JP6850356B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタに関する。
特許文献1には、コネクタのハウジング本体に側方から装着するサイドスペーサが記載されている。サイドスペーサは、板状のアウター部材と、ハウジング本体の側部から端子収容室内に挿入される枝板から構成されている。アウター部材は、ハウジング本体への装着時には側板、上板、下板がハウジング本体を覆う。枝板には、端子仮係止ランスと端子本係止部とが設けられる。ハウジング本体に対してサイドスペーサを仮係止した状態で、ハウジング本体の端子収容室に雌端子を挿入すると、雌端子がサイドスペーサの端子仮係止ランスに仮係止され、その後、ハウジング本体に対してサイドスペーサを本係止すると、雌端子がサイドスペーサの端子本係止部に本係止される。なお、同公報には、端子収容室の上下を区画するハウジング本体の上板及び下板が、サイドスペーサのアウター部材の上板及び下板に上下から覆われた状態が図示されている。
日本国特開2003−123892号公報
特許文献1に記載のコネクタでは、雌端子とサイドスペーサの枝板とが、ハウジング本体の端子収容室内で互いに上下に重なり、端子収容室の上下を区画するハウジング本体の上板及び下板が、サイドスペーサのアウター部材の上板及び下板に上下から覆われる。このように、上記コネクタでは、上下に複数の部品が重なっているので、コネクタを高さ方向に小型化することが難しい。
本発明の目的の一つは、小型化することが可能なコネクタの提供である。
[1]本発明の第1の側面において、コネクタは、
接続端子の挿入方向と交差する所定方向の一側または両側が開放された端子収容室を有するハウジングと、
前記ハウジングを前記所定方向の両側から挟む位置に配置される一対の対向板部を有し、前記ハウジングに対して側方から取り付けられ、前記接続端子を仮係止する仮係止位置と前記接続端子を本係止する本係止位置との間を移動可能に前記ハウジングに支持されるサイドリテーナと、を備えたコネクタであって、
前記サイドリテーナの前記一側または両側の対向板部は、前記本係止位置で前記端子収容室の前記一側または両側を塞
前記サイドリテーナは、前記ハウジングよりも前記挿入方向の前側に配置されて前記一対の対向板部の前端部同士を互いに連結する前板部を有する、ように構成される。
上記第1の側面では、サイドリテーナの所定方向の一側または両側の対向板部が本係止位置で端子収容室の上記一側または両側を塞ぐので、ハウジングの上記一側または両側の板を省略して、その位置にサイドリテーナの上記一側または両側の対向板部を配置することができる。このため、端子収容室の上記所定方向の両側を塞ぐハウジングに対してサイドリテーナを取り付ける場合に比べ、コネクタを上記所定方向に小型化することができる。
[2]本発明の第2の側面では、第1の側面に係るコネクタにおいて、
記本係止位置で前記端子収容室を塞ぐ前記サイドリテーナの対向板部は、前記仮係止位置で前記端子収容室の前記接続端子を仮係止する仮係止部と、前記本係止位置で前記端子収容室の前記接続端子を本係止する本係止部とを有し、
前記ハウジングは、少なくとも前記仮係止位置の前記サイドリテーナの前記対向板部の後端部を係止して前記対向板部の前記後端部の前記所定方向の外側への移動を規制する後側係止部を有し、
前記仮係止位置の前記対向板部は、前記端子収容室への前記接続端子の挿入時に、前記仮係止部を介して前記接続端子に押圧されて前記所定方向の外側へ撓み、前記接続端子の挿入を許容する、ように構成される。
上記第2の側面では、サイドリテーナの対向板部のうち本係止位置で端子収容室を塞ぐ対向板部(以下、閉塞対向板部と称する。)は、接続端子を仮係止する仮係止部と、接続端子を本係止する本係止部とを有する。サイドリテーナを仮係止位置に設定した状態では、閉塞対向板部の後端部は、ハウジングの後側係止部に係止されて上記所定方向の外側への移動が規制され、閉塞対向板部の前端部は、前板部及び反対側の対向板部を介してハウジングに支持されて上記所定方向の外側への移動が規制される。このように、サイドリテーナを仮係止位置に設定した状態では、閉塞対向板部の前端側及び後端側が支持されるので、端子収容室への接続端子の挿入時に閉塞対向板部を好適に上記所定方向の外側へ撓ませることができる。このため、閉塞対向板部の仮係止部を大きく撓ませなくても接続端子を挿入することができるので、前後方向に長く大きく撓む片持ち状の仮係止部を設けなくてもよく、コネクタの前後方向に小型化することができる。
[3]本発明の第3の側面では、第2の側面に係るコネクタにおいて、
前記ハウジングは、少なくとも前記仮係止位置の前記対向板部の前記前端部を係止して前記対向板部の前記前端部の前記所定方向の外側への移動を規制する前側係止部を有する、ように構成される。
上記第3の側面では、サイドリテーナを仮係止位置に設定した状態のときに、閉塞対向板部の前端部が、ハウジングの前側係止部に係止されて上記所定方向の外側への移動が規制されるので、閉塞対向板部が撓む際に、前板部を介した反対側の対向板部への影響を抑えることができる。このため、サイドリテーナの上記所定方向の両側の対向板部の弾性変形を別々にコントロールすることができる。
本発明によれば、コネクタを小型化することができる。
