JP6847559B2 - 荷受台昇降装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷受台を昇降させて車両の荷台に対する荷役作業を支援する荷受台昇降装置に関し、特に回動するアームにより荷受台を昇降させる荷受台昇降装置に係る。
荷受台昇降装置とは、車両の荷台の床面の高さと地面の高さとの間で荷受台を昇降させ、車両の荷台に対する荷物等の積み卸し作業を支援する装置である(特許文献1等参照)。
特開2017−178171号公報
荷受台昇降装置においては、荷台の床面の高さまで上昇した際の荷受台と荷台との間に例えば製作精度や取り付け精度によって若干の隙間が生じ得る。また車両の荷台には水切りと呼ばれる窪みが設けられている場合がある。こうした隙間や水切りがあると荷台と荷受台との間の台車の行き来の円滑性を阻害する。そこで、車両の荷台には例えば回動反転式の道板と呼ばれる部材が設置される場合がある。荷受台が上昇した際にこの道板を手作業で反転させて荷台の縁部から突出させることで、荷受台と荷台との間に道板が架かった状態となる。必要に応じてこの道板を渡すことにより、荷台と荷受台との間で台車をスムーズに行き来させることができる。しかし、荷受台昇降装置を使用する度に荷台と荷受台との間に道板を手作業で渡すのは面倒である。
本発明の目的は、荷台と荷受台との間に道板を手作業で渡す必要がなく、台車を用いた荷役作業を効率的に行うことができる荷受台昇降装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、前記荷受台に対して上下方向に回動可能に連結されたリンクと、前記リンクに弾性力を作用させて前記リンクを上方に押し上げる弾性体と、前記荷受台の前記荷台との対向部に設けられて前記リンクにより押し上げられて起立する道板とを備え、前記荷受台の上昇動作に連動して前記リンクが下方に回動するように構成された荷受台昇降装置であって、前記荷受台の上昇中に前記リンクが前記荷台に接触して前記荷受台の上昇に伴って前記道板と共に下方に回動し、前記荷受台が前記荷台の高さまで上昇すると前記荷台と前記荷受台との間の隙間位置に前記道板が倒れるように構成されており、前記リンクの回動中心よりも低位置に配置された下ローラと、前記下ローラよりも前記回動中心からの距離が短い上ローラとが前記リンクに備わっており、前記荷受台の上昇中に前記リンクが前記下ローラ及び前記上ローラで順番に前記荷台に接触する荷受台昇降装置を提供する。
また、第2の発明は、車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、前記荷受台に対して上下方向に回動可能に連結されたリンクと、前記リンクに弾性力を作用させて前記リンクを上方に押し上げる弾性体と、前記荷受台の前記荷台との対向部に設けられて前記リンクにより押し上げられて起立する道板とを備え、前記荷受台の上昇動作に連動して前記リンクが下方に回動するように構成された荷受台昇降装置であって、前記左右のリフトアームを連結する連結バーと係り合って前記荷受台の上昇に伴って前記リンクが下方に回動する荷受台昇降装置を提供する。
本発明によれば、荷台と荷受台との間に道板を手作業で渡す必要がなく、台車を用いた荷役作業を効率的に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を適用した車両の全体構造を表す側面図 図1の荷受台昇降装置を拡大して表す側面図 図1の荷受台昇降装置が昇降する様子を表す図 図1の荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図 図1の荷受台昇降装置の動作説明図 図1の荷受台昇降装置の動作説明図 図1の荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図 本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった道板保持機構(道板起立時) 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった道板保持機構(道板倒伏時) 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第4実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第4実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図 本発明の第4実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
−荷受台昇降装置−
図1は本発明の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を搭載した車両の全体構造を表す側面図、図2は図1の荷受台昇降装置を拡大して表す側面図、図3は図2の荷受台昇降装置が昇降する様子を表す図である。また図4は後述する基端側荷受台21の下面図である。本願明細書においては、図1−図4における左右を荷受台昇降装置の前後とする。本実施形態では荷受台昇降装置を車両の後部に積載して荷受台を車両の後側に引き出す場合を例示しており、荷受台昇降装置の前後方向が車両の前後方向に一致している。但し、車両の側部に荷受台を引き出すように荷受台昇降装置を積載する場合もある。その場合には、荷受台昇降装置の前後方向は車両の前後方向に直交する。
図1に示した車両は、車枠Fと、車枠Fの前方に設けた運転室Cを備えている。車枠Fの上部には荷台Lが搭載される。荷箱も荷台の一種である。本実施形態では、車枠Fの後部下側に荷受台昇降装置1が積載されている。この荷受台昇降装置1は、例えば車両の走行時には荷受台(プラットフォーム)20を折り畳み、車枠Fの下側に引き込んで格納する。一方で荷役作業(荷台に対する荷物の積卸作業)時には、荷受台20を車枠Fの外側(本実施形態では後方)に引き出して展開し、荷台の床面高さと地面高さとの間で昇降させる(図1及び図3)。
