JP6876893B2 - 酸化イットリウム膜の製造方法 - Google Patents

酸化イットリウム膜の製造方法 Download PDF

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本発明は、耐プラズマ性部材または耐食性部材に有用な酸化イットリウム膜の製造方法に関する。
イットリア(酸化イットリウム)膜は高い耐熱性、耐プラズマ性及び光透過性を有し、耐熱用保護膜、耐プラズマ用保護膜、光学薄膜等として利用される。イットリア膜は、従来、ゾルゲル法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、溶射法等によって成膜されているが、成膜速度、成膜条件、膜質等の点においてそれぞれ難点があり、成膜方法について改善の余地がある。
特許文献1や特許文献2にはエアロゾルデポジション法を用いて酸化イットリウム膜を成膜することが記載されている。しかしながら、エアロゾルデポジション法では原料微粒子を高速で基板表面に衝突させるため、基板と膜との間にアンカー層が形成され、層状構造物はアンカー層を含む多層構造となる。そして、アンカー層は界面に歪みを生じさせ、透過率や透明性に悪影響を及ぼしていた。また、アンカー層を形成しなければ膜厚1μm以上の酸化イットリウム膜を得ることは困難であった。また、不純物からなる粒界層が存在したり、微細な空孔からなる空隙層が存在したりして、耐プラズマ性能や耐食性能に悪影響を及ぼしていた。また、エアロゾルデポジション法では、複雑な装置や工程が必要であり、多大な手間や時間が必要であった。
また特許文献3には大気開放型CVD法を用いて酸化イットリウム膜を成膜することが記載されている。しかしながら、アンカー層等は形成されず、透過性や透明性に優れた膜は得られるが、厚い膜を得ようとするとクラックや白濁が生じ、膜厚1μm以上の酸化イットリウム単層膜を得ることができなかった。また、特許文献3には酸化イットリウム単層膜を積層して膜厚1μm以上の酸化イットリウム多層膜を得ることが記載されている。しかしながら、このような多層膜は耐プラズマ性能や耐食性能が良好であるが、透過性や透明性に悪影響を及ぼし、必ずしも満足のいくものではなかった。また、後処理に大型の設備や複雑な工程が必要になったりして、簡便な酸化イットリウム膜の成膜方法が待ち望まれていた。
特開2008−227190号公報 特開2011−162855号公報 特許第4205912号公報
本発明は、結晶性酸化イットリウムを含む酸化イットリウム膜を工業的有利に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の条件下でミストCVD法を用いて酸化イットリウム膜を成膜すると、良質な酸化イットリウム膜が簡便に得られることを見出した。また本発明者らは、このような製造方法が上記従来の問題を一挙に解決できるものであることを知見した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] イットリウムを含む金属ハロゲン化物または有機金属錯体の原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスで成膜室内に設置されている基体まで搬送し、ついで前記ミストまたは液滴を熱反応させて前記基体上に酸化イットリウム膜を成膜することを特徴とする酸化イットリウム膜の製造方法。
[2] 原料溶液が有機金属錯体を含む前記[1]記載の製造方法。
[3] 有機金属錯体がイットリウムアセチルアセトナート錯体である前記[2]に記載の製造方法。
[4] 原料溶液の溶媒がアルコールと水との混合溶媒である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] アルコールが低級アルコールである前記[4]記載の製造方法。
[6] アルコールが混合溶媒中に1〜10モル%含まれている前記[4]または[5]に記載の製造方法。
[7] キャリアガスが不活性ガスである前記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 熱反応を、400℃〜600℃の温度範囲内にて行う前記[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴をキャリアガスで成膜室内に設置されている基体まで搬送し、ついで前記ミストまたは液滴を熱反応させて前記基体上に酸化イットリウム膜を成膜するための前記原料溶液であって、イットリウムを含む金属ハロゲン化物または有機金属錯体からなることを特徴とする、原料溶液。
10]有機金属錯体からなる前記[]記載の原料溶液。
11]有機金属錯体がイットリウムアセチルアセトナート錯体である前記[10]記載の原料溶液。
12]溶媒がアルコールと水の混合溶媒である前記[]〜[11]のいずれかに記載の原料溶液。
13]アルコールが低級アルコールである前記[12]記載の原料溶液。
14]アルコールが混合溶媒中に1〜10モル%含まれている前記[12]または[13]に記載の原料溶液。
