JP4205912B2 - 透明な酸化イットリウム膜とその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、紫外線、可視光線及び近赤外線領域での光透過率が高い、透明な酸化イットリウム膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化イットリウム膜を各種の基材表面に形成する方法としては、スパッタリング、CVD法等種々の方法が知られている。
しかしながら、酸化イットリウムはスパッタされにくい物質であるため、スパッタリングにより酸化イットリウム膜を基材表面に形成するには非常に長い時間がかかり、また厚い膜を形成することはできない。
一方、CVD法、例えば大気開放型CVD法によって酸化イットリウム多結晶膜を基材表面に形成した場合には、結晶粒子が大きく結晶性の良い膜が形成されるために、透明ではなく白色の膜が得られる。
【0003】
また、従来の酸化イットリウム多結晶膜では、結晶粒子が大きくなるため膜全体で耐電性等の電気特性が均一な性状を有する膜を得ることは困難であり、また膜厚を一定にすることも難しかった。さらに、膜厚を1μm以上とした場合には、結晶粒子の成長によりもろい膜が形成されるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明はこれら従来技術の問題点を解消して、広い波長範囲において透明性が良好で、膜全体にわたって均一な性状を有するとともに、機械的性状の改善された透明な酸化イットリウム膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発者等は鋭意検討した結果、大気開放型CVD法により基材表面に酸化イットリウム膜を形成する際に、基材の加熱温度を一定温度以下に制御して結晶粒子の成長を抑制するか、もしくは膜形成時に途中で膜のコーティングを一旦中断し、再度膜のコーティングを行って所定の膜厚とすることによって、所望の性状を有する透明な酸化イットリウム膜が得られることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明はつぎのような構成をとるものである。
1.波長200〜3200nmにおける光透過率が88.3〜60%であり、平均粒子径0.01〜1μmの酸化イットリウム多結晶粒子又はアモルファス酸化イットリウムにより構成された透明な酸化イットリウム膜。
2.膜構造がアモルファス、多結晶、及びこれらの中間構造を有し、膜厚が0.01〜10μmであることを特徴とする1に記載の透明な酸化イットリウム膜。
3.膜が石英ガラス、ガラス、プラスチック、金属酸化物の多結晶又は単結晶から選択された透明な硬質基材上に形成されたものであることを特徴とする1又は2に記載の透明な酸化イットリウム膜。
4.膜中にランタノイド元素を含有することを特徴とする1〜3のいずれかに記載の透明な酸化イットリウム膜。
5.200〜450℃に加熱された基材表面に、気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付ける際に、酸化イットリウム膜の堆積速度を1μm/時以下に制御して成膜することを特徴とする1〜4のいずれかに記載の透明な酸化イットリウム膜の製造方法。
6.(a)450〜700℃に加熱された基材表面に、気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付けて膜厚が0.5μm以下の一次被膜を形成し、(b)基材を200℃以下の温度に冷却後、(c)再度450〜700℃に加熱し、一次被膜上に気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付けて膜厚が0.5μm以下の二次被膜を形成し、目的とする膜厚を有する膜が得られるまで(b)及び(c)の工程を繰り返すことを特徴とする1〜4のいずれかに記載された酸化イットリウム膜の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
本発明の透明な酸化イットリウム膜は、例えば図1にみられるような、キャリヤーガス供給源1、流量計2、原料気化器3、所定幅のスリット5を設けたノズル4、基材6の加熱台7を有する、通常の大気開放型CVD装置を使用して製造することができる。この装置の主要部は、扉9を有する防護チャンバー8により覆われている。
原料気化器3で気化された原料ガスは、キャリーガスとともにノズル4に送られ、スリット5から加熱された基材6の表面に吹き付けられて透明な酸化イットリウム膜を形成する。
【0007】
本発明の透明な酸化イットリウム膜を形成する基材としては特に制限はなく、原料吹き付け時の加熱に耐えられる材料はいずれも使用することができる。
