JP6847843B2 - ポリプロピオラクトンの生成のためのプロセスおよびシステム - Google Patents

ポリプロピオラクトンの生成のためのプロセスおよびシステム Download PDF

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Description

関連出願の引用
本願は、米国仮特許出願第62/116,326号(2015年2月13日出願)に対する優先権を主張する。この米国仮特許出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
分野
本開示は一般に、ポリプロピオラクトン生成、さらに具体的には、エチレンオキシドの供給原料ストリームおよび一酸化炭素の供給原料ストリームからのポリプロピオラクトンの生成に関する。
背景
ポリプロピオラクトンは、アクリル酸の生成のための有用な前駆体である。ポリプロピオラクトンの熱分解は、ポリアクリル酸をベースとする高吸水性ポリマーの生成のために需要が高い精アクリル酸を生じさせる。ポリプロピオラクトンの1つの利点は、精アクリル酸を発送および貯蔵することに関連する安全性または品質の懸念を伴わずに、安全に輸送し、長期間貯蔵することができることである。アクリル酸市場の規模およびアクリル酸の下流用途の重要性を考えると、アクリル酸の前駆体、例えば、ポリプロピオラクトンを生成する改善された方法が必要とされている。
ポリプロピオラクトン(PPL)が、一酸化炭素によるエチレンオキシドのカルボニル化、それに続くベータプロピオラクトン(BPL)中間体の重合によって調製される方法について記載されてきた。しかし、このプロセスは、例えば、カルボニル化の生成物ストリームを重合のためのBPL供給原料ストリームとして使用して、連続的プロセスとして操作したとき、溶媒の適合性の問題を生じさせ得る。例えば、カルボニル化のために使用される最適な溶媒はしばしば、重合ステップのための最適な溶媒と直交的である。したがって、当技術分野でこのような問題に取り組む方法が望ましい。
簡単な要旨
一態様において、ポリプロピオラクトン(PPL)の合成のための方法であって、
エチレンオキシド(EO)の供給原料ストリームおよび一酸化炭素の供給原料ストリームを用意することであって、これらの供給原料ストリームを任意選択で合わせることと;
供給原料ストリームを第1の反応ゾーンに方向付けることと;
第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下で供給原料ストリームをカルボニル化触媒と接触させ、EOの少なくとも一部分をベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームに変換することであって、BPL生成物ストリームは、BPL、カルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒を含むことと;
BPL生成物ストリームからカルボニル化触媒の少なくとも一部分を分離して、カルボニル化触媒リサイクルストリームおよび加工されたBPL生成物ストリームを生成することであって、加工されたBPL生成物ストリームは、BPLおよびカルボニル化溶媒を含むことと;
加工されたBPL生成物ストリームをカルボニル化溶媒除去ゾーンに方向付けることと;
加工されたBPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去して、重合供給ストリームを生成することであって、重合供給ストリームは、BPLを含むことと;
重合供給ストリームを第2の反応ゾーンに方向付けることと;
第2の反応ゾーンにおいて重合供給ストリーム中のBPLを重合触媒と接触させて、PPLを生成することと
を含む、方法を提供する。
上記の方法の一部の変形形態では、方法は、重合供給ストリームを重合触媒と接触させる前に、第2の溶媒を重合供給ストリーム中に導入することをさらに含む。
別の態様において、エチレンオキシドをポリプロピオラクトン(PPL)に変換するためのシステムであって、
エチレンオキシド源;
一酸化炭素源;
カルボニル化触媒源;
カルボニル化溶媒源;
重合触媒源;
第1の反応ゾーンであって、エチレンオキシド源からのエチレンオキシド、一酸化炭素源からの一酸化炭素、カルボニル化触媒源からのカルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒源からのカルボニル化溶媒を受け、第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下でエチレンオキシドおよび一酸化炭素をカルボニル化触媒と接触させることから、ベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームを出力するように構成されており、BPL生成物ストリームは、カルボニル化溶媒およびBPLを含む、第1の反応ゾーン;
BPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去するように構成されている溶媒除去ユニット;ならびに
第2の反応ゾーンであって、溶媒除去ユニットからのBPL生成物ストリーム、および重合触媒源からの重合触媒を受け、第2の反応ゾーンにおいてBPL生成物ストリームを重合触媒と接触させることからPPL生成物ストリームを出力するように構成されており、PPL生成物ストリームは、PPLを含む、第2の反応ゾーン
を含む、システムを提供する。
添付の図面に関連してなされる以下の説明を参照することにより本出願を最も理解することができ、図面では同様のパーツは、同様の数字によって言及され得る。
図1は、ポリプロピオラクトンおよびアクリル酸の生成のための例示的なシステムを示す。
定義
特定の官能基および化学用語の定義を、下記により詳細に記載する。化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表紙によって同定し、特定の官能基は一般に、その中に記載されているように定義する。さらに、有機化学の一般原則、ならびに特定の官能性部分および反応性は、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年;SmithおよびMarch March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001年;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989年;Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年に記載されている。
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書において使用する場合、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書において使用する場合、直鎖(すなわち、非分枝状)、分枝状、または環状(縮合、架橋、およびスピロ縮合多環を含めた)であり得、完全に飽和であり得るか、または1個もしくは複数の不飽和の単位を含有し得るが、芳香族ではない、炭化水素部分を示す。一部の変形形態では、脂肪族基は、非分枝状または分枝状である。他の変形形態では、脂肪族基は、環状である。他に特定しない限り、一部の変形形態では、脂肪族基は、1〜30個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、脂肪族基は、1〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、脂肪族基は、1〜2個の炭素原子を含有する。適切な脂肪族基は、例えば、直鎖状もしくは分枝状のアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、ならびにそのハイブリッド、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルを含む。
用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書において使用する場合、1個または複数の炭素原子が、酸素、硫黄、窒素、リン、またはホウ素からなる群から選択される1個または複数の原子で独立に置き換えられている脂肪族基を指す。一部の実施形態では、1個または2個の炭素原子は、1つまたは複数の酸素、硫黄、窒素、またはリンで独立に置き換えられている。ヘテロ脂肪族基は、置換または非置換であり得、分枝状または非分枝状であり得、環式または非環式であり得、「複素環」、「ヘテロシクリル(hetercyclyl)」、「ヘテロ脂環式」または「複素環式」基を含む。一部の変形形態では、ヘテロ脂肪族基は、分枝状であるか、または非分枝状である。他の変形形態では、ヘテロ脂肪族基は、環式である。また他の変形形態では、ヘテロ脂肪族基は、非環式である。
用語「アクリレート」(複数可)は、本明細書において使用する場合、アシルカルボニルに隣接したビニル基を有する任意のアシル基を指す。これらの用語は、一置換、二置換および三置換ビニル基を包含する。アクリレートは、例えば、アクリレート、メタクリレート、エタクリレート(ethacrylate)、シンナメート、(3−フェニルアクリレート)、クロトネート、チグレート、およびセネシオエートを含み得る。
用語「粗アクリル酸」および「精アクリル酸」は、本明細書において使用する場合、それぞれ、相対的に低純度および高純度のアクリル酸を説明する。粗アクリル酸(また、工業グレードのアクリル酸と称される)は、94%の典型的な最小の全体的な純度レベルを有し、塗料、粘着剤、織物、紙、皮革、繊維、およびプラスチック添加物用途のためのアクリル酸エステルを作製するために使用することができる。精アクリル酸は、98%〜99.99%の範囲の典型的な全体的な純度レベルを有し、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着および生理用ナプキンにおける高吸水性ポリマー(SAP)のためのポリアクリル酸を作製するために使用することができる。ポリアクリル酸はまた、紙処理および水処理のための組成物、ならびに洗剤コビルダー用途において使用される。一部の変形形態では、アクリル酸は、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、もしくは少なくとも99.9%;または99%〜99.95%、99.5%〜99.95%、99.6%〜99.95%、99.7%〜99.95%、もしくは99.8%〜99.95%の純度を有する。
PAAの適切な塩は、金属塩、例えば、任意のアルカリ(例えば、Na、K)カチオン、アルカリ土類カチオンの金属塩を含む。ある特定の実施形態では、PAA塩は、Na塩、すなわち、PAAナトリウムである。ある特定の実施形態では、塩は、K塩、すなわち、PAAカリウムである。
精アクリル酸中の不純物は、アクリル酸ポリマー(PAA)への高度の重合を促進し、かつ最終用途における副生成物からの有害効果を回避することが可能な程度まで低減させる。例えば、アクリル酸中のアルデヒド不純物は、重合を妨げ、重合したアクリル酸を変色させ得る。無水マレイン酸不純物は、ポリマーの特性にとって有害であり得る望ましくないコポリマーを形成する。カルボン酸、例えば、重合に関与しない飽和カルボン酸は、PAAもしくはSAP含有生成物の最終的な匂いに影響を与え得、かつ/またはこれらの使用が損なわれ得る。例えば、嫌な匂いが酢酸またはプロピオン酸を含有するSAPから生じ得、皮膚刺激がギ酸を含有するSAPからもたらされ得る。石油をベースとする粗アクリル酸を生成しようとも、石油をベースとする精アクリル酸を生成しようとも、石油をベースとするアクリル酸からの不純物の低減または除去はコストがかかる。このようなコストがかかる多段階の蒸留および/または抽出および/または結晶化ステップが一般に用いられる(例えば、米国特許第5,705,688号および同第6,541,665号に記載されているように)。
用語「ポリマー」は、本明細書において使用する場合、複数の繰り返し単位を含む分子を指す。一部の変形形態では、ポリマーは高い相対分子質量の分子であり、その構造は、実際にまたは概念的に、低い相対分子質量の分子に由来する複数の繰り返し単位を含む。一部の実施形態では、ポリマーは、1つのみのモノマー種からなる(例えば、ポリエチレンオキシド)。一部の実施形態では、ポリマーは、1個もしくは複数のエポキシドのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、またはテーパードヘテロポリマーであり得る。1つの変形形態では、ポリマーは、2個もしくはそれ超のモノマーのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、またはテーパードヘテロポリマーであり得る。
用語「不飽和」は、本明細書において使用する場合、部分が1個または複数の二重結合または三重結合を有することを意味する。
単独でまたはより大きな部分の一部として使用される用語「脂環式」、「炭素環」、または「炭素環式」は、3〜12員を有する、本明細書に記載のような飽和または部分不飽和の環状脂肪族の単環式、二環式、または多環式環系を指し、脂肪族環系は、上記に定義され、本明細書に記載されているように、任意選択で置換されている。脂環式基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルを含む。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。用語「脂環式」、「炭素環」または「炭素環式」はまた、1個もしくは複数の芳香族もしくは非芳香族環に縮合している脂肪族環、例えば、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルを含み、ここではラジカルまたは結合点は脂肪族環上にある。一部の実施形態では、炭素環式基は、二環式である。一部の実施形態では、炭素環式基は、三環式である。ある特定の実施形態では、炭素環式基は、多環式である。
用語「アルキル」は、本明細書において使用する場合、飽和炭化水素ラジカルを指す。一部の変形形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される、飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルである。他に特定しない限り、一部の変形形態では、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、およびドデシルを含み得る。
用語「アルケニル」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する一価の基を示す。一部の変形形態では、アルケニル基は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される、一価の基である。他に特定しない限り、一部の変形形態では、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を含有する。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、および1−メチル−2−ブテン−1−イルを含む。
用語「アルキニル」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する一価の基を指す。一部の変形形態では、アルキニル基は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族部分から、単一の水素原子の除去によって誘導される、一価の基である。他に特定しない限り、一部の変形形態では、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、また他の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基は、例えば、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、および1−プロピニルを含む。
用語「炭素環」および「炭素環式環」は、本明細書において使用する場合、環が炭素原子のみを含有する、単環式および多環式部分を指す。他に特定しない限り、炭素環は、飽和、部分不飽和または芳香族であり得、3〜20個の炭素原子を含有する。代表的な炭素環(carbocyles)は、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ノルボルネン、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、およびスピロ[4.5]デカンを含む。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」におけるようにより大きな部分の一部として使用される用語「アリール」は、全部で5〜20環員を有する単環式および多環式環系であって、系における少なくとも1個の環は、芳香族であり、系における各環は、3〜12環員を含有する、単環式および多環式環系を指す。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用し得る。一部の実施形態では、「アリール」は、芳香族環系を指し、これは、例えば、フェニル、ナフチル、およびアントラシルを含み、これは、1個もしくは複数の置換基を担持し得る。本明細書において使用される場合の用語「アリール」の範囲内にまた含まれるのは、芳香族環が1個もしくは複数のさらなる環に縮合している基、例えば、ベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル(naphthimidyl)、フェナントリジニル、およびテトラヒドロナフチルである。
単独でまたはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」は、5〜14個の環原子、好ましくは、5個、6個、9個もしくは10個の環原子を有し、環状配置において共有される6個、10個もしくは14個のパイ(π)電子を有し、炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化された形態、および塩基性窒素の任意の四級化された形態を含む。ヘテロアリール基は、例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルを含む。用語「ヘテロアリール」および「ヘテロアラ−」はまた、本明細書において使用する場合、ヘテロ芳香族環が1個もしくは複数のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合している基を含み、ラジカルまたは結合点は、ヘテロ芳香族環上にある。例は、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル(benzthiazolyl)、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンを含む。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であり得る。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」と互換的に使用してもよく、これらの用語のいずれも、任意選択で置換されている環を含む。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立に任意選択で置換されている。
本明細書において使用する場合、用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、および「複素環式環」は互換的に使用され、飽和または部分不飽和であり得、炭素原子に加えて、1個もしくは複数の、好ましくは、1〜4個の上記に定義されているようなヘテロ原子を有する。一部の変形形態では、複素環式基は、飽和または部分不飽和であり、炭素原子に加えて、1個もしくは複数の、好ましくは、1〜4個の上記に定義されているようなヘテロ原子を有する、安定な5〜7員単環式または7〜14員二環式の複素環式部分である。複素環の環原子に関して使用されるとき、用語「窒素」は、置換されている窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)、またはNR(N−置換ピロリジニルにおけるような)であり得る。