図1は、本発明の第1実施形態のメスコネクタの分解斜視図である。 図2は、メスコネクタの外観斜視図である。 図3は、CPA本係止状態の外観斜視図である。 図4は、コネクタ嵌合前の縦断面図である。 図5は、CPA本係止状態の縦断面図である。 図6は、インナーハウジングの前部領域の斜視図である。 図7は、サイドリテーナの斜視図である。 図8は、インナーハウジングの前部領域及びサイドリテーナの縦断面図であり、図8(a)は本係止位置を、図8(b)は仮係止位置をそれぞれ示す。 図9は、図8のIX−IX矢視断面図である。 図10は、本発明の第2実施形態のメスコネクタの要部の縦断面図である。
以下、本発明を実施するためのコネクタの第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のオスコネクタ1及びメスコネクタ10の分解斜視図、図2は、メスハウジング11にCPA12とシール部材13とサイドリテーナ14とを装着したメスコネクタ10の外観斜視図、図3はCPA本係止状態の外観斜視図、図4はコネクタ嵌合前の状態の縦断面図、図5はCPA本係止状態の縦断面図である。なお、以下では、相手コネクタと嵌合する方向を前方(嵌合方向前方)、相手コネクタから離間する方向を後方(嵌合方向後方)、嵌合方向と略直交するコネクタ高さ方向(高さ方向)の一側(図4の下方)を下方、他側(図4の上方)を上方、嵌合方向及びコネクタ高さ方向と略直交するコネクタ幅方向(幅方向)を左右方向として説明する。
(メスコネクタ10の概略構成)
図1〜図3に示すように、メスコネクタ(コネクタ)10は、筒状のメスハウジング(ハウジング)11と、メスハウジング11に嵌合方向に沿って収容されるメス端子(接続端子)15と、メスハウジング11の外面に嵌合方向でスライド可能に装着される筒状のCPA(嵌合保証部材)12と、メスハウジング11に装着される環状のシール部材13と、メスハウジング11に装着されるサイドリテーナ14とを備える。メスコネクタ10は、オスコネクタ1と嵌合可能なコネクタであって、メスコネクタ10とオスコネクタ1とが嵌合した状態で、メスハウジング11に収容されるメス端子15とオスコネクタ1のオスハウジング2に収容されるオス端子3とが互いに電気的に接続される。本実施形態では、1対のメス端子15をメスコネクタ10に設け、1対のオス端子3をオスコネクタ1に設け、1対のメス端子15と1対のオス端子3とをそれぞれ接続させる。
(オスハウジング2)
オスハウジング2は、合成樹脂製であって、例えば車両等に搭載された図示しない電気機器の器壁に直結されている。図1に示すように、オスハウジング2は、器壁に対応する基端部4と、基端部4から嵌合方向に延出する円筒状のフード部5とを有している。基端部4には、図4に示すように、フード部5の内周面と軸方向に連続する内周面を有する有底の空間6が形成され、この空間6の奥側には嵌合方向に向かって突出するタブ状のオス端子3が固定されている。フード部5の外周の上面には、上係止突起7が突出して設けられ、フード部5の外周の下面には、下係止突起8が突出して設けられる。なお、図5では、オス端子3の図示を省略している。
(メス端子15)
メス端子15は、先端側の電気接触部15aと、電気接触部15aの後方の首部15bと、首部15bの後方の電線9に接続される加締め部15cとを一体的に有する。電気接触部15aは、下方へ突出する仮係止突起15d(図4参照)を有し、タブ状のオス端子3の挿入を許容する筒状に形成される。首部15bは、電気接触部15aよりも細く形成される。
(メスハウジング11)
メスハウジング11は、合成樹脂製であって、図4及び図5に示すように、筒状のインナーハウジング16と、インナーハウジング16の外周面と間隔をあけてこの外周面を包囲する筒状のアウターハウジング17とを連ねて形成される。インナーハウジング16の外周面とアウターハウジング17の内周面との隙間には、オスハウジング2のフード部5が挿入される。インナーハウジング16の前端側は、アウターハウジング17の前端面よりも前方に張り出して形成される。すなわち、インナーハウジング16は、アウターハウジング17の内部で前後方向に延びる後部領域19と、アウターハウジング17よりも前方へ突出する角筒状の前部領域20とを有する。インナーハウジング16の前部領域20には、サイドリテーナ14が装着される。
インナーハウジング16の後部領域19は、大径部19aと前端側の小径部19bとを有する。大径部19aは、オスハウジング2の空間6よりも僅かに小さく形成される。小径部19bは、大径部19aよりも小さく形成され、その円筒状の外周面にシール部材13が装着される。
インナーハウジング16の前部領域20は、サイドリテーナ14が取り付けられた状態で、オスハウジング2の空間6に挿入される。インナーハウジング16の前部領域20には、後方から2つのメス端子15が挿入されるメス端子収容室(端子収容室)18が設けられる。メス端子収容室18は、インナーハウジング16の後部領域19の後端の端子挿入口27に連通する。インナーハウジング16の前部領域20のメス端子収容室18には、メス端子15の電気接触部15a、及び首部15bの一部(前端部)が収容される。
