JP2022047296A - 減衰機構、力検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】定格容量の決まった1つのセンサ装置を様々な大きさの力やモーメントに対応可能とする減衰機構を提供する。【解決手段】本減衰機構は、センサチップ、及び印加された力及び/又はモーメントを前記センサチップに伝達する起歪体、を有するセンサ装置の周囲に配置される複数の減衰柱と、前記センサ装置と前記減衰柱に固定される減衰板と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、減衰機構、及び力検出器に関する。
従来より、所定の軸方向の変位を検知するセンサ装置が知られている。一例として、半導体基板を利用して形成され、かつ少なくとも外力を受ける作用部及び作用部を支持する支持部を有する6軸力センサチップと、6軸力センサチップの周囲に配置され、外力が加わる外力印加板、6軸力センサチップを支持する台座部、外力印加板を台座部に固定する外力緩衝機構、外力伝達機構である連結ロッドから成る構造体を備え、外力印加板と作用部が連結ロッドで連結されているセンサ装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
上記のようなセンサ装置はサイズによって概略の耐荷重が決まってしまうため、測定レンジ(定格容量)に併せてサイズの異なる複数のセンサ装置を作製する必要がある。しかしながら、高価なセンサ装置をラインナップで対応することは生産効率が悪く、また定格レンジ毎に異なる設備を準備して感度補正を行う必要があるため量産性が悪い。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、定格容量の決まった1つのセンサ装置を様々な大きさの力やモーメントに対応可能とする減衰機構の提供を目的とする。
本減衰機構は、センサチップ(110)、及び印加された力及び/又はモーメントを前記センサチップ(110)に伝達する起歪体(20)、を有するセンサ装置(1)の周囲に配置される複数の減衰柱(320)と、前記センサ装置(1)と前記減衰柱(320)に固定される減衰板(330)と、を有する。
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、図示の態様に限定されるものではない。
開示の技術によれば、定格容量の決まった1つのセンサ装置を様々な大きさの力やモーメントに対応可能とする減衰機構を提供できる。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1実施形態〉
(力検出器)
図1は、第1実施形態に係る力検出器を例示する斜視図(その1)である。図2は、第1実施形態に係る力検出器を例示する側面図である。図3は、第1実施形態に係る力検出器を例示する斜視図(その2)であり、図1から入力板を除去した状態を示している。
(力検出器)
図1は、第1実施形態に係る力検出器を例示する斜視図(その1)である。図2は、第1実施形態に係る力検出器を例示する側面図である。図3は、第1実施形態に係る力検出器を例示する斜視図(その2)であり、図1から入力板を除去した状態を示している。
図1~図3を参照すると、力検出器300は、力覚センサ装置1と、ベース板310と、減衰機構315と、入力板340とを有する。減衰機構315は、減衰柱320と、減衰板330とを有する。
ベース板310は、土台となる板状部材である。本実施形態では、一例として、ベース板310は円盤状に形成されており、必要に応じ、位置決めや固定に用いられる貫通孔や座ぐり部等が設けられる。ベース板310は、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の金属材料から形成されている。
ベース板310の上面の略中央部には、力覚センサ装置1が固定されている。ベース板310と力覚センサ装置1とは、例えば、ネジ等で締結することで固定できる。力覚センサ装置1の詳細については後述するが、力覚センサ装置1は、例えば、X軸方向の力をFx、Y軸方向の力をFy、Z軸方向の力をFz、X軸を軸として回転させるモーメントをMx、Y軸を軸として回転させるモーメントをMy、Z軸を軸として回転させるモーメントをMzとしたときに、所定の軸方向の変位を最大で6軸検知する機能を有している。
ベース板310の上面の力覚センサ装置1の周囲には、減衰機構315を構成する複数の減衰柱320が長手方向をZ軸方向に向けて配置されている。本実施形態では、力覚センサ装置1の周囲に4本の減衰柱320が配置されているが、減衰柱320の本数は、これには限定されない。減衰柱320は、平面視において、力覚センサ装置1の中心に対して均等(点対称)に配置されることが好ましい。減衰柱320は、例えば、SUS等の金属材料から形成されている。減衰柱320は、ベース板310と一体に形成されていてもよい。
なお、平面視とは、減衰板330の上面の法線方向(Z軸方向)から対象物を見ることを指す。又、減衰板330の上面の法線方向(Z軸方向)から対象物を見た形状を平面形状と称する場合がある。
減衰機構315を構成する減衰板330は、力覚センサ装置1の上面に固定されている。減衰板330と力覚センサ装置1とは、例えば、ネジ等で締結することで固定できる。又、減衰板330は、減衰柱320に固定されている。具体的には、減衰板330には、4つの貫通孔330xが設けられている。そして、各々の減衰柱320の一方の端部が各々の貫通孔330xに挿入され、各々の減衰柱320の一方の端部が減衰板330に固定されている。各々の減衰柱320の一方の端部と減衰板330とは、例えば、溶接、スピンカシメ、銀ロウ付け等により固定できる。或いは、これらの方法を併用してもよい。
減衰板330は、枠部331と、枠部331の内側を橋渡しする梁部332と、枠部331の上面に設けられた複数の入力柱333とを有する。枠部331と、梁部332と、入力柱333とは、例えば、一体に形成されている。
本実施形態では、平面視において、枠部331は円環状(リング状)である。但し、枠部331は、点対称な形状であることが好ましいが、円環状には限定されず、六角環状や四角環状等でも良い。
本実施形態では、平面視において、梁部332は十字状であり、十字の交点は、平面視において、力覚センサ装置1と重複する位置にある。なお、ここでいう十字状とは、2つの部分が交差する形状を指し、必ずしも2本の直線状の部分が交差する形状には限定されない。例えば、円形の減衰板に円の中心に対して点対称に小径の円形の4つの穴を形成した構造も、十字状の梁部を有する構造である。又、必要に応じ、梁部332の形状は十字以外としてもよく、例えばI字やY字等であってもよい。
本実施形態では、入力柱333の本数は4本である。減衰柱320の本数及び入力柱333の本数は、起歪体20が有する柱(後述の柱22a~22d)の本数と同じであることが好ましい。このようにすることで、力検出器300における減衰率の設計が容易となる。すなわち、力検出器300に搭載される力覚センサ装置1として、単体で感度補正済みのものを使用すれば、入力軸毎に計算された減衰率を乗算することによって、力検出器300を搭載した状態で新たに感度補正することなく使用できるため、使い勝手が向上する。
減衰板330は、例えば、SUS等の金属材料から形成されている。減衰柱320及び減衰板330をSUS等の金属材料から形成することで、瞬時的な応答性を高めることができる。一方、瞬時的な応答性をある程度犠牲にしてパルス的な入力の減衰を優先させる場合等には、減衰柱320及び減衰板330を樹脂やゴム等の金属より柔らかい材料から形成することも可能である。
入力板340は、板状部材であり、例えば、円盤状である。入力板340は、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の金属材料から形成されている。入力板340は、減衰板330の入力柱333上に固定されている。入力板340と減衰板330の入力柱333とは、例えば、ネジ等で締結することで固定できる。入力板340の上面の略中心部には、位置決めピン345が突起している。位置決めピン345は、例えばロボットなどの力を検出する対象物に設けられた凹部に挿入されて、入力板340を対象物にねじ止めや溶着などで固定する際の位置決めとして使用する。
図4は、第1実施形態に係る力検出器を例示する平面図であり、図1から入力板を除去した状態を示している。減衰板330は平板であっても良いが、前述のように本実施形態では十字状の梁部332を備えており、十字の交点は、平面視において、力覚センサ装置1の中心と一致することが好ましい。