図2に示したように、荷受台昇降装置1は、荷受台20、スライダユニット30(図3)、リフタユニット40、パワーユニット(不図示)及び制御装置(不図示)を備えている。スライダユニット30は、荷受台20等を前後方向に移動させるアクチュエータを含むユニットである。リフタユニット40は、荷受台20を昇降させるアクチュエータを含むユニットである。パワーユニットは、スライダユニット30及びリフタユニット40を駆動するシステムである。制御装置は、パワーユニットを制御する装置である。スライダユニット30、リフタユニット40及び荷受台20について順次説明する。
−スライダユニット−
スライダユニット30は、左右のガイドレール31、スライダ32(図3)及びスライドシリンダ(不図示)を備えている。左右のガイドレール31は、車枠Fの後部下側に取り付けられており、互いに平行に前後に延びている。スライダ32は左右のガイドレール31にスライド可能に取り付けられ、ガイドレール31に沿って前後に移動可能である。スライドシリンダは複動式の油圧シリンダであり、ガイドレール31及びスライダ32に適宜支持部材を介して両端が固定されている。スライドシリンダの伸縮動作によりガイドレール31に沿ってスライダ32が前後に移動し、リフタユニット40を介してスライダ32に支持された荷受台20が前後に移動する。
−リフタユニット−
リフタユニット40は、チルトアーム41(図3)、リフトアーム42、コンプレッションアーム43及びリフトシリンダ44を左右一組ずつ備えている。チルトアーム41はスライダ32に対して上部がピンを介して連結され、下部が前後に回動する。リフトアーム42は、前端部がチルトアーム41に、後端部が荷受台20に、左右に延びる軸を介してそれぞれ回動可能に連結されていて、スライダ32や車両の荷台Lに対して上下に回動する。左右のリフトアーム42は左右の延びる円筒状の連結バー45により連結されており、これによりリフタユニット40の剛性が高められている。コンプレッションアーム43は、前端部がスライダ32に、後端部が荷受台20に、左右に延びる軸を介してそれぞれ回動可能に連結されている。リフトシリンダ44は単動式油圧シリンダ(複動式でも良い)であり、本実施形態ではロッド側がチルトアーム41の下部に、ボトム側がリフトアーム42に、それぞれ回動可能に連結されている。リフトアーム42及びコンプレッションアーム43は、スライダ32に対して荷受台20を昇降可能に連結する平行リンクを形成する。この平行リンクがリフトシリンダ44の伸縮駆動に伴って上下に回動駆動することで、荷受台20が水平姿勢を保って昇降する(図3)。
−荷受台−
荷受台20は荷物等を受けて昇降する台であり、リフトアーム42及びコンプレッションアーム43の先端に連結された基端側荷受台21、基端側荷受台21の後部にヒンジ23(図3)を介して回動可能に連結された先端側荷受台22を備えている。先端側荷受台22は、ヒンジ23を支点に回動し、展開姿勢(図1の二点鎖線)から左側面視で反時計回りに反転(180度回動)して基端側荷受台21の上側に折り重ねられる(図2)。折り畳んだ状態の荷受台20の後端面はバンパを構成する。荷受台20の左右の幅は例えば荷台Lの幅と同程度であり、左右の車枠Fの外法寸法よりも広い。本実施形態の先端側荷受台22は非折り畳み式である。つまり、荷受台20は先端側荷受台22を1枚のみ含んだ2枚折れ構造である。また、荷受台20の下部には左右一対のスチフナ24が設けられている。スチフナ24は基端側荷受台21及び先端側荷受台22に設けられており、荷受台20が展開すると基端側荷受台21に設けたものと先端側荷受台22に設けたものが連なり、左右から見ると基端から先端(後方)に向かって薄くなる三角形状になる。
また、図3の下段に示した状態図のように下降した荷受台20がリフトアーム42に干渉しないように、荷受台20の前縁には左右のリフトアーム42の位置に対応して左右一対の切り欠き25(図4)が形成されている。これら切り欠き25はそれぞれフラップ26でカバーされている。左右のフラップ26は切り欠き25の形状に応じて平面視で矩形状に形成されている(図4)。フラップ26は左右に延びる回動軸27(図3)を介して後端部が荷受台20に連結されており、前部が上下に回動して切り欠き25を開閉する。フラップ26は基端側荷受台21の荷受面Sに対して上方向に開動作する。フラップ26の回動範囲の下限は基端側荷受台21の荷受面Sとフラップ26が面一になる角度(荷受面Sが水平であれば水平)であり、この角度を超えてフラップ26が下方に回動しないようにフラップ26の回動範囲がストッパ(不図示)で規定されている。
−リンク−
本実施形態の荷受台昇降装置1には、リンク51及び道板61が備わっている。リンク51は荷受台20の昇降運動に連動して道板61を回動させる部材であり、基端側荷受台21の前部の下面に対して左右に延びる回動軸53(図3)を介して上下方向に回動可能に連結されている。リンク51は基端側荷受台21の左右方向の中央に設置することが望ましいが、厳密に中央にリンク51を設けると格納用支持ローラ33にリンク51が干渉し得る。格納用支持ローラ33は荷受台20の格納動作時に荷受台20を凭せ掛けるためにスライダ32に設けたローラである。この格納用支持ローラ33との干渉を避けるために、リンク51は基端側荷受台21の中央から左右方向の一方側(本実施形態では右側)にずらして設置してある(図4)。但し、リンク51は左右のリフトアーム42の間に位置する。なお、リフタユニット40や格納用支持ローラ33等の荷受台昇降装置1の他の構成要素に干渉しなければ、第2実施形態のように左右2カ所(又は3カ所以上)にリンクを設置した構成としても良い。ただ、リンクが複数存在すると道板61に接触しないリンクが生じ得るところ、リンクが1つのみであればこのような片当たり状態を回避できる。
リンク51は、回動軸53を介して基端側荷受台21に連結された第1アーム54と、第1アーム54の先端(前端)から立ち上がる第2アーム55とで、左右方向から見てV字型に形成されている(図3)。また本実施形態では、リンク51に弾性力を作用させる弾性体56(図4)が備わっている。この弾性体56によって、第1アーム54を基端側荷受台21の下面に押し付ける方向(道板61が起立する方向)に弾性力がリンク51に作用している。弾性体56には例えばトーションバー等の各種弾性体を用いることができるが、本実施形態では回動軸53と同軸に設けたコイルばねを弾性体56として採用した場合を例示している。コイルばねの捩り戻り力をリンク51に作用させる構成である。リンク51が荷台Lに接触していない状態では、弾性体56により基端側荷受台21の下面に第1アーム54が押し付けられ、リンク51は第1アーム54を基端側荷受台21の下面に沿って水平に延ばした状態となる。この状態を基準姿勢として、第1アーム54は回動軸53から基端側荷受台21の前縁を超えて前方に延び、第2アーム55は後方に傾斜して基端側荷受台21の荷受面Sを超えて上方に延びる。
