JP6863552B2 - センサチップ、力覚センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、センサチップ、力覚センサ装置に関する。
従来より、金属からなる起歪体に複数の歪ゲージを貼り付け、外力が印加された際の歪みを電気信号に変換することで多軸の力を検出する力覚センサ装置が知られている。しかし、この力覚センサ装置は、歪ゲージを1枚づつ手作業によって貼り付ける必要から、精度や生産性に問題があり、構造上小型化することが困難であった。
一方、歪ゲージを歪み検出用のMEMSのセンサチップに置き換えることで、貼り合わせ精度の問題を解消し、かつ小型化を実現する力覚センサ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4011345号
しかしながら、上記の力覚センサ装置では、センサチップの複数の歪み素子からの出力を演算(信号処理)して6軸出力を得る必要があり、簡易な方法で多軸出力を得ることができなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、簡易な方法で多軸の変位を検知して出力可能なセンサチップを提供することを目的とする。
本センサチップ(110)は、基板と、前記基板に形成された複数の支持部(111a〜111e)と、複数の検出部と、を有し、各々の前記検出部は、両側が支持されて、力が印加される力点(114a〜114d)を含む第1の検知用梁(113a、113d、113g、113j)を含み、複数の前記支持部(111a〜111e)は、前記基板の中央に形成された一の支持部(111e)と、前記一の支持部(111e)の周囲に形成された他の支持部(111a〜111d)と、を含み、複数の前記検出部は、前記一の支持部(111e)の周囲を囲むように設けられていることを要件とする。
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、図示の態様に限定されるものではない。
開示の技術によれば、簡易な方法で多軸の変位を検知して出力可能なセンサチップを提供できる。
第1の実施の形態に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。 第1の実施の形態に係る力覚センサ装置のセンサチップ及び起歪体を例示する斜視図である。 センサチップ10をZ軸方向上側から視た図である。 センサチップ10をZ軸方向下側から視た図である。 各軸にかかる力及びモーメントを示す符号を説明する図である。 センサチップ10のピエゾ抵抗素子の配置を例示する図である。 センサチップ10における電極配置と配線を例示する図である。 センサチップ10の温度センサを例示する拡大平面図である。 起歪体20を例示する斜視図である。 起歪体20を例示する図である。 力覚センサ装置1の製造工程を例示する図(その1)である。 力覚センサ装置1の製造工程を例示する図(その2)である。 力覚センサ装置1の製造工程を例示する図(その3)である。 起歪体に力及びモーメントを印加した際の変形(歪)についてのシミュレーション結果(その1)である。 起歪体に力及びモーメントを印加した際の変形(歪)についてのシミュレーション結果(その2)である。 図14及び図15の力及びモーメントを印加した際にセンサチップ10に発生する応力についてのシミュレーション結果(その1)である。 図14及び図15の力及びモーメントを印加した際にセンサチップ10に発生する応力についてのシミュレーション結果(その2)である。 図14及び図15の力及びモーメントを印加した際にセンサチップ10に発生する応力についてのシミュレーション結果(その3)である。 第1の実施の形態の変形例1に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。 第1の実施の形態の変形例1に係る力覚センサ装置を例示する図である。 センサチップ50をZ軸方向上側から視た図である。 センサチップ50のピエゾ抵抗素子の配置を例示する図である。 第1の実施の形態の変形例3に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。 第1の実施の形態の変形例4に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。 センサチップ110をZ軸方向上側から視た図である。 センサチップ110をZ軸方向下側から視た図である。 センサチップ110のピエゾ抵抗素子の配置を例示する図である。 センサチップ110における耐荷重の改善について説明する図(その1)である。 センサチップ110における耐荷重の改善について説明する図(その2)である。 センサチップ110における耐荷重の改善について説明する図(その3)である。 センサチップ110における耐荷重の改善について説明する図(その4)である。 センサチップ110における感度の向上について説明する図である。 センサチップ110における他軸特性の改善について説明する図(その1)である。 センサチップ110における他軸特性の改善について説明する図(その2)である。 力及びモーメントを印加した際にセンサチップ110に発生する応力についてのシミュレーション結果(その1)である。 力及びモーメントを印加した際にセンサチップ110に発生する応力についてのシミュレーション結果(その2)である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
(力覚センサ装置1の概略構成)
図1は、第1の実施の形態に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係る力覚センサ装置のセンサチップ及び起歪体を例示する斜視図である。図1及び図2を参照するに、力覚センサ装置1は、センサチップ10と、起歪体20と、入出力基板30とを有している。力覚センサ装置1は、例えば、工作機械等に使用されるロボットの腕や指等に搭載される多軸の力覚センサ装置である。
センサチップ10は、起歪体20の上面側に、起歪体20から突出しないように接着されている。又、起歪体20の上面及び側面に、センサチップ10に対して信号の入出力を行う入出力基板30の一端側が接着されている。センサチップ10と入出力基板30の各電極31とは、ボンディングワイヤ等(図示せず)により、電気的に接続されている。入出力基板30の他端側には、力覚センサ装置1と接続される制御装置等との電気的な入出力が可能な端子(図示せず)が配列されている。
なお、本実施の形態では、便宜上、力覚センサ装置1において、起歪体20の入出力基板30が設けられた側を上側又は一方の側、その反対側を下側又は他方の側とする。又、各部位の起歪体20の入出力基板30が設けられた側の面を一方の面又は上面、その反対側の面を他方の面又は下面とする。但し、力覚センサ装置1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、平面視とは対象物をセンサチップ10の上面の法線方向(Z軸方向)から視ることを指し、平面形状とは対象物をセンサチップ10の上面の法線方向(Z軸方向)から視た形状を指すものとする。
(センサチップ10)
図3は、センサチップ10をZ軸方向上側から視た図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は平面図である。図4は、センサチップ10をZ軸方向下側から視た図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は底面図である。図4(b)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。なお、センサチップ10の上面の一辺に平行な方向をX軸方向、垂直な方向をY軸方向、センサチップ10の厚さ方向(センサチップ10の上面の法線方向)をZ軸方向としている。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、互いに直交している。
図3及び図4に示すセンサチップ10は、1チップで最大6軸を検知できるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサチップであり、SOI(Silicon On Insulator)基板等の半導体基板から形成されている。センサチップ10の平面形状は、例えば、3000μm角程度の正方形とすることができる。
センサチップ10は、柱状の5つの支持部11a〜11eを備えている。支持部11a〜11eの平面形状は、例えば、500μm角程度の正方形とすることができる。第1の支持部である支持部11a〜11dは、センサチップ10の四隅に配置されている。第2の支持部である支持部11eは、支持部11a〜11dの中央に配置されている。
支持部11a〜11eは、例えば、SOI基板の活性層、BOX層、及び支持層から形成することができ、それぞれの厚さは、例えば、500μm程度とすることができる。
支持部11aと支持部11bとの間には、支持部11aと支持部11bとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁12aが設けられている。支持部11bと支持部11cとの間には、支持部11bと支持部11cとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁12bが設けられている。
支持部11cと支持部11dとの間には、支持部11cと支持部11dとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁12cが設けられている。支持部11dと支持部11aとの間には、支持部11dと支持部11aとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁12dが設けられている。
言い換えれば、第1の補強用梁である4つの補強用梁12a、12b、12c、及び12dが枠状に形成され、各補強用梁の交点をなす角部が、支持部11b、11c、11d、11aとなる。
支持部11aの内側の角部と、それに対向する支持部11eの角部とは、構造を補強するための補強用梁12eにより連結されている。支持部11bの内側の角部と、それに対向する支持部11eの角部とは、構造を補強するための補強用梁12fにより連結されている。
支持部11cの内側の角部と、それに対向する支持部11eの角部とは、構造を補強するための補強用梁12gにより連結されている。支持部11dの内側の角部と、それに対向する支持部11eの角部とは、構造を補強するための補強用梁12hにより連結されている。第2の補強用梁である補強用梁12e〜12hは、X軸方向(Y軸方向)に対して斜めに配置されている。つまり、補強用梁12e〜12hは、補強用梁12a、12b、12c、及び12dと非平行に配置されている。