減衰板330が平板である場合には、各軸の出力間の減衰率を制御することは困難である。一方、各軸の出力間の減衰率を制御するためには、減衰板330を平板にせず、各入力に対して異なる剛性となるように形状を調整することが有効である。例えば、本実施形態のように減衰板330が十字状の梁部332を備えることで、Fx(Fy)とMx(My)で減衰の程度を変えることができる。
十字状の梁部332の位置は、力覚センサ装置1の座標系を考慮して決定することが好ましい。本実施形態では、力覚センサ装置1のX軸方向とY軸方向に梁部332の十字が揃う形で配置している。すなわち、力覚センサ装置1は、少なくともX軸方向の力Fx、X軸方向と直交するY軸方向の力Fyを検知する機能を有し、梁部332の十字を構成する一の直線が力覚センサ装置1のX軸方向と一致し、他の直線がY軸方向と一致する。これにより、Fx(Fy)入力に対しては減衰板330を通じて並進の力を、Mx(My)入力に対しては減衰板330通じて回転の力(モーメント)を、力覚センサ装置1自身の軸分離性を損なうことなく伝達できる。
このように、本実施形態において、減衰板330の十字状の梁部332と力覚センサ装置1との位置関係は、特にモーメント入力(Mx、My)を制御することに重きを置いた構成である。
すなわち、Mx(My)が入力された際に、十字状の梁部332の部分での変形が大きければ、力覚センサ装置1に伝達(入力)されるモーメントは小さくなる。よって、十字状の梁部332の剛性(例えば、幅、厚み、長さ)を調整することで、モーメント(Mx、My)の減衰率を調整できる。なお、Fzも同様の効果で減衰される。
一方、並進力(Fx、Fy)の減衰の程度には、力覚センサ装置1の周りに配置される減衰柱320が影響する。すなわち、並進力(Fx、Fy)が加わった際、減衰柱320が倒れ難ければ力覚センサ装置1に伝達される力は小さくなる。よって、減衰柱320の剛性(例えば、太さ、本数)を調整することで、並進力(Fx、Fy)の減衰率を調整できる。Mzについては、減衰板330と減衰柱320の双方が影響することで減衰の程度が決まる。
本実施形態では、減衰板330を挟む形で減衰板330の上側に4本の入力柱333を、減衰板330の下側に4本の減衰柱320をそれぞれ配置している。本実施形態では、減衰板330の上側の4本の入力柱333は、梁部332の十字の延長線上に位置する枠部331上に配置されている。一方、減衰板330の下側の4本の減衰柱320は、梁部332の十字に対して45±5度の位置に配置されていることが好ましい。図4では、一例としてθ=45度である。
但し、入力柱333と減衰柱320の位置関係は逆でも良い。すなわち、上下どちらか一方の柱が十字の延長線上に配置されており、その逆側は十字に対して45±5度の位置に配置されていることが好ましい。
すなわち、平面視において、力覚センサ装置1を挟んで対向する減衰柱320の中心同士を結ぶ2本の直線(図4の破線)が梁部332の十字に対して45±5度ずれて配置される場合には、平面視において、力覚センサ装置1を挟んで対向する入力柱333の中心同士を結ぶ2本の直線は、梁部332の十字と一致するように配置されていることが好ましい。
一方、平面視において、力覚センサ装置1を挟んで対向する減衰柱320の中心同士を結ぶ2本の直線が梁部332の十字と一致するように配置される場合は、力覚センサ装置1を挟んで対向する入力柱333の中心同士を結ぶ2本の直線は、梁部332の十字に対して45±5度ずれて配置されていることが好ましい。
又、梁部332の十字の交点は、平面視において、減衰柱320の中心同士を結ぶ2本の直線の交点と一致することが好ましい。更に、梁部332の十字の交点は、平面視において、力覚センサ装置1の中心と一致することが好ましい。
このように、力覚センサ装置1を挟んで対向する減衰柱320の中心同士を結ぶ2本の直線と、力覚センサ装置1を挟んで対向する入力柱333の中心同士を結ぶ2本の直線が、平面視において、互いに45±5度ずれて配置されることで、力検出器300による十分な減衰量の確保が可能となる。
図5は、第1実施形態に係る力検出器の組み立てについて説明する図である。なお、図5(c)は対向する2本の減衰柱320の中心を結ぶ線で切った断面図、それ以外は側面図である。力検出器300を組み立てるには、まず、図5(a)に示すように、例えば、周辺部に4本の減衰柱320が配置されたベース板310を準備する。ベース板310と減衰柱320とは、例えば、金属粉末射出成形や金属加工成形等によって一体に形成されている。そして、ベース板310の上面の略中央部に、力覚センサ装置1を固定する。力覚センサ装置1は、例えば、ベース板310に設けられた座ぐり部を介して矢印方向からネジ等で締結することでベース板310に固定できる。
次に、図5(b)に示すように、枠部331と、枠部331の内側を橋渡しする梁部332と、枠部331の上面に設けられた複数の入力柱333とを有する減衰板330を準備し、力覚センサ装置1上に減衰板330を固定する。減衰板330は、例えば、減衰板330に設けられた座ぐり部を介して矢印方向からネジ等で締結することで力覚センサ装置1に固定できる。この工程で、減衰柱320と、減衰板330とを有する減衰機構315が完成する。
図5(b)の工程では、図5(c)の断面図に示すように、各々の減衰柱320の一方の端部が減衰板330に設けられた各々の貫通孔330xに挿入され、この状態で力覚センサ装置1上に減衰板330が固定される。その後、各々の減衰柱320の一方の端部が溶接等により減衰板330に固定される。このような固定方法により、減衰柱320の高さのばらつきの影響を受けずに、力覚センサ装置1上に精度よく減衰板330を固定できる。すなわち、力覚センサ装置1の高さと減衰柱320の高さの誤差が減衰効果に大きく影響を与えるが、上記の構造及び固定方法では、製造誤差による力覚センサ装置1と減衰柱320の高さの差を吸収して精度の良い組み立てができるため、設計通りの減衰率が得られる。
次に、図5(d)に示すように、入力板340を減衰板330の入力柱333上に固定する。入力板340は、例えば、入力板340に設けられた座ぐり部を介して矢印方向からネジ等で締結することで減衰板330の入力柱333に固定できる。以上により、力検出器300が完成する。
図6は、第1実施形態に係る力検出器による減衰量の確認結果を例示する図であり、F系(並進力)に関するものである。図6において、XはFx、YはFy、ZはFzを示している。又、図6において、『入力』は力検出器300の入力板340に印加される力の実測値、『実測』は力覚センサ装置1に印加される力の実測値、『解析』は力覚センサ装置1に印加される力のシミュレーション値である。図6に示すように、Fx、Fy、及びFzの何れについても『実測』と『解析』とは良く一致しており、力検出器300によりF系の入力が約1/4に減衰されていることが確認できる。
図7及び図8は、第1実施形態に係る力検出器による減衰量の確認結果を例示する図であり、M系(回転力)に関するものである。なお、図7と図8は同じ結果を示しており、図8は図7をレンジ調整して表示したものである。図7及び図8において、XはMx、YはMy、ZはMzを示している。又、図7及び図8において、『入力』は力検出器300の入力板340に印加されるモーメントの実測値、『実測』は力覚センサ装置1から出力されるモーメントの実測値、『解析』は力覚センサ装置1から出力されるモーメントのシミュレーション値である。図7及び図8に示すように、Mx、My、及びMzの何れについても『実測』と『解析』とは良く一致しており、力検出器300によりM系の入力が約1/25に減衰されていることが確認できる。
このように、力検出器300は減衰機構315により、力覚センサ装置1に印加される力やモーメントを減衰できるため、力覚センサ装置1自体の耐荷重を向上可能である。すなわち、力検出器300を小型で定格の小さな力覚センサ装置1に適用することで、大きな入力を印加することが可能となる。
又、力検出器300の減衰機構315は、力覚センサ装置1の周囲に配置される減衰柱320と、力覚センサ装置1の上面と減衰柱320に固定される減衰板330とを有する構造である。この構造では、減衰柱320と減衰板330の形状との組合せによって減衰率を調整可能である。例えば、減衰柱320の剛性(例えば、太さ、本数)を調整することで、並進力(Fx、Fy)の減衰率を調整できる。又、減衰板330を例えば十字状にして梁部332の剛性(例えば、幅、厚み、長さ)を調整することで、モーメント(Mx、My)の減衰率を調整できる。
