JP6848017B2 - 乗客コンベアのステップ持上支援装置、及び、乗客コンベアのステップ持上支援方法 - Google Patents

乗客コンベアのステップ持上支援装置、及び、乗客コンベアのステップ持上支援方法 Download PDF

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Description

本開示は、乗客コンベアのステップ持上支援装置、及び、ステップ持上支援装置を用いるステップ持上支援方法に係り、特に、乗降口において、コムとクリートの間隙の確認のためにステップを持上げる乗客コンベアのステップ持上支援装置、及び、ステップ持上支援方法に関する。
乗客コンベアの一例は、建物の上層階の乗降口と下層階の乗降口との間を移動する複数のステップに利用者を乗せて運搬するエスカレーターである。その他に、動く歩道等も乗客コンベアである。乗客コンベアにおけるステップは、利用客が足を載せる踏板と、蹴り出しに対応するライザーとがフレームで一体化されたものである。複数のステップが移動する空間を移動通路と呼ぶと、ステップは、駆動ローラが設けられるステップ軸に懸けられた駆動チェーンによって駆動され、移動通路の下部のトラスに設けられた駆動レールに沿って駆動ローラが移動する。
ステップの踏板には、滑り止め等のために、ステップが移動する走行方向に沿って延伸する複数のクリートが設けられ、乗客コンベアの乗降口には、それぞれ、複数のクリートの間の溝を梳くように、複数のコムと呼ばれる櫛歯を有するコムプレートが配置される。コムとクリートとが接触するとコムが破損する恐れがあるので、ステップが不必要に持上がらないように、駆動レールに向い合って駆動ローラの上レールが設けられる。コムとクリートの間隙は、例えば、乗客コンベアの保守作業等の際に、ステップを構造上持上げられる最大位置まで持上げた状態で所定の間隙が確保されているかが点検される。
特許文献1には、乗客コンベアの乗降口隙間測定用に、コムプレートの一部に測定ゲージを挿入できる穴を有するゲージ基体を設け、その穴から測定ゲージをクリート側に突き出して、クリート上面とコムプレートの上面の間の長さを測定することが開示されている。これにより、測定ゲージを手で持つ必要がなく、両手で駆動ローラが上レールに突き当たるまでステップを持上げる作業を片手で出来る、と述べている。
特許文献2には、ステップ持上支援装置として、支点部において互いに所定の鈍角で傾斜する治具取付部及び操作部を有する操作てこ体と、治具取付部によって保持されるステップ持上げ治具とを備える構成が開示されている。ここで、ステップ持上げ治具は、一方端が治具取付部によって保持され、軸径が踏板のフック掛け孔の内径よりも小さい吊軸部と、吊軸部の他方端において吊軸部の軸方向に対し直角に曲げられた踏板引掛部と、を有するフック体である。
特開2012−166882号公報 国際公開第2019/064393号
従来技術で提案されている測定ゲージやステップ持上げ治具は、それぞれ、コムプレートに測定ゲージを挿入できる穴を有する測定基体を設ける必要があるか、踏板にフック掛け穴が設けられていることが必要である。コムプレートや踏板をそのままとする場合には、保守作業員が両手でステップを持ち上げることになる。ステップのステップ軸には、移動通路に沿って循環する駆動チェーンが懸けられているので、駆動チェーンの張力等に抗して、これを持上げるには保守作業員のかなりの負担を要する。特に、上層階と下層階との間の移動通路の長さが長く、長揚程のエスカレーターでは、駆動チェーンの張力が大きいので、ステップを持ち上げるには一層大きな負荷となる。そこで、保守作業員の負荷を軽減できる乗客コンベアのステップ持上支援装置が要望される。
本開示に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置は、踏板を有する複数のステップで構成される乗客コンベアの乗降口において、乗降口のコムプレートに設けられたコムと踏板のクリートとの上下方向の間隙確認のために、ステップをステップ軸から外さない状態でステップを構造上持ち上がる限度まで持ち上げるためのステップ持上支援装置であって、下端部にトラス内当接部を有し、上端部にガイド開口部を有し、軸方向にガイド穴を有するガイド筒体と、上端部にステップ当接部を有し、ガイド穴の内径よりも小径の外形を有し、下端部側をガイド筒体のガイド穴上端部側から挿入した状態でガイド穴内を摺動可能な移動棒体と、一端部が移動棒体の下端部側に固定されており、他端部は、移動棒体がガイド筒体のガイド穴に挿入されている状態における移動棒体の外径とガイド穴の内径との間の空隙を通り移動棒体の下端部側からガイド穴の軸方向に沿って上方側に延伸してガイド筒体の上端部側でガイド筒体の外側に出ている状態の接続紐体と、ガイド筒体の外径よりも大径の内径を有する外筒部、及び、外筒部と一体化されて外筒部の軸方向に垂直な方向に延伸する操作棒部を有し、ガイド筒体の外に出た接続紐体の他端部が固定されている操作部と、を備える。
