以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
なお、以下で説明する図5は、指針の指針延在方向、及び、指針光軸方向に沿った断面図であり、図6、図7は、指針の指針光軸方向、及び、指針幅方向に沿った断面図である。また、図5、図6、図7は、一部簡略化し模式的な断面図として図示している。
[実施形態1]
本実施形態に係る車両表示装置用指針としての指針1は、図1に示すように、車両に搭載される車両表示装置100に適用される。車両表示装置100は、いわゆる車載メータを構成するものであり、例えば、車両のダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに搭載され、車両の運転に供される情報として当該車両に関する種々の情報を表示する。
なお、図1等に示す車両表示装置100の幅方向Xとは、典型的には、この車両表示装置100が適用される車両の車幅方向に相当する。以下の説明では、車両表示装置100の幅方向Xにおいて、当該車両表示装置100の前面に向かって左側(図1中左側)を幅方向X左側、向かって右側(図1中右側)を幅方向X右側という場合がある。また、車両表示装置100の奥行き方向Yとは、典型的には、この車両表示装置100が適用される車両の前後方向に相当する。また、車両表示装置100の前面側とは、奥行き方向Yにおいて車両の運転席と対面する側であり、典型的には、当該運転席に座った運転者によって視認される側である。一方、車両表示装置100の背面側とは、奥行き方向Yにおいて前面側とは反対側であり、典型的には、インストルメントパネルの内部に収容される側である。車両表示装置100の高さ方向Zとは、典型的には、この車両表示装置100が適用される車両の高さ方向に相当し、例えば、鉛直方向に沿った方向である。また、以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、車両表示装置100がインストルメントパネルに組み付けられた状態での方向を表す。
具体的には、車両表示装置100は、車両に関する種々の情報を表示する表示部101と、樹脂材料等によって構成され表示部101等を収容する筐体102とを備える。表示部101は、車両表示装置100の各部を収容する筐体102内に配置されると共に各種情報の表示面が奥行き方向Y前面側に露出する。筐体102は、例えば、奥行き方向Y背面側に配置される背面カバー、背面カバーの奥行き方向Y前面側に配置されるケース本体、ケース本体の奥行き方向Y前面側に配置される見返し部材等を含んで構成され、これらによって区画される空間部内に表示部101が配置される。そして、筐体102は、見返し部材に形成される開口を介して各表示部101の表示面が奥行き方向Y前面側に露出する。ここでは、表示部101は、一例として、車両に関する情報として、車速を表示する速度計101A、走行用動力源の出力回転数を表示する回転計101B等を含んで構成される。速度計101A、回転計101Bは、それぞれ文字板103、指針1等を含んで構成され、車両に関する種々の計測値を当該指針1によってアナログ式で表示するアナログ計器である。文字板103は、車両に関する情報として、例えば、速度、出力回転数等の計測値を表し指針1によって指し示される指標部やウォーニング表示用の図柄等が描かれている。文字板103は、例えば、透明生地のポリカーボネイト製シートであり、暗色系のインクによって、上記指標部やウォーニング表示用の図柄等に対応した形状が中抜きされた印刷が施される。表示部101は、光源部から照射される光が、文字板103において指標部やウォーニング表示用の図柄等が切り抜きされた部分を透過することで当該指標部やウォーニング表示用の図柄等が表示状態となる。指針1によって指し示される指標部は、この指針1の先端の回動軌跡に沿った円弧、当該円弧に沿って等間隔で付された複数の目盛、数字等を含んで構成される。指針1は、表示部101の一部を構成し、車両に関する情報を指し示す。指針1は、文字板103の奥行き方向Y前面側に位置し、車両に関する種々の計測値(速度、出力回転数等)に応じて指標部の所定の位置を指し示す。各表示部101は、指針1によって現在の速度、出力回転数が指し示される。
以下、図2、図3、図4、図5、図6、図7の各図を参照して上記のような車両表示装置100に適用される指針1の各構成について詳細に説明する。なお、以下で説明する指針1において、互いに交差する第1方向、第2方向、及び、第3方向のうち、第1方向を「指針延在方向X1」とし、第2方向を「指針光軸方向Y1」とし、第3方向を「指針幅方向Z1」とする。ここでは、指針延在方向X1と指針光軸方向Y1と指針幅方向Z1とは、相互に略直交する。典型的には、指針光軸方向Y1は、奥行き方向Yに沿った方向である。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、指針1の各部が互いに組み付けられた状態での方向を表す。また、速度計101Aの指針1と回転計101Bの指針1とは、ほぼ同様の構成であるのでここでは共通の説明とする。
ここでまず、指針1を回転駆動させるための構成について説明する。指針1は、図5に示すように、筐体102(図1参照)内に配置される駆動部としてのモータ104によって回転駆動される。モータ104は、筐体102内に配置される配線板105の奥行き方向Y前面側の実装面に実装される。モータ104は、指針1の駆動源であり、回転駆動可能である回転軸106を有する。回転軸106は、モータ104のロータ軸を構成するものである。また、車両表示装置100は、モータ104と配線板105との間の実装面に実装される光源107を備え、回転軸106は、指針光軸方向Y1(奥行き方向Y)に対して、当該光源107と対向する位置に設けられ、指針光軸方向Y1に沿って延在する。モータ104、光源107は、配線板105の実装面に実装されて筐体102(図1参照)内に収容される。光源107は、奥行き方向Y(指針光軸方向Y1)前面側に向けて光を照射するものである。つまりここでは、光源107による光の照射方向、言い換えれば、光源107の光軸方向は、指針光軸方向Y1に沿った方向である。光源107は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子等によって構成されるがこれに限らない。そして、本実施形態の回転軸106は、光を透過する光透過性の樹脂材料によって形成され、奥行き方向Y(指針光軸方向Y1)に対して光源107と対向すると共にモータ104から奥行き方向Yに沿って柱状に延在するようにして奥行き方向Y前面側に突設される。回転軸106は、文字板103に形成された開口103aを介して光源107側とは反対側の端部、すなわち、奥行き方向Y前面側の端部に指針1が接続される。回転軸106は、光源107から照射された光を指針1側に導く導光軸として機能する。すなわち、回転軸106は、光源107から照射された光が当該光源107側の端部に入射し、当該入射した光を奥行き方向Y前面側の指針1側に導光し出射する。指針1は、文字板103の奥行き方向Y前面側に位置し、回転軸106に接続されモータ104が駆動することで回転駆動されると共に光源107からの光によって発光する。
より具体的には、本実施形態の指針1は、図2、図3、図4、図5、図6、図7に示すように、接続基部としての指針ステム2と、指針発光体3と、バランサ4と、指針遮光体としての指針キャップ5とを備え、上記のように回転軸106を介して導光された光によって指針発光体3の全体が発光する。
具体的には、指針ステム2は、回転軸106と指針発光体3とを接続し、指針発光体3を回転軸106に一体回転可能に支持する接続支持部材である。指針ステム2は、基部21、及び、円筒軸部22を含んで構成され、これらが光を遮光する遮光性の樹脂材料によって一体に形成される。
基部21は、指針延在方向X1に沿って延在する板状に形成され指針光軸方向Y1の一方側の面に指針発光体3を支持する部分である。基部21は、円筒軸部22が接続される部分が略円形板状に形成され、当該略円形板状の部分に組み付け孔部21aが形成される(図6等参照)。組み付け孔部21aは、指針キャップ5が組み付けられる部分であり、ここでは、2つ設けられる。
円筒軸部22は、回転軸106と指針発光体3とを接続するいわゆる袴とも呼ばれる部分である。円筒軸部22は、内部が中空の円筒状に形成され、基部21の略円形板状の部分から指針光軸方向Y1に沿って突出して形成される。円筒軸部22は、基部21において指針発光体3を支持する面とは反対側に突出して形成され、内部の中空状の部分が基部21を貫通し、指針光軸方向Y1の両側に開口している(図5、図6等参照)。円筒軸部22は、指針光軸方向Y1の一方の端部開口に回転軸106が嵌合され、指針光軸方向Y1の他方の端部開口に後述する指針発光体3の軸部31aが嵌合されることで、回転軸106と軸部31aとを一体回転可能に接続する。
指針発光体3は、回転軸106を介して導光された光によって発光する発光部材であり、指針本体を構成する。本実施形態の指針発光体3は、第1光透過体としての指針プリズム部材31、第2光透過体としての光透過性キャップ32、及び、拡散層33を有し、これらが組み合わせられることで構成される。
指針プリズム部材31は、光透過性材料によって指針延在方向X1に沿って延在して形成され、軸部31aに入射した光を第1出射面31eから指針光軸方向Y1に沿って前面側に出射するものである。指針プリズム部材31は、軸部31a、本体部31b、被支持部31c、導光中空部31d、及び、第1出射面31eを含んで構成され、これらが光を透過する光透過性の樹脂材料によって一体に形成される。
軸部31aは、指針光軸方向Y1に沿って柱状に形成される部分であり、上述したように、指針ステム2の円筒軸部22を介して回転軸106と一体回転可能に接続される(図5、図6等参照)。軸部31aは、当該回転軸106を介して導光された光が指針光軸方向Y1に沿って入射する入射部として機能する。