力検出器300は、減衰機構315の減衰率を調整できるため、定格容量の決まった力覚センサ装置が1つあれば、減衰機構315の減衰率を調整することで、様々な大きさの力・モーメントに対応するセンサを実現できる。言い換えれば、必要な測定レンジ(定格容量)ごとに力覚センサ装置を用意することなく、定格容量の決まった1種類の力覚センサ装置を用意すれば、減衰機構315の減衰率を調整することで、様々な大きさの力やモーメントに対応可能である。力覚センサ装置1自体は1種類でよいため、生産効率や量産性に優れている。
(力覚センサ装置)
ここで、力検出器300に搭載可能な力覚センサ装置の一例について説明する。図9は、第1実施形態に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。図10は、第1実施形態に係る力覚センサ装置のセンサチップ及び起歪体を例示する斜視図である。図9及び図10を参照すると、力覚センサ装置1は、センサチップ110と、起歪体20と、入出力基板30とを有している。力覚センサ装置1は、例えば、工作機械等に使用されるロボットの腕や指等に搭載される多軸の力覚センサ装置である。
ここで、力検出器300に搭載可能な力覚センサ装置の一例について説明する。図9は、第1実施形態に係る力覚センサ装置を例示する斜視図である。図10は、第1実施形態に係る力覚センサ装置のセンサチップ及び起歪体を例示する斜視図である。図9及び図10を参照すると、力覚センサ装置1は、センサチップ110と、起歪体20と、入出力基板30とを有している。力覚センサ装置1は、例えば、工作機械等に使用されるロボットの腕や指等に搭載される多軸の力覚センサ装置である。
センサチップ110は、所定の軸方向の変位を最大で6軸検知する機能を有している。起歪体20は、印加された力及び/又はモーメントをセンサチップ110に伝達する機能を有している。
センサチップ110は、起歪体20の上面側に、起歪体20から突出しないように接着されている。また、起歪体20の上面及び各側面に、センサチップ110に対して信号の入出力を行う入出力基板30の一端側が適宜屈曲された状態で接着されている。センサチップ110と入出力基板30の各電極31とは、ボンディングワイヤ等(図示せず)により、電気的に接続されている。
入出力基板30において、起歪体20の第1の側面に配置された領域には能動部品32及び受動部品39が実装されている。入出力基板30において、起歪体20の第2の側面に配置された領域には能動部品33及び受動部品39が実装されている。入出力基板30において、起歪体20の第3の側面に配置された領域には能動部品34及び受動部品39が実装されている。入出力基板30において、起歪体20の第4の側面に配置された領域には能動部品35及び受動部品39が実装されている。
能動部品33は、例えば、センサチップ110から出力されるX軸方向の力Fxを検出するブリッジ回路からのアナログの電気信号、及びセンサチップ110から出力されるY軸方向の力Fyを検出するブリッジ回路からのアナログの電気信号をディジタルの電気信号に変換するIC(ADコンバータ)である。
能動部品34は、例えば、センサチップ110から出力されるZ軸方向の力Fzを検出するブリッジ回路からのアナログの電気信号、及びセンサチップ110から出力されるX軸を軸として回転させるモーメントMxを検出するブリッジ回路からのアナログの電気信号をディジタルの電気信号に変換するIC(ADコンバータ)である。
能動部品35は、例えば、センサチップ110から出力されるY軸を軸として回転させるモーメントMyを検出するブリッジ回路からのアナログの電気信号、及びセンサチップ110から出力されるZ軸を軸として回転させるモーメントMzを検出するブリッジ回路からのアナログの電気信号をディジタルの電気信号に変換するIC(ADコンバータ)である。
能動部品32は、例えば、能動部品33、34、及び35から出力されるディジタルの電気信号に対して所定の演算を行い、力Fx、Fy、及びFz、並びにモーメントMx、My、及びMzを示す信号を生成し、外部に出力するICである。受動部品39は、能動部品32~35に接続される抵抗やコンデンサ等である。
なお、能動部品32~35の機能をいくつのICで実現するかは任意に決定することができる。また、能動部品32~35を入出力基板30に実装せずに、入出力基板30と接続される外部回路側に実装する構成とすることも可能である。この場合には、入出力基板30からアナログの電気信号が出力される。
入出力基板30は、起歪体20の第1の側面の下方で外側に屈曲し、入出力基板30の他端側が外部に引き出されている。入出力基板30の他端側には、力覚センサ装置1と接続される外部回路(制御装置等)との電気的な入出力が可能な端子(図示せず)が配列されている。
なお、本実施形態では、便宜上、力覚センサ装置1において、センサチップ110が設けられた側を上側または一方の側、その反対側を下側または他方の側とする。また、各部位のセンサチップ110が設けられた側の面を一方の面または上面、その反対側の面を他方の面または下面とする。但し、力覚センサ装置1は天地逆の状態で用いることができ、または任意の角度で配置することができる。
(センサチップ110)
図11は、センサチップ110をZ軸方向上側から視た図であり、図11(a)は斜視図、図11(b)は平面図である。図12は、センサチップ110をZ軸方向下側から視た図であり、図12(a)は斜視図、図12(b)は底面図である。図12(b)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。なお、センサチップ110の上面の一辺に平行な方向をX軸方向、垂直な方向をY軸方向、センサチップ110の厚さ方向(センサチップ110の上面の法線方向)をZ軸方向としている。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、互いに直交している。
図11は、センサチップ110をZ軸方向上側から視た図であり、図11(a)は斜視図、図11(b)は平面図である。図12は、センサチップ110をZ軸方向下側から視た図であり、図12(a)は斜視図、図12(b)は底面図である。図12(b)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。なお、センサチップ110の上面の一辺に平行な方向をX軸方向、垂直な方向をY軸方向、センサチップ110の厚さ方向(センサチップ110の上面の法線方向)をZ軸方向としている。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、互いに直交している。
図11及び図12に示すセンサチップ110は、1チップで最大6軸を検知できるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサチップであり、SOI(Silicon On Insulator)基板等の半導体基板から形成されている。センサチップ110の平面形状は、例えば、3000μm角程度の正方形とすることができる。
センサチップ110は、柱状の5つの支持部111a~111eを備えている。支持部111a~111eの平面形状は、例えば、500μm角程度の正方形とすることができる。第1の支持部である支持部111a~111dは、センサチップ110の四隅に配置されている。第2の支持部である支持部111eは、支持部111a~111dの中央に配置されている。
支持部111a~111eは、例えば、SOI基板の活性層、BOX層、及び支持層から形成することができ、それぞれの厚さは、例えば、500μm程度とすることができる。
支持部111aと支持部111bとの間には、支持部111aと支持部111bとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁112aが設けられている。支持部111bと支持部111cとの間には、支持部111bと支持部111cとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁112bが設けられている。
支持部111cと支持部111dとの間には、支持部111cと支持部111dとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁112cが設けられている。支持部111dと支持部111aとの間には、支持部111dと支持部111aとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、構造を補強するための補強用梁112dが設けられている。