上記構成によれば、接続紐体の一端部が下方端側に固定されている移動棒体はガイド筒体のガイド穴に挿入され、移動棒体の外径とガイド穴の内径との間の空隙を利用して接続紐体の他端部は移動棒体の下端部側からガイド穴の軸方向に沿って上方側に延伸する。ガイド穴の上方側に延伸した接続紐体の他端部はガイド筒体の上端部側でガイド筒体の外側に出て操作部に固定される。接続紐体の長さは一定であるから、保守作業員が操作部を下方側に押し下げると、移動棒体はガイド筒体の軸方向に沿って上方側に移動する。保守作業員がステップ持上支援装置の操作部を、例えば、足で踏んで下方側に押し下げると、移動棒体の上端部が上方側に移動する。そこで、乗客コンベアのステップを適当に外して、トラス内にステップ持上支援装置を持ち込めば、間隙確認の対象のステップの真下で保守作業員が操作部を押し下げる簡単な作業によって、移動棒体の上端部で間隙確認対象のステップを持上げることができる。これにより、間隙確認対象のステップを持上げる保守作業員の負荷を軽減できる。
本開示に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置において、ガイド筒体の外周面には、ガイド筒体の軸方向に垂直な方向の回転軸周りに回転可能な滑車が設けられており、ガイド筒体の外に出た接続紐体は、滑車に懸架されてガイド筒体の外形に沿って下方側に延伸して操作部に固定されている状態であることが好ましい。
上記構成によれば、接続紐体の移動が滑らかになり、したがって、操作部の押し下げによる移動棒体の移動が滑らかになり、保守作業員の負荷を一層軽減できる。
本開示に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置において、ガイド筒体は、滑車よりも上方側に、ガイド穴からガイド筒体の外側に連通する紐体通し穴を有することが好ましい。紐体通し穴を設けることで、ガイド筒体のガイド穴の内側から外側に接続紐体が出てくる位置が一定になり、接続紐体の移動が安定する。
本開示に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置において、操作部は、保守作業員の足先を乗せて足の踏み力を受け止める足載せ台を有することが好ましい。上記構成によれば、保守作業員は操作部の押し下げに足を使えるので、上半身の自由度が大きくなり、手や目を用いる間隙確認が容易に行えるようになる。
本開示に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置において、トラス内当接部及びステップ当接部は、すべり止め面を有することが好ましい。上記構成によれば、トラス内において、ステップ持上支援装置の設置が安定し、保守作業員の作業負荷を軽減できる。
本開示に係る乗客コンベアのステップ持上支援方法は、踏板を有する複数のステップで構成される乗客コンベアの乗降口において、乗降口のコムプレートに設けられたコムと踏板のクリートとの上下方向の間隙確認のために、間隙確認対象のステップを構造上持ち上がる限度まで持ち上げるステップ持上支援方法であって、軸方向にガイド穴を有するガイド筒体、下端部側をガイド筒体のガイド穴上端部側から挿入した状態でガイド穴内を摺動可能な移動棒体、ガイド筒体の外径よりも大径の内径を有する外筒部と一体化されて外筒部の軸方向に垂直な方向に延伸する操作棒部を有する操作部、及び、一端部が移動棒体の下端部側に固定され他端部が操作部に固定されている状態の接続紐体を備えるステップ持上支援装置を用い、トラス内からの間隙確認をするために間隙確認対象のステップに隣接するステップを一時的に取り外し、ステップを取り外すことで形成されたトラス内空間に保守作業員が入り、トラス内の底面側に配置されている複数の戻りステップの内で、間隙確認対象のステップの真下に配置されている戻りステップの裏面に、ステップ持上支援装置のガイド筒体の下端部を当接させ、接続紐体の一端部が下方端側に固定されている移動棒体をガイド筒体のガイド穴に挿入し、移動棒体の外径とガイド穴の内径との間の空隙を利用して接続紐体の他端部を移動棒体の下端部側からガイド穴の軸方向に沿って上方側に延伸してガイド筒体の上端部側でガイド筒体の外側に出し、ガイド筒体の外側に出た接続紐体の他端部が操作部に固定されている状態で、保守作業員が操作部を下方側に押し下げて移動棒体をガイド筒体の軸方向に沿って上方側に移動させ、移動棒体の上端部を、間隙確認対象のステップの踏板のクリートが設けられている面の裏面に当接させ、保守作業員はさらに操作部を下方側に押し下げて間隙確認対象のステップを構造上持ち上がる限度まで持ち上げる。
ステップ持上支援装置は、接続紐体の一端部が下方端側に固定されている移動棒体はイド筒体のガイド穴に挿入され、移動棒体の外径とガイド穴の内径との間の空隙を利用して接続紐体の他端部は移動棒体の下端部側からガイド穴の軸方向に沿って上方側に延伸する。ガイド穴の上方側に延伸した接続紐体の他端部は、ガイド筒体の上端部側でガイド筒体の外側に出て、操作部に固定される。接続紐体の長さは一定であるから、保守作業員が操作部を下方側に押し下げると、移動棒体はガイド筒体の軸方向に沿って上方側に移動する。保守作業員がステップ持上支援装置の操作部を、例えば、足で踏んで下方側に押し下げると、移動棒体の上端部が上方側に移動する。
上記構成によれば、乗客コンベアのステップを適当に外して、トラス内にステップ持上支援装置を持ち込み、間隙確認の対象のステップの真下で保守作業員が操作部を押し下げる。このような簡単な作業によって、移動棒体の上端部で間隙確認対象のステップを持上げることができる。これにより、間隙確認対象のステップを持上げる保守作業員の負荷を軽減できる。
上記構成の乗客コンベアのステップ持上支援装置、及び、ステップ持上支援方法によれば、保守作業員の負荷を軽減できる。
