以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.適用例
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る通信システム(通信システム1)の一構成例を表すものである。通信システム1は、3つの線路を用いて信号を伝送するものであり、プリエンファシスにより通信性能の向上を図るものである。
通信システム1は、送信装置10と、伝送路100と、受信装置30とを備えている。送信装置10は、3つの出力端子ToutA,ToutB,ToutCを有し、伝送路100は、線路110A,110B,110Cを有し、受信装置30は、3つの入力端子TinA,TinB,TinCを有している。そして、送信装置10の出力端子ToutAおよび受信装置30の入力端子TinAは、線路110Aを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子ToutBおよび受信装置30の入力端子TinBは、線路110Bを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子ToutCおよび受信装置30の入力端子TinCは、線路110Cを介して互いに接続されている。線路110A〜110Cの特性インピーダンスは、この例では約50[Ω]である。
送信装置10は、出力端子ToutAから信号SIGAを出力し、出力端子ToutBから信号SIGBを出力し、出力端子ToutCから信号SIGCを出力する。そして、受信装置30は、入力端子TinAを介して信号SIGAを受信し、入力端子TinBを介して信号SIGBを受信し、入力端子TinCを介して信号SIGCを受信する。信号SIGA,SIGB,SIGCは、それぞれ、3つの電圧状態SH,SM,SLをとり得るものである。
図2は、3つの電圧状態SH,SM,SLを表すものである。電圧状態SHは、2つの高レベル電圧VH(VH0,VHminus)に対応する状態である。高レベル電圧VH0は、プリエンファシス動作を行わない場合における高レベル電圧であり、高レベル電圧VHminusは、高レベル電圧VH0よりも所定の電圧(エンファシス電圧ΔVE)の分だけ低い電圧である。電圧状態SMは、3つの中レベル電圧VM(VM0,VMplus,VMminus)に対応する状態である。中レベル電圧VM0は、プリエンファシス動作を行わない場合における中レベル電圧であり、中レベル電圧VMplusは、中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い電圧であり、中レベル電圧VMminusは、中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ低い電圧である。電圧状態SLは、2つの低レベル電圧VL(VL0,VLplus)に対応する状態である。低レベル電圧VL0は、プリエンファシス動作を行わない場合における低レベル電圧であり、低レベル電圧VLplusは、低レベル電圧VL0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い電圧である。
図3は、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧状態を表すものである。送信装置10は、3つの信号SIGA,SIGB,SIGCを用いて、6つのシンボル“+x”,“−x”,“+y”,“−y”,“+z”,“−z”を送信する。例えば、シンボル“+x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SHにし、信号SIGBを電圧状態SLにし、信号SIGCを電圧状態SMにする。シンボル“−x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SLにし、信号SIGBを電圧状態SHにし、信号SIGCを電圧状態SMにする。シンボル“+y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SMにし、信号SIGBを電圧状態SHにし、信号SIGCを電圧状態SLにする。シンボル“−y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SMにし、信号SIGBを電圧状態SLにし、信号SIGCを電圧状態SHにする。シンボル“+z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SLにし、信号SIGBを電圧状態SMにし、信号SIGCを電圧状態SHにする。シンボル“−z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SHにし、信号SIGBを電圧状態SMにし、信号SIGCを電圧状態SLにするようになっている。
伝送路100は、このような信号SIGA,SIGB,SIGCを用いて、シンボルのシーケンスを伝える。すなわち、3つの線路110A,110B,110Cは、シンボルのシーケンスを伝える1つのレーンとして機能するようになっている。
通信システム1では、送信装置10は、受信装置30に対して、伝送路100を介して信号SIGA,SIGB,SIGCを伝送する。その際、送信装置10は、プリエンファシス動作を行うことにより、例えば伝送路100の距離が長い場合において、波形品質を高めることができるようになっている。また、送信装置10は、後述するように、スキュー情報INFに基づいてエンファシス電圧ΔVEを設定する機能をも有している。すなわち、一般に複数の線路を用いて信号を伝送する場合には、各線路における線路長の違いや特性インピーダンスの違いなどに起因して、スキューが生じるおそれがある。通信システム1では、スキュー情報INFに基づいてエンファシス電圧ΔVEを設定することにより、スキューが通信性能におよぼす影響を低減することができるようになっている。
(送信装置10)
送信装置10は、図1に示したように、クロック生成部11と、処理部12と、送信部20とを有している。
クロック生成部11は、クロック信号TxCKを生成するものである。クロック信号TxCKの周波数は、例えば2.5[GHz]である。なお、これに限定されるものではなく、例えば、送信装置10における回路を、いわゆるハーフレートアーキテクチャを用いて構成した場合には、クロック信号TxCKの周波数を1.25[GHz]にすることができる。クロック生成部11は、例えばPLL(Phase Locked Loop)を用いて構成され、例えば送信装置10の外部から供給されるリファレンスクロック(図示せず)に基づいてクロック信号TxCKを生成する。そして、クロック生成部11は、このクロック信号TxCKを、処理部12および送信部20に供給するようになっている。
処理部12は、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成するものである。ここで、1組の遷移信号TxF0,TxR0,TxP0は、送信装置10が送信するシンボルのシーケンスにおけるシンボルの遷移を示すものである。同様に、1組の遷移信号TxF1,TxR1,TxP1はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF2,TxR2,TxP2はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF3,TxR3,TxP3はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF4,TxR4,TxP4はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF5,TxR5,TxP5はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF6,TxR6,TxP6はシンボルの遷移を示すものである。すなわち、処理部12は、7組の遷移信号を生成するものである。以下、7組の遷移信号のうちの任意の一組を表すものとして遷移信号TxF,TxR,TxPを適宜用いる。
図4は、遷移信号TxF,TxR,TxPとシンボルの遷移との関係を表すものである。各遷移に付した3桁の数値は、遷移信号TxF,TxR,TxPの値をこの順で示したものである。
遷移信号TxF(Flip)は、“+x”と“−x”との間でシンボルを遷移させ、“+y”と“−y”との間でシンボルを遷移させ、“+z”と“−z”との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxFが“1”である場合には、シンボルの極性を変更するように(例えば“+x”から“−x”へ)遷移し、遷移信号TxFが“0”である場合には、このような遷移を行わないようになっている。
遷移信号TxR(Rotation),TxP(Polarity)は、遷移信号TxFが“0”である場合において、“+x”と“−x”以外との間、“+y”と“−y”以外との間、“+z”と“−z”以外との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxR,TxPが“1”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図3において右回りに(例えば“+x”から“+y”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“1”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図3において右回りに(例えば“+x”から“−y”へ)遷移する。また、遷移信号TxR,TxPが“0”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図3において左回りに(例えば“+x”から“+z”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“0”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図3において左回りに(例えば“+x”から“−z”へ)遷移する。
処理部12は、このような遷移信号TxF,TxR,TxPを7組生成する。そして、処理部12は、この7組の遷移信号TxF,TxR,TxP(遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6)を送信部20に供給するようになっている。
送信部20は、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図5は、送信部20の一構成例を表すものである。送信部20は、シリアライザ21F,21R,21Pと、送信シンボル生成部22と、スキュー情報記憶部13と、遷移検出部25と、出力部26とを有している。
シリアライザ21Fは、遷移信号TxF0〜TxF6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxF0〜TxF6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxF9を生成するものである。シリアライザ21Rは、遷移信号TxR0〜TxR6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxR0〜TxR6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxR9を生成するものである。シリアライザ21Pは、遷移信号TxP0〜TxP6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxP0〜TxP6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxP9を生成するものである。
送信シンボル生成部22は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成するものである。送信シンボル生成部22は、信号生成部23と、フリップフロップ24とを有している。
信号生成部23は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成するものである。具体的には、信号生成部23は、シンボル信号D1,D2,D3が示すシンボル(一つ前のシンボルDS)と、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9とに基づいて、図4に示したように現在のシンボルNSを求め、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3として出力するようになっている。
フリップフロップ24は、クロック信号TxCKに基づいてシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3をサンプリングして、そのサンプリング結果をシンボル信号D1,D2,D3としてそれぞれ出力するものである。
図6は、送信シンボル生成部22の一動作例を表すものである。この図6は、シンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSと遷移信号TxF9,TxR9,TxP9とに基づいて生成されるシンボルNSを示している。シンボルDSが“+x”である場合を例に挙げて説明する。遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”である場合には、シンボルNSは“+z”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“001”である場合には、シンボルNSは“−z”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”である場合には、シンボルNSは“+y”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“011”である場合には、シンボルNSは“−y”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“1xx”である場合には、シンボルNSは“−x”である。ここで、“x”は、“1”,“0”のどちらであってもよいことを示している。シンボルDSが“−x”である場合、“+y”である場合、“−y”である場合、“+z”である場合、“−z”である場合についても同様である。
スキュー情報記憶部13は、スキュー情報INFを記憶するものである。スキュー情報INFは、例えば、伝送路100の線路110A,110B,110Cのそれぞれにおける遅延時間の情報を含むものである。スキュー情報記憶部13は、例えばレジスタなどを含んで構成されるものであり、例えば、送信装置10の外部から事前にスキュー情報INFが供給され、そのスキュー情報INFを記憶する。そして、スキュー情報記憶部13は、このスキュー情報INFを、遷移検出部25に供給するようになっている。
遷移検出部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9、シンボル信号D1,D2,D3、およびスキュー情報INFに基づいて、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRLを生成するものである。
具体的には、遷移検出部25は、図6において実線で囲んだWUPで示したように、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“+x”,“+y”,または“+z”である場合、および、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“−x”,“−y”,または“−z”である場合に、エンファシス制御信号MUPを“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号MDNを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部26は、後述するように、電圧状態SMにおける電圧を中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い中レベル電圧VMplusにし、電圧状態SHにおける電圧を高レベル電圧VH0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ低い高レベル電圧VHminusにし、電圧状態SLにおける電圧を低レベル電圧VL0にする。
また、遷移検出部25は、図6において破線で囲んだWDNで示したように、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“−x”,“−y”,または“−z”である場合、および、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“+x”,“+y”,または“+z”である場合に、エンファシス制御信号MDNを“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号MUPを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部26は、後述するように、電圧状態SMにおける電圧を中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ低い中レベル電圧VMminusにし、電圧状態SHにおける電圧を高レベル電圧VH0にし、電圧状態SLにおける電圧を低レベル電圧VL0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い低レベル電圧VLplusにする。
また、遷移検出部25は、それ以外の場合には、エンファシス制御信号MUP,MDNをともに“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部26は、後述するように、電圧状態SMにおける電圧を中レベル電圧VM0にし、電圧状態SHにおける電圧を高レベル電圧VH0にし、電圧状態SLにおける電圧を低レベル電圧VL0にする。
すなわち、後述するように、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”である場合には、信号SIGAと信号SIGBとの差分AB、信号SIGBと信号SIGCとの差分BC、および信号SIGCと信号SIGAとの差分CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがある。よって、遷移検出部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、シンボル遷移が、差分AB,BC,CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがあるシンボル遷移であるか否かを確認し、その結果に基づいてエンファシス制御信号MUP,MDNを生成する。そして、出力部26は、このエンファシス制御信号MUP,MDNに基づいてエンファシス動作を行うようになっている。