図4〜図6に示すように、インナーハウジング16の前部領域20は、ハウジング上板部21と、左右のハウジング側板部22,23(図1参照)と、ハウジング前板部24と、後係止凸部(後側係止部)25とを有し、角筒状に形成される。ハウジング上板部21は、ハウジング上板部21の下面から下方へ突出してメス端子収容室18を左右に仕切る仕切壁28(図8参照)を有し、メス端子収容室18の上方を区画する。すなわち、メス端子収容室18は、ハウジング上板部21の仕切壁28によって左右2つのメス端子収容室に仕切られる。左右のハウジング側板部22,23は、メス端子収容室18の左右両側を区画する。ハウジング前板部24は、その下端縁部に沿って後方へ突出するメス端子支持部24aを有し、メス端子収容室18の前方を区画する。ハウジング前板部24のメス端子支持部24aは、メス端子収容室18に挿入されたメス端子15の前端部を下方から支持する。ハウジング前板部24には、前後方向に貫通する左右1対のオス端子挿入口26が形成され、メス端子収容室18には、前方から左右のオス端子挿入口26を介してオス端子3が挿入される。後係止凸部25は、インナーハウジング16の後部領域19の前下端から前方へ突出してインナーハウジング16の幅方向に亘って延びる。ハウジング前板部24のメス端子支持部24aと後係止凸部25とは、互いに前後方向に大きく離間して配置される。ハウジング前板部24のメス端子支持部24aの下面と後係止凸部25の下面とは、略同じ高さ位置に配置され、インナーハウジング16の前部領域20の下面37(図9参照)を構成する。左右のハウジング側板部22,23の下端縁22a,23aは、インナーハウジング16の前部領域20の下面37よりも上方に配置される。ハウジング前板部24のメス端子支持部24aの後端と後係止凸部25の前端と左右のハウジング側板部22,23の下端縁22a,23aとの間には、メス端子収容室18を下方へ開放するハウジング開口29が形成される。すなわち、メスハウジング11は、メス端子15の挿入方向(本実施形態では、後方から前方)と交差する上下方向(所定方向)の下側(一側、外側)が開放されたメス端子収容室18を区画する。
図6に示すように、インナーハウジング16の前部領域20のハウジング上板部21の上面には、隔壁42を挟んで並ぶ本係止溝43と仮係止溝44とからなる係止溝群45が設けられ、隔壁42と本係止溝43と仮係止溝44とは、嵌合方向に沿って直線状に延びる。本係止溝43は、ハウジング上板部21の上面から突出するハウジング上板部21の側壁上端部46と隔壁42との間に区画され、仮係止溝44は、ハウジング上板部21の上面から突出する溝形成突起47と隔壁42との間に区画される。
図4及び図5に示すように、メスハウジング11の外周面には、弾性変形可能なハウジングアーム30が形成される。ハウジングアーム30は、門型に形成され、メスハウジング11(インナーハウジング16の後部領域19の大径部19a)の外周面に片持ち状に支持されて、インナーハウジング16の外周面と略平行にオスハウジング2に向かって延在する左右1対の弾性アーム片31と、各弾性アーム片31の前端部同士を幅方向に架橋する係止片32とを有している。係止片32は、両ハウジング2,11の嵌合時に、オスハウジング2の上係止突起7に係止される。
アウターハウジング17は、その前端上部の左右両端から立ち上がって幅方向を横断し、ハウジングアーム30の係止片32を外側(上方)から覆うメスハウジングブリッジ33を有している。メスハウジングブリッジ33は、オスハウジング2の上係止突起7による係止片32の弾性変形を許容する位置であって、係止片32の移動範囲の外側(上方)近傍に配置されている。
(サイドリテーナ14)
サイドリテーナ14は、合成樹脂製であり、図1及び図7に示すように、幅方向の一方(側方)が開口するリテーナ本体34と、リテーナ本体34の前端を覆うリテーナ前板部(前板部)35とを有し、インナーハウジング16の前部領域20に対して幅方向(装着方向)から装着される。サイドリテーナ14は、インナーハウジング16の前部領域20に対して完全に装着される本係止位置(図8(a)参照)と、本係止位置よりも手前の仮係止位置(図8(b)参照)とに設定可能である。リテーナ前板部35には、2つのオス端子挿入口36が形成されている。リテーナ前板部35は、サイドリテーナ14を本係止位置(正規位置)に設定した状態で、インナーハウジング16のハウジング前板部24の前方に配置されてハウジング前板部24に近接又は接触し、オス端子挿入口36が、インナーハウジング16のオス端子挿入口26と連通する。オス端子3は、オス端子挿入口26,36から挿入され、メス端子収容室18のメス端子15の電気接触部15aと接続される。
リテーナ本体34は、上下に離間して相対向するリテーナ上板部(対向板部)38及びリテーナ下板部(対向板部、閉塞対向板部)39と、リテーナ上板部38の側端縁とリテーナ下板部39の側端縁とを連続するリテーナ湾曲板部40とを一体的に有する。リテーナ上板部38とリテーナ下板部39とは、サイドリテーナ14を本係止位置に設定した状態でインナーハウジング16の前部領域20を上下方向の両側から挟む位置に配置される。なお、本実施形態では、リテーナ上板部38の側端縁とリテーナ下板部39の側端縁とを連続する側板部としてリテーナ湾曲板部40を設けたが、湾曲しない側板部を設けてもよい。
