S4
塗布工程S4では、第1不織布7を、接着剤塗布装置213に供給し、第1不織布7の第1上面9に、接着剤を所定のパターンで塗布し、接着層を備える第1不織布307を形成する。上記所定のパターンは、例えば、搬送方向MDに沿って延び、横断方向CDに所定間隔で並んだ、所定幅を有するストライプパターンであることができる。
上記接着剤は、特に制限はなく、例えば、ホットメルト接着剤が挙げられる。
[接合工程S5
接合工程S5では、賦形された第2不織布303と、接着層を備える第1不織布307とを、接合領域221に供給し、接合領域221において、賦形された第2不織布303と、接着層を備える第1不織布307とを接合し、積層不織布1を形成する。
接合ロール215は、その接合ロール外周面216と、第1ロール205の第1歯部207a及び第1窪み部207bとの接合領域221において、接着層を備える第1不織布307及び賦形された第2不織布303を狭持して接合する。接合ロール215は、第1ロール205の第1外周面206上における第1の所定位置と異なる第2の所定位置で、第1ロール205と向かい合って配置されている。接合ロール215は、その接合ロール外周面216に、搬送方向MD(回転方向)及び横断方向CDのそれぞれに沿って間欠的に配置されたピン217を備える。
図11に示される仮想線EL1及び仮想線EL2から明らかなように、接合ロール215のピン217と、第1ロール205の第1歯部207aとは、互いに向かい合うように配置されている。接合ロール215のピン217及び接合ロール外周面216と、第1ロール205の第1歯部207a及び第1窪み部207bとは、接合領域221において、賦形された第2不織布303及び接着層を備える第1不織布307を狭持して、賦形された第2不織布303の第2下面21と、接着層を備える第1不織布307の第1上面9とを密接させて、賦形された第2不織布303及び接着層を備える第1不織布307を、接着層を介して接合する。また、接合ロール215のピン217と第1ロール205の第1歯部207aとの間で、賦形された第2不織布303及び接着層を備える第1不織布307をエンボスし、エンボス部41(凹部31)を形成する。以上により、積層不織布1が製造される。
接合領域221では、賦形された第2不織布303の第2上面19を、第1ロール205と接した状態が維持されるので、複数の第1湾曲部309の第2上面19の形状が維持されやすい。また、賦形された第2不織布303の第2下面21の形状は、賦形工程S2の後、より小さな窪み又は平面状に回復しているので、接合工程S5において、第2不織布17の第2下面21の全面と、第1不織布7の第1上面9の全面とが、接着層23を間に挟んで接合しやすくなる。
第2不織布17が、ネット上を搬送することにより製造された不織布(例えば、エアスルー不織布)である場合には、賦形された第2不織布303と、接着層を備える第1不織布307とを、ネットに接していたネット面が第2上面19を構成するように、そしてネットに接していなかった非ネット面が第2下面21を構成するように接合することができる。
ネット面は、非ネット面よりも、不織布を構成する繊維の繊維密度が高く、そして表面が滑らかである傾向がある。その結果、賦形工程S2の後、第1湾曲部309の第2上面19の形状を安定的に維持できる。
一方、第1湾曲部309における第2下面21では、繊維密度が低いため、嵩が大きく回復し、厚さ方向Tに弾性変形しやすくなり、そして屈曲等の塑性変形を起こす繊維が少ない。その結果、賦形工程S2の後、賦形された第2不織布303から第2ロール208が離れると、第1湾曲部309の第2下面21の繊維の反発力(又は弾性力)によって、第1湾曲部309の第2下面21をより平面状にでき、そしてその表面を毛羽立たせることができる。従って、形成される積層不織布1において、複数の凸部25のそれぞれが、中実になりやすく、より具体的には、複数の凸部25のそれぞれが、空隙部を有しにくくなる。
上述の製造方法は、第2不織布を賦形し、賦形された第2不織布を、第1不織布と接合するもの(以下、「賦形法」と称する場合がある)である。
当技術分野では、複数の凸部及び複数の凹部(以下、「凹凸構造」と称する)を有する積層不織布を製造する方法として、ウェブに流体を吹付けることにより凹凸構造を有する積層不織布を製造する方法(以下、「流体吹付法」と称する)、上層と下層との熱捲縮性の差を利用して凹凸構造を有する積層不織布を製造する方法(以下、「熱捲縮法」と称する)、上層と下層との熱伸長性の差を利用して凹凸構造を有する積層不織布を製造する方法(以下、「熱伸長法」と称する)が知られている。