また、遷移検出部25は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Aにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”であり、かつシンボルDSが“+y”または“−y”である場合に、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にし、それ以外の場合にエンファシス制御信号CTRLを“0”(非アクティブ)にする。また、遷移検出部25は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Bにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”であり、かつシンボルDSが“+z”または“−z”である場合に、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にし、それ以外の場合にエンファシス制御信号CTRLを“0”(非アクティブ)にする。また、遷移検出部25は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”であり、かつシンボルDSが“+x”または“−x”である場合に、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にし、それ以外の場合にエンファシス制御信号CTRLを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部26は、後述するように、エンファシス制御信号CTRLが“1”(アクティブ)である場合において、エンファシス制御信号CTRLが“0”(非アクティブ)である場合に比べて、エンファシス電圧ΔVEを大きい電圧にする。これにより、通信システム1では、スキューが通信性能におよぼす影響を低減することができ、その結果、通信性能を高めることができるようになっている。
出力部26は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRL、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図7は、出力部26の一構成例を表すものである。出力部26は、ドライバ制御部27と、タイミング制御部27Tと、エンファシス制御部28A,28B,28Cと、ドライバ部29A,29B,29Cとを有している。
ドライバ制御部27は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号UPA,DNA,UPB,DNB,UPC,DNCを生成するものである。具体的には、ドライバ制御部27は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が示すシンボルNSに基づいて、図3に示したように、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧状態をそれぞれ求める。そして、ドライバ制御部27は、例えば、信号SIGAを電圧状態SHにする場合には、信号UPA,DNAをそれぞれ“1”,“0”にし、信号SIGAを電圧状態SLにする場合には、信号UPA,DNAをそれぞれ“0”,“1”にし、信号SIGAを電圧状態SMにする場合には、信号UPA,DNAをともに“1”にする。信号UPB,DNB、および信号UPC,DNCについても同様である。そして、ドライバ制御部27は、信号UPA,DNAをエンファシス制御部28Aに供給し、信号UPB,DNBをエンファシス制御部28Bに供給し、信号UPC,DNCをエンファシス制御部28Cに供給するようになっている。
タイミング制御部27Tは、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRLおよびクロック信号TxCKに基づいて、エンファシス制御信号MUPに対してタイミング調整を行うことによりエンファシス制御信号MUP2を生成し、エンファシス制御信号MDNに対してタイミング調整を行うことによりエンファシス制御信号MDN2を生成し、エンファシス制御信号CTRLに対してタイミング調整を行うことによりエンファシス制御信号CTRL2を生成するものである。そして、タイミング制御部27Tは、エンファシス制御信号MUP2,MDN2をエンファシス制御部28A,28B,28Cに供給するとともに、エンファシス制御信号CTRL2を、ドライバ部29A,29B,29Cに供給するようになっている。
図8は、エンファシス制御部28Aに供給される信号UPA,DNAおよびエンファシス制御信号MUP2,MDN2の波形、およびドライバ部29Aに供給されるエンファシス制御信号CTRL2の一例を表すものである。信号UPA,DNAは、1つのシンボルに対応する期間(ユニットインターバルUI)ごとに変化し得る。この例では、信号UPAは、タイミングt1において低レベルから高レベルに変化し、そのタイミングt1からユニットインターバルUIの2つ分の時間が経過したタイミングt3において高レベルから低レベルに変化し、そのタイミングt3からユニットインターバルUIの1つ分の時間が経過したタイミングt4において低レベルから高レベルに変化し、そのタイミングt4からユニットインターバルUIの1つ分の時間が経過したタイミングt5において高レベルから低レベルに変化する(図8(A))。また、信号DNAは、タイミングt1からユニットインターバルUIの1つ分の時間が経過したタイミングt2において高レベルから低レベルに変化し、タイミングt3において低レベルから高レベルに変化する(図8(B))。エンファシス制御信号MUP2,MDN2は、ユニットインターバルUIの開始タイミングにおいて低レベルから高レベルに変化し得るとともに、ユニットインターバルUIの開始タイミングから、ユニットインターバルUIの半分(0.5UI)の時間が経過したタイミングにおいて高レベルから低レベルに変化し得る。この例では、エンファシス制御信号MUP2は、タイミングt1において低レベルから高レベルに変化し、そのタイミングt1から、ユニットインターバルUIの半分(0.5UI)の時間が経過したタイミングにおいて高レベルから低レベルに変化する(図8(C))。また、エンファシス制御信号MDN2は、タイミングt4において低レベルから高レベルに変化し、そのタイミングt4から、ユニットインターバルUIの半分(0.5UI)の時間が経過したタイミングにおいて高レベルから低レベルに変化する(図8(D))。エンファシス制御信号CTRL2は、ユニットインターバルUIごとに変化し得る。この例では、エンファシス制御信号CTRL2は、タイミングt1において低レベルから高レベルに変化し、そのタイミングt2において高レベルから低レベルに変化する(図8(E))。タイミング制御部27Tは、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRLに対してタイミング調整を行うことにより、このようなエンファシス制御信号MUP2,MDN2,CTRL2を生成するようになっている。
エンファシス制御部28Aは、信号UPA,DNAおよびエンファシス制御信号MUP2,MDN2に基づいて、8つの信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を生成するものである。ドライバ部29Aは、8つの信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1およびエンファシス制御信号CTRL2に基づいて、信号SIGAを生成するものである。
エンファシス制御部28Bは、信号UPB,DNBおよびエンファシス制御信号MUP2,MDN2に基づいて、8つの信号UPBA0,UPBB0,UPBA1,UPBB1,DNBA0,DNBB0,DNBA1,DNBB1を生成するものである。ドライバ部29Bは、8つの信号UPBA0,UPBB0,UPBA1,UPBB1,DNBA0,DNBB0,DNBA1,DNBB1およびエンファシス制御信号CTRL2に基づいて、信号SIGBを生成するものである。
エンファシス制御部28Cは、信号UPC,DNCおよびエンファシス制御信号MUP2,MDN2に基づいて、8つの信号UPCA0,UPCB0,UPCA1,UPCB1,DNCA0,DNCB0,DNCA1,DNCB1を生成するものである。ドライバ部29Cは、8つの信号UPCA0,UPCB0,UPCA1,UPCB1,DNCA0,DNCB0,DNCA1,DNCB1およびエンファシス制御信号CTRL2に基づいて、信号SIGCを生成するものである。
図9は、ドライバ部29Aの一構成例を表すものである。なお、ドライバ部29B,29Cについても同様である。ドライバ部29Aは、M個の回路UA0(回路UA01〜UA0M)と、N個の回路UB0(回路UB01〜UB0N)と、M個の回路UA1(回路UA11〜UA1M)と、N個の回路UB1(回路UB11〜UB1N)と、M個の回路DA0(回路DA01〜DA0M)と、N個の回路DB0(回路DB01〜DB0N)と、M個の回路DA1(回路DA11〜DA1M)と、N個の回路DB1(回路DB11〜DB1N)と、エンファシス電圧設定部14とを有している。ここで、“M”は“N”よりも大きい数である。なお、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、“M”は“N”よりも小さい数にしてもよい。
回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nのそれぞれは、トランジスタ91と、抵抗素子92とを有している。トランジスタ91は、この例では、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のFET(Field Effect Transistor)である。回路UA01〜UA0Mのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPAA0が供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。回路UB01〜UB0Nのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPAB0が供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。回路UA11〜UA1Mのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPAA1が供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。回路UB11〜UB1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPAB1が供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nのそれぞれにおいて、抵抗素子92の一端はトランジスタ91のソースに接続され、他端は出力端子ToutAに接続されている。トランジスタ91のオン状態における抵抗値と、抵抗素子92の抵抗値との和は、この例では“50×(2×M+2×N)”[Ω]である。
回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1M,DB11〜DB1Nのそれぞれは、抵抗素子93と、トランジスタ94とを有している。回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1M,DB11〜DB1Nのそれぞれにおいて、抵抗素子93の一端は出力端子ToutAに接続され、他端はトランジスタ94のドレインに接続されている。トランジスタ94は、この例では、NチャネルMOS型のFETである。回路DA01〜DA0Mのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNAA0が供給され、ドレインは抵抗素子93の他端に接続され、ソースは接地されている。回路DB01〜DB0Nのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNAB0が供給され、ドレインは抵抗素子93の他端に接続され、ソースは接地されている。回路DA11〜DA1Mのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNAA1が供給され、ドレインは抵抗素子93の他端に接続され、ソースは接地されている。回路DB11〜DB1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNAB1が供給され、ドレインは抵抗素子93の他端に接続され、ソースは接地されている。抵抗素子93の抵抗値と、トランジスタ94のオン状態における抵抗値との和は、この例では“50×(2×M+2×N)”[Ω]である。
エンファシス電圧設定部14は、エンファシス制御信号CTRL2に基づいてエンファシス電圧ΔVEを設定するものである。具体的には、エンファシス電圧設定部14は、後述するように、“M”と“N”との和(M+N)を維持しつつ、“M”および“N”を変化させることにより、エンファシス電圧ΔVEを設定するようになっている。
図10は、エンファシス制御部28Aおよびドライバ部29Aの一動作例を表すものである。なお、エンファシス制御部28Bおよびドライバ部29Bについても同様であり、エンファシス制御部28Cおよびドライバ部29Cについても同様である。ここで、“X”は、“0”であってもよいし“1”であってもよいことを示す。
エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA,DNAが“10”であり、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“0X”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“11110000”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAは、高レベル電圧VH0になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA,DNAが“10”であり、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“10”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“10110001”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UA01〜UA0M,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DB11〜DB1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAは、高レベル電圧VH0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ低い高レベル電圧VHminusになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA,DNAが“11”であり、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“10”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“11011000”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UB11〜UB1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0Mにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAは、中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い中レベル電圧VMplusになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA,DNAが“11”であり、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“00”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“11001100”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAは、中レベル電圧VM0になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA,DNAが“11”であり、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“01”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“10001101”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UA01〜UA0Mにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DB11〜DB1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAは、中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ低い中レベル電圧VMminusになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA,DNAが“01”であり、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“01”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“01001110”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UB01〜UB0Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1Mにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAは、低レベル電圧VL0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い低レベル電圧VLplusになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA,DNAが“01”であり、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“X0”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“00001111”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1M,DB11〜DB1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAは、低レベル電圧VL0になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
