JP6856123B2 - 鋳型高さ変更ユニット、抜枠造型機、及び、鋳型高さ変更方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態に係る抜枠造型機の一例を示す正面図である。抜枠造型機100は、無鋳枠の上鋳型及び下鋳型を造型する造型機である。図1に示されるように、抜枠造型機100は、上鋳型及び下鋳型からなる鋳型を造型する鋳型造型部100Aと、鋳型造型部100Aに下鋳枠を進入及び後退させる下枠進退駆動部100Bと、鋳型造型部100Aで造型された鋳型を外部に押出すモールド押出部100Cと、鋳型造型部100Aに鋳型砂を供給する鋳型砂供給部100Dとを備えている。
図2は、図1の装置の側面図である。図1,2に示されるように、抜枠造型機100は、門型フレーム1を備える。門型フレーム1は、下部ベースフレーム1aと上部フレーム1bとを、平面視四隅においてコラム1cを介して一体的に連結して構成される。コラム1cに囲まれた位置を「造型位置」ともいう。
図1に示されるように、下枠進退駆動部100Bは、コラム1cの側方(図1の実施形態においては負のX方向)に配置される。
図1に示されるように、モールド押出部100Cは、コラム1cの側方(図1の実施形態においては負のX方向)に配置される。モールド押出部100Cは、モールド押出シリンダ31を備える。モールド押出シリンダ31は、造型された上鋳型及び下鋳型を装置外に押し出すシリンダである。モールド押出シリンダ31のピストンロッド31aの先端には、押出プレート32が連結されている。
図1及び図2に示されるように、鋳型砂供給部100Dは、上部フレーム1bに配設される。鋳型砂供給部100Dは、鋳型砂供給口41と、鋳型砂供給口41を開閉するサンドゲート42と、サンドゲート42の下方に配置されたエアレーションタンク43とを備えている。エアレーションタンク43の先端は、上下方向へ二股状に分岐して砂導入孔43a(図8)を構成する。
図5は、図1の装置の電気系統及び空油圧系統を示すブロック図である。図5に示されるように、抜枠造型機100の電気系統はシーケンサ200(制御部の一例)を備えており、このシーケンサ200にタッチパネル300(図1,図2、入力部の一例)、ソレノイドバルブSV1,SV2,SV3,SV5,SV6,SV7,SV8、及びカットバルブCVを電気的に接続して構成されている。また、シーケンサ200には、モールド押出シリンダの帰端(後退端)を検出するためのセンサ、後述する圧力スイッチPS、供給される圧縮空気が一定圧力以上であることを監視する圧力スイッチ、各シリンダの行き端、帰り端を確認するリードスイッチ又は近接スイッチ、スクイズ時に鋳型が一定の厚さに満たない厚さにならないよう監視する近接スイッチなど各種のセンサ201が電気的に接続される。
図6は、図1の装置の枠セットスクイズシリンダ駆動機構の空油圧回路図である。図6に示されるように、枠セットスクイズシリンダ駆動機構400は、圧縮空気源401とオイルタンク402と増圧シリンダ403とを備え、空気圧回路404と油圧回路405の複合回路からなるエアオンオイル駆動で構成される。エアオンオイル駆動とは、空気圧を油圧に変換して使用する空気圧、油圧の複合機能による駆動をいう。エアオンオイル駆動では、油圧ポンプを用いた専用の油圧ユニットを使用せず、圧縮空気源のみを用いる。
オイルタンク402は上部に空気圧室402aを有しており、空気圧室402aは、ソレノイドバルブ(第1ソレノイドバルブ)SV1に連動して2位置制御されるバルブ(第1バルブ)V1によって、圧縮空気源401及び大気(サイレンサ406)のいずれか一方と連通状態となる。ソレノイドバルブSV1は、非通電時には、バルブV1の制御ポートをサイレンサ407に連通してバルブV1を非作動状態に保ち、オイルタンク402の空気圧室402aをサイレンサ406に連通し、空気圧室402a内を大気圧に保つ。また、ソレノイドバルブSV1は、通電時には、バルブV1の制御ポートを圧縮空気源401に連通してバルブV1を作動状態に保ち、オイルタンク402の空気圧室402aを圧縮空気源401に連通し、空気圧室402a内に圧縮空気を供給する。
