JP2002095348A - 屋根緑化構造 - Google Patents

屋根緑化構造

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JP2002095348A
JP2002095348A JP2001214921A JP2001214921A JP2002095348A JP 2002095348 A JP2002095348 A JP 2002095348A JP 2001214921 A JP2001214921 A JP 2001214921A JP 2001214921 A JP2001214921 A JP 2001214921A JP 2002095348 A JP2002095348 A JP 2002095348A
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groove
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water
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Noboru Yamasaka
昇 山坂
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Gantan Beauty Industry Co Ltd
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    • Y02B80/32Roof garden systems

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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Building Environments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新築並びに既設の屋根に適用することがで
き、各種の植物の生育にも好適であり、より詳しくは屋
根面の耐久性を損なうことがなく、しかも保温性が高
く、植生する植物に応じて優れた植裁環境を与えること
ができる屋根緑化構造を提案する。 【解決手段】 屋根面を被覆するように断熱材8を敷設
して断熱層80を形成し、該断熱層80上に植裁装置7
を配設してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新築並びに既設の
屋根に適用することができ、各種の植物の生育にも好適
であり、より詳しくは屋根面の耐久性を損なうことがな
く、しかも保温性が高く、植生する植物に応じて優れた
植裁環境を与えることができる屋根緑化構造に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境の向上を意図して、建築物の屋
上或いは屋根上に各種の植物類を植裁して緑化を行う建
造物が多数存在する。例えば折板屋根上に複数のプラン
ター等を配置することで屋根上緑化を行うものが製品化
されている。また、屋根面全面を覆うような大型の植裁
装置を配設する構造も製品化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
構造では、何れも屋根面に直接的にプランターやその他
の植裁装置が配設されているので、太陽の輻射熱を受け
た土壌から屋根面に熱が逃げるために、保温性が悪く、
植裁環境としては好ましくなかった。また、通常屋根面
は、雨水等が速やかに排水されるように設計されている
にもかかわらず、プランター内や植裁装置内の土壌が保
水して湿潤状態、或いは高湿度状態で屋根面に接触して
いることになるため、漏水や金具の腐食等を生じ易いも
のであった。さらに、十分に降雨が生じない場合には灌
水設備を付帯させて灌水を行う必要があるが、植物には
好適な操作であっても屋根面の耐久性を損なう条件を付
与するものであった。尚、多くの植物は、適切な水分の
供給を必要としており、過剰に水分を供給しても、或い
は十分に水分が供給されなくても、良好な生育が行われ
なくなる。そのため、降雨量が不足する場合には例えば
前述のように適量の灌水を行う灌水設備が必要となる
し、降雨量が過剰となる場合には過剰量の雨水を速やか
に排水できる排水構造が必要となる。このような必要性
に応じて、土壌と屋根面との間に凹状(谷状)の空間を
形成し、過剰な水分を該空間により排水する構造のもの
や、窪み状の空間を形成し、雨水を該空間に貯水して乾
燥時における水分供給に利用しようとする構造のものも
提案されている。しかし、これらの方法は、何れも屋根
材を特定形状に加工するものであって、既設の屋根に適
用できないし、屋根材の加工不良等を生じた場合には漏
水等の事故を生じてしまうし、そもそも金属製の屋根材
上に水分を導くことになるから、当初は所定の目的を果
たせたとしても経年の後には漏水や金具の腐食等を招き
易いものであった。また、特に屋根面に部分的にプラン
ターを配置する構造では、プランターが配置されない屋
根部分は金属色であって、プランターとの意匠が同化し
難く、外観上の見映えが良くなかった。さらに、雨水が
土壌の一部を流出させて降雨後に屋根面を汚すことがあ
った。一方、気象条件の厳しい場所に生息するセダム類
等の一部の植物では、他の植物と同程度の水分を与えて
も生育できるが、水分の供給はむしろ虚弱になってしま
い、基本的に殆ど水分を与えない方が長持ちすることが
知られている。そのため、このような植物の植生におい
ては、生育上、元来の植生環境に近似するような乾燥状
態を得られる構造が望まれていた。そこで、本発明は、
新築は勿論、既設のどのような形状の屋根面に対しても
適用することができ、屋根面の耐久性を損なうことがな
く、しかも保温性が高く、植生する植物に応じて優れた
