JP5814146B2 - 乗客コンベア - Google Patents

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本発明は、乗客コンベアに関する。
乗客コンベヤは、間隔をおいて互いに平行に立設された左右一対の欄干と、左右の欄干の下部に設けられた主枠と、主枠内を欄干と平行に循環移動する複数のステップと、各ステップに設けられた左右方向に延びるローラ支軸と、ローラ支軸に回転自在に支持されたローラと、各ステップの左右両側部に設けられローラ支軸に連結された左右一対の無端状のステップチェーンと、ローラが転動する案内レールとを備え、駆動機構によりステップチェーンを駆動することで、ローラ支軸を介してステップチェーンに連結されたステップが、乗口と降口との間を循環移動するようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2006−52052号
ところで、ステップチェーンの移動距離の長い乗客コンベアでは、ステップチェーンにかかる負担が大きいため、複数本のチェーンを左右方向(つまり、並列)に並べて接続してステップチェーンの強度を高めることが考えられる。
しかしながら、上記のような複数本のチェーンを並列に接続してなる複合チェーンをステップの左右両側部においてローラ支軸に連結した場合、ステップの左側部に設けられた複合チェーンと、ステップの右側部に設けられた複合チェーンとの間で複合チェーンに生じる緩み(伸び)量に差があるとローラ支軸に作用する応力が大きくなり、ローラ支軸が損傷しやすくなることが考えられる。
そこで、複数のチェーンを並列に接続して構成したチェーンをローラ支軸に連結しても、ローラ支軸に作用する応力を抑えることができ耐久性に優れる乗客コンベアを提供することを目的とする。
実施形態に係る乗客コンベアは、間隔をおいて互いに平行に立設された左右一対の欄干と、前記欄干の下部に設けられた主枠と、前記主枠内を前記欄干と平行に循環移動する複数のステップと、前記ステップに設けられた左右方向に延びるローラ支軸と、前記ローラ支軸に回転自在に支持されたローラと、前記ステップの左右両側部に設けられ前記ローラ支軸に連結された左右一対の無端状のステップチェーンと、前記ローラが転動する案内レールとを備え、前記ステップチェーンは、内側チェーンと、前記内側チェーンの外側に配置され前記内側チェーンに連結された外側チェーンとを備え、前記外側チェーンが前記ローラ支軸に連結され、前記内側チェーンと前記ローラ支軸との間に隙間が設けられていることを特徴とする。
第1実施形態に係る乗客コンベアの側面図である。 図1の乗客コンベアのステップチェーンとステップの平面図である。 図1の乗客コンベアのステップチェーンとローラ支軸の連結部分を示す部分断面図である。 左右のステップチェーンの伸び量に差がある場合にローラ支軸に作用する応力を示すステップチェーンとローラ支軸の概略平面図である。 第2実施形態に係る乗客コンベアのステップチェーンとローラ支軸の連結部分を示す部分断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、乗客コンベア10として図1に例示するような建物の上下階に跨って傾斜して設置されステップが上下階にわたって移動するエスカレータの場合を説明するが、本発明は、ステップが水平方向に移動する動く歩道に対しても適用することができる。
本実施形態の乗客コンベア10は、建物などの上下階に跨って床下に設置されたトラスと呼ばれる主枠11を備える。主枠11の内部には、上階側と下階側とにそれぞれ左右一対のスプロケット12が配置されており、上階側のスプロケット12と下階側のスプロケット12との間に、左右一対の無端状のステップチェーン30がそれぞれ巻き掛けられている。上階側あるいは下階側のスプロケット12の少なくとも一方は、電動機や減速機などを有する駆動装置14の駆動により回転する構造となっている。そして、スプロケット12が回転することで、スプロケット12に噛み合うステップチェーン30に駆動力が伝達されて、ステップチェーン30が主枠11内で上下階にわたって循環移動する。
主枠11上には、ステップ15の幅に相当する所定の間隔をあけて左右一対の欄干16が互いに平行に立設されている。各欄干16の周囲には手摺ベルト17が装着されている。手摺ベルト17は、駆動装置14の駆動により、ステップ15の循環移動と同期して欄干16の周囲を周回する。
図2に示すように、各ステップ15には、左右方向(幅方向)に延びるローラ支軸18が設けられており、このローラ支軸18にローラ13が回転自在に支持されている。各ステップ15の左右両側部には、それぞれステップチェーン30が設けられている。左右一対のステップチェーン30は、長手方向に所定間隔で並ぶように配置された複数のステップ15のローラ支軸18に各々連結されることで、左右一対のステップチェーン30の間に主枠11内を循環移動する複数のステップ15が連結されている。