油圧回路405は、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間を油圧配管412で流体連通すると共に、オイルタンク402側の油圧配管部412aの途中にスピードコントローラSC及びカットバルブCVを配置し、枠セットスクイズシリンダ2側の油圧配管部412bに増圧シリンダ403の油圧室403dを流体連通し、さらに、枠セットスクイズシリンダ2側の油圧配管部412bに圧力スイッチPSを配置して構成される。圧力スイッチPSで油圧配管部412b内の作動オイル402bが所定の圧力に到達したことが監視される。
図7は、造型方法を示すフローチャートである。フローチャート(A)に示すように抜枠造型方法は、パターンシャトルイン工程S1、枠セット工程S2、砂入れ工程S3、スクイズ工程S4、抜型(ドロー)工程S5、パターンシャトルアウト工程S6、鋳型合わせ工程S7、抜枠工程S8、モールド押出工程S9の一連の工程からなる。最初に、枠セットスクイズシリンダ駆動機構400の動作を上述した工程に対応させて説明する。
造型開始時は、ソレノイドバルブSV1、SV2は、共に非通電状態に保持され、ソレノイドバルブSV3及びカットバルブCVは、共に通電状態に保持される。ソレノイドバルブSV3は、通電状態にあるため、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2c及びピストンロッド2aは下端(下降端)にあり、下スクイズボード4は下端(下降端)に保持される。カットバルブCVは、通電状態にあるため、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間、及び、オイルタンク402と増圧シリンダ403の油圧室403dとの間を流体連通状態に保つ。
パターンシャトルイン工程S1では、造型開始時と同様、ソレノイドバルブSV1、SV2は、共に非通電状態に保持され、ソレノイドバルブSV3及びカットバルブCVは、共に通電状態に保持される。
枠セット工程S2では、ソレノイドバルブSV1への通電を開始すると共にソレノイドバルブSV3への通電を停止する。ソレノイドバルブSV1への通電が開始され、また、ソレノイドバルブSV3への通電が停止されると、枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eに供給されてきた作動オイル402bは、ピストン2cを上昇させ、ピストンロッド2aを介して下スクイズボード4は上昇して行き、枠セットが行われる。
スクイズ工程S4では、ソレノイドバルブSV1及びカットバルブCVへの通電を停止すると共にソレノイドバルブSV2への通電を開始する。ソレノイドバルブSV2への通電開始により、増圧シリンダ403の上部空気圧室403e内に供給されてきた圧縮空気は、大径ピストン部403gを押下げる。この大径ピストン部403gの下降に伴い小径ピストン部403hが油圧室403d内の作動オイル402bを押出す。押出された作動オイル402bは、枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eに供給されるので、下スクイズボード4が上昇し、スクイズ工程が行われる。なお、スクイズ工程S4は、圧力スイッチPSによって作動オイル402bが所定の圧力に到達したことを検知して完了となる。
抜型(ドロー)工程S5では、ソレノイドバルブSV2への通電を停止すると共にソレノイドバルブSV3及びカットバルブCVへの通電を開始する。ソレノイドバルブSV2への通電停止により、ピストン部403bは上端(上昇端)まで上昇する。カットバルブCVへの通電開始により、オイルタンク402と枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eとの間、及び、オイルタンク402と増圧シリンダ403の油圧室403dとの間が流体連通状態に復帰する。