複素環式環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子においてそのペンダント基に結合することができ、環原子のいずれかは、任意選択で置換することができる。このような飽和または部分不飽和の複素環式ラジカルの例は、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルを含む。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」、および「複素環式ラジカル」は、本明細書において互換的に使用され、また、ヘテロシクリル環が1個または複数のアリール、ヘテロアリール、または脂環式環に縮合している基、例えば、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルを含み、ラジカルまたは結合点は、ヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であり得る。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルで置換されているアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリル部分は、独立に任意選択で置換されている。
本明細書において使用する場合、用語「部分不飽和」は、少なくとも1個の二重結合または三重結合を含む環部分を指す。用語「部分不飽和」は、複数の不飽和の部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書において定義するようなアリールまたはヘテロアリール部分を含むことを意図しない。
本明細書に記載のように、本明細書に記載されている化合物は、「任意選択で置換されている」部分を含有し得る。一般に、用語「置換されている」は、用語「任意選択で」が先行しようと、またはしなくても、指定された部分の1個もしくは複数の水素が、適切な置換基で置き換えられていることを意味する。他に示さない限り、「任意選択で置換されている」基は、その基のそれぞれの置換可能な位置において適切な置換基を有してもよく、任意の所与の構造における1つ超の位置が、特定の基から選択される1個超の置換基で置換されていてもよいとき、置換基は、全ての位置において同じまたは異なってもよい。想定される置換基の組合せは好ましくは、安定または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。用語「安定」は、本明細書において使用する場合、本明細書において開示されている目的のうちの1つもしくは複数のための、それらの生成、検出、ならびに一部の実施形態では、それらの回収、精製、および使用を可能とする条件に供されるとき、実質的に変化しない化合物を指す。
本明細書におけるいくつかの化学構造において、置換基は、示されている分子の環における結合を横切る結合に結合していることが示される。これは、置換基の1つもしくは複数が、任意の利用できる位置において(通常、親構造の水素原子の代わりに)環に結合し得ることを意味する。そのように置換されている環の原子が、2つの置換可能な位置を有する場合、2個の基は、同じ環原子上に存在し得る。1個超の置換基が存在するとき、それぞれは他とは無関係に定義され、それぞれは異なる構造を有し得る。環の結合を横切って示される置換基が−Rである場合、これは、前述のパラグラフに記載されているように、環が「任意選択で置換されている」と言われるのと同じ意味を有する。
「任意選択で置換されている」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価の置換基は、独立に、ハロゲン;−(CH0〜4R°;−(CH0〜4OR°;−O−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4CH(OR°);−(CH0〜4SR°;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4Ph;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4O(CH0〜1Ph;R°で置換されていてもよい−CH=CHPh;−NO;−CN;−N;−(CH0〜4N(R°);−(CH0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0〜4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)N(R°);−(CH0〜4C(O)SR°;−(CH0〜4C(O)OSiR°;−(CH0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH0〜4SR°、−SC(S)SR°;−(CH0〜4SC(O)R°;−(CH0〜4C(O)NR°;−C(S)NR°;−C(S)SR°;−SC(S)SR°、−(CH0〜4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0〜4SSR°;−(CH0〜4S(O)R°;−(CH0〜4S(O)OR°;−(CH0〜4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°;−(C1〜4直鎖状もしくは分枝状アルキレン)O−N(R°);または−(C1〜4直鎖状もしくは分枝状アルキレン)C(O)O−N(R°)であり、式中、各R°は、下記で定義されるように置換されていてもよく、独立に、水素、C1〜8脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは上記の定義にも関わらず、2つの独立して出現するR°は、それらの介在する原子(複数可)と一緒になって、下記で定義されているように置換されていてもよい、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの単環式または多環式環を形成する。
R°(または2つの独立して出現するR°がこれらの介在する原子と一緒になって形成される環)上の適切な一価の置換基は、独立に、ハロゲン、−(CH0〜2、−(ハロR)、−(CH0〜2OH、−(CH0〜2OR、−(CH0〜2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0〜2C(O)R、−(CH0〜2C(O)OH、−(CH0〜2C(O)OR、−(CH0〜4C(O)N(R°);−(CH0〜2SR、−(CH0〜2SH、−(CH0〜2NH、−(CH0〜2NHR、−(CH0〜2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1〜4直鎖状もしくは分枝状アルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンのみで置換されており、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から独立に選択される。R°の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基は、=Oおよび=Sを含む。
「任意選択で置換されている」基の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基は、下記を含む。=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−、または−S(C(R ))2〜3S−(式中、Rは、独立して出現する毎に、水素、下記で定義するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される)。「任意選択で置換されている」基のビシナルの置換可能な炭素に結合している適切な二価の置換基は、−O(CR 2〜3O−を含み、式中、Rは、独立して出現する毎に、水素、下記で定義するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。
の脂肪族基上の適切な置換基は、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOを含み、式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立に、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
「任意選択で置換されている」基の置換可能な窒素上の適切な置換基は、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)を含み、式中、各Rは、独立に、水素、下記で定義するように置換されていてもよいC1〜6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは上記の定義にも関わらず、2つの独立して出現するRは、それらの介在する原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換3〜12員の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの単環式または二環式環を形成する。
の脂肪族基上の適切な置換基は、独立に、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOであり、式中、各Rは非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立に、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
本明細書において使用する場合、用語「触媒」は、それ自体が消費されず、永続的な化学変化を受けもしない一方で、その存在が化学反応の速度を増加させる物質を指す。
「四座」は、単一の金属中心に配位することができる4個の部位を有する配位子を指す。
本明細書において使用する場合、1つもしくは複数の数値に先行する用語「約」は、その数値±5%を意味する。本明細書において値またはパラメーターの「約」への言及は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とする実施形態を含む(かつ記載する)ことを理解すべきである。例えば、「約x」に言及する記載は、「x」それ自体の記載を含む。
詳細な説明
本明細書に記載されている方法およびシステムは、重合ステップの前にカルボニル化溶媒を除去することによって、当技術分野において公知の問題の1つに取り組む。その際に、PPLの生成のための本明細書に記載の方法は、より融通性があり効率的である。一態様において、BPLを生成する一酸化炭素によるエチレンオキシドのカルボニル化、BPLからのカルボニル化溶媒の除去、およびPPLを生成するBPLの重合のための方法を提供する。この段階におけるカルボニル化溶媒の除去は、異なる溶媒が重合ステップにおいて使用されることを可能とし、クリーンなリサイクルされた溶媒ストリームを提供し、下流の状況におけるよりも除去することがより容易である。1つの具体例では、本明細書に記載されている方法は、PPL生成物中に供給されるカルボニル化プロセスにおけるTHFの使用を可能とする。PPL重合の特定の触媒を毒し得るため、THFはいくつかの連続的なカルボニル化重合プロセスにおいて使用することができない。しかし、本明細書に記載の方法は、カルボニル化および重合ステップのそれぞれについての最適な溶媒(これらは異なり得る)の選択を可能とし、それによってPPL生成の融通性および効率を増加させる。
I.方法
一態様において、エチレンオキシドからのPPLの生成のための統合プロセスおよび方法を提供する。ある特定の実施形態では、カルボニル化によるPPLへのエチレンオキシドの変換のための統合プロセスであって、カルボニル化溶媒は、カルボニル化ステップの後であってPPL重合の前に除去される、プロセスを提供する。
一部の実施形態では、PPLの合成のための方法であって、
(a)エチレンオキシド(EO)の供給原料ストリームおよび一酸化炭素の供給原料ストリームを用意することであって、これらの供給原料ストリームを任意選択で合わせることと;
(b)供給原料ストリームを第1の反応ゾーンに方向付け、そこでカルボニル化溶媒の存在下でカルボニル化触媒と接触させ、EOの少なくとも一部分を、ベータプロピオラクトン(BPL)を含むBPL生成物ストリームに変換することと;
(c)カルボニル化触媒をベータラクトン生成物ストリームから分離し、カルボニル化触媒リサイクルストリームを得ることと;
(d)BPLおよびカルボニル化溶媒を含むベータプロピオラクトン生成物ストリームを、カルボニル化溶媒除去ゾーンに方向付け、そこでカルボニル化溶媒を、ベータプロピオラクトン生成物ストリームから除去することと;
(e)ステップ(d)の後に第2の溶媒をベータプロピオラクトン生成物ストリーム中に任意選択で導入し、ベータプロピオラクトン生成物ストリームを第2の反応ゾーンに方向付け、そこでBPLを重合触媒と接触させ、ポリプロピオラクトンを形成することと
を含む、方法を提供する。
一部の変形形態では、ポリプロピオラクトン(PPL)の合成のための方法であって、
エチレンオキシド(EO)の供給原料ストリームおよび一酸化炭素の供給原料ストリームを用意することであって、これらの供給原料ストリームを任意選択で合わせることと;
供給原料ストリームを第1の反応ゾーンに方向付けることと;
第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下で供給原料ストリームをカルボニル化触媒と接触させ、EOの少なくとも一部分をベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームに変換することであって、BPL生成物ストリームは、BPL、カルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒を含むことと;
BPL生成物ストリームからカルボニル化触媒の少なくとも一部分を分離して、カルボニル化触媒リサイクルストリームおよび加工されたBPL生成物ストリームを生成することであって、加工されたBPL生成物ストリームは、BPLおよびカルボニル化溶媒を含むことと;
加工されたBPL生成物ストリームをカルボニル化溶媒除去ゾーンに方向付けることと;
加工されたBPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去して、重合供給ストリームを生成することであって、重合供給ストリームは、BPLを含むことと;
重合供給ストリームを第2の反応ゾーンに方向付けることと;
第2の反応ゾーンにおいて重合供給ストリーム中のBPLを重合触媒と接触させて、PPLを生成することと
を含む、方法を提供する。
上記の方法の一部の変形形態では、方法は、重合供給ストリームを重合触媒と接触させる前に、第2の溶媒を重合供給ストリーム中に導入することをさらに含む。
下記のセクションは、方法およびこのような方法のために利用される条件のある特定の実施形態を、より十分に記載する。
カルボニル化
ある特定の実施形態では、開示されている方法は、「カルボニル化反応」によるBPLへのEOのカルボニル化のための第1の反応ゾーンを含む。EOからBPLを作製する方法は当技術分野において公知であり、WO2013/063191およびWO2014/004858に記載されているものを含む。一部の実施形態では、第1の反応ゾーンは、EO(例えば、EO源から)およびCO(例えば、CO源から)を含有する混合物、ならびにカルボニル化触媒および溶媒を受け、第1の反応ゾーンにおいてEOのカルボニル化反応が行われる。ある特定の実施形態では、カルボニル化反応は、連続的である。このような連続的なカルボニル化反応は、BPL溶液が、形成されるのと本質的に同じ速度で取り出されるように、連続撹拌槽型反応器または栓流反応器において行うことができる。
ある特定の実施形態では、BPLへのEOのカルボニル化反応は、下記で示すように進行する。
Figure 0006847843
カルボニル化反応条件
カルボニル化反応をもたらすための適切な触媒および反応条件は、本明細書に記載されており、また公開PCT出願:WO2003/050154、WO2004/089923、WO2012/158573、WO2010/118128、WO2013/063191、およびWO2014/008232において;米国特許第5,359,081号および同第5,310,948号において、ならびに論文「Synthesis of beta-Lactones」J. Am. Chem. Soc.、第124巻、2002年、1174〜1175頁において開示されている。
ある特定の実施形態では、カルボニル化反応に、EOおよびCOを含む供給原料ストリームが供給される。ある特定の実施形態では、カルボニル化反応中に供給される供給原料ストリームは、EOおよびCOを含有する混合物を含む。ある特定の実施形態では、反応ストリーム中のCOとEOのモル比は、約1:1〜約10,000:1の範囲である。ある特定の実施形態では、反応ストリーム中のCOとEOのモル比は、約5000:1、約2500:1、約2000:1、約1500:1、約1000:1、約500:1、約1:500、約200:1、約100:1、約50:1、約20:1、約10:1、約5:1もしくは約1:1、またはこれらの比の任意の2つを含めた範囲内である。一部の実施形態では、一酸化炭素とエポキシドの比は、反応が経済的および時間的に実現可能な様式で進行するように他の反応条件に基づいて選択される。
ある特定の実施形態では、供給原料ストリームは、1種もしくは複数のさらなる構成要素をさらに含む。ある特定の実施形態では、さらなる構成要素は、EOの化学反応において直接関与しない希釈剤を含む。ある特定の実施形態では、このような希釈剤は、1種もしくは複数の不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなど)または揮発性有機分子、例えば、炭化水素、エーテルなどを含み得る。ある特定の実施形態では、反応ストリームは、水素、微量の二酸化炭素、メタン、および工業用COストリームにおいて一般に見出される他の化合物を含み得る。ある特定の実施形態では、供給原料ストリームは、BPLおよび様々な最終生成物への、EOの変換に関与するプロセスの1つもしくは複数において直接的または間接的な化学的機能を有し得る材料をさらに含み得る。さらなる反応物はまた、COおよび別の気体の混合物を含むことができる。例えば、上で述べたように、ある特定の実施形態では、COは、水素との混合物(例えば、合成ガス)中で提供される。
ある特定の実施形態では、供給原料ストリームは、酸素を本質的に非含有であることを特徴とする。ある特定の実施形態では、供給原料ストリームは、水を本質的に非含有であることを特徴とする。ある特定の実施形態では、供給原料ストリームは、酸素および水を本質的に非含有であることを特徴とする。一部の変形形態では、供給原料ストリームは、0.01重量%未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、0.005重量%未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、200ppm未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、150ppm未満の酸素、100ppm未満の酸素、50ppm未満の酸素、20ppm未満の酸素、10ppm未満の酸素、5ppm未満の酸素、2ppm未満の酸素、または1ppm未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、0.05重量%未満の水を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、0.01重量%未満の水を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、1000ppm未満の水を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、500ppm未満の水、400ppm未満の水、250ppm未満の水、200ppm未満の水、150ppm未満の水、100ppm未満の水、50ppm未満の水、または10ppm未満の水を有する。ある特定の変形形態では、供給原料ストリームは、200ppm未満の合わせた酸素および水を有する。
カルボニル化溶媒
