JP6853097B2 - 車両用クッションパッドの製造法 - Google Patents

車両用クッションパッドの製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP6853097B2
JP6853097B2 JP2017075944A JP2017075944A JP6853097B2 JP 6853097 B2 JP6853097 B2 JP 6853097B2 JP 2017075944 A JP2017075944 A JP 2017075944A JP 2017075944 A JP2017075944 A JP 2017075944A JP 6853097 B2 JP6853097 B2 JP 6853097B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pad
rib
mold
core
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017075944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018175107A (ja
Inventor
松本 真人
真人 松本
智彦 井上
智彦 井上
橋本 圭一
圭一 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Inoac Corp
JSP Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Inoac Corp
JSP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp, Inoac Corp, JSP Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2017075944A priority Critical patent/JP6853097B2/ja
Publication of JP2018175107A publication Critical patent/JP2018175107A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6853097B2 publication Critical patent/JP6853097B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)

Description

本発明は、車両用座席シートを構成する車両用クッションパッドの製造法に関する。
自動車等の車両に搭載される座席シートで、座部を構成するクッションパッドは快適なクッション性が得られるよう軟質ポリウレタン発泡体で専ら造られてきた。ただ近年になると、軽量化等の目的で、下層をポリスチロール発泡体やポリオレフィン系発泡体のビーズ発泡成形体に担わせたクッションパッドの発明が提案されるようになっている(特開平9−70330号公報,実開昭58−175756号公報)。さらに、乗り心地を良好にして軽量化を推し進めた発明も提案されている(例えば特許文献1)。
特許第5277912号公報
しかるに、特許文献1をはじめとする従来品は、表層パッドの発泡成形時に、裏層パッド(本発明の芯パッド)に形成される係止部(本発明の係止用溝)の対策に労力を費やさねばならなかった。特許文献1で説明すると、その段落0015に示すごとく「裏層パッド5の裏面には、図3に示すように係止部5eが凹設されている。」。そして、「係止部5eは、裏層パッド5の裏面の外周部に沿って複数形成されている。」ことから、表層パッドで裏層パッドを側面まで覆う場合、表層パッドの発泡成形で、発泡原料がインサート品の裏層パッド裏面へ回り込んで係止部の溝へ浸入し易かった。裏層パッドのビーズ発泡成形体はその発泡成形で収縮する傾向もあって、係止部の溝への発泡原料の浸入が一層起こり易くなっていた。そこで、従来は、係止部の溝に入ったバリを後から取り除いたり、或いは、予め係止部の溝をテープで塞ぎ、且つ発泡成形後の後工程で該テープを剥がしたりする手間をかけていた。係止部の溝が裏層パッドの裏面の外周部に沿って複数形成されているので、労力負担が大きかった。
