JP6855188B2 - 外装下地構造の施工方法、及び外装下地構造 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、金属製下地材(デッキプレート)の上層に断熱材22を配設固定し、該断熱材22上に防水シート7を配した構成が記載されている。
また、特許文献2には、金属製屋根材(折板6)の凹部6bを埋める断熱・防音材8を配し、その上面に防水層(外囲体20)を形成した構成が記載されている。
そして、隣り合う山部間を覆う面板部を有するカバー部材を配設しているので、正荷重に対する強度も高い。特に垂下される側脚部の上端に位置する隅部が、下地構成材のL字状片を受支しているため、下地構成材にかかる正荷重も、隅部を介してカバー材が負担するため、耐久強度もより高いものである。その上層に断熱層と防水層とを形成して安定に外装仕上げ(防水構造)を構築することができるものである。
本発明に用いる下地構成材は、躯体である鉄骨等に配されるが、該躯体は鉄骨(梁、母屋)に限定されるものではなく、RC等であってもよく、敷設、固定可能なものであればよい。また、この下地構成材は、後述する図示実施例のように躯体等に支持部材を介して取り付けられるものでもよく、主に金属製の外装材(屋根材)として用いられる多種のものを流用してもよい。より具体的には、平坦状の底面部(谷部)の両端が立ち上げられ、隣り合う縦葺き外装材間の側縁部(山部)を接続してなる構成が広く知られているが、施工状態で山部及び谷部が交互に形成されるものであって、谷部である底面部の側端を立ち上げた立ち上げ部から外側に延在させた重合部が設けられ、その先端には下向きに、続いて折返し状に折り曲げたL字状片を有するものであれば、特に限定するものではなく、例えば一枚の外装材に二つ以上の谷部を有するものでもよい。また、隣り合う下地構成材同士の接続は、カバー材(キャップ材)や支持部材を用いて行うものでも直接的に側縁部同士を連結するものでも良い。
なお、雪や雨の降り込みが懸念される地域の施工においては、少なくとも面板部の表面に保護シート等を添設した状態で敷設し、後述する第2の工程の直前に保護シート等を剥がすことが望ましい。
また、この側脚部の下端が谷部に当接する場合には、面板部に作用する正荷重をこの側脚部が支える強度を有するものとなり、その上層に配する防水層等の作業に際して作業者がその防水層を踏むことがあっても凹むことがない。
特に後述する図示実施例のように鉛直状に立設させた側脚部や下地構成材に係合状に沿う側脚部とした場合には、その支持強度が高いため、その上層に配する防水層等の作業に際して作業者がその防水層を踏むことがあっても凹むことがない。
前述のようにカバー部材は、略平坦状の面板部の両端縁を隣り合う山部間に架け渡すものでも、少なくとも一方に側脚部を有するものでもよく、下地構成材の山部間を覆う、即ち谷部を覆うように配設するが、上方から山部間に対して容易に配設することができる。
この断熱材としては、主に合成樹脂製の成形板が用いられるが、ガラス繊維板、木毛、木片、木繊維セメント板、セメント板と合成樹脂板等を積層した複合板であってもよい。
なお、谷部内にその一部が位置するものでもよく、即ち略均一厚みのボード状に限定される部分的に膨出状部分を有する構成でもよいし、複数の断熱材からなるものでもよい。
ここで用いる防水シートとしては、各種の合成樹脂シートやゴムシートなどが広く用いられており、例えば塩ビ系(ポリ塩化ビニル(PVC)製)の防水シートは、熱風溶接機などで容易に熱融着して接合できるため、施工性に優れたものである。なお、この塩ビ等の樹脂層に不織布(フェルト層)やポリクロス、ガラス繊維基布等の芯体又は補強体を積層した複合防水シートを用いてもよい。これらの複合防水シートは、平面方向に対する伸縮変形(寸法変化)が殆ど無く、物理的応力、特に平面方向の引伸及び厚み方向の圧縮に対する耐性が高いという利点がある。
また、カバー部材の配設により、正荷重に対する強度も高くなるので、その上層に断熱層と防水層とを形成した外装下地構造は、安定に且つ強固に取り付けられたものである。
この下地構成材1の配設状態では、底面部11及び左右の立ち上げ部12,15の下半が谷部10Aを形成し、隣り合う下地構成材1の被重合部14に、重合部16がオーバーハング状に重合してビス打ち(ビス1b)を行って山部10Bの頂部を形成している。
この保持部材6は、図1(d)に示すように下方が開放する上係合部61を有する上部材6aと上方が開放する下係合部62を有する下部材6bとが前記支持部材4Bの横片部にボルト6c、ナット6dにて取り付けられている。
そのため、前記下地構成材1の被保持部121は、前記保持部材6に保持されるが、より詳しくは保持部材6の上係合部61に被保持部の上部分121cが係合され、下係合部62に下部分121aが係合され、下部材6bの傾斜片に被保持部121の中部分121bが当接される状態で安定に保持される。