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているカルボニル化反応は、溶媒中で行われる。ある特定の実施形態では、溶媒は、別のストリームとして第1の反応ゾーンに供給される。他の実施形態では、溶媒は、第1の反応ゾーンにおけるカルボニル化反応に入る触媒、EOまたは別の供給ストリームと共に第1の反応ゾーンに供給されてもよい。ある特定の実施形態では、溶媒は、溶媒中の触媒溶液として提供されるカルボニル化触媒と共に第1の反応ゾーンに入る。ある特定の実施形態では、溶媒は、2つもしくはそれ超の別々の供給ストリームにおいて第1の反応ゾーンに入る。溶媒が第1の反応ゾーンにおいて存在する実施形態では、溶媒はまた、カルボニル化出口ストリーム中(例えば、BPL生成物ストリーム中)に存在する。
カルボニル化溶媒は、任意の溶媒、および溶媒の混合物から選択し得る。さらに、BPLは、共溶媒として利用され得る。カルボニル化方法に最も適した溶媒は、エーテル、炭化水素、および非プロトン性極性溶媒を含む。適切な溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン(「THF」)、テトラヒドロピラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、スルホラン、N−メチルピロリドン、1,3ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ジエチレングリコールジブチルエーテル、イソソルビドエーテル、メチルtertブチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、二塩基性エステル、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ブタノン、シクロヘキサノン、トルエン、ジフルオロベンゼン、ジメトキシエタン、アセトン、およびメチルエチルケトンを含む。いずれの特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、良好なルイス塩基供与性を有する溶媒は、カルボニル化溶媒として非常に有用であり得る。一部の実施形態では、カルボニル化溶媒は、極性供与溶媒である。一部の実施形態では、カルボニル化溶媒は、THFである。
ある特定の実施形態では、カルボニル化反応は、第1の反応ゾーンにおけるカルボニル化反応へのルイス塩基添加物をさらに含む。一部の実施形態では、このようなルイス塩基添加物は、触媒を安定化、または触媒の非活性化を低減させることができる。ある特定の実施形態では、ルイス塩基添加物は、ホスフィン、アミン、グアニジン、アミジン、および窒素含有複素環からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、ルイス塩基添加物は、ヒンダードアミン塩基である。ある特定の実施形態では、ルイス塩基添加物は、2,6−ルチジン;イミダゾール、1−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、トリヘキシルアミンおよびトリフェニルホスフィンである。本明細書に記載されているルイス塩基添加物の任意の組合せをまた使用し得る。
カルボニル化触媒
当技術分野において公知の多数のカルボニル化触媒は、本明細書に記載されている方法に適している(または適合させることができる)。例えば、一部の実施形態では、カルボニル化方法は、金属カルボニル−ルイス酸触媒、例えば、米国特許第6,852,865号に記載されているものを利用する。他の実施形態では、カルボニル化ステップは、米国特許出願第10/820,958号;および同第10/586,826号に開示されているカルボニル化触媒のうちの1つもしくは複数を用いて行われる。他の実施形態では、カルボニル化ステップは、米国特許第5,310,948号;同第7,420,064号;および同第5,359,081号に開示されている触媒のうちの1つもしくは複数を用いて行われる。エポキシドのカルボニル化のためのさらなる触媒は、Chem. Commun.、2007年、657〜674頁におけるレビューにおいて考察されている。
一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、金属カルボニル化合物を含む。典型的には、1つの変形形態では、単一の金属カルボニル化合物が提供されるが、一部の実施形態では、2種もしくはそれ超の金属カルボニル化合物の混合物が提供される。このように、提供される金属カルボニル化合物が、例えば、中性金属カルボニル化合物を「含む」とき、この提供される金属カルボニル化合物は、単一の中性金属カルボニル化合物、または1種もしくは複数の金属カルボニル化合物と組み合わせた中性金属カルボニル化合物でよいことが理解される。好ましくは、提供される金属カルボニル化合物は、エポキシドを開環させ、得られる金属炭素結合へのCOの挿入を促進することができる。この反応性を有する金属カルボニル化合物は当技術分野で周知であり、実験室実験のために、および工業プロセス、例えば、ヒドロホルミル化において使用される。
一部の実施形態では、金属カルボニル化合物は、アニオン性金属カルボニル部分を含む。他の実施形態では、金属カルボニル化合物は、中性金属カルボニル化合物を含む。一部の実施形態では、金属カルボニル化合物は、金属カルボニル水素化物またはヒドリド金属カルボニル(hydrido metal carbonyl)化合物を含む。一部の実施形態では、金属カルボニル化合物は、in situで1つもしくは複数の反応構成要素と反応して、最初に提供される化合物とは異なる活性種を提供する、プレ触媒として作用する。所与の反応における活性種は確実に既知ではないかもしれないことが認識されるので、このようなプレ触媒が特に包含される。このように、in situでのこのような反応種の同定はそれ自体が、本明細書における趣旨または教示から逸脱しない。
一部の実施形態では、金属カルボニル化合物は、アニオン性金属カルボニル種を含む。一部の実施形態では、このようなアニオン性金属カルボニル種は、一般式[QM’(CO)y−を有し、式中、Qは、任意の配位子であり、存在する必要はなく、M’は、金属原子であり、dは、0〜8の整数(両端を含む)であり、eは、1〜6の整数(両端を含む)であり、wは、安定なアニオン性金属カルボニル錯体を提供するような数であり、yは、アニオン性金属カルボニル種の電荷である。一部の実施形態では、アニオン性金属カルボニルは、一般式[QM’(CO)y−を有し、式中、Qは、任意の配位子であり、存在する必要はなく、M’は、金属原子であり、wは、安定なアニオン性金属カルボニルを提供するような数であり、yは、アニオン性金属カルボニルの電荷である。
一部の実施形態では、アニオン性金属カルボニル種は、周期表の5族、7族もしくは9族からの金属のモノアニオン性カルボニル錯体、または周期表の4族もしくは8族からの金属のジアニオン性カルボニル錯体を含む。一部の実施形態では、アニオン性金属カルボニル化合物は、コバルトまたはマンガンを含有する。一部の実施形態では、アニオン性金属カルボニル化合物は、ロジウムを含有する。適切なアニオン性金属カルボニル化合物は、例えば、[Co(CO)、[Ti(CO)2−、[V(CO)、[Rh(CO)、[Fe(CO)2−、[Ru(CO)2−、[Os(CO)2−、[Cr(CO)102−、[Fe(CO)2−、[Tc(CO)、[Re(CO)、および[Mn(CO)を含む。一部の実施形態では、アニオン性金属カルボニルは、[Co(CO)を含む。一部の実施形態では、2つもしくはそれ超のアニオン性金属カルボニル錯体の混合物が、方法において使用されるカルボニル化触媒中に存在し得る。
[QM’(CO)y−について用語「安定なアニオン性金属カルボニルを提供するような」は、本明細書において使用されて、[QM’(CO)y−が、分析手段、例えば、NMR、IR、X線結晶構造解析、ラマン分光法および/または電子スピン共鳴(EPR)によって特性決定され得、かつ適切なカチオンの存在下で、触媒形態で単離可能であり得る種であるか、またはin situで形成される種であることを意味する。安定な金属カルボニル錯体を形成することができる金属は、多核錯体を形成する既知の配位能および配位傾向を有し、これは、存在し得る任意選択の配位子Qの数および性質、ならびに錯体上の電荷と共に、COが配位するのに利用可能である部位の数、したがってwの値を決定することを理解すべきである。典型的には、このような化合物は、「18電子則」に従う。このような知識は、金属カルボニル化合物の合成および特性決定に関連する分野の当業者の理解の範囲内である。
金属カルボニル化合物がアニオン種である実施形態では、1個もしくは複数のカチオンがまた、必然的に存在しなければならない。本開示は、このようなカチオンのアイデンティティーに対して特定の制約を設けない。一部の実施形態では、アニオン性金属カルボニル化合物と会合しているカチオンは、本明細書の下記に記載されている別のカテゴリーの反応構成要素を含む。例えば、一部の実施形態では、金属カルボニルアニオンは、カチオン性ルイス酸と会合している。他の実施形態では、提供されるアニオン性金属カルボニル化合物と会合しているカチオンは、単純な金属カチオン、例えば、周期表の1族もしくは2族からのもの(例えば、Na、Li、K、およびMg2+)である。他の実施形態では、提供されるアニオン性金属カルボニル化合物と会合しているカチオンは、かさ高い非求電子性カチオン、例えば、「オニウム塩」(例えば、Bu、PPN、Ph、およびPhAs)である。他の実施形態では、金属カルボニルアニオンは、プロトン化窒素化合物と会合している(例えば、カチオンは、例えば、MeTBD−H、DMAP−H、DABCO−H、およびDBU−Hなどの化合物を含み得る)。一部の実施形態では、このようなプロトン化窒素化合物を含む化合物は、酸性のヒドリド金属カルボニル化合物ならびに塩基性窒素含有化合物(例えば、DBUおよびHCo(CO)の混合物)の間の反応生成物として提供される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法において用いられる触媒は、中性金属カルボニル化合物を含む。一部の実施形態では、このような中性金属カルボニル化合物は、一般式QM’(CO)w’を有し、式中、Qは、任意の配位子であり、存在する必要はなく、M’は、金属原子であり、dは、0〜8の整数(両端を含む)であり、eは、1〜6の整数(両端を含む)であり、w’は、安定な中性金属カルボニル錯体を提供するような数である。一部の実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式QM’(CO)w’を有する。一部の実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式M’(CO)w’を有する。一部の実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式QM’(CO)w’を有する。一部の実施形態では、中性金属カルボニルは、一般式M’(CO)w’を有する。適切な中性金属カルボニル化合物は、例えば、Ti(CO)、V(CO)12、Cr(CO)、Mo(CO)、W(CO)、Mn(CO)10、Tc(CO)10、Re(CO)10、Fe(CO)、Ru(CO)、Os(CO)、Ru(CO)12、Os(CO)12、Fe(CO)12、Fe(CO)、Co(CO)12、Rh(CO)12、Rh(CO)16、Ir(CO)12、Co(CO)、およびNi(CO)を含む。
M’(CO)w’について用語「安定な中性金属カルボニルを提供するような」は、本明細書において使用されて、QM’(CO)w’が、分析手段、例えば、NMR、IR、X線結晶構造解析、ラマン分光法および/または電子スピン共鳴(EPR)によって特性決定され得、かつ純粋な形態で単離可能であり得る種であるか、またはin situで形成される種であることを意味する。安定な金属カルボニル錯体を形成することができる金属は、多核錯体を形成する既知の配位能および配位傾向を有し、これは、存在し得る任意選択の配位子Qの数および性質と共に、COが配位するのに利用可能である部位の数、したがってw’の値を決定することを理解すべきである。典型的には、このような化合物は、「18電子則」に従う化学量論に従う。このような知識は、金属カルボニル化合物の合成および特性決定に関連する分野の当業者の理解の範囲内である。
一部の実施形態では、配位子Qは、金属カルボニル化合物上に存在しない。他の実施形態では、1個もしくは複数の配位子Qが、金属カルボニル化合物上に存在する。一部の実施形態では、Qが存在する場合、Qは、出現する毎に、ホスフィン配位子、アミン配位子、シクロペンタジエニル配位子、複素環配位子、ニトリル、フェノール、およびこれらの2つもしくはそれ超の組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、上記の金属カルボニル化合物のいずれかのCO配位子のうちの1つもしくは複数は、配位子Qで置き換えられている。一部の実施形態では、Qは、ホスフィン配位子である。一部の実施形態では、Qは、トリアリールホスフィンである。一部の実施形態では、Qは、トリアルキルホスフィンである。一部の実施形態では、Qは、ホスファイト配位子である。一部の実施形態では、Qは、任意選択で置換されているシクロペンタジエニル配位子である。一部の実施形態では、Qは、cpである。一部の実施形態では、Qは、cpである。一部の実施形態では、Qは、アミンまたは複素環である。
一部の実施形態では、上記の方法において利用するカルボニル化触媒は、ルイス酸性構成要素をさらに含む。一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、アニオン性金属カルボニル錯体およびカチオン性ルイス酸性構成要素を含む。一部の実施形態では、金属カルボニル錯体は、カルボニルコバルテートを含み、ルイス酸性共触媒は、金属中心のカチオン性ルイス酸を含む。一部の実施形態では、含まれるルイス酸は、ホウ素化合物を含む。
含まれるルイス酸がホウ素化合物を含む一部の実施形態では、このホウ素化合物は、トリアルキルホウ素化合物またはトリアリールホウ素化合物を含む。一部の実施形態では、含まれるホウ素化合物は、1個もしくは複数のホウ素−ハロゲン結合を含む。含まれるホウ素化合物が1個もしくは複数のホウ素−ハロゲン結合を含む一部の実施形態では、この化合物は、ジアルキルハロホウ素化合物(例えば、RBX)、ジハロモノアルキル化合物(例えば、RBX)、アリールハロホウ素化合物(例えば、ArBXもしくはArBX)、またはトリハロホウ素化合物(例えば、BClもしくはBBr)であり、式中、各Rは、アルキル基であり、各Xは、ハロゲンであり、各Arは、芳香族基である。
含まれるルイス酸が金属中心のカチオン性ルイス酸を含む一部の実施形態では、このルイス酸は、カチオン性金属錯体である。一部の実施形態では、カチオン性金属錯体は、その電荷が、1つもしくは複数のアニオン性金属カルボニル部分によって、部分的または全体的に平衡を保たれている。適切なアニオン性金属カルボニル化合物は、上記に記載されているものを含む。一部の実施形態では、金属錯体の電荷の平衡を保つ1〜17のこのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。一部の実施形態では、金属錯体の電荷の平衡を保つ1〜9のこのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。一部の実施形態では、金属錯体の電荷の平衡を保つ1〜5のこのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。一部の実施形態では、金属錯体の電荷の平衡を保つ1〜3のこのようなアニオン性金属カルボニルが存在する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法において使用されるカルボニル化触媒がカチオン性金属錯体を含む場合、この金属錯体は、式[(Lz+を有し、式中、
は、配位子であり、2個またはそれ超のLが存在するとき、それぞれは、同じであるか、または異なってもよく、
Mは、金属原子であり、2個のMが存在するとき、それぞれは、同じであるか、または異なってもよく、
vは、1〜4の整数(両端を含む)であり、
bは、1〜2の整数(両端を含む)であり、
zは、金属錯体上のカチオン電荷を表す0超の整数である。
一部の実施形態では、提供されるルイス酸は、構造Iに一致し、
Figure 0006847843
式中、
Figure 0006847843
は、多座配位子であり、
Mは、この多座配位子に配位している金属原子であり、
aは、金属原子の電荷であり、0〜2の範囲である。
一部の実施形態では、提供される金属錯体は、構造IIに一致し、
Figure 0006847843
式中、aは、上記で定義されている通りであり(各aは、同じであるか、または異なってもよい)、
は、第1の金属原子であり、
は、第2の金属原子であり、
Figure 0006847843
は、両方の金属原子を配位させることができる多座配位子系を含む。
明確にするために、ならびに錯体IおよびII、ならびに本明細書における他の構造における金属原子の実効電荷と総電荷との間の混乱を避けるために、上記の錯体IおよびIIにおける金属原子上に示される電荷(a)は、金属原子が多座配位子の任意のアニオン性部位を満足させた後のこの金属原子上の実効電荷を表す。例えば、式Iの錯体中の金属原子がCr(III)であり、配位子がポルフィリン(−2の電荷を有する四座配位子)である場合、クロム原子は、+1の実効電荷を有し、aは、1である。
適切な多座配位子は、例えば、ポルフィリン配位子1、サレン配位子2、ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アヌレン(tmtaa)配位子3、フタロシアニネート配位子4、トロスト配位子5、テトラフェニルポルフィリン配位子6、およびコロール配位子7を含む。一部の実施形態では、多座配位子は、サレン配位子である。他の実施形態では、多座配位子は、ポルフィリン配位子である。他の実施形態では、多座配位子は、テトラフェニルポルフィリン配位子である。他の実施形態では、多座配位子は、コロール配位子である。上記の配位子のいずれも、非置換でよいか、または置換されていてもよい。これらの配位子の多数の多様に置換されている類似体は当技術分野において公知であり、当業者には明らかである。
Figure 0006847843
Figure 0006847843
式中、R、R、R1a、R2a、R3a、R4a、R1a’、R2a’、R3a’、およびMのそれぞれは、本明細書においてクラスおよびサブクラスにおいて定義および記載されている通りである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法において使用されるカルボニル化触媒中で提供されるルイス酸は、金属−ポルフィナト錯体を含む。一部の実施形態では、部分
Figure 0006847843
は、以下の構造を有し、
Figure 0006847843
式中、Mおよびaのそれぞれは、上記で定義され、かつ本明細書においてクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りであり、
は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−OR、−NR 、−SR、−CN、−NO、−SO、−SOR、−SONR ;−CNO、−NRSO、−NCO、−N、−SiR ;またはC1〜20脂肪族;窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1〜20ヘテロ脂肪族;6〜10員アリール;窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリール;ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環からなる群から選択される任意選択で置換されている基であり、2つもしくはそれ超のR基は、一緒になって、1個もしくは複数の任意選択で置換されている環を形成し得、
各Rは、独立に、水素、アシル;カルバモイル、アリールアルキル;6〜10員アリール;C1〜12脂肪族;窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有するC1〜12ヘテロ脂肪族;窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリール;窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環;酸素保護基;および窒素保護基からなる群から選択される任意選択で置換されている基であり、同じ窒素原子上の2個のRは、この窒素原子と一緒になって、独立に窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を有する任意選択で置換されている4〜7員複素環式環を形成し、