補強用梁12a〜12hは、例えば、SOI基板の活性層、BOX層、及び支持層から形成することができる。補強用梁12a〜12hの太さ(短手方向の幅)は、例えば、140μm程度とすることができる。補強用梁12a〜12hのそれぞれの上面は、支持部11a〜11eの上面と略面一である。
これに対して、補強用梁12a〜12hのそれぞれの下面は、支持部11a〜11eの下面及び力点14a〜14dの下面よりも数10μm程度上面側に窪んでいる。これは、センサチップ10を起歪体20に接着したときに、補強用梁12a〜12hの下面が起歪体20の対向する面と接しないようにするためである。
このように、歪を検知するための検知用梁とは別に、検知用梁よりも厚く形成した剛性の強い補強用梁を配置することで、センサチップ10全体の剛性を高めることができる。これにより、入力に対して検知用梁以外が変形しづらくなるため、良好なセンサ特性を得ることができる。
支持部11aと支持部11bとの間の補強用梁12aの内側には、補強用梁12aと所定間隔を空けて平行に、支持部11aと支持部11bとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁13aが設けられている。
検知用梁13aと支持部11eとの間には、検知用梁13a及び支持部11eと所定間隔を空けて検知用梁13aと平行に、検知用梁13bが設けられている。検知用梁13bは、補強用梁12eの支持部11e側の端部と補強用梁12fの支持部11e側の端部とを連結している。
検知用梁13aの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁13bの長手方向の略中央部とは、検知用梁13a及び検知用梁13bと直交するように配置された、歪を検知するための検知用梁13cにより連結されている。
支持部11bと支持部11cとの間の補強用梁12bの内側には、補強用梁12bと所定間隔を空けて平行に、支持部11bと支持部11cとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁13dが設けられている。
検知用梁13dと支持部11eとの間には、検知用梁13d及び支持部11eと所定間隔を空けて検知用梁13dと平行に、検知用梁13eが設けられている。検知用梁13eは、補強用梁12fの支持部11e側の端部と補強用梁12gの支持部11e側の端部とを連結している。
検知用梁13dの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁13eの長手方向の略中央部とは、検知用梁13d及び検知用梁13eと直交するように配置された、歪を検知するための検知用梁13fにより連結されている。
支持部11cと支持部11dとの間の補強用梁12cの内側には、補強用梁12cと所定間隔を空けて平行に、支持部11cと支持部11dとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁13gが設けられている。
検知用梁13gと支持部11eとの間には、検知用梁13g及び支持部11eと所定間隔を空けて検知用梁13gと平行に、検知用梁13hが設けられている。検知用梁13hは、補強用梁12gの支持部11e側の端部と補強用梁12hの支持部11e側の端部とを連結している。
検知用梁13gの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁13hの長手方向の略中央部とは、検知用梁13g及び検知用梁13hと直交するように配置された、歪を検知するための検知用梁13iにより連結されている。
支持部11dと支持部11aとの間の補強用梁12dの内側には、補強用梁12dと所定間隔を空けて平行に、支持部11dと支持部11aとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁13jが設けられている。
検知用梁13jと支持部11eとの間には、検知用梁13j及び支持部11eと所定間隔を空けて検知用梁13jと平行に、検知用梁13kが設けられている。検知用梁13kは、補強用梁12hの支持部11e側の端部と補強用梁12eの支持部11e側の端部とを連結している。
検知用梁13jの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁13kの長手方向の略中央部とは、検知用梁13j及び検知用梁13kと直交するように配置された、歪を検知するための検知用梁13lにより連結されている。
検知用梁13a〜13lは、支持部11a〜11eの厚さ方向の上端側に設けられ、例えば、SOI基板の活性層から形成することができる。検知用梁13a〜13lの太さ(短手方向の幅)は、例えば、75μm程度とすることができる。検知用梁13a〜13lのそれぞれの上面は、支持部11a〜11eの上面と略面一である。検知用梁13a〜13lのそれぞれの厚さは、例えば、50μm程度とすることができる。
検知用梁13aの長手方向の中央部の下面側(検知用梁13aと検知用梁13cとの交点)には、力点14aが設けられている。検知用梁13a、13b、及び13cと力点14aとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁13dの長手方向の中央部の下面側(検知用梁13dと検知用梁13fとの交点)には、力点14bが設けられている。検知用梁13d、13e、及び13fと力点14bとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁13gの長手方向の中央部の下面側(検知用梁13gと検知用梁13iとの交点)には、力点14cが設けられている。検知用梁13g、13h、及び13iと力点14cとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁13jの長手方向の中央部の下面側(検知用梁13jと検知用梁13lとの交点)には、力点14dが設けられている。検知用梁13j、13k、及び13lと力点14dとにより、1組の検知ブロックをなしている。
力点14a〜14dは、外力が印加される箇所であり、例えば、SOI基板のBOX層及び支持層から形成することができる。力点14a〜14dのそれぞれの下面は、支持部11a〜11eの下面と略面一である。
このように、力または変位を4つの力点14a〜14dから取り入れることで、力の種類毎に異なる梁の変形が得られるため、6軸の分離性が良いセンサを実現することができる。
なお、センサチップ10において、応力集中を抑制する観点から、内角を形成する部分はR状とすることが好ましい。
図5は、各軸にかかる力及びモーメントを示す符号を説明する図である。図5に示すように、X軸方向の力をFx、Y軸方向の力をFy、Z軸方向の力をFzとする。又、X軸を軸として回転させるモーメントをMx、Y軸を軸として回転させるモーメントをMy、Z軸を軸として回転させるモーメントをMzとする。
図6は、センサチップ10のピエゾ抵抗素子の配置を例示する図である。4つ力点14a〜14dに対応する各検知ブロックの所定位置には、ピエゾ抵抗素子が配置されている。
具体的には、図3及び図6を参照すると、力点14aに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR3及びMxR4は、検知用梁13aを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁13cを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FyR3及びFyR4は、検知用梁13bを長手方向に二等分する線よりも検知用梁13a側であって、かつ、検知用梁13cを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点14bに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR3及びMyR4は、検知用梁13dを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁13fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FxR3及びFxR4は、検知用梁13eを長手方向に二等分する線よりも検知用梁13d側であって、かつ、検知用梁13fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、MzR3及びMzR4は、検知用梁13fを短手方向に二等分する線よりも検知用梁13e側であって、かつ、検知用梁13fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、FzR3及びFzR4は、検知用梁13fを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁13fを短手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点14cに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR1及びMxR2は、検知用梁13gを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁13iを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FyR1及びFyR2は、検知用梁13hを長手方向に二等分する線よりも検知用梁13g側であって、かつ、検知用梁13iを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点14dに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR1及びMyR2は、検知用梁13jを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁13lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FxR1及びFxR2は、検知用梁13kを長手方向に二等分する線よりも検知用梁13j側であって、かつ、検知用梁13lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、MzR1及びMzR2は、検知用梁13lを短手方向に二等分する線よりも検知用梁13k側であって、かつ、検知用梁13lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、FzR1及びFzR2は、検知用梁13lを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁13lを短手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