また、リンク51には、下ローラ57、上ローラ58及び支持ローラ59の3つのローラが備わっている。下ローラ57はV字型のリンク51の屈曲部(第1アーム54と第2アーム55の接続部)に回転自在に設けられており、外周面がリンク51の第1アーム54及び第2アーム55から回動軸53と反対側に突出するようにレイアウトされている。上ローラ58はリンク51の第2アーム55に回転自在に設けられており、外周面が第2アーム55から回動軸53と反対側に突出するようにレイアウトされている。支持ローラ59は第2アーム55の先端に回転自在に設けられ、外周面が第2アーム55の先端から突出するようにレイアウトされている。
下ローラ57及び上ローラ58の回転中心から回動軸53の回転中心までの距離は異なっており、回動軸53と下ローラ57の中心間距離よりも回動軸53と上ローラ58の中心間距離が短くしてある。またリンク51が基準姿勢のとき、下ローラ57の回転中心は回動軸53の回転中心よりも低位置に、上ローラ58の回転中心は回動軸53の回転中心よりも高位置に位置する。リンク51が基準姿勢のとき、下ローラ57は上ローラ58よりも前方に位置する。しかし、リンク51が下方に回動し上ローラ58が前進して荷台Lの床板の後端面(以下、荷台Lの床板の後端面を荷台Lと略記する)に接触すると、その後は下ローラ57が後退し下ローラ57及び上ローラ58の前後の位置関係が逆になる。また、上ローラ58の回転中心は、少なくとも荷台Lに接触している間は回動軸53の回転中心よりも低位置に来る。
−道板−
道板61は基端側荷受台21の前側に位置し、基端側荷受台21の荷台Lとの対向部に設けられている。ここでいう基端側荷受台21の荷台Lとの対向部とは、荷受台20が荷台Lの床面の高さにあるときに荷台Lの床面の後縁に前後に対向する部分であり、具体的には基端側荷受台21の前部である。荷受台20の荷受面Sが荷台Lの床面の高さにある状態で道板61が概ね水平に倒れると、荷台Lの床面と荷受面Sとの間の隙間が道板61でカバーされて、道板61を介して荷台Lの床面と荷受面Sとが繋がるようになっている。具体的には、道板61は左右方向に基端側荷受台21と同程度かそれよりも若干狭い程度の幅を持つ矩形状の板材であり、本例ではジョイントプレート62(図4)を介してフラップ26の前部に連結されている。道板61とフラップ26はジョイントプレート62で継がれて一体のプレートを構成しており、回動軸27を中心にして一体に上下に回動する。本例では道板61の回動軸27をリンク51の回動軸53から前方にずらしてあり、道板61がリンク51とは独立して回動する。道板61の自重をリンク51に預けた構成であり、リンク51に連動(従動)して道板61が上下に回動する。本実施形態では、道板61はリンク51の支持ローラ59により支持されている。リンク51が荷台Lから離れている場合、リンク51は弾性体56により基準姿勢で維持され、接地するまで荷受台20を下してもリフトアーム42に道板61が干渉しないように構成してある。
なお、道板61の前縁には、必要に応じて切り欠きが設けられる。本実施形態では、荷受台20を格納した際の油圧ホース(不図示)との干渉を避けるための左右の切り欠き63(図4)、前述した格納用支持ローラ33(図3)との干渉を避けるための中央の切り欠き64(図4)が該当する。
−動作−
荷受台20を用いて荷役作業をする際、リンク51が荷台Lに触れていない状態では、弾性体56によりリンク51が基準姿勢に保たれる。リンク51が荷台Lに触れていない状態とは、言い換えれば荷受台20が荷台Lの床面よりも一定高さ以上低位置にある状態(図5に示した状態より荷受台20が低位置にある状態)である。リンク51が基準姿勢のときリンク51に支持された道板61は起立した状態を保ち、例えば荷受台20に台車が積載されている場合には、フラップ26と共に道板61が台車の車止めの役割を果たす。
荷受台20は円弧軌道を描いて昇降するため、水平を超えて上昇すると、荷受台20は上昇しつつ前進する。荷受台20が荷台Lの近くまで上昇し、リフトアーム42が水平を超えて所定の傾斜角α1まで回動すると、リンク51が下ローラ57で荷台Lに接触する(図5)。このように荷受台20の上昇中に荷台Lに下ローラ57が接触すると、荷受台20が荷台Lに接近するのに伴ってリンク51が弾性体56の弾性力に抗して下方に回動し道板61が倒伏し始める。更に荷受台20が上昇しリフトアーム42が所定の傾斜角α2(>α1)になると、リンク51が上ローラ58で荷台Lに接触し(図6)下ローラ57が荷台Lから離れ始める。こうして荷受台20の上昇中に下ローラ57及び上ローラ58が順番に荷台Lに接触してリンク51が下方に回動し、最終的にリフトアーム42が所定の傾斜角α3(>α2)になると、荷受台20の荷受面Sが荷台Lの床面の高さに到達する。この間、道板61は下方に回動しつつ荷台Lの床面に対して上方から接近し、荷受面Sが荷台Lの床面の高さに到達すると同時に道板61が基端側荷受台21と荷台Lの床面との隙間位置にほぼ水平に倒伏する(図7)。本実施形態では基端側荷受台21と荷台Lの床面との間に道板61が架かる構成であるが、基端側荷受台21と荷台Lの床面とを道板61が完全に跨ぐ構成に限らず、基端側荷受台21と荷台Lの床面との間の隙間を道板61で狭める構成とであっても良い。
荷受台20が荷台Lの床面の高さから下降する場合には、上記と反対の動作をする。荷受台20が下降しつつ荷台Lから遠ざかることで荷台Lによる拘束が解け、荷受台20が下降する過程で弾性体56の弾性力により道板61が起立して基準姿勢に復帰する。