各Rは、独立に、ヒドロキシル保護基またはRである。
一部の実施形態では、部分
Figure 0006847843
は、以下の構造を有し、
Figure 0006847843
式中、M、aおよびRは、上記ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りである。
一部の実施形態では、部分
Figure 0006847843
は、以下の構造を有し、
Figure 0006847843
式中、M、aおよびRは、上記ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法において使用されるカルボニル化触媒中に含まれるルイス酸は、メタロサレネート(metallo salenate)錯体を含む。一部の実施形態では、部分
Figure 0006847843
は、以下の構造を有し、
Figure 0006847843
式中、
M、およびaは、上記ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りである。
1a、R1a’、R2a、R2a’、R3a、およびR3a’は、独立に、水素、ハロゲン、−OR、−NR 、−SR、−CN、−NO、−SO、−SOR、−SONR ;−CNO、−NRSO、−NCO、−N、−SiR ;またはC1〜20脂肪族;窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1〜20ヘテロ脂肪族;6〜10員アリール;窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリール;ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環からなる群から選択される任意選択で置換されている基であり、各R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りであり、
(R2a’およびR3a’)、(R2aおよびR3a)、(R1aおよびR2a)、ならびに(R1a’およびR2a’)のいずれかは、任意選択でそれらが結合している炭素原子と一緒になって1個もしくは複数の環を形成してもよく、この環はさらに、1個もしくは複数のR基で置換されていてもよく、
4aは、
Figure 0006847843
からなる群から選択され、式中、
は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−OR、−NR 、−SR、−CN、−NO、−SO、−SOR、−SONR ;−CNO、−NRSO、−NCO、−N、−SiR ;またはC1〜20脂肪族;窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1〜20ヘテロ脂肪族;6〜10員アリール;窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリール;ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環からなる群から選択される任意選択で置換されている基であり、
2個もしくはそれ超のR基は、それらが結合している炭素原子および任意の介在する原子と一緒になって、1個もしくは複数の環を形成してもよく、
2個のR基が同じ炭素原子に結合しているとき、それらは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3〜8員スピロ環、カルボニル、オキシム、ヒドラゾン、イミン;および任意選択で置換されているアルケンからなる群から選択される部分を形成してもよく、
およびRは、上記ならびに本明細書においてクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りであり、
Yは、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)NR−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−;ポリエーテル;C〜C置換もしくは非置換炭素環;およびC〜C置換もしくは非置換複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
m’は、0または1〜4の整数(両端を含む)であり、
qは、0または1〜4の整数(両端を含む)であり、
xは、0、1、または2である。
一部の実施形態では、提供されるルイス酸は、式Iaにおいて示されるようなメタロサレン化合物を含み、
Figure 0006847843
式中、M、R、およびaのそれぞれは、上記ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りであり、
Figure 0006847843
は、サレン配位子のジアミン部分の2個の窒素原子を連結している任意選択で置換されている部分を表し、
Figure 0006847843
は、C〜C14炭素環、C〜C10アリール基、C〜C14複素環、およびC〜C10ヘテロアリール基;または任意選択で置換されているC2〜20脂肪族基からなる群から選択され、1個もしくは複数のメチレン単位は、任意選択でおよび独立に、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)O−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−C(=NOR)−または−N=N−で置き換えられている。
金属錯体が上記の式Iaを有する一部の実施形態では、金属錯体のサリチルアルデヒドに由来する部分を構成するフェニル環のうちの少なくとも1つは、独立に、
Figure 0006847843
Figure 0006847843
からなる群から選択される。
一部の実施形態では、提供されるルイス酸は、式VaまたはVbの1つに一致したメタロサレン化合物を含み、
Figure 0006847843
式中、M、a、R、R1a、R3a、R1a’、R3a’、および
Figure 0006847843
は、上記ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りである。
式VaまたはVbを有する金属錯体の一部の実施形態では、各R1aおよびR3aは、独立に、任意選択で置換されているC〜C20脂肪族である。
一部の実施形態では、部分
Figure 0006847843
は、任意選択で置換されている1,2−フェニル部分を構成する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法において使用されるカルボニル化触媒中に含まれるルイス酸は、金属−tmtaa錯体を含む。一部の実施形態では、部分
Figure 0006847843
は、以下の構造を有し、
Figure 0006847843
式中、M、aおよびRは、上記ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りであり、
は、出現する毎に独立に、水素、ハロゲン、−OR、−NR 、−SR、−CN、−NO、−SO、−SOR、−SONR ;−CNO、−NRSO、−NCO、−N、−SiR ;またはC1〜20脂肪族;窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1〜20ヘテロ脂肪族;6〜10員アリール;窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリール;ならびに窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環からなる群から選択される任意選択で置換されている基である。
一部の実施形態では、部分
Figure 0006847843
は、以下の構造を有し、
Figure 0006847843
式中、M、a、RおよびRのそれぞれは、上記ならびに本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて定義されている通りである。
本明細書に記載されている方法において使用されるカルボニル化触媒がルイス酸性金属錯体を含む一部の実施形態では、金属原子は、周期表の2〜13族(両端を含む)から選択される。一部の実施形態では、Mは、周期表の4族、6族、11族、12族および13族から選択される遷移金属である。一部の実施形態では、Mは、アルミニウム、クロム、チタン、インジウム、ガリウム、亜鉛、コバルト、または銅である。一部の実施形態では、Mは、アルミニウムである。他の実施形態では、Mは、クロムである。
一部の実施形態では、Mは、+2の酸化状態を有する。一部の実施形態では、Mは、Zn(II)、Cu(II)、Mn(II)、Co(II)、Ru(II)、Fe(II)、Co(II)、Rh(II)、Ni(II)、Pd(II)またはMg(II)である。一部の実施形態では、Mは、Zn(II)である。一部の実施形態では、Mは、Cu(II)である。
一部の実施形態では、Mは、+3の酸化状態を有する。一部の実施形態では、Mは、Al(III)、Cr(III)、Fe(III)、Co(III)、Ti(III)、In(III)、Ga(III)またはMn(III)である。一部の実施形態では、Mは、Al(III)である。一部の実施形態では、Mは、Cr(III)である。
一部の実施形態では、Mは、+4の酸化状態を有する。一部の実施形態では、Mは、Ti(IV)またはCr(IV)である。
一部の実施形態では、MおよびMは、それぞれ独立に、周期表の2〜13族(両端を含む)から選択される金属原子である。一部の実施形態では、Mは、周期表の4族、6族、11族、12族および13族から選択される遷移金属である。一部の実施形態では、Mは、アルミニウム、クロム、チタン、インジウム、ガリウム、亜鉛、コバルト、または銅である。一部の実施形態では、Mは、アルミニウムである。他の実施形態では、Mは、クロムである。一部の実施形態では、MおよびMは、同じである。一部の実施形態では、MおよびMは、同じ金属であるが、異なる酸化状態を有する。一部の実施形態では、MおよびMは、異なる金属である。
一部の実施形態では、MおよびMの1つもしくは複数は、+2の酸化状態を有する。一部の実施形態では、Mは、Zn(II)、Cu(II)、Mn(II)、Co(II)、Ru(II)、Fe(II)、Co(II)、Rh(II)、Ni(II)、Pd(II)またはMg(II)である。一部の実施形態では、Mは、Zn(II)である。一部の実施形態では、Mは、Cu(II)である。一部の実施形態では、Mは、Zn(II)、Cu(II)、Mn(II)、Co(II)、Ru(II)、Fe(II)、Co(II)、Rh(II)、Ni(II)、Pd(II)またはMg(II)である。一部の実施形態では、Mは、Zn(II)である。一部の実施形態では、Mは、Cu(II)である。
一部の実施形態では、MおよびMの1つもしくは複数は、+3の酸化状態を有する。一部の実施形態では、Mは、Al(III)、Cr(III)、Fe(III)、Co(III)、Ti(III)、In(III)、Ga(III)またはMn(III)である。一部の実施形態では、Mは、Al(III)である。一部の実施形態では、Mは、Cr(III)である。一部の実施形態では、Mは、Al(III)、Cr(III)、Fe(III)、Co(III)、Ti(III)、In(III)、Ga(III)またはMn(III)である。一部の実施形態では、Mは、Al(III)である。一部の実施形態では、Mは、Cr(III)である。
一部の実施形態では、MおよびMの1つもしくは複数は、+4の酸化状態を有する。一部の実施形態では、Mは、Ti(IV)またはCr(IV)である。一部の実施形態では、Mは、Ti(IV)またはCr(IV)である。
一部の実施形態では、カルボニル化触媒の金属中心のルイス酸性構成要素は、ジアニオン性四座配位子を含む。一部の実施形態では、ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン配位子;サレン配位子;ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アヌレン(tmtaa)配位子;フタロシアニネート配位子;およびトロスト配位子からなる群から選択される。
一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、アルミニウムポルフィリン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]であり、式中、TPPは、テトラフェニルポルフィリンの略語であり、THFは、テトラヒドロフランの略語である。
一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、クロムポルフィリン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。
一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、クロムサレン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、クロムサロフェン(chromium salophen)化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。
一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、アルミニウムサレン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。一部の実施形態では、カルボニル化触媒は、アルミニウムサロフェン(aluminum salophen)化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。
一部の実施形態では、1個もしくは複数の中性2電子供与体は、M MまたはMに配位し、金属原子の配位原子価を満たす。一部の実施形態では、中性2電子供与体は、溶媒分子である。一部の実施形態では、中性2電子供与体は、エーテルである。一部の実施形態では、中性2電子供与体は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトニトリル、二硫化炭素、またはピリジンである。一部の実施形態では、中性2電子供与体は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、中性2電子供与体は、エポキシドである。一部の実施形態では、中性2電子供与体は、エステルまたはラクトンである。
カルボニル化溶媒除去
上記で一般に記載するように、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載されているプロセスストリームからの1種もしくは複数のカルボニル化溶媒の除去を含む。一部の実施形態では、このような溶媒除去は、カルボニル化溶媒除去ゾーンにおいて起こる。一部の実施形態では、カルボニル化溶媒除去ゾーンは、蒸留器を含む。一部の実施形態では、カルボニル化溶媒をBPLから蒸留するために蒸留カラムが使用される。一部の実施形態では、反応ゾーンは、反応蒸留カラムであるか、または反応蒸留カラムを含む。一部の実施形態では、提供された方法は、カルボニル化溶媒の蒸留ストリームを取り出すことを含む。一部の実施形態では、カルボニル化溶媒は、1atmで160℃未満の沸点を有する。一部の変形形態では、カルボニル化溶媒は、1atmで、150℃未満、140℃未満、130℃未満、120℃未満、110℃未満、100℃未満、90℃未満、もしくは80℃未満;または60℃〜160℃、60℃〜150℃、60℃〜140℃、60℃〜130℃、60℃〜120℃、60℃〜110℃、60℃〜110℃、60℃〜100℃、60℃〜90℃、60℃〜80℃、70℃〜160℃、70℃〜150℃、70℃〜140℃、70℃〜130℃、70℃〜120℃、70℃〜110℃、70℃〜110℃、70℃〜100℃、70℃〜90℃、もしくは70℃〜80℃の沸点を有する。一部の実施形態では、カルボニル化溶媒の蒸留ストリームは、第1の反応ゾーンに方向付けられ、第1の反応ゾーンの前に、EOおよび/または一酸化炭素の供給原料ストリームと任意選択で混合される。一部の実施形態では、提供された方法は、第2のカルボニル化溶媒の蒸留ストリームを取り出すことをさらに含む。
PPLへのBPL変換
一部の実施形態では、BPLを含む生成物ストリームは、気体または液体として本明細書に記載されている反応ゾーンに入る。PPLへのBPLの変換は、気相において行っても液相において行ってもよく、未希釈で、またはキャリアガス、溶媒、もしくは他の希釈剤の存在下で行ってもよい。一部の実施形態では、BPL供給原料ストリームは、第2の反応ゾーン中に導入されるとき、未希釈である。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている方法およびシステムはまた、エチレンオキシドの形成に直接統合され得、このようにこの有毒かつ潜在的に爆発性の中間体の単離および貯蔵を回避することができることを認識されたい。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているプロセスに、エチレンガスが供給され、これがエチレンオキシドに変換され、次いで、このエチレンオキシドはそれに続く反応に供給され、そこでカルボニル化が起こり、BPLを含む供給原料ストリームが生じる。
ある特定の実施形態では、PPLへのBPLの変換は、連続流フォーマットで行われる。ある特定の実施形態では、PPLへのBPLの変換は、気相において連続流フォーマットで行われる。ある特定の実施形態では、PPLへのBPLの変換は、液相において連続流フォーマットで行われる。ある特定の実施形態では、PPLへのBPLの変換は、液相においてバッチまたはセミバッチフォーマットで行われる。PPLへのBPLの変換は、種々の条件下で行い得る。ある特定の実施形態では、反応は、PPLへのBPLの転換を促進する1種もしくは複数の触媒の存在下で行い得る。
ある特定の実施形態では、BPLを含む供給原料ストリームは、反応ゾーンに方向付けられ、そこで適切な触媒と接触し、BPLの少なくとも一部分は、PPLに変換される。一部の実施形態では、反応ゾーンは、PPLの形成に適した温度に維持される。一部の実施形態では、このような温度維持は、反応ゾーンからの熱の除去を含む。
一部の実施形態では、BPLを含む供給原料ストリームは、第2の反応ゾーンに方向付けられ、そこで適切な触媒と接触し、BPLの少なくとも一部分は、PPL生成物ストリームに変換される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンは、PPLの形成に適した温度に維持される。一部の実施形態では、このような温度維持は、第2の反応ゾーンからの熱の除去を含む。
ある特定の実施形態では、PPLへのBPLの変換は、固体カルボキシレート触媒を利用し、変換は、少なくとも部分的に気相中で行われる。ある特定の実施形態では、ベータラクトン変換段階における固体カルボキシレート触媒は、固体アクリル酸触媒を含む。ある特定の実施形態では、BPLは液体として導入され、固体カルボキシレート触媒と接触して、PPLを形成する。他の実施形態では、BPLは気体として導入され、固体カルボキシレート触媒と接触して、PPLを形成する。
本明細書に記載されているプロセスのある特定の実施形態では、プロセスにおけるそれぞれのそれに続く段階が、それより前の段階からの流出物の本質的に全てを利用できるように、供給速度、反応速度、および反応器サイズがスケール変更される。ある特定の実施形態では、方法は、エチレンおよび酸素の供給速度および/もしくは比、エチレン酸化ゾーン反応温度、一酸化炭素供給速度、カルボニル化段階温度、カルボニル化段階反応圧力、第2の反応ゾーンに入る1種もしくは複数の反応物の供給速度、第2の反応ゾーンの温度および/もしくは圧力、ならびにこれらのパラメーターのうちの任意の2つもしくはそれ超の組合せからなる群から選択される1つもしくは複数のシステムパラメーターをモジュレートする1つもしくは複数のステップを含む。ある特定の実施形態では、システムパラメーターのこのモジュレーションは、それより前の段階の流出物を直接使用して、それに続く段階に供給し得るように、各段階の単位時間毎の変換速度が、それより前の段階の単位時間毎の変換速度に調和するように行われる。ある特定の実施形態では、方法は、1つもしくは複数の段階からの流出物の含有量をアセスメントするために、1つもしくは複数の段階からの流出物を分析する1つもしくは複数のステップを含む。ある特定の実施形態では、このような分析ステップは、分光法(例えば、赤外分光法、核磁気共鳴分光法、紫外線または可視光分光法など)、クロマトグラフィー(例えば、ガスまたは液体クロマトグラフィー)を行うことを含む。ある特定の実施形態では、このような分析は、流出物の化学組成についてのリアルタイムデータを提供するフロースルーモードまたはストップフローモードで行われる。ある特定の実施形態では、このようなデータは、上記のシステムパラメーターのうちの1つもしくは複数を調整するプロンプトを提供するために使用される。