植裁環境を与える屋根緑化構造を提案することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記実状に鑑み
提案されたもので、屋根面を被覆するように断熱材を敷
設して断熱層を形成し、該断熱層上に植裁装置を配設し
てなることを特徴とする屋根緑化構造に関するものであ
る。
【0005】また、前記屋根緑化構造を構成する断熱材
は、非透水性部材から構成されることが望ましい。さら
に、前記断熱層は、降雨量が過剰となる場合に備えて排
水手段を有すること、或いは降雨量が不足する場合に備
えて保水手段を有することが望ましく、その両方の手段
を備えていても良い。また、前記セダム類等のように基
本的に殆ど水分を与えない方が長持ちする植物の植生に
おいては、乾燥状態を得られる構造とするために、断熱
層は通気手段をを有することが望ましい。
【0006】この本発明の屋根緑化構造は、新築は勿
論、既設の屋根にも適用することができるものであり、
即ち屋根面の構成について何等限定するものではない
が、後述する図示実施例のように、支持強度並びに面強
度が高く、雨仕舞い性に優れた屋根構造が望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に示す本発明の第1の実施例
では、断熱層80及び植裁装置7を取り付ける取付対象
面である屋根面が、H型鋼等の下地4上に固定されたタ
イトフレーム等の支持部材3に配置、固定された保持部
材2に、外装材1を保持した構成の縦葺き屋根である
が、前述のように屋根面としては、特にこれに限定する
ものではない。
【0008】本発明の断熱層80を構成する断熱材8
は、図示実施例のように単一部材からなるものが望まし
いが、2種以上の部材、或いは防水(止水)材や耐火材
等を積層してなる構成でも良い。単一部材からなる断熱
材8としては、主に比較的硬質の発泡ポリスチレン、発
泡ポリウレタン等の発泡(独立発泡)樹脂からなる公知
の非透水性部材が望ましく、積層材料としては、少なく
とも最裏面側に非透水性部材が積層された構成が望まし
く、例えば表面側には吸水(保水)可能な発泡(連続発
泡)樹脂材を、裏面側には非透水性の発泡樹脂材を積層
した構成でも良い。このように断熱材8に非透水性を持
たせることにより、屋根面への水分の接触を防止でき
る。尚、断熱材8を透水性材料とし、その上面に防水材
を積層した場合も同様の効果を得られるが、後述する第
2の実施例のように断熱材8に排水手段や保水手段を付
帯させる構成において支障を生ずるので、断熱材8が非
透水性材料からなることが望ましい。
【0009】断熱層80の上に配設される植裁装置7
は、その土壌構成も植物類も何等限定するものではな
く、図示実施例では防根シート71の上に植裁基盤マッ
ト72が配され、地被植物(セダム類)73が植裁され
た構成としたが、公知のどのような構成のものもどのよ
うな植物をも用いることができ、通常は屋根面全面に敷
設された断熱層80の全面に配設するが、部分的に配設
するようにしても良い。例えば適切な水分の供給を必要
とする多くの植物を植裁する場合には、保水性(吸水保
持性)に優れた植裁基盤マット72或いは土壌を用いれ
ばよいし、或いは乾燥状態を好むセダム類などを植裁す
る場合には、排水性(透水性)に優れた植裁基盤マット
72或いは土壌を用いればよい。
【0010】図1及び図2に示す第1の実施例におい
て、断熱材8は、裏面側の右側方に厚肉部分81が設け
られ、左右の端面(側方被重合部83及び側方重合部8
4)は段状に成形され、重合可能である。さらに、表面
側の左右端には、それぞれ略半円状の窪み部分が形成さ
れ、その配設状態において略円形状の凹部82を形成す
る構成であり、該凹部82には、隣接する断熱材8,8
に跨って略円形状の固定ディスク60が遊嵌状に取り付
けられ、この固定ディスク60から固定具61を打ち込
んで、屋根面の被固定部aへ到達させることにより、断
熱材8を屋根面に固定する構成である。また、図示実施
例の屋根面は、被固定部aを有する隆起部Aを備える構
成であり、断熱材8は、その裏面側に、屋根面の隆起部
Aに応じて凹状又は凸状等の形状に設定されたずれ止め
部Bを設けた構成とした。これらを含めた断熱材8の形
状構成については特に限定するものではなく、例えば断
面が略矩形状でも良いし、後述する第2、第3の実施例
にて詳述するように表面或いは裏面に適宜目的にて凹凸
を形成しても良い。また、左右の端面も段状に限定する
ものではなく、突き合わせ状に成形しても良い。
【0011】また、この第1の実施例における屋根面
は、前述のようにH型鋼等の下地4上に固定されたタイ
トフレーム等の支持部材3に配置、固定された保持部材
2に、外装材1を保持した構成の縦葺き屋根である。
尚、この縦葺き屋根は、そのまま横葺き屋根(その場合
図面右側が棟側、左側が軒側になるように施工する)に
適用できる。以下、この縦葺き屋根を構成する各部材、
並びにその施工手順について説明する。
【0012】外装材1は、図7(a)に示すように略水
平状の略中央部分11の両端縁に略傾斜状の立ち上がり
部12,12を有する構成であり、一方(右側)の立ち
上がり部12には、右側下方へ、次に右側上方へ、さら
に左側下方へ屈曲させることにより、略V字状に成形さ
れた第1被係合部121、斜面部122、略逆V字状に
成形された第2被係合部123が下方からその順に形成
され、略C字状の被くわえ込み部が形成されている。ま
た、第2被係合部123の左側には排水溝13が延設さ
れ、さらにその左側には先端が下方へ折曲された略水平
状の被重合部14が延設されている。また、他方(左
側)の立ち上がり部12の上端左側には、施工状態にお
いて左側に隣接する外装材1の前記くわえ込み部を覆う
略水平片状の重合部15が延設され、その先端は下方へ
折曲されている。また、この外装材1は、特にその素材
を限定するものではない。代表的には概ね0.4〜1.