本体部31bは、軸部31aの端部から指針延在方向X1に沿って延在して形成される部分である。本体部31bは、軸部31aにおいて回転軸106と接続される側の端部と反対側の端部に設けられる。本体部31bは、軸部31aの端部から指針延在方向X1の両側に突出するように形成される。本体部31bは、指針プリズム部材31が指針ステム2に組み付けられ支持された状態で、一方側(後述のバランサ4が配置される側とは反対側)の突出量が他方側(後述のバランサ4が配置される側)の突出量より多くなるように、軸部31aの端部からの突出量が設定されている(図3、図5等参照)。本体部31bは、指針光軸方向Y1に対して軸部31a側とは反対側の面、すなわち、奥行き方向Y前面側の面が第1出射面31eを構成する。
被支持部31cは、指針ステム2の基部21上に支持される部分であり、本体部31bから指針幅方向Z1の両側に板状に突出して形成される(図3、図6等参照)。各被支持部31cは、軸部31aと本体部31bとの接続部分に設けられる。各被支持部31cは、それぞれ組み付け孔部31fが形成される(図6等参照)。組み付け孔部31fは、指針キャップ5が組み付けられる部分であり、ここでは、各被支持部31cに1つずつ、合計2つ設けられる。
導光中空部31dは、軸部31aと本体部31bとの接続部分、ここでは、当該接続部分の本体部31b側に中空状に形成される部分である(図3、図5、図6等参照)。導光中空部31dは、指針幅方向Z1の両側に開口を有する中空状に形成される。導光中空部31dは、指針延在方向X1、及び、指針光軸方向Y1に沿った断面視(図5参照)にて(言い換えれば、指針幅方向Z1に視て)、略四分円形状、あるいは、略扇形状に形成される。さらに言えば、導光中空部31dは、当該断面視にて、指針光軸方向Y1の軸部31a側が先細りの形状であり、指針光軸方向Y1に沿って軸部31aから離間するにしたがって指針延在方向X1に沿った幅が徐々に広くなるような形状に形成される。導光中空部31dは、当該導光中空部31dを形成する面が軸部31aに入射した光を指針延在方向X1に反射し拡散させて本体部31bの全体に導光する反射導光面として機能する。
第1出射面31eは、指針プリズム部材31において、回転軸106から軸部31aに入射し、導光中空部31dによって指針延在方向X1に反射、拡散され本体部31bに導光された光を指針光軸方向Y1に沿って奥行き方向Y前面側に出射する面である。第1出射面31eは、上述したように、本体部31bにおいて、指針光軸方向Y1に対して軸部31a側とは反対側の面、ここでは、奥行き方向Y前面側の面によって構成される。第1出射面31eは、本体部31bの形状に合わせて指針延在方向X1に沿って延在する。本実施形態の第1出射面31eは、平坦面として形成される。
光透過性キャップ32は、光透過性材料によって指針延在方向X1に沿って延在しかつ指針光軸方向Y1に対して第1出射面31eと対向して形成され、第1出射面31eから出射され入射面32bに入射した光を第2出射面32cから指針光軸方向Y1に沿って前面側に出射するものである。光透過性キャップ32は、本体部32a、入射面32b、及び、第2出射面32cを含んで構成され、これらが光を透過する光透過性の樹脂材料によって一体に形成される。
本体部32aは、指針プリズム部材31の本体部31bの形状に合わせて指針延在方向X1に沿って直線棒状に延在して形成される。本体部32aは、指針光軸方向Y1に対して指針プリズム部材31の第1出射面31eと対向する面、すなわち、奥行き方向Y背面側の面が入射面32bを構成する。一方、本体部32aは、指針光軸方向Y1に対して指針プリズム部材31の第1出射面31eと対向する面とは反対側の面、すなわち、奥行き方向Y前面側の面が第2出射面32cを構成し、当該第2出射面32cが奥行き方向Y前面側の意匠面として機能する。
入射面32bは、光透過性キャップ32において、指針プリズム部材31の第1出射面31eから出射された光が入射する面である。ここでは、入射面32bは、指針プリズム部材31の第1出射面31eから出射され後述の拡散層33によって拡散された光が入射する。入射面32bは、上述したように、本体部32aにおいて、指針光軸方向Y1に対して第1出射面31eと対向する面、ここでは、奥行き方向Y背面側の面によって構成される。入射面32bは、本体部32aの形状に合わせて指針延在方向X1に沿って延在する。本実施形態の入射面32bは、平坦面として形成される。
第2出射面32cは、光透過性キャップ32において、入射面32bに入射した光を指針光軸方向Y1に沿って奥行き方向Y前面側に出射する面である。第2出射面32cは、上述したように、本体部32aにおいて、指針光軸方向Y1に対して指針プリズム部材31の第1出射面31eと対向する面とは反対側の面、ここでは、奥行き方向Y前面側の面によって構成される。第2出射面32cは、本体部32aの形状に合わせて指針延在方向X1に沿って延在する。
また、本実施形態の光透過性キャップ32は、本体部32aの入射面32b側の縁部に突出縁部32dを有する(図7参照)。突出縁部32dは、本体部32aの入射面32b側の各縁部から指針光軸方向Y1に沿って指針プリズム部材31側に突出して形成される。そして、本実施形態の光透過性キャップ32は、当該突出縁部32dが後述する指針キャップ5の側壁部5dの端面に密着しマウントされるようにして設けられる。光透過性キャップ32は、例えば、二色成形により後述する指針キャップ5と一体で形成される。ここでは、光透過性キャップ32は、指針光軸方向Y1に対して入射面32bが第1出射面31eとの間に隙間32eを有して位置するように、突出縁部32dが後述する指針キャップ5の側壁部5dの端面に密着して設けられる(図7参照)。
そして、光透過性キャップ32は、第2出射面32cが光を屈折させて発散させるレンズを構成するように湾曲して曲面状に形成される(図7参照)。ここでは、第2出射面32cは、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視(図7参照)にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、指針光軸方向Y1に対して入射面32bとは反対側、すなわち、出射側に突出した凸部状の略半円弧状に形成される。
拡散層33は、光を拡散させる層である。本実施形態の拡散層33は、指針プリズム部材31の第1出射面31eに密着して設けられ、指針プリズム部材31の第1出射面31eから出射され光透過性キャップ32の入射面32bに入射する光を拡散させる。より詳細には、拡散層33は、第1出射面31eの入射面32b側の面、さらに言えば、隙間32e側の面に密着して設けられる。拡散層33は、例えば、ホットスタンプ印刷、塗料の複数回の塗布、フィルム転写法等によって透光性着色層として構成され当該透光性着色層に着色された色によって指針発光体3の発光色(表示色)を自由に設定することができる。ここでは、拡散層33は、白色の透光性着色層として構成される。
バランサ4は、指針ステム2に支持される指針発光体3との重量バランスを調整する部分である。バランサ4は、指針ステム2の基部21において指針発光体3を支持する面の指針延在方向X1の一方の端部に設けられる(図3、図5等参照)。バランサ4は、指針発光体3を構成する指針プリズム部材31と指針ステム2との間に介在する。より詳細には、指針プリズム部材31の本体部31bの突出量が少ない側の端部と指針ステム2の基部21との間に介在する。
指針キャップ5は、指針発光体3に装着され一部の光を遮光する遮光部材である。指針キャップ5は、遮光性材料によって指針延在方向X1に沿って延在して形成され、指針プリズム部材31を指針幅方向Z1の両側から覆い指針プリズム部材31から指針幅方向Z1に沿って漏れる光を遮光する。指針キャップ5は、軸部カバー部5a、及び、スリット部5bを含んで構成され、これらが光を遮光する遮光性の樹脂材料によって一体に形成される。
軸部カバー部5aは、ドーム状に形成され、指針プリズム部材31の第1出射面31e側から装着され、ここでは当該指針プリズム部材31の軸部31a、被支持部31c等を含む部分を覆う。また、軸部カバー部5aは、ドーム状の内部に柱状の装着軸部5cが形成される(図6参照)。ここでは、装着軸部5cは、2つ設けられる。
スリット部5bは、側壁部5dを有し、当該側壁部5dによって指針プリズム部材31の本体部31bを収容する中空状部5eが形成された部分である。側壁部5dは、軸部カバー部5aから指針光軸方向Y1の前面側に突出して延在しかつ指針延在方向X1に沿って延在して枠状に形成され、上記中空状部5eを区画する。言い換えれば、側壁部5dは、中空状部5eを囲うようにして指針光軸方向Y1に沿って立設される壁体である。中空状部5eは、軸部カバー部5aの内部と連通するようにして形成され、指針光軸方向Y1の前面側に開口する。スリット部5bは、軸部カバー部5aが指針プリズム部材31に装着された状態で、上記中空状部5e内に指針プリズム部材31における本体部31bが収容され、上記開口から当該本体部31bの第1出射面31e、及び、拡散層33を指針光軸方向Y1前面側に露出させる。スリット部5bは、中空状部5e内に本体部31bが収容された状態で、側壁部5dが少なくとも指針プリズム部材31の本体部31bを指針幅方向Z1の両側から挟み込んで覆い、指針プリズム部材31の本体部31bから指針幅方向Z1に沿って漏れる光、言い換えれば、第1出射面31e以外から出射される光を遮光する。
ここで、指針キャップ5と光透過性キャップ32とは、上述したように二色成形等により一体で形成され、側壁部5dにおける第1出射面31eによる光の出射側の端面、すなわち、側壁部5dにおける指針光軸方向Y1の前面側の端面に光透過性キャップ32の突出縁部32dが密着しマウントされるようにして設けられる。これにより、光透過性キャップ32は、側壁部5dにおける第1出射面31eによる光の出射側の端面、すなわち、側壁部5dにおける指針光軸方向Y1の前面側の端面を覆う位置関係で設けられる。
