JP6854653B2 - 自在交点金具及びワイヤロープ伏工 - Google Patents

自在交点金具及びワイヤロープ伏工 Download PDF

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Description

本発明は、落石対策施設のワイヤロープ伏工のワイヤロープ交差部を保持するための自在交点金具、及び自在交点金具を備えたワイヤロープ伏工に関する。
落石対策施設として、斜面等の地形にワイヤロープや金網を設置して、落石の要因となる浮石等の移動を抑制するものが知られている。特に、斜面等においてワイヤロープを格子状に交差させて設置され、浮石等を押さえ込むワイヤロープ伏工が知られている。ワイヤロープ伏工において、ワイヤロープ(主ロープ、補助ロープ)の交差部を保持(把持)するため、2つのワイヤロープを互いに固定する金具が用いられている。例えば、交差した2本のワイヤロープを屈曲棒材と押さえ板材とにより上下から挟み込み、抑え板材を屈曲防材に抑えナットにより締結するクロスクリップが開示されている。(例えば、特許文献1参照)
特許第5388883号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたクロスクリップは、交差した2本のワイヤロープの交差部において、屈曲棒材と押さえ板材とにより上下から挟み込み、押さえナットにより抑え板材を屈曲棒材に固定するものである。そのため、ワイヤロープ伏工が保持する浮石等が移動した際に、ワイヤロープが変形すると、ワイヤロープの交差部の保持力が低下し、ワイヤロープの交差部がずれる場合がある。ワイヤロープの交差部がずれると、ワイヤロープ伏工の格子形状は、設置当初の間隔よりも広がってしまう部分ができる。すると、ワイヤロープ伏工の格子形状の間隔が広がった部分から浮石が脱落する可能性がある、という課題があった。
また、既に斜面等に設置されたワイヤロープ伏工において、経年的な環境の変化により交差部の保持力の補強が必要な場合がある。例えば、ワイヤロープ伏工を設置した後に斜面に巨大な浮石が生じた場合などである。特許文献1に開示されたクロスクリップは、その構造から既に固定されているワイヤロープの交差部に追加して取り付けるのは困難である、という課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、ワイヤロープ伏工が保持する対象物によりワイヤロープが撓んでも交差部の保持力が低下しにくく、既存のワイヤロープ伏工の交差部に追加して取り付けが可能な自在交点金具及びワイヤロープ伏工を提供することを目的とする。
(i)本発明に係る自在交点金具は、互いに回動自在に中央部が連結された2つの構造部材を備え、前記構造部材は、当該構造部材の両端部に位置し、ワイヤロープが固定される2つのワイヤロープ固定部と、2つの前記ワイヤロープ固定部の間を接続する接続部と、を備え、2つの前記構造部材は、互いに交差する向きで重ねられ、前記接続部が連結され、前記接続部は、2つの前記ワイヤロープ固定部を通る仮想面に対し離間して位置する
(ii)本発明に係るワイヤロープ伏工は、格子状に交差させた複数のワイヤロープを備えるワイヤロープ伏工であって、交差した前記ワイヤロープのそれぞれの交差部を固定するクロスクリップと、上記(i)に記載の自在交点金具と、を備え、前記自在交点金具は、前記交差部において前記クロスクリップを上から覆い前記ワイヤロープに固定される。
上記(i)及び(ii)の構成により、自在交点金具及びワイヤロープ伏工は、以下の効果を奏する。本発明に係る自在交点金具及びワイヤロープ伏工によれば、ワイヤロープの交差部において2つのワイヤロープのうち一方のワイヤロープに一方の構造部材が固定され、他方のワイヤロープに他方の構造部材が固定される。そして、2つの構造部材は、回動自在に連結されているため、ワイヤロープの交差する角度が変わっても、構造部材がその角度に追従して交差部を保持する。よって、ワイヤロープ伏工が設置される斜面等において、浮石等が移動した場合においても、格子状のワイヤロープの各交点の間隔が拡がるのを抑制することができるため、落石等を防止する効果が高まる。