図11A〜11Cは、シンボル“−z”を出力するときのドライバ部29Aの一動作例を表すものであり、図11Aは、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“00”である場合を示し、図11Bは、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“10”である場合を示し、図11Cは、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“01”である場合を示す。図11A〜11Cにおいて、回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nのうち、実線で示した回路は、トランジスタ91がオン状態になっている回路を示し、破線で示した回路は、トランジスタ91がオフ状態になっている回路を示す。同様に、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1M,DB11〜DB1Nのうち、実線で示した回路は、トランジスタ94がオン状態になっている回路を示し、破線で示した回路は、トランジスタ94がオフ状態になっている回路を示す。
エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“00”である場合には、図11Aに示したように、ドライバ部29Aでは、M個の回路UA0、N個の回路UB0、M個の回路UA1、およびN個の回路UB1におけるトランジスタ91がオン状態になる。また、ドライバ部29Bでは、M個の回路UA0およびN個の回路UB0におけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、M個の回路DA0およびN個の回路DB0におけるトランジスタ94がオン状態になる。また、ドライバ部29Cでは、M個の回路DA0、N個の回路DB0、M個の回路DA1、およびN個の回路DB1におけるトランジスタ94がオン状態になる。これにより、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH0になり、信号SIGBの電圧は中レベル電圧VM0になり、信号SIGCの電圧は低レベル電圧VL0になる。
エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“10”である場合には、図11Bに示したように、ドライバ部29Aでは、M個の回路UA0、M個の回路UA1、およびN個のUB1におけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、N個の回路DB1におけるトランジスタ94がオン状態になる。また、ドライバ部29Bでは、M個の回路UA0、N個の回路UB0、およびN個の回路UB1におけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、M個の回路DA0におけるトランジスタ94がオン状態になる。また、ドライバ部29Cでは、M個の回路DA0、N個の回路DB0、M個の回路DA1、およびN個の回路DB1におけるトランジスタ94がオン状態になる。これにより、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VHminusになり、信号SIGBの電圧は中レベル電圧VMplusになり、信号SIGCの電圧は低レベル電圧VL0になる。すなわち、ドライバ部29Aは、図11Aの場合に比べて、N個の回路UB0におけるトランジスタ91をオフ状態にするとともに、N個の回路DB1におけるトランジスタ94をオン状態にすることにより、信号SIGAの電圧を、高レベル電圧VH0から高レベル電圧VHminusに下げている。また、ドライバ部29Bは、図11Aの場合に比べて、N個の回路UB1におけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、N個の回路DB0におけるトランジスタ94をオフ状態にすることにより、信号SIGBの電圧を、中レベル電圧VM0から中レベル電圧VMplusに上げている。
この場合において、エンファシス制御信号CTRLが“1”である場合には、ドライバ部29A〜29Cのエンファシス電圧設定部14は、エンファシス制御信号CTRLが“0”である場合に比べ、“N”を増やすとともに“M”を減らす。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UA0,UB0,UA1,UB1のうちの、トランジスタ91がオン状態になる回路の数が減少するとともに、回路DA0,DB0,DA1,DB1のうちの、トランジスタ94がオン状態になる回路の数が増加するため、信号SIGAの電圧(高レベル電圧VHminus)は低くなる。また、ドライバ部29Bでは、回路UA0,UB0,UA1,UB1のうちの、トランジスタ91がオン状態になる回路の数が増加するとともに、回路DA0,DB0,DA1,DB1のうちの、トランジスタ94がオン状態になる回路の数が減少するため、信号SIGBの電圧(中レベル電圧VMplus)は高くなる。すなわち、この場合には、エンファシス電圧ΔVEは大きくなる。
エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“01”である場合には、図11Cに示したように、ドライバ部29Aでは、M個の回路UA0、N個の回路UB0、M個の回路UA1、およびN個の回路UB1におけるトランジスタ91がオン状態になる。また、ドライバ部29Bでは、M個の回路UA0におけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、M個の回路DA0、N個の回路DB0、およびN個の回路DB1におけるトランジスタ94がオン状態になる。また、ドライバ部29Cでは、N個の回路UB0におけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、M個の回路DA0、N個の回路DB0、およびM個の回路DA1におけるトランジスタ94がオン状態になる。これにより、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH0になり、信号SIGBの電圧は中レベル電圧VMminusになり、信号SIGCの電圧は低レベル電圧VLplusになる。すなわち、ドライバ部29Bは、図11Aの場合に比べて、N個の回路UB0におけるトランジスタ91をオフ状態にするとともに、N個の回路DB1におけるトランジスタ94をオン状態にすることにより、信号SIGBの電圧を、中レベル電圧VM0から中レベル電圧VMminusに下げている。また、ドライバ部29Cは、図11Aの場合に比べて、N個の回路UB0におけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、N個の回路DB1におけるトランジスタ94をオフ状態にすることにより、信号SIGCの電圧を、低レベル電圧VL0から低レベル電圧VLplusに上げている。
この場合において、エンファシス制御信号CTRLが“1”である場合には、ドライバ部29A〜29Cのエンファシス電圧設定部14は、エンファシス制御信号CTRLが“0”である場合に比べ、“N”を増やすとともに“M”を減らす。これにより、ドライバ部29Bでは、回路UA0,UB0,UA1,UB1のうちの、トランジスタ91がオン状態になる回路の数が減少するとともに、回路DA0,DB0,DA1,DB1のうちの、トランジスタ94がオン状態になる回路の数が増加するため、信号SIGBの電圧(中レベル電圧VMminus)は低くなる。また、ドライバ部29Cでは、回路UA0,UB0,UA1,UB1のうちの、トランジスタ91がオン状態になる回路の数が増加するとともに、回路DA0,DB0,DA1,DB1のうちの、トランジスタ94がオン状態になる回路の数が減少するため、信号SIGCの電圧(低レベル電圧VLplus)は高くなる。すなわち、この場合には、エンファシス電圧ΔVEは大きくなる。
このようにして、出力部26は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRL、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成する。その際、出力部26は、後述するように、シンボル遷移が、信号SIGAと信号SIGBとの差分AB、信号SIGBと信号SIGCとの差分BC、および信号SIGCと信号SIGAとの差分CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがあるシンボル遷移である場合には、エンファシス制御信号MUP2,MDN2に基づいてプリエンファシス動作を行う。これにより、通信システム1では、波形品質を高めることができ、その結果、通信性能を高めることができるようになっている。
また、出力部26は、後述するように、通信システム1においてスキューがある場合には、エンファシス制御信号CTRL2に基づいて、そのスキューに応じたエンファシス電圧ΔVEを設定する。これにより、通信システム1では、スキューが通信性能におよぼす影響を低減することができ、その結果、通信性能を高めることができるようになっている。
(受信装置30)
図1に示したように、受信装置30は、受信部40と、処理部32とを有している。
受信部40は、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成するものである。
図12は、受信部40の一構成例を表すものである。受信部40は、抵抗素子41A,41B,41Cと、スイッチ42A,42B,42Cと、アンプ43A,43B,43Cと、クロック生成部44と、フリップフロップ45,46と、信号生成部47とを有している。
抵抗素子41A,41B,41Cは、通信システム1の終端抵抗として機能するものであり、抵抗値は、この例では、50[Ω]程度である。抵抗素子41Aの一端は入力端子TinAに接続されるとともに信号SIGAが供給され、他端はスイッチ42Aの一端に接続されている。抵抗素子41Bの一端は入力端子TinBに接続されるとともに信号SIGBが供給され、他端はスイッチ42Bの一端に接続されている。抵抗素子41Cの一端は入力端子TinCに接続されるとともに信号SIGCが供給され、他端はスイッチ42Cの一端に接続されている。
スイッチ42Aの一端は抵抗素子41Aの他端に接続され、他端はスイッチ42B,42Cの他端に接続されている。スイッチ42Bの一端は抵抗素子41Bの他端に接続され、他端はスイッチ42A,42Cの他端に接続されている。スイッチ42Cの一端は抵抗素子41Cの他端に接続され、他端はスイッチ42A,42Bの他端に接続されている。受信装置30では、スイッチ42A,42B,42Cは、オン状態に設定され、抵抗素子41A〜41Cが終端抵抗として機能するようになっている。
アンプ43Aの正入力端子は、アンプ43Cの負入力端子および抵抗素子41Aの一端に接続されるとともに信号SIGAが供給され、負入力端子は、アンプ43Bの正入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに信号SIGBが供給される。アンプ43Bの正入力端子は、アンプ43Aの負入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに信号SIGBが供給され、負入力端子は、アンプ43Cの正入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに信号SIGCが供給される。アンプ43Cの正入力端子は、アンプ43Bの負入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに信号SIGCが供給され、負入力端子は、アンプ43Aの正入力端子および抵抗素子41Aに接続されるとともに信号SIGAが供給される。
この構成により、アンプ43Aは、信号SIGAと信号SIGBとの差分AB(SIGA−SIGB)に応じた信号を出力し、アンプ43Bは、信号SIGBと信号SIGCとの差分BC(SIGB−SIGC)に応じた信号を出力し、アンプ43Cは、信号SIGCと信号SIGAとの差分CA(SIGC−SIGA)に応じた信号を出力するようになっている。
図13は、受信部40がシンボル“+x”を受信する場合における、アンプ43A,43B,43Cの一動作例を表すものである。なお、スイッチ42A,42B,42Cは、オン状態であるため、図示を省いている。この例では、信号SIGAの電圧状態は電圧状態SHであり、信号SIGBの電圧状態は電圧状態SLであり、信号SIGCの電圧状態は電圧状態SMである。この場合には、入力端子TinA、抵抗素子41A、抵抗素子41B、入力端子TinBの順に電流Iinが流れる。そして、アンプ43Aの正入力端子には電圧状態SHに対応する電圧が供給されるとともに負入力端子には電圧状態SLに対応する電圧が供給され、差分ABは正(AB>0)になるため、アンプ43Aは“1”を出力する。また、アンプ43Bの正入力端子には電圧状態SLに対応する電圧が供給されるとともに負入力端子には電圧状態SMに対応する電圧が供給され、差分BCは負(BC<0)になるため、アンプ43Bは“0”を出力する。また、アンプ43Cの正入力端子には電圧状態SMに対応する電圧が供給されるとともに負入力端子には電圧状態SHに対応する電圧が供給され、差分CAは負(CA<0)になるため、アンプ43Cは“0”を出力するようになっている。
クロック生成部44は、アンプ43A,43B,43Cの出力信号に基づいて、クロック信号RxCKを生成するものである。
フリップフロップ45は、アンプ43A,43B,43Cの出力信号を、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。フリップフロップ46は、フリップフロップ45の3つの出力信号を、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。
信号生成部47は、フリップフロップ45,46の出力信号、およびクロック信号RxCKに基づいて、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するものである。この遷移信号RxF,RxR,RxPは、送信装置10における遷移信号TxF9,TxR9,TxP9(図5)にそれぞれ対応するものであり、シンボルの遷移を表すものである。信号生成部47は、フリップフロップ45の出力信号が示すシンボルと、フリップフロップ46の出力信号が示すシンボルに基づいて、シンボルの遷移(図4)を特定し、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するようになっている。
処理部32(図1)は、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行うものである。
ここで、ドライバ部29A,29B,29Cは、本開示における「ドライバ部」の一具体例に対応する。スキュー情報記憶部13、遷移検出部25、タイミング制御部27T、およびエンファシス制御部28A,28B,28Cは、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。送信シンボル生成部22は、本開示における「信号生成部」の一具体例に対応する。回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nのそれぞれは、本開示における「第1のサブ回路」の一具体例に対応する。回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1M,DB11〜DB1Nのそれぞれは、本開示における「第2のサブ回路」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の通信システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1,5,7を参照して、通信システム1の全体動作概要を説明する。送信装置10のクロック生成部11は、クロック信号TxCKを生成する。処理部12は、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成する。送信部20(図5)において、シリアライザ21Fは、遷移信号TxF0〜TxF6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxF9を生成し、シリアライザ21Rは、遷移信号TxR0〜TxR6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxR9を生成し、シリアライザ21Pは、遷移信号TxP0〜TxP6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxP9を生成する。送信シンボル生成部22は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成する。遷移検出部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9、シンボル信号D1,D2,D3、およびスキュー情報INFに基づいて、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRLを生成する。