賦形法は、流体吹付法、熱捲縮法及び熱伸長法と比較して、市販の不織布をそのまま資材として用いることができるので、賦形法により製造された不織布は、コストの面で有利である。また、賦形法は、流体吹付法、熱捲縮法及び熱伸長法と比較して、製造する積層不織布の所望の機能(例えば、吸液性、触感)に応じて、入手の容易な、種々の市販の不織布を選択することができる点で有利である。
また、賦形法は、流体吹付法、熱捲縮法及び熱伸長法と比較して、厚さの厚い(嵩高い)積層不織布を簡易に製造することができる点で有利である。
<本開示の積層不織布>
本開示の積層不織布は、吸収性物品の液透過性シート用であり、液透過性シートとして、一般的な坪量を有することができ、例えば、10〜80g/m2、そして好ましくは20〜50g/m2の坪量を有することができる。
本開示の積層不織布は、第1不織布と、第2不織布とを、特に制限がなく、好ましくは20〜80質量部及び80〜20質量部、より好ましくは30〜70質量部及び70〜30質量部、そしてさらに好ましくは40〜60質量部及び60〜40質量部の比率(坪量比)で含む。なお、本開示の積層不織布が、第1不織布及び第2不織布のみからなる場合には、上記「質量部」は、『質量%』と読み替えることができる。
本明細書では、積層不織布等のシート状物の坪量は、以下の通り測定される。
(1)シート状物から、100mm×100mmのサイズの試料を10枚採取し、各試料の質量を測定し、
(2)各試料の質量(g)を、各試料の面積(m2)で除することにより、各試料の坪量を算出する。
(3)計10個の試料の坪量の平均値を算出し、当該平均値を坪量として採用する。
本明細書では、第1不織布と、第2不織布との比率は、積層不織布にコールドスプレー等を吹付け、積層不織布から、第1不織布と、第2不織布とを分離し、上述の坪量の測定方法に従って、第1不織布及び第2不織布のそれぞれの坪量を算出し、それらの坪量から上記比率を求めることができる。
本開示の積層不織布において、第1不織布及び第2不織布のそれぞれは、吸収性物品の液透過性シートとして用いられているものであれば、特に制限されず、それらの例として、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS等)等が挙げられる。第1不織布及び第2不織布のそれぞれは、エアスルー不織布であることが好ましい。
第1不織布及び第2不織布のそれぞれを構成する繊維の繊度は、特に制限されないが、好ましくは0.5〜30.0dtex、より好ましくは0.7〜20.0dtex、そしてさらに好ましくは1.0〜10.0dtexの範囲内にある。
本開示の積層不織布の複数の凸部のそれぞれの第2不織布部分では、第2上面の繊維の繊度が、第2下面の繊維の繊度よりも低いことが好ましい。そうすることにより、第2上面の繊度及び第2下面の繊度の差に起因して、凸部の頂部が滑らかさに優れ、そして凸部がクッション感に優れる。
当該観点からは、第2不織布は、第2不織布部分の第2上面が、好ましくは0.5〜10.0dtex、そしてより好ましくは0.7〜5.0dtexの繊度の繊維を含み、そして第2不織布部分の第2下面が、好ましくは1.0〜10.0dtex、そしてより好ましくは1.5〜5.0dtexの繊度の繊維を含むような不織布であることができる。また、第2不織布部分の第2下面の繊度と、第2不織布部分の第2上面の繊維の繊度との差が、好ましくは0.2〜2.0dtex、そしてより好ましくは0.5〜1.5dtexである。
第2不織布の第2上面及び第2下面の繊度は、第2不織布を製造する際に、繊度の異なる複数のウェブを積み重ねることにより調整可能である。
なお、本開示の積層不織布の別の実施形態では、積層不織布の複数の凸部のそれぞれの第2不織布部分では、第2上面の繊維の繊度が、第2下面の繊維の繊度と同一であり、そしてさらに別の実施形態では、第2上面の繊維の繊度が、第2下面の繊維の繊度よりも高い。
第2不織布は、不織布の製造の際にネット上を搬送することにより製造されたものであり、ネット面を有することが好ましい。本明細書では、不織布に関するネット面は、不織布を製造する際に、搬送用のネットと接していた面を意味する。