鋳型合わせ工程S7では、枠セット工程S2時と同様、先ずソレノイドバルブSV1への通電を開始すると共にソレノイドバルブSV3への通電を停止する。この状態では、オイルタンク402内の作動オイル402bは、空気圧室402a内に供給されてくる圧縮空気による押下力を受けてオイルタンク402内から押出され、スピードコントローラSC及びカットバルブCVを経て枠セットスクイズシリンダ2の油圧室2eに供給される。従って、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cは上昇する。
抜枠工程S8では、ソレノイドバルブSV1への通電を停止すると共にソレノイドバルブSV3への通電を開始する。ソレノイドバルブSV3への通電開始により、枠セットスクイズシリンダ2の空気圧室2dは圧縮空気源401に連通し、空気圧室2dに圧縮空気が供給される。このため、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cが圧縮空気圧によって押下げられるので、油圧室2e内の作動オイル402bが押出される。この押出された作動オイル402bは、オイルタンク402内に戻る。従って、枠セットスクイズシリンダ2のピストン2cは下降する。
造型開始時、鋳型造型部100Aにおいて、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aは後退端に位置し、下スクイズボード4は下降端に位置する。また、下盛枠シリンダ5の上側のピストンロッド5aは後退端に位置し、下盛枠6は下降端に位置する。また、上枠シリンダ9のピストンロッド9aは前進端に位置し、上鋳枠10は下降端に位置する。
パターンシャトルイン工程S1では、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aを前進させる。このピストンロッド21aの前進により、マスタープレート22が前進し、上側の4個の鍔付ローラ22bのうち左側の2個の鍔付ローラ22bも一対の走行レール11上に載ると共に下側の4個の鍔付ローラ22cが一対のガイドレール25上から離れ、ピストンロッド21aが前進端まで前進したとき、マスタープレート22、下鋳枠23及びマッチプレート24が鋳型造型部100Aのコラム1cの内側の所定位置にセットされる。図8は、造型方法におけるパターンシャトルイン工程終了状態を示す図である。
枠セット工程S2は、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを前進させて下スクイズボード4を上昇させると共に、下盛枠シリンダ5を前進させて下盛枠6を上昇させ、下盛枠6の位置決めピン7を下鋳枠23の位置決め孔(図示せず)に挿通し、下鋳枠23の下面に下盛枠6を重合し、下スクイズボード4、下盛枠6、下鋳枠23及びマッチプレート24により密閉された下鋳型空間を画成する。ここで、下スクイズボード4と下スクイズフレーム3は一体であるため、枠セットスクイズシリンダ2を昇降させると、下スクイズフレーム3も下スクイズボード4と共に昇降可能である。
砂入れ工程S3では、鋳型砂供給部100Dにおいて、サンドゲート42(図2)を閉じ、エアレーションタンク43に圧縮空気を供給する。エアレーションタンク43内の鋳型砂51は、圧縮空気の空気圧により、下側の砂導入孔43a及び下盛枠6の鋳型砂導入孔6cを経て下鋳型空間に導入されると共に、上側の砂導入孔43a及び上鋳枠10の鋳型砂導入孔10cを経て上鋳型空間に導入される。この砂入れ工程S3において、圧縮空気のみが、上鋳枠10及び下鋳枠23の側壁部に設置された排気孔(図示せず。)から外部に排出される。