本発明に係る自在交点金具及びワイヤロープ伏工によれば、自在交点金具をワイヤロープ伏工の交差部に設けられたクロスクリップの上を覆う様にして設置することができる。そのため、クロスクリップが交差部を保持する効果に加えて、自在交点金具も交差部を保持するため、斜面等の重量の大きい浮石を保持する効果が高まる。
本発明に係る自在交点金具によれば、自在交点金具を既設のワイヤロープ伏工に対し追加して設置することができる。よって、既設のワイヤロープ伏工の補強したい交差部に自由に設置することができ、既設のワイヤロープ伏工の落石等を防止する効果を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係る自在交点金具を用いたワイヤロープ伏工の模式図である。 図1のクロスクリップの一例を示す斜視図である。 図1のA部の拡大図である。 図3の自在交点金具の構造の説明図である。 図4の自在交点金具を構成する構造部材の説明図である。 図4(a)の構造部材と構造部材とを相対的に回動させた状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る自在交点金具を側面から見た図である。 図7の構造部材の説明図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る自在交点金具10を用いたワイヤロープ伏工100の模式図である。図1においては、斜面に沿って設置されたワイヤロープ伏工100が示されている。縦方向に張られている複数のワイヤロープ30と横方向に張られている複数のワイヤロープ31とは、交差しており、その交差部32に自在交点金具10及びクロスクリップ20が設置されている。縦横のワイヤロープ30、31の端部は、アンカー部品40により地面に固定されている。自在交点金具10が設置されている交差部32の下には浮石50があり、ワイヤロープ伏工100により斜面から落下しないように抑えられている。なお、図1は、ワイヤロープ伏工100を模式的に表したものであって、各ワイヤロープ30、31は、必ずしも直線に張られるものではなく、斜面や崖の面などの複雑な形状の面に沿って設置することができる。
(クロスクリップ20)
ワイヤロープ伏工100は、格子状に張られたワイヤロープ30及びワイヤロープ31の隣合う交差部32同士が所定の距離に保たれるように、交差部32が保持されている。図1に示されているワイヤロープ伏工100において、ワイヤロープ30とワイヤロープ31との交差部32にはクロスクリップ20が設置されている。クロスクリップ20は、交差部32において重なっているワイヤロープ30とワイヤロープ31との接触している部分を押し付け合う方向に挟み込み固定するものである。また、一部の交差部32は、交差アンカークリップ70により地面に埋め込まれたアンカーに固定されている。
図2は、図1のクロスクリップ20の一例を示す斜視図である。クロスクリップ20は、ワープドボルト21に押さえ板材22を係合させて構成されている。押さえ板材22は、ワープドボルト21に螺合させたナット26によりワイヤロープ31に押し付けられる。
ワープドボルト21は、1本の棒材を屈曲して形成されている。ワープドボルト21の一方の端部は、ナット26が螺合するボルト部27が設けられている。ワープドボルト21の他方の端部は、押さえ板材22がワープドボルト21から抜けないように係合する係合部28が設けられている。ワープドボルト21は、ボルト部27及び係合部28が両端に位置し、略U字状に形成されている。U字状の底の部分には、円弧部25がある。ワープドボルト21は、ボルト部27及び係合部28から円弧部25に至る途中の部分で、円弧部25がボルト部27及び係合部28側に近づくように屈曲されて屈曲部23、24を形成している。ボルト部27及び係合部28から屈曲部23、24を経て円弧部25に至る部分の形状は、図2のワイヤロープ31が伸びる方向に沿った方向から見ると、略J字状に形成されている。