言い換えれば、第1の補強用梁である4つの補強用梁112a、112b、112c、及び112dが枠状に形成され、各補強用梁の交点をなす角部が、支持部111b、111c、111d、111aとなる。
支持部111aの内側の角部と、それに対向する支持部111eの角部とは、構造を補強するための補強用梁112eにより連結されている。支持部111bの内側の角部と、それに対向する支持部111eの角部とは、構造を補強するための補強用梁112fにより連結されている。
支持部111cの内側の角部と、それに対向する支持部111eの角部とは、構造を補強するための補強用梁112gにより連結されている。支持部111dの内側の角部と、それに対向する支持部111eの角部とは、構造を補強するための補強用梁112hにより連結されている。第2の補強用梁である補強用梁112e~112hは、X軸方向(Y軸方向)に対して斜めに配置されている。つまり、補強用梁112e~112hは、補強用梁112a、112b、112c、及び112dと非平行に配置されている。
補強用梁112a~112hは、例えば、SOI基板の活性層、BOX層、及び支持層から形成することができる。補強用梁112a~112hの太さ(短手方向の幅)は、例えば、140μm程度とすることができる。補強用梁112a~112hのそれぞれの上面は、支持部111a~111eの上面と略面一である。
これに対して、補強用梁112a~112hのそれぞれの下面は、支持部111a~111eの下面及び力点114a~114dの下面よりも数10μm程度上面側に窪んでいる。これは、センサチップ110を起歪体20に接着したときに、補強用梁112a~112hの下面が起歪体20の対向する面と接しないようにするためである。
このように、歪を検知するための検知用梁とは別に、検知用梁よりも厚く形成した剛性の強い補強用梁を配置することで、センサチップ110全体の剛性を高めることができる。これにより、入力に対して検知用梁以外が変形しづらくなるため、良好なセンサ特性を得ることができる。
支持部111aと支持部111bとの間の補強用梁112aの内側には、補強用梁112aと所定間隔を空けて平行に、支持部111aと支持部111bとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁113aが設けられている。
検知用梁113aと支持部111eとの間には、検知用梁113a及び支持部111eと所定間隔を空けて検知用梁113aと平行に、検知用梁113bが設けられている。検知用梁113bは、補強用梁112eの支持部111e側の端部と補強用梁112fの支持部111e側の端部とを連結している。
検知用梁113aの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁113bの長手方向の略中央部とは、検知用梁113a及び検知用梁113bと直交するように配置された検知用梁113cにより連結されている。
支持部111bと支持部111cとの間の補強用梁112bの内側には、補強用梁112bと所定間隔を空けて平行に、支持部111bと支持部111cとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁113dが設けられている。
検知用梁113dと支持部111eとの間には、検知用梁113d及び支持部111eと所定間隔を空けて検知用梁113dと平行に、検知用梁113eが設けられている。検知用梁113eは、補強用梁112fの支持部111e側の端部と補強用梁112gの支持部111e側の端部とを連結している。
検知用梁113dの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁113eの長手方向の略中央部とは、検知用梁113d及び検知用梁113eと直交するように配置された検知用梁113fにより連結されている。
支持部111cと支持部111dとの間の補強用梁112cの内側には、補強用梁112cと所定間隔を空けて平行に、支持部111cと支持部111dとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁113gが設けられている。
検知用梁113gと支持部111eとの間には、検知用梁113g及び支持部111eと所定間隔を空けて検知用梁113gと平行に、検知用梁113hが設けられている。検知用梁113hは、補強用梁112gの支持部111e側の端部と補強用梁112hの支持部111e側の端部とを連結している。
検知用梁113gの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁113hの長手方向の略中央部とは、検知用梁113g及び検知用梁113hと直交するように配置された検知用梁113iにより連結されている。
支持部111dと支持部111aとの間の補強用梁112dの内側には、補強用梁112dと所定間隔を空けて平行に、支持部111dと支持部111aとに両端を固定された(隣接する支持部同士を連結する)、歪を検知するための検知用梁113jが設けられている。
検知用梁113jと支持部111eとの間には、検知用梁113j及び支持部111eと所定間隔を空けて検知用梁113jと平行に、検知用梁113kが設けられている。検知用梁113kは、補強用梁112hの支持部111e側の端部と補強用梁112eの支持部111e側の端部とを連結している。
検知用梁113jの長手方向の略中央部と、それに対向する検知用梁113kの長手方向の略中央部とは、検知用梁113j及び検知用梁113kと直交するように配置された検知用梁113lにより連結されている。
検知用梁113a~113lは、支持部111a~111eの厚さ方向の上端側に設けられ、例えば、SOI基板の活性層から形成することができる。検知用梁113a~113lの太さ(短手方向の幅)は、例えば、75μm程度とすることができる。検知用梁113a~113lの太さ(短手方向の幅)は、位置により異なっていてもよい。検知用梁113a~113lのそれぞれの上面は、支持部111a~111eの上面と略面一である。検知用梁113a~113lのそれぞれの厚さは、例えば、50μm程度とすることができる。
検知用梁113aの長手方向の中央部の下面側(検知用梁113aと検知用梁113cとの交点)には、力点114aが設けられている。検知用梁113a、113b、及び113cと力点114aとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁113dの長手方向の中央部の下面側(検知用梁113dと検知用梁113fとの交点)には、力点114bが設けられている。検知用梁113d、113e、及び113fと力点114bとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁113gの長手方向の中央部の下面側(検知用梁113gと検知用梁113iとの交点)には、力点114cが設けられている。検知用梁113g、113h、及び113iと力点114cとにより、1組の検知ブロックをなしている。
検知用梁113jの長手方向の中央部の下面側(検知用梁113jと検知用梁113lとの交点)には、力点114dが設けられている。検知用梁113j、113k、及び113lと力点114dとにより、1組の検知ブロックをなしている。
力点114a~114dは、外力が印加される箇所であり、例えば、SOI基板のBOX層及び支持層から形成することができる。力点114a~114dのそれぞれの下面は、支持部111a~111eの下面と略面一である。
このように、力または変位を4つの力点114a~114dから取り入れることで、力の種類毎に異なる梁の変形が得られるため、6軸の分離性が良いセンサを実現することができる。
なお、センサチップ110において、応力集中を抑制する観点から、内角を形成する部分はR状とすることが好ましい。
図13は、各軸にかかる力及びモーメントを示す符号を説明する図である。図13に示すように、X軸方向の力をFx、Y軸方向の力をFy、Z軸方向の力をFzとする。また、X軸を軸として回転させるモーメントをMx、Y軸を軸として回転させるモーメントをMy、Z軸を軸として回転させるモーメントをMzとする。
図14は、センサチップ110のピエゾ抵抗素子の配置を例示する図である。4つの力点114a~114dに対応する各検知ブロックの所定位置には、複数の歪検知素子であるピエゾ抵抗素子が配置されている。