上記のように構成される指針1は、光透過性キャップ32が一体成形された指針キャップ5における装着軸部5cが被支持部31cの組み付け孔部31fを本体部31b側から貫通すると共に当該本体部31bが側壁部5dの間に嵌り第1出射面31e、拡散層33がスリット部5bの中空状部5eの開口から露出するような位置関係で、指針キャップ5が指針プリズム部材31に装着される。指針1は、指針キャップ5が指針プリズム部材31に装着された状態で、指針プリズム部材31と指針ステム2の基部21との間にバランサ4を介在させると共に軸部カバー部5aの装着軸部5cが指針ステム2の基部21の組み付け孔部21aに組み付けられることで、指針ステム2と指針プリズム部材31とバランサ4と指針キャップ5とが一体化される。指針1は、指針ステム2と指針プリズム部材31とバランサ4と指針キャップ5とが一体化された状態で、指針プリズム部材31が指針ステム2の基部21上に支持され、指針プリズム部材31の軸部31aが指針ステム2の円筒軸部22に嵌合し回転軸106と一体回転可能に接続される。
そして、指針1は、光源107から回転軸106を介して指針プリズム部材31の軸部31aに入射した光が導光中空部31dによって指針延在方向X1に反射、拡散され指針延在方向X1に沿って本体部31bの全体に導光され第1出射面31eから指針光軸方向Y1に沿って奥行き方向Y前面側に出射される。指針1は、第1出射面31eから出射された光が拡散層33によって拡散され、当該拡散層33によって拡散された光が隙間32eを通過して光透過性キャップ32の入射面32bに入射する。そして、指針1は、光透過性キャップ32の入射面32bに入射した光が第2出射面32cから指針光軸方向Y1に沿って奥行き方向Y前面側に出射され、この結果、指針発光体3の全体が発光する。
このとき、光透過性キャップ32は、図7に示すように、少なくとも指針幅方向Z1に対して、第2出射面32cによる光の出射領域T12を第1出射面31eによる光の出射領域T11より広げて当該第2出射面32cから光を出射する(図7参照)。本実施形態の光透過性キャップ32は、光の屈折効果により第2出射面32cによる光の出射領域を広げる。ここでは、光透過性キャップ32は、上述したように、入射面32bが拡散層33との間に空気層を構成する隙間32eを有して位置し、第2出射面32cが湾曲して形成されることで入射面32b、第2出射面32cが屈折面を構成する。これにより、光透過性キャップ32は、光を屈折させて発散させるレンズを構成し、当該レンズの光の屈折効果により第2出射面32cによる光の出射領域T12を第1出射面31eによる光の出射領域T11より広げる。
一方、指針1は、指針キャップ5の軸部カバー部5aが指針ステム2の基部21との間に指針プリズム部材31の被支持部31cを挟み込むようにして覆うことで回転軸106を介して導光された光のうちの漏れ光が遮光される。また、指針1は、指針キャップ5の側壁部5dが指針プリズム部材31の本体部31bを指針幅方向Z1の両側から挟み込んで覆うことで本体部31bから指針幅方向Z1に沿って漏れる光が遮光される。
以上で説明した指針1によれば、光透過性材料によって指針延在方向X1に沿って延在して形成され、入射した光を第1出射面31eから指針延在方向X1と交差する指針光軸方向Y1に沿って出射する指針プリズム部材31、光透過性材料によって指針延在方向X1に沿って延在しかつ指針光軸方向Y1に対して第1出射面31eと対向して形成され、第1出射面31eから出射され入射した光を第2出射面32cから指針光軸方向Y1に沿って出射する光透過性キャップ32、及び、第1出射面31eから出射され光透過性キャップ32に入射する光を拡散させる拡散層33を有する指針発光体3と、遮光性材料によって指針延在方向X1に沿って延在して形成され、指針プリズム部材31を指針光軸方向Y1及び指針延在方向X1と交差する指針幅方向Z1の両側から覆い指針プリズム部材31から指針幅方向Z1に沿って漏れる光を遮光する指針キャップ5とを備え、光透過性キャップ32は、少なくとも指針幅方向Z1に対して、第2出射面32cによる光の出射領域T12を第1出射面31eによる光の出射領域T11より広げて当該第2出射面32cから光を出射する。以上で説明した車両表示装置100によれば、光を照射する光源107と、回転駆動可能な回転軸106を有するモータ104と、光源107、及び、モータ104を収容する筐体102と、回転軸106に接続され回転駆動される上記指針1とを備える。
したがって、指針1、車両表示装置100は、指針発光体3において、指針プリズム部材31に入射した光が第1出射面31eから指針光軸方向Y1に沿って出射され、光透過性キャップ32に入射し第2出射面32cから指針光軸方向Y1に沿って出射されることで指針発光体3の全体が発光する。このとき、指針1、車両表示装置100は、指針キャップ5の側壁部5d等によって指針プリズム部材31から指針幅方向Z1に沿って漏れる光が遮光されることで指針光軸方向Y1前面側、すなわち、運転者等によって視認される側への発光領域以外の発光領域を限定し指針発光体3の輪郭をシャープに見せることができる。また、指針1、車両表示装置100は、光源107からの光を効率的に運転者等によって視認される側へ出射することができ、ロスを抑制することができ、輝度の低下を抑制することができる。その上で、指針1、車両表示装置100は、拡散層33による光の拡散、及び、光透過性キャップ32の第2出射面32cによる出射領域T12の拡大によって指針発光体3における発光領域を広げることができる。この結果、指針1、車両表示装置100は、例えば、指針1からの漏れ光の文字板103への映り込み等を抑制しつつ、適正に指針1の発光領域を広げることができ、視認性を向上することができる。
さらに、以上で説明した指針1、車両表示装置100によれば、指針キャップ5は、指針プリズム部材31を指針幅方向Z1の両側から覆い指針光軸方向Y1に沿って延在する側壁部5dを有し、光透過性キャップ32は、側壁部5dにおける第1出射面31eによる光の出射側の端面を覆う。したがって、指針1、車両表示装置100は、指針キャップ5の側壁部5dを覆うように光透過性キャップ32が設けられ、第2出射面32cによる光の出射領域T12を、当該側壁部5dを超えて広げることができるので、より適正に指針発光体3の全体を発光させることができ、例えば、光透過性キャップ32の第2出射面32cが構成する光学系の曲率(レンズ傾斜面角度)等の調整によっては指針キャップ5の側壁部5dの端面を目立たなくし視認し難くすることができる。
さらに、以上で説明した指針1、車両表示装置100によれば、光透過性キャップ32は、光の屈折効果により第2出射面32cによる光の出射領域T12を広げる。したがって、指針1、車両表示装置100は、光透過性キャップ32が構成する光学系によって当該光透過性キャップ32に入射し第2出射面32cから出射される光を屈折させて発散させることで第2出射面32cによる光の出射領域T12を第1出射面31eによる光の出射領域T11より広げることができる。
さらに、以上で説明した指針1、車両表示装置100によれば、拡散層33は、第1出射面31eに密着して設けられ、光透過性キャップ32は、第1出射面31eから拡散層33を介して出射された光が入射する入射面32bが拡散層33との間に隙間32eを有して位置し、第2出射面32cが湾曲して形成される。したがって、指針1、車両表示装置100は、光透過性キャップ32の入射面32b、第2出射面32cが屈折面を構成し当該光透過性キャップ32が光を屈折させて発散させるレンズとして構成されるので、当該レンズの光の屈折効果により第2出射面32cによる光の出射領域T12を第1出射面31eによる光の出射領域T11より広げることができる。
なお、以上の説明では、指針キャップ5と光透過性キャップ32とは、二色成形等により一体で形成されるものとして説明したがこれに限らず、例えば、相互に別個に形成した上で溶着等によって一体化されてもよい。また、指針1は、光透過性キャップ32が着色された光透過性材料によって構成されることで、当該光透過性材料の色に応じて指針発光体3の発光色(表示色)を自由に設定することもできる。また、指針1は、光透過性キャップ32が暗色系の光透過性材料、例えば、いわゆるスモーク材によって構成されることで、非点灯時に文字板103等と同化し視認され難い状態をつくることができ、これにより、例えば、指針1を点灯した際に突然、当該指針1が立ち現れるような斬新な演出効果を施すこともできる。
また、以上で説明した光透過性キャップ32は、第2出射面32cが光を屈折させて発散させるレンズを構成するように湾曲して曲面状に形成されるものとして説明したがこれに限らない。図8に示す変形例に係る車両表示装置用指針としての指針1Aのように、第2出射面32cAは、光を屈折させて発散させるレンズを構成するように屈曲して多角形状に形成されてもよい。ここでは、第2出射面32cAは、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視(図8参照)にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、指針光軸方向Y1に対して入射面32bとは反対側、すなわち、出射側に突出し、指針光軸方向Y1に対して傾斜した複数の傾斜面等によって略台形状に形成される。この場合であっても、指針1A、車両表示装置100は、光透過性キャップ32の入射面32b、第2出射面32cAが屈折面を構成し当該光透過性キャップ32が光を屈折させて発散させるレンズとして構成されるので、当該レンズの光の屈折効果により第2出射面32cAによる光の出射領域T12を第1出射面31eによる光の出射領域T11より広げることができる。また、光透過性キャップ32は、指針幅方向Z1に対して各突出縁部32dが各側壁部5dよりも幅広となり、当該各突出縁部32dが各側壁部5dにおける指針幅方向Z1の外側端面よりもさらに外側に突出するようにして形成されてもよく、これにより、指針キャップ5の側壁部5dの端面をさらに目立たなくし視認し難くすることができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る車両表示装置用指針、及び、車両表示装置は、指針発光体の構成が実施形態1とは異なる。以下では、上述した実施形態と同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する(以下、同様。)。