図2において、ワイヤロープ30は、ワイヤロープ31の上に位置して交差部32が形成されている。下側に位置するワイヤロープ31は、ワープドボルト21の屈曲部23、24に下側から支持されている。ワイヤロープ30は、ワイヤロープ31の上に重ねられ、さらに上から円弧部25により押さえられている。また、ワイヤロープ30は、押さえ板材22により上から押さえられている。つまり、ワイヤロープ30及びワイヤロープ31は、屈曲部23、24と押さえ板材22との間、及び屈曲部23、24と円弧部25との間に挟まれている。押さえ板材22は、ボルト部27に螺合したナット26により押さえられ、ナット26が締め付けられることによりワイヤロープ30及びワイヤロープ31の交差部32を上下から圧迫している。交差部32は、上下から圧迫され、ワイヤロープ30及びワイヤロープ31が互いに変形して当接部が噛み合う。また、交差部32は、上下から圧迫され、ワイヤロープ30とワイヤロープ31との当接部に摩擦力が発生する。これにより、交差部32は、当初設置された状態からずれないように保持される。
なお、図2に示されたクロスクリップ20の一例であり、この形態のみに限定されるものではない。ワイヤロープ30とワイヤロープ31との交差部32を保持するものであれば、他の形態のクロスクリップ20を用いても良い。
(自在交点金具10)
図3は、図1のA部の拡大図である。図3は、自在交点金具10が設置されている交差部32を拡大したものである。実施の形態1においては、自在交点金具10は、クロスクリップ20が設けられている交差部32に設置されている。だが、クロスクリップ20が設置されていない交差部32に設置されていても良い。この場合、自在交点金具10のみでワイヤロープ30、31の交差部32を保持することになる。ワイヤロープ伏工100にかかる荷重に応じて、交差部32に自在交点金具10のみを設置しても良い。
自在交点金具10は、構造部材11aと構造部材11bとを重ねて連結部材12により連結して構成されている。なお、実施の形態1においては、構造部材11aと構造部材11bとは同一形状である。構造部材11aと構造部材11bとは、互いに水平方向(ワイヤロープ伏工100が設置されている面に対して平行な方向)に回動自在に連結されている。実施の形態1においては、連結部材12は、ボルト61と2つのナット62とにより構成されている。2つのナット62は、ボルト61に構造部材11aと構造部材11bとを通した後にダブルナットによりボルト61の螺合部に固定され、ボルト61から構造部材11a、11bが抜けないようにしている。かつ、ナット62は、構造部材11aと構造部材11bとの間に適度の隙間を持たせるようにボルト61の螺合部に固定されている。以上の様に連結部材12が構成されているため、構造部材11aと構造部材11bとが互いに回動自在になっている。
ワイヤロープ30は、構造部材11aのワイヤロープ固定部13a及びワイヤロープ固定部13bに固定されている。実施の形態1においては、構造部材11aの一方の端部でU字ボルト65aがワイヤロープ固定部13aに設けられた孔17に通され、ワイヤロープ30は、U字ボルト65aの円弧部66aとワイヤロープ固定部13aの裏面14aとの間に挟まれ固定されている。U字ボルト65aの両端に形成された螺合部は、ワイヤロープ固定部13aに形成された2箇所の孔17に通されている。U字ボルト65aの両端に形成された螺合部にナット63がそれぞれ螺合し、螺合したナット63は、ワイヤロープ固定部13aの表面に接触し、所定のトルクで締結される。構造部材11aの他方の端部においても同様に、U字ボルト65bとワイヤロープ固定部13bとによりワイヤロープ30が挟まれて固定されている。
ワイヤロープ31は、構造部材11bの一方の端部にあるワイヤロープ固定部13cとU字ボルト65cとにより挟まれ固定されている。また、ワイヤロープ31は、構造部材11bの他方の端部にあるワイヤロープ固定部13dとU字ボルト65dとにより挟まれ固定されている。ワイヤロープ31が構造部材11bに固定される構造は、構造部材11aにワイヤロープ30が固定されている構造と同様である。