ここで、ピエゾ抵抗素子FxR1〜FxR4は力Fxを検出し、ピエゾ抵抗素子FyR1〜FyR4は力Fyを検出し、ピエゾ抵抗素子FzR1〜FzR4は力Fzを検出する。又、ピエゾ抵抗素子MxR1〜MxR4はモーメントMxを検出し、ピエゾ抵抗素子MyR1〜MyR4はモーメントMyを検出し、ピエゾ抵抗素子MzR1〜MzR4はモーメントMzを検出する。
このように、センサチップ10では、各検知ブロックに複数のピエゾ抵抗素子を分けて配置している。これにより、力点14a〜14dに印加(伝達)された力または変位の向き(軸方向)に応じた、所定の梁に配置された複数のピエゾ抵抗素子の出力の変化に基づいて、所定の軸方向の変位を最大で6軸検知することができる。
具体的には、センサチップ10において、Z軸方向の変位(Mx、My、Fz)は、所定の検知用梁の変形に基づいて検知することができる。すなわち、X軸方向及びY軸方向のモーメント(Mx、My)は、第1の検知用梁である検知用梁13a、13d、13g、及び13jの変形に基づいて検知することができる。又、Z軸方向の力(Fz)は、第3の検知用梁である検知用梁13f及び13lの変形に基づいて検知することができる。
又、センサチップ10において、X軸方向及びY軸方向の変位(Fx、Fy、Mz)は、所定の検知用梁の変形に基づいて検知することができる。すなわち、X軸方向及びY軸方向の力(Fx、Fy)は、第2の検知用梁である検知用梁13b、13e、13h、及び13kの変形に基づいて検知することができる。又、Z軸方向のモーメント(Mz)は、第3の検知用梁である検知用梁13f及び13lの変形に基づいて検知することができる。
各検知用梁の厚みと幅を可変することで、検出感度の均一化や、検出感度の向上等の調整を図ることができる。
但し、ピエゾ抵抗素子の数を減らし、5軸以下の所定の軸方向の変位を検知するセンサチップとすることも可能である。
図7は、センサチップ10における電極配置と配線を例示する図であり、センサチップ10をZ軸方向上側から視た平面図である。図7に示すように、センサチップ10は、電気信号を取り出すための複数の電極15を有している。各電極15は、力点14a〜14dに力が印加された際の歪みが最も少ない、センサチップ10の支持部11a〜11dの上面に配置されている。各ピエゾ抵抗素子から電極15までの配線16は、各補強用梁上及び各検知用梁上を適宜引き回すことができる。
このように、各補強用梁は、必要に応じて配線を引き出す際の迂回路としても利用できるため、検知用梁とは別に補強用梁を配置することで、配線設計の自由度を向上することができる。これにより、各ピエゾ抵抗素子を、より理想的な位置に配置することが可能となる。
図8は、センサチップ10の温度センサを例示する拡大平面図である。図7及び図8に示すように、センサチップ10は、歪み検出用に用いるピエゾ抵抗素子に温度補正を行うための温度センサ17を備えている。温度センサ17は、4つのピエゾ抵抗素子TR1、TR2、TR3、及びTR4がブリッジ接続された構成である。
ピエゾ抵抗素子TR1、TR2、TR3、及びTR4のうち、対向する2つは歪み検出用に用いるピエゾ抵抗素子MxR1等と同一特性とされている。又、ピエゾ抵抗素子TR1、TR2、TR3、及びTR4のうち、対向する他の2つは、不純物半導体により不純物濃度を変えることで、ピエゾ抵抗素子MxR1等と異なる特性とされている。これにより、温度変化によりブリッジのバランスが崩れるため、温度検出が可能となる。
なお、歪み検出用に用いるピエゾ抵抗素子(MxR1等)は、全て、センサチップ10を構成する半導体基板(シリコン等)の結晶方位に水平又は垂直に配置されている。これにより、同じ歪みに対して、より大きな抵抗の変化を得ることができ、印加される力及びモーメントの測定精度を向上させることが可能となる。
これに対して、温度センサ17を構成するピエゾ抵抗素子TR1、TR2、TR3、及びTR4は、センサチップ10を構成する半導体基板(シリコン等)の結晶方位に対して45度傾けて配置されている。これにより、応力に対する抵抗変化を低減できるため、温度変化のみを精度よく検知できる。
又、温度センサ17は、力点14a〜14dに力が印加された際の歪みが最も少ない、センサチップ10の支持部11aの上面に配置されている。これにより、応力に対する抵抗変化をいっそう低減できる。
なお、ピエゾ抵抗素子は、本発明にかかる歪検出素子の代表的な一例である。
(起歪体20)
図9は、起歪体20を例示する斜視図である。図10は、起歪体20を例示する図であり、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)のA−A線に沿う断面斜視図である。図10(a)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。
図9及び図10に示すように、起歪体20において、土台21上の四隅には、第1の柱である4本の柱22a〜22dが配置され、隣接する柱同士を連結する第1の梁である4本の梁23a〜23dが枠状に設けられている。又、土台21上の中央には、第2の柱である柱22eが配置されている。柱22eは、センサチップ10を固定するための柱であり、柱22a〜22dよりも太くて短く形成されている。なお、センサチップ10は、柱22a〜22dの上面から突出しないように、柱22e上に固定される。
起歪体20の概略形状は、例えば、縦5000μm程度、横5000μm程度、高さ7000μm程度の直方体状とすることができる。柱22a〜22dの横断面形状は、例えば、1000μm角程度の正方形とすることができる。柱22eの横断面形状は、例えば、2000μm角程度の正方形とすることができる。
梁23a〜23dのそれぞれの上面の長手方向の中央部には、梁23a〜23dの長手方向の中央部から上方に突起する突起部が設けられ、突起部上に、例えば円柱状の入力部24a〜24dが設けられている。入力部24a〜24dは外部から力が印加される部分であり、入力部24a〜24dに力が印加されると、それに応じて梁23a〜23d及び柱22a〜22dが変形する。
なお、柱22eは、印加された力により変形する梁23a〜23dや、印加された力により変形する柱22a〜22dとは分離されているため、入力部24a〜24dに力が印加されても可動することはない(印加された力により変形しない)。
このように、4つの入力部24a〜24dを設けることで、例えば1つの入力部の構造と比較して、梁23a〜23dの耐荷重を向上することができる。
柱22eの上面の四隅には第3の柱である4本の柱25a〜25dが配置され、柱22eの上面の中央部には第4の柱である柱25eが配置されている。柱25a〜25eは、同一の高さに形成されている。
すなわち、柱25a〜25eのそれぞれの上面は、同一平面上に位置している。柱25a〜25eのそれぞれの上面は、センサチップ10の下面と接着される接合部となる。柱25a〜25eは印加された力により変形する梁23a〜23dや、印加された力により変形する柱22a〜22dとは分離されているため、入力部24a〜24dに力が印加されても可動することはない(印加された力により変形しない)。
梁23a〜23dのそれぞれの内側面の長手方向の中央部には、梁23a〜23dのそれぞれの内側面から水平方向内側に突出する梁26a〜26dが設けられている。梁26a〜26dは、梁23a〜23dや柱22a〜22dの変形をセンサチップ10に伝達する第2の梁である。又、梁26a〜26dのそれぞれの上面の先端側には、梁26a〜26dのそれぞれの上面の先端側から上方に突起する突起部27a〜27dが設けられている。
突起部27a〜27dは、同一の高さに形成されている。すなわち、突起部27a〜27dのそれぞれの上面は、同一平面上に位置している。突起部27a〜27dのそれぞれの上面は、センサチップ10の下面と接着される接合部となる。梁26a〜26d及び突起部27a〜27dは、可動部となる梁23a〜23dと連結されているため、入力部24a〜24dに力が印加されると、それに応じて変形する。
なお、入力部24a〜24dに力が印加されていない状態では、柱25a〜25eのそれぞれの上面と、突起部27a〜27dのそれぞれの上面とは、同一平面上に位置している。
起歪体20において、土台21、柱22a〜22e、梁23a〜23d、入力部24a〜24d、柱25a〜25e、梁26a〜26d、及び突起部27a〜27dの各部位は、剛性を確保しかつ精度良く作製する観点から、一体に形成されていることが好ましい。起歪体20の材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の硬質な金属材料を用いることができる。中でも、特に硬質で機械的強度の高いSUS630を用いることが好ましい。
このように、センサチップ10と同様に、起歪体20も柱と梁とを備えた構造とすることで、印加される力によって6軸それぞれで異なる変形を示すため、6軸の分離性が良い変形をセンサチップ10に伝えることができる。
すなわち、起歪体20の入力部24a〜24dに印加された力を、柱22a〜22d、梁23a〜23d、及び梁26a〜26dを介してセンサチップ10に伝達し、センサチップ10で変位を検知する。そして、センサチップ10において、1つの軸につき1個ずつ形成されたブリッジ回路から各軸の出力を得ることができる。
なお、起歪体20において、応力集中を抑制する観点から、内角を形成する部分はR状とすることが好ましい。
(力覚センサ装置1の製造工程)
図11〜図13は、力覚センサ装置1の製造工程を例示する図である。まず、図11(a)に示すように、起歪体20を作製する。起歪体20は、例えば、成形や切削、ワイヤ放電等により一体に形成することができる。起歪体20の材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の硬質な金属材料を用いることができる。中でも、特に硬質で機械的強度の高いSUS630を用いることが好ましい。起歪体20を成形により作製する場合には、例えば、金属粒子とバインダーとなる樹脂とを金型に入れて成形し、その後、焼結して樹脂を蒸発させることで、金属からなる起歪体20を作製できる。
次に、図11(b)に示す工程では、柱25a〜25eの上面、及び突起部27a〜27dの上面に接着剤41を塗布する。接着剤41としては、例えば、エポキシ系の接着剤等を用いることができる。外部から印加される力に対する耐力の点から、接着剤41はヤング率1GPa以上で厚さ20μm以下であることが好ましい。
次に、図12(a)に示す工程では、センサチップ10を作製する。センサチップ10は、例えば、SOI基板を準備し、準備した基板にエッチング加工(例えば、反応性イオンエッチング等)等を施す周知の方法により作製できる。又、電極や配線は、例えば、基板の表面にスパッタ法等により銅等の金属膜を成膜後、金属膜をフォトリソグラフィによってパターニングすることにより作製できる。