6mm程度の表面化粧鋼板、ステンレス鋼板、ラミネー
ト鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防
錆処理鋼板、特殊鋼及び非鉄金属、アルミ合金板、鉛
板、亜鉛板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材を
ロール成形やプレス成形、その他の手段で所定の形状に
成形する。特に、面としての正負圧強度等を確保するた
めに約0.8〜1.6mm程度の比較的厚い板厚が好ま
しい。さらに、外装材1の裏面には、結露防止、防音、
防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフ
ォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装しても
良い。
【0013】保持部材2は、図7(b)及び(d)に示
すように略√字状の下片21と略L字状の上片22との
端部がヒンジ状に連結され、下片21の側端(下端)に
はV字状の下顎部211が、上片22の側端には逆U字
状の上顎部221が形成され、下片21及び上片22の
各水平片部分の中央にはボルト23(ナット24)等の
通孔25が形成され、密着状に接合可能である。この保
持部材2では、下片21に対して上片22が回動可能で
あり、即ち下顎部211に対して上顎部221が回動可
能に構成されている。そして、下顎部211は上向き
の、上顎部221は下向きの係止片を備えており、しか
もこれらが対向状に配置、固定されることにより、外装
材1の被くわえ込み部を上下からくわえ込むように係止
することができる。この保持部材2は、特にその素材を
限定するものではなく、例えば前記外装材1の大きさ、
強度等に応じて通常0.6乃至3.2mm程度のステン
レス鋼板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成型さ
れるが、アルミニウム押出形材を用いることもある。
【0014】また、前記保持部材2は、H型鋼等の下地
4上に固定されたタイトフレーム等の支持部材3に配
置、固定されている。この支持部材3は、図7(c)に
示すように略水平状の固定受部31の左右に下り傾斜す
る傾斜脚部32,32を備え、各傾斜脚部32の下端に
は下地4に沿う固定部33を備える構成であって、この
支持部材3の固定受部31及び傾斜脚部32に密着する
ように保持部材2の下片21が固定される。尚、図示実
施例の固定受部31の裏面には予め溶接等によりナット
24を固定しておき、ボルト23にて一体に固定される
構成である。さらに、この支持部材3を固定する下地4
は、梁や母屋、胴縁等の鉄骨躯体が一般的であるが、こ
れに限定されるものではない。例えば木毛セメント板、
木片セメント板、軽量気泡コンクリート板等の下地材を
前記鉄骨躯体上に敷設する構成でも良いし、コンクリー
ト造の躯体上に鉄骨や木材の小屋組をする構成もある
し、下地調整されたコンクリート面に直接支持部材3を
取り付けても良い。したがって、下地4としては、釘、
ビス、アンカー、溶接、接着剤等の固着手段によって前
記支持部材3が取付可能な全ての建築躯体をいい、前記
躯体上に建築の所望性能上要求されるボード等を介在さ
せた全ての下地を含むものである。
【0015】このような各部材からなる屋根を施工する
手順を以下に示す。まず下地4上に支持部材3を固定
し、この支持部材3の固定受部31に前記保持部材2の
下片21の水平片部分を沿わせて溶着して固定する。ま
た、予め支持部材3に保持部材2の下片21を接着剤或
いはボルト・ナット等により固定しておいても良い。こ
うして外装材1の配設以前に下顎部211が下地4上に
配置、固定した状態となる。
【0016】次に、外装材1を配設(敷設)するのであ
るが、第1被係合部121が下顎部211に係合するよ
うに配設する。この時点で保持部材2の上片22は回動
可能であるから、上片22を浮かせた状態に回動させて
外装材1を配設するようにしても良い。この状態で正荷
重等により、傾斜面部12をずり下げようとする応力が
作用しても第1被係合部121と下顎部211との係合
により、少なくとも外装材1の左右方向のずれ動きが防
止される。
【0017】続いて、外装材1の第2被係合部123を
上顎部221が上方から押さえつけるように上片22を
回動させ、その水平片部分を下片21の水平片部分に密
着状に接合させてボルト23及びナット24にて一体に
固定する。この状態では、外装材1の被くわえ込み部
を、保持部材2の下顎部211及び上顎部221によ
り、上下方向から挟圧状に保持している、即ち上下から
くわえ込んでいるので、上下方向及び左右方向に応力が
作用してもずれ動いたり外れたりすることなく極めて強
固に保持されている。前後方向の伸縮によるずれ動きも
抑制される。また、ボルト23及びナット24は、外装
面の内側に配置され、直接風雨に曝されることがないの
で、従来のビス止めのように経年の後に腐食等して劣化