第1不織布及び第2不織布はまた、嵩回復性の不織布であって、嵩回復処理がされたものであることが好ましい。
上記嵩回復性の不織布としては、熱伸長性繊維を含む不織布が挙げられる。上記熱伸長性繊維としては、例えば、特開2007−182662号公報等に記載のものが挙げられる。
本開示の積層不織布では、複数の凸部のそれぞれは、第1実施形態〜第3実施形態に示されるように、平面方向において、線状、すなわち、長手方向及び幅方向を有するもの(畝部)であることができる。本開示の不織布では、複数の凹部のそれぞれは、第1実施形態〜第3実施形態に示されるように、平面方向において、線状、すなわち、長手方向及び幅方向を有するもの(溝部)であることができる。
複数の凸部及び複数の凹部が、それぞれ、複数の畝部及び複数の溝部である例としては、複数の凸部及び複数の凹部が、それぞれ、第1の方向に延びる、複数の畝部及び複数の溝部であって、複数の畝部のそれぞれと、複数の溝部のそれぞれとが、第1の方向と直交する第2の方向に交互に配置されているものであることができる。そうすることにより、使用者が、積層不織布に、第1の方向に沿って触れた場合に、積層不織布に滑らかさを感じることができる。
複数の凸部及び複数の凹部が、それぞれ、複数の畝部及び複数の溝部である場合には、複数の畝部のピッチは、好ましくは1.0〜10.0mm、そしてより好ましくは1.5〜7.0mmである。透液性と、クッション感との観点からである。
複数の畝部のそれぞれの高さは、好ましくは0.3〜10.0mm、そしてより好ましくは0.5〜5.0mmである。吸液性と、クッション感との観点からである。畝部の高さが高くなりすぎると、吸液性に劣る傾向があり、そして畝部の高さが低くなりすぎると、クッション感が劣る傾向にある。
複数の溝部のそれぞれは、第1不織布及び第2不織布をエンボスすることにより形成されたエンボス部を含み、第1不織布及び第2不織布を、接着剤等を間に挟んでエンボスすることにより形成されたエンボス部であってもよい。
複数の溝部のそれぞれでは、第1実施形態及び第3実施形態に示されるように、エンボス部が、第1の方向に連続的に配置されていてもよい。そうすることにより、積層不織布が吸収性物品の液透過性シートとして使用された場合に、液透過性シートの肌当接面に到達した液体が、溝部のエンボス部に沿って拡散しやすくなり、ひいては吸収体が効率よく液体を吸収することができるので、液体が漏れにくくなる。
複数の溝部のそれぞれでは、エンボス部が、第1の方向に間欠的に配置されていてもよい。そうすることにより、溝部の剛性が低くなり、積層不織布が吸収性物品の液透過性シートとして使用された場合に、着用者が吸収性物品に硬さを感じにくくなる。
本開示の積層不織布では、複数の凸部及び複数の凹部のそれぞれは、第4実施形態に示されるように、平面方向において、点状であることができる。そうすることにより、積層不織布が、特に平面方向の通気性に優れる傾向がある。
点状である、複数の凸部は、平面方向において、例えば、千鳥状に配置されることができる。また、複数の凹部は、平面方向において、例えば、千鳥状に配置されることができる。
点状である、複数の凸部のピッチは、好ましくは1.0〜10.0mm、そしてより好ましくは1.5〜7.0mmである。透液性と、クッション感との観点からである。
点状である、複数の凸部のそれぞれの高さは、好ましくは0.3〜10.0mm、そしてより好ましくは0.5〜5.0mmである。透液性と、クッション感との観点からである。
複数の凸部及び複数の凹部の高さは、積層不織布を液体窒素に浸漬し、次いで、浸漬後の積層不織布を2片に分断し、その断面を顕微鏡、例えば、電子顕微鏡又は光学顕微鏡で観察し、その高さを測定することにより測定される。
凸部の高さは、積層不織布の上面のうち、凸部の最も高い点である頂点と、凸部の下面(第1不織布部分の第1下面)との間の、厚さ方向の距離を意味する。また、凹部の高さは、積層不織布の上面のうち、凹部の最も高い点である頂点と、凹部の下面との間の、厚さ方向の距離を意味する。
本開示の積層不織布では、凸部の上面(すなわち、第2不織布部分の第2上面)の頂点は、積層不織布の平面方向において、凸部の中央(凸部が畝部である場合には、畝部の幅方向の中央)に配置されていることが好ましい。
本開示の積層不織布では、第2不織布部分の第2下面は、第1不織布部分の第1上面に対応する形状を有することが好ましい。凸部が空隙部を有しないようにするか、又は凸部が空隙部を有する場合であっても、空隙部を小さくする観点からである。