以上のように、荷受台20の上昇中にリンク51が荷台Lに接触し、荷受台20の上昇に伴ってリンク51と共に道板61が下方に回動する。そして荷受台20の荷受面Sが荷台Lの床面の高さまで上昇すると、荷台Lの床面の後端部と基端側荷受台21の前端部との間を跨ぐようにして道板61が倒伏する。これにより荷受台20と荷台Lの床面との間の隙間が道板61で覆われ、台車等で荷台Lと荷受台20との間の行き来が円滑にできる。
なお、荷受台20の格納動作時には、道板61に先端側荷受台22が上から被さり、先端側荷受台22の重さにより道板61は基端側荷受台21の荷受面Sと面一に倒伏する。図3における上下方向の中段の状態図には、二点鎖線で示した先端側荷受台22と併せてこの状態を示してある。
−効果−
(1)本実施形態によれば、道板61がリンク51に押し上げられて起立する一方で、荷受台20が上昇するのに伴ってリンク51が下方に回動する。これにより荷受台20が荷台Lの床面の高さまで上昇するとリンク51による道板61の押し上げが解除され、手作業で道板61を操作せずとも荷台Lと荷受台20との間に道板61を架けることができ、台車を用いた荷役作業を効率的に行うことができる。
(2)特に本実施形態では、荷受台20の上昇中にリンク51が荷台Lに接触し、荷受台20の上昇に伴ってリンク51が道板61と共に下方に回動する。そして、荷受台20が荷台Lの床面の高さまで上昇すると、荷台Lの床面と荷受台20の荷受面Sとの間を跨ぐようにして道板61が倒伏する。荷役作業中において荷受台20が荷台Lに近付くと自動的に道板61が倒伏して荷台Lと荷受台20との間に架かるので、作業者は道板61に触れる必要もない。
(3)リンク51の回動中心よりも低位置に配置された下ローラ57が荷受台20の上昇中に荷台Lに接触するので、荷受台20が荷台Lに接近してリンク51が道板61と共に回動する。その際、荷台Lに対してリンク51の接点が移動するが、リンク51がローラで荷台Lに接触するので、荷台Lとリンク51との間の摩耗が抑制できる。但し、リンク51の荷台Lとの接点をローラで構成する必要は必ずしもない。第1アーム54又は第2アーム55が荷台Lに接触する構成であっても良い。この場合、第1アーム54又は第2アーム55の荷台Lとの接触部はR形状とすることが望ましい。
(4)荷受台20の上昇中に下ローラ57及び上ローラ58が順番に荷台Lに接触してリンク51が下方に回動し道板61が倒伏する。図3の中段図に示した通り、荷受台20が格納姿勢に移行するとリンク51は下方に突出することになるため、この突出量を抑える意味ではリンク51は小型である(第1アーム54はできるだけ短い)ことが望ましい。しかし第1アーム54を極力短くすると、図5のように荷受台20の上昇時に荷台Lに下ローラ57が接触してから図7のように荷受台20が荷台Lの床面の高さに到達するまでに下ローラ57が荷台Lから離れてしまう。そこで、本実施形態では上ローラ58を設けて下ローラ57及び上ローラ58が順次荷台Lに接触する構成とすることで、リンク51を常にローラで荷台Lに接触させることができる。言い換えれば、下ローラ57及び上ローラ58を設けることで、第1アーム54をできるだけ短くすることができ、格納姿勢の荷受台20に対してリンク51の下方への突出量が抑えられる。但し、第1アーム54及び第2アーム55の形状や大きさを変更して図5の状態から図7の状態まで荷台Lに下ローラ57が接触し続ける構成とすることは可能である。この場合には上ローラ58は省略可能である。
(5)道板61とリンク51とを独立して回動可能とし、道板61の自重をリンク51に預けた構造であるため、道板61とリンク51の回動軸を同軸にする必要がなく、道板61とリンク51のレイアウトの自由度が増す。
(6)本実施形態では道板61とリンク51との回動軸27,53がずれているので、道板61とリンク51が連動して傾斜する際に道板61に対してリンク51の接点が移動する。それに対し、道板61を支持ローラ59で支持することで、接点移動に伴う道板61とリンク51の摩耗を抑制できる。但し、支持ローラ59は必須ではなく、リンク51の第2アーム55の先端で道板61を支持する構造としても良い。この場合、第2アーム55の先端はR形状とすることが望ましい。
(7)上下に回動するアームにより荷受台を昇降させる荷受台昇降装置においては、荷受台の前縁にフラップが設けられていることがある。本実施形態では、そのフラップ26に道板61を連結することで、既存要素を利用して道板61の回動構造を構築してある。これにより可動式の道板61を容易に製作することができる。但し、道板61はフラップ26とは別個に回動する構成としても構わない。また、道板61はフラップが存在しない荷受台昇降装置にも設けることができる。
(第2実施形態)
図8は本発明の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図、図9−11は本実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図である。図8−図11は第1実施形態の図4−図7に対応している。これらの図において第1実施形態と同一又は対応する要素については、適宜第1実施形態の図面と同一符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と相違する主な点は、道板61とリンク71とが連結されて一体に回動する点である。
リンク71は、第1リンク74及び第2リンク75を含んで構成されている。第1リンク74は弾性体76の弾性力を道板61に伝えるリンクであり、道板61の下面にボルト(溶接等でも良い)で固定されている。つまり、第1リンク74は道板61を介して基端側荷受台21に対して連結されており、回動軸27を中心にして道板61と一体に回動する。基端側荷受台21と第1リンク74は直接的には連結されていない。第1実施形態のリンク51と同様に第1リンク74を1つのみ設ける構成でも良いが、本実施形態では基端側荷受台21の左右両側に1つずつ計2つの第1リンク74が設置してある。第1リンク74はフラップ26よりも左右方向の外側に位置している。第1リンク74の数は必要に応じて増やしても良い。また、第1リンク74は荷受台20の昇降に連動して道板61が開閉する過程で荷台Lに接触することがないように、第2リンク75よりも後方に退避したレイアウトとしてある(図9)。