リテーナ上板部38の開口(リテーナ湾曲板部40とは反対側の開口)側の端縁には、嵌合方向に沿って直線状に延びるリテーナ突起41が下方へ突設されている。リテーナ突起41の後端部には、本係止位置から仮係止位置へサイドリテーナ14を移動させる際に使用する治具(図示省略)が挿入される切欠き63が形成されている。
図5、図7及び図9に示すように、リテーナ下板部39は、前端側のメス端子支持部60と、中間部の2つの仮係止爪(仮係止部)48と、後端側の2つの本係止片(本係止部)49とを有する。
メス端子支持部60は、サイドリテーナ14をインナーハウジング16の前部領域20の本係止位置に装着した状態で、ハウジング前板部24のメス端子支持部24aの後方に配置され、メス端子支持部60の前面がメス端子支持部24aの後面に対向して近接又は接触した状態で幅方向に延びる。メス端子支持部60の上面は、ハウジング前板部24のメス端子支持部24aの上面と略同じ高さ位置に配置される。メス端子支持部60の後方には、メス端子15の仮係止突起15dを配置可能な大きさの空間61が区画される。メス端子支持部60は、メス端子収容室18に収容されたメス端子15の電気接触部15aの前端部を下方から支持する。
仮係止爪48は、リテーナ下板部39の前後方向の略中間部に配置されて、リテーナ下板部39の上面から前上方へ傾斜して突出する片持ち状の爪であり、サイドリテーナ14を仮係止位置に設定した状態でメス端子15の仮係止突起15dを仮係止する。仮係止爪48の下方には、仮係止爪48の下方への撓み変形を許容する空間62が区画される。仮係止爪48の下方の空間62は、メス端子支持部60の後方の空間61の下部に後方から連通する。サイドリテーナ14を仮係止位置に設定した状態では、仮係止爪48は、ハウジング上板部21の仕切壁28(図8参照)の両側のメス端子収容室18の下方に配置される。
本係止片49は、リテーナ下板部39の上面から上方へ突出する構造体であって、リテーナ下板部39の後端部に配置され、サイドリテーナ14を本係止位置に設定した状態でメス端子15の電気接触部15aと首部15bとの間の段差部分を本係止する。サイドリテーナ14を本係止位置に設定した状態では、本係止片49は、ハウジング上板部21の仕切壁28(図8参照)の両側のメス端子収容室18の下方に配置される。すなわち、本係止片49と仮係止爪48とは、互いに幅方向及び前後方向に異なる位置に配置される。2つの本係止片49の後面49a側の下端部には、前方へ切り欠かれた状態で幅方向に延びる切欠部51がそれぞれ形成される。2つの本係止片49の切欠部51とリテーナ下板部39の上面とは、前方へ凹んだ状態で幅方向に延びる後スライドレール59を区画形成する。後スライドレール59は、インナーハウジング16の後係止凸部25の挿入を許容する大きさに形成される。
サイドリテーナ14をインナーハウジング16の前部領域20へ装着する場合、サイドリテーナ14の側方の開口を僅かに拡げ、リテーナ下板部39の後端部の後スライドレール59をインナーハウジング16の後係止凸部25に係合させて、開口からサイドリテーナ14の内側にインナーハウジング16の前部領域20を挿入し、サイドリテーナ14を幅方向(装着方向)へ移動する。サイドリテーナ14を装着方向へ移動させると、リテーナ突起41は、図8(b)に示すように仮係止溝44に進入して係止し(仮係止位置)、さらに装着方向へ移動させると、図8(a)に示すように本係止溝43に進入して係止する(本係止位置)。後係止凸部25がインナーハウジング16の幅方向に亘って延びるので、サイドリテーナ14の後スライドレール59は、サイドリテーナ14を装着開始してから直ぐにインナーハウジング16の後係止凸部25に係合し、その後、本係止位置に至るまで係合した状態となる。サイドリテーナ14の後端部は、後スライドレール59とインナーハウジング16の後係止凸部25との係合によって、上下方向に移動が規制された状態で、幅方向へスライド移動する。
図6に示すように、ハウジング上板部21の溝形成突起47の溝外側の側面は緩やかな第1傾斜面50であり、サイドリテーナ14を装着方向へ押すことにより、リテーナ突起41が比較的容易に第1傾斜面50上を摺動し、サイドリテーナ14が撓みながら溝形成突起47を越えて仮係止位置に装着される。隔壁42の仮係止溝44側の側面は第1傾斜面50よりもやや急な第2傾斜面52であり、仮係止位置への装着時よりも強くサイドリテーナ14を押すことにより、リテーナ突起41が第2傾斜面52上を摺動し、サイドリテーナ14が撓みながら隔壁42を越えて仮係止位置から本係止位置へ移動する。
一方、ハウジング上板部21の溝形成突起47の仮係止溝44側の側面と隔壁42の本係止溝43側の側面とは、何れも垂直面53,54であり、サイドリテーナ14を取外し方向(装着方向の反対方向)に単に引っ張っても、サイドリテーナ14の本係止位置から仮係止位置への移動や、仮係止位置からの取外しを容易に行うことができない。
隔壁42は、リテーナ突起41よりも短く、係止溝群45の前端側では、隔壁42が部分的に存在せず、本係止溝43と仮係止溝44とが同じ溝深さで連通している。なお、これに代えて、係止溝群45の前端側の隔壁42の高さを他の領域(中央部及び後端部)よりも低く形成してもよい。
(CPA12)