図4は、図3の自在交点金具10の構造の説明図である。図4(a)は、自在交点金具10を裏側、すなわちワイヤロープ30とワイヤロープ31との交差部32側から見た図である。図4(b)は、図4(a)の上面図である。図4(c)は、図4(a)の側面図である。また、図5は、図4の自在交点金具10を構成する構造部材11の説明図である。なお、図4に示される自在交点金具10は、ワイヤロープ伏工100の交差部32に設置された状態の構造を示しているが、ワイヤロープ30、ワイヤロープ31及びクロスクリップ20については省略されている。
構造部材11a及び構造部材11bは、帯状の板金を折り曲げて形成されている。以下、構造部材11a及び構造部材11bをまとめて構造部材11と呼ぶ。また、以下の説明で、図面中に示した符号の添え字(a、b等)を省略して表示したときは、添え字が付いた各部位を総称しているものとする。実施の形態1においては、構造部材11は、矩形の板金を折り曲げて形成されているが、他の形状の板金であっても良い。構造部材11は、両端部にワイヤロープ固定部13を有する。2箇所のワイヤロープ固定部13は、略同一面上に配置されている。ワイヤロープ固定部13の裏面14は、平面になっており、この面にワイヤロープ30、31が接触する。そして、ワイヤロープ固定部13とワイヤロープ固定部13に設けられた孔17に通されたU字ボルト65との間でワイヤロープ30、31を挟んで固定する。つまり、ワイヤロープ30、31は、ワイヤロープ固定部13及びU字ボルト65と接触しており、その接触による摩擦力により自在交点金具10がワイヤロープ30、31に固定される。なお、ワイヤロープ固定部13とワイヤロープ30、31との固定は、U字ボルト65を用いているが、ワイヤロープ固定部13に対しワイヤロープを圧迫して接触させる構造であれば、その他の手段を用いても良い。例えば、他の平板状の部材とワイヤロープ固定部13の裏面14とを対向させてその間にワイヤロープ30、31を挟み、ボルトとナットにより締め付けることにより、ワイヤロープ30、31に構造部材11を固定してもよい。
また、ワイヤロープ固定部13とワイヤロープ30、31との固定は、1つのワイヤロープ固定部13において複数箇所でワイヤロープ30、31を固定してもよい。例えば、実施の形態1に係る自在交点金具10において、ワイヤロープ固定部13を大きくして、U字ボルト65を2箇所設置できるようにしてもよい。このように構成することにより、ワイヤロープ固定部13とワイヤロープ30、31との間の摩擦力を高めることができ、ワイヤロープ固定部13がワイヤロープ30、31に対しずれないように保持する力を向上させることができる。
構造部材11は、両端にあるワイヤロープ固定部13の間に接続部15を有する。接続部15とワイヤロープ固定部13との間は、上方向に伸びる離間部19によりつなげられている。接続部15は、2つのワイヤロープ固定部13に対し略平行になっている。接続部15には、孔18が形成されている。2つの構造部材11a、11bは、接続部15aと接続部15bとを重ね合わせて連結される。連結部材12を構成するボルト61は、2つの構造部材11a、11bのそれぞれの接続部15に開けられた孔18に通される。孔18に通されたボルト61の螺合部には、ナット62が2つ通され、ダブルナットにより所定の位置に固定される。2つの構造部材11a、11bは、それぞれの接続部15の間に隙間を持って連結されている。ナット62は、2つの接続部15の間に隙間ができる様に固定される。なお、実施の形態1においては、2つの構造部材11a、11bの接続部15同士を連結する際に、ボルト61とナット62とを用いて連結されているが、2つの構造部材11a、11bとが接続部15に平行な面内で相対的に回動自在であって、連結部材12に荷重がかかっても2つの構造部材11a、11bの連結が外れなければ、他の手段を用いてもよい。例えば、棒状の部材を孔18に通し、棒状の部材に抜け止めを固定し、2つの構造部材11a、11bを相対的に回動自在に連結する形態であってもよい。連結部材12は、ボルト61とナット62とに構成されることにより、組立作業が容易になるという利点がある。
(自在交点金具10の機能)