図9に示す本実施形態に係る車両表示装置用指針としての指針201は、指針発光体3にかえて指針発光体203を備える点で上述の指針1と異なり、その他の構成は、当該指針1とほぼ同様の構成である。
指針発光体203は、第1光透過体としての指針プリズム部材231、第2光透過体としての光透過性キャップ232、及び、拡散層233を有し、これらが組み合わせられることで構成される。
指針プリズム部材231は、第1出射面31eにかえて第1出射面231eを含んで構成される点で上述の指針プリズム部材31と異なり、その他の構成は、当該指針プリズム部材31とほぼ同様の構成である。第1出射面231eは、本体部31bにおいて、指針光軸方向Y1に対して軸部31a(図5等参照)側とは反対側の面、ここでは、奥行き方向Y前面側の面によって構成される。本実施形態の第1出射面231eは、後述する入射面232bと共に光を屈折させて発散させるレンズを構成するように湾曲して曲面状に形成される。ここでは、第1出射面231eは、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視(図9参照)にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、指針光軸方向Y1に対して後述する入射面232bとは反対側、すなわち、軸部31a側に陥没した凹部状の略半円弧状に形成される。
光透過性キャップ232は、入射面32bにかえて入射面232bを、第2出射面32cにかえて第2出射面232cを含んで構成される点で上述の光透過性キャップ32と異なり、その他の構成は、当該光透過性キャップ32とほぼ同様の構成である。入射面232bは、本体部32aにおいて、指針光軸方向Y1に対して第1出射面231eと対向する面、ここでは、奥行き方向Y背面側の面によって構成される。本実施形態の入射面232bは、上述した第1出射面231eと共に光を屈折させて発散させるレンズを構成するように湾曲して曲面状に形成される。ここでは、入射面232bは、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視(図9参照)にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、指針光軸方向Y1に対して第2出射面232cとは反対側、すなわち、第1出射面231e側に突出した凸部状の略半円弧状に形成される。第2出射面232cは、本体部32aにおいて、指針光軸方向Y1に対して指針プリズム部材231の第1出射面231eと対向する面とは反対側の面、ここでは、奥行き方向Y前面側の面によって構成される。本実施形態の第2出射面232cは、平坦面として形成される。
拡散層233は、上述した拡散層33と同様に、光を拡散させる層である。本実施形態の拡散層233は、光透過性キャップ232の第2出射面232cに密着して設けられ、当該第2出射面232cから出射された光を拡散させる。より詳細には、拡散層233は、第2出射面232cの指針光軸方向Y1前方側の面に密着して設けられる。拡散層233は、上述した拡散層33と同様に、例えば、ホットスタンプ印刷、塗料の複数回の塗布、フィルム転写法等によって透光性着色層として構成され当該透光性着色層に着色された色によって指針発光体203の発光色(表示色)を自由に設定することができる。ここでは、拡散層233は、白色の透光性着色層として構成される。
そして、指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、屈折率が相互に異なる光透過性材料によって構成される。指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、入射面232bと第1出射面231eとが密着して設けられ当該第1出射面231eと当該入射面232bとが湾曲して形成される。指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、例えば、屈折率が相互に異なる光透過性材料によって入射面232bと第1出射面231eとが密着した状態となるように二色成形により一体で形成される。
本実施形態の指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、指針プリズム部材231の屈折率が相対的に大きく、光透過性キャップ232の屈折率が相対的に小さくなるような組み合わせで、屈折率が相互に異なる光透過性材料によって二色成形により一体で形成される。そして、指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、入射面232bと第1出射面231eとが密着することで界面234を構成する。本実施形態の界面234は、光を屈折させて発散させるレンズを構成するように、第1出射面231e、及び、入射面232bの湾曲に応じて曲面状に形成される。ここでは、界面234は、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視(図9参照)にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、光透過性キャップ232から視て、指針光軸方向Y1に対して第2出射面232cとは反対側、すなわち、第1出射面231e側に突出した凸部状の略半円弧状に形成される。言い換えれば、界面234は、当該断面視にて、指針プリズム部材231から視て、指針光軸方向Y1に対して入射面232bとは反対側、すなわち、軸部31a側に陥没した凹部状の略半円弧状に形成される。つまり、界面234は、指針光軸方向Y1に対して指針光軸方向Y1の背面側に向けて突出した略半円弧状に形成される。
上記のように構成される指針201は、光透過性キャップ232が少なくとも指針幅方向Z1に対して、第2出射面232cによる光の出射領域T22を第1出射面231eによる光の出射領域T21より広げて当該第2出射面232cから光を出射する。本実施形態の光透過性キャップ232は、光の屈折効果により第2出射面232cによる光の出射領域を広げる。ここでは、指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、上述したように、屈折率が相互に異なる光透過性材料によって構成され入射面232bと第1出射面231eとが密着して設けられ、入射面232bと第1出射面231eとが湾曲して形成されることで、入射面232bと第1出射面231eとの界面234が屈折面を構成する。これにより、指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、光を屈折させて発散させるレンズを構成し、当該レンズの光の屈折効果により第2出射面232cによる光の出射領域T22を第1出射面231eによる光の出射領域T21より広げる。
以上で説明した指針201、車両表示装置100は、指針発光体203において、指針プリズム部材231に入射した光が第1出射面231eから指針光軸方向Y1に沿って出射され、光透過性キャップ232に入射し第2出射面232cから指針光軸方向Y1に沿って出射されることで指針発光体203の全体が発光する。このとき、指針201、車両表示装置100は、指針キャップ5の側壁部5d等によって指針プリズム部材231から指針幅方向Z1に沿って漏れる光が遮光されることで指針光軸方向Y1前面側への発光領域以外の発光領域を限定し指針発光体203の輪郭をシャープに見せることができる。その上で、指針201、車両表示装置100は、拡散層233による光の拡散、及び、光透過性キャップ232の第2出射面232cによる出射領域T22の拡大によって指針発光体203における発光領域を広げることができる。この結果、指針201、車両表示装置100は、適正に指針201の発光領域を広げることができる。
さらに、以上で説明した指針201、車両表示装置100によれば、拡散層233は、第2出射面232cに密着して設けられ、指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、屈折率が相互に異なる光透過性材料によって構成され第1出射面231eから出射された光が入射する光透過性キャップ232の入射面232bと第1出射面231eとが密着して設けられ、当該第1出射面231eと当該入射面232bとが湾曲して形成される。したがって、指針201、車両表示装置100は、指針プリズム部材231の第1出射面231eと光透過性キャップ232の入射面232bとの界面234が屈折面を構成し当該指針プリズム部材231、光透過性キャップ232が光を屈折させて発散させるレンズとして構成されるので、当該レンズの光の屈折効果により第2出射面232cによる光の出射領域T22を第1出射面231eによる光の出射領域T21より広げることができる。またこの場合、指針201、車両表示装置100は、奥行き方向Y前面側の意匠面として機能する光透過性キャップ232の第2出射面232cを平坦面として形成することができる。
なお、以上の説明では、指針プリズム部材231と光透過性キャップ232とは、入射面232bと第1出射面231eとが密着して界面234を構成するように二色成形等により一体で形成されるものとして説明したがこれに限らず、例えば、相互に別個に形成した上で溶着等によって一体化されてもよい。