スクイズ工程S4では、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを更に前進させ、上鋳型空間内の鋳型砂52及び下鋳型空間内の鋳型砂53を上スクイズボード8と下スクイズボード4とによって挟圧し、スクイズする。このスクイズ工程S4においては、下スクイズボード4の上昇に伴い、下盛枠6、下鋳枠23、マッチプレート24及び上鋳枠10も上昇する。このスクイズ工程S4により、上鋳型54及び下鋳型55が形成される。図10は、造型方法におけるスクイズ工程終了状態を示す図である。
抜型(ドロー)工程S5では、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを後退させ、下スクイズボード4を下降させる。下スクイズボード4の下降に伴い、下鋳枠23、マッチプレート24、マスタープレート22、下盛枠6も下降する。下降途中において、マスタープレート22の上側の4個の鍔付ローラ22bが一対の走行レール11上に載り、マスタープレート22、下鋳枠23及びマッチプレート24の下降が停止し、下スクイズボード4及び下盛枠6が下降を続行する。
パターンシャトルアウト工程S6は、抜型(ドロー)工程S5において、マスタープレート22の上側の4個の鍔付ローラ22bが一対の走行レール11上に載ったとき、マスタープレート22は、パターンシャトルシリンダ21のピストンロッド21aの先端に連結状態となる。
鋳型合わせ工程S7は、枠セットスクイズシリンダ2のピストンロッド2aを前進させて下スクイズボード4を上昇させ、上鋳型54の下面に下鋳型55を密着させる。このときの枠セットスクイズシリンダ2の前進は、枠セット工程S2と同様に増圧シリンダを停止させたまま低圧で作動させる。また、上鋳型54及び下鋳型55を密着させる直前は、密着の衝撃で鋳型が崩れないように、枠セットスクイズシリンダ2を低速とすることが好ましい。図13は、造型方法における鋳型合わせ工程終了状態を示す図である。
図14は、造型方法の抜枠工程において上鋳枠から上鋳型の抜き出す状態を示す図である。抜枠工程S8では、図14に示されるように、上枠シリンダ9(図4)のピストンロッド9a(図4)を後退させ、上鋳枠10を上昇させる。上鋳枠10の上昇により、上鋳枠10から上鋳型54が抜枠される。抜枠後、上枠シリンダ9のピストンロッド9aを前進させ、上鋳枠10を下降端(原位置)まで復帰させる。
モールド押出工程S9は、モールド押出シリンダ31のピストンロッド31aを前進させて押出プレート32を前進させ、下スクイズボード4上の鋳型(上鋳型54及び下鋳型55)を搬送ラインに送り出す。その後、モールド押出シリンダ31のピストンロッド31aを後退させて、原位置まで復帰させる。
上述した抜枠造型機100は、一種類の高さの上鋳型及び下鋳型のみを造型することができる。以下では、上述した抜枠造型機100に適用可能な鋳型高さ変更ユニット500を説明する。
鋳型高さ変更ユニット500は、鋳型高さを変更するためのスペーサ部材を備え得る。図16は、実施形態に係るスペーサ部材の取り付け位置の一例を説明する図である。図16に示されるように、上スクイズボード8の下面8c(マッチプレート24に対向する主面の一例)には、スペーサ部材600が取り付けられている。スペーサ部材600は、例えばネジによって上スクイズボード8の下面8cに固定される。なお、上スクイズボード8の下面8cに摩耗対策としてライナを取り付けるためのネジ穴(ライナ取り付け用のネジ穴)が形成されている場合には、スペーサ部材600は、当該ネジ穴を利用して上スクイズボード8に固定されてもよい。
鋳型高さ変更ユニット500は、下鋳型の高さを変更するためのストッパ部を備え得る。図17及び図18は、実施形態に係るストッパ部の取り付け位置の一例を説明する図である。図17及び図18に示されるように、下盛枠6には、下盛枠シリンダ5のストローク長を所定の長さに制限する少なくとも1つのストッパ部601が取り付けられている。一例として、ストッパ部601は、下盛枠6の対向する2つの端部において2つずつ設けられている。