次に、図12(b)に示す工程では、センサチップ10の下面が柱25a〜25eの上面、及び突起部27a〜27dの上面に塗布された接着剤41と接するように、センサチップ10を起歪体20内に加圧しながら配置する。そして、接着剤41を所定温度に加熱して硬化させる。これにより、センサチップ10が起歪体20内に固定される。具体的には、センサチップ10の支持部11a〜11dが各々柱25a〜25e上に固定され、支持部11eが柱25e上に固定され、力点14a〜14dが各々突起部27a〜27d上に固定される。
次に、図13(a)に示す工程では、柱22a〜22dの上面に、接着剤42を塗布する。接着剤42としては、例えば、エポキシ系の接着剤等を用いることができる。なお、接着剤42は、入出力基板30を起歪体20上に固定するためのものであり、外部から力が印加されないため、汎用の接着剤を用いることができる。
次に、図13(b)に示す工程では、入出力基板30を準備し、入出力基板30の下面が柱22a〜22dの上面に塗布された接着剤42と接するように、入出力基板30を起歪体20上に配置する。そして、入出力基板30を起歪体20側に加圧しながら接着剤42を所定温度に加熱して硬化させる。これにより、入出力基板30が起歪体20に固定される。
なお、入出力基板30は、センサチップ10及び入力部24a〜24dを露出するように起歪体20に固定される。入出力基板30の各電極31は、入力部24a〜24dに力が印加された際の歪みが最も少ない、起歪体20の柱22a〜22d上に配置することが好ましい。
その後、入出力基板30の起歪体20から水平方向にはみ出した部分(入力端子側を除く)を、起歪体20の側面側に折り曲げる。そして、入出力基板30とセンサチップ10の対応する部分をボンディングワイヤ等(図示せず)により電気的に接続する。これにより、図1に示す力覚センサ装置1が完成する。
このように、力覚センサ装置1は、センサチップ10、起歪体20、及び入出力基板30の3部品のみで作製できるため、組み立てが容易であり、かつ位置合わせ箇所も最低限で済むため、実装起因による精度の劣化を抑制できる。
又、起歪体20において、センサチップ10との接続箇所(柱25a〜25eの上面、及び突起部27a〜27dの上面)は全て同一平面にあるため、起歪体20に対するセンサチップ10の位置合わせが1度で済み、起歪体20にセンサチップ10を実装することが容易である。
(応力のシミュレーション)
図14及び図15は、起歪体20に力及びモーメントを印加した際の変形(歪)についてのシミュレーション結果である。力及びモーメントは、起歪体20の入力部24a〜24d(図9等参照)から印加した。又、図16〜図18は、図14及び図15の力及びモーメントを印加した際にセンサチップ10に発生する応力についてのシミュレーション結果である。図16〜図18において、引張の垂直応力を『+』、圧縮の垂直応力を『−』で示している。
X軸に沿ってX1からX2の方向に力Fxが印加された場合は、起歪体20は図14に示すように変形し、センサチップ10には図16(a)のような応力が発生する。具体的には、力Fxの印加により、検知用梁13k及び13eが力Fxの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子FxR1及びFxR2は、検知用梁13kの長手方向の中心よりもX1側に位置しているため、引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。一方、ピエゾ抵抗素子FxR3及びFxR4は、検知用梁13eの長手方向の中心よりもX2側に位置しているため、圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子FxR1〜FxR4のバランスが崩れるため、図16(a)に示すブリッジ回路から電圧が出力され、力Fxを検出することができる。
なお、検知用梁13d及び13jも力Fxの方向に歪むが、ピエゾ抵抗素子MyR1及びMyR2、並びにピエゾ抵抗素子MyR3及びMyR4の位置では、ほとんど応力が生じないか、或いは同方向の応力が生じる。そのため、ブリッジのバランスが維持され、図18(a)に示すモーメントMyのブリッジ回路からは電圧は出力されない。
Y軸に沿ってY1からY2の方向に力Fyが印加された場合は、センサチップ10には図16(b)のような応力が発生する。具体的には、力Fyの印加により、検知用梁13b及び13hが力Fyの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子FyR3及びFyR4は、検知用梁13bの長手方向の中心よりもY1側に位置しているため、引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。一方、ピエゾ抵抗素子FyR1及びFyR2は、検知用梁13hの長手方向の中心よりもY2側に位置しているため、圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子FyR1〜FyR4のバランスが崩れるため、図16(b)に示すブリッジ回路から電圧が出力され、力Fyを検出することができる。
なお、モーメントMyと同様の理由により、図17(b)に示すモーメントMxのブリッジ回路からは電圧は出力されない。
Z軸に沿ってZ2からZ1の方向に力Fzが印加された場合は、起歪体20は図14に示すように変形し、センサチップ10には図17(a)のような応力が発生する。具体的には、力Fzの印加により、検知用梁13a、13b、13g、13h、13d、13e、13j、13k、13c、13f、13l、及び13iが力Fzの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子FzR1及びFzR4には引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。又、ピエゾ抵抗素子FzR2及びFzR3には圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子FzR1〜FzR4のバランスが崩れるため、図17(a)に示すブリッジ回路により、力Fzを検出することができる。
なお、上記と同様の理由により、図16(a)に示す力Fxのブリッジ回路、図16(b)に示す力Fyのブリッジ回路、図17(b)に示すモーメントMxのブリッジ回路、及び図18(a)に示すモーメントMyのブリッジ回路、図18(b)に示すモーメントMzのブリッジ回路からは電圧は出力されない。
X軸を回転軸としてY2−Z2−Y1の方向にモーメントMxが印加された場合は、センサチップ10には図17(b)のような応力が発生する。具体的には、モーメントMxの印加により、検知用梁13g及び13aがモーメントMxの方向に歪む。そのため、ピエゾ抵抗素子MxR1及びMxR2には引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。又、ピエゾ抵抗素子MxR3及びMxR4には圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子MxR1〜MxR4のバランスが崩れるため、図17(b)に示すブリッジ回路により、モーメントMxを検出することができる。
なお、上記と同様の理由により、図16(b)に示す力Fyのブリッジ回路からは電圧は出力されない。
Y軸を回転軸としてX1−Z2−X2の方向にモーメントMyが印加された場合は、起歪体20は図15に示すように変形し、センサチップ10には図18(a)のような応力が発生する。具体的には、モーメントMyの印加により、検知用梁13j及び13dがモーメントMyの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子MyR1及びMyR2には引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。又、ピエゾ抵抗素子MyR3及びMyR4には圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子MyR1〜MyR4のバランスが崩れるため、図18(a)に示すブリッジ回路により、モーメントMyを検出することができる。
なお、上記と同様の理由により、図16(a)に示す力Fxのブリッジ回路からは電圧は出力されない。
Z軸を回転軸としてX2−Y2−X1の方向にモーメントMzが印加された場合は、起歪体20は図15に示すように変形し、センサチップ10には図18(b)のような応力が発生する。具体的には、モーメントMzの印加により、検知用梁13a、13b、13g、13h、13d、13e、13j、13k、13c、13f、13l、及び13iがモーメントMzの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子MzR1及びMzR4には引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。又、ピエゾ抵抗素子MzR2及びMzR3には圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子MzR1〜MzR4のバランスが崩れるため、図18(b)に示すブリッジ回路により、モーメントMzを検出することができる。
なお、上記と同様の理由により、図16(a)に示す力Fxのブリッジ回路、図16(b)に示す力Fyのブリッジ回路、図17(b)に示すモーメントMxのブリッジ回路、図18(a)に示すモーメントMyのブリッジ回路からは電圧は出力されない。
このように、センサチップ10では、力点に変位(力又はモーメント)が入力されると、入力に応じた曲げ及び捩れの応力が所定の検知用梁に発生する。発生した応力により検知用梁の所定位置に配置されたピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化し、センサチップ10に形成された各ブリッジ回路からの出力電圧を電極15から得ることができる。更に、電極15の出力電圧は、入出力基板30を経由して外部で得ることができる。
又、センサチップ10では、1つの軸につき1個のブリッジ回路が形成されているため、出力の合成を伴わずに各軸の出力を得ることができる。これにより、複雑な計算や信号処理を必要としない簡易な方法で多軸の変位を検知して出力可能となる。
又、ピエゾ抵抗素子を入力の種類により異なる検知用梁に分けて配置している。これにより、該当する検知用梁の剛性(厚みや幅)を変更することで、任意の軸の感度を独立して調整することができる。
なお、本明細書における、『平行』、『垂直』、『直交』、『同一平面』等の文言は、厳密な意味での『平行』、『垂直』、『直交』、『同一平面』等のみでなく、実質的に『平行』、『垂直』、『直交』、『同一平面』等である場合も含むものとする。すなわち、本実施の形態の作用及び効果が得られる範囲でバラツキがある態様も含むものとする。
