JP3239629U - 荷受台昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷台と荷受台との間に道板を手作業で渡す必要がなく、台車を用いた荷役作業を効率的に行える荷受台昇降装置を提供する。【解決手段】車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアーム42と、左右のリフトアームの先端に連結された荷受台20と、荷受台の荷台との対向部に上下に回動可能に設けられた道板61と、道板を上下に駆動するアクチュエータ51と、荷受台の高さを検出するセンサと、センサの出力に応じてアクチュエータを制御する制御装置とを備え、制御装置は、センサの出力に基づき荷受台が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、アクチュエータを制御して道板を倒伏させ、センサの出力に基づき荷受台が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、アクチュエータを制御して道板を起立させる。【選択図】図6

Description

本考案は、荷受台を昇降させて車両の荷台に対する荷役作業を支援する荷受台昇降装置に関し、特に回動するアームにより荷受台を昇降させる荷受台昇降装置に係る。
荷受台昇降装置とは、車両の荷台の床面の高さと地面の高さとの間で荷受台を昇降させ、車両の荷台に対する荷物等の積み降ろし作業を支援する装置である(特許文献1等参照)。
特開2017-178171号公報
荷受台昇降装置においては、荷台の床面の高さまで上昇した際の荷受台と荷台との間に例えば製作精度や取り付け精度によって若干の隙間が生じ得る。また車両の荷台には水切りと呼ばれる窪みが設けられている場合がある。こうした隙間や水切りがあると荷台と荷受台との間の台車の行き来の円滑性を阻害する。そこで、車両の荷台には例えば回動反転式の道板と呼ばれる部材が設置される場合がある。荷受台が上昇した際にこの道板を手作業で反転させて荷台の縁部から突出させることで、荷受台と荷台との間に道板が架かった状態となる。必要に応じてこの道板を渡すことにより、荷台と荷受台との間で台車をスムーズに行き来させることができる。しかし、荷受台昇降装置を使用する度に荷台と荷受台との間に道板を手作業で渡すのは不便である。
本考案の目的は、荷台と荷受台との間に道板を手作業で渡す必要がなく、台車を用いた荷役作業を効率的に行うことができる荷受台昇降装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案は、車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、前記荷受台の前記荷台との対向部に上下に回動可能に設けられ、前記荷受台に沿って倒伏した倒伏姿勢と前記荷受台に対して起立した起立姿勢とに姿勢が変化する道板と、前記道板を上下に駆動するアクチュエータと、前記荷受台の高さを検出するセンサと、前記センサの出力に応じて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記道板を前記倒伏姿勢にし、前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記道板を前記起立姿勢にする荷受台昇降装置を提供する。
また、本考案は、車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、前記荷受台の前記荷台との対向部に上下に回動可能に設けられ、前記荷受台に沿って倒伏した倒伏姿勢と前記荷受台に対して起立した起立姿勢とに姿勢が変化する道板と、前記道板を前記起立姿勢に押し上げる弾性体と、ロック状態で前記弾性体の復元力に抗して前記道板を前記倒伏姿勢で拘束可能なロック装置と、前記ロック装置を駆動して前記ロック装置のロック状態とアンロック状態とを切り換えるアクチュエータと、前記荷受台の高さを検出するセンサと、前記センサの出力に応じて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記ロック装置を前記ロック状態にし、前記ロック装置による前記道板の拘束を可能とし、前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記ロック装置を前記アンロック状態とし、前記道板を前記弾性体の復元力により前記起立姿勢にする荷受台昇降装置を提供する。