図1及び図4に示すように、CPA12は、合成樹脂製であって、メスハウジング11に後方から被せられ、嵌合方向にスライド可能に装着されている。CPA12には、オスハウジング2に向かって延在する片持ち状のCPA上アーム55が形成される。CPA上アーム55の先端部には、略鉛直方向の内方に延出する上係止爪56が形成される。CPA上アーム55は、後端部を支点として、上係止爪56が上方(外方)に搖動して弾性変形(撓み変形)可能になっている。本実施形態では、CPA12がメスハウジング11に装着されると、CPA上アーム55の上係止爪56がハウジングアーム30の係止片32の後端部に当接し、両ハウジング2,11の嵌合時には係止片32の後端部を嵌合方向(前方)に押圧する。
CPA12は、CPA上アーム55と対向する位置(略180度離れた位置)に片持ち状に支持され、オスハウジング2に向かって延在するCPA下アーム57を有している。CPA下アーム57の先端部には、CPA12の内方に延出する下係止爪58が形成される。CPA下アーム57は、CPA上アーム55と同様に、後端部を支点として下係止爪58が下方(外方)に搖動して弾性変形(撓み変形)可能になっている。
(メス端子15の装着手順)
次に、本実施形態のメス端子15の装着手順を説明する。
メスハウジング11にメス端子15を装着する際には、先ず、図8(b)及び図9に示すように、サイドリテーナ14をインナーハウジング16の前部領域20に対して仮係止位置に設定する。仮係止位置では、サイドリテーナ14のリテーナ下板部39の仮係止爪48がハウジング上板部21の仕切壁28の両側のメス端子収容室18の下方に配置される。サイドリテーナ14を仮係止位置に設定した状態で、1本目のメス端子15をインナーハウジング16の後部領域19の後端の端子挿入口27からメス端子収容室18へ挿入する。インナーハウジング16の前部領域20のメス端子収容室18にメス端子15の電気接触部15aが挿入される際に、電気接触部15aから下方へ突出する仮係止突起15dが、リテーナ下板部39の仮係止爪48に後方から当接し、仮係止爪48及びリテーナ下板部39を下方へ押圧する。リテーナ下板部39の前端側は、リテーナ前板部35及びリテーナ上板部38を介してハウジング上板部21に支持されて下方への移動が規制され、リテーナ下板部39の後端側は、後スライドレール59とインナーハウジング16の後係止凸部25との係合によって下方への移動が規制されるので、メス端子15の仮係止突起15dが仮係止爪48及びリテーナ下板部39を下方へ押圧すると、リテーナ下板部39の前後方向の中間部が下方へ撓み、メス端子15の前方への移動(挿入)が許容される。メス端子15が前方へ移動し、メス端子15の先端がハウジング前板部24に当接し、メス端子15の仮係止突起15dがリテーナ下板部39の仮係止爪48を前方へ越えると、湾曲していたリテーナ下板部39が復元し、リテーナ下板部39の仮係止爪48が、メス端子15の仮係止突起15dの後方へ配置されて1本目のメス端子15を仮係止して、メス端子15の後方への移動を規制する。1本目のメス端子15を仮係止した状態で、1本目のメス端子15と同様に2本目のメス端子15をメス端子収容室18へ挿入して仮係止する。1本目のメス端子15を仮係止した状態で2本目のメス端子15をメス端子収容室18へ挿入するので、2本目のメス端子15の挿入中に1本目のメス端子15が抜けてしまうことを防止することができる。
次に、図8(a)に示すように、サイドリテーナ14をインナーハウジング16の前部領域20に対して仮係止位置から本係止位置へ移動させる。サイドリテーナ14を仮係止位置から本係止位置へ移動させると、サイドリテーナ14のリテーナ下板部39の本係止片49が、幅方向へ移動して2つのメス端子15の電気接触部15aの後方(首部15bとの段差部分)へ移動する。すなわち、本係止位置では、リテーナ下板部39の本係止片49は、両メス端子15の電気接触部15aの後面の後方に配置されて両メス端子15を本係止して、両メス端子15の後方への移動を規制する。これにより、メス端子15がメスハウジング11に装着される。
(本係止位置のサイドリテーナ14)
次に、本係止位置のサイドリテーナ14とインナーハウジング16との関係について説明する。なお、図9は仮係止位置の断面図であるが、インナーハウジング16に対するサイドリテーナ14の高さ方向の位置は、本係止位置も同様であるので、図9も用いて説明する。
図8(a)及び図9に示すように、本係止位置のサイドリテーナ14のリテーナ下板部39は、インナーハウジング16のメス端子収容室18の下方のハウジング開口29を下方から塞ぐ。本係止位置のリテーナ下板部39の上面側のメス端子支持部60、仮係止爪48、及び本係止片49は、インナーハウジング16の前部領域20の下面37よりも上方に配置され、ハウジング開口29からメス端子収容室18側へ突出する。メス端子支持部60の上面は、メス端子15の電気接触部15aの下面の下方に配置され、電気接触部15aの下面に近接又は接触する。仮係止爪48の上端は、電気接触部15aの下面よりも僅かに上方に配置される。本係止片49の上端は、電気接触部15aの下面よりも上方に配置され、首部15bの下面の下方近傍に配置される。
(メスコネクタ10の嵌合手順)