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、受力板を備えた力覚センサ装置の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図19は、第1の実施の形態の変形例1に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。図20は、第1の実施の形態の変形例1に係る力覚センサ装置を例示する図であり、図20(a)は平面図、図20(b)は図20(a)のB−B線に沿う断面図である。図19及び図20を参照するに、力覚センサ装置1Aは、起歪体20の入力部24a〜24d上に受力板40を設けた点が力覚センサ装置1と相違する。
受力板40の下面側には4つ凹部40xが設けられている。又、受力板40の上面側の、各々の凹部40xと平面視で略重複する位置に、4つの凹部40yが設けられている。4つの凹部40xは各々起歪体20の入力部24a〜24dを覆うように配置され、各々の凹部40xの底面は入力部24a〜24dの上面と接している。
このような構造により、受力板40と起歪体20とを位置決めすることができる。又、凹部40yは、力覚センサ装置1Aをロボット等に取り付ける際の位置決めに用いることができる。
受力板40の材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)630等を用いることができる。受力板40は、例えば、起歪体20に溶接、接着、ねじ止め等により固定することができる。
このように、受力板40を設けることで、受力板40を介して起歪体20の入力部24a〜24dに外部から力を入力することができる。
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態の変形例2では、第1の実施の形態とは異なるセンサチップの例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図21は、センサチップ50をZ軸方向上側から視た図であり、図21(a)は平面図、図21(b)は底面図である。図21(b)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。
図21に示すセンサチップ50は、センサチップ10と同様に、1チップで最大6軸を検知できるMEMSセンサチップであり、SOI基板等から作製することができる。センサチップ50の平面形状は、例えば、3000μm角程度の正方形とすることができる。力覚センサ装置1において、センサチップ10に代えて、センサチップ50を用いることができる。
センサチップ50は、柱状の5つの支持部51a〜51eを備えている。支持部51a〜51eの平面形状は、例えば、500μm角程度の正方形とすることができる。第1の支持部である支持部51a〜51dは、センサチップ50の四隅に配置されている。第2の支持部である支持部51eは、支持部51a〜51dの中央に配置されている。
支持部51a〜51eは、例えば、SOI基板の活性層、BOX層、及び支持層から形成することができ、それぞれの厚さは、例えば、500μm程度とすることができる。
支持部51aと支持部51bとの間には、支持部51aと支持部51bとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁52aが設けられている。支持部51bと支持部51cとの間には、支持部51bと支持部51cとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁52bが設けられている。
支持部51cと支持部51dとの間には、支持部51cと支持部51dとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁52cが設けられている。支持部51dと支持部51aとの間には、支持部51dと支持部51aとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁52dが設けられている。
言い換えれば、第1の補強用梁である4つの補強用梁52a、52b、52c、及び52dが枠状に形成され、各補強用梁の交点をなす角部が、支持部51b、51c、51d、51aとなる。
補強用梁52a〜52dは、例えば、SOI基板の活性層、BOX層、及び支持層から形成することができる。補強用梁52a〜52dの太さ(短手方向の幅)は、例えば、30μm程度とすることができる。補強用梁52a〜52dのそれぞれの上面は、支持部51a〜51eの上面と略面一である。
これに対して、補強用梁52a〜52dのそれぞれの下面は、支持部51a〜51eの下面及び力点54a〜54dの下面よりも数10μm程度上面側に窪んでいる。これは、センサチップ50を起歪体20に接着したときに、補強用梁52a〜52dの下面が起歪体20の対向する面と接しないようにするためである。
このように、歪を検知するための検知用梁とは別に、検知用梁よりも厚く形成した剛性の強い補強用梁を配置することで、センサチップ50全体の剛性を高めることができる。これにより、入力に対して検知用梁以外が変形しづらくなるため、良好なセンサ特性を得ることができる。
支持部51aと支持部51bとの間の補強用梁52aの内側には、補強用梁52aと所定間隔を空けて平行に、支持部51aと支持部51bとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁53aが設けられている。
検知用梁53aと支持部51eとの間には、検知用梁53a及び支持部51eと所定間隔を空けて、長手方向が検知用梁53aと平行な枠状の検知用梁53bが設けられている。検知用梁53bは、検知用梁53aの長手方向の略中央部と、それに対向する支持部51eの1辺の略中央部との間を連結する、検知用梁53aの長手方向に対して略垂直方向に伸びる検知用梁53cの長手方向の略中央部に保持されている。
支持部51bと支持部51cとの間の補強用梁52bの内側には、補強用梁52bと所定間隔を空けて平行に、支持部51bと支持部51cとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁53dが設けられている。
検知用梁53dと支持部51eとの間には、検知用梁53d及び支持部51eと所定間隔を空けて、長手方向が検知用梁53dと平行な枠状の検知用梁53eが設けられている。検知用梁53eは、検知用梁53dの長手方向の略中央部と、それに対向する支持部51eの1辺の略中央部との間を連結する、検知用梁53dの長手方向に対して略垂直方向に伸びる検知用梁53fの長手方向の略中央部に保持されている。
支持部51cと支持部51dとの間の補強用梁52cの内側には、補強用梁52cと所定間隔を空けて平行に、支持部51cと支持部51dとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁53gが設けられている。
検知用梁53gと支持部51eとの間には、検知用梁53g及び支持部51eと所定間隔を空けて、長手方向が検知用梁53gと平行な枠状の検知用梁53hが設けられている。検知用梁53hは、検知用梁53gの長手方向の略中央部と、それに対向する支持部51eの1辺の略中央部との間を連結する、検知用梁53gの長手方向に対して略垂直方向に伸びる検知用梁53iの長手方向の略中央部に保持されている。
支持部51dと支持部51aとの間の補強用梁52dの内側には、補強用梁52dと所定間隔を空けて平行に、支持部51dと支持部51aとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁53jが設けられている。
検知用梁53jと支持部51eとの間には、検知用梁53j及び支持部51eと所定間隔を空けて、長手方向が検知用梁53jと平行な枠状の検知用梁53kが設けられている。検知用梁53kは、検知用梁53jの長手方向の略中央部と、それに対向する支持部51eの1辺の略中央部との間を連結する、検知用梁53jの長手方向に対して略垂直方向に伸びる検知用梁53lの長手方向の略中央部に保持されている。
検知用梁53a〜53lは、支持部51a〜51eの厚さ方向の上端側に設けられ、例えば、SOI基板の活性層から形成することができる。検知用梁53a〜53lの太さ(短手方向の幅)は、例えば、150μm程度とすることができる。検知用梁53a〜53lのそれぞれの上面は、支持部51a〜51eの上面と略面一である。検知用梁53a〜53lのそれぞれの厚さは、例えば、50μm程度とすることができる。
検知用梁53aの長手方向の中央部の下面側(検知用梁53aと検知用梁53cとの交点)には、力点54aが設けられている。検知用梁53a、53b、及び53cと力点54aとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁53dの長手方向の中央部の下面側(検知用梁53dと検知用梁53fとの交点)には、力点54bが設けられている。検知用梁53d、53e、及び53fと力点54bとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁53gの長手方向の中央部の下面側(検知用梁53gと検知用梁53iとの交点)には、力点54cが設けられている。検知用梁53g、53h、及び53iと力点54cとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁53jの長手方向の中央部の下面側(検知用梁53jと検知用梁53lとの交点)には、力点54dが設けられている。検知用梁53j、53k、及び53lと力点54dとにより、1組の検知ブロックをなしている。
力点54a〜54dは、外力が印加される箇所であり、例えば、SOI基板のBOX層及び支持層から形成することができる。力点54a〜54dのそれぞれの下面は、支持部51a〜51eの下面と略面一である。
このように、力を4つの力点54a〜54dから取り入れることで、力の種類毎に異なる梁の変形が得られるため、6軸の分離性が良いセンサを実現することができる。
図22は、センサチップ50のピエゾ抵抗素子の配置を例示する図である。4つ力点54a〜54dに対応する各検知ブロックの所定位置には、ピエゾ抵抗素子配置されている。