出力部26(図7)において、ドライバ制御部27は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3およびクロック信号TxCKに基づいて、信号UPA,DNA,UPB,DNB,UPC,DNCを生成する。タイミング制御部27Tは、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRLおよびクロック信号TxCKに基づいて、エンファシス制御信号MUP,MDN,CTRLに対してタイミング調整を行うことによりエンファシス制御信号MUP2,MDN2,CTRL2をそれぞれ生成する。エンファシス制御部28Aは、信号UPA,DNAおよびエンファシス制御信号MUP2,MDN2に基づいて、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を生成する。エンファシス制御部28Bは、信号UPB,DNBおよびエンファシス制御信号MUP2,MDN2に基づいて、信号UPBA0,UPBB0,UPBA1,UPBB1,DNBA0,DNBB0,DNBA1,DNBB1を生成する。エンファシス制御部28Cは、信号UPC,DNCおよびエンファシス制御信号MUP2,MDN2に基づいて、信号UPCA0,UPCB0,UPCA1,UPCB1,DNCA0,DNCB0,DNCA1,DNCB1を生成する。ドライバ部29Aは、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1およびエンファシス制御信号CTRL2に基づいて、信号SIGAを生成する。ドライバ部29Bは、信号UPBA0,UPBB0,UPBA1,UPBB1,DNBA0,DNBB0,DNBA1,DNBB1およびエンファシス制御信号CTRL2に基づいて、信号SIGBを生成する。ドライバ部29Cは、信号UPCA0,UPCB0,UPCA1,UPCB1,DNCA0,DNCB0,DNCA1,DNCB1およびエンファシス制御信号CTRL2に基づいて、信号SIGCを生成する。
受信装置30(図1)では、受信部40は、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成する。処理部32は、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行う。
(プリエンファシス動作について)
次に、プリエンファシス動作について、詳細に説明する。送信装置10において、遷移検出部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、エンファシス制御信号MUP,MDNを生成する。具体的には、遷移検出部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、シンボル遷移が、信号SIGAと信号SIGBとの差分AB、信号SIGBと信号SIGCとの差分BC、信号SIGCと信号SIGAとの差分CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがあるシンボル遷移であるか否かを確認し、その結果に基づいてエンファシス制御信号MUP,MDNを生成する。
図14は、送信装置10がプリエンファシス動作を行わない場合における、差分AB,BC,CAのアイダイアグラムを模式的に表すものである。図14において、ΔVは、高レベル電圧VH0と中レベル電圧VM0との差であり、同様に、中レベル電圧VM0と低レベル電圧VL0との差である。図14に示したように、遷移W21,W22は、他の遷移に比べて、遷移時間が長い遷移である。遷移W21は、−2ΔVから+ΔVに変化する遷移であり、遷移W22は、+2ΔVから−ΔVに変化する遷移である。
遷移検出部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、シンボル遷移が、遷移W21,W22のように、差分AB,BC,CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがあるシンボル遷移であるか否かを確認する。そして、遷移検出部25は、図6に示したように、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”である場合に、差分AB,BC,CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがあるシンボル遷移であると判断する。そして、遷移検出部25は、図6において実線で囲んだWUPで示したように、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“+x”,“+y”,“+z”である場合、および、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“−x”,“−y”,“−z”である場合に、エンファシス制御信号MUPを“1”(アクティブ)にする。また、遷移検出部25は、図6において破線で囲んだWDNで示したように、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“−x”,“−y”,“−z”である場合、および、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”であり、かつシンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSが“+x”,“+y”,“+z”である場合に、エンファシス制御信号MDNを“1”(アクティブ)にする。
そして、出力部26は、エンファシス制御信号MUP2,MDN2がともに“0”である場合は、電圧状態SHにおける電圧を高レベル電圧VH0にし、電圧状態SMにおける電圧を中レベル電圧VM0にし、電圧状態SLにおける電圧を低レベル電圧VL0にする。また、出力部26は、例えば、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“10”である場合は、電圧状態SHにおける電圧を高レベル電圧VHminusにし、電圧状態SMにおける電圧を中レベル電圧VMplusにし、電圧状態SLにおける電圧を低レベル電圧VL0にする。また、出力部26は、例えば、エンファシス制御信号MUP2,MDN2が“01”である場合は、電圧状態SHにおける電圧を高レベル電圧VH0にし、電圧状態SMにおける電圧を中レベル電圧VMminusにし、電圧状態SLにおける電圧を低レベル電圧VLplusにする。
図15A〜15Eは、シンボルが“+x”から“+x”以外のシンボルに遷移する場合における通信システム1の一動作例を表すものであり、図15Aは、シンボルが“+x”から“−x”に遷移する場合を示し、図15Bは、シンボルが“+x”から“+y”に遷移する場合を示し、図15Cは、シンボルが“+x”から“−y”に遷移する場合を示し、図15Dは、シンボルが“+x”から“+z”に遷移する場合を示し、図15Eは、シンボルが“+x”から“−z”に遷移する場合を示す。図15A〜15Eのそれぞれにおいて、(A)は、送信装置10の出力端子ToutA,ToutB,ToutCにおける信号SIGA,SIGB,SIGCの波形を示し、(B)は、受信装置30における差分AB,BC,CAの波形を示す。また、実線は、プリエンファシス動作を行ったときの波形を示し、破線は、プリエンファシス動作を行わないときの波形を示す。
図6に示したように、シンボルDSが“+x”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“1xx”である場合には、シンボルが“+x”から“−x”に遷移する(図15A)。このとき、遷移検出部25は、図6に示したように、エンファシス制御信号MUP,MDNをともに“0”(非アクティブ)にする。これにより、図15Aに示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から低レベル電圧VL0に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から高レベル電圧VH0に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0を維持する。すなわち、シンボルが“+x”から“−x”に遷移する場合には、差分AB,BC,CAの遷移は、いずれも遷移W21,W22に該当しないので、エンファシス制御部28A,28B,28Cは、ドライバ部29A,29B,29Cがプリエンファシス動作を行わないように制御する。
また、シンボルDSが“+x”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”である場合には、シンボルが“+x”から“+y”に遷移する(図15B)。このとき、遷移検出部25は、図6に示したように、エンファシス制御信号MDNを“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号MUPを“0”(非アクティブ)にする。これにより、図15Bに示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から中レベル電圧VMminusを経て中レベル電圧VM0に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から高レベル電圧VH0に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から低レベル電圧VLplusを経て低レベル電圧VL0に変化する。このとき、エンファシス制御部28Aは、送信装置10がシンボル“+y”を出力する期間における前半の期間(0.5UI)において、信号SIGAの電圧を中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ低い中レベル電圧VMminusにするように、ドライバ部29Aを制御する。同様に、エンファシス制御部28Cは、送信装置10がシンボル“+y”を出力する期間における前半の期間(0.5UI)において、信号SIGCの電圧を低レベル電圧VL0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い低レベル電圧VLplusにするように、ドライバ部29Cを制御する。すなわち、差分ABの遷移は遷移W22に対応し、差分ABの遷移時間が長くなるおそれがあるので、エンファシス制御部28A,28Cは、ドライバ部29A,29Cがプリエンファシス動作を行うように制御する。
また、シンボルDSが“+x”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“011”である場合には、シンボルが“+x”から“−y”に遷移する(図15C)。このとき、遷移検出部25は、図6に示したように、エンファシス制御信号MUP,MDNをともに“0”(非アクティブ)にする。これにより、図15Cに示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から中レベル電圧VM0に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0を維持し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から高レベル電圧VH0に変化する。すなわち、シンボルが“+x”から“−y”に遷移する場合には、差分AB,BC,CAの遷移は、いずれも遷移W21,W22に該当しないので、エンファシス制御部28A,28B,28Cは、ドライバ部29A,29B,29Cがプリエンファシス動作を行わないように制御する。
また、シンボルDSが“+x”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”である場合には、シンボルが“+x”から“+z”に遷移する(図15D)。このとき、遷移検出部25は、図6に示したように、エンファシス制御信号MUPを“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号MDNを“0”(非アクティブ)にする。これにより、図15Dに示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から低レベル電圧VL0に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から中レベル電圧VMplusを経て中レベル電圧VM0に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から高レベル電圧VHminusを経て高レベル電圧VH0に変化する。このとき、エンファシス制御部28Bは、送信装置10がシンボル“+z”を出力する期間における前半の期間(0.5UI)において、信号SIGBの電圧を中レベル電圧VM0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ高い中レベル電圧VMplusにするように、ドライバ部29Bを制御する。同様に、エンファシス制御部28Cは、送信装置10がシンボル“+z”を出力する期間における前半の期間(0.5UI)において、信号SIGCの電圧を高レベル電圧VH0よりもエンファシス電圧ΔVEの分だけ低い高レベル電圧VHminusにするように、ドライバ部29Cを制御する。すなわち、差分ABの遷移は遷移W22に対応し、差分ABの遷移時間が長くなるおそれがあるので、エンファシス制御部28B,28Cは、ドライバ部29B,29Cがプリエンファシス動作を行うように制御する。
また、シンボルDSが“+x”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“001”である場合には、シンボルが“+x”から“−z”に遷移する(図15E)。このとき、遷移検出部25は、図6に示したように、エンファシス制御信号MUP,MDNをともに“0”(非アクティブ)にする。これにより、図15Eに示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0を維持し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から中レベル電圧VM0に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から低レベル電圧VL0に変化する。すなわち、シンボルが“+x”から“−z”に遷移する場合には、差分AB,BC,CAの遷移は、いずれも遷移W21,W22に該当しないので、エンファシス制御部28A,28B,28Cは、ドライバ部29A,29B,29Cがプリエンファシス動作を行わないように制御する。
このように、通信システム1では、シンボル遷移が、差分AB,BC,CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがあるシンボル遷移である場合において、プリエンファシス動作を行うようにした。これにより、通信システム1では、例えば伝送路100の距離が長い場合において、波形品質を高めることができる。特に、送信装置10では、出力電圧によらず、ドライバ部29A,29B,29Cの出力インピーダンスが約50[Ω]になるようにした。これにより、通信システム1では、出力電圧によらず、出力インピーダンスが伝送路100の特性インピーダンスと整合させることができるので、波形品質を高めることができ、その結果、通信性能を高めることができる。
また、通信システム1では、図15Bに示したように、電圧状態SMにおける電圧が中レベル電圧VM0よりも低い中レベル電圧VMminusである場合には、電圧状態SLにおける電圧を低レベル電圧VL0よりも高い低レベル電圧VLplusにした。また、図15Dに示したように、電圧状態SMにおける電圧が中レベル電圧VM0よりも高い中レベル電圧VMplusである場合には、電圧状態SHにおける電圧を高レベル電圧VH0よりも低い高レベル電圧VHminusにした。これにより、通信システム1では、3つの信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧の平均電圧であるコモンモード電圧の変動を抑えることができる。その結果、通信システム1では、電磁妨害(EMI;Electro-Magnetic Interference)が生じるおそれを低減することができるので、通信性能を高めることができる。
また、通信システム1では、遷移検出部25が、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9に基づいて特定のシンボル遷移を検出し、エンファシス制御部28A,28B,28Cが、その検出結果に基づいてドライバ部29A,29B,29Cに対してプリエンファシス動作を行わせるようにした。これにより、通信システム1では、例えば、波形品質が低下するおそれがあるシンボル遷移のみに対して、動的にプリエンファシス動作を行うことができるため、効果的に波形品質を高めることができる。
(エンファシス電圧ΔVEの設定について)
次に、スキュー情報INFに基づいてエンファシス電圧ΔVEを設定する動作について、詳細に説明する。遷移検出部25は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9、シンボル信号D1,D2,D3、およびスキュー情報INFに基づいて、エンファシス制御信号CTRLを生成する。具体的には、遷移検出部25は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Aにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”であり、かつシンボルDSが“+y”または“−y”である場合に、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にし、それ以外の場合にエンファシス制御信号CTRLを“0”(非アクティブ)にする。また、遷移検出部25は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Bにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”であり、かつシンボルDSが“+z”または“−z”である場合に、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にし、それ以外の場合にエンファシス制御信号CTRLを“0”(非アクティブ)にする。また、遷移検出部25は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”または“010”であり、かつシンボルDSが“+x”または“−x”である場合に、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にし、それ以外の場合にエンファシス制御信号CTRLを“0”(非アクティブ)にする。
出力部26は、エンファシス制御信号CTRLに基づいて、エンファシス電圧ΔVEを設定する。具体的には、出力部26は、エンファシス制御信号CTRLが“1”(アクティブ)である場合において、エンファシス制御信号CTRLが“0”(非アクティブ)である場合に比べて、エンファシス電圧ΔVEを大きい電圧にする。
図16A,16Bは、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合における通信システム1の一動作例を表すものであり、図16Aは、シンボルが“+x”から“+y”に遷移する場合を示し、図16Bは、シンボルが“+x”から“+z”に遷移する場合を示す。図16A,16Bのそれぞれにおいて、(A)は、送信装置10の出力端子ToutA,ToutB,ToutCにおける信号SIGA,SIGB,SIGCの波形を示し、(B)は、受信装置30における差分AB,BC,CAの波形を示す。