そして、左右一対のステップチェーン30は、スプロケット12の回転により主枠11内で循環移動することで、これに連結された複数のステップ15がスプロケット12の位置で方向転換しながら主枠11内を循環移動する。また、主枠11内には左右一対の案内レール19が設けられている。主枠11内を循環移動する多数のステップ15は、ローラ支軸18に回転自在に支持されたローラ13がこの案内レール19を転動することによって移動方向に案内される。
上記構成の乗客コンベア10において、複数のステップ15の左右両側部に設けられた左右のステップチェーン30は、複数本のチェーンを左右方向に並べて接続してなる複合チェーンから構成されている。なお、ステップ15の左右両側部に設けられたステップチェーン30は互いに左右対称であるため、ここでは、ステップ15の右側部に設けられたステップチェーン30について説明する。
ステップチェーン30は、図2及び図3に示すように、本実施形態では、内側チェーン30aと、内側チェーン30aの外側に配置された外側チェーン30bとからなる2本のチェーンを並列に接続してなる。
内側チェーン30aは、第1のリンク31と第2のリンク32を交互に回動自在に連結して成るもので、第1リンク31及び第2リンク32は、間隔をおいて対向配置された左右一対のリンクプレート33、34と、これらを相互に連結する一対のピン35とを有している。
隣接する第1リンク31及び第2リンク32は、ピン35を介して回動自在に連結されており、第1リンク31のリンクプレート33、34が第2リンク32のリンクプレート33,34の外側に配置されている。そして、ピン35の外周部にはローラ13が回転自在に装着されている。
また、外側チェーン30bは、基本的に内側チェーン30aと同じ構成からなり、第1のリンク31と第2のリンク32を交互に回動自在に連結して成るもので、第1リンク31及び第2リンク32は、間隔をおいて対向配置された左右一対のリンクプレート33、34と、これらを相互に連結する一対のピン35とを有している。
外側チェーン30bにおいてリンクプレート33,34を連結するピン35は、内側チェーン30aのピン35とが一体に設けられている。つまり、ピン35は、内側チェーン30aのリンクプレート33,34と、外側チェーン30bのリンクプレート33,34とを貫通し、並列に配置された内側チェーン30aと外側チェーン30bとを連結している。
このような左右方向に配置された内側チェーン30aと外側チェーン30bとを連結してなるステップチェーン30は、図3に示すように、所定間隔で並ぶように配置されたステップ15の繰り返しピッチ毎に、内側チェーン30aのリンクプレート33,34に内側軸孔37が設けられ、外側チェーン30bのリンクプレート33,34に外側軸孔38が設けられている。この内側軸孔37及び外側軸孔38にはステップ15に設けられたローラ支軸18が挿通され、外側チェーン30bより外方へローラ支軸18の軸端部が突出している。外側チェーン30bより突出するローラ支軸18の軸端部はローラ13を回転可能な状態で保持している。
内側チェーン30aに設けられた内側軸孔37は、その内径がローラ支軸18の外径より大きく設定され、内側チェーン30aのリンクプレート33,34とローラ支軸18との間に隙間Sが設けられており、内側チェーン30aがローラ支軸18に接触していない。
外側チェーン30bに設けられた外側軸孔38には、ボス部材39が挿入されており、ボス部材39が外側チェーン30bのリンクプレート33,34に隙間なく付着している。ボス部材39には、挿通孔39aが設けられており、ローラ支軸18の軸端部、具体的には、内側チェーン30aより外方に位置する部分が、挿通孔39aに隙間なく緊密な状態で挿通される。
これにより、ステップチェーン30は、外側チェーン30bがボス部材39を介してローラ支軸18に連結されている。つまり、ステップ15の左右両側部に設けられた左右一対のステップチェーン30は、外側チェーン30bがローラ支軸18に連結され、駆動装置14からスプロケット12を介してステップチェーン30に伝達された駆動力が外側チェーン30bからローラ支軸18へ伝達されるが、内側チェーン30aとローラ支軸18との間に隙間Sが設けられているため、駆動装置14からステップチェーン30に伝達された駆動力が、内側チェーン30aからローラ支軸18へ伝達されることがない。
以上のような本実施形態の乗客コンベア10では、ステップ15の左側部に設けられたステップチェーン30と、右側部に設けられたステップチェーン30とで伸び量に差がある場合、例えば、図4に例示するように、ステップ15の左側部より右側部に設けられたステップチェーン30の伸び量が大きい場合、ステップ15の左右両側部に設けられたステップチェーン30を繋ぐローラ支軸18には、ローラ支軸18の軸方向に対して垂直な方向(ステップチェーン30の移動方向)の応力が作用する。