図1に示されるように、自在交点金具10は、崖などの斜面に設置されるワイヤロープ伏工100のワイヤロープ30、31の交差部32に設置されるものである。ワイヤロープ伏工100の各ワイヤロープ30、31には、例えば斜面にある浮石50等の荷重がかかる。ワイヤロープ30、31に荷重がかかると、ワイヤロープ30、31はその荷重に応じ撓む。ワイヤロープ30、31が撓むと、交差部32においてワイヤロープ30とワイヤロープ31とは、相対的にずれるように移動しようとする。すると、ワイヤロープ伏工100の交差部32は、初期に設置された位置からずれる。交差部32がずれると、ワイヤロープ伏工100の各交差部32の間の距離が変化する。すると、格子状に張られていたワイヤロープ伏工100は、その格子形状が変形し、格子の間隔の広い箇所と狭い箇所とができることになる。ワイヤロープ伏工100の格子形状の間隔が広い箇所ができると、浮石等がワイヤロープ伏工100から脱落する可能性があり、また、ワイヤロープ伏工100の局部に荷重が集中する箇所ができる場合がある。このような状態にならないように、ワイヤロープ伏工100の各交差部32は、荷重がかかってもずれないように保持する必要がある。
図6は、図4(a)の構造部材11aと構造部材11bとを相対的に回動させた状態を示す図である。図6に示されている構造部材11において、一方のワイヤロープ固定部13から他方のワイヤロープ固定部13へ向かう方向の接続部15の寸法を、長さ寸法Lとする。また、長さ寸法Lに対し直交する方向の寸法を幅寸法Wとする。構造部材11の接続部15は、幅寸法Wに対し長さ寸法Lが大きい。この構成により、構造部材11aと構造部材11bとは、互いに交差させて接続部15を重ね合わせて連結することができる。また、幅寸法Wと長さ寸法Lとの設定により、図6に示すように構造部材11aは、構造部材11bに対し回動させることができる。回動可能な範囲は、構造部材11aの接続部15と構造部材11bの離間部19とが接触するまでである。
例えば、ワイヤロープ30が伸びる方向に対し交差する方向(ワイヤロープ31が伸びる方向に沿った方向)に荷重がかかった場合、つまり図6に示される矢印の方向に荷重Fがかかった場合、ワイヤロープ30は、ワイヤロープ31に対し斜めになる様に撓む。荷重Fは、ワイヤロープ30が固定されている構造部材11aを図6の下方向に動かすようにかかる。そして、構造部材11aに掛かった荷重Fは、構造部材11aから連結部材12のボルト61を介し構造部材11bを図6の下方向に動かすようにかかる。しかし、自在交点金具10は、ワイヤロープ固定部13a〜13dの4箇所で、ワイヤロープ30とワイヤロープ31との交差部32の位置を保持している。そのため、ワイヤロープ固定部13a、13bにおいては、ワイヤロープ固定部13とU字ボルト65とによりワイヤロープ30を圧縮する力による摩擦力、及びU字ボルト65のせん断強度により交差部32の位置が保持されている。また、ワイヤロープ固定部13c、13dにおいては、ワイヤロープ固定部13とU字ボルト65とによりワイヤロープ30を圧縮する力による摩擦力により交差部32が保持されている。この構成により、自在交点金具10は、交差部32の位置を強固に保持することができる。ひいては、ワイヤロープ30とワイヤロープ31とのずれを抑えることができるため、ワイヤロープ伏工100の格子形状を保持することができる。
図6に示されるように、自在交点金具10は、構造部材11aと構造部材11bとが相対的に回動した状態でも交差部32に取り付けることができる。このため、複雑な起伏を有する地形にワイヤロープ伏工100が設置された場合において、ワイヤロープ30、31が起伏に沿って撓んだ状態になっていても、自在交点金具10は、ワイヤロープ30、31に追従した状態で交差部32を保持することができる。よって、自在交点金具10は、過剰に交差部32を拘束することがないため、ワイヤロープ30、31は局部的に荷重を受けることがない。よって、複雑な起伏を有する地形に設置された場合であっても、ワイヤロープ伏工100は、所期の強度及び耐久性を保持することができる。