実施の形態に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置が用いられるエスカレーターの全体構成図である。 図1におけるII部の拡大図である。 図2におけるIII方向から見たコムとクリートの関係図である。 図3におけるIV−IV線に沿った断面図である。 実施の形態に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置の初期状態の全体図である。 実施の形態に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置において、伸長状態の全体図である。 実施の形態に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置におけるガイド筒体を示す図である。 実施の形態に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置における移動棒体を示す図である。 実施の形態に係る乗客コンベアのステップ持上支援装置における操作部の全体図である。 図9の操作部の分解図である。 実施の形態に係る乗客コンベアのステップ持上支援方法の手順を示すフローチャートである。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、乗客コンベアとして、エスカレーターを述べるが、これは説明のための例示であり、動く歩道等の乗客コンベアであってもよい。以下で述べる形状、寸法、材質等は、説明のための例示であって、乗客コンベアのステップ持上支援装置の仕様等に合わせ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、乗客コンベアのステップ持上支援装置80が用いられる乗客コンベアとしてのエスカレーター10の構成を示す図である。以下では、特に断らない限り、乗客コンベアのステップ持上支援装置80を、単に、ステップ持上支援装置80と呼ぶ。
エスカレーター10は、建物12の上層階の乗降口14と下層階の乗降口16との間を移動する複数のステップ20に利用者を乗せて運搬する昇降運搬装置である。図1に、走行方向と上下方向と幅方向とを示す。走行方向はステップ20が利用者を乗せて移動して走行する方向であり、走行方向の両側を区別するときは、上層階に向かう方向を一方側と呼び、下層階側に向かう方向を他方側と呼ぶ。上下方向は、建物12について上方側か下方側かを区別する方向である。幅方向は、上層階と下層階を結んでステップ20が移動する移動通路40について左右を区別する方向で、下層階の乗降口16から上層階の乗降口14を見たときに、右方が右側の方向であり、左方が左側の方向である。図2から図4においても同様である。
エスカレーター10において、利用者が乗る側である移動通路40には、欄干42と移動手摺44が両側に配置され、移動通路40の裏側、つまり建物12の構造体の内側にはトラス46が設けられる。
トラス46は、建物12の構造体の内側において、上層階から下層階に渡って設けられ、ステップ20の移動機構、移動手摺44の移動機構等が配置される空間である。トラス46は、上層階側水平部と下層階側水平部とその間を接続する傾斜部とで構成される。上層階側水平部には、上部機械室50が設けられ、駆動モータ52や駆動モータ52によって駆動される駆動スプロケット54が配置される。下層階側水平部には、下部機械室56が設けられ、従動スプロケット58が配置される。傾斜部には、駆動スプロケット54と従動スプロケット58の間に掛け渡される駆動チェーン60が配置される。駆動チェーン60は、各ステップ20のステップ軸28に掛け渡され、各ステップ20のステップ軸28の両端には駆動ローラ30(図2参照)が設けられ、駆動ローラ30は、トラス46に配置された駆動レール62の上を転動する。
図1に、上層階の乗降口14において、保守作業員8がステップ持上支援装置80を用いて、ステップ20の踏板22のクリート70と、乗降口14に設置されているコムプレート72に設けられたコム74(図3参照)との上下方向の間隙確認を行う様子を示す。クリート70とコム74との間隙確認は、ステップ持上支援装置80を用いて下層階の乗降口16においても行われるが、その内容はほとんど同じである。以下では、主として、上層階の乗降口14におけるステップ持上支援装置80を用いた間隙確認を述べ、図1において下層階の乗降口16における間隙確認の様子を図示するだけに留める。
図2は、図1のII部の拡大図である。図2において、上部機械室50の駆動モータ52関連の図示を省略した。
ステップ20は、踏段とも呼ばれ、無端ループ状の駆動チェーン60に複数個取り付けられた利用者運搬用の移動段である。ステップ20は、利用者が足を載せる踏板22と、蹴り出しに対応するライザー24とがフレーム26で一体化されたものである。ステップ軸28は、フレーム26に回動自在に支持され、駆動チェーン60に接続される軸であり、駆動チェーン60から突き出した先端に駆動ローラ30が取付けられる。駆動ローラ30は、ステップ20の走行方向についての一方側に設けられ、ステップ20の他方側であるライザー24側には、従動ローラ32が設けられる。