また、以上で説明した界面234は、光を屈折させて発散させるレンズを構成するように、第1出射面231e、及び、入射面232bの湾曲に応じて曲面状に形成されるものとして説明したがこれに限らない。界面234は、光を屈折させて発散させるレンズを構成するように屈曲して多角形状に形成されてもよい。この場合、界面234は、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、指針光軸方向Y1に対して指針光軸方向Y1の背面側に向けて突出し、指針光軸方向Y1に対して傾斜した複数の傾斜面によって略台形状に形成されてもよい。
また、界面234の湾曲方向は、以上で説明したものに限らない。図10に示す変形例に係る車両表示装置用指針としての指針201Aは、第1光透過体としての指針プリズム部材231Aと第2光透過体としての光透過性キャップ232Aとの屈折率の大小関係が上述とは逆となっている。すなわち、指針プリズム部材231Aと光透過性キャップ232Aとは、光透過性キャップ232Aの屈折率が相対的に大きく、指針プリズム部材231Aの屈折率が相対的に小さくなるような組み合わせで、屈折率が相互に異なる光透過性材料によって二色成形により一体で形成される。
そして、指針プリズム部材231Aと光透過性キャップ232Aとは、光透過性キャップ232Aの入射面232bAと指針プリズム部材231Aの第1出射面231eAとが密着することで界面234Aを構成する。第1出射面231eAは、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視(図10参照)にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、指針光軸方向Y1に対して入射面232bA側に突出した凸部状の略半円弧状に形成される。入射面232bAは、当該断面視にて、指針光軸方向Y1に対して第2出射面232c側に陥没した凹部状の略半円弧状に形成される。そして、界面234Aは、光を屈折させて発散させるレンズを構成するように、第1出射面231eA、及び、入射面232bAの湾曲に応じて曲面状に形成される。界面234Aは、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視にて(言い換えれば、指針延在方向X1に視て)、指針プリズム部材231Aから視て、指針光軸方向Y1に対して第2出射面232c側に突出した凸部状の略半円弧状に形成される。言い換えれば、界面234Aは、当該断面視にて、光透過性キャップ232Aから視て、指針光軸方向Y1に対して第2出射面232c側に陥没した凹部状の略半円弧状に形成される。つまり、界面234Aは、指針光軸方向Y1に対して指針光軸方向Y1の前面側に向けて突出した略半円弧状に形成される。
この場合であっても、指針201Aは、指針プリズム部材231Aの第1出射面231eAと光透過性キャップ232Aの入射面232bAとの界面234Aが屈折面を構成し当該指針プリズム部材231A、光透過性キャップ232Aが光を屈折させて発散させるレンズとして構成されるので、当該レンズの光の屈折効果により第2出射面232cによる光の出射領域T22を第1出射面231eAによる光の出射領域T21より広げることができる。
[実施形態3]
実施形態3に係る車両表示装置用指針、及び、車両表示装置は、指針発光体の構成が実施形態1、2とは異なる。
図11に示す本実施形態に係る車両表示装置用指針としての指針301は、指針発光体3にかえて指針発光体303を備える点で上述の指針1と異なり、その他の構成は、当該指針1とほぼ同様の構成である。
指針発光体303は、第1光透過体としての指針プリズム部材31、第2光透過体としての光透過性キャップ332、及び、拡散層33を有し、これらが組み合わせられることで構成される。指針プリズム部材31、拡散層33は、上述と同様の構成である。
光透過性キャップ332は、第2出射面32cにかえて第2出射面332cを含んで構成される点で上述の光透過性キャップ32と異なり、その他の構成は、当該光透過性キャップ32とほぼ同様の構成である。第2出射面332cは、本体部32aにおいて、指針光軸方向Y1に対して指針プリズム部材31の第1出射面31eと対向する面とは反対側の面、ここでは、奥行き方向Y前面側の面によって構成される。
そして、本実施形態の光透過性キャップ332は、光の拡散効果により第2出射面332cによる光の出射領域を広げる。ここでは、光透過性キャップ332は、第2出射面332cが複数の微細凹凸部332fを有する。複数の微細凹凸部332fは、微細プリズム、あるいは、微細シボ形状に形成され、第2出射面332cから出射する光を拡散させる。複数の微細凹凸部332fは、凸状部分の断面形状が図12に示すように略三角形状の断面形状であってもよいし、図13に示すように略半円形状の断面形状であってもよい。複数の微細凹凸部332fは、指針延在方向X1、及び、指針幅方向Z1に沿って連続して形成される。これにより、光透過性キャップ332は、当該複数の微細凹凸部332fが形成された第2出射面332cが拡散層33とは異なる第2拡散面を構成し、当該第2拡散面を構成する第2出射面332cの光の拡散効果により第2出射面332cによる光の出射領域T32を第1出射面31eによる光の出射領域T31より広げる。
以上で説明した指針301、車両表示装置100は、指針発光体303において、指針プリズム部材31に入射した光が第1出射面31eから指針光軸方向Y1に沿って出射され、光透過性キャップ332に入射し第2出射面332cから指針光軸方向Y1に沿って出射されることで指針発光体303の全体が発光する。このとき、指針301、車両表示装置100は、指針キャップ5の側壁部5d等によって指針プリズム部材31から指針幅方向Z1に沿って漏れる光が遮光されることで指針光軸方向Y1前面側への発光領域以外の発光領域を限定し指針発光体303の輪郭をシャープに見せることができる。その上で、指針301、車両表示装置100は、拡散層33による光の拡散、及び、光透過性キャップ332の第2出射面332cによる出射領域T32の拡大によって指針発光体303における発光領域を広げることができる。この結果、指針301、車両表示装置100は、適正に指針301の発光領域を広げることができる。
さらに、以上で説明した指針301、車両表示装置100によれば、光透過性キャップ332は、光の拡散効果により第2出射面332cによる光の出射領域を広げる。したがって、指針301、車両表示装置100は、光透過性キャップ332が構成する光学系によって当該光透過性キャップ332に入射し第2出射面332cから出射される光を拡散させることで第2出射面332cによる光の出射領域T32を第1出射面31eによる光の出射領域T31より広げることができる。
さらに、以上で説明した指針301、車両表示装置100によれば、拡散層33は、第1出射面31eに密着して設けられ、光透過性キャップ332は、第1出射面31eから拡散層33を介して出射された光が入射する入射面32bが拡散層33との間に隙間32eを有して位置し、第2出射面332cが複数の微細凹凸部332fを有する。したがって、指針301、車両表示装置100は、複数の微細凹凸部332fが形成された第2出射面332cが拡散層33とは異なる第2拡散面を構成するので、当該第2拡散面を構成する第2出射面332cの光の拡散効果により第2出射面332cによる光の出射領域T32を第1出射面31eによる光の出射領域T31より広げることができる。
なお、以上の説明では、光透過性キャップ332は、第2出射面332cが複数の微細凹凸部332fを有するものとして説明したがこれに限らない。図14に示す変形例に係る車両表示装置用指針としての指針301Aのように、光透過性キャップ332Aは、入射面32bが複数の微細凹凸部332fAを有していてもよい。複数の微細凹凸部332fAは、上述の微細凹凸部332fと同様の構成であり、指針延在方向X1、及び、指針幅方向Z1に沿って連続して形成される。これにより、光透過性キャップ332Aは、当該複数の微細凹凸部332fAが形成された入射面32bが拡散層33とは異なる第2拡散面を構成する。この場合であっても、指針301A、車両表示装置100は、当該第2拡散面を構成する入射面32bの光の拡散効果により第2出射面332cによる光の出射領域T32を第1出射面31eによる光の出射領域T31より広げることができる。
[実施形態4]
実施形態4に係る車両表示装置用指針、及び、車両表示装置は、指針遮光体の構成が実施形態1、2、3とは異なる。
図15、図16、図17、図18に示す本実施形態に係る車両表示装置用指針としての指針401は、指針ステム2、指針キャップ5にかえて指針遮光体としての指針カバー405を備える点で上述の指針1と異なる。より具体的には、本実施形態の指針401は、指針発光体403と、バランサ4と、接続基部としても兼用される指針遮光体としての指針カバー405とを備え、回転軸106を介して導光された光によって指針発光体403の全体が発光する。バランサ4は、上述の構成と同様の構成である。
本実施形態の指針発光体403は、第1光透過体としての指針プリズム部材431、第2光透過体としての光透過性キャップ32、及び、拡散層33を有し、これらが組み合わせられることで構成される。指針プリズム部材431は、被支持部31c、及び、組み付け孔部31fを備えない点で、上述の指針プリズム部材31と異なり、その他の構成は、当該指針プリズム部材31とほぼ同様の構成である。光透過性キャップ32、及び、拡散層33は、上述の構成と同様の構成である。
本実施形態の指針カバー405は、指針発光体403に装着され一部の光を遮光する遮光部材であると共に、回転軸106と指針発光体403とを接続し、指針発光体403を回転軸106に一体回転可能に支持する接続支持部材としても兼用される。指針カバー405は、遮光性材料によって指針延在方向X1に沿って延在して形成され、指針プリズム部材431を指針幅方向Z1の両側から覆い指針プリズム部材431から指針幅方向Z1に沿って漏れる光を遮光する。指針カバー405は、スリット部405a、回転軸接続部405b、及び、円板遮光部405cを含んで構成され、これらが光を遮光する遮光性の樹脂材料によって一体に形成される。