シンボルDSが“+x”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”である場合には、シンボルが“+x”から“+y”に遷移する(図16A)。このとき、遷移検出部25は、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にする。すなわち、この例では、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が短いことを示す情報であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”であり、シンボルDSが“+x”であるので、遷移検出部25は、エンファシス制御信号CTRLを“1”にする。信号SIGA,SIGB,SIGCは、シンボルが“+x”から“+y”に遷移するのに伴い、図15Bに示した場合と同様に変化する。その際、出力部26は、エンファシス制御信号CTRLが“1”であるので、エンファシス制御信号CTRLが“0”である場合に比べて、エンファシス電圧ΔVEを大きい電圧に設定する。
このとき、図16A(B)に示したように、受信装置30における差分ABは、差分BC,CAに比べて、遅いタイミングで遷移し始める。すなわち、この例では、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が、線路110A,110Bに比べて短いため、差分ABは最も遅く遷移し始める。また、差分ABの遷移は遷移W22に対応し、差分ABの遷移時間が長くなるおそれがある。この場合でも、出力部26は、エンファシス電圧ΔVEを大きい電圧に設定するので、差分ABの遷移時間をより短くすることができる。
また、シンボルDSが“+x”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”である場合には、シンボルが“+x”から“+z”に遷移する(図16B)。このとき、遷移検出部25は、エンファシス制御信号CTRLを“1”(アクティブ)にする。すなわち、この例では、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が短いことを示す情報であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”であり、シンボルDSが“+x”であるので、遷移検出部25は、エンファシス制御信号CTRLを“1”にする。信号SIGA,SIGB,SIGCは、シンボルが“+x”から“+z”に遷移するのに伴い、図15Dに示した場合と同様に変化する。その際、出力部26は、エンファシス制御信号CTRLが“1”であるので、エンファシス制御信号CTRLが“0”である場合に比べて、エンファシス電圧ΔVEを大きい電圧に設定する。
このとき、図16B(B)に示したように、受信装置30における差分ABは、差分BC,CAに比べて、遅いタイミングで遷移し始める。また、差分ABの遷移は遷移W22に対応し、差分ABの遷移時間が長くなるおそれがある。この場合でも、出力部26は、エンファシス電圧ΔVEを大きい電圧に設定するので、差分ABの遷移時間をより短くすることができる。
図17Aは、スキュー情報INFに基づいてエンファシス電圧ΔVEを設定した場合における差分AB,BC,CAのアイダイアグラムを表すものである。図17Bは、エンファシス電圧ΔVEを固定にした場合における差分AB,BC,CAのアイダイアグラムを表すものである。通信システム1では、図17Aに示したように、スキュー情報INFに基づいてエンファシス電圧ΔVEを設定することにより、アイ開口を広くすることができ、その結果、通信性能を高めることができる。
このように、通信システム1では、スキュー情報INFに基づいて、エンファシス電圧ΔVEを設定するようにした。これにより、通信システム1では、スキューに応じて、差分AB,BC,CAの遷移時間を変化させることができるため、スキューが通信性能におよぼす影響を低減することができる。特に、通信システム1では、遷移W21,W22(図14)のような遷移時間が長い遷移が、最も遅く遷移し始める場合に、エンファシス電圧ΔVEを大きい電圧に設定したので、スキューが通信性能におよぼす影響を効果的に低減することができる。
また、通信システム1では、エンファシス電圧ΔVEを設定することにより、スキューが通信性能におよぼす影響を低減するようにしたので、通信性能を高めることができる。すなわち、例えば、送信装置に、信号SIGA,SIGB,SIGCに対する遅延量を調整するバッファ回路を設け、バッファ回路の遅延量を調整することによりデスキューを行う場合には、遅延量がプロセスばらつき、電源電圧変動および温度変動の影響を受けるため、調整精度が低下するおそれがある。また、この構成では、調整分解能が低いため微調整ができないおそれがある。一方、通信システム1では、エンファシス電圧ΔVEを設定するようにしたので、調整分解能を高くすることができるとともに、調整精度を高めることができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、シンボル遷移が、差分AB,BC,CAのいずれかの遷移時間が長くなるおそれがあるシンボル遷移である場合においてプリエンファシス動作を行うようにしたので、通信性能を高めることができる。特に、出力電圧によらず、出力インピーダンスが約50[Ω]になるようにしたので、波形品質を高めることができ、通信性能を高めることができる。
本実施の形態では、電圧状態SMの電圧を中レベル電圧VMminusにする場合には、電圧状態SLの電圧を低レベル電圧VLplusにし、電圧状態SMの電圧を中レベル電圧VMplusにする場合には、電圧状態SHの電圧を高レベル電圧VHminusにしたので、電磁妨害が生じるおそれを低減することができるので、通信性能を高めることができる。
本実施の形態では、遷移信号に基づいて特定のシンボル遷移を検出し、その検出結果に基づいてプリエンファシス動作を行うようにしたので、効果的に通信性能を高めることができる。
本実施の形態では、スキュー情報に基づいて、エンファシス電圧を設定するようにしたので、スキューが通信性能におよぼす影響を低減することができる。
[変形例1−1]
上記実施の形態では、エンファシス制御信号MUP2,MDN2は、図8に示したように、ユニットインターバルUIの開始タイミングにおいて低レベルから高レベルに変化し得るとともに、ユニットインターバルUIの開始タイミングからユニットインターバルUIの半分(0.5UI)の時間が経過したタイミングにおいて高レベルから低レベルに変化し得るようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、エンファシス制御信号MUP2,MDN2は、ユニットインターバルUIの開始タイミングにおいて低レベルから高レベルに変化し得るとともに、ユニットインターバルUIの開始タイミングからユニットインターバルUIの半分よりも短い時間が経過したタイミングにおいて高レベルから低レベルに変化し得るようにしてもよい。また、例えば、エンファシス制御信号MUP2,MDN2は、ユニットインターバルUIの開始タイミングにおいて低レベルから高レベルに変化し得るとともに、ユニットインターバルUIの開始タイミングからユニットインターバルUIの半分よりも長い時間が経過したタイミングにおいて高レベルから低レベルに変化し得るようにしてもよい。
[変形例1−2]
上記実施の形態では、遷移信号TxF9,TxR9,RxP9が“000”または“010”の場合にプリエンファシス動作を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、それ以外の場合にもプリエンファシス動作を行うようにしてもよい。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る通信システム2について説明する。本実施の形態は、エンファシス動作の方法が上記第1の実施の形態とは異なるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1に示したように、通信システム2は、送信装置50を備えている。送信装置50は、送信部60を有している。通信システム2は、デエンファシスにより通信性能の向上を図るものである。
図18は、通信システム2における3つの電圧状態SH,SM,SLを表すものである。電圧状態SHは、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)に対応する状態である。高レベル電圧VH0,VH1,VH2のうち、高レベル電圧VH0は一番低い電圧であり、高レベル電圧VH2は一番高い電圧である。電圧状態SMは、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)に対応する状態である。中レベル電圧VM0,VM1plus,VM1minusのうち、中レベル電圧VM1minusは一番低い電圧であり、中レベル電圧VM1plusは一番高い電圧である。電圧状態SLは、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)に対応する状態である。低レベル電圧VL0,VL1,VL2のうち、低レベル電圧VL0は一番高い電圧であり、低レベル電圧VL2は一番低い電圧である。高レベル電圧VH2は、デエンファシス動作を行わない場合における高レベル電圧であり、中レベル電圧VM0は、デエンファシス動作を行わない場合における中レベル電圧であり、低レベル電圧VL2は、デエンファシス動作を行わない場合における低レベル電圧である。
図19は、送信部60の一構成例を表すものである。送信部60は、シリアライザ21F,21R,21Pと、送信シンボル生成部62と、スキュー情報記憶部53と、出力部66とを有している。
送信シンボル生成部62は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3およびシンボル信号D1,D2,D3を生成するものである。
スキュー情報記憶部53は、スキュー情報INFを記憶するものである。また、スキュー情報記憶部53は、スキュー情報INFに基づいて、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLB,CTRLCを生成する機能をも有している。
具体的には、スキュー情報記憶部53は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Aにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、エンファシス制御信号CTRLB,CTRLCをともに“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号CTRLAを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部66は、後述するように、信号SIGB,SIGCにおけるエンファシス電圧ΔVEを、信号SIGAにおけるエンファシス電圧ΔVEよりも大きくする。
また、スキュー情報記憶部53は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Bにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLCをともに“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号CTRLBを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部66は、後述するように、信号SIGA,SIGCにおけるエンファシス電圧ΔVEを、信号SIGBにおけるエンファシス電圧ΔVEよりも大きくする。
また、スキュー情報記憶部53は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLBをともに“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号CTRLCを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部66は、後述するように、信号SIGA,SIGBにおけるエンファシス電圧ΔVEを、信号SIGCにおけるエンファシス電圧ΔVEよりも大きくする。
このようにして、スキュー情報記憶部53は、スキュー情報INFに基づいてエンファシス制御信号CTRLA,CTRLB,CTRLCを生成する。そして、スキュー情報記憶部53は、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLB,CTRLCを、出力部66に供給するようになっている。
出力部66は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、シンボル信号D1,D2,D3、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLB,CTRLC、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図20は、出力部66の一構成例を表すものである。出力部66は、ドライバ制御部67Nと、ドライバ制御部67Dと、エンファシス制御部68A,68B,68Cとを有している。
ドライバ制御部67Nは、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAN,SUBAN,MAINBN,SUBBN,MAINCN,SUBCNを生成するものである。具体的には、ドライバ制御部67Nは、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が示す現在のシンボルNSに基づいて、図3に示したように、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧状態をそれぞれ求める。そして、ドライバ制御部67Nは、例えば、信号SIGAを電圧状態SHにする場合には、信号MAINAN,SUBANをそれぞれ“1”,“0”にし、信号SIGAを電圧状態SLにする場合には、信号MAINAN,SUBANをそれぞれ“0”,“1”にし、信号SIGAを電圧状態SMにする場合には、信号MAINAN,SUBANをともに“1”または“0”にする。信号MAINBN,SUBBNについても同様であり、信号MAINCN,SUBCNについても同様である。そして、ドライバ制御部67Nは、信号MAINAN,SUBANをエンファシス制御部68Aに供給し、信号MAINBN,SUBBNをエンファシス制御部68Bに供給し、信号MAINCN,SUBCNをエンファシス制御部68Cに供給するようになっている。
ドライバ制御部67Dは、1つ前のシンボルDSに係るシンボル信号D1,D2,D3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAD,SUBAD,MAINBD,SUBBD,MAINCD,SUBCDを生成するものである。ドライバ制御部67Dは、ドライバ制御部67Nと同じ回路構成を有するものである。そして、ドライバ制御部67Dは、信号MAINAD,SUBADをエンファシス制御部68Aに供給し、信号MAINBD,SUBBDをエンファシス制御部68Bに供給し、信号MAINCD,SUBCDをエンファシス制御部68Cに供給するようになっている。
エンファシス制御部68Aは、信号MAINAN,SUBANおよび信号MAINAD,SUBADに基づいて、8つの信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を生成するものである。ドライバ部29Aは、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1、およびスキュー情報記憶部53から供給されたエンファシス制御信号CTRLAに基づいて、信号SIGAを生成するようになっている。
エンファシス制御部68Bは、信号MAINBN,SUBBNおよび信号MAINBD,SUBBDに基づいて、8つの信号UPBA0,UPBB0,UPBA1,UPBB1,DNBA0,DNBB0,DNBA1,DNBB1を生成するものである。ドライバ部29Bは、信号UPBA0,UPBB0,UPBA1,UPBB1,DNBA0,DNBB0,DNBA1,DNBB1、およびスキュー情報記憶部53から供給されたエンファシス制御信号CTRLBに基づいて、信号SIGBを生成するようになっている。
エンファシス制御部68Cは、信号MAINCN,SUBCNおよび信号MAINCD,SUBCDに基づいて、8つの信号UPCA0,UPCB0,UPCA1,UPCB1,DNCA0,DNCB0,DNCA1,DNCB1を生成するものである。ドライバ部29Cは、信号UPCA0,UPCB0,UPCA1,UPCB1,DNCA0,DNCB0,DNCA1,DNCB1、およびスキュー情報記憶部53から供給されたエンファシス制御信号CTRLCに基づいて、信号SIGCを生成するようになっている。
図21は、エンファシス制御部68Aの一動作例を表すものである。図22A〜22Cは、信号SIGAを電圧状態SHにするときのドライバ部29Aの一動作例を表すものであり、図23A〜23Cは、信号SIGAを電圧状態SMにするときのドライバ部29Aの一動作例を表すものであり、図24A〜24Cは、信号SIGAを電圧状態SLにするときのドライバ部29Aの一動作例を表すものである。なお、ここでは、エンファシス制御部68Aおよびドライバ部29Aを例に挙げて説明するが、エンファシス制御部68Bおよびドライバ部29Bについても同様であり、エンファシス制御部68Cおよびドライバ部29Cについても同様である。
エンファシス制御部68Aは、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANがともに“0”または“1”である場合には、図23A〜23Cに示したように、信号SIGAの電圧を3つの中レベル電圧VM0,VM1plus,VM1minusのいずれかに設定する。