することがない。
【0018】その後、外装材1の他方の立ち上がり部1
2に延設した重合部15を、左側に隣接する外装材1の
前記くわえ込み部(下顎部211及び上顎部221)を
覆うように配設すると共に、左側に隣接する外装材1の
一方の立ち上がり部12に延設した被重合部14に重合
させてビス止め(ビス16)固定する。
【0019】したがって、このように施工される屋根面
の隆起部Aとは、より具体的には外装材1の、図面では
左側の略傾斜状の立ち上がり部12と、先端が下方へ折
曲されている略水平片状の重合部15とで形成される山
状部分を指し、被固定部aとは、排水溝13の左側の被
重合部14と重合部15との重合部分を指す。これに対
する断熱材8のずれ止め部Bとは、より具体的には図面
では右側に設けられた下方へ隆起する厚肉部分81の略
鉛直状の右側面を指す。
【0020】このように施工された屋根面に前記断熱材
8及び植裁装置7を敷設する施工手順を以下に示す。ま
ず、前述のように外装材1の左側の略傾斜状の立ち上が
り部12と、先端が下方へ折曲されている略水平片状の
重合部15とで形成される山状部分を隆起部Aとし、こ
の隆起部Aに対して、前記断熱材8の裏面側に設けられ
たずれ止め部Bを当接させる。
【0021】さらにその左側へ断熱材8を配設した後、
形成された凹部82に固定ディスク60を取り付け、こ
の固定ディスク60から被固定部aへ固定具61を打ち
込んで、断熱材8を屋根面の被固定部aに固定する。固
定ディスク60は、隣接する断熱材8,8に跨って取り
付けられているので、隣接する断熱材8,8を連結する
作用も果たす。尚、凹部82及び固定ディスク60を長
さ方向に連続するものとした場合、この固定ディスク6
0は、断熱材8,8の接続部分への浸水を防止する作用
も期待できるものとなる。
【0022】その後、屋根面を覆うように敷設された断
熱層80上に、植裁装置7を配設すれば良く、選定した
植裁装置7の構成に応じて適宜に施工すれば良い。
【0023】こうして施工された第1の実施例の屋根緑
化装置では、屋根面と植裁装置7との間に断熱層80が
形成されているので、保温性が高く、太陽の輻射熱を受
けた土壌から熱が逃げ難くなり、植裁環境としては好ま
しいものとなる。また、断熱層80が、屋根面と水分と
の接触を防止し、屋根面を保護する作用を果たすので、
屋根面の耐久性を損なうことがない。さらに、屋根面構
成を限定するものではないので、新築は勿論、既設の屋
根にも適用することができる。また、特に屋根面に部分
的に植裁装置7を配設しても、植裁装置7が配設されな
い部分は断熱材8が露出するに過ぎないので、植裁装置
7との意匠が同化し易く、外観上の見映えも悪くなかっ
た。さらに、雨水が土壌の一部を流出させても汚れが見
えにくかった。加えて断熱層80は、前述のように植裁
装置7に対する断熱、保温効果に加えて屋根面、即ち屋
根内部に対する断熱、保温効果もある。したがって、新
築の屋根においては、通常屋根面を構成する外装材の裏
面側に配される断熱材の厚みを低減したり、或いは省略
することもできる。
【0024】さらに、図示実施例では、屋根面の被固定
部aの位置が目視できなくても、断熱材8をスライドさ
せて規制部Bが隆起部Aに当接することで被固定部aの
位置を容易に特定することができるので、施工不良や欠
損部を生ずることがなく、作業効率よく断熱材8の取付
け施工を実施することができる。
【0025】また、図示実施例では、屋根面として前述
の構造を有する縦葺き屋根を採用したので、外装材1の
一方の立ち上がり部12(被くわえ込み部)が下顎部2
11及び上顎部221間にくわえ込まれて強固に保持さ
れ、極めて高い取付安定性が得られる。また、他方の立
ち上がり部12に延設された重合部15は、一方の立ち
上がり部12の上方で固定されているので、仮に固定具
61をつたって雨水が被固定部aである重合部15に至
り、さらに被重合部14を透過したとしても、一方の立
ち上がり部12上に導かれるので、屋根の内面への漏水
を生ずることがない。尚、重合部15と被重合部14と
の間から保水部材2側への浸水があったとしても排水溝
13により、それ以上の浸水が阻止される。
【0026】図3に示す第2の実施例においては、前記
第1の実施例と同様の縦葺き屋根を取付対象面(屋根
面)とし、植裁装置7についてもおおよそ同様である
が、断熱層80を形成する断熱材8には、表面側に雨水
等を貯留することができる凹状の保水部85Aが設けら
れ、裏面側にはその下面が外装材1の面板部11に当接
する支持突部86Aが設けられている。それ以外の構成
については、前記第1の実施例と同様であるから図面に
同一符号を付して説明を省略する。
【0027】この第2の実施例では、断熱層80(断熱
材8)の保水部85Aに雨水等を貯留することができる
ので、貯留された雨水等が蒸気となって上昇し、植裁装
置7の土壌(植物)に水分を与えることができ、降雨量
の不足する時期の灌水の使用頻度を少なく(灌水間隔を
長く)することができる。また、この断熱層80(断熱