本発明は、上記問題を解決するもので、軽量化に役立つビーズ発泡成形体の裏面外周縁寄りに係止用溝を設けながら、バリ取りやテープで塞ぐことなしに、発泡成形時に軟質ポリウレタン発泡原料の該係止溝への浸入を防止し、作業者の労力負担解消、生産性向上に貢献する車両用クッションパッドの製造法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、少なくとも乗員が当接する側の受け面部分を軟質ポリウレタン発泡成形体の表層パッドで形成した車両用クッションパッドの製造方法において、ビーズ発泡成形体であって、裏面外周縁寄りに表皮端部の係止用溝が設けられ、且つ該係止用溝が在る領域で、側壁と接する裏面部位に低面を有する段差部が裏面外周縁沿いに設けられた芯パッドを、該段差部の対応部位にリブが設けられた上型へ該リブの先端面に前記低面を合わせてセットし、次いで、下型キャビティ面に軟質ポリウレタン発泡原料を注入すると共に型閉じし、その後、芯パッドを埋設一体化し、前記リブと前記低面との重なる箇所が溝底となる横断面視凹状溝を前記側壁との境界部に形成して表層パッドを発泡成形することを特徴とする車両用クッションパッドの製造方法にある。請求項2の発明たる車両用クッションパッドの製造方法は、請求項1で、型閉じで、前記リブの先端面が前記低面との合わせ部分を一部にして、該先端面の残りが前記表層パッドのキャビティ側へせり出し、該低面よりも大きな溝底面を有する前記凹状溝を、前記側壁との境界部に形成したことを特徴とする。請求項3の発明たる車両用クッションパッドの製造方法は、請求項1又は2で、段差部が前記芯パッドの裏面外周縁に沿って全周に形成されたことを特徴とする。
本発明の車両用クッションパッドの製造法は、ビーズ発泡成形体の芯パッドを表層パッドが埋設一体化するクッションパッドにあって、表層パッド成形時に芯パッドに設ける係止用溝への発泡原料の浸入防止を可能にし、テープの貼着やバリ取り等の前処理加工,後処理加工を要せず、労力削減,生産性向上等に優れた効果を発揮する。
本発明のクッションパッドの一形態で、クッションパッドを裏面側から見た斜視図である。 図1のクッションパッドを表面側から見た斜視図である。 型開状態の上型に芯パッドをセットした断面図である。 図3の後、発泡原料を下型に注入する断面図である。 型閉じした断面図である。 芯パッドと一体の表層パッドを発泡成形した断面図である。 (イ)が図5の発泡原料が発泡していく様子の部分断面図、(ロ)が発泡成形を終えた図6の部分断面図である。 図7(イ)に対応し、成形収縮が大きくなった芯パッドを用いた場合で、(イ)が低面にリブ先端面が当接した断面図、(ロ)が段差面からリブ先端面も離れた断面図である。 リブを表層パッドのキャビティ側に配した対比説明断面図である。 リブ先端面全てを低面に当接させた断面図である。 (イ)が図7(ロ)のクッションパッドを脱型し、これに表皮を取付けた部分断面図、(ロ)が図10のクッションパッドを脱型し、これに表皮を取付けた部分断面図である。
以下、本発明に係る車両用クッションパッド(以下、単に「クッションパッド」ともいう。)の製造方法について詳述する。
図1〜図8は本発明のクッションパッドの製造法の一形態で、車両後部座席のクッションパッドに適用する。図1はクッションパッドを裏面側から見た斜視図で、図2はそれを表面側から見た斜視図である。図3は型開状態の上型に芯パッドをセットした断面図、図4は発泡原料を下型に注入する断面図、図5は型閉じした断面図、図6は芯パッドと一体の表層パッドを発泡成形した断面図、図7は(イ)が図5の発泡原料が発泡していく様子の部分断面図、(ロ)が発泡成形を終えた図6の部分断面図、図8は図7(イ)に対応し、成形収縮が大きくなった芯パッドを用いた場合の断面図である。クッションパッドの裏面側を表す図1は紙面左上方がクッションパッドの車両前方になり、図2は車両設置の姿態にしたクッションパッドで、紙面右上方が車両前方になる。各図は図面を判り易くするため発明要部を強調図示し、また本発明と直接関係しない部分を簡略化又は省略する。
車両用クッションパッドの製造方法は、少なくとも乗員が当接する側の受け面部分31を軟質ポリウレタン発泡成形体で形成し、該軟質ポリウレタン発泡成形体の表層パッド3の発泡成形で、その内面3b側を軽量の芯パッド2に接合一体化させる製法である(図7)。クッションパッド1は乗員が当接する側が意匠面となる。ここでは、図2に示す車両後部座席の三人掛け座部用クッションパッド1に適用する。表層パッド3の発泡成形に先立ち、芯パッド2,発泡成形型7が用意される。