上部機械室50においては、駆動チェーン60が駆動スプロケット54の外周の歯部に噛み合う。駆動チェーン60は、駆動スプロケット54の回転駆動力によって移動駆動されるので、上部機械室50において、駆動チェーン60は駆動スプロケット54の回転軸の周りに回転駆動されるにつれて走行方向が反転する。これに伴い、駆動チェーン60にステップ軸28を介して接続される複数のステップ20も、上部機械室50において踏板22の法線方向が反転する。移動通路40側のステップ20に対して、法線方向が反転したステップ20を区別する場合は、法線方向が反転した後のステップ20を戻りステップ21と呼ぶ。
駆動ローラ30を案内する駆動レール62は、駆動スプロケット54の上方側では駆動ローラ30を下支えする配置であるが、反転して駆動スプロケット54の下方側では駆動ローラ30を上支えする駆動レール63となる。従動ローラ32の案内については、駆動スプロケット54の反転領域において、従動ローラ32を下支えする従動レール64と上支えする従動レール65とが一部重複して配置される。
図2に示す上レール66は、ステップ20が不必要に上方側に持上がらないように、駆動レール62に向い合って配置される板部材である。上レール66は、駆動ローラ30の上方側に適当な所定隙間を空けて配置される。
ステップ20の踏板22には、利用者の足元のすべり止め等のために、走行方向に沿って延伸する複数のクリート70が設けられる。クリート70は、両脇に溝を有する立壁状突起である。上層階の乗降口14には、上層階の床面から乗降口14側に向かって、図示しないが複数のランディングプレートが敷設される。最も移動通路40側のランディングプレートの他方側端にはコムプレート72が設けられ、コムプレート72の先端にはコム74が設けられる。コム74は、複数のクリート70の間の溝を梳く複数の櫛歯を有する部材で、踏板22上のごみや異物を掬い上げて除去する働きを有する。クリート70とコム74は、ごみや異物を効率よく掬い上げるために、上下方向及び幅方向に小さな間隙を有して配置される。
コムプレート72とコム74は、上層階の乗降口14におけるランディングプレートと、下層階の乗降口16におけるランディングプレートとにそれぞれ設けられる。上層階の乗降口14では、ランディングプレートの一方側にコムプレート72とコム74が設けられるのに対し、下層階の乗降口16では、ランディングプレートの他方側にコムプレート72とコム74が設けられる。これらを区別する場合は、図1に示すように、上層階の乗降口14において、コムプレート72U、コム74Uと呼び、下層階の乗降口16において、コムプレート72D、コム74Dと呼ぶ。
クリート70、コムプレート72、コム74の関係について図3、図4を用いて説明する。図3は、図2のIII方向から見た図で、図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。図3、図4は、いずれも上層階の乗降口14におけるクリート70、コムプレート72U、コム74Uの関係を示すが、下層階の乗降口16におけるクリート70、コムプレート72D、コム74Dの関係も全く同様である。そこで、図3、図4では、コムプレート72Uをコムプレート72、コム74Uをコム74と呼ぶ。
踏板22の複数のクリート70の幅方向に沿った配置ピッチP1は、コムプレート72のコム74の幅方向に沿った配置ピッチP2と同じである。クリート70は、高さH0、幅W1を有し、踏板22の上面から立設する立壁部で、隣接する立壁部の間は、溝幅W2のクリート溝71である。したがって、P1=(W1+W2)である。コム74は、複数のクリート70の間の溝を梳くように、コムプレート72の他方側端部に配置された櫛歯である。ステップ20は、所定の走行速度で移動するので、コム74の櫛歯の間には所定の速度でクリート70が通過する。ステップ20の走行においてクリート70と干渉しないようにコム74の形状が定められる。図3、図4の例では、幅方向及び上下方向について、コム74とクリート70の間隙を均等とした。図4において、隙間S1は、踏板22のクリート溝71の溝底と、コム74の底面の間隔である。隙間S2は、踏板22のクリート70の頂面と、コム74の溝の天井面の間隔である。図4は、S1=S2=(H0/2)の例を示す。この状態においては、コム74とクリート70とが上下方向で接触する恐れがない。
P1=P2、W1,W2,H0の寸法の一例を挙げると、W1は約2.5mm、W2は約7.5mm、P1=P2は約10mm、H0は約12mm、S1=S2=(H0/2)は約6mmである。これは説明のための例示であって、エスカレーター10の仕様によって、コム74とクリート70の間隙を適宜設定できる。
ステップ20が走行中に不必要に持上がると、S1もS2も(H0/2)より小さくなり、コム74とクリート70とが上下方向で接触する恐れが生じ得る。図3で述べた上レール66は、ステップ20が走行中に不必要に持上がらないように、駆動ローラ30の上方向への移動を規制する。上レール66が摩耗し、あるいは、上レール66と駆動ローラ30との間に異物が付着する等の場合には、ステップ20が走行中に不必要に持上がり、コム74とクリート70とが上下方向で接触する恐れが生じ得る。
再び図2に戻ると、図2には、上層階の乗降口14におけるコム74Uとクリート70との間の隙間S1、S2を点検する保守作業の様子が示される。上層階の乗降口14における間隙確認対象のステップ20をステップ20Uと呼ぶと、保守作業員8は、トラス46内で、ステップ20Uについてステップ軸28から外さない状態でステップ20Uを構造上持ち上がる限度まで持ち上げる必要がある。上層階の乗降口14においては、コム74Uに向かい合う間隙確認のために持ち上げるステップ20Uの先端側は、ステップ20Uの一方側で、駆動チェーン60が懸架されている側であるので、駆動チェーン60の張力等に抗して持上げる負荷はかなり大きい。そこで、ステップ持上負荷を軽減するために、ステップ持上支援装置80が用いられる。