具体的には、図11及び図14を参照すると、力点114aに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR3及びMxR4は、検知用梁113aを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113aの検知用梁113cに近い領域において検知用梁113cを長手方向(Y方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FyR3及びFyR4は、検知用梁113aを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112a側であって、かつ、検知用梁113aの検知用梁113cから遠い領域において検知用梁113cを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
また、ピエゾ抵抗素子MzR3'及びMzR4'は、検知用梁113aを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113aの支持部111a、111bと連結される位置と力点114aと連結される位置の中点近傍において検知用梁113cを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ここで、検知用梁113aは、支持部111a、111bまたは力点114aと連結される位置の検知用梁113aの幅より、ピエゾ抵抗素子MzR3'及びMzR4'が形成された位置の検知用梁113aの幅の方が小さい。検知用梁113aは、支持部111a、111bと連結される位置と力点114aと連結される位置の間に梁幅が狭くなった箇所が形成されており、この梁幅が狭くなった箇所の検知用梁113aの上にピエゾ抵抗素子MzR3'及びMzR4'が形成されている。
力点114bに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR3及びMyR4は、検知用梁113dを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113dの検知用梁113fに近い領域において検知用梁113fを長手方向(X方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FxR3及びFxR4は、検知用梁113dを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112b側であって、かつ、検知用梁113dの検知用梁113fから遠い領域において検知用梁113fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
また、ピエゾ抵抗素子MzR3及びMzR4は、検知用梁113dを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113dの支持部111b、111cと連結される位置と力点114bと連結される位置の中点近傍において検知用梁113fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ここで、検知用梁113dは、支持部111b、111cまたは力点114bと連結される位置の検知用梁113dの幅より、ピエゾ抵抗素子MzR3及びMzR4が形成された位置の検知用梁113dの幅の方が小さい。検知用梁113dは、支持部111b、111cと連結される位置と力点114bと連結される位置の間に梁幅が狭くなった箇所が形成されており、この梁幅が狭くなった箇所の検知用梁113dの上にピエゾ抵抗素子MzR3及びMzR4が形成されている。
ピエゾ抵抗素子FzR2及びFzR3は、検知用梁113eを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113eの検知用梁113fに近い領域において検知用梁113fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FzR1'及びFzR4'は、検知用梁113eを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113eの検知用梁113fから遠い領域において検知用梁113fを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ここで、検知用梁113eは、直線部と、連結部により直線部に連結される傾斜部とを有する。直線部は検知用梁113eの梁幅が略一定の部分である。傾斜部は、検知用梁113eの端部もしくは検知用梁113fに接続する部分に設けられた部であり、傾斜部の梁幅は連結部から遠ざかるにつれて徐々に太くなる。ピエゾ抵抗素子FzR2、FzR3、FzR1'、FzR4'は、上記の構成の検知用梁113eにおいて、連結部より傾斜部側に配置されている。即ち、ピエゾ抵抗素子FzR2、FzR3、FzR1'、FzR4'は、検知用梁113eの直線部上ではなく、傾斜部の内部に配置されているといえる。また、ピエゾ抵抗素子FzR1'及びFzR4'については、ピエゾ抵抗素子FzR1'及びFzR4'の一部がそれぞれ補強用梁112gあるいは補強用梁112fにかかるように形成されている。
力点114cに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MxR1及びMxR2は、検知用梁113gを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113gの検知用梁113iに近い領域において検知用梁113iを長手方向(Y方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FyR1及びFyR2は、検知用梁113gを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112c側であって、かつ、検知用梁113gの検知用梁113iから遠い領域において検知用梁113iを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
ピエゾ抵抗素子MzR1'及びMzR2'は、検知用梁113gを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113gの支持部111c、111dと連結される位置と力点114cと連結される位置の中点近傍において検知用梁113iを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ここで、検知用梁113gは、支持部111c、111dまたは力点114cと連結される位置の検知用梁113gの幅より、ピエゾ抵抗素子MzR1'及びMzR2'が形成された位置の検知用梁113gの幅の方が小さい。即ち、検知用梁113gは、支持部111c、111dと連結される位置と力点114cと連結される位置の間に梁幅が狭くなった箇所が形成されており、この梁幅が狭くなった箇所の検知用梁113gの上にピエゾ抵抗素子MzR1'及びMzR2'が形成されている。
力点114dに対応する検知ブロックにおいて、ピエゾ抵抗素子MyR1及びMyR2は、検知用梁113jを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113jの検知用梁113lに近い領域において検知用梁113lを長手方向(X方向)に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FxR1及びFxR2は、検知用梁113jを長手方向に二等分する線よりも補強用梁112d側であって、かつ、検知用梁113jの検知用梁113lから遠い領域において検知用梁113lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。
ピエゾ抵抗素子MzR1及びMzR2は、検知用梁113jを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113jの支持部111d、111aと連結される位置と力点114dと連結される位置の中点近傍において検知用梁113lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ここで、検知用梁113jは、支持部111d、111aまたは力点114dと連結される位置の検知用梁113jの幅より、ピエゾ抵抗素子MzR1及びMzR2が形成された位置の検知用梁113jの幅の方が小さい。即ち、検知用梁113jは、支持部111d、111aと連結される位置と力点114dと連結される位置の間に梁幅が狭くなった箇所が形成されており、この梁幅が狭くなった箇所の検知用梁113jの上にピエゾ抵抗素子MzR1及びMzR2が形成されている。