芯パッド2は、ビーズ発泡成形体であって、裏面外周縁21寄りに表皮端部51の係止用溝22が設けられた芯部材である。そして、該係止用溝22が在る領域で、側壁23と接する芯パッド裏面2bの部位に低面241を有する段差部24が裏面外周縁21沿いに設けられている。芯パッド2はクッションパッド1の略下半部を構成し、表層パッド3が発泡成形されると、段差部24は表層パッド3とで横断面視凹状溝4(以下、単に「凹状溝」ともいう。)を形成する。
本実施形態の芯パッド2は、発泡ポリプロピレン(EPP)のビーズ発泡成形体で、その見掛け密度が軟質ポリウレタン発泡成形体からなる表層パッド3の見掛け密度よりも小さい。芯パッド2の裏面2b側には、三人掛け座部に合わせて、メイン部3Aの座部裏面側に小高い隆起部25が形成される(図1)。側壁23に接する芯パッド裏面2bの外周縁21寄りには、矩形溝口の係止用溝22が裏面外周縁21に沿いの全周に亘って所定間隔で複数設けられる。図1は係止用溝22を便宜的に13個図示する。
そして、図1,図3に示すごとく、表層パッド3とで凹状溝4をつくる段差部24が芯パッド2の裏面外周縁21に沿って全周に形成される。段差部24は、細長帯状の低面241に係る帯幅方向の一側が側壁23に接し、他側が段差部24近くの芯パッド裏面2bから段差をつくる立面242につながる。立面242は芯パッド裏面2bから低面241に向けて図7の横断面図で示す急峻な傾斜面にしている。
ここで、本発明でいう芯パッド裏面2bの「裏面」は、車両に取付けた姿勢での下側の面で、図2のクッションパッド1でいえば、紙面の「下面」,下方側の面になる。また、「ビーズ発泡成形体」とは、いわゆるビーズ発泡法によって得られた発泡成形体で、原料ビーズを予備発泡成形させた後、型内発泡成形によって成形されているブロック状発泡成形体をいう。ビーズ発泡法は単にビーズ法ともいう。ビーズ発泡成形体は、発泡スチロール、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、又はこれらのうち一つを少なくとも含む成形体であるのが好ましい。気泡が内部に密閉されたビーズ発泡成形体となっており、且つ体積の大部分が気体で軽量にして、気密性,保形性があり、適度の保形維持が必要な芯パッド2に好都合となる。発泡倍率を上げることによって、その見掛け密度を軟質ポリウレタン発泡成形体の見掛け密度よりも容易に小さくできる。
発泡成形型7は、図4ごとくの分割型で、下型8と上型9が開閉可能に接続されている。図5のごとく型閉じすると、全体が椀状にへこんで意匠面3aになる受け面部分31を形成する下型キャビティ面81と、芯パッド2の裏面に合わせた上型キャビティ面91とで、クッションパッド1のキャビティCをつくる。上型9には芯パッド2のセットで、前記段差部24に対応する上型キャビティ面91に段差部24の形状に合わせたリブ94が突出形成されている。上型9への芯パッド2のセットで、リブ94の先端面941に芯パッド2の段差部24に係る低面241が合わさり(好ましくは当接し)、リブ側壁942の一側が段差部24形成用の立面242に当接するよう設定される。リブ側壁942の他側は、型閉じで、表層パッド3の側部32形成用キャビティCに露出する(図7)。
本実施形態は、リブ94の横断面形状が等脚台形であり、リブ94の脚(リブ側壁)が上型9への芯パッド2のセットで立面242に当たり、リブ94の上底(先端面)が芯パッド2の低面241に当たるよう設定される。そして、型閉じで、低面241に当接するリブ94の先端面941が、低面241との合わせ部分941aを一部にして、残り941bが表層パッド3のキャビティC側へせり出した図5,図7のような姿態にする。したがって、表層パッド3が発泡成形されると、低面241よりも大きな溝底面41を有する図7ごとくの凹状溝4が、表層パッド3と芯パッド2の段差部24とで造られる(詳細後述)。該段差部24との対応部位に配するリブ94は、芯パッド2の裏面外周縁21に沿って外周全域に設けられる段差部24に合わせて、上型キャビティ面91からリング状に隆起形成する。符号86は吊溝用隆起部、符号89,符号99は型合せ面を示す。
尚、図3〜図6の発泡成形型7は、車両設置状態に在る図2のクッションパッド1と上下が逆の姿態で、該クッションパッド1たる芯パッド2と一体の表層パッド3を造る型構造になっている。
前記発泡成形型7、芯パッド2を用いて、クッションパッド1が例えば次のように製造される。
まず、発泡成形型7の型開状態下、芯パッド2を上型9にセットする(図3)。上型9に設けたリブ94の先端面941に、芯パッド2の段差部低面241を合わせるようにして、該芯パッド2を上型9にセットする。リブ94の側壁942に段差部24の立面242を滑らせて、芯パッド2をリング状リブ94に嵌め入れ、隆起部25は上型キャビティ面91の凹みに嵌め込んで、該芯パッド2を上型9にセット保持する。