材8)は、支持突部86Aが面板部11に載置(支持)
されるので、断熱材8が重合部15のみに載置(支持)
されていた前記第1の実施例に比べて設置安定性が高
く、正荷重に対する耐久強度もより高いものとなる。
【0028】尚、保水部85Aは、断熱材8の取り付け
に支障がない部分に形成され、雨水等が貯留できれば良
いもの(保水手段)であって、連続的に設けても、部分
的に複数設けても良く、例えば浅い凹部と深い凹部との
組み合わせでも良い。このような保水部85Aは、乾燥
状態を好むセダム類などを植裁する場合には不要である
が、適切な水分の供給を必要とする多くの植物を植裁す
る場合には極めて好適である。また、この保水部85A
に、その凹部形状を埋めるような形状の保水性を有する
断熱材を配するようにしても良い。この場合、見掛け
上、凹部が無くなり、均一な上面レベルとなるので、そ
の上層の植裁装置7の支持が確実に行えるものとなる。
また、支持突部86Aは、荷重等を支持できるのであれ
ば、特にその形状、数等を限定するものではなく、例え
ば後述する第3の実施例のように棟軒方向に適宜間隔で
複数並列状に設けても良いし、或いは棟軒方向に連続状
に設けるようにしても良い。さらに、これら第2,3の
実施例では棟軒方向に(略)2条の支持突部86Aを形
成したが、1つであっても良く、或いは(略)2条の支
持突部86Aが図示実施例よりも離間していても良い。
【0029】図4に示す第3の実施例においては、断熱
層80に保水手段ばかりでなく、排水手段をも設けた構
成であり、それ以外の構成については、前記第1、第2
の実施例と同様であるから図面に同一符号を付して説明
を省略する。即ちこの第3の実施例に用いた断熱材8の
表面側には、図5及び図6に示すように、前記第2の実
施例における保水部85Aの代わりに、僅かに傾斜して
ほぼ左右方向に沿う25本の横溝85Bが設けられ、各
横溝85Bは一方側(図面では手前側)が深く(横溝深
部851)、他方側(図面では奥側)が浅く(横溝浅部
852)形成されており、その段差には横溝浅部852
の底部よりはやや高い横溝隆状部853が設けられてい
る。尚、横溝深部851と横溝浅部852とでは、横溝
浅部852の方がより棟側(図面では右側)に位置し、
横溝深部851の方がより軒側(図面では左側)に位置
するように、横溝85Bは水平ではなく僅かに傾斜して
いる。また、棟軒方向に隣接する横溝85B,85Bの
横溝深部851,851は、その底部より高い縦溝85
Cにて連通しており、この縦溝85Cの配設位置は横溝
深部851における左右(図面では奥−手前)の交互に
位置するように形成され、さらに棟端及び軒端に至るよ
うに形成されている。さらに、各横溝深部851は、図
5(i)より明らかなように均一な深さではなく、棟側
(図面では右側)から軒側(図面では左側)に向かって
次第に浅くなるように形成され、それに伴って縦溝85
Cも棟側から軒側に向かって次第に浅くなるように形成
されている。さらに、断熱材8の表面には細かな傾斜溝
85Dが多数形成されいる。また、断熱材8の裏面側に
は、前記第2の実施例と同様に支持突部86Aが設けら
れ、さらに複数の突条86Bが設けられ、屋根面を構成
する外装材1との密着を防止している。尚、この図5及
び図6では、右側が棟側、左側が軒側を指し、手前側
(下側)が一方、奥側(上側)が他方を指す。
【0030】また、前記第1、第2の実施例と同様に断
熱材8の一方端には厚み方向の上半分が切除されて下半
分の側方被重合部83が設けられ、他方端には厚み方向
の下半分が切除されて上半分の側方重合部84が設けら
れているが、この第3の実施例ではこれらの各先端には
膨出部831,841を形成することにより、側方被重
合部83と側方重合部84とが係合状に重合する構成と
なっている。また、棟端にも厚み方向の上半分が切除さ
れて下半分の棟側被重合部87が設けられ、軒端には厚
み方向の下半分が切除されて上半分の軒側重合部88が
設けられ、これらの各先端には膨出部871,881を
形成することにより、棟側被重合部87と軒側重合部8
8とが係合状に重合する構成となっている。尚、側方被
重合部83は、棟側から軒側に向かって厚肉になるよう
に成形し、それに応じて側方重合部84は、棟側から軒
側に向かって薄肉になるように成形した。したがって、
左右方向に隣接する断熱材8,8の接続(重合)部分に
おいては、接続空間が棟側から軒側に向かって上り傾斜
するものとなる。
【0031】この第3の実施例では、断熱層80(断熱
材8)の横溝85B(横溝深部851、横溝浅部85
2)が前記第2の実施例における保水部85Aと同様に
雨水等を貯留することができるので、降雨量の不足する
時期の灌水の頻度を少なく(灌水間隔を長く)すること
ができる。また、過剰な雨水が供給された場合、植裁装
置7を透過した雨水は、直接横溝85Bへ、或いは傾斜
溝85Dを介して横溝85Bへ導かれる。棟軒方向に隣
接する横溝深部851では、棟側の横溝深部851が雨
水を貯留し、この横溝深部851の容量を超える(縦溝