具体的には、図21及び図22を参照すると、力点54aに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR3及びMxR4は、検知用梁53aを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁53cを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FyR3及びFyR4は、枠状の検知用梁53bの開口部よりも検知用梁53a側であって、かつ、検知用梁53cを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点54bに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR3及びMyR4は、検知用梁53dを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁53fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FxR3及びFxR4は、枠状の検知用梁53eの開口部よりも検知用梁53d側であって、かつ、検知用梁53fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、MzR3及びMzR4は、検知用梁53eよりも支持部51e側であって、かつ、検知用梁53fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、FzR3及びFzR4は、検知用梁53fを長手方向に二等分する線上であって、かつ、枠状の検知用梁53eの開口部を長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点54cに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR1及びMxR2は、検知用梁53gを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁53iを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FyR1及びFyR2は、枠状の検知用梁53hの開口部よりも検知用梁53g側であって、かつ、検知用梁53iを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点54dに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR1及びMyR2は、検知用梁53jを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁53lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FxR1及びFxR2は、枠状の検知用梁13kの開口部よりも検知用梁53j側であって、かつ、検知用梁53lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、MzR1及びMzR2は、検知用梁53kよりも支持部51e側であって、かつ、検知用梁53lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、FzR1及びFzR2は、検知用梁53lを長手方向に二等分する線上であって、かつ、枠状の検知用梁53kの開口部を長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
このように、センサチップ50では、センサチップ10と同様に、各検知ブロックに複数のピエゾ抵抗素子を分けて配置している。これにより、センサチップ10と同様に、力点54a〜54dに印加(伝達)された力の向き(軸方向)に応じた、所定の梁に配置された複数のピエゾ抵抗素子の出力の変化に基づいて、所定の軸方向の変位を最大で6軸検知することができる。
〈第1の実施の形態の変形例3〉
第1の実施の形態の変形例3では、起歪体を用いない力覚センサ装置の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例3において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図23は、第1の実施の形態の変形例3に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。図23を参照するに、力覚センサ装置1Bは、センサチップ10と、受力板60と、パッケージ70とを有している。センサチップ10上に受力板60が接合され、センサチップ10はパッケージ70内に保持されている。受力板60は、例えば、ガラスにより形成することができる。パッケージ70は、例えば、セラミックスにより形成することができる。
受力板60は、略円形状の本体61と、本体61の下面側に設けられた4つの突起部61a、61b、61c、及び61dとを有している。突起部61aは、検知用梁13aの上面の、力点14aに対応する領域と接している。突起部61bは、検知用梁13jの上面の、力点14dに対応する領域と接している。突起部61cは、検知用梁13gの上面の、力点14cに対応する領域と接している。突起部61dは、検知用梁13dの上面の、力点14bに対応する領域と接している。
力覚センサ装置1Bでは、図23のような構成とすることで、起歪体を用いずに、受力板60を介してセンサチップ10に外力を印加することができる。
なお、力覚センサ装置1Bは、センサチップ10の完成後に受力板60を接合する製造プロセスとしてもよいし、以下のような製造プロセスとしてもよい。すなわち、センサチップ10が形成されたダイシング前のセンサチップウェハに対して、受力板60となるガラスウェハ(センサチップウェハと同サイズ)を陽極接合する。そして、陽極接合されたセンサチップウェハとガラスウェハを同時にダイシングすることで、センサチップ10と受力板60を同時に形成することができる。
〈第1の実施の形態の変形例4〉
第1の実施の形態の変形例4では、起歪体を用いない力覚センサ装置の他の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例4において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図24は、第1の実施の形態の変形例4に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。図24を参照するに、力覚センサ装置1Cは、センサチップ10と、柱構造部80とを有している。センサチップ10は柱構造部80上に接着されている。柱構造部80は、例えば、シリコン、ガラス、金属等により形成することができる。
柱構造部80は、土台81と、土台81上に略等間隔で配置された9本の柱82a〜82iとを有している。柱82a、82c、82e、及び82gは、土台81の四隅に配置されている。柱82iは、土台81の中央に配置されている。柱82bは、柱82aと柱82cとの間に配置されている。柱82dは、柱82cと柱82eとの間に配置されている。柱82fは、柱82eと柱82gとの間に配置されている。柱82hは、柱82gと柱82aとの間に配置されている。
力覚センサ装置1Cでは、図24のような構成とすることで、起歪体を用いずに、センサチップ10に直接外力を印加することができる。なお、力覚センサ装置1Bと同様に、センサチップ10上に受力板60を設けてもよい。
なお、力覚センサ装置1Cは、センサチップ10の完成後に柱構造部80を接合する製造プロセスとしてもよいし、以下のような製造プロセスとしてもよい。すなわち、センサチップ10が形成されたダイシング前のセンサチップウェハに対して、柱構造部80となるガラスウェハ又はシリコンウェハ(センサチップウェハと同サイズ)を陽極接合する。そして、陽極接合されたセンサチップウェハとガラスウェハ又はシリコンウェハを同時にダイシングすることで、センサチップ10と柱構造部80を同時に形成することができる。
又、力覚センサ装置は、図23に示す受力板60と図24に示す柱構造部80の両方を備える構成としてもよい。この場合、例えば、センサチップ10が形成されるセンサチップウェハの一方の面側に受力板60となるガラスウェハを陽極接合し、他方の面側に柱構造部80となるガラスウェハ又はシリコンウェハを陽極接合する。そして、陽極接合後に、受力板60や柱構造部80となるガラスウェハ又はシリコンウェハでセンサチップウェハを挟み込んだ状態でダイシングすることで、受力板60、センサチップ10、柱構造部80を同時に形成することができる。
〈第1の実施の形態の変形例5〉
第1の実施の形態の変形例5では、第1の実施の形態とは異なるセンサチップの他の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例5において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図25は、センサチップ110をZ軸方向上側から視た図であり、図25(a)は斜視図、図25(b)は平面図である。図26は、センサチップ110をZ軸方向下側から視た図であり、図26(a)は斜視図、図26(b)は底面図である。図26(b)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。
図25及び図26に示すセンサチップ110は、センサチップ10と同様に、1チップで最大6軸を検知できるMEMSセンサチップであり、SOI基板等の半導体基板から形成されている。センサチップ110の平面形状は、例えば、3000μm角程度の正方形とすることができる。
センサチップ110の基本的な梁構造は、センサチップ10と同様である。センサチップ110の支持部111a〜111eは、センサチップ10の支持部11a〜11eに相当する。
同様に、センサチップ110の補強用梁112a〜112hは、センサチップ10の補強用梁12a〜12hに相当する。同様に、センサチップ110の検知用梁113a〜113lは、センサチップ10の検知用梁13a〜13lに相当する。同様に、センサチップ110の力点114a〜114dは、センサチップ10の力点14a〜14dに相当する。
センサチップ110では、第1の検知用梁(検知用梁113a、113d、113g、及び113j)、並びに、第2の検知用梁(検知用梁113b、113e、113h、及び113k)の幅は、第3の検知用梁(検知用梁113c、113f、113i、及び113l)の幅よりも狭くなっている。
又、第1の検知用梁(検知用梁113a、113d、113g、及び113j)、並びに、第2の検知用梁(検知用梁113b、113e、113h、及び113k)の長さは、第3の検知用梁(検知用梁113c、113f、113i、及び113l)の長さよりも長くなっている。
又、図25を図3と比較すると、センサチップ110とセンサチップ10では、検知用梁の幅や長さが異なっていることがわかる。例えば、検知用梁113aは、検知用梁13aと比べて幅が狭くなり(0.67倍程度)、長さが長くなっている(1.36倍程度)。同様に、検知用梁113d、113g、及び113jは、検知用梁13d、13g、及び13jと比べて幅が狭くなり(0.67倍程度)、長さが長くなっている(1.36倍程度)。