本実施形態では弾性体76としてシリンダバネが用いてあり、左右の第1リンク74の先端はそれぞれ弾性体76を介して基端側荷受台21に連結されている。弾性体56の基端部は左右に延びる回動軸73を介して基端側荷受台21に、先端部は左右に延びるピン(不図示)を介して第1リンク74の先端に、それぞれ回動可能に連結されている。第1リンク74には弾性力として弾性体76の伸び方向の復元力が作用しており、第2リンク75が荷台Lに接触していない状態では道板61が基端側荷受台21の荷受面Sより上方に起立した基準姿勢をとるようになっている。
第2リンク75は荷受台20の上昇時に荷台Lに接触し荷受台20の動きに連動させて道板61を駆動するリンクであり、道板61の下面にボルト(溶接等でも良い)で固定されている。第1リンク74と同じく第2リンク75も道板61を介して基端側荷受台21に対して連結されており、回動軸27を中心にして道板61と一体に回動する。基端側荷受台21と第1リンク74は直接的には連結されていない。また第2リンク75は第1リンク74とも離れているが、一体に構成することもできる。第2リンク75は第1実施形態のリンク51と同様に左右のフラップ26の間の位置に1つのみ設けられているが、複数設けてあっても良い。
第2リンク75は第1実施形態のリンク51の第2アーム55のような形状(リンク51から第1アーム54を取り除いたような形状)をしている。この第2リンク75には、第1実施形態で第2アーム55に対して設けたのと同じように、下ローラ57及び上ローラ58の3つのローラが備わっている。支持ローラ59は勿論省略されている。つまり、第2リンク75の下端部に下ローラ57が、それよりも上方に上ロータ58が回転自在に設けられている。下ローラ57及び上ローラ58の位置関係も第1実施形態と同様である。
道板61の構成を含め、その他の点については第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、荷受台20が荷台Lの近くまで上昇し、リフトアーム42が水平を超えて回動すると、リンク71が下ローラ57で荷台Lに接触する(図9)。荷台Lに下ローラ57が接触すると荷受台20が荷台Lに接近するのに伴ってリンク71が弾性体56の弾性力に抗して下方に回動し、道板61が倒伏し始める。更に荷受台20が上昇すると、リンク71が上ローラ58で荷台Lに接触し(図10)下ローラ57が荷台Lから離れ始める。そして荷受台20の荷受面Sが荷台Lの床面の高さに到達すると、道板61がほぼ水平に倒伏して基端側荷受台21と荷台Lの床面との間に架かる(図11)。
荷受台20が荷台Lの床面の高さから下降する場合には、上記と反対の動作をする。荷受台20が下降しつつ荷台Lから遠ざかることで荷台Lによる拘束が解け、荷受台20が下降する過程で弾性体56の弾性力により道板61が起立して基準姿勢に復帰する。
本実施形態のように道板61とリンク71が固定関係にある構成であっても、第1実施形態と同様の機能を発揮して同様の効果を得ることができる。本実施形態の場合、道板61がリンク71に拘束されているので、道板61がリンク71から離れて荷受面Sの上に重なるようにして倒れることがない。
なお、本実施形態では基端側荷受台21に回動可能に連結した道板61にリンク71を固定した構成を採用したが、例えば基端側荷受台に回動可能に連結したリンク71に道板61を固定する構成も考えられる。また、リンク51と道板61の双方が基端側荷受台21に連結された構成であっても、リンク51と道板61の回動軸を同軸上に配置することでリンク51と道板61とを互いに固定できる。
(第3実施形態)
図12は本発明の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図、図13及び図14は本実施形態に係る道板保持機構の側面図、図15−図24は本実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図である。図12は第1実施形態の図4に対応している。図16、図18、図20、図22は荷受台昇降中の各場面における図12のX−X線による矢視断面図に相当する。これらの図において第1実施形態と同一又は対応する要素については、適宜第1実施形態の図面と同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と相違する主な点は、第一に左右のリフトアーム42を連結する連結バー45と係り合って荷受台20の上昇に伴ってリンク81が下方に回動する点、第二にリンク81に加えて道板保持機構91が備わっている点である。
−リンク−
リンク81(図16)は第1実施形態で採用したリンク51と同じく荷受台20の昇降運動に連動して回動するが、荷台Lに係り合うことはなく、左右のリフトアーム42を連結する連結バー45に係り合う。このリンク81は本実施形態では荷受台20の幅方向の中間部に1つだけ設けてあり(図12)、第1アーム82と第2アーム83とを含んで構成されている(図16)。第1アーム82は道板61を押し上げる部位、第2アーム83は連結バー45に係り合う部位であり、第1アーム82及び第2アーム83は一体に形成されていて固定関係にある。リンク81は第1アーム82と第2アーム83との接続部に左右に延びる回動軸84(図16)を有しており、この回動軸84を介して基端側荷受台21の下面の前部に回動可能に連結されていて、前後に延びる鉛直面に沿って回動軸84を中心に回動する。リンク51と同様、リンク81は弾性体85(図12)によって第1アーム82を上昇させる方向に力を受けている。弾性体85には例えばトーションバー等の各種弾性体を用いることができるが、本実施形態では回動軸84と同軸に設けたコイルばねを弾性体85として採用した場合を例示している。コイルばねの捩り戻り力をリンク81に作用させる構成である。