下鋳型用の鋳型高さ変更ユニット500は、上述したストッパ部601に限られない。図20は、実施形態に係るストッパ部の他の例を説明する図である。図20に示されるように、下盛枠シリンダ5は、ストッパ部611を有する。抜枠造型機100に備わる下盛枠シリンダ5の少なくとも1つがストッパ部611を備えればよい。一例として、4個の下盛枠シリンダ5の全てがストッパ部611を有する。ストッパ部611は、ストッパ部601と同様に、下盛枠シリンダ5のストローク長を所定の長さに制限する。つまり、抜枠造型機100は、ストッパ部601に替えてストッパ部611を採用することができる。
鋳型高さ変更ユニット500を取り付けた場合、下盛枠シリンダ5の伸び端(上死点)の位置が変更になる。また、鋳型の厚さが薄くなるため、型合わせの高さ位置や、スクイズ時における鋳型の厚さ監視の位置も変更になる。このため、鋳型高さ変更ユニット500を設ける場合には、センサ201の一例として、抜枠造型機100には、鋳型高さ変更後の下盛枠シリンダ5の伸び端(所定の長さの一例)、鋳型高さ変更後の鋳型厚さの監視位置、鋳型高さ変更後の型合わせの高さ位置を検出する位置検出センサをさらに追加してもよい。位置検出センサとしては、停止位置毎に設けられその位置を検出する近接センサやリードスイッチ、又は、一定範囲全域(可動範囲)で常時位置を検出可能なエンコーダが用いられる。
センサ201(位置検出センサ70を含む)は、シーケンサ200に接続される。シーケンサ200は、タッチパネル300に位置検出センサ70の検出結果を表示してもよい。例えば、スクイズ時に鋳型が一定の厚さに満たない厚さにならないように監視している場合には、位置検出センサ70の検出結果に応じて、警報などを出力する。シーケンサ200は、監視モードに応じて監視結果を表示してもよい。例えば、第1監視モードでは、シーケンサ200は、上鋳枠10の鋳型高さのみを監視して監視結果を表示する。第2監視モードでは、シーケンサ200は、下鋳枠23の鋳型高さのみを監視して監視結果を表示する。第3監視モードでは、シーケンサ200は、上鋳枠10及び下鋳枠23の鋳型高さを監視して監視結果を表示する。タッチパネル300は、監視モードを選択可能な画面を表示し、作業員に選択させてもよい。なお、上述のとおり、鋳型高さ変更ユニット500を取り付けた場合、監視位置が変更となる。このため、抜枠造型機100は、鋳型高さ変更ユニット500を取り付けたか否かを作業員が選択可能なタッチパネル300を備えてもよい。シーケンサ200は、鋳型高さ変更ユニット500を取り付けたことを作業員により選択された場合には、変更後の高さ位置を検出する位置検出センサに基づいて監視結果をタッチパネル300に表示させてもよい。
シーケンサ200は、位置検出センサに基づいて鋳型高さを変更してもよい。上述したセンサ201(位置検出センサ70)は、例えば、下盛枠シリンダ5が伸び端(第1長さの一例)まで伸びたことを検出する第1位置検出センサと、下盛枠シリンダ5が伸び端よりも短い長さ(第2長さの一例)まで伸びたことを検出する第2位置検出センサを含む。シーケンサ200は、第1位置検出センサの検出結果に基づいて伸び端まで伸びるように下盛枠シリンダ5を動作させる第1動作モードと、第2位置検出センサの検出結果に基づいて伸び端よりも短い長さまで伸びるように下盛枠シリンダ5を動作させる第2動作モードと、を切り替え可能に構成される。シーケンサ200は、第2動作モードで動作する場合、位置検出センサによって下盛枠シリンダ5が伸び端よりも短い長さまで伸びたことが検出されたときに、下盛枠シリンダ5を停止させる。これにより、鋳型高さを変更することができる。さらに、シーケンサ200は、1又は複数の他の動作モードを必要に応じて追加してもよい。例えば、第3位置検出センサをさらに設け、第3動作モードを実行可能に構成してもよい。この場合、シーケンサ200は、第3動作モードとして、第3位置検出センサにて検出される位置まで伸びるように下盛枠シリンダ5を動作させる。なお、図21及び図22のエンコーダは常時位置検出するため、図21及び図22のエンコーダを利用する場合には、新たな位置検出センサを設けることなく、任意の数の動作モードを容易に追加することができる。