自在交点金具10は、交差部32を覆う様に設置され、4箇所のワイヤロープ固定部13が交差部32を囲むように設置されている。よって、自在交点金具10は、クロスクリップ20等の交差部32を保持する部品を設置された交差部32に追加して設置することができる。これにより、従来のワイヤロープ伏工に対しさらに強度を向上させることができる。なお、クロスクリップ20が設置されていない交差部32に自在交点金具10を設置する場合には、離間部19の長さ(図5に示されている高さ寸法H)は任意の寸法にできる。図3に示されるように内部にクロスクリップ20が設置されていないため、クロスクリップ20が設置されていない交差部32に設置された自在交点金具10は、自在交点金具10の4箇所のワイヤロープ固定部13に囲まれる領域に空間を設けなくてもよい。例えば、自在交点金具10を構成する構造部材11は、ワイヤロープ固定部13を両端に有する平板であってもよい。
(実施の形態1の効果)
(1)実施の形態1に係る自在交点金具10は、互いに回動自在に中央部が連結された2つの構造部材11a、11bを備える。構造部材11は、当該構造部材11の両端部に位置し、ワイヤロープ30、31が固定される2つのワイヤロープ固定部13と、2つのワイヤロープ固定部13の間を接続する接続部15と、を備える。2つの構造部材11は、互いに交差する向きで重ねられ、接続部15同士が連結されている。
このように構成されることにより、ワイヤロープ伏工100のワイヤロープ30、31の交差する角度が変わっても、構造部材11がその角度に追従して交差部32を保持する。よって、ワイヤロープ伏工100が設置される斜面等において、浮石50が移動した場合においても、格子状のワイヤロープ30、31の交差部32の間隔が拡がるのを抑制することができるため、落石等を防止する効果が高まる。
(2)実施の形態1に係る自在交点金具10によれば、接続部15は、2つのワイヤロープ固定部13を通る仮想面に対し離間して位置する。
このように構成されることにより、自在交点金具10は、ワイヤロープ伏工100の交差部32に設けられたクロスクリップ20の上を覆う様にして設置することができる。そのため、クロスクリップ20が交差部32を保持する効果に加えて、自在交点金具10も交差部32を保持するため、斜面等の重量の大きい浮石50を保持する効果が高まる。
(3)実施の形態1に係る自在交点金具10によれば、2つの構造部材11が回動する回転軸は、2つのワイヤロープ固定部13を含む仮想面と、略垂直に交差する。
このように構成されることにより、自在交点金具10は、ワイヤロープ伏工100が設置される地形の表面に平行に回動することができる。そのため、ワイヤロープ伏工100は、設置される地形の表面の形状に沿って張ることができる。
(4)実施の形態1に係る自在交点金具10によれば、構造部材11は、帯状の板金を折り曲げて構成され、2つのワイヤロープ固定部13は、構造部材11の両端部において略同一面上に位置し、接続部15は、2つのワイヤロープ固定部13と平行に設けられている。
このように構成されることにより、自在交点金具10を構成する構造部材11は、製造が容易であり、製造コストを抑えることができる。また、構造部材11は、単純な構造で高い強度が実現できる。
(5)実施の形態1に係る自在交点金具10によれば、接続部15は、一方のワイヤロープ固定部13から他方のワイヤロープ固定部13に向かう方向の寸法である長さ寸法が、長さ寸法に対し直交方向の寸法である幅寸法よりも大きく設定されている。
このように構成されることにより、自在交点金具10は、帯状の板金を折り曲げて形成された構造部材11を2つ重ねて構成することができる。そして、重ねられた2つの構造部材11が互いに回動することができるため、自在交点金具10は、上記(1)〜(4)に記載した効果を得ることができる。
(6)実施の形態1に係る自在交点金具10によれば、ワイヤロープ固定部13に取り付けられるU字ボルト65を備える。U字ボルト65とワイヤロープ固定部13とは、ワイヤロープ30、31を挟んで固定する。
このように構成されることにより、自在交点金具10は、ワイヤロープ30、31に強固に固定される。