本開示の積層不織布の複数の凸部のそれぞれは、50%超、より好ましくは60%超、そしてさらに好ましくは70%超の、頂部における平面方向配向繊維の比率を有する。そうすることにより、凸部の頂部が滑らかさに優れる。
また、本開示の積層不織布の複数の凸部のそれぞれは、50%超、より好ましくは60%超、そしてさらに好ましくは70%超の、側壁部における厚さ方向配向繊維の比率を有する。そうすることにより、側壁部の、厚さ方向に配向する繊維に起因して、凸部がクッション性に優れる。
また、側壁部における厚さ方向配向繊維に関する上述の比率は、凸部の頂部と、積層不織布の厚さ方向に重複する範囲において満たすことが特に好ましい。凸部のクッション性の観点からである。
本明細書では、平面方向配向繊維の比率及び厚さ方向配向繊維の比率は、以下の通り測定される。
(1)積層不織布を切断し、サンプルを作製する。
(2)株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−100を使用して、サンプルの切断面に対して垂直の方向からの拡大画像を撮影する。拡大画像は、50本以上の繊維の測定が可能となるような倍率に拡大された画像であり、拡大倍率は、例えば、20〜50倍である。拡大画像の撮影の際、サンプルの切断面の最も手前の繊維(イレギュラーに手前に飛び出した繊維を除く)にピントを合わせ、撮影深度(奥行き)を設定する。拡大画像は、3D画像としてPC画面上に作成される。
(3)3D画像を2D画像に変換し、2D画像上に、サンプルの厚さ方向に平行に延在する複数の線を引き、サンプルの厚さ方向に対して−45度超且つ+45度未満の角度で配向する繊維(厚さ方向配向繊維)の本数をカウントする。
(4)同様に、2D画像上に、サンプルの平面方向に平行に延在する複数の線を引き、サンプルの平面方向に対して−45度超且つ+45度未満の角度で配向する繊維(平面方向配向繊維)の本数をカウントする。
(5)厚さ方向配向繊維の本数と、平面方向配向繊維の本数とから、それらの比率を算出する。
(6)(1)〜(5)を凸部の異なる場所で計10回繰り返し、平均値を採用する。
本開示の積層不織布の複数の凸部のそれぞれでは、第1不織布部分の繊維密度が、第2不織布部分の繊維密度よりも高いことが好ましい。そうすることにより、積層不織布が押し込まれた際に、積層不織布がクッション性に優れる。また、上記積層不織布は、その上面(第2不織布部分の第2上面)に到達した液体を、繊維密度差を利用して、凸部の第2不織布部分から第1不織布部分に引き込むことができるので、吸液性に優れる。
本明細書では、繊維密度は、単位体積当りの繊維の質量を意味する。
上記繊維密度の高低は、積層不織布を液体窒素に浸漬し、次いで、浸漬後の積層不織布を2片に分断し、その断面を顕微鏡、例えば、電子顕微鏡又は光学顕微鏡で複数枚撮影し、目視により判断する。
本明細書では、上記最大距離は、積層不織布を液体窒素に浸漬し、次いで、浸漬後の積層不織布を、凸部の頂点を通るように2片に分断し、その断面を顕微鏡、例えば、電子顕微鏡又は光学顕微鏡で観察し、空隙部の、厚さ方向の長さを測定することにより判断する。
上記最大距離は、図8において、Dmaxとして示されている。図8に示されるように、一般的には、最大距離Dmaxは、凸部25の頂点53と、厚さ方向Tに重複する位置に存在する。
なお、本開示の積層不織布では、複数の凸部のそれぞれにおける、第1不織布部分と、第2不織布部分との境界は、例えば、積層不織布が接着層を含む場合には、例えば、接着層を着色することにより判別することができる。
また、積層不織布が、第1不織布部分と、第2不織布部分との間に、追加の層を含まない場合には、第1不織布部分と、第2不織布部分との境界は、第1不織布部分及び第2不織布部分を構成する繊維の種類、繊度、配向性等から総合的に判別することができる。
本開示の積層不織布は、第1不織布と、第2不織布との間に、接着層を備えることができる。上記接着層を構成する接着剤としては、当技術分野で、ホットメルト接着剤として知られているもの等が挙げられる。
上記接着層は、第1不織布と、第2不織布との間に、平面方向全体に塗工されていてもよいが、本開示の積層不織布が、吸収性物品の液透過性シートに用いられることを考慮すると、上記接着剤は、間欠的に塗工されることが好ましい。