又、検知用梁113bは、検知用梁13bと比べて最細部の幅が狭くなり(0.47倍程度)、長さが長くなっている(2.9倍程度)。同様に、検知用梁113e、113h、及び113kは、検知用梁13e、13h、及び13kと比べて最細部の幅が狭くなり(0.47倍程度)、長さが長くなっている(2.9倍程度)。但し、検知用梁113b、113e、113h、及び113kにおいて、他の梁との接続部分は、強度を維持するために最細部よりも太めに形成されている。
又、検知用梁113cは、検知用梁13cと比べて長さが短くなっている(0.5倍程度)。検知用梁113cは、検知用梁13cと比べて平均的な幅は同程度であるが、支持部111e側に向かって徐々に縮幅する部分を有する点で相違する。同様に、検知用梁113f、113i、及び113lは、検知用梁13f、13i、及び13lと比べて長さが短くなっている(0.5倍程度)。検知用梁13f、13i、及び13lは、検知用梁13cと比べて平均的な幅は同程度であるが、支持部111e側に向かって徐々に縮幅する部分を有する点で相違する。
又、検知用梁113c、113f、113i、及び113lを短くして、検知用梁113b、113e、113h、及び113kを検知用梁113a、113d、113g、及び113jに近つけたことにより、支持部111eの面積が支持部11eの面積よりも大きくなっている。
以上の相違点により、同じ歪(変位)が入力されたときに、検知用梁113a、113d、113g、及び113jは検知用梁13a、13d、13g、及び13jよりも梁に発生する応力を減少させ、検知用梁113b、113e、113h、及び113kは検知用梁13b、13e、13h、及び13kよりも梁に発生する応力を減少させることが可能となる。
これにより、大きな歪(変位)が入力されたときに、検知用梁113a、113d、113g、及び113jの耐荷重を検知用梁13a、13d、13g、及び13jの耐荷重よりも大きくすることができる。又、検知用梁113b、113e、113h、及び113kの耐荷重を検知用梁13b、13e、13h、及び13kの耐荷重よりも大きくすることができる。
特に、検知用梁113c、113f、113i、及び113lを短くして、検知用梁113b、113e、113h、及び113kを検知用梁113a、113d、113g、及び113jに近つけた効果が大きい。これにより、検知用梁113b、113e、113h、及び113kを検知用梁13b、13e、13h、及び13kと比べて大幅に細く長くできたため、弓なりに撓みやすくなって応力集中を緩和でき、検知用梁113b、113e、113h、及び113kの耐荷重を大幅に向上することができる。
図27は、センサチップ110のピエゾ抵抗素子の配置を例示する図である。図25及び図27を参照すると、力点14aに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR3及びMxR4は、検知用梁113aを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113aの検知用梁113cに近い領域において検知用梁113cを長手方向(Y方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FyR3及びFyR4は、検知用梁113aを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112a側であって、かつ、検知用梁113aの検知用梁113cから遠い領域において検知用梁113cを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点14bに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR3及びMyR4は、検知用梁113dを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113dの検知用梁113fに近い領域において検知用梁113fを長手方向(X方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FxR3及びFxR4は、検知用梁113dを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112b側であって、かつ、検知用梁113dの検知用梁113fから遠い領域において検知用梁113fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、ピエゾ抵抗素子MzR3及びMzR4は、検知用梁113dを長手方向に二等分する線よりも検知用梁113f側であって、かつ、検知用梁113dの検知用梁113fに近い領域において検知用梁113fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FzR2及びFzR3は、検知用梁113eを長手方向に二等分する線よりも支持部111e側であって、かつ、検知用梁113eの検知用梁113fに近い領域において検知用梁113fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点14cに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR1及びMxR2は、検知用梁113gを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113gの検知用梁113iに近い領域において検知用梁113iを長手方向(Y方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FyR1及びFyR2は、検知用梁113gを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112c側であって、かつ、検知用梁113gの検知用梁113iから遠い領域において検知用梁113iを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、力点14dに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR1及びMyR2は、検知用梁113jを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113jの検知用梁113lに近い領域において検知用梁113lを長手方向(X方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。又、ピエゾ抵抗素子FxR1及びFxR2は、検知用梁113jを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112d側であって、かつ、検知用梁113jの検知用梁113lから遠い領域において検知用梁113lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
又、ピエゾ抵抗素子MzR1及びMzR2は、検知用梁113jを長手方向に二等分する線よりも検知用梁113k側であって、かつ、検知用梁113jの検知用梁113lに近い領域において検知用梁113lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FzR1及びFzR4は、検知用梁113kを長手方向に二等分する線よりも支持部111e側であって、かつ、検知用梁113kの検知用梁113lから遠い領域において検知用梁113lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
このように、センサチップ110では、センサチップ10と同様に、各検知ブロックに複数のピエゾ抵抗素子を分けて配置している。これにより、センサチップ10と同様に、力点114a〜114dに印加(伝達)された力の向き(軸方向)に応じた、所定の梁に配置された複数のピエゾ抵抗素子の抵抗の変化に基づいて、所定の軸方向の変位を最大で6軸検知することができる。
なお、センサチップ110では、歪の検出に用いるピエゾ抵抗素子以外にも、ダミーのピエゾ抵抗素子が配置されている。ダミーのピエゾ抵抗素子は、歪の検出に用いるピエゾ抵抗素子も含めた全てのピエゾ抵抗素子が、支持部111eの中心に対して点対称となるように配置されている。
図28〜図31は、センサチップ110における耐荷重の改善について説明する図である。図28(a)は、センサチップ10においてX軸方向の力Fxを印加したときの応力発生分布のシミュレーション結果であり、右図は左図の破線部を拡大したものである。図28(b)は、センサチップ110においてX軸方向の力Fxを印加したときの応力発生分布のシミュレーション結果であり、右図は左図の破線部を拡大したものである。
図28(a)に示すように、センサチップ10では、短くて撓みにくい検知用梁13kが応力集中部となっている。図28(b)に示すように、センサチップ110では、検知用梁113kを検知用梁13kと比べて細く長くしている。合わせて、検知用梁113jを検知用梁13jと比べて細く長くしている。
以上は、検知用梁113kと検知用梁13k及び検知用梁113jと検知用梁13jについて説明したが、検知用梁113aと検知用梁13a及び検知用梁113bと検知用梁13b、検知用梁113dと検知用梁13d及び検知用梁113eと検知用梁13e、検知用梁113gと検知用梁13g及び検知用梁113hと検知用梁13hについても同様である。
図29に示す検知用梁113jの長さLと検知用梁113kの長さLとの比(検知用梁113a、113d、113gの長さと検知用梁113b、113e、113hの長さとの比も同様)、及び検知用梁113kの平均幅Wと検知用梁113jの平均幅Wとの比(検知用梁113b、113e、113hの平均幅と検知用梁113a、113d、113gの平均幅との比も同様)を調整することで、検知用梁に発生する最大応力をセンサチップ10と同等以下にすることができる。
図30(a)は、センサチップ10において図28(a)に示す応力集中部に発生する最大応力を100としたときの、センサチップ110の応力集中部に発生する最大応力を、L/Lをパラメータとしてシミュレーションした結果である。図30(a)において、横軸がL/L、縦軸が応力である。図30(b)は、図30(a)においてL/Lが0.36以上0.82以下のプロットについて、W/WとL/Lとの関係を示したものである。図30(b)において、横軸がW/W、縦軸がL/Lである。
図30(a)及び図30(b)に示すように、L/Lを0.36以上0.82以下とし、W/Wを5.3以上37.7以下とすることで、センサチップ110において、検知用梁に発生する最大応力をセンサチップ10と同等以下にすることができる。