下盛枠シリンダ5の伸び端が異なる場合、鋳型高さを変更することができる。このため、以下の手順で鋳型高さを変更することができる。最初に、第1盛枠シリンダのストローク長とは異なるストローク長を有する第2盛枠シリンダを用意する。次に、第1盛枠シリンダと第2盛枠シリンダとを交換する。このような手順により、鋳型高さを容易に変更することができる。
図24は、造型空間の高さを変更する方法を説明する図である。図24の要素(A)は、上造型空間の高さを変更する前の上スクイズボード8と上鋳枠10との位置関係を示す。以下では、上造型空間の高さを高さd1だけ低くする場合を一例として説明する。鋳型高さ変更方法は、例えば、上スクイズボード8の下面8c(マッチプレート24に対向する主面)に厚さd1のスペーサ部材600を取り付けるステップを有する。この場合、図24の要素(B)に示されるように、スペーサ部材600の厚さd1だけ上造型空間の高さが低くなる。あるいは、鋳型高さ変更方法は、上スクイズボード8よりも厚さd1だけ厚い上スクイズボード8A(第1スクイズボードの厚さとは異なる厚さを有する第3スクイズボード)を用意し、上スクイズボード8と上スクイズボード8Aとを交換してもよい。この場合、図24の要素(C)に示されるように、上スクイズボード8と上スクイズボード8Aとの厚さの差分d1だけ上造型空間の高さが低くなる。あるいは、鋳型高さ変更方法は、上スクイズボード8の下面8cの反対側の上面8dに厚さd1のスペーサ部材600Aを取り付けるステップを有してもよい。この場合、図24の要素(D)に示されるように、スペーサ部材600Aの厚さd1だけ上造型空間の高さが低くなる。鋳型高さ変更方法は、上述した方法の何れか1つのステップを有する。
この鋳型高さ変更ユニット500が対象とする抜枠造型機100において、下スクイズボード4及び下盛枠シリンダ5は一体的に動作する。そして、ストッパ部601により、下盛枠シリンダ5のストローク長が所定の長さに制限される。下盛枠シリンダ5のストローク長がストッパ部601により制限されることにより、下スクイズボード4に対する下盛枠6の上昇距離(下鋳枠23に向かって下盛枠6が移動可能な距離)が短くなる。これにより下盛枠シリンダ5のストローク長を制限しない場合と比べて、マッチプレート24、下鋳枠23、下盛枠6、及び下スクイズボード4で画成する下鋳型の造型空間の高さが低くなる。これにより、下盛枠シリンダ5のストローク長を制限しない場合と比べて、高さの低い鋳型が造型される。このように、この鋳型高さ変更ユニット500は、ストッパ部601を用いて鋳型高さを変更することができる。
Claims (25)
- 抜枠造型機に用いられる鋳型高さ変更ユニットであって、
前記抜枠造型機は、
上鋳枠と、
前記上鋳枠とともにマッチプレートを狭持可能な下鋳枠と、
前記下鋳枠に連結可能な盛枠と、
前記上鋳枠に入出可能な第1スクイズボードと、
前記盛枠に入出可能な第2スクイズボードと、
前記盛枠を前記第2スクイズボードに対して相対的に移動させる盛枠シリンダと、
前記盛枠、前記第2スクイズボード及び前記盛枠シリンダを一体的に移動させるスクイズシリンダと、
前記盛枠シリンダ及び前記スクイズシリンダを制御する制御部と、
を有し、
前記鋳型高さ変更ユニットは、
前記盛枠シリンダのストローク長を所定の長さに制限するストッパ部を備える、
鋳型高さ変更ユニット。 - 前記ストッパ部は、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部が前記盛枠に固定され、前記盛枠シリンダを支持するフレームに形成された貫通孔に挿入される棒状部材と、
前記棒状部材の前記第2端部に取り付けられ、前記盛枠が前記フレームから離間する方向に移動したときに前記フレームに突き当てられる当接部材と、