ステップ持上支援装置80は、ガイド筒体82、移動棒体84、接続紐体86、及び操作部88で構成される。移動棒体84は、ガイド筒体82の筒内径に支持されて上下方向に移動可能であり、操作部88は、ガイド筒体82の外周面に沿って上下方向に移動可能である。接続紐体86の一端部は移動棒体84に固定され、他方端は操作部88に固定され、全長は一定である。
図5は、ステップ持上支援装置80において初期状態の全体図である。初期状態とは、操作部88に押し下げ力が印加されてない状態で、移動棒体84が自重によって下方側に下がり、ガイド筒体82の筒内における最下点にある。図6は、ステップ持上支援装置80において、伸長状態の全体図である。伸長状態とは、操作部88に押し下げ力が印加され、移動棒体84がガイド筒体82の軸方向に沿って上方側に移動した状態である。
図5、図6において、装置上下方向と、装置水平方向とを示す。装置上下方向は、ステップ持上支援装置80の長手方向に平行な方向で、ガイド筒体82が延伸する方向であり移動棒体84が移動する方向で、ステップ持上支援装置80をトラス46内に配置した場合に、エスカレーター10の上下方向と平行な方向である。上下方向の両方向を区別する場合は、ステップ持上支援装置80をトラス46内に配置した場合に、トラス46の上方側を上方側と呼び、トラス46の下方側を下方側と呼ぶ。装置水平方向は、装置上下方向に垂直な方向で、操作部88が延伸する方向に平行な方向である。装置水平方向の両方向を区別する場合は、ガイド筒体82に対し操作部88が延伸する方向を操作側と呼び、その反対側を反操作側と呼ぶ。操作側は、ステップ持上支援装置80をトラス46内に配置した場合に、保守作業員8がいる側である。図7から図10においても同様である。
ステップ持上支援装置80は、ガイド筒体82、移動棒体84、接続紐体86、及び操作部88で構成される。移動棒体84は、ガイド筒体82の筒内径に支持されて上下方向に移動可能であり、操作部88は、ガイド筒体82の外周面に沿って上下方向に移動可能である。接続紐体86の一端部は移動棒体84に固定され、他方端は操作部88に固定され、全長は一定である。
ガイド筒体82は、筒状の筒体本体部90、下方側の端部である下端部に設けられるトラス内当接部92、筒体本体部90の上端部側に設けられ、内径側と外部とを連通する紐体通し穴94、及び、筒体本体部90の外周側に取り付けられる滑車96を含む。
移動棒体84は、ガイド筒体82の内径穴に挿入されて上下方向に移動可能な棒体本体部110、上方側の端部である上端部に設けられるステップ当接部112、及び、棒体本体部110の下端部に設けられる紐体固定部114を含む。図5、図6において、外形が隠れ線である破線が多いので、他の要素との区別のため、棒体本体部110の部分には、交差斜線を付した。
接続紐体86は、紐体本体部120と、紐体本体部120の両端部である一端部122及び他端部124を含む。一端部122は、移動棒体84の紐体固定部114に固定され、他端部124は、操作部88の紐体固定部136に固定される。
操作部88は、ガイド筒体82の外周面を摺動可能な摺動体130、摺動体130の操作側に固定される操作棒部132、操作棒部132の上方側に固定して配置される足載せ台134、及び、摺動体130に設けられる紐体固定部136を含む。
図5の初期状態においては、ガイド筒体82の内径穴に挿入された移動棒体84の下端部に設けられた紐体固定部114は、ガイド筒体82の内径における最下点にある。この高さ位置が接続紐体86の一端部122の高さ位置である。接続紐体86の他端部124は、ガイド筒体82の筒内径と移動棒体84の外径との間の空隙を通り、移動棒体84からガイド筒体82の軸方向に沿って上方側に延伸する。そして、ガイド筒体82の上端部側の紐体通し穴94を通ってガイド筒体82の外側に出て、滑車96に懸架され、下方側に延伸して、操作部88の紐体固定部136に固定される。
図6の伸長状態は、二点鎖線で示す初期状態から、操作部88がガイド筒体82の外周面に沿ってΔHだけ下方側に押し下げられ、移動棒体84の上端部が初期状態からΔだけ上方側に伸長した状態である。図6において、操作部88が初期状態からΔHだけ下方側に押し下げられた状態は、ガイド筒体82の軸方向に沿ってほぼ最下点で、操作部88に設けられた紐体固定部136は、ガイド筒体82の外側で上下方向に沿って最下部にある。この高さ位置が接続紐体86の他端部124の高さ位置である。接続紐体86の一端部122は、操作部88の紐体固定部136から上方側に延伸して滑車96に懸架され、ガイド筒体82の上端部側の紐体通し穴94を通ってガイド筒体82の内側に入る。ガイド筒体82の内側に入った接続紐体86の一端部122は、ガイド筒体82の筒内径と移動棒体84の外径との間の空隙を通って下方側に延伸し、移動棒体84の下端部の紐体固定部114に固定される。