このように、センサチップ110において、W/WとL/Lとの関係を選択して剛性を下げることで、検知用梁に発生する最大応力を低減することが可能となり、センサチップ110の耐荷重をセンサチップ10よりも向上できる。W/WとL/Lとの関係を選択することで、例えば、図31に示すように、センサチップ110では、センサチップ10と比べて耐荷重を大幅に向上することができる(図31の例では約11倍)。
図32は、センサチップ110における感度の向上について説明する図である。図32(a)及び図32(b)に示すように、センサチップ110では、センサチップ10とは異なり、短くしたことで応力に対する変形が小さくなった検知用梁113l(破線部)にはピエゾ抵抗素子を配置せず、検知用梁113j及び113kの応力が最大になる位置の近傍にピエゾ抵抗素子を配置している。検知用梁113c、113f、及び113iについても同様である。
その結果、図32(c)のシミュレーション結果に示すように、センサチップ110では、センサチップ10よりも効率よく応力を取り込むことが可能となり、感度(同じ応力に対するピエゾ抵抗素子の抵抗変化)が向上する。
すなわち、センサチップ110では、短くしたことで応力に対する変形が小さくなった検知用梁113c、113f、113i、及び113lにはピエゾ抵抗素子を配置していない。その代り、検知用梁113c、113f、113i、及び113lよりも細くて長く、弓なりに撓みやすい検知用梁113a、113d、113g、及び113j、並びに検知用梁113b、113e、113h、及び113kの応力が最大になる位置の近傍にピエゾ抵抗素子を配置している。その結果、センサチップ110では、効率よく応力を取り込むことが可能となり、感度(同じ応力に対するピエゾ抵抗素子の抵抗変化)を向上することができる。
なお、図29に示す検知用梁113j(検知用梁113a、113d、113gについても同様)のB側の梁幅をA側の梁幅の75〜80%の幅に設定し、A側からB側に向けて先細る形状とすることで、センサ感度を向上させつつ、耐荷重を維持することができる。B側の梁幅がA側の梁幅の75%以下になると、耐荷重が悪化し破損しやすくなる。又、B側の梁幅がA側の梁幅の80%以上になるとセンサ感度が悪くなる。
図33及び図34は、センサチップ110における他軸干渉(力とモーメントとの分離性)の改善について説明する図である。図33に示すようにセンサチップ110においてX軸方向の力Fxを印加したシミュレーションを行った結果、図34(a)に示すような他軸特性が得られた。図34(b)はセンサチップ10においてX軸方向の力Fxを印加したシミュレーションを行った結果得られた他軸特性である。
図34(a)と図34(b)とを比較すると、図34(b)に示すセンサチップ10では力Fxを印加したときにモーメントMyの成分が出現しているが、図34(a)に示すセンサチップ110では力Fxを印加したときには、モーメントMyの成分を含めた他軸成分は略ゼロとなっている。
図34(b)でモーメントMyの成分が出現している理由は、センサチップ10の検知用梁13b、13e、13h、及び13kが太く短いため横方向に変形し難い分、検知用梁13a、13d、13g、及び13jが上下方向に変形したためと考えられる。
これに対して、センサチップ110の検知用梁113b、113e、113h、及び113kはセンサチップ10の検知用梁13b、13e、13h、及び13kより細く長いため、厚みに対して横方向(Fx、Fy)や捻じれ方向(Mx、My)の変形が容易となり、検知用梁113a、113d、113g、及び113jが上下方向に変形しなくなる。その結果、図34(a)に示すように、モーメントMyの成分が出現しなくなり、並進方向の力とモーメントとの分離性(すなわち、他軸特性)が向上したものと考えられる。
(応力のシミュレーション)
図35及び図36は、力及びモーメントを印加した際にセンサチップ110に発生する応力についてのシミュレーション結果である。図35及び図36において、引張の垂直応力を『+』、圧縮の垂直応力を『−』で示している。
X軸に沿ってX1からX2の方向に力Fxが印加された場合は、センサチップ110には図35(a)のような応力が発生する。具体的には、力Fxの印加により、検知用梁113d及び113jが力Fxの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子FxR1及びFxR2は、検知用梁113dの長手方向の中心よりもX1側に位置しているため、引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。一方、ピエゾ抵抗素子FxR3及びFxR4は、検知用梁113jの長手方向の中心よりもX2側に位置しているため、圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子FxR1〜FxR4のバランスが崩れるため、図35(a)に示すブリッジ回路から電圧が出力され、力Fxを検出することができる。力Fyについても同様である。
Z軸に沿ってZ2からZ1の方向(センサチップ110の表面側から裏面側)に力Fzが印加された場合は、センサチップ110には図35(b)のような応力が発生する。具体的には、力Fzの印加により、検知用梁113a、113b、113g、113h、113d、113e、113j、113k、113c、113f、113l、及び113iが力Fzの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子FzR1及びFzR4には引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。又、ピエゾ抵抗素子FzR2及びFzR3には圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子FzR1〜FzR4のバランスが崩れるため、図35(b)に示すブリッジ回路により、力Fzを検出することができる。
Y軸を回転軸としてX1−Z2−X2の方向にモーメントMyが印加された場合は、センサチップ110には図36(a)のような応力が発生する。具体的には、モーメントMyの印加により、検知用梁113d及び113jがモーメントMyの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子MyR1及びMyR2には引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。又、ピエゾ抵抗素子MyR3及びMyR4には圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子MyR1〜MyR4のバランスが崩れるため、図36(a)に示すブリッジ回路により、モーメントMyを検出することができる。
Z軸を回転軸としてX2−Y2−X1の方向にモーメントMzが印加された場合は、センサチップ110には図36(b)のような応力が発生する。具体的には、モーメントMzの印加により、検知用梁113a、113b、113g、113h、113d、113e、113j、113k、113c、113f、113l、及び113iがモーメントMzの方向に歪む。
ここで、ピエゾ抵抗素子MzR1及びMzR4には引張の垂直応力が発生して抵抗値が増加する。又、ピエゾ抵抗素子MzR2及びMzR3には圧縮の垂直応力が発生して抵抗値が減少する。これにより、ピエゾ抵抗素子MzR1〜MzR4のバランスが崩れるため、図36(b)に示すブリッジ回路により、モーメントMzを検出することができる。
このように、センサチップ110では、力点に変位(力又はモーメント)が入力されると、入力に応じた曲げ及び捩れの応力が所定の検知用梁に発生する。発生した応力により検知用梁の所定位置に配置されたピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化し、センサチップ110に形成された各ブリッジ回路からの出力電圧を電極15から得ることができる。更に、電極15の出力電圧は、入出力基板30を経由して外部で得ることができる。
又、センサチップ110では、1つの軸につき1個のブリッジ回路が形成されているため、出力の合成を伴わずに各軸の出力を得ることができる。これにより、複雑な計算や信号処理を必要としない簡易な方法で多軸の変位を検知して出力可能となる。
又、ピエゾ抵抗素子を入力の種類により異なる検知用梁に分けて配置している。これにより、該当する検知用梁の剛性(厚みや幅)を変更することで、任意の軸の感度を独立して調整することができる。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
1、1A、1B、1C 力覚センサ装置
10、50、110 センサチップ
11a〜11e、51a〜51e、111a〜111e 支持部
12a〜12h、52a〜52d、112a〜112h 補強用梁
13a〜13l、53a〜53l、113a〜113l 検知用梁
14a〜14d、54a〜54d、114a〜114d 力点
15 電極
16 配線
17 温度センサ
20 起歪体
21、81 土台
22a〜22e、25a〜25d、82a〜82i 柱
23a〜23d、26a〜26d 梁
24a〜24d 入力部
27a〜27d、61a〜61d 突起部
30 入出力基板
40、60 受力板
40x、40y 凹部
41、42 接着剤
70 パッケージ
80 柱構造部

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板に形成された複数の支持部と、
    複数の検出部と、を有し、
    各々の前記検出部は、
    両側が支持されて、力が印加される力点を含む第1の検知用梁を含み、
    複数の前記支持部は、
    前記基板の中央に形成された一の支持部と、
    前記一の支持部の周囲に形成された他の支持部と、を含み、
    複数の前記検出部は、前記一の支持部の周囲を囲むように設けられているセンサチップ。
  2. 前記一の支持部と前記他の支持部とが補強用梁により連結されている請求項1に記載のセンサチップ。
  3. 各々の前記検出部は、
    隣接する前記補強用梁同士を連結する第2の検知用梁を含み、
    前記第1の検知用梁と前記第2の検知用梁とが連結されている請求項2に記載のセンサチップ。
  4. 前記力点は、前記第1の検知用梁の中央部に設けられている請求項1乃至3の何れか一項に記載のセンサチップ。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のセンサチップと、
    前記センサチップへ力を伝達する起歪体と、を備えた力覚センサ装置。
  6. 前記センサチップは複数の前記支持部において前記起歪体に固定されている請求項5に記載の力覚センサ装置。
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