その際、本実施形態の乗客コンベア10では、ステップチェーン30の外側チェーン30bがローラ支軸18に連結され、内側チェーン30aとローラ支軸18との間に隙間Sが設けられているため、ローラ支軸18には、左右のステップチェーン30の伸び量の違いによる応力が、外側チェーン30bと連結する位置に作用し、左右の内側チェーン30aの位置に作用することがない。
これにより、ステップチェーン30を内側チェーン30a及び外側チェーン30bを備えた複合チェーンで構成しても、左右のステップチェーン30の伸び量の差ΔXによりローラ支軸18に作用する応力の力点Aと作用点Bとの軸方向に沿った距離Cを大きくすることができるため、ローラ支軸18に作用する応力を小さくすることができ、耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、外側チェーン30bがボス部材39を介してローラ支軸18に連結されているが、ボス部材39を設けることなく外側チェーン30bがローラ支軸18に直接接触するように外側チェーン30bとローラ支軸18とを連結してもよい。
また、本実施形態では、ステップチェーン30が内側チェーン30a及び外側チェーン30bの2本のチェーンを並列に接続した複合チェーンの場合について説明したが、ステップチェーン30を3本以上のチェーンを並列に接続した複合チェーンで構成してもよい。このようにステップチェーン30を3本以上のチェーンからなる複合チェーンで構成した場合、ローラ支軸18に連結された外側チェーン30bは、ローラ支軸18との間に隙間Sが設けられローラ支軸18に接触していない内側チェーン30aよりローラ支軸18の軸方向外方に位置するチェーンであれば、ステップチェーン30を構成する複数本のチェーンのいずれであって良いが、ローラ支軸18に作用する応力を極力小さくすることができることから、最も外側に配置されたチェーンをローラ支軸18に連結された外側チェーン30bとし、その他のチェーンを、上記した内側チェーン30aと同様、ローラ支軸18との間に隙間Sを設けることが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一の構成のものについては同一の符号を付し、その構成の説明を省略する。
本実施形態では、図5に示すように、ローラ支軸18の左右両端部には、ボス部材39を介して外側チェーン30bに連結される連結部18aと、連結部18aよりローラ支軸18の軸方向中央に寄った位置に、つまり、左右の連結部18aで挟まれた位置に連結部18aより断面積が大きい補強部18bが設けられている。
補強部18bは、ステップチェーン30の内側チェーン30aに設けられた内側軸孔37に挿通されているが、第1実施形態と同様、補強部18bと内側チェーン30aのリンクプレート33,34との間に隙間Sが設けられており、内側チェーン30aがローラ支軸18に接触していない。
このような本実施形態の場合であっても、上記した第1実施形態と同様の作用効果が得られることに加え、ローラ支軸18が連結部18aより断面積が大きい補強部18bを備えるため、ローラ支軸18の剛性を高めることができ、より一層、耐久性を向させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…乗客コンベア 11…主枠 12…スプロケット
13…ローラ 14…駆動装置 15…ステップ
16…欄干 17…手摺ベルト 18…ローラ支軸
18a…連結部 18b…補強部 19…案内レール
30…ステップチェーン 30a…内側チェーン 30b…外側チェーン
31…第1リンク 32…第2リンク 33…リンクプレート
35…ピン 36…ローラ 37…内側軸孔
38…外側軸孔 39…ボス部材 39a…挿通孔
S…隙間

Claims (2)

  1. 間隔をおいて互いに平行に立設された左右一対の欄干と、
    前記欄干の下部に設けられた主枠と、
    前記主枠内を前記欄干と平行に循環移動する複数のステップと、
    前記ステップに設けられた左右方向に延びるローラ支軸と、
    前記ローラ支軸に回転自在に支持されたローラと、
    前記ステップの左右両側部に設けられ前記ローラ支軸に連結された左右一対の無端状のステップチェーンと、
    前記ローラが転動する案内レールとを備え、
    前記ステップチェーンは、内側チェーンと、前記内側チェーンの外側に配置され前記内側チェーンに連結された外側チェーンとを備え、前記外側チェーンが前記ローラ支軸に連結され、前記内側チェーンと前記ローラ支軸との間に隙間が設けられていることを特徴とする乗客コンベア。
  2. 前記ローラ支軸は、前記外側チェーンと連結される連結部と、前記連結部より前記ローラ支軸の軸方向中央寄りに位置し前記連結部より断面積の大きい補強部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
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