本発明の製造方法によれば、結晶性酸化イットリウムを含む酸化イットリウム膜を工業的有利に製造することができる。
本発明において用いられる成膜装置(ミストCVD)の概略構成図である。 実施例における光透過率の測定結果を示す図である。 実施例における原子間力顕微鏡(AFM)の観察結果を示す図である。 実施例におけるAFMの観察結果を示す図である。 実施例におけるAFMの観察結果を示す図である。
本発明の酸化イットリウム膜の製造方法は、イットリウムを含む金属ハロゲン化物または有機金属錯体の原料溶液を霧化または液滴化し(霧化・液滴化工程)、得られたミストまたは液滴をキャリアガスで成膜室内に設置されている基体まで搬送し(搬送工程)、ついで前記ミストまたは液滴を熱反応させて前記基体上に酸化イットリウム膜を成膜する(成膜工程)ことを特徴とする。
原料溶液は、イットリウムを含む金属ハロゲン化物または有機金属錯体の原料溶液であれば特に限定されない。例えば、イットリウムの有機金属錯体(例えばアセチルアセトナート錯体等)やハロゲン化物(例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物等)の水溶液などが挙げられる。本発明においては、前記原料溶液が有機金属錯体を含むのが好ましく、イットリウムアセチルアセトナート錯体であることがより好ましい。原料溶液中のイットリウムの含有量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは、0.001モル%〜50モル%であり、より好ましくは0.01モル%〜50モル%である。
また、原料溶液は、さらに、酸や塩基等のその他添加剤が含まれていてもよい。本発明においては、原料溶液に酸が含まれているのが好ましく、このような好ましい酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などが挙げられる。
原料溶液の溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒がアルコールを含むのが好ましく、水とアルコールとの混合溶媒であるのがより好ましく、水と低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)との混合溶媒であるのが最も好ましい。このような好ましい溶媒を用いれば、他の溶媒を用いたときよりも、酸化イットリウム膜がより透明でかつより厚膜なものとすることができ、さらに、膜質もより優れたものとすることができる。前記混合溶媒におけるアルコールの含有量は特に限定されないが、混合溶媒中0.1〜30モル%であるのが好ましく、1〜10モル%であるのがより好ましい。
前記基体は、前記膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体の材料も、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、公知の基体であってよく、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、基板が好ましい。基板の厚さは、本発明においては特に限定されない。
前記基板は、板状であって、前記酸化イットリウム膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、導電性基板であってもよい。前記基板としては、特に限定されないが、好適には例えば、酸化アルミニウム、ガラス(非晶質ガラス、結晶質ガラス、石英等を含む)、またはシリコンを構成材料として含むのが好ましい。
(霧化・液滴化工程)
霧化・液滴化工程は、前記原料溶液を霧化または液滴化する。霧化手段または液滴化手段は、原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストが、衝突エネルギーによる損傷がないためにより好ましい。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1〜10μmである。
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記ミストまたは前記液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。本発明においては、前記キャリアガスが不活性ガスであるのが好ましい。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜1L/分であるのがより好ましい。
(成膜工程)
成膜工程では、成膜室内で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、前記基体上に前記酸化イットリウム膜を成膜する。熱反応は、熱でもって前記ミストまたは前記液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、600℃以下がより好ましく、400℃〜600℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、1μm以上に設定することができる。