本開示の積層不織布が、第1不織布と、第2不織布との間に、接着層を備える場合には、上記接着層は、平面方向において、凸部の頂点と厚さ方向に重複する範囲に配置されていることが好ましく、凸部の頂部と厚さ方向に重複する範囲に配置されていることがより好ましく、そして凸部の全体に配置されていることがさらに好ましい。凸部を中実にする、より好ましくは凸部が空隙部を有しなくなる観点からである。
本開示の積層不織布が、上記接着層を備える場合には、積層不織布は、接着層を、好ましくは2〜10g/m2、そしてより好ましくは4〜7g/m2の坪量で備えることができる。第1不織布部分と、第2不織布部分とを、液体の透過性を阻害せずに接合する観点からである。
本開示の積層不織布では、複数の凸部の少なくとも一部の第1不織布部分が、第1頂部と、第1側壁部とを備え、第1不織布部分が、50%超、より好ましくは55%超、そしてさらに好ましくは60%超の、第1頂部における平面方向配向繊維の比率を有する。また、本開示の積層不織布では、複数の凸部の少なくとも一部の第1不織布部分が、50%超、より好ましくは55%超、そしてさらに好ましくは60%超の、第1側壁部における厚さ方向配向繊維の比率を有する。そうすることにより、第1不織布部分が、凸部の土台として作用し、凸部、ひいては積層不織布がクッション性に優れる。
なお、平面方向配向繊維の比率及び厚さ方向配向繊維の比率は、上述のとおり測定される。
本開示の積層不織布では、複数の凸部のそれぞれにおいて、第1不織布部分の第1上面が上方に突出しており、好ましくは、第1不織布部分の第1頂部が、凸部の頂部と、積層不織布の厚さ方向に重複しており、より好ましくは、第1不織布部分の第1頂部が、凸部の頂部と、積層不織布の厚さ方向に一致しており、そしてさらに好ましくは、第1不織布部分の第1頂点が、凸部の頂点と、積層不織布の厚さ方向に一致している。本開示の効果の観点からである。
本開示の積層不織布において、複数の凸部の少なくとも一部の第1不織布部分が、第1頂部と、第1側壁部とを備える場合には、第1不織布部分の第1頂部と、凸部の頂部とが、厚さ方向に重複していることが好ましく、そして略一致していることがより好ましい。本開示の効果の観点からである。
また、第1不織布部分の第1側壁部と、凸部の側壁部とが、厚さ方向に重複していることが好ましく、そして略一致していることがより好ましい。本開示の効果の観点からである。
さらに、第1不織布部分の第1頂点と、凸部の頂点とは、厚さ方向において略一致していることが好ましい。本開示の効果の観点からである。
本開示の積層不織布では、第1不織布部分の第1頂点の高さは、当該第1不織布部分が属する凸部の高さの、好ましくは5〜90%、そしてより好ましくは10〜80%の高さを有する。そうすることにより、凸部がクッション性と、吸液性に優れる傾向がある。
なお、第1不織布部分の第1頂点の高さは、第1頂点と、第1下面との間の、厚さ方向の距離を意味する。
本開示の積層不織布の複数の凸部のそれぞれでは、第1不織布部分の第1頂点の高さは、第1不織布部分の第1上面の最も低い点である第1最低点の高さよりも、好ましくは1.5〜100倍高く、そしてより好ましくは2〜80倍高い。そうすることにより、凸部がクッション性と、吸液性に優れる傾向がある。
なお、上記第1最低点の高さは、第1最低点と、第1不織布部分の第1下面との間の、厚さ方向の距離を意味する。
本開示の積層不織布では、複数の凸部の少なくとも一部において、好ましくは複数の凸部の全部において、第1不織布部分の第1下面が、平坦な領域を含むことが好ましい。そうすることにより、本開示の積層不織布が、吸収性物品の液透過性シートとして使用された場合に、吸収体への液体の受け渡し性に優れる。
なお、本明細書において、平坦な領域は、ある面において、最も高い部分と、最も低い部分との、厚さ方向の高低差が、凸部の高さの5%以下である領域を意味する。
上記高低差は、2次元レーザー変位計を用いて測定される。上記2次元レーザー変位計としては、例えば、キーエンス株式会社製 高精度2次元レーザー変位計 LJ−Gシリーズ(型式:LJ−G030)が挙げられる。
本開示の積層不織布は、複数の凸部の少なくとも一部において、好ましくは複数の凸部の全部において、第1不織布部分の第1下面が、少なくとも凸部の頂部と、積層不織布の厚さ方向に重複する範囲において、平坦な領域を含むことが好ましい。本開示の積層不織布が、吸収性物品の液透過性シートとして使用された場合に、吸収体への液体の受け渡し性の観点からである。