上記のように、一部の実施形態では、BPLの少なくとも一部分を、第2の反応ゾーンにおいてPPL生成物ストリームに変換する。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、ポリプロピオラクトンの熱分解温度またはそれ未満に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約150℃またはそれ未満に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約0℃〜約150℃に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約25℃〜約150℃に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約50℃〜約150℃に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約75℃〜約150℃に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約100℃〜約150℃に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約0℃〜約100℃に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、約50℃〜約100℃に維持される。
PPLの熱分解
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、PPLをアクリル酸に変換することをさらに含み得る。一部の実施形態では、BPLの重合によって形成されるPPLは、第2の反応ゾーンにおいて熱分解によって併行的にアクリル酸(例えば、GAA)に変換される。一部の実施形態では、PPLへのBPLの反応を含有する第2の反応ゾーンは、PPLの熱による分解によってアクリル酸が生成されるように、PPLの熱分解温度またはそれ超の温度に維持される。いずれの特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、そのような実施形態では、BPLがアクリル酸と反応して、ポリマー鎖が開始すると、熱による分解によりポリマーをアクリル酸に分解し得ると考えられる。
ある特定の実施形態では、第2の反応ゾーンにおいて形成されるような上記のPPL生成物ストリームは、第3の反応ゾーンに方向付けられ、第3の反応ゾーンは、PPLの熱による分解によってアクリル酸が生成されるにように、PPLの熱分解温度またはそれ超の温度に維持される。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、第3の反応ゾーンの温度と異なる。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度は、PPLの熱分解温度未満である。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンに入るPPL生成物ストリームは、ある量の未反応のBPLを含む。言い換えると、PPLの形成は、PPL生成物ストリームが第3の反応ゾーンに入る前に完了する必要はなく、このような場合、BPLは、第3の反応ゾーン内で、PPLへの重合、それに続く熱分解を受け得る。
一部の実施形態では、アクリル酸へのBPL変換は、種々の温度および圧力範囲内で作動することができる第2の反応ゾーンにおいて進行する。一部の実施形態では、温度は、約150℃〜約300℃の範囲でよい。一部の実施形態では、温度は、約150℃〜約200℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約150℃〜約250℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約175℃〜約300℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約200℃〜約250℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約225℃〜約275℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約250℃〜約300℃の範囲である。一部の実施形態では、温度は、約200℃〜約300℃の範囲である。
一部の実施形態では、熱分解は、第3の反応ゾーンにおいて進行し、第3の反応ゾーンは、ポリプロピオラクトンの熱分解温度の温度またはそれ超に維持される。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンの温度は、約150℃またはそれ超に維持される。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンの温度は、約160℃またはそれ超に維持される。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンの温度は、約175℃またはそれ超に維持される。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンの温度は、約200℃またはそれ超に維持される。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンの温度は、約225℃またはそれ超に維持される。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンの温度は、約250℃またはそれ超に維持される。一部の実施形態では、第3の反応ゾーンの温度は、約275℃またはそれ超に維持される。
一部の実施形態では、提供された方法およびシステムにおいて使用される圧力は、約0.01気圧〜約500気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.01気圧〜約10気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約0.01気圧〜約50気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約1気圧〜約10気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約1気圧〜約50気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約1気圧〜約100気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約10気圧〜約50気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約10気圧〜約100気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約50気圧〜約100気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約50気圧〜約200気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約100気圧〜約200気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約100気圧〜約250気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約200気圧〜約300気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約200気圧〜約500気圧(絶対)の範囲でよい。一部の実施形態では、圧力は、約250気圧〜約500気圧(絶対)の範囲でよい。
反応ゾーン
本明細書において使用する場合、用語「反応ゾーン」は、特定の反応が起こる反応器またはその部分を指す。所与の反応は複数の反応ゾーンにおいて起こり得、異なる反応ゾーンは、別々の反応器、または同じ反応器の部分を構成し得る。「反応器」は典型的には、他の反応器またはシステム構成要素への1つまたは複数の接続を有する1つまたは複数の容器を含む。
提供された方法およびシステムの一部の実施形態では、第2の反応ゾーンは、押出機反応器内に含まれる。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンは、反応押出機である。提供された方法およびシステムの一部の実施形態では、第2および第3の反応ゾーンは、押出機反応器内に含まれる。一部の実施形態では、押出機反応器は、第2の反応ゾーンと第3の反応ゾーンとの間の温度勾配を提供する。第2の反応ゾーンの温度は、その中でのそれぞれの反応が行われるために必要とされる相対温度に起因して、第3の反応ゾーンの温度より低くてもよいことを認識されたい。一部の実施形態では、押出機反応器は、約0℃〜約150℃の第2の反応ゾーンにおける温度、および約150℃〜約300℃の第3の反応ゾーンにおける温度を提供する。一部の実施形態では、押出機の末端温度は、PPLの熱分解温度またはそれ超である。
エチレンオキシド
提供された方法およびシステムは、これらの上流の末端において、エチレンオキシド(EO)をオンサイトで生成し、かつEOを中央反応器に提供する酸化反応器を任意選択でさらに含む。ある特定の実施形態では、EOは、エチレンの気相酸化から直接得られる。この実施形態は、有毒および爆発性の両方であるエチレンオキシドを単離し、貯蔵し、輸送する必要性を回避するということにおいて有利である。ある特定の実施形態では、エチレンオキシドは生成されると気相中に維持され、液体に凝縮することなく中央反応器に供給される。他の実施形態では、エチレンオキシドは、液体としてカルボニル化反応に供給される。
このように、ある特定の実施形態では、提供された方法およびシステムは、エチレンが供給される入口、エチレンの少なくともいくらかをEOに変換する酸化的反応ゾーン、およびEOを含む出口ストリーム(これは次いで、カルボニル化のためのEOを含む供給原料ストリームである)を提供する出口を含む酸化反応器をさらに含む。
一酸化炭素
一酸化炭素は、純粋なストリームとして、または一酸化炭素および1種もしくは複数のさらなる気体の混合物として提供することができる。一部の実施形態では、一酸化炭素は、水素との混合物(例えば、合成ガス)中で提供される。一酸化炭素および水素の比は、例えば、1:1、1:2、1:4、1:10、10:1、4:1、もしくは2:1またはこれらの比を終端とする任意の範囲内を含めた任意の比でよい。一部の実施形態では、一酸化炭素は、工業プロセスガスとしてガスとの混合物中で提供される。一酸化炭素源は、例えばとりわけ、木ガス、発生炉ガス、石炭ガス、都市ガス、製造ガス、ハイガス(hygas)、ドーソンガスまたは水性ガスを含む。一部の実施形態では、一酸化炭素は、超大気圧で提供される。
重合触媒
上記のように、BPLをPPLに重合することは、適切な重合触媒の存在下で進行する。ベータラクトンの開環重合のために、多くの触媒が公知である。任意のこのような触媒は、本プロセスにおいて用いることができる。
本明細書において開示されている方法の開環重合ステップに適した触媒は、例えば、Journal of the American Chemical Society(2002年)、124巻(51号)、15239〜15248頁、Macromolecules、第24巻、第20号、5732〜5733頁、Journal of Polymer Science、Part A-1、第9巻、第10号、2775〜2787頁;Inoue, S.、Y. Tomoi、T. TsurutaおよびJ. Furukawa;Macromolecules、第26巻、第20号、5533〜5534頁;Macromolecules、第23巻、第13号、3206〜3212頁;Polymer Preprints(1999年)、40巻(1号)、508〜509頁;Macromolecules、第21巻、第9号、2657〜2668頁;およびJournal of Organometallic Chemistry、第341巻、第1〜3号、83〜9頁;ならびに米国特許第3,678,069号、同第3,169,945号、同第6,133,402号;同第5,648,452号;同第6,316,590号;同第6,538,101号;および同第6,608,170号において開示されている。
ポリエステルへのラクトンの重合は、例えばとりわけ、アルコール、アミン、ポリオール、ポリアミン、およびジオールを含めたいくつかの重合開始剤で行うことができる。さらに、例えば、金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルトなど)、金属酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩、様々な金属のホウ酸塩、ケイ酸塩を含めて種々の触媒を重合反応において使用し得る。一部の変形形態では、重合反応において使用し得る触媒は、例えば、金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルトなど)、金属酸化物、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩(例えば、炭酸塩、ホウ酸塩、水酸化物、アルコキシド、およびカルボン酸塩)、ならびに他の金属のホウ酸塩、ケイ酸塩、または塩を含む。
ある特定の実施形態では、適切な重合触媒は、金属イオンまたは有機カチオンのカルボン酸塩を含む。一部の実施形態では、カルボン酸塩は、炭酸塩以外である。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:100,000までの重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、比は、約1:100,000〜約25:100の重合触媒:BPLである。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:50,000の重合触媒:BPL〜約1:25,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:25,000の重合触媒:BPL〜約1:10,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:20,000の重合触媒:BPL〜約1:10,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:15,000の重合触媒:BPL〜約1:5,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:5,000の重合触媒:BPL〜約1:1,000の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:2,000の重合触媒:BPL〜約1:500の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:1,000の重合触媒:BPL〜約1:200の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:500の重合触媒:BPL〜約1:100の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒:BPLのモル比は、約1:50,000、1:25,000、1:15,000、1:10,000、1:5,000、1:1,000、1:500、1:250またはこれらの値の任意の2つを含めた範囲である。ある特定の実施形態では、重合触媒:BPLのモル比は、約1:100、5:100、10:100、15:100、20:100、25:100またはこれらの値のうちの任意の2つを含めた範囲である。ある特定の実施形態では、重合触媒は、約1:100の重合触媒:BPL〜約25:100の重合触媒:BPLのモル比でBPLと合わせられる。ある特定の実施形態では、重合触媒:BPLのモル比は、約1:100、5:100、10:100、15:100、20:100、25:100またはこれらの比のうちの任意の2つを含めた範囲である。
重合触媒がカルボン酸塩を含むある特定の実施形態では、カルボキシレートは、BPLの重合を開始させることによって、生成されるポリマー鎖がアクリレート鎖末端を有するような構造を有する。ある特定の実施形態では、重合触媒上のカルボン酸イオンは、重合プロセスにおいて使用される連鎖移動剤のアニオン形態である。
ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、式(I)の化合物
Figure 0006847843
のアクリル酸塩(すなわち、アニオン形態)またはこれらの任意の2つもしくはそれ超の混合物であり、式中、pは、0〜9である。ある特定の実施形態では、pは、0〜5である。ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸塩(すなわち、p=0である式(I)の化合物の)である。
ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸二量体
Figure 0006847843
の塩である。ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸三量体
Figure 0006847843
の塩である。
重合触媒がカルボン酸塩を含むある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜40カルボン酸のアニオン形態である。ある特定の実施形態では、カルボン酸塩は、ポリカルボン酸(例えば、2個もしくはそれ超のカルボン酸基を有する化合物)の塩でよい。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜20カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜12カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜8カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、C1〜4カルボン酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、任意選択で置換されている安息香酸のアニオンを含む。ある特定の実施形態では、カルボン酸イオンは、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、吉草酸イオン、酪酸イオン、C5〜10脂肪族カルボン酸イオン、およびC10〜20脂肪族カルボン酸イオンからなる群から選択される。
述べたように、ある特定の実施形態では、重合触媒は、有機カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、正の電荷が、窒素、硫黄、またはリン原子上に少なくとも部分的に位置している、カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、窒素カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、アンモニウム、アミジニウム、グアニジニウム、窒素複素環のカチオン形態、およびこれらの2つもしくはそれ超の任意の組合せからなる群から選択されるカチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、リンカチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、ホスホニウムおよびホスファゼニウムからなる群から選択されるカチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、硫黄含有カチオンのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、スルホニウム塩を含む。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、金属のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、アルカリまたはアルカリ土類金属のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、アルカリ金属のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、ナトリウムまたはカリウムのカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、重合触媒は、ナトリウムのカルボン酸塩を含む。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、プロトン化アミン