次いで、下型キャビティ面81に表層パッド3成形用の軟質ポリウレタン発泡原料g(以下、単に「発泡原料」ともいう。)を注入すると共に型閉じする。
椀状にへこむ下型キャビティ面81上に、注入ノズルNL等を使用して発泡原料gを所定量注入する(図4)。続いて、上型9を作動させ、型閉じする。上型9と下型8との型閉じで、芯パッド2がインサートセットされたクッションパッド1用キャビティCができる。この型閉じで、吊溝用隆起部86を芯パッド2の表面2aに当てて、該芯パッド2を下から支えてキャビティC内で保持させてもよい。尚、上型9への芯パッド2のセット後、発泡原料gを注入し、その後、型閉じしたが、上型9に芯パッド2をセットした後、型閉じし、その後、発泡原料gを注入することもできる。
型閉じ後、主工程の表層パッド3の発泡成形に移る。図5の型閉じ状態を所定時間維持し、着座乗員が当接する意匠面3a側に受け面部分31を有する軟質ポリウレタン発泡成形体からなる表層パッド3を発泡成形する(図6)。
発泡成形の初期段階は、発泡原料gの発泡が進み、受け面部分31のキャビティCを埋めた後、発泡原料gが上昇し、図7(イ)のように上型キャビティ面91に近づいていく。この進行過程で、発泡原料gが芯パッド裏面2bに回り込んで係止用溝22へ浸入しようとしても、段差部24とリブ94とで芯パッド2の裏面側浸入口を塞いで、発泡原料gの浸入を阻止する。リブ先端面941に低面241を合わせたことで、段差部24における低面241とリブ94の先端面941がシールして、発泡原料gの係止用溝22への進行を止めたまま、図7(ロ)のごとく側部32の裏面323まで埋め尽くす表層パッド3を発泡成形する。芯パッド2を埋設一体化し、リブ94と低面241との重なる箇所が溝底40となる凹状溝4を側壁23との境界部に形成する表層パッド3を発泡成形する。上記リブ94と低面241とが重なる箇所の本発明でいう溝底40は、次に述べる溝底40上へ発泡原料の浸入硬化物Fがあれば低面241上の該硬化物kを含めての溝底であり、該硬化物がなければ、低面241がそのまま溝底になる。
ここで、芯パッド2はその製品製造時に時に収縮が大きくなることがある。芯パッド2が図8(イ)の白抜矢印のごとく成形収縮を大きく起こしたインサート品が用いられると、芯パッド2の段差部立面242がリブ側壁942から離れ、隙間εができる。該隙間εができた場合でも、リブ94の先端面941が芯パッド2の段差部低面241に当接しているので、発泡原料gの係止用溝22への進行を防ぐことができる。リブ94の先端面941と芯パッド2の段差部低面241との当接は、既述の吊溝用隆起部86の支えによって支援させてもよい。
仮に、リブ94の先端面941と段差部24の低面241とが離れ、僅かな隙ε1ができ、図8(ロ)のような状態になっても、発泡原料gはリブ側壁94と段差部24の立面242間でつくる隙間εを通過する時間経過と共に発泡原料gの硬化が始まる。発泡原料gは係止用溝22に達する前に硬化物kになる。芯パッド2の段差部立面242とリブ側壁942との隙間εよりも狭いリブ94の先端面941と段差部24の低面241との間にできる隙ε1を、発泡原料gが通過しなければならない。そして、該隙ε1を通過した発泡原料gは、隙間εが距離を有し、浸入した発泡原料gの貯留部の役割を果たすため、該隙間εを潜り抜けて係止用溝22へ入り込むことはない。隙間εの幅は隙ε1の幅よりも大きい。型閉じ後の発泡成形で、発泡原料gは、芯パッド裏面2bに回り込むことなく表層パッド側部32の裏面323まで到達する。上述のようにリブ94の先端面941における低面241との合わせ面部分941aは、互いに当接していた方が好ましいが、完全に当接していなくても問題ない。
図5の型閉じ状態を所定時間維持し、芯パッド2の裏面2bを露出させてこれを埋設一体化した表層パッド3を発泡成形する。受け面部分31を形成すると共に、リブ94と低面241との重なる箇所が溝底40となる凹状溝4を側壁23との境界部に形成し、意匠面3a側と反対の内面3b側が芯パッド2の表面2aに接合一体化した表層パッド3を発泡成形して、クッションパッド1を造る。