ピエゾ抵抗素子FzR1及びFzR4は、検知用梁113kを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113kの検知用梁113lから遠い領域において検知用梁113lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ピエゾ抵抗素子FzR2'及びFzR3'は、検知用梁113kを長手方向に二等分する線上であって、かつ、検知用梁113kの検知用梁113lに近い領域において検知用梁113lを長手方向に二等分する線に対して対称な位置に配置されている。ここで、検知用梁113kは、直線部と、連結部により直線部に連結される傾斜部とを有する。直線部は検知用梁113kの梁幅が略一定の部分である。傾斜部は、検知用梁113kの端部もしくは検知用梁113lに接続する部分に設けられた部であり、傾斜部の梁幅は連結部から遠ざかるにつれて徐々に太くなる。ピエゾ抵抗素子FzR1、FzR4、FzR2'、FzR3'は、上記の構成の検知用梁113kにおいて、連結部より傾斜部側に配置されている。即ち、ピエゾ抵抗素子FzR1、FzR4、FzR2'、FzR3'は、検知用梁113kの直線部上ではなく、傾斜部の内部に配置されているといえる。また、ピエゾ抵抗素子FzR1及びFzR4については、ピエゾ抵抗素子FzR1及びFzR4の一部がそれぞれ補強用梁112hあるいは補強用梁112eにかかるように形成されている。
このように、センサチップ110では、各検知ブロックに複数のピエゾ抵抗素子を分けて配置している。これにより、力点114a~114dに印加(伝達)された力の向き(軸方向)に応じた、所定の梁に配置された複数のピエゾ抵抗素子の出力の変化に基づいて、所定の軸方向の変位を最大で6軸検知することができる。
また、センサチップ110では、検知用梁113c、113f、113i、及び113lをできるだけ短くして、検知用梁113b、113e、113h、及び113kを検知用梁113a、113d、113g、及び113jに近づけ、検知用梁113b、113e、113h、及び113kの長さをできるだけ確保する構造としている。この構造により、検知用梁113b、113e、113h、及び113kが弓なりに撓みやすくなって応力集中を緩和でき、耐荷重を向上することができる。
また、センサチップ110では、検知用梁113c、113f、113i、及び113lにはピエゾ抵抗素子を配置していない。その代り、検知用梁113c、113f、113i、及び113lよりも細くて長く、弓なりに撓みやすい検知用梁113a、113d、113g、及び113j、並びに検知用梁113b、113e、113h、及び113kの応力が最大になる位置の近傍にピエゾ抵抗素子を配置している。その結果、センサチップ110では、効率よく応力を取り込むことが可能となり、感度(同じ応力に対するピエゾ抵抗素子の抵抗変化)を向上することができる。
なお、センサチップ110では、歪の検出に用いるピエゾ抵抗素子以外にも、ダミーのピエゾ抵抗素子が配置されている。ダミーのピエゾ抵抗素子は、歪の検出に用いるピエゾ抵抗素子も含めた全てのピエゾ抵抗素子が、支持部111eの中心に対して点対称となるように配置されている。
ここで、ピエゾ抵抗素子FxR1~FxR4は力Fxを検出し、ピエゾ抵抗素子FyR1~FyR4は力Fyを検出し、ピエゾ抵抗素子FzR1~FzR4、FzR1'~FzR4'は力Fzを検出する。ピエゾ抵抗素子MxR1~MxR4はモーメントMxを検出し、ピエゾ抵抗素子MyR1~MyR4はモーメントMyを検出し、ピエゾ抵抗素子MzR1~MzR4、MzR1'~MzR4'はモーメントMzを検出する。本実施形態においては、ピエゾ抵抗素子FzR1'~FzR4'をダミーとして、ピエゾ抵抗素子FzR1~FzR4から力Fzを検出してもよい。また、ピエゾ抵抗素子MzR1'~MzR4'をダミーとして、ピエゾ抵抗素子MzR1~MzR4からモーメントMzを検出してもよい。
このように、センサチップ110では、各検知ブロックに複数のピエゾ抵抗素子を分けて配置している。これにより、力点114a~114dに印加(伝達)された力または変位の向き(軸方向)に応じた、所定の梁に配置された複数のピエゾ抵抗素子の出力の変化に基づいて、所定の軸方向の変位を最大で6軸検知することができる。
具体的には、センサチップ110において、Z軸方向の変位(Mx、My、Fz)は、所定の検知用梁の変形に基づいて検知することができる。すなわち、X軸方向及びY軸方向のモーメント(Mx、My)は、第1の検知用梁である検知用梁113a、113d、113g、及び113jの変形に基づいて検知することができる。また、Z軸方向の力(Fz)は、第2の検知用梁である検知用梁113e及び113kの変形に基づいて検知することができる。
また、センサチップ110において、X軸方向及びY軸方向の変位(Fx、Fy、Mz)は、所定の検知用梁の変形に基づいて検知することができる。すなわち、X軸方向及びY軸方向の力(Fx、Fy)は、第1の検知用梁である検知用梁113a、113d、113g、及び113jの変形に基づいて検知することができる。また、Z軸方向のモーメント(Mz)は、第1の検知用梁である検知用梁113a、113d、113g、及び113jの変形に基づいて検知することができる。
各検知用梁の厚みと幅を可変することで、検出感度の均一化や、検出感度の向上等の調整を図ることができる。
但し、ピエゾ抵抗素子の数を減らし、5軸以下の所定の軸方向の変位を検知するセンサチップとすることも可能である。
(起歪体20)
図15は、起歪体20を例示する図(その1)であり、図15(a)は斜視図、図15(b)は側面図である。図16は、起歪体20を例示する図(その2)であり、図16(a)は平面図、図16(b)は図16(a)のA-A線に沿う縦断面斜視図である。図16(a)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。図17は、起歪体20を例示する図(その3)であり、図17(a)は図16(a)のB-B線に沿う縦断面図であり、図17(b)は図17(a)のC-C線に沿う横断面図である。
図15は、起歪体20を例示する図(その1)であり、図15(a)は斜視図、図15(b)は側面図である。図16は、起歪体20を例示する図(その2)であり、図16(a)は平面図、図16(b)は図16(a)のA-A線に沿う縦断面斜視図である。図16(a)において、便宜上、同一高さの面を同一の梨地模様で示している。図17は、起歪体20を例示する図(その3)であり、図17(a)は図16(a)のB-B線に沿う縦断面図であり、図17(b)は図17(a)のC-C線に沿う横断面図である。
図15~図17に示すように、起歪体20は、被固定部に直接取り付けられる土台21と、センサチップ110を搭載するセンサチップ搭載部となる柱28と、柱28の周囲に離間して配置された柱22a~22dとを備えている。
より詳しくは、起歪体20において、略円形の土台21の上面に、土台21の中心に対して均等(点対称)となるように4本の柱22a~22dが配置され、隣接する柱同士を連結する第1の梁である4本の梁23a~23dが枠状に設けられている。そして、土台21の上面中央の上方に、柱28が配置されている。なお、土台21の平面形状は円形には限定されず、多角形等(例えば、正方形等)としてもよい。
柱28は、柱22a~22dよりも太くて短く形成されている。なお、センサチップ110は、柱22a~22dの上面から突出しないように、柱28上に固定される。
柱28は、土台21の上面には直接固定されていなく、接続用梁28a~28dを介して柱22a~22dに固定されている。そのため、土台21の上面と柱28の下面との間には空間がある。柱28の下面と、接続用梁28a~28dの各々の下面とは、面一とすることができる。
柱28の接続用梁28a~28dが接続される部分の横断面形状は例えば矩形であり、矩形の四隅と矩形の四隅に対向する柱22a~22dとが接続用梁28a~28dを介して接続されている。接続用梁28a~28dが、柱22a~22dと接続される位置221~224は、柱22a~22dの高さ方向の中間よりも下側であることが好ましい。なお、柱28の接続用梁28a~28dが接続される部分の横断面形状は矩形には限定されず、円形や多角形等(例えば、六角形等)としてもよい。