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、
各RおよびRは、独立に、水素、あるいはC1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式炭素環;7〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員多環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式複素環;フェニル;または8〜14員多環式アリール環からなる群から選択される、任意選択で置換されているラジカルであり、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、1個もしくは複数のさらなるヘテロ原子を任意選択で含有する1個もしくは複数の任意選択で置換されている環を形成することができ、
各Rは、独立に、水素、あるいはC1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式炭素環;7〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員多環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式複素環;フェニル;または8〜14員多環式アリール環からなる群から選択される、任意選択で置換されているラジカルであり、R基は、RまたはR基と一緒になって、1個もしくは複数の任意選択で置換されている環を形成することができる。
重合触媒がプロトン化アミンのカルボン酸塩を含むある特定の実施形態では、このプロトン化アミンは、
Figure 0006847843
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、第四級アンモニウム塩
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、
各R、RおよびRは、上記に記載され、
各Rは、独立に、水素、あるいはC1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式炭素環;7〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式炭素環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜14員多環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環式環;窒素、酸素、もしくは硫黄から独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する6〜14員飽和もしくは部分不飽和の多環式複素環;フェニル;または8〜14員多環式アリール環からなる群から選択される任意選択で置換されているラジカルであり、R基は、R、RまたはR基と一緒になって、1個もしくは複数の任意選択で置換されている環を形成することができる。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、グアニジニウム基
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはC1〜20脂肪族である。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはC1〜12脂肪族である。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素またはフェニルである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素または8〜10員アリールである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素または5〜10員ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立に、水素または3〜7員複素環である。ある特定の実施形態では、RおよびRの1つもしくは複数は、任意選択で置換されているC1〜12脂肪族である。
ある特定の実施形態では、任意の2個もしくはそれ超のRまたはR基は、介在する原子と一緒になって、1個もしくは複数の任意選択で置換されている炭素環式、複素環式、アリール、またはヘテロアリール環を形成する。ある特定の実施形態では、RおよびR基は、一緒になって、任意選択で置換されている5員または6員環を形成する。ある特定の実施形態では、3個もしくはそれ超のRおよび/またはR基は、一緒になって、任意選択で置換されている縮合環系を形成する。
ある特定の実施形態では、RおよびR基は、介在する原子と一緒になって、
Figure 0006847843
から選択される化合物を形成し、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りであり、環Gは、任意選択で置換されている5〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である。
グアニジニウムカチオンが、
Figure 0006847843
として示されるとき、全てのこのような共鳴形態は、本開示によって企図および包含されることを認識されたい。例えば、このような基はまた、
Figure 0006847843
として示すことができる。
特定の実施形態では、グアニジニウムカチオンは、
Figure 0006847843
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、スルホニウム基またはアルソニウム基、例えば、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、R、R、およびRのそれぞれは、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
特定の実施形態では、アルソニウムカチオンは、
Figure 0006847843
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、任意選択で置換されている窒素含有複素環のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、芳香族複素環である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されている窒素含有複素環は、ピリジン、イミダゾール、ピロリジン、ピラゾール、キノリン、チアゾール、ジチアゾール、オキサゾール、トリアゾール、ピラゾール(pyrazolem)、イソオキサゾール、イソチアゾール、テトラゾール、ピラジン、チアジン、およびトリアジンからなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、四級化された窒素原子を含む。ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、イミニウム部分、例えば、
Figure 0006847843
を含む。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されている窒素含有複素環は、ピリジニウム、イミダゾリウム、ピロリジニウム、ピラゾリウム、キノリニウム、チアゾリウム、ジチアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、イソオキサゾリウム、イソチアゾリウム、テトラゾリウム、ピラジニウム、チアジニウム、およびトリアジニウムからなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、窒素含有複素環は、環窒素原子を介して金属錯体に連結している。ある特定の実施形態では、それに対して結合がなされる環窒素は、それによって四級化されており、ある特定の実施形態では、金属錯体への連結は、N−H結合の代わりをし、それによって窒素原子は中性のままである。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、ピリジニウム誘導体である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、イミダゾリウム誘導体である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、チアゾリウム誘導体である。ある特定の実施形態では、任意選択で置換されているN−連結窒素含有複素環は、ピリジニウム誘導体である。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されている、5〜10員ヘテロアリール基である。ある特定の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されている、6員ヘテロアリール基である。ある特定の実施形態では、環Aは、縮合複素環の環である。ある特定の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されているピリジル基である。
特定の実施形態では、窒素含有複素環式カチオンは、
Figure 0006847843
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、R、R、R、およびRのそれぞれは、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、C1〜20脂肪族;C1〜20ヘテロ脂肪族;フェニル、および8〜10員アリールからなる群から選択される任意選択で置換されている基である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているC1〜20脂肪族である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているフェニルまたは8〜10員アリールである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されている5〜10員ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、介在する原子と一緒になって、任意選択で置換されているC〜C14炭素環、任意選択で置換されているC〜C14複素環、任意選択で置換されているC〜C10アリール、および任意選択で置換されている5〜10員ヘテロアリールからなる群から選択される1個もしくは複数の環を形成することができる。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、任意選択で置換されているC1〜6脂肪族である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、出現する毎に独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、またはベンジルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、出現する毎に独立に、ペルフルオロである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、出現する毎に独立に、−CFCFである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、カチオンは、
Figure 0006847843
であり、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各R、R、およびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、
Figure 0006847843
のカルボン酸塩を含み、式中、各RおよびRは、独立に、上記で定義され、かつ本明細書におけるクラスおよびサブクラスにおいて記載されている通りである。ある特定の実施形態では、適切な触媒は、遷移金属化合物を含む。ある特定の実施形態では、適切な触媒は、酸触媒を含む。ある特定の実施形態では、触媒は、不均一系触媒である。
ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、式(II)の化合物であり、
Figure 0006847843
式中、pは、0〜9であり、Rは、不揮発性部分である。用語「不揮発性部分」は、本明細書において使用する場合、カルボキシレートが結合することができ、かつこのカルボキシレートを熱分解条件に対して不揮発性とする部分または材料を指す(例えば、p=0であるとき)。一部の実施形態では、不揮発性部分は、ガラス表面、シリカ表面、プラスチック表面、ゼオライトを含む金属表面、金属コーティングまたは化学コーティングを含有する表面、膜(例えば、ナイロン、ポリスルホン、シリカ)、マイクロビーズ(例えば、ラテックス、ポリスチレン、または他のポリマー)、および多孔性ポリマーマトリックス(例えば、ポリアクリルアミド、多糖類、ポリメタクリレート)からなる群から選択される。一部の実施形態では、不揮発性部分は、100g/mol超、200g/mol超、500g/mol超、または1000g/mol超の分子量を有する。一部の実施形態では、不揮発性部分は、固定床または充填床システムの一部である。一部の実施形態では、不揮発性部分は、ペレット(例えば、ゼオライト)を含む固定床または充填床システムの一部である。
ある特定の実施形態では、pは、0〜5である。ある特定の実施形態では、重合触媒のカルボン酸塩は、アクリル酸塩(すなわち、p=0である式(II)の化合物の)である。
一部の実施形態では、適切なカルボキシレート触媒は、不均一である。一部の実施形態では、適切なカルボキシレート触媒は、全ての他の生成物、中間体、出発材料、副生成物、および他の反応構成要素の除去の後で塩または溶融物として反応ゾーンにおいて残存する。一部の実施形態では、式(II)の適切なカルボキシレート触媒は、全てのアクリル酸生成物ストリームの除去の後で塩または溶融物として反応ゾーンにおいて残存する。
ある特定の実施形態では、重合触媒は、反応ゾーンにおけるさらなる使用のためにリサイクルされる。一部の実施形態では、塩または溶融触媒は、反応ゾーンにリサイクルされる。一部の実施形態では、提供された方法は、均一系触媒のリサイクルストリームを反応ゾーンに取り出すことをさらに含む。一部の実施形態では、このようなリサイクルストリームは、高沸点溶媒を含み、ここで溶媒の沸点は、PPLの熱分解温度超であり、取り出されたアクリル酸生成物ストリームが気体である一方で、触媒は熱分解の間に高沸点溶媒中に残存する。本明細書において使用する場合、用語「高沸点溶媒」は、PPLの熱分解温度のそれより高い沸点を有する溶媒を指す。一部の実施形態では、高沸点溶媒は、150℃超の沸点を有する。本明細書において使用される沸点は、1atmの圧力での沸点である。
上記の一部の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、0.01重量%未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、0.005重量%未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、200ppm未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、150ppm未満の酸素、100ppm未満の酸素、50ppm未満の酸素、20ppm未満の酸素、10ppm未満の酸素、5ppm未満の酸素、2ppm未満の酸素、または1ppm未満の酸素を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、0.05重量%未満の水を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、0.01重量%未満の水を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、1000ppm未満の水を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、500ppm未満の水、400ppm未満の水、250ppm未満の水、200ppm未満の水、150ppm未満の水、100ppm未満の水、50ppm未満の水、または10ppm未満の水を有する。ある特定の変形形態では、触媒リサイクルストリームは、200ppm未満の合わせた酸素および水を有する。
ナノ濾過
上記で考察したように、ある特定の実施形態では、方法は、ベータラクトン生成物ストリームからカルボニル化触媒を分離することを含む。ベータラクトン生成物ストリームからカルボニル化触媒を分離する方法は当技術分野において公知であり、WO2014/008232に記載されているものを含む。一部の実施形態では、カルボニル化触媒の分離は、ナノ濾過膜でのナノ濾過によって行われる。これは、2つのプロセスストリーム:ナノ濾過膜を通過する有機溶媒の一部分中にベータラクトン生成物を含む透過ストリーム、ならびにナノ濾過膜によって保持されるカルボニル化触媒および有機溶媒の残りを含有する保持液ストリームを生成し得る。一部の実施形態では、有機溶媒およびカルボニル化触媒のこの保持された混合物は、触媒リサイクルストリームとして処理される。これらの実施形態では、触媒リサイクルストリームは、プロセスの第1のステップに戻してもよく、そこで再投入されるか、またはさらなるエポキシドと接触して、シークエンスを再び通過する。一部の実施形態では、透過ストリームを蒸留し、有機溶媒からラクトン生成物を分離する。一部の実施形態では、透過ストリームは、PPLへの重合をもたらす条件下でベータラクトンを処理する前に、蒸留ユニットに供給される。
一部の実施形態では、触媒からのベータラクトンの分離は、ラクトン含有プロセスストリームをナノ濾過膜に曝露させることによって行われる。ナノ濾過膜は好ましくは、有機溶媒に安定性のナノ濾過膜である。任意のナノ濾過膜は、本明細書における趣旨の範囲内で、カルボニル化反応およびナノ濾過膜と適合する任意の有機溶媒または有機溶媒系と組み合わせて使用し得るが、ナノ濾過膜は好ましくは、プロセスが所定のレベルのラクトン形成および触媒分離を達成するように、有機溶媒または溶媒と組み合わせて選択される。
ナノ濾過ステップからもたらされる他のストリームは、保持液ストリームまたは触媒リサイクルストリームである。ある特定の実施形態では、このストリームは、プロセスの最初に戻り、そこでカルボニル化ステップに再び入り、さらなるエポキシドおよび一酸化炭素と接触する。一部の実施形態では、提供された方法は、カルボニル化触媒リサイクルストリームを第1の反応ゾーンに戻すことをさらに含む。ある特定の実施形態では、触媒リサイクルストリームは、カルボニル化プロセスに再び入る前に処理される。このような処理は、例えば、ストリームを濾過するか、濃縮するか、希釈するか、加熱するか、冷却するか、または脱気すること;使用済みの触媒を除去すること;反応副生成物を除去すること;新鮮な触媒を加えること;1種もしくは複数の触媒構成要素を加えること;およびこれらの2つもしくはそれ超の任意の組合せを含むことができる。
アクリレートのリサイクル
BPLからのPPLの重合モードは、典型的なポリエステル重合に反した様式で進行する。ポリエステルは一般に、カルボン酸基のカルボニルにおけるヒドロキシル基の攻撃によって形成される一方、BPL環のひずみは特有の反応性を与え、ここでカルボン酸アニオンはベータ炭素を攻撃して、末端カルボキシレートをもたらし、次いでこれはBPLの別の単位と反応して、ポリマー鎖を成長させ得る。
Figure 0006847843