(7)実施の形態1に係るワイヤロープ伏工100によれば、格子状に交差させた複数のワイヤロープ30、31を備えるワイヤロープ伏工100であって、交差したワイヤロープ30、31のそれぞれの交差部32を固定するクロスクリップ20と、上記(1)〜(5)に記載の自在交点金具10と、を備える。自在交点金具10は、交差部32においてクロスクリップ20を上から覆いワイヤロープ30、31に固定される。
このように構成されることにより、ワイヤロープ伏工100は、ワイヤロープ30、31の交差部32の位置を保持する力が向上するため、斜面等の複雑な地形において、浮石50等を抑えることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る自在交点金具210は、実施の形態1の自在交点金具10に対し構造部材211の形状を変更したものである。実施の形態2においては、実施の形態1に対する変更点を中心に説明する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る自在交点金具210を側面から見た図である。図8は、図7の構造部材211の説明図である。実施の形態2に係る自在交点金具210は、構造部材211の離間部219が傾斜している。言い換えると、構造部材211の2つの離間部219において、接続部15側の端部同士の距離よりもワイヤロープ固定部13側の端部の距離が大きく設定されている。そのため、構造部材211は、ワイヤロープ固定部13の間の距離が実施の形態1に係る構造部材11よりも長くなっている。この構造により、交差部32の周辺のワイヤロープ30、31を剛性の高い構造部材211により補強できるが、実施の形態1と比較して長い区間を補強することができる。また、実施の形態1に係る構造部材11よりも実施の形態2に係る構造部材211が長いため、交差部32においてワイヤロープ30とワイヤロープ31とがどの程度の角度で交差しているか視認し易いという効果が得られる。つまり、自在交点金具210は、交差部32を保持しつつ、ワイヤロープ30、31が複雑な形状の斜面に追従しているかを視認し易いため、適正に設置されているかの確認が容易である。
実施の形態1及び実施の形態2においては、同一形状の構造部材11又は構造部材211を2つ組み合わせて自在交点金具10、210が構成されている。しかし、異なる形状の構造部材を組み合わせて構成してもよい。例えば、実施の形態1の構造部材11と、実施の形態2の構造部材211とを組み合わせて自在交点金具を構成してもよい。その他、例えば、離間部19の高さ寸法Hの異なる構造部材11、211を組み合わせて自在交点金具を構成してもよい。このように構成することにより、既に設置済みのワイヤロープ伏工100に自在交点金具10、210を追加する場合に、複雑な地形にそって張られているワイヤロープ30、31に合わせて構造部材11、211を取り付けることができる。
(8)実施の形態2に係る自在交点金具210によれば、ワイヤロープ固定部13と接続部15との間を繋ぐ離間部19は、ワイヤロープ固定部13から接続部15に向かって傾斜している。
この構成により、自在交点金具210は、交差部32を保持しつつ、ワイヤロープ30、31の撓みによる交差部32の角度を視認し易くすることができる。
10 自在交点金具、11 構造部材、11a 構造部材、11b 構造部材、12 連結部材、13 ワイヤロープ固定部、13a ワイヤロープ固定部、13b ワイヤロープ固定部、13c ワイヤロープ固定部、13d ワイヤロープ固定部、14 裏面、14a 裏面、15 接続部、15a 接続部、15b 接続部、17 孔、18 孔、19 離間部、20 クロスクリップ、21 ワープドボルト、22 押さえ板材、23 屈曲部、24 屈曲部、25 円弧部、26 ナット、27 ボルト部、28 係合部、30 ワイヤロープ、31 ワイヤロープ、32 交差部、40 アンカー部品、50 浮石、61 ボルト、62 ナット、63 ナット、65 U字ボルト、65a U字ボルト、65b U字ボルト、65c U字ボルト、65d U字ボルト、66a 円弧部、70 交差アンカークリップ、100 ワイヤロープ伏工、210 自在交点金具、211 構造部材、219 離間部、H 高さ寸法、L 長さ寸法、W 幅寸法。

Claims (10)

  1. 互いに回動自在に中央部が連結された2つの構造部材を備え、