この構成を有するステップ持上支援装置80の作用は以下の通りである。ガイド筒体82の筒内径に移動棒体84が挿入されると、移動棒体84に一端部122が固定された接続紐体86の他端部124は、ガイド筒体82の筒内径と移動棒体84の外径との間の空隙を通る。そして、移動棒体84からガイド筒体82の軸方向に沿って上方側に延伸する。そして、ガイド筒体82の上端部側でガイド筒体82の外側に出た接続紐体86の他端部124は、操作部88に固定される。ここで、保守作業員8が操作部88を下方側にΔHだけ押し下げると、接続紐体86は一定長であるので、押し下げたΔH分だけ移動棒体84は上方側に移動する。
図7から図10に、ステップ持上支援装置80の各要素の詳細構成を示す。
図7は、ガイド筒体82の構成図で、図7(a)は、滑車96を分離した状態の正面図であり、(b)は、(a)についての上面図であり、(c)は、滑車96を示す図である。筒体本体部90は、外径がD0、内径がD1の中空円筒部材で構成される。筒体本体部90の上端部は、移動棒体84が挿入される開口部98で、内径穴は、移動棒体84の軸方向に沿った移動を案内するガイド穴100である。かかる筒体本体部90としては、適当な強度を有するパイプ材が用いられる。パイプ材の材質としては、プラスチック、または金属等が用いられる。トラス内当接部92は、中空円筒部材である筒体本体部90の下端部に嵌め込まれる脚部材で、ステップ持上支援装置80がトラス46内に設置される場合に下端脚として働く。かかるトラス内当接部92としては、適当な弾性を有する合成ゴム製のブッシュ部品が用いられる。トラス内当接部92の下面は、トラス46内に設置した場合に滑らないように、適当な凹凸を有する滑り止め面に成形される。
滑車96は、接続紐体86が懸架される回転車102と、回転車102を回転自在に支持する滑車台104とを含む。滑車96は、接続紐体86の移動方向を変換しながら、滑らかに移動させる働きをする。滑車台104には、接続紐体86を通す貫通穴106が設けられる。滑車96は、貫通穴106を筒体本体部90の紐体通し穴94と位置合わせを行った状態で、図示しない接続部材を用いて筒体本体部90の上端部側に固定される。かかる滑車96としては、引き戸に用いられる市販の戸車等を用いることが出来る。
図8は、移動棒体84と、移動棒体84の下端部の紐体固定部114に一端部122が固定される接続紐体86とを示す図である。棒体本体部110は、D2の外径と適当な内径とを有する中空円筒部材である。外径D2は、ガイド筒体82の内径D1よりも小径に設定される。小径の程度は、(D1−D2)の隙間に接続紐体86が移動可能として配置できる程度に設定される。かかる棒体本体部110としては、適当な強度を有するパイプ材が用いられる。パイプ材の材質としては、プラスチック、または金属等が用いられる。ステップ当接部112は、中空円筒部材である棒体本体部110の上端部に嵌め込まれる部材で、ステップ持上支援装置80がトラス46内に設置される場合に、間隙確認対象のステップ20Uの踏板裏面に当接する受部として働く。かかるステップ当接部112としては、トラス内当接部92と同様に、適当な弾性を有する合成ゴム製のブッシュ部品が用いられ、ステップ当接部112の上面は、適当な凹凸を有する滑り止め面に成形される。
紐体固定部114は、中空円筒部材である棒体本体部110の下端部側において、内径穴に貫通する穴である。紐体固定部114の穴径は、接続紐体86の紐体本体部120を通すが、一端部122を通さない大きさに設定される。棒体本体部110の内径は、適当でよい、と述べたが、接続紐体86の一端部122を収納できる程度である。換言すれば、一端部122の大きさは、紐体固定部114の貫通穴を通らないが、棒体本体部110の内径よりは小さく設定される。棒体本体部110として中空円筒部材を用いずに、下端部側に接続紐体86の一端部122を収納できる窪みを形成した中実円筒部材を用いてもよい。
接続紐体86は、細長い紐状の紐体本体部120の両端をそれぞれ太目に成形して一端部122と他端部124とした紐体である。かかる接続紐体86としては、引張力による伸び量が少なく全長をほぼ一定長に維持できる強度を有する材質のものが用いられる。金属線に潤滑性皮膜を成形した皮膜付金属線、プラスチック線、繊維を束ねた撚紐や組紐等を用いることが出来る。これらを所定の長さに成形し、金属線やプラスチック線の場合は両端を潰して太目の部分を成形し、撚紐や組紐の場合は、両端に適当な大きさの結び目を作って太目の部分とする。
図9は、操作部88の全体図であり、図10は、操作部88の分解図である。図10(a)は、摺動体130を示す図であり、(b)は操作棒部132を示す図であり、(c)は、足載せ台134を示す図である。
摺動体130は、摺動筒部138と、摺動筒部138から操作側に突き出す取付筒部140を含む。摺動筒部138も取付筒部140も中空円筒部材である。材質としては、プラスチック、または金属等が用いられる。取付筒部140は摺動筒部138の外周面に溶接等の一体化加工を用いて取り付けてもよく、摺動筒部138の内径穴と取付筒部140の内径穴とが連通するように、摺動体130の全体を一体化成形してもよい。後者の場合は、市販のT字型パイプ継手等を摺動体130として用いることが出来る。
紐体固定部136は、取付筒部140に設けられた貫通穴で、その穴径は、接続紐体86の紐体本体部120を通し、他端部124を通さない大きさに設定される。紐体固定部136である貫通穴は、取付筒部140の外周面から内径穴に到達する1つの貫通穴でもよく、内径穴からさらに反対側の外周面に達する貫通穴を含み合計で2つの貫通穴としてもよい。