提供された方法の一部の実施形態では、PPLへのBPLの重合は、アクリレートによって触媒される。したがって、このように得られたポリマー鎖は、アクリレート末端基を含む。PPLがアクリル酸への熱分解を受ける一部の実施形態では、重合を開始させるのに必要とされるカルボキシレートは、生成物ストリームからの戻りループによって提供されるアクリル酸である。一部の実施形態では、提供された方法によって生成されるアクリル酸の一部分は反応ゾーンに戻り、重合が開始する。一部の実施形態では、提供された方法におけるin situで形成されたアクリル酸は、PPLへのBPLの変換を開始および維持するのに十分である。
熱の捕捉
提供された方法の一部の実施形態では、プロセスの一部分から生じた熱は、捕捉される。例えば、PPLへのBPLの重合は発熱のプロセスであり、反応から生じた過剰な熱は、捕捉し得る。ある特定の実施形態では、捕捉した熱は、低位熱である。一部の実施形態では、第2の反応ゾーンの温度を維持するために第2の反応ゾーンから生じた熱が使用される。提供された方法の一部の実施形態では、第2の反応ゾーンから生じた熱は捕捉され、他のプロセスに方向付けられる。ある特定の実施形態では、熱は、第3の反応ゾーンに方向付けられる。一部の実施形態では、熱は、カルボニル化溶媒の蒸留に方向付けられる。ある特定の実施形態では、熱は、BPLを提供するために使用されるカルボニル化プロセスを含有する第1の反応ゾーンに方向付けられる。一部の実施形態では、熱は、下流の生成物ストリーム(例えば、アクリル酸)を適当な温度で保持するために方向付けられる。
反応モード
本明細書における方法は、用いる反応器のタイプ、サイズまたは幾可学的形状に対する特定の制限はなく、実際、場合によって、1つ超の反応器を用い得る。本明細書における方法に記載されている用語「反応器」は実際に、1つ超の物理的反応器を表し得る(例えば、反応器は、並列もしくは直列で接続している一連の連続撹拌槽型反応器(CSTR)、または複数の栓流反応器でよい)ことを理解すべきである。一部の実施形態では、本明細書における方法において言及される「反応器」はまた、1種超の反応器を含み得る(例えば、反応器は、一連の押出機反応器を含むことができる)。多くのこのような組合せは当技術分野において公知であり、当業者が用いて、本明細書に記載の方法において効率的な反応を達成することができる。
重合溶媒
一部の実施形態では、PPLへのBPLの重合は、溶媒の非存在下で進行する。他の実施形態では、ベータラクトンを重合触媒と接触させることは、1種もしくは複数の溶媒の存在下で行われる。適切な溶媒は、例えば、炭化水素、エーテル、エステル、ケトン、ニトリル、アミド、スルホン、ハロゲン化炭化水素などを含むことができる。ある特定の実施形態では、溶媒は、形成されるポリマーが反応媒体中で可溶性であるように選択される。
カルボニル化触媒および重合触媒の特定の組合せでは、1つの反応における最適な溶媒が、他の反応と非適合性であるという、溶媒の直交性が観察されてきた。例えば、一部の変形形態では、カルボニル化反応は、溶媒中で起こってもよく、一方、重合は、このような溶媒中では起こらない。したがって、ある特定の実施形態では、提供された方法は、反応ストリームからのカルボニル化溶媒の除去、および任意選択で重合反応のための別の溶媒の添加を許容することによって、各反応についての最良の溶媒を選択する機会をもたらす。一部の実施形態では、カルボニル化溶媒および重合溶媒は異なる。
いずれの特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、低極性から中等度の極性のルイス塩基を含む溶媒は、重合反応の成績を改善し得ると考えられる。このように、ある特定の実施形態では、重合溶媒は、ルイス塩基を含み、1,3−ジオキサン(ε=20℃での誘電率=13.6)より極性が低い。ある特定の実施形態では、重合溶媒は、ルイス塩基を含み、オルト−ジフルオロベンゼン(ε=13)より極性が低い。ある特定の実施形態では、重合溶媒は、ルイス塩基を含み、メタジフルオロベンゼン(ε=5)より極性が低い。ある特定の実施形態では、重合溶媒は、1,4−ジオキサン(ε=2.2)と実質的に同じ極性を有するルイス塩基を含む。一部の実施形態では、重合溶媒は、誘電率によって測定される場合に、カルボニル化溶媒より極性が低い。一部の実施形態では、重合溶媒は、20℃にて約13.6未満、約13未満、または約5未満の誘電率を有する。
II.システム
別の態様において、PPLの合成のためのシステムを提供する。一部の実施形態では、ポリプロピオラクトンへのエチレンオキシドの変換のためのシステムは、
(a)エチレンオキシドおよび一酸化炭素;
(b)カルボニル化溶媒の存在下でエチレンオキシドおよび一酸化炭素がカルボニル化触媒と接触し、EOの少なくとも一部分が、ベータプロピオラクトン生成物ストリームに変換される、第1の反応ゾーン;
(c)ベータプロピオラクトン生成物ストリームからカルボニル化溶媒を除去するための溶媒除去ユニット;ならびに
(d)溶媒除去の後にベータプロピオラクトン生成物ストリーム中に導入される、カルボニル化溶媒と異なる任意選択の第2の溶媒;ならびに
(e)ベータプロピオラクトン生成物ストリームが、適切な重合触媒と接触し、ベータプロピオラクトンの少なくとも一部分が、ポリプロピオラクトンを形成する、第2の反応ゾーン
を含む。
一部の変形形態では、エチレンオキシドをポリプロピオラクトン(PPL)に変換するためのシステムであって、
エチレンオキシド源;
一酸化炭素源;
カルボニル化触媒源;
カルボニル化溶媒源;
重合触媒源;
第1の反応ゾーンであって、エチレンオキシド源からのエチレンオキシド、一酸化炭素源からの一酸化炭素、カルボニル化触媒源からのカルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒源からのカルボニル化溶媒を受け、第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下でエチレンオキシドおよび一酸化炭素をカルボニル化触媒と接触させることから、ベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームを出力するように構成されており、BPL生成物ストリームは、カルボニル化溶媒およびBPLを含む、第1の反応ゾーン;
BPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去するように構成されている溶媒除去ユニット;ならびに
第2の反応ゾーンであって、溶媒除去ユニットからのBPL生成物ストリーム、および重合触媒源からの重合触媒を受け、第2の反応ゾーンにおいてBPL生成物ストリームを重合触媒と接触させることからPPL生成物ストリームを出力するように構成されており、PPL生成物ストリームは、PPLを含む、第2の反応ゾーン
を含む、システムを提供する。
一部の変形形態では、エチレンオキシドをポリプロピオラクトン(PPL)に変換するためのシステムであって、
エチレンオキシド源;
一酸化炭素源;
カルボニル化触媒源;
カルボニル化溶媒源;
重合触媒源;
第1の反応ゾーンであって、エチレンオキシド源からのエチレンオキシド、一酸化炭素源からの一酸化炭素、カルボニル化触媒源からのカルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒源からのカルボニル化溶媒を受け、第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下でエチレンオキシドおよび一酸化炭素をカルボニル化触媒と接触させることから、ベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームを出力するように構成されており、BPL生成物ストリームは、カルボニル化溶媒およびBPLを含む、第1の反応ゾーン;
BPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去するように構成されている溶媒除去ユニット;ならびに
第2の反応ゾーンであって、溶媒除去ユニットからのBPL生成物ストリーム、および重合触媒源からの重合触媒を受け、第2の反応ゾーンにおいてBPL生成物ストリームを重合触媒と接触させることからPPL生成物ストリームを出力するように構成されており、PPL生成物ストリームは、PPLを含む、第2の反応ゾーン
を含む、システムを提供する。
1つの変形形態では、システムは、BPL生成物ストリームと合わせるための第2の溶媒を出力するように構成されている第2の溶媒源であって、第2の溶媒が、カルボニル化溶媒と異なる、第2の溶媒源をさらに含む。
「第1の反応ゾーン」および「第2の反応ゾーン」など、または「第1の溶媒」および「第2の溶媒」など、または「第1の溶媒源」および「第2の溶媒源」などへの言及は、反応ゾーン、溶媒または溶媒源の順序を必ずしも暗示しないことを一般に理解すべきである。一部の変形形態では、このように言及することは、存在する反応ゾーン、溶媒または溶媒源の数を示す。他の変形形態では、順序は、反応ゾーン、溶媒または溶媒源が構成または使用される状況によって暗示され得る。
例えば、図1は、ポリプロピオラクトンおよび精アクリル酸の生成のための例示的なシステム100を示す。図1を参照すると、EO源102からのエチレンオキシド(EO)、CO源104からの一酸化炭素(CO)、触媒タンク106からのカルボニル化触媒、および溶媒源108からのカルボニル化溶媒は、ラクトン反応器110に供給され、BPLが生成される。ラクトン反応器110を出る生成物ストリーム中の過剰な一酸化炭素116は、フラッシュタンク112および凝縮器114によって除去してもよく、一方、BPL生成物ストリームは、カルボニル化触媒の除去のためのナノ濾過システム120に入る。システムの一部の変形形態では、BPL生成物ストリームは、ナノ濾過ユニット120へ入る前に、プレフィルター118を通過し得る。カルボニル化触媒リサイクルループ121は、回収したカルボニル化触媒をラクトン反応器110に再び供給し得る。次いで、ナノ濾過ユニット120を出る濾過されたBPL生成物ストリームは、蒸留ユニット122に入り、そこでカルボニル化溶媒はBPLから除去され、取り出された溶媒ストリームは、リサイクル貯蔵124において貯蔵され得、かつ/またはラクトン反応器110に戻され得る。PPL触媒タンク128からのPPL触媒は、未希釈BPLストリーム126と合わさり、任意選択で第2の溶媒(図1において示さず)と共に、押出機反応器130に集合的に入る。PPL合成は押出機反応器130において起こり、取り出され、熱分解反応器132に方向付けられる。熱分解反応器132は、PPLの熱分解温度またはそれ超の温度に維持してもよく、GAA生成物ストリーム134が取り出される。一部の変形形態では、システム100は、高沸点不純物を凝縮する凝縮器136をさらに含んでもよく、次いで、このような不純物は、反応器から残留する廃ストリームとしてパージすることができる。廃棄物138は、熱分解反応器132からパージされ得る。
1つもしくは複数のユニットが、図1において示す例示的なシステム100において、省略されても加えられてもよいことを一般に理解すべきである。例えば、一部の変形形態では、触媒タンク106は、ラクトン反応器110における固定床配置における不均一カルボニル化触媒の使用を優先して省略し得る。他の変形形態では、プレフィルター118は省略してもよく、BPL生成物ストリームは、ナノ濾過ユニット120中を直接通過し得る。他の変形形態では、カルボニル化触媒リサイクルループ112は、ラクトン反応器110に戻る前に、さらなる精製(例えば、さらなる蒸留ユニットを含めた)にさらに精製し得る。
方法のための本明細書に記載されている変形形態および実施形態のいずれもまた、本明細書に記載されているシステムに適用し得ることを一般に理解すべきである。
実施形態の列挙
下記の実施形態の列挙は、本発明のいくつかの態様の代表的なものである。
1.ポリプロピオラクトンの合成のための方法であって、
(a)エチレンオキシド(EO)の供給原料ストリームおよび一酸化炭素の供給原料ストリームを用意することであって、これらの供給原料ストリームを任意選択で合わせることと;
(b)供給原料ストリームを第1の反応ゾーンに方向付け、そこでカルボニル化溶媒の存在下でカルボニル化触媒と接触させ、EOの少なくとも一部分を、ベータプロピオラクトン(BPL)を含むBPL生成物ストリームに変換することと;
(c)カルボニル化触媒をベータラクトン生成物ストリームから分離し、カルボニル化触媒リサイクルストリームを得ることと;
(d)BPLおよびカルボニル化溶媒を含むベータプロピオラクトン生成物ストリームを、カルボニル化溶媒除去ゾーンに方向付け、そこでカルボニル化溶媒を、ベータプロピオラクトン生成物ストリームから除去することと;
(e)ステップ(d)の後に第2の溶媒をベータプロピオラクトン生成物ストリーム中に任意選択で導入し、ベータプロピオラクトン生成物ストリームを第2の反応ゾーンに方向付け、そこでBPLを重合触媒と接触させ、ポリプロピオラクトンを形成することと
を含む、方法。
2.ステップ(d)が、カルボニル化溶媒を蒸留し、カルボニル化溶媒の蒸留ストリームを取り出すことを含む、実施形態1に記載の方法。
3.カルボニル化溶媒が、1atmで160℃未満の沸点を有する、実施形態1または2に記載の方法。
4.第2の反応ゾーンが、反応押出機である、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
5.ステップ(c)が、ナノ濾過膜でのナノ濾過を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
6.第1の反応ゾーンに戻されるカルボニル化触媒リサイクルストリームを戻すステップをさらに含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
7.第2の反応ゾーンの温度を維持するために、ステップ(e)において生じた熱が使用される、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
8.ステップ(e)から生じた熱を捕捉し、その熱を他のプロセスに方向付けるステップをさらに含む、実施形態4に記載の方法。
9.熱が、カルボニル化溶媒の蒸留に方向付けられる、実施形態8に記載の方法。
10.ステップ(e)におけるベータプロピオラクトン生成物ストリームが、第2の反応ゾーン中に導入されたときに未希釈である、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
11.ステップ(e)の重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9である)。
12.ステップ(e)の重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、実施形態1〜10のいずれか一項に記載の方法
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9であり、Rは、不揮発性部分である)。
13.カルボニル化触媒が、金属カルボニルを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
14.カルボニル化溶媒が、極性供与溶媒を含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
15.ステップ(e)が、溶媒の非存在下で行われる、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
16.ステップ(e)の第2の溶媒が、カルボニル化溶媒と異なる、実施形態1〜14のいずれか一項に記載の方法。
17.ステップ(e)の第2の溶媒が、誘電率によって測定される場合に、カルボニル化溶媒より極性が低い、実施形態1〜14または16のいずれか一項に記載の方法。
18.ポリプロピオラクトンへのエチレンオキシドの変換のためのシステムであって、
(a)エチレンオキシドおよび一酸化炭素;
(b)カルボニル化溶媒の存在下でエチレンオキシドおよび一酸化炭素がカルボニル化触媒と接触し、EOの少なくとも一部分が、ベータプロピオラクトン生成物ストリームに変換される、第1の反応ゾーン;
(c)ベータプロピオラクトン生成物ストリームからカルボニル化溶媒を除去するための溶媒除去ユニット;ならびに
(d)溶媒除去の後にベータプロピオラクトン生成物ストリーム中に導入される、カルボニル化溶媒と異なる任意選択の第2の溶媒;ならびに
(e)ベータプロピオラクトン生成物ストリームが、適切な重合触媒と接触し、ベータプロピオラクトンの少なくとも一部分が、ポリプロピオラクトンを形成する、第2の反応ゾーン
を含む、システム。
19.カルボニル化溶媒が、1atmで160℃未満の沸点を有する、実施形態18に記載のシステム。
20.第2の反応ゾーンが、反応押出機である、実施形態18または19に記載のシステム。
21.溶媒除去ユニットが、ナノ濾過膜を含む、実施形態18〜20のいずれか一項に記載のシステム。
22.熱交換器が、第2の反応ゾーンに接続されている、実施形態18〜21のいずれか一項に記載のシステム。
23.重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、実施形態18〜22のいずれか一項に記載のシステム
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9である)。
24.重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、実施形態18〜22のいずれか一項に記載のシステム
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9であり、Rは、不揮発性部分である)。
25.カルボニル化触媒が、金属カルボニルを含む、実施形態18〜24のいずれか一項に記載のシステム。
26.カルボニル化溶媒が、極性供与溶媒を含む、実施形態18〜25のいずれか一項に記載のシステム。
27.第2の溶媒が、カルボニル化溶媒と異なる、実施形態18〜26のいずれか一項に記載のシステム。
28.第2の溶媒が、誘電率によって測定される場合に、カルボニル化溶媒より極性が低い、実施形態18〜27のいずれか一項に記載のシステム。
29.ポリプロピオラクトン(PPL)を生成するための方法であって、
エチレンオキシド(EO)の供給原料ストリームおよび一酸化炭素の供給原料ストリームを用意することであって、これらの供給原料ストリームを任意選択で合わせることと;
供給原料ストリームを第1の反応ゾーンに方向付けることと;
第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下で供給原料ストリームをカルボニル化触媒と接触させ、EOの少なくとも一部分をベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームに変換することであって、BPL生成物ストリームは、BPL、カルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒を含むことと;
BPL生成物ストリームからカルボニル化触媒の少なくとも一部分を分離して、カルボニル化触媒リサイクルストリームおよび加工されたBPL生成物ストリームを生成することであって、加工されたBPL生成物ストリームは、BPLおよびカルボニル化溶媒を含むことと;
加工されたBPL生成物ストリームをカルボニル化溶媒除去ゾーンに方向付けることと;
加工されたBPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去して、重合供給ストリームを生成することであって、重合供給ストリームは、BPLを含むことと;
重合供給ストリームを第2の反応ゾーンに方向付けることと;
第2の反応ゾーンにおいて重合供給ストリーム中のBPLを重合触媒と接触させて、PPLを生成することと
を含む、方法。
30.重合供給ストリームを重合触媒と接触させる前に、第2の溶媒を重合供給ストリーム中に導入することをさらに含む、実施形態29に記載の方法。
31.加工されたBPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去することが、カルボニル化溶媒の少なくとも一部分を蒸留することと、カルボニル化溶媒の蒸留ストリームを取り出すこととを含む、実施形態29または30に記載の方法。
32.カルボニル化溶媒が、1atmで160℃未満の沸点を有する、実施形態29〜31のいずれか一項に記載の方法。