85Cの高さまで貯留される)と、縦溝85Cを流下し
て軒側の横溝深部851へ流下する。このような流下を
繰り返して棟側から軒側へ雨水を貯留しつつ余分な雨水
を軒側へ排出するのである。その際、縦溝85Cは、横
溝深部851における左右(図面では奥−手前)の交互
に位置するように形成されているので、超えた雨水は、
概略的には棟側(図面右側)から軒(左側)へ向かって
断面線Dのようにジグザグに排水されて、棟軒方向の接
続(重合)部分に至る。その際、前述のように棟側に位
置する横溝深部851は軒側に位置する横溝深部851
よりも深く形成されているので、棟側の横溝深部851
の方が多くの雨水を貯留できる。さらに、例えばフラッ
トに形成した場合には雨水は屋根面の傾斜勾配に沿って
速く流下するが、このように棟側の横溝深部851の方
を深くすることにより、雨水の流下速度を緩和する作用
も果たす。同様に左右に隣接する断熱材8,8の接続空
間に至った雨水も棟側から軒側に向かって排水される
が、棟側から軒側に向かって上り傾斜しているので、流
下速度が緩和されながら流下するものとなる。このよう
に過剰な雨水が供給されても、適当量の雨水を確保しつ
つ過剰量の雨水を排水することができる。尚、この例の
横溝85B,85C内にも、保水性を有する断熱材を配
するようにしても良い。この場合、前述のようにその凹
部形状を埋めるような形状の断熱材を配した場合には、
均一な上面レベルが得られ、その上層の植裁装置7の支
持安定性が向上するが、その凹部形状を埋めるような形
状でなくても保水性の向上に貢献するものとなる。
【0032】図8に示す第4の実施例は、断熱層80に
流れ方向に沿う溝、即ち縦溝85Eを設けた構成である
が、この縦溝85Eは通気溝(通気手段)である以外の
構成については、前記第1〜第3の実施例と同様である
から同一符号を付して説明を省略する。また、これら縦
溝85Eを連絡する横溝85Fも設けられているが、こ
の横溝85Fも通気溝(通気手段)である。尚、これら
通気溝85E,85Fは雨水の排水手段としても利用で
きる。このような通気溝85E,85Fは、空気の導
入、流通、排出を行うことにより、植裁装置7(特に植
裁基盤マット72或いは土壌)の乾燥を促進するので、
乾燥状態を好むセダム類などの植裁に好適である。即ち
前述のようにセダム類を植裁する場合には、排水性に優
れた植裁基盤マット72或いは土壌を用いることが望ま
しいが、このような排水性に優れた植裁基盤マット72
や土壌は、湿潤状態となることがなく、即ち雨水を殆ど
吸水保持(保水)することなく浸透させ、通気溝85
E,85Fより速やかに排水することができ、しかも仮
に微量の水分が植裁基盤マット72や土壌に残存したと
しても通気溝85E,85Fにより乾燥され易いので、
セダム類などを、乾燥状態にて生育させることができ
る。さらに、このような通気溝(通気手段)を設ける断
熱材8は、前述の第1〜第3の実施例と同様に非透水性
部材であっても良いし、透水性の部材であっても良く、
この場合、速やかに水を下方へ浸透、透過させてその下
方の屋根面で排水する。したがって、保水性を有しない
透水性部材が望ましい。
【0033】図9に示す第5の実施例は、前記第1の実
施例と同様に断熱層80を構成する断熱材8は略一定厚
みであるが、その表面には前記第4の実施例と同様に通
気溝である縦溝85Eが形成され、その下面側には、上
記断熱層80を支持する架台(スペーサ)9A,9Bが
配されている以外の構成については、前記第1〜第4の
実施例と同様であるから同一符号を付して説明を省略す
る。このような架台(スペーサ)9A,9Bは通常前記
断熱材8と同一素材で成形され、二部材から構成される
断熱材と実質的に見なすこともできるが、他の断熱素材
或いは別素材からなるものでも良い。また、この架台
(スペーサ)9A,9Bは、長尺材でも良いし、適宜長
さのピース材でも良い。
【0034】図10に示す第6の実施例も、断熱層80
を構成する断熱材8は略一定厚みであるが、左右幅が2
倍程度で、図11に示すように略正方形状の平面形状を
有する以外の構成については、前記第1〜第3の実施例
と同様であるから同一符号を付して説明を省略する。
尚、図11では上側が棟側、下側が軒側を示す。この実
施例における断熱材8の表面には、前記第4の実施例と
同様に通気溝であって多数の縦溝85G及び横溝85H
が形成されている。また、その下面側には、前記第5の
実施例と同様に断熱層80を支持する架台(スペーサ)
9Aが配されている。さらに、断熱材8の左右端の構成
(側方被重合部83及び側方重合部84)、及び棟軒端
の構成(棟側被重合部87及び軒側重合部88)につい
ては、前記第3の実施例と同様である。尚、この断熱材
8の取り付けは、略中央部分に形成した取付孔89に、
外装材1の被固定部aから上方へ延在させた固定具63
を挿通させ、固定用ディスク62、ナット64を取り付
けて固定する構成とした。したがって、この実施例にお
ける断熱層80には、左右棟軒方向に隣接する断熱材8