摺動筒部138の内径D3は、ガイド筒体82の筒体本体部90の外径D0よりも大きく設定される。(D0−D3)の寸法差は、摺動筒部138の内径穴に筒体本体部90を挿入した場合に、筒体本体部90の外周面を滑らかに摺動筒部138が移動可能な程度に設定される。取付筒部140の内径D4は、適当な大きさに設定してよい。
操作棒部132は、小径棒部142と大径棒部144とが一体化した構造を有する。小径棒部142の外径D5は、摺動体130における摺動筒部138の内径D4とカシメ嵌合できる大きさに設定される。この設定により、操作棒部132は、小径棒部142と取付筒部140を介して、摺動体130と一体化する。カシメ嵌合に代えて、適当なスキマ嵌めとし、ねじ止等で、小径棒部142と取付筒部140を固定してもよい。大径棒部144の上方側の側面には、足載せ台134を固定するためのねじ穴146が設けられる。かかる操作棒部132の材質としては、プラスチックまたは金属等が用いられる。
足載せ台134は、保守作業員8の足先を載せることが出来る面積の上面を有する部材である。足載せ台134には、大径棒部144のねじ穴146に対応するねじ通し穴148が設けられる。足載せ台134のねじ通し穴148と大径棒部144のねじ穴146の位置合わせを行って、ねじ150を用いて締結することで、足載せ台134は、大径棒部144に固定される。足載せ台134が大径棒部144に安定して取り付けられるように、足載せ台134の下面側は、大径棒部144の外形に合わせた加工を施すことが好ましい。
上記の構成のステップ持上支援装置80を用いて、間隙確認対象のステップ20Uについてトラス46内からの間隙確認をするために、ステップ20Uを持ち上げる作業の支援を行うステップ持上支援方法の手順を図11に示す。
最初に、保守作業員8は、トラス46内からの間隙確認をするために間隙確認対象のステップ20Uに隣接するステップ20を一時的に取り外す(S10)。取り外すステップ20は、ステップ20Uよりも走行方向において他方側に配置されたステップ20である。取り外すステップ20の数は、保守作業員8がトラス46内に入り込んで間隙確認を行うために必要なトラス内空間47Uを形成できる数で、図1の例では、2つのステップ20が取り外される。
次に、複数のステップ20を取り外すことで形成されたトラス内空間47Uに保守作業員8が入り、ステップ持上支援装置80を持ち込んで設定する(S12)。ステップ持上支援装置80は、図5で述べた初期状態にある。
そこで、保守作業員8は、トラス46内の下方の底面側に配置されている複数の戻りステップ21の内で、ステップ20Uの真下に配置されている戻りステップ21Uの裏面に、ステップ持上支援装置80のガイド筒体82のトラス内当接部92を当接させる(S14)。ガイド筒体82のトラス内当接部92の当接位置は、ステップ20Uにおいて間隙確認のために持上げるべき箇所の真下の位置である。上層階の乗降口14の場合は、ステップ20Uのライザー24側の反対側の一方側がステップ20Uにおいて持上げるべき箇所である。戻りステップ21Uの裏面とは、戻りステップ21においてクリート70が設けられるクリート面の裏面である。
そして、保守作業員8は、操作部88の足載せ台134に足を載せ内足の力で下方側に押し下げ、移動棒体84をガイド筒体82の軸方向に沿って上方側に移動させる(S16)。押し下げ量がΔHの場合のステップ持上支援装置80の状態は、図6で述べた通りである。
保守作業員8は、足の踏み込み量を加減しながら、移動棒体84の上端部であるステップ当接部112を、間隙確認対象のステップ20Uの踏板22のクリート70が設けられている面の裏面に当接させる(S18)。当接させる位置は、ステップ20Uにおいて持上げるべき一方側である。
そして、保守作業員8は、さらに操作部88を下方側に押し下げて間隙確認対象のステップ20Uを構造上持ち上がる限度まで持ち上げる(S20)。ここまでの手順が、ステップ持上支援のための手順である。
そして、S20の状態を維持したまま、保守作業員8は、コム74Uとクリート70との間の隙間S1、S2について、所定の許容範囲内か否かを確認する(S22)。確認方法としては、目視標準モニタ図と実際の目視による隙間S1、S2とを比較することで行う。目視標準モニタ図に代えて、隙間ゲージを用いてもよい。
上記では、上層階の乗降口14における間隙確認のためのステップ持上について述べたが、下層階の乗降口16においても間隙確認のためのステップ持上が行われる。図1に示すように、下層階の乗降口16においては、コム74Dに向かい合う間隙確認のために持ち上げるステップ20Dの先端側は、ステップ20Dの他方側で、ライザー24側である。したがって、ステップ持上支援装置80は、間隙確認対象のステップ20Dの踏板22においてライザー24側の位置に設定される。ステップ20Dのライザー24側には従動ローラ32が設けられるが、従動ローラ32には駆動チェーン60が懸架されていない。したがって、駆動チェーン60の張力の影響がなく、持ち上げる負荷も比較的小さくて済むが、ステップ持上支援装置80を用いることで、両手でステップ20Dを持ち上げる場合に比べ、保守作業員8の負荷が軽減される。