このカバー部材2の配設状態では、面板部21の左右の側脚部22,24が谷部10A内に配置され、右側の側脚部22の下端(接地部221)は底面部11上に沿い、左側の側脚部24は立ち上げ部15に沿ってその下端は底面部11上に接地されるので、面板部21に正荷重がかかってもこれらの側脚部22,24が支える強度を有するため、その上層の作業に際して作業者がその防水層を踏むことがあっても凹むことがない。
そして、このカバー部材2を取り付けた状態では、前述のように前記下地構成材1の重合部16の先端がカバー部材2の隅部23に嵌合状に支持されるので、重合部16の下方への折れ曲がりが防止させる。
そのため、下地構成材1の谷部10Aにゴミ等の侵入、或いは雪や雨の降り込みを防止でき、気象、気候条件に左右されずに表面が略平坦状の下地構造を容易に施工することができる。
前記断熱層5は、下地構造の上層に敷設されるものであって、前記山部10B及び前記カバー材2の面板部21の上に板状断熱材5を配して形成される。この板状断熱材5は、前記下地構造に形成される複数の山部10B、カバー材2の面板部21に亘って配設される合成樹脂製の成形板である。
前記防水層7は、第1層目の防水シート8の上に固定板9aを配すると共に固着具9bを打ち込み、その下端を前記重合部16及び被重合部14に到達させて固定し、それを覆うように第2層目の防水シート8を積層状に敷設して形成される。
即ち前記図1の第1実施例では、山部10B,10B間隔が相対的に短く、重合部16が被重合部14から長く突出しているのに対し、この図3の第2実施例では、山部10B',10B'間隔が相対的に長く、重合部16と被重合部14とが近接して重合部16のL字状片161が被重合部14の下向き片141を包持するように臨んでいる。
このカバー部材2'の面板部21'は、前述のように相対的に長い山部10B',10B'間隔に応じて前記第1実施例の面板部21よりも長く形成されている。
また、前記側脚部25は、略直角状の隅部26を介して面板部21'から略鉛直状に下方に延在し、更にその下端を内側へ傾斜状に折り下げて下端には内側へ折り曲げられた接地部251が設けられている。それに対し、面板部21'の左側の端縁は、重合部16上に沿い、被重合部14と重合する部分でビス打ち(ビス2b)を行って山部10B'に固定されている。
そして、このカバー部材2'を取り付けてビス2bを打ち込んで固定した状態では、前述のように前記下地構成材1の重合部16の先端がカバー部材2'の隅部26に嵌合状に支持されるので、重合部16の下方への折れ曲がりが防止させる。
そのため、下地構成材1の谷部10Aにゴミ等の侵入、或いは雪や雨の降り込みを防止でき、気象、気候条件に左右されずに表面が略平坦状の下地構造を容易に施工することができる。
10A 谷部
10B 山部
11 底面部)
12 立ち上げ部
14 被重合部
15 立ち上げ部
16 重合部
2,2' カバー部材
21,21' 面板部
22 側脚部
23 隅部
24 側脚部
25 側脚部
26 隅部
3 躯体
4 支持部材
5 断熱材
6 保持部材
7 防水層
8 防水シート
9 固着具
Claims (4)
- 躯体上に谷部、山部が交互に表れる下地構成材を敷設する第1の工程と、
敷設状態で隣り合う山部間を覆う面板部を有するカバー部材を配設することで略平坦状とする第2の工程と、からなり、
前記下地構成材は、谷部である底面部の側端を立ち上げた立ち上げ部から外側に延在させた重合部が設けられ、その先端には下向きに、続いて折返し状に折り曲げたL字状片を有し、
前記カバー部材は、面板部の側縁から隅部を介して垂下される側脚部を有し、
前記第2の工程において、前記カバー部材の隅部が、前記下地構成材のL字状片を受支するように配設させたことを特徴とする外装下地構造の施工方法。 - カバー部材は、面板部の少なくとも一方の側縁から下方に延在して敷設状態で谷部に当接する下端を備える側脚部を有することを特徴とする請求項1に記載の外装下地構造の施工方法。
- 下地構成材は、谷部と谷部側縁に内側に延出する略平坦状の被重合部、外側に延出する重合部を有し、隣り合う下地構成材同士は当該被重合部及び重合部を重合させて山部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の外装下地構造の施工方法。
- その上層に断熱層と防水層とを形成して外装仕上げを構築する外装下地構造であって、
敷設状態で谷部、山部が交互に表れる下地構成材と、同敷設状態で隣り合う山部間を覆う面板部を有するカバー部材と、を配設することで略平坦状となり、
前記下地構成材は、谷部である底面部の側端を立ち上げた立ち上げ部から外側に延在させた重合部が設けられ、その先端には下向きに、続いて折返し状に折り曲げたL字状片を有し、
前記カバー部材は、面板部の側縁から隅部を介して垂下される側脚部を有し、
前記カバー部材の隅部が、前記下地構成材のL字状片を受支することを特徴とする外装下地構造。
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