第1アーム82は回動軸84から前方に延び、第1実施形態のリンク51と同じように左右方向から見てV字型に形成されている(図16)。それに対し、第2アーム83は回動軸84から後斜め下に延び、左右のリフトアーム42の連結バー45の後側に位置している(図16)。連結バー45は第1アーム82と第2アーム83に挟まれた位置にあり、荷受台20の昇降(つまりリフトアーム42の上下動)に伴って回動軸84との位置関係が変わる。具体的には、荷受台20が格納高さにある状態(図16)を基準位置として、荷受台20が上昇すると回動軸84に対して連結バー45は後方に移動し(図22)、荷受台20が下降すると回動軸84に対して連結バー45は前方に移動する(図18)。リンク81の第2アーム83は荷受台20が格納高さ以下にあれば連結バー45から離れ、弾性体85により基端側荷受台21の下面に第1アーム82が押し付けられた状態となる。この状態において第1アーム82の先端部は基端側荷受台21の荷受面Sを超えて上方に突出する(図20)。反対に荷受台20が格納高さよりも上昇すると第2アーム83は連結バー45により後方に押し込まれる。これにより弾性体85の復元力に抗して第1アーム82が下降する方向にリンク81が回動し、第1アーム82は荷受面Sよりも下側の領域に先端部を含めて全体が退避する(図22)。
−道板保持機構−
道板保持機構91は道板61を起立姿勢又は倒伏姿勢で保持する機構であり、本実施形態では2カ所(荷受台20の幅方向の両側、具体的には左右のスチフナ24よりも幅方向外側の位置)に設けられている。道板保持機構91もリンク81と同じく荷台Lと係り合うことはない。各道板保持機構91は、第1アーム92、第2アーム93、伸縮ばね94を含んで構成されている。
第1アーム92は、基端側荷受台21の前部の下面に備わったブラケット20aに左右に延びるピン95を介して連結され、前後に延びる鉛直面に沿って回動する。第2アーム93は、第1アーム92の先端と道板61の前部の下面に備わったブラケット61aとにそれぞれ左右に延びるピン96,97を介して両端が回動可能に連結されており、第1アーム92及び道板61を連結している。第1アーム92及び第2アーム93は道板61の角度によらず常に道板61の回動支点である回動軸27と反対側に凸の状態に屈曲している(ピン95,96を結ぶ直線を挟んでピン96は常に回動軸27と反対側に位置する)。伸縮ばね94(本例では圧縮コイルばね)は、図13に示したように荷受台20のブラケット20aに設けたピン20bと第1アーム92に設けたピン92aに両端のフックが掛けられている。こうして荷受台20及び第1アーム92に対して両端が連結されることで、伸縮ばね94はピン20b,92aの間で収縮方向に復元力を作用させている。
上記のピン95は、荷受台20に連結された伸縮ばね94の一端(ピン20b)と第1アーム92に連結された伸縮ばね94の他端(ピン92a)との間に位置している。道板61の角度に応じて第1アーム92が回動してピン92aが変位し、伸縮ばね94がピン20bを中心に回動する。道板61が倒伏した状態では伸縮ばね94(その中心線)はピン95よりも下側に位置し、伸縮ばね94の復元力は第1アーム92を下向きに引っ張る方向に作用する(図14)。これにより道板61が倒伏した姿勢で保持される。反対に道板61が起立した状態では伸縮ばね94(その中心線)はピン95よりも上側に位置し、伸縮ばね94の復元力は第1アーム92を上向きに押し上げる方向に作用する(図13)。これにより道板61が起立した姿勢で保持される。このように第1アーム92が死点を超えて下方に回動すると伸縮ばね94の復元力が道板61を倒伏姿勢で保持する力に切り換わり、第1アーム92が死点を超えて上方に回動すると伸縮ばね94の復元力が道板61を起立姿勢で保持する力に切り換わる。
但し、道板保持機構91の伸縮ばね94の復元力(厳密にはその復元力により道板61を倒伏させようとするモーメント)に対してリンク81の弾性体85の復元力(厳密にはその復元力により道板61を起立させようとするモーメント)が強く設定してある。従って、例えば荷受台20が格納高さかそれより低位置にあって道板61に対してリンク81の押し上げ力が作用している状態では、道板61がリンク81により押し上げられる。反対に例えば荷受台20が格納高さより高位置にあって道板61に対するリンク81の押し上げが解除された状態では、道板61に外力(重力を除く)を加えて倒すと伸縮ばね94の復元力の道板61に対する作用方向が切り換わって道板61が倒伏姿勢に保たれる。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
−動作/効果−
例えば車両の荷台Lの下側に格納された状態や荷台Lの下側から引き出された状態では荷受台20は折り畳まれているため、道板61に先端側荷受台22が覆い被さる(図15及び図16)。この場合、先端側荷受台22が押さえになってリンク81の押し上げ力に抗して道板61は倒伏し、道板保持機構91も道板61を倒伏姿勢に保とうとする。
例えば展開動作時に格納位置から引き出した荷受台20が下降する過程で基端側荷受台21に対して先端側荷受台22が起き上がると(図17)、先端側荷受台22による押さえがなくなりリンク81により道板61が押し上げられる。同時に、押し上げられた道板61により道板保持機構91の第2アーム93が引き上げられ、第1アーム92が死点を超えて上方向に回動し、リンク81の姿勢に関係なく道板保持機構91により道板61が起立姿勢で保持された状態に移行する(例えば図13)。本実施形態では道板保持機構91により起立姿勢で保持された道板61はリンク81から離れ、道板保持機構91のみで押し上げられる構成としてある(図18)。
図17の状態から先端側荷受台22を起こして荷受台20を展開し、荷役作業に伴って荷受台20を荷台Lの床面の高さまで上昇させると、その過程でリンク81の第2アーム83に連結バー45が接触する(図20)。更に荷受台20が上昇すると連結バー45によって第2アーム83が後方に押し込まれてリンク81が回動し、荷受台20が荷台Lの床面の高さに達する頃にはリンク81の第1アーム82は荷受面Sよりも下側の領域に退避する(図22)。こうしてリンク81が下方に回動すると、例えば足で踏む等して道板61に上から外力を加えることで道板保持機構91は道板61を倒伏姿勢で保持する状態に移行する(図23)。荷受台20と荷台Lとの間に道坂61が架かることで、荷受台20と荷台Lとの間を台車で円滑に行き来できる。