接続用梁28a~28dは、土台21の中心に対して均等(点対称)となるように、土台21の上面と所定間隔を空けて土台21の上面と略平行に配置されている。接続用梁28a~28dの太さや厚み(剛性)は、起歪体20の変形を妨げないようにするため、柱22a~22dや梁23a~23dよりも細く薄く形成することが好ましい。
このように、土台21の上面と柱28の下面とは所定の距離だけ離れている。所定の距離は、例えば、数mm程度とすることができる。
土台21には、起歪体20を被固定部にねじ等を用いて締結するための貫通孔21xが設けられている。本実施形態では、土台21には4つの貫通孔21xが設けられているが、貫通孔21xの個数は任意に決定することができる。
土台21を除く起歪体20の概略形状は、例えば、縦5000μm程度、横5000μm程度、高さ7000μm程度の直方体状とすることができる。柱22a~22dの横断面形状は、例えば、1000μm角程度の正方形とすることができる。柱28の横断面形状は、例えば、2000μm角程度の正方形とすることができる。
但し、起歪体20において、応力集中を抑制する観点から、内角を形成する部分はR状とすることが好ましい。例えば、柱22a~22dの土台21の上面の中心側の面は、上下がR状に形成されていることが好ましい。同様に、梁23a~23dの土台21の上面と対向する面は、左右がR状に形成されていることが好ましい。
梁23a~23dのそれぞれの上面の長手方向の中央部には、梁23a~23dの長手方向の中央部から上方に突起する突起部が設けられ、突起部上に、例えば四角柱状の入力部24a~24dが設けられている。入力部24a~24dは外部から力が印加される部分であり、入力部24a~24dに力が印加されると、それに応じて梁23a~23d及び柱22a~22dが変形する。
このように、4つの入力部24a~24dを設けることで、例えば1つの入力部の構造と比較して、梁23a~23dの耐荷重を向上することができる。
柱28の上面の四隅には4本の柱25a~25dが配置され、柱28の上面の中央部には第4の柱である柱25eが配置されている。柱25a~25eは、同一の高さに形成されている。
すなわち、柱25a~25eのそれぞれの上面は、同一平面上に位置している。柱25a~25eのそれぞれの上面は、センサチップ110の下面と接着される接合部となる。
梁23a~23dのそれぞれの内側面の長手方向の中央部には、梁23a~23dのそれぞれの内側面から水平方向内側に突出する梁26a~26dが設けられている。梁26a~26dは、梁23a~23dや柱22a~22dの変形をセンサチップ110に伝達する第2の梁である。また、梁26a~26dのそれぞれの上面の先端側には、梁26a~26dのそれぞれの上面の先端側から上方に突起する突起部27a~27dが設けられている。
突起部27a~27dは、同一の高さに形成されている。すなわち、突起部27a~27dのそれぞれの上面は、同一平面上に位置している。突起部27a~27dのそれぞれの上面は、センサチップ110の下面と接着される接合部となる。梁26a~26d及び突起部27a~27dは、可動部となる梁23a~23dと連結されているため、入力部24a~24dに力が印加されると、それに応じて変形する。
なお、入力部24a~24dに力が印加されていない状態では、柱25a~25eのそれぞれの上面と、突起部27a~27dのそれぞれの上面とは、同一平面上に位置している。
起歪体20において、土台21、柱22a~22d、柱28、梁23a~23d、入力部24a~24d、柱25a~25e、梁26a~26d、及び突起部27a~27dの各部位は、剛性を確保しかつ精度良く作製する観点から、一体に形成されていることが好ましい。起歪体20の材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の硬質な金属材料を用いることができる。中でも、特に硬質で機械的強度の高いSUS630を用いることが好ましい。
このように、センサチップ110と同様に、起歪体20も柱と梁とを備えた構造とすることで、印加される力によって6軸それぞれで異なる変形を示すため、6軸の分離性が良い変形をセンサチップ110に伝えることができる。
すなわち、起歪体20の入力部24a~24dに印加された力を、柱22a~22d、梁23a~23d、及び梁26a~26dを介してセンサチップ110に伝達し、センサチップ110で変位を検知する。そして、センサチップ110において、1つの軸につき1個ずつ形成されたブリッジ回路から各軸の出力を得ることができる。
(力覚センサ装置1の製造工程)
図18~図20は、力覚センサ装置1の製造工程を例示する図である。まず、図18(a)に示すように、起歪体20を作製する。起歪体20は、例えば、成形や切削、ワイヤ放電等により一体に形成することができる。起歪体20の材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の硬質な金属材料を用いることができる。中でも、特に硬質で機械的強度の高いSUS630を用いることが好ましい。起歪体20を成形により作製する場合には、例えば、金属粒子とバインダーとなる樹脂とを金型に入れて成形し、その後、焼結して樹脂を蒸発させることで、金属からなる起歪体20を作製できる。
図18~図20は、力覚センサ装置1の製造工程を例示する図である。まず、図18(a)に示すように、起歪体20を作製する。起歪体20は、例えば、成形や切削、ワイヤ放電等により一体に形成することができる。起歪体20の材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)等の硬質な金属材料を用いることができる。中でも、特に硬質で機械的強度の高いSUS630を用いることが好ましい。起歪体20を成形により作製する場合には、例えば、金属粒子とバインダーとなる樹脂とを金型に入れて成形し、その後、焼結して樹脂を蒸発させることで、金属からなる起歪体20を作製できる。
次に、図18(b)に示す工程では、柱25a~25eの上面、及び突起部27a~27dの上面に接着剤41を塗布する。接着剤41としては、例えば、エポキシ系の接着剤等を用いることができる。外部から印加される力に対する耐力の点から、接着剤41はヤング率1GPa以上で厚さ20μm以下であることが好ましい。
次に、図19(a)に示す工程では、センサチップ110を作製する。センサチップ110は、例えば、SOI基板を準備し、準備した基板にエッチング加工(例えば、反応性イオンエッチング等)等を施す周知の方法により作製できる。また、電極や配線は、例えば、基板の表面にスパッタ法等によりアルミニウム等の金属膜を成膜後、金属膜をフォトリソグラフィによってパターニングすることにより作製できる。
次に、図19(b)に示す工程では、センサチップ110の下面が柱25a~25eの上面、及び突起部27a~27dの上面に塗布された接着剤41と接するように、センサチップ110を起歪体20内に加圧しながら配置する。そして、接着剤41を所定温度に加熱して硬化させる。これにより、センサチップ110が起歪体20内に固定される。具体的には、センサチップ110の支持部111a~111dが各々柱25a~25e上に固定され、支持部111eが柱25e上に固定され、力点114a~114dが各々突起部27a~27d上に固定される。
次に、図20(a)に示す工程では、柱22a~22dの上面に、接着剤42を塗布する。接着剤42としては、例えば、エポキシ系の接着剤等を用いることができる。なお、接着剤42は、入出力基板30を起歪体20上に固定するためのものであり、外部から力が印加されないため、汎用の接着剤を用いることができる。
次に、図20(b)に示す工程では、能動部品32~35及び受動部品39が実装された入出力基板30を準備し、入出力基板30の下面が柱22a~22dの上面に塗布された接着剤42と接するように、入出力基板30を起歪体20上に配置する。そして、入出力基板30を起歪体20側に加圧しながら接着剤42を所定温度に加熱して硬化させる。これにより、入出力基板30が起歪体20に固定される。
なお、入出力基板30は、センサチップ110及び入力部24a~24dを露出するように起歪体20に固定される。入出力基板30の各電極31は、入力部24a~24dに力が印加された際の歪みが最も少ない、起歪体20の柱22a~22d上に配置することが好ましい。