また、本発明においては、前記基体上にバッファ層や応力緩和層等の他の層を設けてもよい。他の層の形成手段は特に限定されず、上記した酸化イットリウム膜の形成手段と同様であってもよいし、スパッタリング、蒸着、CVDなどの公知の手段を用いてもよい。
上記のようにして酸化イットリウム膜を製造すると、通常、結晶性酸化イットリウムを含む酸化イットリウム膜が得られる。好適には例えば、膜厚が1μm以上であり、単層膜である酸化イットリウム膜を得ることができる。また、上記のような好適な成膜手段によれば、波長350nm〜800nmにおける光透過率が好ましくは90%以上の酸化イットリウム膜を得ることができる。また、上記のような好ましい成膜手段によれば、自乗平均面粗さ(RMS)が好ましくは50nm以下、より好ましくは40nm以下、最も好ましくは30nm以下の酸化イットリウム膜を得ることができる。
前記結晶性酸化イットリウムは、酸化イットリウムの結晶を含んでいれば特に限定されず、該結晶は単結晶であっても多結晶であってもよく、これらの混合物であってもよい。前記酸化イットリウム膜は、前記結晶性酸化イットリウムを含んでいるが、含有率などは特に限定されず、例えば、膜中に30重量%以上含まれていればそれでよい。本発明においては、前記結晶性酸化イットリウムが前記酸化イットリウム膜に対して50重量%以上含まれているのが好ましく、80重量%以上含まれているのがより好ましく、90重量%以上含まれているのが最も好ましい。
本発明において、「単層膜」とは、1回のプロセス処理によって形成された膜であって、アンカー層等を含む多層膜を除く。
前記酸化イットリウム膜の膜厚は通常約1μm以上であるが、本発明においては、膜厚が約3μm以上であるのが好ましく、約4μm以上であるのがより好ましい。また膜厚の上限は特に限定されないが、約100μmであるのが好ましく、約50μmであるのがより好ましい。
本発明においては、前記酸化イットリウム膜を耐プラズマ性部材、または耐食性部材等に用いることができる。例えば、耐プラズマ性部材に前記酸化イットリウム膜を用いる場合には、基体の少なくともプラズマに曝される部位の表面に、少なくとも1層の前記酸化イットリウム膜を形成して用いることができる。また例えば、耐食性部材に前記酸化イットリウム膜を用いる場合には、基体の少なくとも腐食性ガスに曝される部位の表面に、少なくとも1層の前記酸化イットリウム膜を形成して用いることができる。
また本発明においては、前記耐プラズマ性部材または耐食性部材を発光装置や半導体製造装置等に用いることができる。例えば、発光素子と波長変換部材とを備え、前記波長変換部材が蛍光体材料を含む発光装置に前記耐プラズマ性部材または耐食性部材を用いる場合には、前記蛍光体材料の一部または全部に、前記酸化イットリウム膜を被覆することで、前記耐プラズマ性部材または耐食性部材として用いることができる。また例えば、耐プラズマ性部材または耐食性部材の機能性部材を含む半導体装置に用いる場合には、前記機能性部材として、前記酸化イットリウム膜が形成されている前記耐プラズマ性部材または耐食性部材を用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いたミストCVD装置1を説明する。ミストCVD装置1は、キャリアガスを供給するキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)源2bと、キャリアガス(希釈)源2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、成膜室7と、ミスト発生源4から成膜室7までをつなぐ供給管9と、成膜室7内に設置されたホットプレート8と、熱反応後のミスト、液滴および排気ガスを排出する排気口11とを備えている。なお、ホットプレート8上には、基板10が設置されている。
2.原料溶液の作製
水とメタノールとの混合溶媒(水:メタノール=5:95(体積比))に、イットリウムアセチルアセトナートを0.05モル/Lの濃度となるように混合して原料溶液を調整した。
3.成膜準備
上記2.で得られた原料溶液4aをミスト発生源4内に収容した。次に、基板10として、サファイア基板、ガラス基板およびシリコン基板をそれぞれホットプレート8上に設置し、ホットプレート8を作動させて成膜室7内の温度を500℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁3a、3bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段2a、2bからキャリアガスを成膜室7内に供給し、成膜室7の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を5.0L/分に、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/分にそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