スリット部405aは、底部405d、及び、側壁部405eを有し、底部405d、側壁部405eによって当該指針プリズム部材431の本体部31bを収容する中空状部405fが形成された部分である。底部405dは、指針延在方向X1に沿って延在する板状に形成された底体であり、指針光軸方向Y1の一方側の面に指針発光体403を支持する部分である。側壁部405eは、底部405dから指針光軸方向Y1の前面側に突出して延在しかつ指針延在方向X1に沿って延在して枠状に形成され、上記中空状部405fを区画する。言い換えれば、側壁部405eは、中空状部405fを囲うようにして底部405dから指針光軸方向Y1に沿って立設される壁体である。また、側壁部405eは、係止爪部405g(図18参照)を有する。係止爪部405gは、側壁部405eにおいて指針幅方向Z1に対向する各内壁面にそれぞれ1つずつ、合計2つが設けられる。各係止爪部405gは、各内壁面から突起状に形成され、指針プリズム部材431の導光中空部31dに嵌合し係止されることで、当該指針プリズム部材431を中空状部405f内に係止するものである。また、側壁部405eにおいて係止爪部405gが形成された内壁面、すなわち、指針幅方向Z1に対向する各内壁面は、指針光軸方向Y1の背面側から前面側に向かうにしたがって指針幅方向Z1に沿った幅が徐々に広がるような傾斜のテーパ面として構成される(図18参照)。中空状部405fは、底部405dと側壁部405eとによって区画される空間部であり、指針光軸方向Y1の前面側に開口する。スリット部405aは、上記中空状部405f内に指針プリズム部材431における本体部31bが収容された状態で、中空状部405fの開口から当該本体部31bの第1出射面31e、及び、拡散層33を指針光軸方向Y1前面側に露出させる。この状態で、各係止爪部405gは、指針プリズム部材431の導光中空部31dに嵌合し係止されることで、当該指針プリズム部材431を中空状部405f内に係止する。また、側壁部405eは、指針プリズム部材431を指針幅方向Z1の両側から覆い指針プリズム部材431から指針幅方向Z1に沿って漏れる光を遮光すると共に当該指針プリズム部材431を保持する。
回転軸接続部405bは、回転軸106に接続され、当該回転軸106と指針発光体403とを接続するいわゆる袴とも呼ばれる部分である。回転軸接続部405bは、内部が中空の円筒状に形成され、スリット部405aの底部405dから指針光軸方向Y1に沿って突出して形成される。回転軸接続部405bは、底部405dにおいて指針発光体403を支持する面とは反対側に突出して形成され、内部の中空状の部分が底部405dを貫通し、指針光軸方向Y1の両側に開口している(図17、図18等参照)。回転軸接続部405bは、内部の中空状の部分が中空状部405fの内部と連通する。回転軸接続部405bは、指針光軸方向Y1の一方の端部開口に回転軸106が嵌合され、指針光軸方向Y1の他方の端部開口に指針発光体403の軸部31aが嵌合されることで、回転軸106と軸部31aとを一体回転可能に接続する。
円板遮光部405cは、スリット部405aと回転軸接続部405bとの接続部分に略円盤状に形成される部分である。円板遮光部405cは、文字板103に形成された開口103aよりも大径に形成され、光源107から照射され当該開口103aを介して漏れる光を遮光し、当該漏れ光が運転者等の目視位置に至ることを規制する。
上記のように構成される指針401は、指針プリズム部材431の本体部31bと指針カバー405の底部405dとの間の所定の位置にバランサ4を介在させると共に、本体部31bが側壁部405eの間に嵌り第1出射面31e、拡散層33がスリット部405aの中空状部405fの開口から露出するような位置関係で、指針カバー405がバランサ4と共に指針プリズム部材431に装着される。この場合、指針401は、スリット部405aの中空状部405fの開口に対して指針光軸方向Y1の前面側からバランサ4、及び、指針プリズム部材431の軸部31a側が挿入されるようにして指針プリズム部材431とバランサ4と指針カバー405とが組み付けられ一体化される。このとき、指針401は、側壁部405eにおいて指針幅方向Z1に対向する各内壁面が上記のようなテーパ面として構成されていることから、指針プリズム部材431を中空状部405f内に挿入しやすい構成とすることができる。そして、指針401は、指針プリズム部材431とバランサ4と指針カバー405とが組み付けられた状態で、各係止爪部405gが導光中空部31dに嵌合し係止されることで当該指針プリズム部材431が中空状部405f内に係止されると共に、側壁部405eが指針プリズム部材431を指針幅方向Z1の両側から覆い当該指針プリズム部材431を保持する。そして、指針401は、光透過性キャップ32の突出縁部32dが側壁部405eの端面に密着しマウントされるようにして設けられる。ここでは、光透過性キャップ32は、例えば、接着剤を介した接着や溶着等により指針カバー405と一体化される。そして、指針401は、指針プリズム部材431とバランサ4と指針カバー405とが組み付けられた状態で、指針プリズム部材431が指針カバー405の底部405d上に支持され、軸部31aが指針カバー405の回転軸接続部405bに嵌合し回転軸106と一体回転可能に接続される。
以上で説明した指針401、車両表示装置100は、指針発光体403において、指針プリズム部材431に入射した光が第1出射面31eから指針光軸方向Y1に沿って出射され、光透過性キャップ32に入射し第2出射面32cから指針光軸方向Y1に沿って出射されることで指針発光体403の全体が発光する。このとき、指針401、車両表示装置100は、指針カバー405の側壁部405e等によって指針プリズム部材431から指針幅方向Z1に沿って漏れる光が遮光されることで指針光軸方向Y1前面側への発光領域以外の発光領域を限定し指針発光体403の輪郭をシャープに見せることができる。その上で、指針401、車両表示装置100は、拡散層33による光の拡散、及び、光透過性キャップ32の第2出射面32cによる出射領域T12(図7等参照)の拡大によって指針発光体403における発光領域を広げることができる。この結果、指針401、車両表示装置100は、適正に指針401の発光領域を広げることができる。
さらに、以上で説明した指針401、車両表示装置100によれば、指針カバー405は、指針発光体403を指針幅方向Z1の両側から覆い当該指針発光体403を保持する側壁部405e、及び、回転駆動可能な回転軸106と接続される回転軸接続部405bを有し、側壁部405eと回転軸接続部405bとが一体で形成される。したがって、指針401、車両表示装置100は、指針発光体403を保持、遮光するための構成と、指針発光体403と回転軸106とを接続するための構成とを指針カバー405によって兼用することができるので、構成部品点数を抑制することができ、例えば、製造コストを抑制することができる。また、指針401、車両表示装置100は、例えば、上述した被支持部31c、組み付け孔部31f等の構成を備えなくてもよいことから、外形を小型化することができ、例えば、円板遮光部405cの外径を相対的に小径にすることがきるので、当該円板遮光部405cをより目立たなくすることができ、指針発光体403の輪郭のシャープ感を向上することができる。
また、以上で説明した指針401は、光透過性キャップ32が指針カバー405の側壁部405eにおける第1出射面31eによる光の出射側の端面を覆うように設けられることから、指針プリズム部材431と側壁部405eとの隙間をより視認し難くし目立たなくすることができる。
[実施形態5]
実施形態5に係る車両表示装置用指針、及び、車両表示装置は、指針遮光体及び接続基部の構成が実施形態1、2、3、4とは異なる。
図19、図20、図21、図22、図23に示す本実施形態に係る車両表示装置用指針としての指針501は、指針ステム2、指針キャップ5にかえて接続基部としての指針ステム502、指針遮光体としての指針キャップ505を備える点で上述の指針1と異なる。その他の構成は、当該指針1とほぼ同様の構成である。
本実施形態の指針ステム502は、回転軸106と指針発光体3とを接続し、指針発光体3を回転軸106に一体回転可能に支持する接続支持部材である。指針ステム502は、基部521、円筒軸部22、及び、バランサ支持部21bを含んで構成され、これらが光を遮光する遮光性の樹脂材料によって一体に形成される。
基部521は、指針延在方向X1に沿って延在する板状に形成され指針光軸方向Y1の一方側の面に指針発光体3を支持する部分である。基部521は、円筒軸部22が接続される部分が略円形板状に形成された円形板部21gを有し、当該円形板部21gに組み付け孔部21aが形成される(図20等参照)。組み付け孔部21aは、指針キャップ505が組み付けられる部分であり、ここでは、2つ設けられる。基部521は、指針プリズム部材31の本体部31bを支持するプリズム支持部21cが複数、例えば、2つ設けられる。各プリズム支持部21cは、円形板部21gよりも指針501の指針延在方向X1の先端側に設けられ、基部521の指針光軸方向Y1の前面側に突出して形成される。各プリズム支持部21cは、指針プリズム部材31の本体部31bの突出量が多い側を支持する。
バランサ支持部21bは、バランサ4を支持する部分であり、円形板部21gの指針延在方向X1の後端側に連結部21hを介して設けられる。バランサ支持部21bは、底部21eと、側壁部21dとを有する。底部21eは、指針延在方向X1に沿って延在し板状に形成される。底部21eは、バランサ4が載置される。側壁部21dは、底部21eから指針光軸方向Y1の前面側に突出して延在しかつ指針延在方向X1に沿って延在して枠状に形成され、中空状部21fを区画する。言い換えれば、側壁部21dは、中空状部21fを囲うようにして指針光軸方向Y1に沿って立設される壁体である。中空状部21fは、バランサ4の一部を収容する。中空状部21fは、例えば、バランサ4の指針光軸方向Y1の端部側を収容する。