その後、入出力基板30の起歪体20から水平方向にはみ出した部分(入力端子側を除く)を、起歪体20の各側面側に折り曲げる。そして、入出力基板30とセンサチップ110の対応する部分をボンディングワイヤ等(図示せず)により電気的に接続する。これにより、力覚センサ装置1が完成する。
このように、力覚センサ装置1は、センサチップ110、起歪体20、及び入出力基板30の3部品のみで作製できるため、組み立てが容易であり、かつ位置合わせ箇所も最低限で済むため、実装起因による精度の劣化を抑制できる。
また、起歪体20において、センサチップ110との接続箇所(柱25a~25eの上面、及び突起部27a~27dの上面)は全て同一平面にあるため、起歪体20に対するセンサチップ110の位置合わせが1回で済み、起歪体20にセンサチップ110を実装することが容易である。
〈第1実施形態の変形例〉
第1実施形態の変形例では、第1実施形態とは構造の異なる力検出器の例を示す。なお、第1実施形態の変形例において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
第1実施形態の変形例では、第1実施形態とは構造の異なる力検出器の例を示す。なお、第1実施形態の変形例において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図21は、第1実施形態の変形例1に係る力検出器を例示する側面図である。図21を参照すると、力検出器300Aは、減衰機構315が減衰機構315Aに置換された点が、力検出器300(図1、図2等参照)と相違する。減衰機構315Aは、減衰柱320Aと、減衰板330とを有する。
減衰柱320は、力覚センサ装置1の周囲に4本設けられていたが、減衰柱320Aのように1つの円筒の側壁に円形や楕円形等の4つの穴325を設けて剛性を調整した構造としてもよい。減衰柱320Aでは、穴の位置や大きさ、形状により、剛性の調整が可能である。減衰柱320Aの剛性を調整することで、並進力(Fx、Fy)の減衰率を調整できる。なお、減衰柱320Aは、連続した1本の柱とみることもできるが、実質的には4本の柱に相当する。従って、図21は、4本の減衰柱を有する力検出器の一例である。
図22は、第1実施形態の変形例2に係る力検出器を例示する断面図である。図22を参照すると、力検出器300Bでは、減衰機構315Bを構成する減衰柱320と減衰板330の枠部331とが一体に形成されている。そして、ベース板310に4つの貫通孔310xが設けられ、各々の減衰柱320の下側の端部が各々の貫通孔310xに挿入され、ベース板310に固定されている。各々の減衰柱320の下側の端部とベース板310とは、例えば、溶接、スピンカシメ、銀ロウ付け等により固定できる。或いは、これらの方法を併用してもよい。このように、ベース板310と減衰板330が一体に形成されてもよいし、減衰柱320と減衰板330が一体に形成されてもよい。要するに、製造誤差による力覚センサ装置1と減衰柱320の高さの差を吸収して精度の良い組み立てができる構造であればよい。
又、図21及び図22に示した以外の変形例として、減衰機構と共に内部の力覚センサ装置を覆い封止する構造としてもよい。このような構造により、減衰機構に防塵・防水機能を付与することができる。例えば、減衰機構と共に内部の力覚センサ装置を覆い封止するカバー部材とOリングを用いる構造が挙げられる。
又、力検出器において、減衰柱の内側かつ力覚センサ装置の外側の余剰空間にMPU(Micro Processing Unit)等の必要な部品を配置してもよい。この場合、力検出器を、定格の大きな力覚センサ装置とみなすことも可能である。
又、減衰柱の本数は4本には限定されず、実質的に3本以上であれば、任意の本数として構わない。又、力覚センサ装置1と同構造の部材を減衰柱として用いてもよい。例えば、力覚センサ装置1の周囲に、力覚センサ装置1と同構造の4つの部材を減衰柱として配置してもよい。この場合、センサとして動作するのは中央に配置された力覚センサ装置1のみであり、力覚センサ装置1と同構造の4つの部材は単なる構造体として機能する。この構造では、力覚センサ装置1と4つの部材との高さのばらつきが少ないため、ベース板と減衰板との間隔を一定に保つことが容易である。
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記の実施形態等ではセンサ装置として力覚センサ装置を例示して説明したが、本発明のような力覚センサ装置以外にロードセル等にも適用可能である。
1 力覚センサ装置、20 起歪体、21 土台、22a~22d、25a~25d、28 柱、23a~23d、26a~26d 梁、24a~24d 入力部、27a~27d 突起部、30 入出力基板、31 電極、32~35 能動部品、39 受動部品、40 受力板、40x、40z 凹部、40y 貫通孔、41、42 接着剤、110 センサチップ、111a~111e 支持部、112a~112h 補強用梁、113a~113l 検知用梁、114a~114d 力点、300、300A、300B 力検出器、310 ベース板、315 減衰機構、320、320A 減衰柱、325 穴、330 減衰板、330x 331 枠部、332 梁部、333 入力柱、340 入力板、345 位置決めピン
Claims (13)
- センサチップ、及び印加された力及び/又はモーメントを前記センサチップに伝達する起歪体、を有するセンサ装置の周囲に配置される複数の減衰柱と、
前記センサ装置と前記減衰柱に固定される減衰板と、
を有する減衰機構。 - 前記減衰板は、枠部と、前記枠部の内側を橋渡しする梁部と、を有する、請求項1に記載の減衰機構。
- 前記梁部は十字状である、請求項2に記載の減衰機構。
- 前記十字の交点は、平面視において、前記センサ装置と重複する位置にある、請求項3に記載の減衰機構。
- 前記減衰柱は4本あり、平面視において、前記センサ装置を挟んで対向する前記減衰柱の中心同士を結ぶ2本の直線は、前記十字に対して45±5度ずれて配置されているか、又は前記十字と一致するように配置されている、請求項3又は4に記載の減衰機構。
- 前記減衰板は、前記センサ装置とは反対側に突起する4本の入力柱を有し、
平面視において、前記センサ装置を挟んで対向する前記減衰柱の中心同士を結ぶ2本の直線は、前記十字に対して45±5度ずれて配置され、
平面視において、前記センサ装置を挟んで対向する前記入力柱の中心同士を結ぶ2本の直線は、前記十字と一致するように配置されている請求項5に記載の減衰機構。 - 前記減衰板は、前記センサ装置とは反対側に突起する4本の入力柱を有し、
平面視において、前記センサ装置を挟んで対向する前記減衰柱の中心同士を結ぶ2本の直線は、前記十字と一致するように配置され、
前記センサ装置を挟んで対向する前記入力柱の中心同士を結ぶ2本の直線は、前記十字に対して45±5度ずれて配置されている請求項5に記載の減衰機構。 - 前記十字の交点は、平面視において、前記減衰柱の中心同士を結ぶ2本の直線の交点と一致する請求項5乃至7の何れか一項に記載の減衰機構。
- 前記センサ装置は、少なくともX軸方向の力Fx、前記X軸方向と直交するY軸方向の力Fyを検知する機能を有し、
前記十字を構成する一の直線が前記センサ装置の前記X軸方向と一致し、他の直線が前記Y軸方向と一致する請求項3乃至8の何れか一項に記載の減衰機構。 - 複数の前記減衰柱は、平面視において、前記センサ装置の中心に対して点対称に配置されている請求項1乃至9の何れか一項に記載の減衰機構。
- 前記減衰柱の本数は、前記起歪体が有する柱の本数と同じである請求項1乃至10の何れか一項に記載の減衰機構。
- 前記減衰板には貫通孔が設けられ、前記減衰柱の一方の端部が前記貫通孔に挿入され、前記減衰柱の一方の端部が前記減衰板に固定されている請求項1乃至11の何れか一項に記載の減衰機構。
- センサチップ、及び印加された力及び/又はモーメントを前記センサチップに伝達する起歪体、を有するセンサ装置と、
請求項1乃至12の何れか一項に記載の減衰機構と、
前記減衰機構に固定される入力板と、
を備える力検出器。
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---|---|---|---|
JP2020153121A JP2022047296A (ja) | 2020-09-11 | 2020-09-11 | 減衰機構、力検出器 |
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