また、本考案は、車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、前記荷受台の前記荷台との対向部に上下に回動可能に設けられ、前記荷受台に沿って倒伏した倒伏姿勢と前記荷受台に対して起立した起立姿勢とに姿勢が変化する道板と、前記荷受台に対して上下方向に回動可能に連結され、前記道板を前記起立姿勢に押し上げるリンクと、前記リンクを上下に駆動するアクチュエータと、前記道板を前記起立姿勢で保持するターンオーバー機構で構成された道板保持機構と、前記荷受台の高さを検出するセンサと、前記センサの出力に応じて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記リンクを下方に回動させて前記道板の前記倒伏姿勢への変位を許容し、前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記リンクを上方に回動させて前記道板を前記起立姿勢にする荷受台昇降装置を提供する。
本考案によれば、荷台と荷受台との間に道板を手作業で渡す必要がなく、台車を用いた荷役作業を効率的に行うことができる。
本考案の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を適用した車両の全体構造を表す側面図 図1の荷受台昇降装置を拡大して表す側面図 図1の荷受台昇降装置の道板が上下に動作する様子を表す図 図1の荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図 図1の荷受台昇降装置に備わった制御装置の模式図 図3のVI部の拡大図 本考案の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図 本考案の第2実施形態に係る荷受台昇降装置の要部の図 本考案の第2実施形態に係る荷受台昇降装置の要部の図 本考案の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図 本考案の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった道板保持機構の側面図 本考案の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった道板保持機構の側面図 本考案の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったリンクの側面図 本考案の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったリンクの側面図
以下に図面を用いて本考案の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
-荷受台昇降装置-
図1は本考案の第1実施形態に係る荷受台昇降装置を搭載した車両の全体構造を表す側面図、図2は図1の荷受台昇降装置を拡大して表す側面図、図3は図1の荷受台昇降装置の道板が上下に動作する様子を表す図である。また図4は後述する基端側荷受台21の下面図、図5は後述する制御装置59の模式図、図6は図3のVI部の拡大図である。各実施形態においては、図1-図4及び図6における左右を荷受台昇降装置の前後とする。各実施形態においては、荷受台昇降装置を車両の後部に積載して荷受台を車両の後側に引き出す構成を例示しており、荷受台昇降装置の前後方向は車両の前後方向に一致している。但し、車両の側部に荷受台を引き出すように荷受台昇降装置を架装する場合もある。その場合には、荷受台昇降装置の前後方向は車両の前後方向に直交する。
図1に示した車両は、車枠Fと、車枠Fの前方に設けた運転室Cとを備えている。車枠Fの上部には荷台Lが搭載される。荷箱も荷台の一種である。本実施形態では、車枠Fの後部下側に荷受台昇降装置1が架装されている。この荷受台昇降装置1は、例えば車両の走行時には荷受台(プラットフォーム)20を折り畳み、車枠Fの下側に引き込んで格納する。他方、荷役作業(荷台Lに対する荷物の積み降ろし作業)時には、荷受台20を車枠Fの外側(本実施形態では後方)に引き出して展開し、荷台Lの床面高さと接地する高さとの間で荷受台20を昇降させる(図1)。
図2に示したように、荷受台昇降装置1は、荷受台20、スライダユニット30(図3)、リフタユニット40、パワーユニット(不図示)及び制御装置59(図5)を備えている。スライダユニット30は、荷受台20等を前後方向に移動させるアクチュエータを含むユニットである。リフタユニット40は、荷受台20を昇降させるアクチュエータを含むユニットである。パワーユニットは、スライダユニット30及びリフタユニット40を駆動するシステムである。制御装置59は、パワーユニットその他のアクチュエータを制御する装置である。スライダユニット30、リフタユニット40及び荷受台20について順次説明する。
-スライダユニット-