4.酸化イットリウム膜の形成
次に、超音波振動子6を2.4MHzで振動させ、その振動を、水5aを通じて原料溶液4aに伝播させることによって、原料溶液4aを霧化させてミスト4bを生成させた。このミスト4bが、キャリアガスによって、供給管9内を通って、成膜室7内に導入され、大気圧下、500℃にて、成膜室7内でミストが熱反応して、基板10上に酸化イットリウム膜が形成された。なお、膜厚は1.1μmであり、成膜時間は30分間であった。
5.評価
上記4.にて得られた酸化イットリウム膜は、透明な連続膜であり、単層膜であった。また、X線回折装置を用いて膜の同定を実施したところ、得られた膜はいずれもY膜であった。また、機械的に基板から剥離しようとしても全く剥離せず、良好な密着性を有していた。また、得られた酸化イットリウム膜の光透過率を測定したところ、図2の通り、波長350nm〜800nmにおける光透過率が90%以上であった。また、原子間力顕微鏡(AFM)にて膜表面を観察したところ、図3の通り、サファイア基板上に形成された酸化イットリウム膜の10μm角における自乗平均粗さ(RMS)が27.38nmであった。また、図4の通り、ガラス基板上に形成された酸化イットリウム膜の1μm角における自乗平均粗さ(RMS)が46.02nmであった。また、図5の通り、シリコン基板上に形成された酸化イットリウム膜の10μm角における自乗平均粗さ(RMS)が34.83nmであった。
(実施例2)
成膜時間を100分間としたこと以外は、実施例1と同様にして透明な酸化イットリウム膜を得た。得られた膜が酸化イットリウム膜であることは上記実施例1と同様にして確認した。得られた酸化イットリウム膜の膜厚は、4.6μmであった。
(実施例3)
キャリアガスの流量を3.0L/分としたこと、及び成膜時間を140分間としたこと以外は、実施例1と同様にして透明な酸化イットリウム膜を得た。得られた膜が酸化イットリウム膜であることは上記実施例1と同様にして確認した。また、得られた酸化イットリウム膜の膜厚は、4.1μmであった。
(実施例4)
成膜条件を500℃30分および400℃30分としたこと以外は、実施例1と同様にして透明な酸化イットリウム膜を得た。得られた膜が酸化イットリウム膜であることは上記実施例1と同様にして確認した。また、得られた酸化イットリウム膜の膜厚は、1.7μmであった。
(実施例5)
成膜温度を400℃とし、成膜時間を60分としたこと以外は、実施例1と同様にして透明な酸化イットリウム膜を得た。得られた膜が酸化イットリウム膜であることは上記実施例1と同様にして確認した。また、得られた酸化イットリウム膜の膜厚は、1.7μmであった。
なお、使用溶媒について、アルコールを含む溶媒、特にアルコールと水との混合溶媒を用いた場合には、他の溶媒を用いた場合に比べ、透明性や膜厚、それに膜質において、とりわけ優れた成膜結果が得られた。
実施例からわかる通り、本発明の酸化イットリウム膜は、いずれも膜厚が1μm以上であり、透明性も優れている。
本発明の製造方法によれば、耐プラズマ性部材や耐食性部材に有用な酸化イットリウム膜が得られる。前記酸化イットリウム膜は、発光装置や半導体製造装置等に好適に用いられる。
1 ミストCVD装置
2a キャリアガス源
2b キャリアガス(希釈)源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b ミスト
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
7 成膜室
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板
11 排気口

Claims (7)

  1. イットリウムを含む金属ハロゲン化物または有機金属錯体の原料溶液を霧化または液滴化し、得られたミストまたは液滴を、不活性ガスであるキャリアガスで成膜室内に設置されている基体まで搬送し、ついで前記ミストまたは液滴を熱反応させて前記基体上に酸化イットリウム膜を膜厚が1μm以上になるまで成膜することを特徴とする酸化イットリウム膜の製造方法。
  2. 原料溶液が有機金属錯体を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 有機金属錯体がイットリウムアセチルアセトナート錯体である請求項2に記載の製造方法。
  4. 原料溶液の溶媒がアルコールと水との混合溶媒である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. アルコールが低級アルコールである請求項4記載の製造方法。
  6. アルコールが混合溶媒中に1〜10モル%含まれている請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 熱反応を、400℃〜600℃の温度範囲内にて行う請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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