凹状溝4はリブ94の形が転写された格好になっている。ここでのリブ94は、型閉じで、図5,図7(イ)のごとくリブ先端面941が前記低面241との合わせ部分941aを一部にして、該先端面941の残り941bが表層パッド3のキャビティC側へせり出すように配設している。したがって、低面241よりも大きな溝底面41を有する凹状溝4を、段差部24と表層パッド側部32で形成する。合わせ部分941aがつくる溝底40に表層パッド側部32の凹状溝形成用底面が加わった溝底面41にして、凹状溝4の溝側壁42は一方を段差部24の立面242で構成し、他方を表層パッド側部32の凹状溝形成用側壁321が担う所望のクッションパッド1になる(図7のロ)。
本実施形態は、図1〜図7のように段差部24及びリブ94を芯パッド2の裏面外周縁21に沿って全周に形成したが、外周縁沿いの一部に段差部24及びリブ94を設けることもできる。例えば表層パッド3の発泡成形で、車両後方側の係止用溝22に発泡原料gが浸入し易い傾向にあるので、この車両後方側の係止用溝22が在る領域に段差部24,リブ94を限定配設してもよい。図1でいえば、車両後方側に在る四つの係止用溝22をカバーする車両後方側の裏面外周縁21に限った領域に発泡原料g進入阻止の防波堤になる段差部24及びリブ94を設けて、前記四つの係止用溝22への発泡原料gの進入阻止を図ることができる。
ところで、本発明のように芯パッド2の段差部24側にリブ94を配せず、リブ94を表層パッド側部32のキャビティCのみに配することも考えられる。しかし、型閉じで、図9のようにリブ94が表層パッド側部32側のキャビティCに限定セットされると、支障をきたす。収縮により正規寸法より小さくなった芯パッド2が上型9にセットされると、リブ94のリブ側壁942と芯パッド2の側壁23との間に隙ε2があき、発泡成形時の発泡原料gが、同図矢印のごとく芯パッド2の裏面外周縁21に達し、裏面外周縁21寄りに設けられた係止用溝22へと入り込む問題が依然として残る。さらに、表層パッド3の成形を終えたクッションパッド1が出来上がっても、表層パッド側部32の端縁が薄くなり、めくられやすくなる不具合も招く。
一方、図7のキャビティC側にリブ94がせり出した分941bを芯パッド2の本体側へ移動させ、リブ94を芯パッド2側のみに配する場合は本発明の範囲内にある。その低面241に合わせた先端面941を有する図10のようなリブ94を上型9に設けて、該上型9へ芯パッド2をセットし、表層パッド3を発泡成形する場合は、発泡原料gの係止用溝22への浸入を防止できる。段差部24の対応部位に該リブ94が設けられた上型9へ芯パッド2をセットし、次いで、下型キャビティ面81に発泡原料gを注入すると、図8(イ),(ロ)で説明したときと同様、隙間εができても、発泡原料gが貯留部となる隙間εを通過しなければならず、発泡原料gが係止用溝22へ入り込むのは困難になる。図10に示す段差部24の対応部位に同図のようなリブ94が設けられた上型9へ芯パッド2をセットし、次に、発泡原料gを注入すると共に型閉じし、その後、凹状溝4を段差部24とで形成する表層パッド3を発泡成形しても、発泡原料gの係止用溝22への浸入を防止する図7,図8の前述説明と同様の効果が得られる。
ただ、芯パッド2側だけに段差部24とリブ94を配設すると、図10のように係止用溝22を形成する壁の厚みt2が小さくなってしまう。カバー表皮5はクッションパッド裏面1b側に隠れる分を無駄に大きくできず、係止用溝22が芯パッド裏面2bで外周縁21寄りに形成される。図11(ロ)のごとく、表層パッド側部32から係止用溝22までの距離Lは短く設定され、係止用溝22が芯パッド2の裏面外周縁21寄りに設けられる。型閉じで、芯パッド2側だけにリブ94を配する構成にすれば、段差部24が係止用溝22に接近する。クッションパッド1が表皮5に覆われると、表皮端部51は同図白抜矢印方向へ引っ張られることから、段差形成用立面242が同図鎖線のごとく倒れる虞がある。
これに対し、本実施形態のように型閉じで、リブ94の先端面941が低面241との当接部分941aを一部にして、該先端面941の残り941bが表層パッド3のキャビティC側へせり出し(図7)、該低面241よりも大きな溝底面41を有する凹状溝4を、段差部24と表層パッド側部32で形成したシートパッドであれば(図11のイ)、係止用溝22を形成する壁の厚みt1は、前記厚みt2よりも大きくなる。図10のように係止用溝22の形成用立面242が倒れる心配がなくなりより好ましくなる。バリ除去作業やテープ塞ぎの労力負担解消だけでなく、品質的にも優れた所望のクッションパッド1が出来上がる。
符号391,392は吊溝39の縦溝、横溝、符号3Bはサイド部、符号3Dは斜面、符号3Eはバックレストとの合わせ部を示す。