次に、本実施形態のメスコネクタ10の嵌合手順を説明する。以下では、電気機器の器壁に直結されたオスコネクタ1のオスハウジング2に対してメスハウジング11を近づけたときのメスコネクタ10の動作を例に説明する。
まず、上述したように、メスハウジング11にメス端子15を装着する。次に、メスハウジング11をオスハウジング2の位置に合わせ、CPA12を嵌合方向(前方)に押し込むと、CPA上アーム55が係止片32と当接してメスハウジング11がCPA12とともに前方に移動し、オスハウジング2のフード部5にメスハウジング11のインナーハウジング16が挿入され、オス端子3の先端部がオス端子挿入口36に挿入された状態となる(図4参照)。
CPA12を嵌合方向にさらに押し込むと、ハウジングアーム30の係止片32が、オスハウジング2のフード部5の上係止突起7を乗り越えて上係止突起7に係止され、両ハウジング2,11は互いにロックされた状態(嵌合状態)となる。係る嵌合完了の時点では、CPA上アーム55の上係止爪56は未だ上係止突起7の傾斜面上に位置し、CPA下アーム57の下係止爪58も下係止突起8の傾斜面上に位置する。従って、CPA12は、上係止爪56の弾性変形による上係止突起7の傾斜面からの反作用と、下係止爪58の弾性変形による下係止突起8の傾斜面からの反作用とを継続して受ける。
続いて、CPA上アーム55の上係止爪56が嵌合方向へ移動し、上係止突起7に係止された係止片32を乗り越えた後、係止片32を挟む姿勢で上係止突起7に係止される(CPA本係止)。このように、CPA上アーム55が上係止突起7に係止された状態では常に両ハウジング2,11がロック状態となっているから、CPA上アーム55の嵌合によって、両ハウジング2,11の嵌合が保証される。また、係止片32は、上係止突起7と上係止爪56との間に挟まれるため、メスハウジング11の外れが抑制される。なお、下係止爪58は、上係止爪56の係止と略同じタイミングで、下係止突起8に係止される。
このように、本実施形態では、本係止位置のサイドリテーナ14のリテーナ下板部39がインナーハウジング16のメス端子収容室18の下方のハウジング開口29を下方から塞ぐ。このため、メスハウジング11の前部領域20を、ハウジング上板部21と、左右のハウジング側板部22,23と、ハウジング前板部24とによって構成し、下側の板部(例えば、ハウジング下板部)を省略して、その位置にサイドリテーナ14のリテーナ下板部39を配置することができる。従って、メス端子収容室18の上下両側を塞ぐメスハウジングに対してサイドリテーナ14を取り付ける場合に比べ、メスコネクタ10を上下方向(高さ方向)に小型化することができる。
また、リテーナ下板部39の前端側は、リテーナ前板部35及びリテーナ上板部38を介してハウジング上板部21に支持されて下方への移動が規制され、リテーナ下板部39の後端側は、後スライドレール59とインナーハウジング16の後係止凸部25との係合によって下方への移動が規制される。このように、サイドリテーナ14を仮係止位置に設定した状態では、リテーナ下板部39の前端側及び後端側がメスハウジング11側に支持されて下方への移動が規制されるので、メス端子収容室18にメス端子15の電気接触部15aが挿入される際に、リテーナ下板部39の前後方向の中間部を下方へ好適に撓ませることができる。このため、リテーナ下板部39の片持ち状の仮係止爪48を下方へ大きく撓ませなくてもメス端子15を挿入することができるので、片持ち状の仮係止爪48を大きく撓ませるために前後方向に長く形成しなくてもよく、メスコネクタ10の前後方向に小型化することができる。
なお、本実施形態では、インナーハウジング16の前部領域20が、メス端子収容室18を下側(メス端子15の挿入方向と交差する所定方向の一側)へ開放したが、メス端子収容室18を開放する方向はこれに限定されるものではない。例えば、メス端子収容室18を、上方(一側)へ開放し、メス端子収容室18をリテーナ上板部38によって塞いでもよい。或いは、メス端子収容室18を幅方向の一側(メス端子15の挿入方向と交差する所定方向の一側)へ開放してもよい。この場合、サイドリテーナは、幅方向に対向する一対の対向板部を有するように形成され、幅方向の上記一側の対向板部がメス端子収容室18の上記一側を塞ぐ。
また、本実施形態では、インナーハウジング16の前部領域20が、メス端子収容室18をメス端子15の挿入方向と交差する所定方向の一側(本実施形態では、下側)へ開放したが、メス端子収容室18を上記所定方向の両側(上下方向の両側または幅方向の両側)へ開放してもよい。この場合、メス端子収容室18の上記所定方向の両側を、サイドリテーナの一対の対向板部によって塞ぎ、サイドリテーナの一対の対向板部の少なくとも一方の対向板部に仮係止部と本係止部とを設けてもよい。また、この場合、インナーハウジング16は、仮係止部と本係止部とを設けた対向板部の後端部の外側への移動を規制するための後側係止部を有してもよい。
また、本実施形態では、リテーナ下板部39に前方へ凹む後スライドレール59を設け、インナーハウジング16に前方へ突出する後係止凸部25を設け、仮係止位置でのリテーナ下板部39の後端部の下方への移動を規制したが、後スライドレール59及び後係止凸部25を設けなくてもよい。