を有する、請求項1に記載の鋳型高さ変更ユニット。 - 前記盛枠が前記フレームに最も近接する最近接位置に位置したときにおける前記フレームから前記棒状部材の前記当接部材までの長さは、前記盛枠シリンダのストローク長よりも短い、請求項2に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 前記ストッパ部は、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部が前記盛枠シリンダのピストンロッドの下端に設けられ、前記第2端部が前記盛枠シリンダの下方に位置し、前記ピストンロッドの上昇に伴い前記盛枠シリンダ内に進入する棒状部材と、
前記棒状部材の前記第2端部に取り付けられ、前記盛枠が前記盛枠シリンダを支持するフレームから離間する方向に移動したときに前記盛枠シリンダの下端に突き当てられる当接部材と、
を有する、請求項1に記載の鋳型高さ変更ユニット。 - 前記盛枠が前記フレームに最も近接する最近接位置に位置したときにおける前記盛枠シリンダの下端から前記棒状部材の前記当接部材までの長さは、前記盛枠シリンダのストローク長よりも短い、請求項4に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 前記盛枠シリンダはエアシリンダである、請求項1〜5の何れか一項に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 前記制御部に接続され、前記盛枠シリンダが前記所定の長さまで伸びたことを検出する位置検出センサを備える、請求項1〜6の何れか一項に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 前記第1スクイズボードにおける前記マッチプレートに対向する主面に取り付けられるスペーサ部材を備える、請求項1〜7の何れか一項に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 前記スペーサ部材の材料は樹脂である、請求項8に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 前記スペーサ部材は、前記第1スクイズボードにネジによって固定される、請求項8又は9に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 前記スペーサ部材は、前記第1スクイズボードに設けられたライナ取り付け用のネジ穴を利用して前記第1スクイズボードに固定される、請求項10に記載の鋳型高さ変更ユニット。
- 上鋳枠と、
前記上鋳枠とともにマッチプレートを狭持可能な下鋳枠と、
前記下鋳枠に連結可能な盛枠と、
前記上鋳枠に入出可能な第1スクイズボードと、
前記盛枠に入出可能な第2スクイズボードと、
前記盛枠を前記第2スクイズボードに対して相対的に移動させる盛枠シリンダと、
前記盛枠、前記第2スクイズボード及び前記盛枠シリンダを一体的に移動させるスクイズシリンダと、
前記盛枠シリンダ及び前記スクイズシリンダを制御する制御部と、
前記盛枠シリンダのストローク長を所定の長さに制限するストッパ部と、
を備える抜枠造型機。 - 前記ストッパ部は、
第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部が前記盛枠に固定され、前記盛枠シリンダを支持するフレームに形成された貫通孔に挿入される棒状部材と、
前記棒状部材の前記第2端部に取り付けられ、前記盛枠が前記フレームから離間する方向に移動したときに前記フレームに突き当てられる当接部材と、
を有する、請求項12に記載の抜枠造型機。 - 前記盛枠が前記フレームに最も近接する最近接位置に位置したときにおける前記フレームから前記棒状部材の前記当接部材までの長さは、前記盛枠シリンダのストローク長よりも短い、請求項13に記載の抜枠造型機。
- 前記盛枠シリンダはエアシリンダである、請求項12〜14の何れか一項に記載の抜枠造型機。
- 前記制御部に接続され、前記盛枠シリンダが前記所定の長さまで伸びたことを検出する位置検出センサを備える、請求項12〜15の何れか一項に記載の抜枠造型機。