このように構成した車両用クッションパッドの製造法は、保形性を有して極めて軽いビーズ発泡成形体の芯パッド2を軟質ポリウレタン発泡成形体の表層パッド3が埋設一体化しているので、クッションパッド1の軽量化が可能である。それでいて、少なくとも乗員が当接する側の受け面部分31を軟質ポリウレタン発泡成形体の表層パッド3で形成するので、乗員着座時の快適なクッション性が維持される。
そして、芯パッド2の裏面外周縁21寄りには表皮端部51の係止用溝22が設けられるが、本クッションパッドの製造法によれば、芯パッド2に段差部24を設け、且つ上型9にリブ94を設けることによって、表層パッド3の発泡成形時に発泡原料gが係止用溝22に浸入し易かった問題を解消する。該係止用溝22が在る領域で、側壁23と接する裏面部位に低面241を有する段差部24が裏面外周縁21沿いに設けられ、且つ該段差部24の対応部位にリブ94が設けられた上型9を採用することで、係止用溝22への発泡原料gの浸入を防止できる。上型9への芯パッド2のセットで、段差部低面241をリブ先端面941に合わせて(当接して)、芯パッド裏面2bの浸入口にあたる裏面外周縁21で封止するので、発泡原料gの浸入を有効阻止できる。該リブ94が設けられた上型9へ芯パッド2をセット後、発泡原料gを注入すると共に型閉じし、その後、芯パッド2を埋設し、リブ94と低面241との重なる箇所が溝底40となる凹状溝4を段差部24とで形成する表層パッド3を発泡成形すると、発泡成形時の発泡原料gが係止用溝22へ浸入できなくなる。
さらにいえば、段差部24に低面241を有し、該低面241にリブ94の先端面941が当接すると、低面241と先端面941との面接触によりシール域が広いので、発泡原料gの係止用溝22への浸入を効果的に防止できる。
芯パッド2を構成するビーズ発泡成形体はその発泡成形で収縮する傾向になるが、問題にならない。多少縮んでも低面241と先端面941との面接触でカバーできる範囲ならばシール性を維持でき、発泡原料gの係止用溝22への浸入を防止できる。図8(イ)や(ロ)のように芯パッド2の収縮でリブ94から離れて隙間εができてしまっても、表層パッド3の発泡成形において発泡原料gが係止用溝22へ行き着くには、芯パッド2の裏面外周縁21からリブ94の先端面941と段差部24の低面241との間の隙ε1を通過し、さらに段差部立面242とリブ側壁942との隙間εを通って該係止用溝22まで辿り着かねばならならない。隙間εが大きくなっても、この隙間εが貯留部の役割を果たしており、逆に発泡原料gの通過に時間がかかり、発泡原料gは途中で硬化するので、係止用溝22に発泡原料gが入り込むことはない。
本クッションパッド1のように、表層パッド3と芯パッド2との境界域にリブ94の転写跡のような凹状溝4ができても、クッションパッド1の裏面1b側であり支障をきたさない。クッションパッド1に係る低面241の面レベルが表層パッド3側へ延出して、該低面241よりも大きな溝底面41を有する凹状溝4が該表層パッド3と段差部24とで形成されると、図10のように凹状溝4の壁が厚みt2と小さくならず、図7の必要厚みt1を確保できるので、表皮端部51の係止用溝22として機能維持できる。
型閉じで、リブ94の先端面941が低面241との合わせ部分941aを一部にして、該先端面941の残り941bが表層パッド3のキャビティC側へせり出し、該低面241よりも大きな溝底面41を有する凹状溝4を段差部24と表層パッド側部32で形成すると、発泡原料gの係止用溝22への浸入防止を確実にし、さらに図7(イ)に示す係止用溝22を構成する側壁23側の壁厚みt1を十分確保できる。芯パッド2の裏面外周縁21寄りに設けられる表皮端部51の係止用溝22にあって、該係止用溝22と芯パッド側壁23の間に凹状溝4を設けても、表皮端部51の係止用溝22として問題なく機能発揮させることができる。
加えて、段差部24が芯パッド2の裏面外周縁21に沿って全周に形成されると、該段差部24の対応部位に設けられるリブ94とで、芯パッド裏面2bの外周縁寄りで裏面外周縁21に沿って所定間隔で設けられる係止用溝22の全てに対し、表層パッド3の発泡成形で、発泡原料gの該係止用溝22への浸入を防止できる。