指針キャップ505は、遮光性材料によって指針延在方向X1に沿って延在して形成され、指針プリズム部材31を指針幅方向Z1の両側から覆い指針プリズム部材31から指針幅方向Z1に沿って漏れる光を遮光する。また、指針キャップ505は、バランサ支持部21bに一部が収容されたバランサ4に指針光軸方向Y1の前面側から覆い被さり、当該バランサ4の露出した部分を覆う。指針キャップ505は、軸部カバー部5a、スリット部505bを含んで構成され、これらが光を遮光する遮光性の樹脂材料によって一体に形成される。
スリット部505bは、側壁部505dを有し、当該側壁部505dによって指針プリズム部材31の本体部31b、及び、バランサ4の露出部を収容する中空状部505eが形成された部分である。側壁部505dは、軸部カバー部5aから指針光軸方向Y1の前面側に突出して延在しかつ指針延在方向X1に沿って延在して枠状に形成される。側壁部505dは、指針延在方向X1において軸部カバー部5aよりも前方側に設けられる前方壁部505f、及び、指針延在方向X1において軸部カバー部5aよりも後方側に設けられる後方壁部505gを含んで構成される。前方壁部505fは、指針延在方向X1において指針プリズム部材31の本体部31bの突出量が多い側を囲う部分である。後方壁部505gは、指針延在方向X1において指針プリズム部材31の本体部31bの突出量が少ない側を囲うと共にバランサ4の露出部分を囲う部分である。
後方壁部505gは、指針キャップ505が指針ステム502に装着された状態で、指針光軸方向Y1の指針ステム502側の端部505hが、上記バランサ支持部21bの側壁部21dの指針光軸方向Y1の指針キャップ505側の端部21iに当接する(図23参照)。すなわち、後方壁部505gは、指針キャップ505が指針ステム502に装着された状態で、バランサ支持部21bに被らずにバランサ4の露出部分を指針幅方向Z1の両側から囲う。言い換えれば、後方壁部505gは、指針キャップ505が指針ステム502に装着された状態で、バランサ支持部21bの側壁部21dに対し指針幅方向Z1にオーバーラップせずにバランサ4の露出部分を指針幅方向Z1の両側から囲う。この構成により、指針501は、従来のように後方壁部505gをバランサ支持部21bに被らせる場合と比較して、指針キャップ505の指針幅方向Z1の幅サイズを小さくすることができ、意匠性を向上させることができる。後方壁部505gの指針幅方向Z1の間隔W1は、バランサ支持部21bの側壁部21dの間隔W2よりも大きい(図23参照)。つまり、指針キャップ505の後方壁部505gは、運転者等の目視位置から視認した場合に、バランサ支持部21bの側壁部21dを覆う。この構成により、指針501は、運転者等の目視位置から視認した場合に、指針キャップ505の後方壁部505gとバランサ支持部21bの側壁部21dとの境界が目立つことを抑制することができ、意匠性を向上することができる。なお、指針501は、指針キャップ505の後方壁部505gの色とバランサ支持部21bの側壁部21dの色とを同色とすることで、これらの境界が目立つことをより抑制することができる。
側壁部505dは、上記中空状部505eを区画する。中空状部505eは、軸部カバー部5aの内部と連通するようにして形成され、指針光軸方向Y1の前面側に開口する。スリット部505bは、軸部カバー部5aが指針プリズム部材31に装着された状態で、上記中空状部505e内に指針プリズム部材31における本体部31bが収容され、上記開口から当該本体部31bの第1出射面31e、及び、拡散層33を指針光軸方向Y1前面側に露出させる。スリット部505bは、中空状部505e内に本体部31bが収容された状態で、側壁部505dが少なくとも指針プリズム部材31の本体部31bを指針幅方向Z1の両側から挟み込んで覆い、指針プリズム部材31の本体部31bから指針幅方向Z1に沿って漏れる光、言い換えれば、第1出射面31e以外から出射される光を遮光する。
以上で説明した指針501、車両表示装置100は、指針発光体3を回転駆動可能な回転軸106に一体回転可能に支持する指針ステム502を備える。この指針ステム502は、指針発光体3の指針延在方向X1の重量バランスを調整するバランサ4を支持するバランサ支持部21bを備える。バランサ支持部21bは、底部21eと、側壁部21dとを有する。底部21eは、指針延在方向X1に沿って延在し板状に形成される。側壁部21dは、底部21eから指針光軸方向Y1の前面側に突出して延在しかつ指針延在方向X1に沿って延在して枠状に形成される。指針キャップ505は、指針光軸方向Y1の指針ステム502側の端部505hが、バランサ支持部21bの側壁部21dの指針光軸方向Y1の指針キャップ505側の端部21iに当接する。
この構成により、指針501、車両表示装置100は、バランサ支持部21bと指針キャップ505とによりバランサ4を支持して覆い隠すことができる。指針501等は、従来のように指針キャップ505をバランサ支持部21bの側壁部21dに被らせる場合と比較して、指針キャップ505の指針幅方向Z1の幅サイズを小さくすることができ、意匠性を向上させることができる。すなわち、指針501等は、指針キャップ505の側壁部505dの端部505hがバランサ支持部21bの側壁部21dの端部21iに当接するので、指針キャップ505の側壁部505dが指針幅方向Z1に広がることを抑制することができる。この結果、指針501等は、指針キャップ505の指針幅方向Z1の幅サイズを相対的に細くすることが可能となるのでスリムに見せることができ、意匠性を向上させることができる。
次に、光透過性キャップ32の発光例について説明する。光透過性キャップ32は、例えば、図24、図25に示すように、第2出射面32cの全体に鏡面加工が施された鏡面部E1を有している。この構成により、光透過性キャップ32は、拡散層33から入射面32bに入射した光が、第2出射面32cから指針光軸方向Y1に沿って前面側に出射されて発光する。この鏡面部E1の発光により、光透過性キャップ32は、図24に示すように、第2出射面32cの鏡面部E1により輪郭が鮮明な質感で発光することができる。
変形例に係る光透過性キャップ532は、図26、図27に示すように、第2出射面32cに鏡面加工が施された鏡面部E2、及び、シボ加工が施されたシボ部E3を有している。光透過性キャップ532は、第2出射面32cの指針光軸方向Y1の頂上部に鏡面部E2が指針延在方向X1に沿って線状に設けられ、当該線状の鏡面部E2の両側にシボ部E3が指針延在方向X1に沿って線状に設けられる。すなわち、光透過性キャップ532は、指針光軸方向Y1、及び、指針幅方向Z1に沿った断面視(図27参照)にて鏡面部E2が第2出射面32cの中央部に設けられ、シボ部E3が鏡面部E2の両側に設けられる。
この構成により、光透過性キャップ532は、拡散層33から入射面32bに入射した光が、第2出射面32cの鏡面部E2から指針光軸方向Y1に沿って前面側に出射されて発光する。さらに、光透過性キャップ532は、拡散層33から入射面32bに入射した光が、第2出射面32cの各シボ部E3から指針光軸方向Y1に沿って前面側に出射されて発光する。この各シボ部E3の発光により、光透過性キャップ532は、図26に示すように、第2出射面32cの輪郭がぼやけた質感で発光することができ、光透過性キャップ32とは異なる発光による演出で意匠を実現できる。光透過性キャップ532は、さらに、各シボ部E3の発光により、指針発光体3の輝度ムラを緩和することができる。
変形例に係る光透過性キャップ532aは、図28、図29に示すように、第2出射面32cの全体にシボ加工が施されたシボ部E4を有している。この構成により、光透過性キャップ532aは、拡散層33から入射面32bに入射した光が、第2出射面32cのシボ部E4から指針光軸方向Y1に沿って前面側に出射されて発光する。このシボ部E4の発光により、光透過性キャップ532aは、図28に示すように、第2出射面32cの全体がぼやけた質感で発光することができ、光透過性キャップ32、532とは異なる発光による演出で意匠を実現できる。光透過性キャップ532aは、さらに、各シボ部E4の発光により、指針発光体3の輝度ムラを緩和することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両表示装置用指針、及び、車両表示装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る車両表示装置用指針、及び、車両表示装置は、以上で説明した各実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
以上の説明では、指針1、1A、201、201A、301、301A、401、501は、モータ104のロータ軸を構成する回転軸106が光源107からの光を指針発光体3、203、303、403に導光する導光軸として機能するものとして説明したがこれに限らず、回転軸106を介さず他の位置に配置された光源から指針発光体3、203、303、403に光が入射する構成であってもよい。
また、以上の説明では、光透過性キャップ32、232、232A、332、332Aが指針キャップ5、505、指針カバー405の側壁部5d、505d、側壁部405eにおける第1出射面31e、231e、231eAによる光の出射側の端面を覆うように設けられるものとして説明したがこれに限らず、当該端面にかからないような位置関係で設けられてもよい。
[参考例]
なお、車両表示装置用指針を発光させる技術に関する参考例として、図30、図31、図32、図33、図34に示す車両表示装置用指針としての指針601、701がある。以下、図30、図31、図32、図33、図34を参照して当該参考例に係る指針601、701について説明する。
図30、図31、図32に係る指針601は、当該指針601からの間接光によって文字板103を照らすことで、夜間でも当該指針601を認識し易くするように構成されたものである。指針601は、指針発光体602と、回転軸接続部603とを備え、回転軸106を介して導光された光によって指針発光体602が発光する。