    前記構造部材は、
    当該構造部材の両端部に位置し、ワイヤロープが固定される2つのワイヤロープ固定部と、
    2つの前記ワイヤロープ固定部の間を接続する接続部と、を備え、
    2つの前記構造部材は、
    互いに交差する向きで重ねられ、前記接続部が連結され
    前記接続部は、
    2つの前記ワイヤロープ固定部を通る仮想面に対し離間して位置する、自在交点金具。
  2. 前記構造部材は、
    帯状の板金を折り曲げて構成され、
    2つの前記ワイヤロープ固定部は、
    前記構造部材の両端部において略同一面上に位置し、
    前記接続部は、
    2つの前記ワイヤロープ固定部と平行に設けられている、請求項1に記載の自在交点金具。
  3. 互いに回動自在に中央部が連結された2つの構造部材を備え、
    前記構造部材は、
    当該構造部材の両端部に位置し、ワイヤロープが固定される2つのワイヤロープ固定部と、
    2つの前記ワイヤロープ固定部の間を接続する接続部と、を備え、
    2つの前記構造部材は、
    互いに交差する向きで重ねられ、前記接続部が連結され
    前記構造部材は、
    帯状の板金を折り曲げて構成され、
    2つの前記ワイヤロープ固定部は、
    前記構造部材の両端部において略同一面上に位置し、
    前記接続部は、
    2つの前記ワイヤロープ固定部と平行に設けられている、自在交点金具。
  4. 前記接続部は、
    一方の前記ワイヤロープ固定部から他方の前記ワイヤロープ固定部に向かう方向の寸法である長さ寸法が、前記長さ寸法に対し直交方向の寸法である幅寸法よりも大きく設定されている、請求項2又は3に記載の自在交点金具。
  5. 前記ワイヤロープ固定部に取り付けられるU字ボルトを備え、
    前記U字ボルトと前記ワイヤロープ固定部とは、
    前記ワイヤロープを挟んで固定する、請求項1〜の何れか1項に記載の自在交点金具。
  6. 互いに回動自在に中央部が連結された2つの構造部材を備え、
    前記構造部材は、
    当該構造部材の両端部に位置し、ワイヤロープが固定される2つのワイヤロープ固定部と、
    2つの前記ワイヤロープ固定部の間を接続する接続部と、
    前記ワイヤロープ固定部に取り付けられるU字ボルトと、を備え、
    2つの前記構造部材は、
    互いに交差する向きで重ねられ、前記接続部が連結され
    前記U字ボルトと前記ワイヤロープ固定部とは、
    前記ワイヤロープを挟んで固定する、自在交点金具。
  7. 前記ワイヤロープ固定部と前記接続部との間を繋ぐ離間部は、
    前記ワイヤロープ固定部から前記接続部に向かって傾斜している、請求項1〜の何れか1項に記載の自在交点金具。
  8. 互いに回動自在に中央部が連結された2つの構造部材を備え、
    前記構造部材は、
    当該構造部材の両端部に位置し、ワイヤロープが固定される2つのワイヤロープ固定部と、
    2つの前記ワイヤロープ固定部の間を接続する接続部と、
    前記ワイヤロープ固定部と前記接続部との間を繋ぐ離間部と、を備え、
    2つの前記構造部材は、
    互いに交差する向きで重ねられ、前記接続部が連結され
    前記離間部は、
    前記ワイヤロープ固定部から前記接続部に向かって傾斜している、自在交点金具。
  9. 2つの前記構造部材が回動する回転軸は、
    2つの前記ワイヤロープ固定部を含む仮想面と、略垂直に交差する、請求項1〜8の何れか1項に記載の自在交点金具。
  10. 格子状に交差させた複数のワイヤロープを備えるワイヤロープ伏工であって、
    交差した前記ワイヤロープのそれぞれの交差部を固定するクロスクリップと、
    請求項1〜の何れか1項に記載の自在交点金具と、を備え、
    前記自在交点金具は、
    前記交差部において前記クロスクリップを上から覆い前記ワイヤロープに固定される、ワイヤロープ伏工。
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