具体的には、エンファシス制御部68Aは、例えば、図21に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“11001100”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図23Bに示したように、回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM0になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合も同様である。また、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。また、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“11011000”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図23Aに示したように、回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UB11〜UB1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0Mにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM1plusになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“10001101”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図23Cに示したように、回路UA01〜UA0Mにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DB11〜DB1Nおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM1minusになるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部68Aは、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、図24A〜24Cに示したように、信号SIGAの電圧を3つの低レベル電圧VL0,VL1,VL2のいずれかに設定する。
具体的には、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“00001111”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図24Cに示したように、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1M,DB11〜DB1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL2になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“01001110”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図24Bに示したように、回路UB01〜UB0Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0M,DB01〜DB0N,DA11〜DA1Mにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL1になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“01011010”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図24Aに示したように、回路UB01〜UB0N,UB11〜UB1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DA01〜DA0M,DA11〜DA1Mにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL0になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部68Aは、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、図22A〜22Cに示したように、信号SIGAの電圧を3つの高レベル電圧VH0,VH1,VH2のいずれかに設定する。
具体的には、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“11110000”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図22Aに示したように、回路UA01〜UA0M,UB01〜UB0N,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH2になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“10110001”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図22Bに示したように、回路UA01〜UA0M,UA11〜UA1M,UB11〜UB1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DB11〜DB1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH1になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部68Aは、例えば、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を“10100101”にする。これにより、ドライバ部29Aでは、図22Cに示したように、回路UA01〜UA0M,UA11〜UA1Mにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路DB01〜DB0N,DB11〜DB1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH0になるとともに、ドライバ部29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
上記第1の実施の形態の場合と同様に、エンファシス制御信号CTRLAが“1”である場合には、ドライバ部29Aのエンファシス電圧設定部14は、エンファシス制御信号CTRLが“0”である場合に比べ、“N”を増やすとともに“M”を減らす。これにより、ドライバ部29Aでは、回路UA0,UB0,UA1,UB1のうちの、トランジスタ91がオン状態になる回路の数が減少するとともに、回路DA0,DB0,DA1,DB1のうちの、トランジスタ94がオン状態になる回路の数が増加する。その結果、エンファシス電圧ΔVEは大きくなる。ドライバ部29B,29Cについても同様である。
このようにして、出力部66は、現在のシンボルNSに基づいて、出力端子ToutA,ToutB,ToutCにおける電圧状態を設定するとともに、現在のシンボルNSおよび一つ前のシンボルDSに基づいて、各電圧状態における電圧レベルを設定する。その際、送信装置50は、いわゆる2タップのFIR(Finite Impulse Response)フィルタのように動作し、デエンファシス動作を行う。これにより、通信システム2では、通信性能を高めることができるようになっている。
また、出力部66は、通信システム2においてスキューがある場合には、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLB,CTRLCに基づいて、そのスキューに応じたエンファシス電圧ΔVEを設定する。これにより、通信システム2では、スキューが通信性能におよぼす影響を低減することができ、その結果、通信性能を高めることができるようになっている。
(デエンファシス動作について)
次に、デエンファシス動作について、詳細に説明する。送信装置50において、出力部66は、現在のシンボルNSに基づいて、出力端子ToutA,ToutB,ToutCにおける電圧状態を設定するとともに、現在のシンボルNSおよび一つ前のシンボルDSに基づいて、各電圧状態における電圧レベルを設定する。
図25Aは、信号SIGAの電圧状態が電圧状態SHから他の電圧状態へ遷移する場合における、信号SIGAの電圧変化を表すものである。なお、信号SIGB,SIGCについても同様である。この図25Aにおいて、ΔVは、高レベル電圧VH0と中レベル電圧VM0との差であり、同様に、中レベル電圧VM0と低レベル電圧VL0との差である。これらの高レベル電圧VH0、中レベル電圧VM0、および低レベル電圧VL0は、デエンファシス動作の基準となる電圧である。
信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHから電圧状態SMに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)のいずれかから中レベル電圧VM1minusに変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAD,SUBADは“1”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAN,SUBANは例えば“0”,“0”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を中レベル電圧VM1minusにする。すなわち、この場合には、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、エンファシス制御部68Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階低い中レベル電圧VM1minusに設定する。
また、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHから電圧状態SLに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)のいずれかから低レベル電圧VL2に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAD,SUBADは“1”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAN,SUBANは“0”,“1”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VL2にする。すなわち、この場合には、信号SIGAの遷移量は、約(−2ΔV)であるので、エンファシス制御部68Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも2段階低い低レベル電圧VL2に設定する。
なお、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHに維持される場合には、信号SIGAの電圧は、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)のいずれかから高レベル電圧VH0に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAD,SUBADは“1”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAN,SUBANは“1”,“0”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VH0にする。このように、送信装置50では、複数のユニットインターバルにわたり信号SIGAの電圧状態が電圧状態SHに維持される場合には、2番目以降のユニットインターバルにおいて、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VH0にする。すなわち、この高レベル電圧VH0は、デエンファシスされた電圧である。
図25Bは、信号SIGAの電圧状態が電圧状態SMから他の電圧状態へ遷移する場合における、信号SIGAの電圧変化を表すものである。
信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMから電圧状態SHに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)のいずれかから高レベル電圧VH1に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAD,SUBADは例えば“0”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAN,SUBANは“1”,“0”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VH1にする。すなわち、この場合には、信号SIGAの遷移量は、約(+ΔV)であるので、エンファシス制御部68Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも1段階高い高レベル電圧VH1に設定する。
また、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMから電圧状態SLに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)のいずれかから低レベル電圧VL1に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAD,SUBADは例えば“0”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAN,SUBANは“0”,“1”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VL1にする。すなわち、この場合には、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、エンファシス制御部68Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも1段階低い低レベル電圧VL1に設定する。
なお、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMに維持される場合には、信号SIGAの電圧は、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)のいずれかから中レベル電圧VM0に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAD,SUBADは例えば“0”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAN,SUBANは例えば“0”,“0”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を中レベル電圧VM0にする。このように、送信装置50では、複数のユニットインターバルにわたり信号SIGAの電圧状態が電圧状態SMに維持される場合には、2番目以降のユニットインターバルにおいて、信号SIGAの電圧を中レベル電圧VM0にする。
図25Cは、信号SIGAの電圧状態が電圧状態SLから他の電圧状態へ遷移する場合における、信号SIGAの電圧変化を表すものである。
信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLから電圧状態SMに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)のいずれかから中レベル電圧VM1plusに変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAD,SUBADは“0”,“1”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAN,SUBANは例えば“0”,“0”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を中レベル電圧VM1plusにする。すなわち、この場合には、信号SIGAの遷移量は、約(+ΔV)であるので、エンファシス制御部68Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階高い中レベル電圧VM1plusに設定する。
また、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLから電圧状態SHに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)のいずれかから高レベル電圧VH2に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAD,SUBADは“0”,“1”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAN,SUBANは“1”,“0”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VH2にする。すなわち、この場合には、信号SIGAの遷移量は、約(+2ΔV)であるので、エンファシス制御部68Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも2段階高い高レベル電圧VH2に設定する。
なお、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLに維持される場合には、信号SIGAの電圧は、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)のいずれかから低レベル電圧VL0に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAD,SUBADは“0”,“1”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAN,SUBANは“0”,“1”である。よって、図21に示したように、ドライバ部29Aは、エンファシス制御部68Aから供給される信号に基づいて、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VL0にする。このように、送信装置50では、複数のユニットインターバルにわたり信号SIGAの電圧状態が電圧状態SLに維持される場合には、2番目以降のユニットインターバルにおいて、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VL0にする。すなわち、この低レベル電圧VL0は、デエンファシスされた電圧である。