また、本実施形態では、リテーナ下板部39に前方へ凹む後スライドレール59を設け、インナーハウジング16に前方へ突出する後係止凸部25を設け、仮係止位置でのリテーナ下板部39の後端部の下方への移動を規制したが、これに限定されるものではなく、インナーハウジング16は、少なくとも仮係止位置のリテーナ下板部39の後端部の所定の領域の下方に配置されて、リテーナ下板部39の後端部の下方への移動を規制する後側係止部を有していればよい。例えば、リテーナ下板部39に後方へ突出する後係止凸部を設け、インナーハウジング16に後方へ凹む後スライドレール(後側係止部)を設けてもよい。
また、本実施形態では、インナーハウジング16の幅方向に亘って延びる後係止凸部25を設け、サイドリテーナ14の後スライドレール59を、サイドリテーナ14を装着開始してから本係止位置に至るまで係合した状態となるように構成したが、これに限定されるものではなく、少なくとも仮係止位置でインナーハウジング16の後係止凸部25がサイドリテーナ14の後スライドレール59を係止すればよい。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のメスコネクタ(コネクタ)70は、リテーナ下板部39のメス端子支持部60及びインナーハウジング16のハウジング前板部24のメス端子支持部24aの形状が第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、メスコネクタ(コネクタ)70は、筒状のメスハウジング11と、メスハウジング11に装着されるサイドリテーナ14とを備える。
インナーハウジング16のハウジング前板部24のメス端子支持部24aは、その後面から前方へ凹んだ状態で幅方向に延びる前スライドレール(前側係止部)71を有する。前スライドレール71は、メス端子支持部24aの幅方向に亘って延びる。
サイドリテーナ14のリテーナ下板部39のメス端子支持部60は、その前面から前方へ突出した状態で幅方向に延びる前係止凸部72を有する。前係止凸部72は、ハウジング前板部24の前スライドレール71に対応する位置に配置される。
サイドリテーナ14をインナーハウジング16の前部領域20へ装着する場合、サイドリテーナ14の側方の開口を僅かに拡げ、リテーナ下板部39の後端部の後スライドレール59をインナーハウジング16の後係止凸部25に係合させるとともに、リテーナ下板部39の前端部の前係止凸部72をハウジング前板部24の前スライドレール71に係合させて、開口からサイドリテーナ14の内側にインナーハウジング16の前部領域20を挿入し、サイドリテーナ14を幅方向(装着方向)へ移動する。前スライドレール71は、メス端子支持部24aの幅方向に亘って延びるので、サイドリテーナ14の前係止凸部72は、サイドリテーナ14を装着開始してから直ぐにインナーハウジング16の前スライドレール71に係合し、その後、本係止位置に至るまで係合した状態となる。サイドリテーナ14の前端部は、リテーナ下板部39の前係止凸部72とハウジング前板部24の前スライドレール71との係合によって、上下方向に移動が規制された状態で、幅方向へスライド移動する。
このように、本実施形態では、サイドリテーナ14を仮係止位置に設定した状態のときに、サイドリテーナ14の前端部は、リテーナ下板部39の前係止凸部72とハウジング前板部24の前スライドレール71との係合によって、上下方向(特に下方(一側、外側))への移動が規制されるので、メス端子収容室18にメス端子15を挿入してリテーナ下板部39が下方へ撓む際に、リテーナ前板部35を介したリテーナ上板部38への影響(力の入力)を抑えることができる。このため、サイドリテーナ14のリテーナ上板部38及びリテーナ下板部39の弾性変形を別々にコントロールすることができるので、リテーナ上板部38及びリテーナ下板部39の板厚や形状等の設定が容易になる。
なお、本実施形態では、ハウジング前板部24のメス端子支持部24aに前スライドレール71を設け、リテーナ下板部39のメス端子支持部60に前係止凸部72を設け、仮係止位置でのリテーナ下板部39の前端部の下方への移動を規制したが、これに限定されるものではなく、ハウジング前板部24は、少なくとも仮係止位置のリテーナ下板部39の前端部の所定の領域の下方に配置されて、リテーナ下板部39の前端部の下方への移動を規制する前側係止部を有していればよい。例えば、ハウジング前板部24のメス端子支持部24aに後方へ突出する前係止凸部(前側係止部)を設け、リテーナ下板部39のメス端子支持部60に後方へ凹む前スライドレールを設けてもよい。
また、上述したようにメス端子収容室18を所定方向(メス端子15の挿入方向と交差する方向)の両側(上下方向の両側または幅方向の両側)へ開放し、メス端子収容室18の上記所定方向の両側を、サイドリテーナの一対の対向板部によって塞ぎ、サイドリテーナの一対の対向板部の少なくとも一方の対向板部に仮係止部と本係止部とを設ける場合には、インナーハウジング16は、仮係止部と本係止部とを設けた対向板部の後端部の外側への移動を規制するための後側係止部と、上記対向板部の前端部の外側への移動を規制するための前側係止部とを有してもよい。