33.カルボニル化溶媒が、1atmで、150℃未満、140℃未満、130℃未満、120℃未満、110℃未満、100℃未満、90℃未満、もしくは80℃未満;または60℃〜160℃、60℃〜150℃、60℃〜140℃、60℃〜130℃、60℃〜120℃、60℃〜110℃、60℃〜110℃、60℃〜100℃、60℃〜90℃、60℃〜80℃、70℃〜160℃、70℃〜150℃、70℃〜140℃、70℃〜130℃、70℃〜120℃、70℃〜110℃、70℃〜110℃、70℃〜100℃、70℃〜90℃、もしくは70℃〜80℃の沸点を有する、実施形態32に記載の方法。
34.第2の反応ゾーンが、反応押出機である、実施形態29〜33のいずれか一項に記載の方法。
35.BPL生成物ストリームからカルボニル化触媒の少なくとも一部分を分離することが、ナノ濾過膜でのナノ濾過を含む、実施形態29〜34のいずれか一項に記載の方法。
36.第1の反応ゾーンに戻されるカルボニル化触媒リサイクルストリームを戻すことをさらに含む、実施形態29〜35のいずれか一項に記載の方法。
37.熱が、重合供給ストリーム中のBPLを重合触媒と接触させることによって生じる、実施形態29〜36のいずれか一項に記載の方法。
38.第2の反応ゾーンの温度を維持するために、生じた熱の少なくとも一部分が使用される、実施形態37に記載の方法。
39.生じた熱の少なくとも一部分を捕捉し、捕捉した熱を他のプロセスに方向付けることをさらに含む、実施形態37に記載の方法。
40.捕捉した熱が、カルボニル化溶媒の蒸留に方向付けられる、実施形態39に記載の方法。
41.重合供給ストリームが、第2の反応ゾーン中に導入されるとき、未希釈である、実施形態29〜40のいずれか一項に記載の方法。
42.重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、実施形態29〜41のいずれか一項に記載の方法
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9である)。
43.重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、実施形態29〜41のいずれか一項に記載の方法
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9であり、Rは、不揮発性部分である)。
44.カルボニル化触媒が、金属カルボニルを含む、実施形態29〜43のいずれか一項に記載の方法。
45.カルボニル化溶媒が、極性供与溶媒を含む、実施形態29〜44のいずれか一項に記載の方法。
46.重合供給ストリーム中のBPLを重合触媒と接触させることが、溶媒の非存在下で行われる、実施形態29〜45のいずれか一項に記載の方法。
47.第2の溶媒が、カルボニル化溶媒と異なる、実施形態30〜46のいずれか一項に記載の方法。
48.第2の溶媒が、誘電率によって測定される場合に、カルボニル化溶媒より極性が低い、実施形態30〜45または47のいずれか一項に記載の方法。
49.供給原料ストリームがそれぞれ独立に、0.005重量%未満の酸素を有する、実施形態29〜48のいずれか一項に記載の方法。
50.供給原料ストリームがそれぞれ独立に、200ppm未満の酸素、150ppm未満の酸素、100ppm未満の酸素、50ppm未満の酸素、20ppm未満の酸素、10ppm未満の酸素、5ppm未満の酸素、2ppm未満の酸素、または1ppm未満の酸素を有する、実施形態29〜48のいずれか一項に記載の方法。
51.供給原料ストリームがそれぞれ独立に、0.05重量%未満の水、または0.01重量%未満の水を有する、実施形態29〜50のいずれか一項に記載の方法。
52.供給原料ストリームがそれぞれ独立に、1000ppm未満の水、500ppm未満の水、400ppm未満の水、250ppm未満の水、200ppm未満の水、150ppm未満の水、100ppm未満の水、50ppm未満の水、または10ppm未満の水を有する、実施形態29〜50のいずれか一項に記載の方法。
53.供給原料ストリームがそれぞれ独立に、200ppm未満の合わせた酸素および水を有する、実施形態29〜50のいずれか一項に記載の方法。
54.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、0.005重量%未満の酸素を有する、実施形態29〜53のいずれか一項に記載の方法。
55.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、200ppm未満の酸素、150ppm未満の酸素、100ppm未満の酸素、50ppm未満の酸素、20ppm未満の酸素、10ppm未満の酸素、5ppm未満の酸素、2ppm未満の酸素、または1ppm未満の酸素を有する、実施形態29〜53のいずれか一項に記載の方法。
56.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、0.05重量%未満の水、または0.01重量%未満の水を有する、実施形態29〜55のいずれか一項に記載の方法。
57.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、1000ppm未満の水、500ppm未満の水、400ppm未満の水、250ppm未満の水、200ppm未満の水、150ppm未満の水、100ppm未満の水、50ppm未満の水、または10ppm未満の水を有する、実施形態29〜55のいずれか一項に記載の方法。
58.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、200ppm未満の合わせた酸素および水を有する、実施形態29〜57のいずれか一項に記載の方法。
59.エチレンオキシドをポリプロピオラクトン(PPL)に変換するためのシステムであって、
エチレンオキシド源;
一酸化炭素源;
カルボニル化触媒源;
カルボニル化溶媒源;
重合触媒源;
第1の反応ゾーンであって、エチレンオキシド源からのエチレンオキシド、一酸化炭素源からの一酸化炭素、カルボニル化触媒源からのカルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒源からのカルボニル化溶媒を受け、第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下でエチレンオキシドおよび一酸化炭素をカルボニル化触媒と接触させることから、ベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームを出力するように構成されており、BPL生成物ストリームは、カルボニル化溶媒およびBPLを含む、第1の反応ゾーン;
BPL生成物ストリームを受け、BPL生成物ストリームからカルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去するように構成されている溶媒除去ユニット;ならびに
第2の反応ゾーンであって、溶媒除去ユニットからのBPL生成物ストリーム、および重合触媒源からの重合触媒を受け、第2の反応ゾーンにおいてBPL生成物ストリームを重合触媒と接触させることからPPL生成物ストリームを出力するように構成されており、PPL生成物ストリームは、PPLを含む、第2の反応ゾーン
を含む、システム。
60.BPL生成物ストリームと合わせるための第2の溶媒を出力するように構成されている第2の溶媒源であって、第2の溶媒が、カルボニル化溶媒と異なる、第2の溶媒源をさらに含む、実施形態59に記載のシステム。
61.カルボニル化溶媒が、1atmで160℃未満の沸点を有する、実施形態59または60に記載のシステム。
62.カルボニル化溶媒が、1atmで、150℃未満、140℃未満、130℃未満、120℃未満、110℃未満、100℃未満、90℃未満、もしくは80℃未満;または60℃〜160℃、60℃〜150℃、60℃〜140℃、60℃〜130℃、60℃〜120℃、60℃〜110℃、60℃〜110℃、60℃〜100℃、60℃〜90℃、60℃〜80℃、70℃〜160℃、70℃〜150℃、70℃〜140℃、70℃〜130℃、70℃〜120℃、70℃〜110℃、70℃〜110℃、70℃〜100℃、70℃〜90℃、もしくは70℃〜80℃の沸点を有する、実施形態61に記載のシステム。
63.第2の反応ゾーンが、反応押出機である、実施形態59〜62のいずれか一項に記載のシステム。
64.BPL生成物ストリームを受け、BPL生成物ストリームからカルボニル化触媒の少なくとも一部分を除去し、触媒リサイクルストリームおよび重合供給ストリームを出力するように構成されているナノ濾過膜をさらに含み、
重合供給ストリームが、BPLを含み、第2の反応ゾーンが、重合供給ストリームを受けるように構成されている、実施形態59〜63のいずれか一項に記載のシステム。
65.ナノ濾過膜から第1の反応ゾーンへと触媒リサイクルストリーム出力物を戻すように構成されているカルボニル化触媒リサイクルループをさらに含む、実施形態64に記載のシステム。
66.第2の反応ゾーンにおいて生じた熱の少なくとも一部分を捕捉するように構成されている熱交換器をさらに含む、実施形態59〜65のいずれか一項に記載のシステム。
67.重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、実施形態59〜66のいずれか一項に記載のシステム
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9である)。
68.重合触媒が、以下の式の化合物の塩である、実施形態59〜66のいずれか一項に記載のシステム
Figure 0006847843
(式中、pは、0〜9であり、Rは、不揮発性部分である)。
69.カルボニル化触媒が、金属カルボニルを含む、実施形態59〜68のいずれか一項に記載のシステム。
70.カルボニル化溶媒が、極性供与溶媒を含む、実施形態59〜69のいずれか一項に記載のシステム。
71.第2の溶媒が、カルボニル化溶媒と異なる、実施形態60〜70のいずれか一項に記載のシステム。
72.第2の溶媒が、誘電率によって測定される場合に、カルボニル化溶媒より極性が低い、実施形態60〜71のいずれか一項に記載のシステム。
73.エチレンオキシドおよび一酸化炭素がそれぞれ独立に、0.005重量%未満の酸素を有する、実施形態59〜72のいずれか一項に記載のシステム。
74.エチレンオキシドおよび一酸化炭素がそれぞれ独立に、200ppm未満の酸素、150ppm未満の酸素、100ppm未満の酸素、50ppm未満の酸素、20ppm未満の酸素、10ppm未満の酸素、5ppm未満の酸素、2ppm未満の酸素、または1ppm未満の酸素を有する、実施形態59〜72のいずれか一項に記載のシステム。
75.エチレンオキシドおよび一酸化炭素がそれぞれ独立に、0.05重量%未満の水、または0.01重量%未満の水を有する、実施形態59〜74のいずれか一項に記載のシステム。
76.エチレンオキシドおよび一酸化炭素がそれぞれ独立に、1000ppm未満の水、500ppm未満の水、400ppm未満の水、250ppm未満の水、200ppm未満の水、150ppm未満の水、100ppm未満の水、50ppm未満の水、または10ppm未満の水を有する、実施形態59〜74のいずれか一項に記載のシステム。
77.エチレンオキシドおよび一酸化炭素がそれぞれ独立に、200ppm未満の合わせた酸素および水を有する、実施形態59〜76のいずれか一項に記載のシステム。
78.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、0.005重量%未満の酸素を有する、実施形態64〜77のいずれか一項に記載のシステム。
79.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、200ppm未満の酸素、150ppm未満の酸素、100ppm未満の酸素、50ppm未満の酸素、20ppm未満の酸素、10ppm未満の酸素、5ppm未満の酸素、2ppm未満の酸素、または1ppm未満の酸素を有する、実施形態64〜77のいずれか一項に記載のシステム。
80.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、0.05重量%未満の水、または0.01重量%未満の水を有する、実施形態64〜79のいずれか一項に記載のシステム。
81.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、1000ppm未満の水、500ppm未満の水、400ppm未満の水、250ppm未満の水、200ppm未満の水、150ppm未満の水、100ppm未満の水、50ppm未満の水、または10ppm未満の水を有する、実施形態64〜79のいずれか一項に記載のシステム。
82.カルボニル化触媒リサイクルストリームが、200ppm未満の合わせた酸素および水を有する、実施形態64〜81のいずれか一項に記載のシステム。
上記は本発明の特定の非限定的な実施形態の説明である。したがって、本明細書において記載した本発明の実施形態は、本発明の原理の適用の単に例示であることを理解すべきである。本明細書において例示した実施形態の詳細への言及は、特許請求の範囲を限定することを意図せず、特許請求の範囲自体が、本発明に不可欠であると見なされるフィーチャを説明する。

Claims (20)

  1. ポリプロピオラクトン(PPL)を生成するための方法であって、
    エチレンオキシド(EO)の供給原料ストリームおよび一酸化炭素の供給原料ストリームを用意することであって、前記供給原料ストリームを任意選択で合わせることと;
    前記供給原料ストリームを第1の反応ゾーンに方向付けることと;
    前記第1の反応ゾーンにおいてカルボニル化溶媒の存在下で前記供給原料ストリームをカルボニル化触媒と連続的に接触させ、前記EOの少なくとも一部分をベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームに変換することであって、前記BPL生成物ストリームは、BPL、カルボニル化触媒、およびカルボニル化溶媒を含むことと;
    前記BPL生成物ストリームからカルボニル化触媒の少なくとも一部分を分離して、カルボニル化触媒リサイクルストリームおよび加工されたBPL生成物ストリームを生成することであって、前記加工されたBPL生成物ストリームは、BPLおよびカルボニル化溶媒を含むことと;
    前記加工されたBPL生成物ストリームをカルボニル化溶媒除去ゾーンに方向付けることと;
    前記加工されたBPL生成物ストリームから前記カルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去して、重合供給ストリームを生成することであって、前記重合供給ストリームは、BPLを含むことと;
    前記重合供給ストリームを第2の反応ゾーンに方向付けることと;
    前記第2の反応ゾーンにおいて第2の溶媒の存在下または溶媒の非存在下で前記重合供給ストリーム中のBPLを重合触媒とバッチ、セミバッチまたは連続で接触させて、PPLを生成することと
    を含む、方法。
  2. 前記重合供給ストリームを前記重合触媒と接触させる前に、前記第2の溶媒を前記重合供給ストリーム中に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記加工されたBPL生成物ストリームからの前記カルボニル化溶媒の少なくとも一部分を前記除去することが、前記カルボニル化溶媒の少なくとも一部分を蒸留することと、前記カルボニル化溶媒の蒸留ストリームを取り出すこととを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記カルボニル化溶媒が、1atmで160℃未満の沸点を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第2の反応ゾーンが、反応押出機である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記BPL生成物ストリームからカルボニル化触媒の少なくとも一部分を前記分離することが、ナノ濾過膜でのナノ濾過を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の反応ゾーンに戻される前記カルボニル化触媒リサイクルストリームを戻すことをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 熱が、前記重合供給ストリーム中の前記BPLを前記重合触媒と接触させることによって生じ、前記第2の反応ゾーンの温度を維持するために前記熱の少なくとも一部分が使用される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 熱が、前記重合供給ストリーム中の前記BPLを前記重合触媒と接触させることによって生じ、前記方法が、前記熱の少なくとも一部分を捕捉し、前記捕捉した熱を他のプロセ
    スに方向付けることをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記熱が、前記カルボニル化溶媒の前記蒸留に方向付けられる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記重合供給ストリームが、前記第2の反応ゾーン中に導入されるとき、未希釈である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記重合触媒が、以下の式
    Figure 0006847843
    の化合物の塩であり、式中、pは、0〜9である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記重合触媒が、以下の式
    Figure 0006847843
    の化合物の塩であり、式中、pは、0〜9であり、Rは、不揮発性部分である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記カルボニル化触媒が、金属カルボニルを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記カルボニル化溶媒が、極性供与溶媒を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記重合供給ストリーム中の前記BPLを前記重合触媒と前記接触させることが、溶媒の非存在下で行われる、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第2の溶媒が、前記カルボニル化溶媒と異なる、請求項2から15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第2の溶媒が、誘電率によって測定される場合に、前記カルボニル化溶媒より極性が低い、請求項2から15または17のいずれか一項に記載の方法。
  19. エチレンオキシドをポリプロピオラクトン(PPL)に変換するためのシステムであって、
    エチレンオキシド源;
    一酸化炭素源;
    カルボニル化触媒源;
    カルボニル化溶媒源;
    重合触媒源;
    第1の反応ゾーンであって、前記エチレンオキシド源からのエチレンオキシド、前記一酸化炭素源からの一酸化炭素、前記カルボニル化触媒源からのカルボニル化触媒、および前記カルボニル化溶媒源からのカルボニル化溶媒を連続的に受け、前記第1の反応ゾーンにおいて前記カルボニル化溶媒の存在下で前記エチレンオキシドおよび前記一酸化炭素を前記カルボニル化触媒と接触させることから、ベータプロピオラクトン(BPL)生成物ストリームを出力するように構成されており、前記BPL生成物ストリームは、カルボニル化溶媒およびBPLを含む、第1の反応ゾーン;
    前記BPL生成物ストリームから前記カルボニル化溶媒の少なくとも一部分を除去するように構成されている溶媒除去ユニット
    第2の反応ゾーンであって、前記溶媒除去ユニットからの前記BPL生成物ストリーム、および前記重合触媒源からの重合触媒をバッチ、セミバッチまたは連続で受け、前記第2の反応ゾーンにおいて前記BPL生成物ストリームを前記重合触媒と接触させることからPPL生成物ストリームを出力するように構成されており、前記PPL生成物ストリームは、PPLを含む、第2の反応ゾーン;ならびに
    任意選択で第2の溶媒源
    を含む、システム。
  20. 前記第2の溶媒源をさらに含み、該第2の溶媒源が、前記BPL生成物ストリームと合わせるための第2の溶媒を出力するように構成されており第2の溶媒が、前記カルボニル化溶媒と異なる、請求項19に記載のシステム。
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