このように、送信装置50は、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧状態の遷移に伴う電圧の遷移量に応じて、遷移後の電圧を設定する。具体的には、送信装置50は、電圧状態が1つ高い状態に遷移する場合には、遷移後の電圧を、基準となる電圧(例えば中レベル電圧VM0や高レベル電圧VH0)よりも1段階高い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置50は、1段階分の正のエンファシス電圧ΔVEを設定する。また、送信装置50は、電圧状態が2つ高い状態に遷移する場合には、遷移後の電圧を、基準となる電圧(例えば高レベル電圧VH0)よりも2段階高い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置50は、2段階分の正のエンファシス電圧ΔVEを設定する。また、送信装置50は、電圧状態が1つ低い状態に遷移する場合には、遷移後の電圧を、基準となる電圧(例えば中レベル電圧VM0や低レベル電圧VL0)よりも1段階低い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置50は、1段階分の負のエンファシス電圧ΔVEを設定する。また、送信装置50は、電圧状態が2つ低い状態に遷移する場合には、基準となる電圧(例えば低レベル電圧VL0)よりも2段階低い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置50は、2段階分の負のエンファシス電圧ΔVEを設定する。このように、送信装置50は、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧の遷移量に応じて、その遷移量に比例するように、エンファシス電圧ΔVEを設定する。
図26A〜26Eは、シンボルが“+x”から“+x”以外のシンボルに遷移する場合における通信システム1の一動作例を表すものであり、図26Aは、シンボルが“+x”から“−x”に遷移する場合を示し、図26Bは、シンボルが“+x”から“+y”に遷移する場合を示し、図26Cは、シンボルが“+x”から“−y”に遷移する場合を示し、図26Dは、シンボルが“+x”から“+z”に遷移する場合を示し、図26Eは、シンボルが“+x”から“−z”に遷移する場合を示す。図26A〜26Eのそれぞれにおいて、実線は、デエンファシス動作を行ったときの波形を示し、破線は、デエンファシス動作を行わないときの波形を示す。また、遷移前における信号SIGAの電圧は、3つの高レベル電圧VHのいずれかであるが、この図では、説明の便宜上、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VH0にしている。同様に、遷移前における信号SIGBの電圧を低レベル電圧VL0とし、遷移前における信号SIGCの電圧を中レベル電圧VM0としている。
シンボルが“+x”から“−x”に遷移する場合には、図26A(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から低レベル電圧VL2に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から高レベル電圧VH2に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0に維持される。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−2ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGAの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも2段階低い低レベル電圧VL2に設定する。また、信号SIGBの遷移量は、約(+2ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGBの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも2段階高い高レベル電圧VH2に設定する。このとき、図26A(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−4ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて4段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。
シンボルが“+x”から“+y”に遷移する場合には、図26B(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から中レベル電圧VM1minusに変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から高レベル電圧VH2に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から低レベル電圧VL1に変化する。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGAの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階低い中レベル電圧VM1minusに設定する。また、信号SIGBの遷移量は、約(+2ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGBの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも2段階高い高レベル電圧VH2に設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGCの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも1段階低い低レベル電圧VL1に設定する。このとき、図26B(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−3ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(+3ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階高くなる。
シンボルが“+x”から“−y”に遷移する場合には、図26C(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から中レベル電圧VM1minusに変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0に維持され、信号SIGCは中レベル電圧VM0から高レベル電圧VH1に変化する。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGAの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階低い中レベル電圧VM1minusに設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGCの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも1段階高い高レベル電圧VH1に設定する。このとき、図26C(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。
シンボルが“+x”から“+z”に遷移する場合には、図26D(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から低レベル電圧VL2に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から中レベル電圧VM1plusに変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から高レベル電圧VH1に変化する。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−2ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGAの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも2段階低い低レベル電圧VL2に設定する。また、信号SIGBの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGBの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階高い中レベル電圧VM1plusに設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGCの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも1段階高い高レベル電圧VH1に設定する。このとき、図26D(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−3ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階低くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(+3ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階高くなる。
シンボルが“+x”から“−z”に遷移する場合には、図26E(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0に維持され、信号SIGBは低レベル電圧VL0から中レベル電圧VM1plusに変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から低レベル電圧VL1に変化する。すなわち、信号SIGBの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGBの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階高い中レベル電圧VM1plusに設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置50は、信号SIGCの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも1段階低い低レベル電圧VL1に設定する。このとき、図26E(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。
このように、通信システム2では、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧の遷移量に応じて、エンファシス電圧ΔVEを設定する。すなわち、送信装置50は、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれ(シングルエンド信号)に対して、デエンファシス動作を行う。その結果、通信システム2では、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれについて、波形品質を高めることができるため、通信性能を高めることができる。
また、通信システム2では、このように信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれに対してエンファシス電圧を設定することにより、差動信号である差分AB,BC,CAのそれぞれにおいても、電圧の遷移量に応じて、エンファシス電圧が設定される。その結果、通信システム2では、差分AB,BC,CAのそれぞれについても、波形品質を高めることができるため、通信性能を高めることができる。
(エンファシス電圧ΔVEの設定について)
次に、スキュー情報INFに基づいてエンファシス電圧ΔVEを設定する動作について、詳細に説明する。スキュー情報記憶部53は、スキュー情報INFに基づいて、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLB,CTRLCを生成する。
具体的には、スキュー情報記憶部53は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Aにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、エンファシス制御信号CTRLB,CTRLCをともに“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号CTRLAを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部66は、信号SIGB,SIGCにおけるエンファシス電圧ΔVEを、信号SIGAにおけるエンファシス電圧ΔVEよりも大きくする。その結果、信号SIGB,SIGCの遷移時間を短くすることができるため、上記第1の実施の形態の場合と同様に、差分AB,BC,CAのアイダイアグラムにおけるアイ開口を広くすることができ、その結果、通信性能を高めることができる。
同様に、スキュー情報記憶部53は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Bにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLCをともに“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号CTRLBを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部66は、信号SIGA,SIGCにおけるエンファシス電圧ΔVEを、信号SIGBにおけるエンファシス電圧ΔVEよりも大きくする。その結果、信号SIGA,SIGCの遷移時間を短くすることができるため、上記第1の実施の形態の場合と同様に、差分AB,BC,CAのアイダイアグラムにおけるアイ開口を広くすることができ、その結果、通信性能を高めることができる。
同様に、スキュー情報記憶部53は、例えば、スキュー情報INFが、伝送路100の線路110Cにおける遅延時間が短いことを示す情報である場合には、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLBをともに“1”(アクティブ)にするとともに、エンファシス制御信号CTRLCを“0”(非アクティブ)にする。これにより、出力部66は、信号SIGA,SIGBにおけるエンファシス電圧ΔVEを、信号SIGCにおけるエンファシス電圧ΔVEよりも大きくする。その結果、信号SIGA,SIGBの遷移時間を短くすることができるため、上記第1の実施の形態の場合と同様に、差分AB,BC,CAのアイダイアグラムにおけるアイ開口を広くすることができ、その結果、通信性能を高めることができる。
このように、通信システム2では、スキュー情報INFに基づいて、エンファシス電圧ΔVEを設定するようにした。これにより、通信システム2では、スキューに応じて、差分AB,BC,CAの遷移時間を変化させることができるため、スキューが通信性能におよぼす影響を低減することができる。
以上のように本実施の形態では、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧の遷移量に応じて、エンファシス電圧を設定したので、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれについて、波形品質を高めることができるため、通信性能を高めることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
[変形例2−1]
上記実施の形態では、出力部66は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例に係る送信装置50Aについて詳細に説明する。
図27は、送信装置50Aの送信部60Aの一構成例を表すものである。送信部60Aは、送信シンボル生成部22と、スキュー情報記憶部53と、出力部66Aとを有している。出力部66Aは、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、エンファシス制御信号CTRLA,CTRLB,CTRLC、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図28は、出力部66Aの一構成例を表すものである。出力部66Aは、ドライバ制御部67Nと、フリップフロップ17A,17B,17Cとを有している。ドライバ制御部67Nは、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAN,SUBAN,MAINBN,SUBBN,MAINCN,SUBCNを生成するものである。フリップフロップ17Aは、信号MAINAN,SUBANを、クロック信号TxCKの1クロック分遅延させ、信号MAINAD,SUBADとしてそれぞれ出力するものである。フリップフロップ17Bは、信号MAINBN,SUBBNを、クロック信号TxCKの1クロック分遅延させ、信号MAINBD,SUBBDとしてそれぞれ出力するものである。フリップフロップ17Cは、信号MAINCN,SUBCNを、クロック信号TxCKの1クロック分遅延させ、信号MAINCD,SUBCDとしてそれぞれ出力するものである。
このように構成しても、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
[変形例2−2]
上記実施の形態では、送信装置50はデエンファシス動作を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、プリエンファシス動作を行うようにしてもよい。図29は、3つの電圧状態SH,SM,SLを表すものである。電圧状態SHは、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)に対応する状態であり、電圧状態SMは、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)に対応する状態であり、電圧状態SLは、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)に対応する状態である。高レベル電圧VH0は、プリエンファシス動作を行わない場合における高レベル電圧であり、中レベル電圧VM0は、プリエンファシス動作を行わない場合における中レベル電圧であり、低レベル電圧VL0は、プリエンファシス動作を行わない場合における低レベル電圧である。このように構成しても、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
<3.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した通信システムの適用例について説明する。
(適用例1)