好ましい基材としては、石英ガラス、ガラス、プラスチック、金属酸化物の多結晶又は単結晶等の透明で硬質な材料が挙げられる。このような基材に透明な酸化イットリウム膜を形成した板状体は、プラズマを使用する各種の処理装置、CF4等のフッ素ガスや腐食性ガスを使用する各種の処理装置の監視窓、或いは光学測定用装置等の透明性及び耐久性を必要とする材料として好適に使用される。
【0008】
酸化イットリウム膜を形成する原料としては、原料化合物を揮発させ大気に放出する際に、大気中の水分と反応して酸化イットリウムを形成するものであれば特に限定されないが、例えばトリスアセチルアセトナートイットリウムのようなアセチルアセトナート金属錯体、トリス(ジ−ピバロイルメタナート)イットリウムのようなジ−ピバロイルメタン金属錯体等の昇華性の金属錯体が好適に用いられる。
本発明の透明な酸化イットリウム膜中には、ユウロピウム、テルビウム、ツリウム等のランタノイド元素を少量成分として含有させることができる。このようなランタノイド元素の原料としては、例えばトリス(ジ−ピバロイルメタナート)ユウロピウム、トリス(ジ−ピバロイルメタナート)テルビウム、トリス(ジ−ピバロイルメタナート)ツリウム等のジ−ピバロイルメタン金属錯体や、トリスアセチルアセトナートユウロピウム等のアセチルアセトナート金属錯体等が挙げられる。
【0009】
これらのランタノイド元素を酸化イットリウム膜中に含有させるには、原料化合物の昇華温度が異なるために、イットリウム原料用の気化器とランタノイド元素原料用の気化器をそれぞれ用意し、直列に接続して混合原料ガスを作製することが好ましい。例えば、イッリウム原料用の気化器を加熱してイットリウム原料を気化させてキャリヤーガスを導入し、このイットリウムを含むガスをランタノイド元素原料を加熱して気化させた別の気化器に導入して混合ガスを調製する。ついで、この混合ガスをノズルから加熱された基板に吹き付けて薄膜を形成すれば、ランタノイド元素を含有する透明な酸化イットリウム膜が得られる。その際に、気化器の温度とキャリヤーガスの流量を制御することで、ランタノイド元素の含有量を変えることができる。酸化イットリウム膜中のランタノイド元素の含有量は、0.5〜15モル%、特に1〜10モル%とすることが好ましい。
【0010】
本発明の透明な酸化イットリウム膜中にランタノイド元素を含有させることによって、酸化イットリウム膜に蛍光発色性等の特性を付与することが可能となる。
例えば、ユウロピウムを含有する透明な酸化イットリウム膜は、紫外線照射により赤色の蛍光を発し、テルビウムを含有する透明な酸化イットリウム膜は、紫外線照射により緑色の蛍光を発する。また、ツリウムを含有する透明な酸化イットリウム膜は、紫外線照射により青色の蛍光を発する。これらのランタノイド元素を含有する透明な酸化イットリウム膜は、透明性を失わないので、光学材料等の種々の用途に有用である。
【0011】
キャリヤーガスとしては、加熱下で使用する原料化合物と反応する媒体でなければ、特に限定されないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、炭酸ガス、有機フッ素系ガスあるいはヘキサン、ヘプタン等の有機物等が挙げられる。安全性、経済性の上から不活性ガスが好ましく、この中でも窒素ガスが経済性の面で最も好ましい。
【0012】
ノズルからキャリヤーガスとともに大気中に噴出された原料は、大気中の水分と反応して加熱された基材表面に堆積し、酸化イットリウム膜を形成する。本発明では、この酸化イットリウム膜の堆積速度及び酸化イットリウム粒子の成長速度を制御することによって、平均粒子径が0.01〜1μmの酸化イットリウム多結晶粒子又はアモルファス酸化イットリウムにより構成された、波長200〜3200nmにおける光透過率が88.3〜60%の透明な酸化イットリウム膜を得るものである。
【0013】
本発明における結晶の平均粒子径及び粒径分布は、材料学の分野での常法に従い、つぎのようにして算出する。すなわち、図2にみられるように、横軸に膜を構成する各結晶の粒径(最大直径)、縦軸に結晶の個数をとって描いたヒストグラムにおいて、縦軸の最大値Y1の50%以上のものを対象として(図2の斜線部)、結晶粒径の平均値及び粒径分布を算出するものである。本発明の透明な酸化イットリウム膜が、酸化イットリウム多結晶粒子により構成される場合には、多結晶粒子の平均粒子径は0.01〜1μm、また粒径分布は平均値±100%とすることが好ましい。
また、光透過率は、測定波長が200〜3200nmで、紫外・可視・近赤外領域が測定できる分光光度計を使用し、石英ガラスの光透過量に対する透明酸化イットリウム膜をコートした石英ガラスの光透過量の比を測定し、光透過率を次の式により算出した。
【0014】
【数1】
【0015】