また、本実施形態では、メス端子支持部24aの幅方向に亘って延びる前スライドレール71を設け、サイドリテーナ14の前係止凸部72を、サイドリテーナ14を装着開始してから本係止位置に至るまで係合した状態となるように構成したが、これに限定されるものではなく、少なくとも仮係止位置でメス端子支持部24aの前スライドレール71がサイドリテーナ14の前係止凸部72を係止すればよい。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、リテーナ下板部39の上面から前上方へ傾斜して突出して、下方に空間62が設けられる片持ち状の仮係止爪(仮係止部)48を設けたが、仮係止部はこれに限定されるものではない。例えば、リテーナ下板部39の上面から上方へ突出して下方に空間を有さない仮係止部を、リテーナ下板部39に設けてもよい。
ここで、上述した本発明に係るコネクタの実施形態の特徴を、それぞれ以下[1]〜[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
接続端子の挿入方向と交差する所定方向の一側または両側が開放された端子収容室を有するハウジングと、
前記ハウジングを前記所定方向の両側から挟む位置に配置される一対の対向板部(38,39)を有し、前記ハウジングに対して側方から取り付けられ、前記接続端子を仮係止する仮係止位置と前記接続端子を本係止する本係止位置との間を移動可能に前記ハウジングに支持されるサイドリテーナ(14)と、を備えたコネクタ(10)であって、
前記サイドリテーナの前記一側または両側の対向板部は、前記本係止位置で前記端子収容室の前記一側または両側を塞ぐ、
コネクタ。
[2]
上記[1]に記載のコネクタであって、
前記サイドリテーナ(14)は、前記ハウジングよりも前記挿入方向の前側に配置されて前記一対の対向板部の前端部同士を互いに連結する前板部(35)を有し、
前記本係止位置で前記端子収容室を塞ぐ前記サイドリテーナの対向板部は、前記仮係止位置で前記端子収容室の前記接続端子を仮係止する仮係止部と、前記本係止位置で前記端子収容室の前記接続端子を本係止する本係止部とを有し、
前記ハウジングは、少なくとも前記仮係止位置の前記サイドリテーナ(14)の前記対向板部(38,39)の後端部を係止して前記対向板部の前記後端部の前記所定方向の外側への移動を規制する後側係止部を有し、
前記仮係止位置の前記対向板部は、前記端子収容室への前記接続端子の挿入時に、前記仮係止部を介して前記接続端子に押圧されて前記所定方向の外側へ撓み、前記接続端子の挿入を許容する、
コネクタ。
[3]
上記[2]に記載のコネクタであって、
前記ハウジングは、少なくとも前記仮係止位置の前記対向板部の前記前端部を係止して前記対向板部(38,39)の前記前端部の前記所定方向の外側への移動を規制する前側係止部を有する、
コネクタ。
本出願は、2017年8月31日出願の日本特許出願(特願2017−168022)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のコネクタは、小型化することができる。この効果を有する本発明は、例えば、嵌合保証部材(CPA)付きのコネクタ構造に利用され得る。
10,70:メスコネクタ(コネクタ)
14:サイドリテーナ
15:メス端子(接続端子)
18:メス端子収容室(端子収容室)
25:後係止凸部(後側係止部)
35:リテーナ前板部(前板部)
38:リテーナ上板部(対向板部)
39:リテーナ下板部(対向板部)
71:前スライドレール(前側係止部)

Claims (3)

  1. 接続端子の挿入方向と交差する所定方向の一側または両側が開放された端子収容室を有するハウジングと、
    前記ハウジングを前記所定方向の両側から挟む位置に配置される一対の対向板部を有し、前記ハウジングに対して側方から取り付けられ、前記接続端子を仮係止する仮係止位置と前記接続端子を本係止する本係止位置との間を移動可能に前記ハウジングに支持されるサイドリテーナと、を備えたコネクタであって、
    前記サイドリテーナの前記一側または両側の対向板部は、前記本係止位置で前記端子収容室の前記一側または両側を塞
    前記サイドリテーナは、前記ハウジングよりも前記挿入方向の前側に配置されて前記一対の対向板部の前端部同士を互いに連結する前板部を有する、
    コネクタ。
  2. 請求項1に記載のコネクタであって、
    記本係止位置で前記端子収容室を塞ぐ前記サイドリテーナの対向板部は、前記仮係止位置で前記端子収容室の前記接続端子を仮係止する仮係止部と、前記本係止位置で前記端子収容室の前記接続端子を本係止する本係止部とを有し、
    前記ハウジングは、少なくとも前記仮係止位置の前記サイドリテーナの前記対向板部の後端部を係止して前記対向板部の前記後端部の前記所定方向の外側への移動を規制する後側係止部を有し、
    前記仮係止位置の前記対向板部は、前記端子収容室への前記接続端子の挿入時に、前記仮係止部を介して前記接続端子に押圧されて前記所定方向の外側へ撓み、前記接続端子の挿入を許容する、
    コネクタ。
  3. 請求項2に記載のコネクタであって、
    前記ハウジングは、少なくとも前記仮係止位置の前記対向板部の前記前端部を係止して前記対向板部の前記前端部の前記所定方向の外側への移動を規制する前側係止部を有する、
    コネクタ。
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