指針発光体602は、回転軸106を介して導光された光によって発光する発光部材であり、指針本体を構成する。指針発光体602は、軸部604、及び、本体部605を含んで構成され、これらが樹脂材料によって一体に形成される。
軸部604は、指針光軸方向Y1に沿って柱状に形成される部分であり、回転軸接続部603を介して回転軸106と一体回転可能に接続される。軸部604は、当該回転軸106を介して導光された光が指針光軸方向Y1に沿って入射する入射部として機能する。
本体部605は、軸部604の端部から指針延在方向X1に沿って延在して形成される部分である。本体部605は、軸部604において回転軸106と接続される側の端部と反対側の端部に設けられる。本体部605は、軸部604の端部から指針延在方向X1の両側に突出するように形成される。
そして、本参考例の本体部605は、不透明部605a、及び、透明部605bを含んで構成され、これらが一体に形成される。不透明部605a、及び、透明部605bは、共に指針延在方向X1に沿って延在する。不透明部605aは、直線棒状に形成されると共に、指針光軸方向Y1の背面側の面、すなわち、軸部604側の面に凹状部605cが形成される。凹状部605cは、指針光軸方向Y1の背面側、すなわち、軸部604側に開口すると共に、不透明部605aにおいて指針延在方向X1に沿って一方の端から他方の端まで延在している。不透明部605aは、凹状部605c内において指針光軸方向Y1に対して軸部604と対向する位置に反射突起部605dが形成されると共に、凹状部605cの底部に反射拡散部605eが形成される。反射突起部605dは、指針延在方向X1、及び、指針光軸方向Y1に沿った断面視(図30参照)にて(言い換えれば、指針幅方向Z1に視て)、略扇三角形状に形成される。さらに言えば、反射突起部605dは、当該断面視にて、指針光軸方向Y1の軸部604側が先細りの形状であり、指針光軸方向Y1に沿って軸部604から離間するにしたがって指針延在方向X1に沿った幅が徐々に広くなるような形状に形成される。反射突起部605dは、当該反射突起部605dを形成する面が軸部604に入射した光を指針延在方向X1に反射し拡散させて本体部605の全体に導光する反射導光面として機能する。反射拡散部605eは、凹状部605cの底部における指針光軸方向Y1の背面側の面、すなわち、軸部604側の面、さらに言えば、後述の透明部605bとの境界面に、反射突起部605dからの光を反射し拡散させる複数の微細凹凸部605fが形成される。透明部605bは、凹状部605c内に密実に設けられ、指針延在方向X1に沿って凹状部605cの一方の端から他方の端まで延在している。
そして、指針発光体602は、本体部605の不透明部605aが光を遮光する遮光性の樹脂材料によって形成される一方、軸部604、及び、本体部605の透明部605bが光を透過する光透過性の樹脂材料によって形成され、これらが二色成形によって一体で形成される。
回転軸接続部603は、回転軸106に接続され、当該回転軸106と指針発光体602とを接続するいわゆる袴とも呼ばれる部分である。回転軸接続部603は、内部が中空の円筒状に形成され、指針光軸方向Y1の一方の端部開口に回転軸106が嵌合され、指針光軸方向Y1の他方の端部開口に指針発光体602の軸部604が嵌合されることで、回転軸106と軸部604とを一体回転可能に接続する。
上記のように構成される指針601は、光源107から回転軸106を介して指針発光体602の軸部604に入射した光が本体部605の透明部605b内に導光され、不透明部605aの反射突起部605dによって指針延在方向X1に反射、拡散され指針延在方向X1に沿って透明部605bの全体に導光される。そして、指針601は、透明部605bの全体に導光された光が不透明部605aの反射拡散部605eに形成された複数の微細凹凸部605fで指針光軸方向Y1の背面側、すなわち、文字板103側に反射、拡散され、当該光によって文字板103における指針601近傍の領域を間接的に照らす(図30、図32等参照)。この結果、本参考例に係る指針601は、当該指針601からの間接光によって文字板103における指針601近傍の領域を照らすことができるので、例えば、夜間でも当該指針601の輪郭を浮かび上がらせ当該指針601を認識し易くすることができる。
図33、図34に係る指針701は、当該指針701の外表面近傍が全体的に発光することで、夜間でも当該指針701を認識し易くするように構成されたものである。指針701は、指針発光体702と、回転軸接続部703とを備え、回転軸106を介して導光された光によって指針発光体702が発光する。
指針発光体702は、回転軸106を介して導光された光によって発光する発光部材であり、指針本体を構成する。指針発光体702は、軸部704、及び、本体部705を含んで構成され、これらが樹脂材料によって一体に形成される。
軸部704は、指針光軸方向Y1に沿って柱状に形成される部分であり、回転軸接続部703を介して回転軸106と一体回転可能に接続される。軸部704は、当該回転軸106を介して導光された光が指針光軸方向Y1に沿って入射する入射部として機能する。
本体部705は、軸部704の端部から指針延在方向X1に沿って延在して形成される部分である。本体部705は、軸部704において回転軸106と接続される側の端部と反対側の端部に設けられる。本体部705は、軸部704の端部から指針延在方向X1の両側に突出するように形成される。
そして、本参考例の本体部705は、透明部705a、及び、不透明部705bを含んで構成され、これらが一体に形成される。透明部705a、及び、不透明部705bは、共に指針延在方向X1に沿って延在する。透明部705aは、略円柱棒状に形成され、指針延在方向X1に沿って延在する。不透明部705bは、透明部705aの内部に内蔵される。つまり、透明部705aは、不透明部705bの全周を取り囲むようにして覆う。不透明部705bは、指針光軸方向Y1が板厚方向となる略矩形板状に形成され、指針延在方向X1に沿って透明部705aの一方の端から他方の端まで延在している。不透明部705bは、指針光軸方向Y1に対して軸部704と対向する位置に反射突起部705cが形成されると共に、指針光軸方向Y1の前面側の面、すなわち、軸部704側とは反対側の面に反射拡散部705dが形成される。反射突起部705cは、指針延在方向X1、及び、指針光軸方向Y1に沿った断面視(図33参照)にて(言い換えれば、指針幅方向Z1に視て)、略扇三角形状に形成される。さらに言えば、反射突起部705cは、当該断面視にて、指針光軸方向Y1の軸部704側が先細りの形状であり、指針光軸方向Y1に沿って軸部704から離間するにしたがって指針延在方向X1に沿った幅が徐々に広くなるような形状に形成される。反射突起部705cは、当該反射突起部705cを形成する面が軸部704に入射した光を指針延在方向X1に反射し拡散させて本体部705の全体に導光する反射導光面として機能する。反射拡散部705dは、透明部705aとの境界面であって指針光軸方向Y1の前面側の面に、反射突起部705cからの光を反射し拡散させる複数の微細凹凸部705eが形成される。
そして、指針発光体702は、軸部704、及び、本体部705の透明部705aが光を透過する光透過性の樹脂材料によって形成される一方、本体部705の不透明部705bが光を遮光する遮光性の樹脂材料によって形成され、これらが二色成形によって一体で形成される。
回転軸接続部703は、回転軸106に接続され、当該回転軸106と指針発光体702とを接続するいわゆる袴とも呼ばれる部分である。回転軸接続部703は、内部が中空の円筒状に形成され、指針光軸方向Y1の一方の端部開口に回転軸106が嵌合され、指針光軸方向Y1の他方の端部開口に指針発光体702の軸部704が嵌合されることで、回転軸106と軸部704とを一体回転可能に接続する。
上記のように構成される指針701は、光源107から回転軸106を介して指針発光体702の軸部704に入射した光が本体部705の透明部705a内に導光され、不透明部705bの反射突起部705cによって指針延在方向X1に反射、拡散され指針延在方向X1に沿って透明部705aの全体に導光される。そして、指針701は、透明部705aの全体に導光された光のうちの一部が当該透明部705aの外面から出射されることで透明部705aの全体が発光する。また、指針701は、透明部705aの全体に導光された光のうちの他の一部が透明部705aの外面(界面)で反射し当該透明部705aの内部を伝播して不透明部705bの指針光軸方向Y1の前面側の面に形成された反射拡散部705dに至り、当該反射拡散部705dに形成された複数の微細凹凸部705eで指針光軸方向Y1の前側、すなわち、運転者等の目視位置側に反射、拡散され、他の部位よりも高い輝度で発光する(図33等参照)。この結果、本参考例に係る指針701は、透明部705aの内部を伝播して不透明部705bの反射拡散部705dに至る間接光によって指針発光体702の中心部に位置する不透明部705bの輝度が相対的に高くなるように発光させることができるので、例えば、夜間でも当該指針701を認識し易くすることができる。
なお、上述した参考例に係る指針601、指針701は、さらに、紫外線を照射することで発光する透明蛍光材料を適用してもよい。この場合、指針601は、光源107が紫外線を照射する紫外線LED素子によって構成され、文字板103の表面に透明蛍光材料が塗布されることで、当該指針601からの紫外線光によって文字板103を照らし発光させることができ、当該指針601を認識し易くすることができる。一方、指針701は、光源107が紫外線を照射する紫外線LED素子によって構成され、指針発光体702の軸部704、及び、本体部705の透明部705aが透明蛍光材料によって形成されることで、紫外線光によって透明部705aの全体を発光させ、当該指針701を認識し易くすることができる。