荷台Lの床面の高さから荷受台20を下降させる際、図24のように荷台Lに掛かった道板61の先端に対して回動軸27が下降することで道板61が起こされ、これにより道板保持機構91が道板61を起立姿勢で保持する状態に移行する。こうして荷受台20が荷台Lの床面の高さまで上昇した状態で人為的に道板61を倒した場合にのみ道板61は倒伏姿勢を採り、荷役作業中における他の場面では道板61は起立姿勢を採る。従って荷役作業中に作業者が行う道板61の操作は、荷受台20が荷台Lの床面の高さまで上昇した際に道板61を例えば踏むことのみである。荷受台20を格納する際も、基端側荷受台21に対して折り重なる先端側荷受台22に抑えられて自然に道板61が倒れるので、道板61を操作する必要はない。
本実施形態においても第1実施形態と同様に上記効果(1)を得ることができる。また、本実施形態においては、リンク81や道板保持機構91が荷台L(荷受台昇降装置1の構成要素以外の構造物)に係り合うことがない点もメリットである。
(第4実施形態)
図25−図27は本発明の第4実施形態に係る荷受台昇降装置の動作説明図である。図25−図27は荷受台昇降中の各場面における左側面図である。これらの図において第1実施形態と同一又は対応する要素については、適宜第1実施形態の図面と同一符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1実施形態と相違する主な点は、第一に左右のリフトアーム42を連結する連結バー45と係り合って荷受台20の上昇に伴ってリンク101が下方に回動する点、第二にリンク101が変形する点である。
リンク101は、第1リンク102、第2リンク103、弾性体104、ストッパ105を含んで構成されている。このリンク101は荷受台20の幅方向における少なくとも1か所に設けられており、第2実施形態の第1リンク74(図8)のように複数設けることもできるし、第1実施形態のリンク51(図4)のように1か所にのみ設けることもできる。
第1リンク102は左右のリフトアーム42を連結する連結バー45と係り合うリンクであり、左右に延びる回動軸106を介して基端側荷受台21の下面の前部に回動可能に連結されていて、前後に延びる鉛直面に沿って回動軸106を中心に回動する。第1リンク102は回動軸106から下方に延びて連結バー45の前側に位置している。
第2リンク103は、第1リンク102に回動可能に連結されて道板61を押し上げるリンクであり、本実施形態では回動軸106により第1リンク102と同軸に基端側荷受台21に連結されており、これにより第1リンク102に連結されている。第1リンク102に対して回動軸106を中心に第2リンク103が回動し第1リンク102と第2リンク103との夾角の大きさが変化することでリンク101が変形する。第2リンク103は第1実施形態のリンク51と同じように左右方向から見てV字型に形成されており、第1リンク102を挟んで常に連結バー45と反対側に位置している。
弾性体104は、第1リンク102及び第2リンク103の夾角を広げる方向に復元力を作用させる要素であり、本実施形態では回動軸106と同軸に設けたコイルばねを弾性体104として採用した場合を例示している。コイルばねの捩り戻り力を第1リンク102と第2リンク103の間で作用させる構成である。弾性体104には、コイルばねの他にもトーションバー等の各種弾性体を用いることができる。
ストッパ105は第1リンク102及び第2リンク103の夾角の最大値を制限する要素である。本実施形態では第2リンク103の側面に設けた突起を第1リンク102に設けた円弧状の長穴に挿し込んだ構成を例示してあるが、両リンクの開き角が制限できる構成であれば他の構成であっても構わない。図27に第1リンク102と第2リンク103の夾角が最大の状態を示している。
このような構成により、リンク101はリフトアーム42の連結バー45と係り合って荷受台20の上昇に伴って下方に回動する。リンク101の第1リンク102は荷受台20が少なくとも格納高さ以下にある状態であれば下から連結バー45に支持され、第2リンク103の先端が道板61の下面に接触し道板61を押し上げて起立させる(図26)。このとき第2リンク103は連結バー45に拘束された第1リンク102に対して弾性体104により弾性的に支持された状態であるため、道板61は押え付ければ倒伏する。従って、格納時等に先端側荷受台22が折り重なった場合には、先端側荷受台22に抑え付けられて道板61は倒伏する(図25)。
一方、荷受台20の上昇に伴って回動軸106に対して連結バー45が後退すると、リンク101は道板61と共に自重で下方に回動する。そして、荷受台20が荷台Lの床面の高さまで上昇すると荷台Lと荷受台20の間の隙間位置に道板61が倒れる。荷役作業時には、その後荷受台20の下降に伴って第1リンク102が連結バー45に押し上げられ、これに伴ってリンク101自体が上方に回動し、道板61がリンク101の弾性体104により弾性的に支持されて起立した状態に移行する。
その他の構成は第1実施形態と同様であり、本実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3実施形態と同様、リンク101が荷台L(荷受台昇降装置1の構成要素以外の構造物)に係り合うことがない点もメリットである。
(変形例)
上記実施形態では、先端側荷受台22が1枚の(1箇所で荷受台20が折れる)構造を例示したが、先端側荷受台22を前後複数枚の荷受台で構成し、荷受台20が2カ所以上で折れる構造としても良い。このような荷受台を採用した荷受台昇降装置にも以上で説明した道板61の可動機構は適用可能である。また、荷受台を折り畳まなくてもスライドシリンダで引き込むだけで車枠Fの下部に格納できる場合には、荷受台20の折り畳み機構自体を省略できる。また荷受台昇降装置には、車枠の下側に荷受台を格納するものの他、荷受台を車両の荷台の壁面(例えば後面)に沿って起立させた格納姿勢が選択できるものも存在する。このような2通りの格納姿勢を採用する荷受台昇降装置にも本発明は適用可能である。また車枠の下側に荷受台を格納する機構を持たず、荷受台を車両の荷台の壁面に沿って起立させて格納する荷受台昇降装置にも本発明は適用可能である。