具体的には、紫外・可視・近赤外分光光度計の参照側に石英ガラス(厚さ1mm、縦10mm×横10mm)、測定側に透明酸化イットリウム膜をコートした石英ガラス(厚さ1mm、縦10mm×横10mm)を設置し、測定波長範囲200〜3200nmで透過率の測定を行なった。
【0016】
本発明において、基材表面に透明な酸化イットリウム膜を形成する1つの方法は、基材の加熱温度を通常の加熱温度(600〜650℃)よりも低い200〜450℃とし、かつ酸化イットリウム膜の堆積速度を1μm/時以下に制御して成膜することを特徴とするものである。
透明な酸化イットリウム膜を形成する他の方法は、図3にみられるように、(a)450〜700℃に加熱された基材表面に、気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付けて膜厚が0.5μm以下の一次被膜を形成し、(b)基材を200℃以下の温度に冷却後、(c)再度450〜700℃に加熱し、一次被膜上に気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付けて膜厚が0.5μm以下の二次被膜を形成し、目的とする膜厚を有する膜が得られるまで(b)及び(c)の工程を繰り返すことを特徴とするものである。この方法は、膜厚1μm以上の酸化イットリウム膜を製造する際に、特に好適である。
【0017】
大気開放型CVD法により酸化イットリウム膜を形成した場合には、膜を構成する結晶粒子の成長は膜厚が0.5μm以上になると顕著になり、それに伴なって膜が白色を帯びる。本発明の方法によれば、膜を構成する結晶粒子の成長を抑制して、平均粒子径0.01〜μmの酸化イットリウム多結晶粒子又はアモルファス酸化イットリウムにより膜を構成することができ、透明な酸化イットリウム膜が得られる。
本発明によれば、膜厚が0.01〜10μm程度の透明な酸化イットリウム膜を形成することができる。従来の方法では、0.5μm以上の膜厚を有する透明な酸化イットリウム膜を形成することはできなかったが、本発明によれば、膜厚が0.5μm以上、特に1μm以上の透明な酸化イットリウム膜を得ることができる。
【0018】
本発明の透明な酸化イットリウム膜は、プラズマを使用する各種の処理装置、CF4等のフッ素ガスや腐食性ガスを使用する各種の処理装置の監視窓、或いは光学測定用装置等の透明性及び耐久性を必要とする材料の保護被膜や、透明で均質な絶縁処理が必要な金属・セラミック・プラスチック部品の絶縁被膜、或いは紫外線等で励起されて発光する蛍光材料等として好適に用いられる。
【0019】
【実施例】
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
図1の装置を使用し、酸化イットリウム膜の原料として、トリスアセチルアセトナートイットリウムを使用し、原料気化温度200℃、窒素キャリヤーガスの流量1.5L/分で昇華させた原料ガスをスリットノズルから噴出させ、450℃に加熱された石英ガラス基材(厚さ1mm、縦10mm×横10mm)に吹き付けて、成膜速度を1μm/時に制御しながら、基材表面に透明な酸化イットリウム膜を形成した。
得られた酸化イットリウム膜をX線回折法により測定した結果を図4に示す。(222)面のピークの半値幅は1.18°で非常にブロードであり、得られた膜を構成する酸化イットリウムは結晶性が低く、非晶質に近い構造に制御されたものであった。
また、走査型電子顕微鏡で撮影した酸化イットリウム膜の写真を図5に、そして測定波長範囲200〜3200nmにおける光透過率の測定結果を図6に示す。図6によれば、本発明の酸化イットリウム膜は非常に高い光透過性を示すものであった。
【0020】
(比較例1)
実施例1において石英ガラス基材の加熱温度を650℃とし、原料ガスの流量を1.5L/分とすることによって成膜速度を2μm/時とした以外は、実施例1と同様にして基材表面に酸化イットリウム膜を形成した。この酸化イットリウム膜は、白色を帯び光透過率は50%であった。
得られた酸化イットリウム膜をX線回折法により測定した結果、(222)面のピークの半値幅は1.06°であった。
【0021】
(実施例2)
ランタノイド元素を含有する酸化イットリウム膜の原料として、トリス(ジ−ピバロイルメタナート)イットリウム及びトリス(ジ−ピバロイルメタナート)ユウロピウムを使用した。、原料気化温度200℃、窒素キャリヤーガスの流量3.5L/分で、昇華させた原料ガスをスリットノズルから450℃に加熱された石英ガラス基材(厚さ1mm、縦10mm×横10mm)に吹き付けて、成膜速度を1μm/時に制御しながら、基材表面に透明なユウロピウムドープ酸化イットリウム膜(ユウロピウム含有量:8モル%)を形成した。
この膜をアルミニウム蒸着ミラーに乗せ、波長254nmの紫外線を真上から照射したところ、中心波長610nmの赤色蛍光を発色した。この蛍光強度は、アルミニウム蒸着ミラーに乗せた方が、アルミニウム蒸着ミラーなしの場合よりも大きく、特に膜厚が赤色蛍光の1/2波長の整数倍であるときに、大きくなった。