- 前記第1スクイズボードにおける前記マッチプレートに対向する主面に取り付けられるスペーサ部材を備える、請求項12〜16の何れか一項に記載の抜枠造型機。
- 前記スペーサ部材の材料は樹脂である、請求項17に記載の抜枠造型機。
- 前記スペーサ部材は、前記第1スクイズボードにネジによって固定される、請求項17又は18に記載の抜枠造型機。
- 前記スペーサ部材は、前記スペーサ部材は、前記第1スクイズボードに設けられたライナ取り付け用のネジ穴を利用して前記第1スクイズボードに固定される、請求項19に記載の抜枠造型機。
- 前記制御部に接続され、前記盛枠シリンダのストローク長を制限せずに造型する第1モードと、前記ストッパ部により前記盛枠シリンダのストローク長が制限された状態で造型する第2モードと、の何れかを選択可能な入力部を備える、請求項12〜20の何れか一項に記載の抜枠造型機。
- 前記第2モードは、前記第1スクイズボードにおける前記マッチプレートに対向する主面に取り付けられるスペーサ部材をさらに用いて造型する、請求項21に記載の抜枠造型機。
- 上鋳枠と、
前記上鋳枠とともにマッチプレートを狭持可能な下鋳枠と、
前記下鋳枠に連結可能な盛枠と、
前記上鋳枠に入出可能な第1スクイズボードと、
前記盛枠に入出可能な第2スクイズボードと、
前記盛枠を前記第2スクイズボードに対して相対的に移動させる盛枠シリンダと、
前記盛枠、前記第2スクイズボード及び前記盛枠シリンダを一体的に移動させるスクイズシリンダと、
前記盛枠シリンダ及び前記スクイズシリンダを制御する制御部と、
前記制御部に接続され、前記盛枠シリンダが第1長さまで伸びたことを検出する第1位置検出センサと、
前記制御部に接続され、前記盛枠シリンダが前記第1長さよりも短い第2長さまで伸びたことを検出する第2位置検出センサと、
を備え、
前記制御部は、前記第1位置検出センサの検出結果に基づいて前記第1長さまで伸びるように前記盛枠シリンダを動作させる第1動作モードと、前記第2位置検出センサの検出結果に基づいて前記第2長さまで伸びるように前記盛枠シリンダを動作させる第2動作モードと、を切り替え可能に構成される、
抜枠造型機。 - 抜枠造型機の鋳型高さ変更方法であって、
前記抜枠造型機は、
上鋳枠と、
前記上鋳枠とともにマッチプレートを狭持可能な下鋳枠と、
前記下鋳枠に連結可能な盛枠と、
前記上鋳枠に入出可能な第1スクイズボードと、
前記盛枠に入出可能な第2スクイズボードと、
前記盛枠を前記第2スクイズボードに対して相対的に移動させる第1盛枠シリンダと、
前記盛枠、前記第2スクイズボード及び前記盛枠シリンダを一体的に移動させるスクイズシリンダと、
を有し、
前記鋳型高さ変更方法は、
前記第1盛枠シリンダのストローク長とは異なるストローク長を有する第2盛枠シリンダを用意するステップと、
前記第1盛枠シリンダと前記第2盛枠シリンダとを交換するステップと、
を有する、鋳型高さ変更方法。 - 抜枠造型機の鋳型高さ変更方法であって、
前記抜枠造型機は、
上鋳枠と、
前記上鋳枠とともにマッチプレートを狭持可能な下鋳枠と、
前記下鋳枠に連結可能な盛枠と、
前記上鋳枠に入出可能な第1スクイズボードと、
前記盛枠に入出可能な第2スクイズボードと、
前記盛枠を前記第2スクイズボードに対して相対的に移動させる第1盛枠シリンダと、
前記盛枠、前記第2スクイズボード及び前記盛枠シリンダを一体的に移動させるスクイズシリンダと、
を有し、
前記鋳型高さ変更方法は、
前記第1スクイズボードにおける前記マッチプレートに対向する主面にスペーサ部材を取り付けるステップ、前記第1スクイズボードにおける前記マッチプレートに対向する主面の反対側の主面にスペーサ部材を取り付けるステップ、及び、前記第1スクイズボードと前記第1スクイズボードの厚さとは異なる厚さを有する第3スクイズボードとを交換するステップの何れか1つのステップを有する、鋳型高さ変更方法。
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