に亘り、棟軒方向及び左右方向に通気溝85G,85H
が連通しており、全表面に亘って均一な排水性及び通気
性が得られるものとなる。
【0035】前述のように断熱材8の形状構成について
は特に限定するものではなく、例えば前記第2の実施例
では、保水を目的として表面側に保水部85Aを形成
し、荷重支持を目的として裏面側に複数の支持突部86
Aを形成した。また、第3の実施例では、保水及び排水
を目的として表面側に横溝85B、縦溝85C、傾斜溝
85Dを、より安定な荷重支持を目的として裏面側に支
持突部86A、突条86Bを形成した。さらに、前記第
4〜第6の実施例では、通気及び排水を目的として表面
側に縦溝85E,85G及び横溝85F,85Hを形成
した。また、第4,第6の実施例では、下面側に架台
(スペーサ)9A,9Bを配設した。このように断熱材
8は、表面及び裏面の何れか一方或いは両方に適宜目的
にて凹凸を形成しても良く、上述の各凹凸形状について
も何等限定するものではなく、実質的に二部材から構成
される断熱材8としても良い。
【0036】さらに、例えば前記第3の実施例では、横
溝85Bを左右方向から僅かに傾斜させて形成したが、
左右方向に平行状に形成しても良い。また、前記第3の
実施例では、各横溝85Bが、それぞれ一つずつの横溝
深部851、横溝浅部852、横溝隆状部853からな
る構成としたが、保水及び排水が可能な構成としてはこ
れらに限定されるものではなく、例えば横溝深部が形成
されずにそれぞれ一つずつの横浅溝部及び横溝隆状部か
らなる構成の横溝(この場合、縦溝は横浅溝部の端部に
設けられる)、横溝深部が形成されずにそれぞれ二つず
つの横浅溝部及び横溝隆状部からなる構成の横溝(この
場合、縦溝は横浅溝部を分断するように設けられる)、
或いは前記構成の横溝85Bなどを適宜に組み合わせて
形成しても良い。
【0037】また、断熱層80に保水手段のみを設ける
場合も、前記第2の実施例の保水部85Aに限定される
ものではなく、図12及び図13に示すように形成して
も良い。尚、図12では右側が棟側、左側が軒側を示
す。即ちこの図12及び図13に示す断熱材8は、左右
方向に平行状に31本の横溝85Iが形成され、比較的
浅い浅溝部854、隆状部855からなるもの、それに
加えて比較的深い深溝部856からなるものが組み合わ
されている。また、棟軒方向に隣接する横溝85I,8
5Iは、縦溝85Jにて連通しており、この縦溝85J
の配設位置は左右の交互に位置するように形成され、棟
端及び軒端には至っていない。さらに、断熱材8の左右
(図面では下上)端の構成(側方被重合部83及び側方
重合部84)、及び棟軒(図面では右左)端の構成(棟
側被重合部87及び軒側重合部88)については、前記
第3の実施例と同様である。このような横溝85I及び
縦溝85Jは、保水手段であり、全表面に亘って均一な
保水性が得られるものとなる。
【0038】以上本発明を図面の実施の形態に基づいて
説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限
りどのようにでも実施することができる。
【0039】
【発明の効果】以上要するに本発明の屋根緑化構造は、
植裁装置と屋根面との間に断熱層が介在しているため、
新築は勿論、既設のどのような形状の屋根面に対しても
適用することができる。即ち、植裁装置と断熱層とを上
葺き層とし、屋根面を下葺き層とする二重葺き屋根構造
とすることができる。また、断熱層により屋根面を保護
しているので、屋根面に対する水分の悪影響を及ぼすこ
とがなく、その耐久性を損なうことがない。しかも保温
性が高く、優れた植裁環境を与えることができる。さら
に、特に屋根面に部分的に植裁装置を配設する構造で
も、植裁装置が配設されない屋根部分は断熱層が露出す
るに過ぎないため、植裁装置との意匠が同化し易く、外
観上の見映えも低下させることがなく、さらに、雨水が
土壌の一部を流出させても汚れが見え難いものとなる。
また、断熱層は、前述のように植裁装置に対する断熱、
保温効果に加えて屋根面、即ち屋根内部に対する断熱、
保温効果もある。そのため、既設の屋根においては、断
熱効果を増強する効果を果たし、新築の屋根において
は、それに加えて通常屋根面を構成する外装材の裏面側
に配される断熱材の厚みを低減したり、或いは省略する
こともできる。
【0040】特に断熱材が、非透水性部材から構成され
る場合、断熱層は、防水層を兼ねるため、防水層に優れ
た構造とすることができる。さらに、その表面側など
に、凹凸を形成して排水、保水、通気等の目的に応ずる
ことができ、その場合も防水性を損なうことがなく、さ
らに特定構造の屋根面を必要とすることがない。即ち、
前述のように従来は屋根面を形成する折板を特定形状に
加工することにより、種々の目的に応じたものとしてい
たが、本発明では、屋根面を形成する折板は何等加工を
必要とすることなく、断熱材の表面を加工するだけで種
々の目的に応じたものとすることができる。
【0041】また、断熱層が排水手段を有する構成とし