【0022】
(比較例2)
実施例2において、石英ガラス基材の加熱温度を650℃とし、原料ガスの流量を1.5L/分とすることによって成膜速度を2μm/時とした以外は、実施例2と同様にして基材表面に透明なユウロピウムドープ酸化イットリウム膜を形成した。この膜に、波長254nmの紫外線を真上から照射したところ、中心波長610nmの赤色蛍光を発色したが、蛍光強度は実施例2の膜に比較して小さいものであった。
【0023】
(実施例3)
酸化イットリウム膜の原料として、トリス(ジ−ピバロイルメタナート)イットリウムを使用し、原料気化温度220℃、窒素キャリヤーガスの流量3.5L/分で、昇華させた原料ガスをスリットノズルから550℃に加熱されたステンレス製メッシュ基材(縦50mm、横50mm、線太さ0.3mm)に吹付け、製膜速度を0.5μm/時に制御しながら、基材表面に透明な一次被膜を作製し、基材を一旦加熱台から取り出し、200℃まで冷却した。その後、550℃に再度加熱し、一次被膜上に一次被膜と同様の条件で気化させた原料ガスを吹き付けて、膜厚が0.5μm以上の透明な酸化イットリウムの二次被膜を形成させた。
この酸化イットリウム膜は、測定波長範囲200〜3200nmで非常に高い光透過性を示すものであった。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、広い波長範囲において透明性が良好で、膜全体にわたって均一な性状を有するとともに、機械的性状の改善された透明な酸化イットリウム膜を容易に作製することができる。
また、透明な酸化イットリウム膜中にランタノイド元素を含有させることによって、酸化イットリウム膜に様々な色調の蛍光発色性等を付与し、その特性を一段と改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明な酸化イットリウム膜を製造する装置の1例を示す図である。
【図2】結晶の平均粒子径を算出する方法を説明する図である。
【図3】本発明の透明な酸化イットリウム膜を製造する工程の1例を示す図である。
【図4】実施例1で得られた透明な酸化イットリウム膜のX線回折図である。
【図5】実施例1で得られた透明な酸化イットリウム膜の走査型電子顕微鏡で撮影した写真である。
【図6】実施例1で得られた透明な酸化イットリウム膜の光透過率の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 キャリヤーガス供給源
2 流量計
3 原料気化器
4 ノズル
5 スリット
6 基材
7 加熱台
8 防護チャンバー
9 扉
Claims (6)
- 波長200〜3200nmにおける光透過率が88.3〜60%であり、平均粒子径0.01〜1μmの酸化イットリウム多結晶粒子又はアモルファス酸化イットリウムにより構成された透明な酸化イットリウム膜。
- 膜構造がアモルファス、多結晶、及びこれらの中間構造を有し、膜厚が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の透明な酸化イットリウム膜。
- 膜が石英ガラス、ガラス、プラスチック、金属酸化物の多結晶又は単結晶から選択された透明な硬質基材上に形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明な酸化イットリウム膜。
- 膜中にランタノイド元素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明な酸化イットリウム膜。
- 200〜450℃に加熱された基材表面に、気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付ける際に、酸化イットリウム膜の堆積速度を1μm/時以下に制御して成膜することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明な酸化イットリウム膜の製造方法。
- (a)450〜700℃に加熱された基材表面に、気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付けて膜厚が0.5μm以下の一次被膜を形成し、(b)基材を200℃以下の温度に冷却後、(c)再度450〜700℃に加熱し、一次被膜上に気化させた原料をキャリヤーガスとともに大気開放下に吹き付けて膜厚が0.5μm以下の二次被膜を形成し、目的とする膜厚を有する膜が得られるまで(b)及び(c)の工程を繰り返すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された酸化イットリウム膜の製造方法。
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