このように、係止用溝22に前処理のテープ貼りして表層パッド3の成形後に該テープを剥がしたり、表層パッド3の成形で係止用溝22に入ったバリを後から取り除いたりする従来の作業工程を要せず且つ品質も安定するなど、労力負担軽減,品質安定,生産性向上等に優れた効果を発揮する。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。芯パッド2,係止用溝22,段差部24,表層パッド3,凹状溝4,発泡成形型7,リブ94等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
1 クッションパッド
2 芯パッド
21 裏面外周縁
22 係止用溝
23 側壁
24 段差部
241 低面
3 表層パッド
31 受け面部分
4 凹状溝(横断面視凹状溝)
40 溝底
81 下型キャビティ面
9 上型
94 リブ
941 先端面
941a 合わせ部分

Claims (3)

  1. 少なくとも乗員が当接する側の受け面部分を軟質ポリウレタン発泡成形体の表層パッドで形成した車両用クッションパッドの製造方法において、
    ビーズ発泡成形体であって、裏面外周縁寄りに表皮端部の係止用溝が設けられ、且つ該係止用溝が在る領域で、側壁と接する裏面部位に低面を有する段差部が裏面外周縁沿いに設けられた芯パッドを、該段差部の対応部位にリブが設けられた上型へ該リブの先端面に前記低面を合わせてセットし、次いで、下型キャビティ面に軟質ポリウレタン発泡原料を注入すると共に型閉じし、その後、芯パッドを埋設一体化し、前記リブと前記低面との重なる箇所が溝底となる横断面視凹状溝を前記側壁との境界部に形成して表層パッドを発泡成形することを特徴とする車両用クッションパッドの製造方法。
  2. 前記型閉じで、前記リブの先端面が前記低面との合わせ部分を一部にして、該先端面の残りが前記表層パッドのキャビティ側へせり出し、該低面よりも大きな溝底面を有する前記凹状溝を、前記側壁との境界部に形成した請求項1記載の車両用クッションパッドの製造方法。
  3. 前記段差部が前記芯パッドの裏面外周縁に沿って全周に形成された請求項1又は2に記載の車両用クッションパッドの製造方法。
JP2017075944A 2017-04-06 2017-04-06 車両用クッションパッドの製造法 Active JP6853097B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017075944A JP6853097B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 車両用クッションパッドの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017075944A JP6853097B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 車両用クッションパッドの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018175107A JP2018175107A (ja) 2018-11-15
JP6853097B2 true JP6853097B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=64280228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017075944A Active JP6853097B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 車両用クッションパッドの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6853097B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6901309B2 (ja) * 2017-04-14 2021-07-14 株式会社イノアックコーポレーション シートコア材および座席シートの製造方法
JP7348732B2 (ja) 2019-02-28 2023-09-21 株式会社イノアックコーポレーション 車両用クッションパッド及びその製造方法
JP7209564B2 (ja) 2019-03-22 2023-01-20 株式会社イノアックコーポレーション 車両用クッションパッド及びその製造方法
JP7321039B2 (ja) * 2019-09-17 2023-08-04 株式会社イノアックコーポレーション 車両用シートパッド及びその製造方法