10 エスカレーター、12 建物、14,16 乗降口、20,20D,20U ステップ、21,21U 戻りステップ、22 踏板、24 ライザー、26 フレーム、28 ステップ軸、30 駆動ローラ、32 従動ローラ、40 移動通路、42 欄干、44 移動手摺、46 トラス、47U トラス内空間、50 上部機械室、52 駆動モータ、54 駆動スプロケット、56 下部機械室、58 従動スプロケット、60 駆動チェーン、62,63 駆動レール、64,65 従動レール、66 上レール、70 クリート、71 クリート溝、72,72D,72U コムプレート、74,74D,74U コム、80 (乗客コンベアの)ステップ持上支援装置、82 ガイド筒体、84 移動棒体、86 接続紐体、88 操作部、90 筒体本体部、92 トラス内当接部、94 紐体通し穴、96 滑車、98 開口部、100 ガイド穴、102 回転車、104 滑車台、106 貫通穴、110 棒体本体部、112 ステップ当接部、114,136 紐体固定部、120 紐体本体部、122 一端部、124 他端部、130 摺動体、132 操作棒部、134 足載せ台、138 摺動筒部、140 取付筒部、142 小径棒部、144 大径棒部、146 ねじ穴、148 ねじ通し穴、150 ねじ。

Claims (6)

  1. 踏板を有する複数のステップで構成される乗客コンベアの乗降口において、乗降口のコムプレートに設けられたコムと踏板のクリートとの上下方向の間隙確認のために、前記ステップをステップ軸から外さない状態で前記ステップを構造上持ち上がる限度まで持ち上げるためのステップ持上支援装置であって、
    下端部にトラス内当接部を有し、上端部にガイド開口部を有し、軸方向にガイド穴を有するガイド筒体と、
    上端部にステップ当接部を有し、前記ガイド穴の内径よりも小径の外形を有し、下端部側を前記ガイド筒体のガイド穴上端部側から挿入した状態でガイド穴内を摺動可能な移動棒体と、
    一端部が前記移動棒体の下端部側に固定されており、他端部は、前記移動棒体が前記ガイド筒体の前記ガイド穴に挿入されている状態における前記移動棒体の外径と前記ガイド穴の内径との間の空隙を通り前記移動棒体の下端部側から前記ガイド穴の軸方向に沿って上方側に延伸して前記ガイド筒体の上端部側で前記ガイド筒体の外側に出ている状態の接続紐体と、
    前記ガイド筒体の外径よりも大径の内径を有する外筒部、及び、前記外筒部と一体化されて前記外筒部の軸方向に垂直な方向に延伸する操作棒部を有し、前記ガイド筒体の外に出た前記接続紐体の前記他端部が固定されている操作部と、
    を備える、乗客コンベアのステップ持上支援装置。
  2. 前記ガイド筒体の外周面には、前記ガイド筒体の軸方向に垂直な方向の回転軸周りに回転可能な滑車が設けられており、
    前記ガイド筒体の外に出た前記接続紐体は、前記滑車に懸架されて前記ガイド筒体の外形に沿って下方側に延伸して前記操作部に固定されている状態である、請求項1に記載の乗客コンベアのステップ持上支援装置。
  3. 前記ガイド筒体は、前記滑車よりも上方側に、前記ガイド穴から前記ガイド筒体の外側に連通する紐体通し穴を有する、請求項2に記載の乗客コンベアのステップ持上支援装置。
  4. 前記操作部は、保守作業員の足先を乗せて足の踏み力を受け止める足載せ台を有する、請求項1に記載の乗客コンベアのステップ持上支援装置。
  5. 前記トラス内当接部及び前記ステップ当接部は、すべり止め面を有する、請求項1に記載の乗客コンベアのステップ持上支援装置。
  6. 踏板を有する複数のステップで構成される乗客コンベアの乗降口において、乗降口のコムプレートに設けられたコムと踏板のクリートとの上下方向の間隙確認のために、間隙確認対象のステップを構造上持ち上がる限度まで持ち上げる乗客コンベアのステップ持上支援方法であって、
    軸方向にガイド穴を有するガイド筒体、下端部側を前記ガイド筒体のガイド穴上端部側から挿入した状態でガイド穴内を摺動可能な移動棒体、前記ガイド筒体の外径よりも大径の内径を有する外筒部と一体化されて前記外筒部の軸方向に垂直な方向に延伸する操作棒部を有する操作部、及び、一端部が前記移動棒体の下端部側に固定され他端部が前記操作部に固定されている状態の接続紐体を備えるステップ持上支援装置を用い、
    トラス内からの間隙確認をするために間隙確認対象の前記ステップに隣接する前記ステップを一時的に取り外し、
    前記ステップを取り外すことで形成されたトラス内空間に保守作業員が入り、
    トラス内の底面側に配置されている複数の戻りステップの内で、間隙確認対象の前記ステップの真下に配置されている前記戻りステップの裏面に、ステップ持上支援装置の前記ガイド筒体の下端部を当接させ、
    前記接続紐体の前記一端部が下方端側に固定されている前記移動棒体を前記ガイド筒体のガイド穴に挿入し、前記移動棒体の外径と前記ガイド穴の内径との間の空隙を利用して前記接続紐体の前記他端部を前記移動棒体の下端部側から前記ガイド穴の軸方向に沿って上方側に延伸して前記ガイド筒体の上端部側で前記ガイド筒体の外側に出し、前記ガイド筒体の外側に出た前記接続紐体の前記他端部が前記操作部に固定されている状態で、前記保守作業員が前記操作部を下方側に押し下げて前記移動棒体を前記ガイド筒体の軸方向に沿って上方側に移動させ、
    前記移動棒体の上端部を、間隙確認対象の前記ステップの前記踏板の前記クリートが設けられている面の裏面に当接させ、
    前記保守作業員はさらに前記操作部を下方側に押し下げて間隙確認対象の前記ステップを構造上持ち上がる限度まで持ち上げる、乗客コンベアのステップ持上支援方法。
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