図30は、上記実施の形態等の通信システムが適用されるスマートフォン300(多機能携帯電話)の外観を表すものである。このスマートフォン300には、様々なデバイスが搭載されており、それらのデバイス間でデータのやり取りを行う通信システムにおいて、上記実施の形態等の通信システムが適用されている。
図31は、スマートフォン300に用いられるアプリケーションプロセッサ310の一構成例を表すものである。アプリケーションプロセッサ310は、CPU(Central Processing Unit)311と、メモリ制御部312と、電源制御部313と、外部インタフェース314と、GPU(Graphics Processing Unit)315と、メディア処理部316と、ディスプレイ制御部317と、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)インタフェース318とを有している。CPU311、メモリ制御部312、電源制御部313、外部インタフェース314、GPU315、メディア処理部316、ディスプレイ制御部317は、この例では、システムバス319に接続され、このシステムバス319を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
CPU311は、プログラムに従って、スマートフォン300で扱われる様々な情報を処理するものである。メモリ制御部312は、CPU311が情報処理を行う際に使用するメモリ501を制御するものである。電源制御部313は、スマートフォン300の電源を制御するものである。
外部インタフェース314は、外部デバイスと通信するためのインタフェースであり、この例では、無線通信部502およびイメージセンサ410と接続されている。無線通信部502は、携帯電話の基地局と無線通信をするものであり、例えば、ベースバンド部や、RF(Radio Frequency)フロントエンド部などを含んで構成される。イメージセンサ410は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサを含んで構成される。
GPU315は、画像処理を行うものである。メディア処理部316は、音声や、文字や、図形などの情報を処理するものである。ディスプレイ制御部317は、MIPIインタフェース318を介して、ディスプレイ504を制御するものである。MIPIインタフェース318は、画像信号をディスプレイ504に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース318は、例えば水晶振動子を含む発振回路330から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース318とディスプレイ504との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
図32は、イメージセンサ410の一構成例を表すものである。イメージセンサ410は、センサ部411と、ISP(Image Signal Processor)412と、JPEG(Joint Photographic Experts Group)エンコーダ413と、CPU414と、RAM(Random Access Memory)415と、ROM(Read Only Memory)416と、電源制御部417と、I2C(Inter-Integrated Circuit)インタフェース418と、MIPIインタフェース419とを有している。これらの各ブロックは、この例では、システムバス420に接続され、このシステムバス420を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
センサ部411は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサにより構成されるものである。ISP412は、センサ部411が取得した画像に対して所定の処理を行うものである。JPEGエンコーダ413は、ISP412が処理した画像をエンコードしてJPEG形式の画像を生成するものである。CPU414は、プログラムに従ってイメージセンサ410の各ブロックを制御するものである。RAM415は、CPU414が情報処理を行う際に使用するメモリである。ROM416は、CPU414において実行されるプログラムやキャリブレーションにより得られた設定値などを記憶するものである。電源制御部417は、イメージセンサ410の電源を制御するものである。I2Cインタフェース418は、アプリケーションプロセッサ310から制御信号を受け取るものである。また、図示していないが、イメージセンサ410は、アプリケーションプロセッサ310から、制御信号に加えてクロック信号をも受け取るようになっている。具体的には、イメージセンサ410は、様々な周波数のクロック信号に基づいて動作できるよう構成されている。MIPIインタフェース419は、画像信号をアプリケーションプロセッサ310に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース419は、例えば水晶振動子を含む発振回路430から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース419とアプリケーションプロセッサ310との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
(適用例2)
図33は、上記実施の形態等の通信システムが適用される車両制御システム600の一構成例を表すものである。車両制御システム600は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車などの動作を制御するものである。この車両制御システム600は、駆動系制御ユニット610と、ボディ系制御ユニット620と、バッテリ制御ユニット630と、車外情報検出ユニット640と、車内情報検出ユニット650と、統合制御ユニット660とを有している。これらのユニットは、通信ネットワーク690を介して互いに接続されている。通信ネットワーク690は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)、FlexRay(登録商標)などの任意の規格に準拠したネットワークを用いることができる。各ユニットは、例えば、マイクロコンピュータ、記憶部、制御対象の装置を駆動する駆動回路、通信I/Fなどを含んで構成される。
駆動系制御ユニット610は、車両の駆動系に関連する装置の動作を制御するものである。駆動系制御ユニット610には、車両状態検出部611が接続されている。車両状態検出部611は、車両の状態を検出するものであり、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、アクセルペダルやブレーキペダルの操作量や操舵角などを検出するセンサなどを含んで構成されるものである。駆動系制御ユニット610は、車両状態検出部611により検出された情報に基づいて、車両の駆動系に関連する装置の動作を制御するようになっている。この駆動系制御ユニット610と車両状態検出部611との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
ボディ系制御ユニット620は、キーレスエントリシステム、パワーウィンドウ装置、各種ランプなど、車両に装備された各種装置の動作を制御するものである。
バッテリ制御ユニット630は、バッテリ631を制御するものである。バッテリ制御ユニット630には、バッテリ631が接続されている。バッテリ631は、駆動用モータへ電力を供給するものであり、例えば2次電池、冷却装置などを含んで構成されるものである。バッテリ制御ユニット630は、バッテリ631から、温度、出力電圧、バッテリ残量などの情報を取得し、これらの情報に基づいて、バッテリ631の冷却装置などを制御するようになっている。このバッテリ制御ユニット630とバッテリ631との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
車外情報検出ユニット640は、車両の外部の情報を検出するものである。車外情報検出ユニット640には、撮像部641および車外情報検出部642が接続されている。撮像部641は、車外の画像を撮像するものであり、例えば、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラなどを含んで構成されるものである。車外情報検出部642は、車外の情報を検出するものであり、例えば、天候や気象を検出するセンサや、車両の周囲の他の車両、障害物、歩行者などを検出するセンサなどを含んで構成されるものである。車外情報検出ユニット640は、撮像部641により得られた画像や、車外情報検出部642により検出された情報に基づいて、例えば、天候や気象、路面状況などを認識し、車両の周囲の他の車両、障害物、歩行者、標識や路面上の文字などの物体検出を行い、あるいはそれらと車両との間の距離を検出するようになっている。この車外情報検出ユニット640と、撮像部641および車外情報検出部642との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
車内情報検出ユニット650は、車両の内部の情報を検出するものである。車内情報検出ユニット650には、運転者状態検出部651が接続されている。運転者状態検出部651は、運転者の状態を検出するものであり、例えば、カメラ、生体センサ、マイクなどを含んで構成されるものである。車内情報検出ユニット650は、運転者状態検出部651により検出された情報に基づいて、例えば、運転者の疲労度合、運転者の集中度合い、運転者が居眠りをしていないかどうかなどを監視するようになっている。この車内情報検出ユニット650と運転者状態検出部651との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
統合制御ユニット660は、車両制御システム600の動作を制御するものである。統合制御ユニット660には、操作部661、表示部662、およびインストルメントパネル663が接続されている。操作部661は、搭乗者が操作するものであり、例えば、タッチパネル、各種ボタンやスイッチなどを含んで構成されるものである。表示部662は、画像を表示するものであり、例えば液晶表示パネルなどを用いて構成されるものである。インストルメントパネル663は、車両の状態を表示するものであり、スピードメータなどのメータ類や各種警告ランプなどを含んで構成されるものである。この統合制御ユニット660と、操作部661、表示部662、およびインストルメントパネル663との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施の形態では、出力部26,66は、ドライバ部29A,29B,29Cにおける“M”および“N”を変化させることにより、エンファシス電圧ΔVEを設定したが、これに限定されるものではない。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
(1)それぞれが、第1の電圧状態、第2の電圧状態、および前記第1の電圧状態と前記第2の電圧状態との間の第3の電圧状態を用いて信号を送信し、各電圧状態における電圧を設定可能に構成された複数のドライバ部と、
スキュー情報に基づいて、各ドライバ部におけるエンファシス電圧を設定することにより、前記複数のドライバ部にエンファシスを行わせる制御部と
を備えた送信装置。
(2)前記複数のドライバ部は、
第1の出力端子における電圧状態を、前記第1の電圧状態、前記第2の電圧状態、および前記第3の電圧状態のうちのいずれかに選択的に設定する第1のドライバ部と、
第2の出力端子における電圧状態を、前記第1の電圧状態、前記第2の電圧状態、および前記第3の電圧状態のうちのいずれかに選択的に設定する第2のドライバ部と、
第3の出力端子における電圧状態を、前記第1の電圧状態、前記第2の電圧状態、および前記第3の電圧状態のうちのいずれかに選択的に設定する第3のドライバ部と
を含み、
前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子における電圧状態は、互いに異なる
前記(1)に記載の送信装置。
(3)前記複数のドライバ部が送信するデータ信号は、シンボルのシーケンスを示し、
前記制御部は、前記シーケンスにおいて所定のシンボル遷移が生じるときに、前記複数のドライバ部に前記エンファシスを行わせる
前記(2)に記載の送信装置。
(4)前記所定のシンボル遷移は、第1のシンボル遷移および第2のシンボル遷移を含み、
前記制御部は、前記スキュー情報に基づいて、前記第1のシンボル遷移での各ドライバ部における前記エンファシス電圧を、前記第2のシンボル遷移での各ドライバ部における前記エンファシス電圧よりも大きい電圧に設定する
前記(3)に記載の送信装置。
(5)前記所定のシンボル遷移は、前記第1の出力端子における電圧状態、前記第2の出力端子における電圧状態、および前記第3の出力端子における電圧状態がともに変化するシンボル遷移である
前記(3)または(4)に記載の送信装置。
(6)前記制御部は、前記第3の電圧状態における電圧に対して前記エンファシス電圧を設定する
前記(3)から(5)のいずれかに記載の送信装置。
(7)前記制御部は、さらに、前記第1の電圧状態における電圧または前記第2の電圧状態における電圧に対して選択的に前記エンファシス電圧を設定する
前記(6)に記載の送信装置。
(8)シンボルの遷移を示す遷移信号に基づいて、シンボルを示すシンボル信号を生成する信号生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記遷移信号に基づいて、前記所定のシンボル遷移を検出することにより、前記複数のドライバ部に前記エンファシスを行わせるか否かを判断する
前記(3)から(7)のいずれかに記載の送信装置。
(9)前記複数のドライバ部が送信するデータ信号は、シンボルのシーケンスを示し、
前記制御部は、前記スキュー情報に基づいて、前記複数のドライバ部のうちの一のドライバ部における前記エンファシス電圧を、他の一のドライバ部における前記エンファシス電圧よりも大きい電圧に設定する
前記(2)に記載の送信装置。
(10)前記制御部は、前記第1の出力端子における電圧状態が前記第1の電圧状態から前記第2の電圧状態に遷移する場合の前記第1のドライバ部における前記エンファシス電圧を、前記第1の電圧状態から前記第3の電圧状態に遷移する場合の前記第1のドライバ部における前記エンファシス電圧よりも大きい電圧に設定する
前記(9)に記載の送信装置。
(11)シンボルの遷移を示す遷移信号に基づいて、第1のシンボル信号と、前記第1のシンボル信号が示すシンボルの1つ前のシンボルを示す第2のシンボル信号とを生成する信号生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1のシンボル信号および前記第2のシンボル信号に基づいて、前記第1のドライバ部における前記エンファシス電圧を設定する
前記(10)に記載の送信装置。
(12)シンボルの遷移を示す遷移信号に基づいて、シンボル信号を生成する信号生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記シンボル信号が示すシンボルのシーケンスに基づいて、前記第1のドライバ部における前記エンファシス電圧を設定する
前記(10)に記載の送信装置。
(13)前記第1のドライバ部は、
第1の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第1の回路と、
第2の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第2の回路と
を有し、
前記制御部は、前記第1の回路におけるインピーダンスと、前記第2の回路におけるインピーダンスとのインピーダンス比を設定することにより、前記第1のドライバ部における前記エンファシス電圧を設定する
前記(2)から(13)のいずれかに記載の送信装置。
(14)前記制御部は、前記第1の回路におけるインピーダンスおよび前記第2の回路におけるインピーダンスの並列インピーダンスが一定になるように、前記インピーダンス比を設定する
前記(13)に記載の送信装置。
(15)前記第1の回路は、それぞれが、前記第1の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第1の抵抗素子および第1のトランジスタを含む複数の第1のサブ回路を有し、
前記第2の回路は、それぞれが、前記第2の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第2の抵抗素子および第2のトランジスタを含む複数の第2のサブ回路を有し、
前記制御部は、前記第1の回路における複数の前記第1のトランジスタのうちのオン状態にする第1のトランジスタの数を設定するとともに、前記第2の回路における複数の前記第2のトランジスタのうちのオン状態にする第2のトランジスタの数を設定することにより、前記第1のドライバ部における前記エンファシス電圧を設定する
前記(13)または(14)に記載の送信装置。
(16)前記複数の第1のサブ回路は、複数の第1のグループにグループ分けされ、
前記複数の第2のサブ回路は、複数の第2のグループにグループ分けされ、
前記制御部は、前記第1の回路における複数の前記第1のトランジスタを、前記第1のグループ単位でオンオフするとともに、前記第2の回路における複数の前記第2のトランジスタを、前記第2のグループ単位でオンオフすることにより、前記第1のドライバ部における前記エンファシス電圧を設定する
前記(15)に記載の送信装置。
(17)前記複数の第1のグループは、第1のサブグループと、第2のサブグループを含み、
前記第1のサブグループに属する前記第1のサブ回路の数は、前記第2のサブグループに属する前記第1のサブ回路の数と異なる
前記(16)に記載の送信装置。
(18)複数のドライバ部に、第1の電圧状態、第2の電圧状態、および前記第1の電圧状態と前記第2の電圧状態との間の第3の電圧状態を用いて信号を送信させ、
スキュー情報に基づいて、各ドライバ部におけるエンファシス電圧を設定することにより、前記複数のドライバ部にエンファシスを行わせる
送信方法。
(19)送信装置と
受信装置と
を備え、
前記送信装置は、
それぞれが、第1の電圧状態、第2の電圧状態、および前記第1の電圧状態と前記第2の電圧状態との間の第3の電圧状態を用いて信号を送信し、各電圧状態における電圧を設定可能に構成された複数のドライバ部と、
スキュー情報に基づいて、各ドライバ部におけるエンファシス電圧を設定することにより、前記複数のドライバ部にエンファシスを行わせる制御部と
を有する
通信システム。
本出願は、日本国特許庁において2016年3月1日に出願された日本特許出願番号2016−038854号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。