た場合、降雨量が過剰となる時期においても過剰量の雨
水を円滑に排水できるものとなる。さらに、断熱層が通
気手段を有する構成とした場合、植裁装置、特に土壌や
植裁基盤マットを湿潤状態にしないので、基本的に殆ど
水分を与えない方が長持ちするセダム類等の植物を乾燥
状態で植生することができる。また、断熱層が保水手段
を有する構成とした場合、降雨量が不足する時期におい
ても保水した水分を蒸気として植裁装置に供給すること
ができ、或いは灌水設備の使用頻度を少なく(灌水間隔
を長く)することができる。そのため、前記セダム類等
を除く、適切な水分の供給を必要とする多くの一般的な
植物を植裁する場合には極めて好適である。また、保水
手段を設けることにより、降雨時に屋根上に降った雨水
を全て排出しないので、降雨に係わる都市型災害を緩和
することにも貢献する。加えて、保水手段を設けること
は、近年問題となっているヒートアイランド現象の緩和
にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の屋根緑化構造を示す断面図であ
る。
【図2】図1の施工手順を示す側断面図である。
【図3】第2の実施例の屋根緑化構造を示す断面図であ
る。
【図4】第3の実施例の屋根緑化構造を示す断面図であ
る。
【図5】(a)図4の第3の実施例に用いた断熱材を示
す棟側を右側にした平面図、(b)軒側から見た正面
図、(c)棟側から見た正面図、(d)側面図、(e)
背面図、(f)A−A線における断面図、(g)B線に
おける断面図、(h)C線における断面図、(i)D−
D線における断面図である。
【図6】図4の第3の実施例に用いた断熱材を示す斜視
図である。
【図7】図1〜4の屋根緑化構造における屋根面を構成
する(a)外装材、(b)保持部材、(c)支持部材、
及び(d)保持部材の拡大斜視図である。
【図8】第4の実施例の屋根緑化構造を示す断面図であ
る。
【図9】第5の実施例の屋根緑化構造を示す断面図であ
る。
【図10】第6の実施例の屋根緑化構造を示す断面図で
ある。
【図11】(a)図10の第6の実施例に用いた断熱材
を示す平面図、(b)その左側面図、(c)その右側面
図、(d)その棟側から見た正面図、(e)その軒側か
ら見た正面図である。
【図12】(a)他の断熱材の一例を示す平面図、
(b)その端部を拡大表示した左側面図、(c)その端
部を拡大表示した右側面図、(d)その端部を拡大表示
した棟側正面図、(e)その端部を拡大表示した軒側正
面図である。
【図13】(a)図12の、、における断面図、
(b)及びにおける断面図、(c)における断面
図、(d)及びにおける断面図、(e)における
断面図である。
【符号の説明】
1 外装材 12 立ち上がり部 13 排水溝 14 被重合部 15 重合部 2 保持部材 3 支持部材 4 下地 7 植裁装置 8 断熱材 80 断熱層 83 側方被重合部 84 側方重合部 85A 保水部 85B 横溝 851 横溝深部 852 横溝浅部 853 横溝隆状部 85C 横溝 85D 傾斜溝 85E 縦溝 85F 横溝 85G 縦溝 85H 横溝 85I 横溝 85J 縦溝 87 棟側被重合部 88 軒側重合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/80 E04B 1/80 T X E04D 13/00 E04D 13/00 Z Fターム(参考) 2B022 AB04 AB17 BA02 BB01 BB02 2E001 DA00 DA01 DA02 DB02 DD01 DH00 FA16 GA12 GA13 GA17 GA24 GA29 GA42 GA51 GA52 HD01 HD03 HD09 KA01 LA01 LA11 LA12 MA01 MA04 NA07 ND28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根面を被覆するように断熱材を敷設し
    て断熱層を形成し、該断熱層上に植裁装置を配設してな
    ることを特徴とする屋根緑化構造。
  2. 【請求項2】 断熱材は、非透水性部材から構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の屋根緑化構造。
  3. 【請求項3】 断熱層は、排水手段を有することを特徴
    とする請求項1又は2に記載の屋根緑化構造。
  4. 【請求項4】 断熱層は、通気手段を有することを特徴
    とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の屋根緑化構
    造。
  5. 【請求項5】 断熱層は、保水手段を有するものである
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の
    屋根緑化構造。
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