JP7301694B2 (ja) 2019-09-19 2023-07-03 株式会社イノアックコーポレーション 車両用シートパッドの製造方法及びその製造用発泡成形型

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6162487A (ja) * 1984-08-31 1986-03-31 日産自動車株式会社 シ−トクツシヨンパツド
DE69705528T2 (de) * 1996-08-30 2002-05-29 Woodbridge Foam Corp Sitz und Verfahren, Form und System für seine Herstellung
ES2365581B1 (es) * 2009-05-07 2012-09-17 Centro Tecnologico De Grupo Copo, S.L.U. Procedimiento de obtencion de un modulo de asiento apto para su montaje y modulo obtenido
JP5344395B2 (ja) * 2009-07-09 2013-11-20 積水化成品工業株式会社 車両用シート
US8540318B2 (en) * 2011-01-20 2013-09-24 Lear Corporation Vehicle seating frame attachment assembly, and method of making the same
JP6729110B2 (ja) * 2016-07-13 2020-07-22 トヨタ紡織株式会社 乗物用シートのクッションパッド及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018175107A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6853097B2 (ja) 車両用クッションパッドの製造法
JP6843687B2 (ja) 車両用クッションパッド及びその製造方法
KR102336858B1 (ko) 차량용 시트 쿠션 심재
JP2010201726A (ja) シートパッド成形型およびその成形型を用いたシートパッドの製造方法
KR101567144B1 (ko) 인티그랄 스킨 폼 콘솔 암레스트의 제조 장치 및 제조 방법, 이에 의해 제조되는 인티그랄 스킨 폼 콘솔 암레스트
JP6732591B2 (ja) 車両用シートパッド及びその製造方法
JP6771818B2 (ja) 車両用シートパッド及びその製造方法
JP6752510B2 (ja) 車両用シートパッド及びその製造方法
JP7460306B2 (ja) 車両用クッションパッド及びその製造方法
JP6746414B2 (ja) 車両用シートパッドの製造方法
JP5349027B2 (ja) 二層発泡成形方法および装置
JP2022180666A (ja) 車両用クッションパッド及びその製造方法
JP7321039B2 (ja) 車両用シートパッド及びその製造方法
CN107803969B (zh) 用于机动车辆座椅元件的泡沫内饰件的形成
JP4106320B2 (ja) 射出成形方法
JP6709679B2 (ja) 車両用クッションパッド及びその製造方法
JP7014866B2 (ja) 車両用シートパッドの製造方法
JP6970528B2 (ja) 座席シートの製造方法
JP7438415B2 (ja) 車両用クッションパッド及びその製造方法
JP2008074009A (ja) 衝撃吸収機能を有する樹脂成形品並びにその成形方法
JP2021165115A (ja) 車両用クッションパッド及びその製造方法
US11571843B2 (en) Foam molding mold and method for manufacturing foam molding body
EP3484746B1 (fr) Procédé de réalisation d'une matelassure de siège de véhicule automobile
JP2010017913A (ja) 射出成形型および車両用内装材
JP2018068402A (ja) 便座・便蓋の製造方法および便座装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6853097

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250