本開示の積層不織布が使用される上記吸収性物品としては、特に制限されず、例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ、尿取りパッド等が挙げられる。
1 積層不織布
3 上面
5 下面
7 第1不織布
8 第1不織布部分
9 第1上面
11 第1下面
13 第1頂部
15 第1側壁部
17 第2不織布
18 第2不織布部分
19 第2上面
21 第2下面
23 接着層
25 凸部
27 頂部
29 側壁部
31 凹部
41 エンボス部
43 非エンボス部
51 空隙部
53 頂点
55 最低点
57 中間面
59 第1頂点
61 第1中間面
63 第1最低点

Claims (12)

  1. 上方及び下方を含む厚さ方向と、平面方向とを有し、第1不織布と、第1不織布より上方に配置された第2不織布とを備える、吸収性物品の液透過性シート用の積層不織布であって、
    前記積層不織布が、前記上方に突出する複数の凸部であって、そのそれぞれが頂部及び側壁部を有するものと、複数の凹部であって、そのそれぞれが第1不織布及び第2不織布のエンボス部を備えるものとを備え、
    前記複数の凸部のそれぞれが、第1不織布から構成され、第1上面及び第1下面を備える第1不織布部分と、第2不織布から構成され、第2上面及び第2下面を備え、前記頂部及び側壁部を構成している第2不織布部分とを含み、
    第1不織布部分の第1上面が、前記上方に突出しており、そして
    前記複数の凸部のそれぞれが、50%超の、前記頂部における前記平面方向に配向する繊維の比率と、50%超の、前記側壁部における前記厚さ方向に配向する繊維の比率とを有する、
    ことを特徴とする、前記積層不織布。
  2. 前記複数の凸部のそれぞれの第2不織布部分では、第2上面の繊維の繊度が、第2下面の繊維の繊度よりも低い、請求項1に記載の積層不織布。
  3. 前記複数の凸部のそれぞれでは、第1不織布部分の繊維密度が、第2不織布部分の繊維密度よりも高い、請求項1又は2に記載の積層不織布。
  4. 前記複数の凸部の少なくとも一部が、中実である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層不織布。
  5. 前記積層不織布が、前記複数の凸部の少なくとも一部において、第1不織布部分と、第2不織布部分との間に、接着層をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層不織布。
  6. 第1不織布がエアスルー不織布である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層不織布。
  7. 第2不織布が、第2不織布部分の第2上面がネット面となるように配置されたエアスルー不織布である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層不織布。
  8. 前記複数の凸部の少なくとも一部の第1不織布部分が、第1頂部と、第1側壁部とを備え、50%超の、第1頂部における前記平面方向に配向する繊維の比率と、50%超の、第1側壁部における前記厚さ方向に配向する繊維の比率とを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層不織布。
  9. 前記複数の凸部のそれぞれが、所定の方向に延びる畝部である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層不織布。
  10. 前記複数の凹部のそれぞれが、隣接する2つの前記畝部の間で、前記所定の方向に沿って延びる溝部であり、前記溝部が、前記所定の方向に沿って間欠的に配置された前記エンボス部を含む、請求項9に記載の積層不織布。
  11. 前記複数の凸部の少なくとも一部において、第1不織布部分の第1下面が、平坦な領域を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層不織布。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層不織布の、吸収性物品の液透過性シートへの使用。
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