また、以上の各実施形態は適宜組み合わせ可能である。例えば第4実施形態においてリンク101は道板61と独立して回動し道板61の自重がリンク101に預けられた構成としたが、リンク101と道板61とを連結した構成としても良い。この場合、リンク101と道板61の回動中心を一致させるか、リンク101に回動中心のずれを許容する機構を設けることができる。また、第4実施形態のリンク101の第2リンク103又は第3実施形態のリンク81の先端(つまり道板61との接触部)に第1実施形態のように支持ローラを設けることもできる。
1…荷受台昇降装置、20…荷受台、25…切り欠き、26…フラップ、42…リフトアーム、51…リンク、53…回動軸(リンクの回動中心)、56…弾性体、57…下ローラ(ローラ)、58…上ローラ、59…支持ローラ、61…道板、71…リンク、81…リンク、73…回動軸(リンクの回動中心)、74…第1リンク、75…第2リンク、76…弾性体、81…リンク、82…第1アーム、83…第2アーム、84…回動軸(リンクの回動中心)、85…弾性体、91…道板保持機構、92…第1アーム、93…第2アーム、94…伸縮ばね、101…リンク、102…第1リンク、103…第2リンク、104…弾性体、105…ストッパ、106…回動軸(リンクの回動中心)、F…車枠、L…荷台

Claims (9)

  1. 車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、
    前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、
    前記荷受台に対して上下方向に回動可能に連結されたリンクと、
    前記リンクに弾性力を作用させて前記リンクを上方に押し上げる弾性体と、
    前記荷受台の前記荷台との対向部に設けられて前記リンクにより押し上げられて起立する道板とを備え、
    前記荷受台の上昇動作に連動して前記リンクが下方に回動するように構成された荷受台昇降装置であって、
    前記荷受台の上昇中に前記リンクが前記荷台に接触して前記荷受台の上昇に伴って前記道板と共に下方に回動し、前記荷受台が前記荷台の高さまで上昇すると前記荷台と前記荷受台との間の隙間位置に前記道板が倒れるように構成されており、
    前記リンクの回動中心よりも低位置に配置された下ローラと、前記下ローラよりも前記回動中心からの距離が短い上ローラとが前記リンクに備わっており、前記荷受台の上昇中に前記リンクが前記下ローラ及び前記上ローラで順番に前記荷台に接触する荷受台昇降装置。
  2. 車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、
    前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、
    前記荷受台に対して上下方向に回動可能に連結されたリンクと、
    前記リンクに弾性力を作用させて前記リンクを上方に押し上げる弾性体と、
    前記荷受台の前記荷台との対向部に設けられて前記リンクにより押し上げられて起立する道板とを備え、
    前記荷受台の上昇動作に連動して前記リンクが下方に回動するように構成された荷受台昇降装置であって、
    前記左右のリフトアームを連結する連結バーと係り合って前記荷受台の上昇に伴って前記リンクが下方に回動する荷受台昇降装置。
  3. 請求項の荷受台昇降装置において、
    前記荷受台にピンを介して回動可能に連結された第1アームと、前記第1アーム及び前記道板を連結する第2アームと、前記荷受台及び前記第1アームに対して両端が連結された伸縮ばねとを含んで構成された道板保持機構を更に備え、
    前記荷受台に連結された前記伸縮ばねの一端と前記第1アームに連結された前記伸縮ばねの他端との間に前記ピンが位置し、前記第1アームが死点を超えて下方に回動すると前記伸縮ばねの復元力が前記道板を倒伏姿勢で保持する力に切り換わり、前記第1アームが死点を超えて上方に回動すると前記伸縮ばねの復元力が前記道板を起立姿勢で保持する力に切り換わるように構成されている荷受台昇降装置。
  4. 請求項の荷受台昇降装置において、前記道板保持機構の伸縮ばねの復元力に対して前記リンクの弾性体の復元力が強く設定してあり、
    前記リンクの押し上げ力で前記道板が押し上げられると前記道板保持機構が前記道板を起立姿勢で保持する状態に移行し、前記リンクが下方に回動すると前記道板に上から外力を加えることで前記道板保持機構が前記道板を倒伏姿勢で保持する状態に移行する荷受台昇降装置。
  5. 請求項の荷受台昇降装置において、
    前記リンクは、連結バーと係り合う第1リンクと、前記第1リンクに回動可能に連結されて前記道板を押し上げる第2リンクと、前記第1リンク及び前記第2リンクの夾角を広げる方向に復元力を作用させる前記弾性体と、前記第1リンク及び前記第2リンクの夾角の最大値を制限するストッパとを含んで構成されており、
    前記荷受台の上昇に伴って前記リンクが前記道板と共に下方に回動し、前記荷受台が前記荷台の高さまで上昇すると前記荷台と前記荷受台の間の隙間位置に前記道板が倒れ、
    前記荷受台の下降に伴って前記第1リンクが前記連結バーに押し上げられ、前記道板が前記リンクの弾性体により弾性的に支持されて起立した状態に移行する荷受台昇降装置。
  6. 請求項1−のいずれか1項の荷受台昇降装置において、前記道板が前記リンクとは独立して回動可能で、前記道板の自重が前記リンクに預けられている荷受台昇降装置。
  7. 請求項の荷受台昇降装置において、前記リンクは支持ローラを備えており、前記道板が前記支持ローラで支持されている荷受台昇降装置。
  8. 請求項1−のいずれか1項の荷受台昇降装置において、前記道板と前記リンクとが連結されて一体に回動する荷受台昇降装置。
  9. 請求項の荷受台昇降装置において、前記リンクとして、前記弾性体の弾性力を前記道板に伝える第1リンクと、前記荷受台の上昇時に前記荷台に接触する第2リンクとを備えている荷受台昇降装置。
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JP3715424B2 (ja) * 1998-01-08 2005-11-09 新明和工業株式会社 道板装置を備えた荷受台昇降装置

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