スライダユニット30は、左右のガイドレール31、スライダ32(図3)及びスライドシリンダ(不図示)を備えている。左右のガイドレール31は、車枠Fの後部下側に取り付けられており、互いに平行に前後に延びている。スライダ32は左右のガイドレール31にスライド可能に取り付けられ、ガイドレール31に沿って前後に移動可能である。スライドシリンダは複動式の油圧シリンダであり、ガイドレール31及びスライダ32に適宜支持部材を介して両端が固定されている。スライドシリンダの伸縮動作によりガイドレール31に沿ってスライダ32が前後に移動し、リフタユニット40を介してスライダ32に支持された荷受台20が前後に移動する。
-リフタユニット-
リフタユニット40は、チルトアーム41(図3)、リフトアーム42、コンプレッションアーム43(図2)及びリフトシリンダ44(図2)を左右一組ずつ備えている。図3ではコンプレッションアーム43及びリフトシリンダ44が図示省略されている。チルトアーム41は、スライダ32に対して上部がピンを介して連結され、下部が前後に回動する。リフトアーム42は、前端部がチルトアーム41に、後端部が荷受台20に、左右に延びる軸を介してそれぞれ回動可能に連結されていて、スライダ32や車両の荷台Lに対して上下に回動する。左右のリフトアーム42は左右に延びる円筒状の連結バー45により連結されており、これによりリフタユニット40の剛性が高められている。コンプレッションアーム43は、前端部がスライダ32に、後端部が荷受台20に、左右に延びる軸を介してそれぞれ回動可能に連結されている。リフトシリンダ44は単動式油圧シリンダ(複動式でも良い)であり、本実施形態ではロッド側がチルトアーム41の下部に、ボトム側がリフトアーム42に、それぞれ回動可能に連結されている。リフトアーム42及びコンプレッションアーム43は、スライダ32に対して荷受台20を昇降可能に連結する平行リンクを形成する。この平行リンクがリフトシリンダ44の伸縮駆動に伴って上下に回動駆動することで、荷受台20が水平姿勢を保って昇降する(図1)。
-荷受台-
荷受台20は、荷物等を受けて昇降する台であり、リフトアーム42及びコンプレッションアーム43の先端に連結された基端側荷受台21、基端側荷受台21の後部にヒンジ23(図2)を介して回動可能に連結された先端側荷受台22を備えている。先端側荷受台22は、ヒンジ23を支点に回動し、展開姿勢(図1の二点鎖線)から左側面視で反時計回りに反転(180度回動)して基端側荷受台21の上側に折り重ねられる(図2)。折り畳んだ状態の荷受台20の後端面はバンパを構成する。荷受台20の左右の幅は、例えば荷台Lの幅と同程度であり、左右の車枠Fの外法寸法よりも広い。本実施形態の先端側荷受台22は非折り畳み式である。つまり、荷受台20は先端側荷受台22を1枚のみ含んだ2枚折れ構造である。また、荷受台20の下部には左右一対のスチフナ24が設けられている。スチフナ24は基端側荷受台21及び先端側荷受台22に設けられており、荷受台20が展開すると基端側荷受台21に設けたものと先端側荷受台22に設けたものが前後に連なり、左右から見ると基端から先端(後方)に向かって薄くなる三角形状になる。
また、接地する高さまで下降する荷受台20がリフトアーム42に干渉しないように、荷受台20の前縁には、左右のリフトアーム42の位置に対応して左右一対の切り欠き25(図4)が形成されている。これら切り欠き25は、それぞれフラップ26でカバーされている。左右のフラップ26は、切り欠き25の形状に応じて平面視で矩形状に形成されている(図4)。フラップ26は、左右に延びる回転軸27(図3)を介して後端部が荷受台20に連結されており、前部が上下に回動して切り欠き25を開閉する。フラップ26は基端側荷受台21の荷受面Sに対して上方向に開動作する。フラップ26の回動範囲の下限は基端側荷受台21の荷受面Sとフラップ26が面一になる角度(荷受面Sが水平であれば水平)であり、この角度を超えてフラップ26が下方に回動しないようにフラップ26の回動範囲がストッパ(不図示)で規定されている。
-道板-
荷受台昇降装置1には、道板61(図3)が備わっている。道板61は、荷台Lの床面の高さまで上昇した荷受台20と荷台Lの床面の間の隙間に渡される部材であり、荷受台20の荷受面Sに沿って倒伏した倒伏姿勢と荷受台20に対して起立した起立姿勢とに姿勢が変化する(図3)。本実施形態においては、基端側荷受台21と荷台Lの床面との間に倒伏姿勢の道板61が架かる。但し、基端側荷受台21と荷台Lの床面とを道板61が跨ぐ構成に限らず、基端側荷受台21と荷台Lの床面との間の隙間を倒伏姿勢の道板61が狭める構成であっても良い。
道板61の構成について説明すると、まず、道板61は基端側荷受台21の前側に位置し、基端側荷受台21の荷台Lとの対向部に設けられている。ここでいう基端側荷受台21の荷台Lとの対向部とは、荷受台20が荷台Lの床面の高さにあるときに荷台Lの床面の後縁に前後に対向する部分であり、具体的には基端側荷受台21の前部である。荷受台20の荷受面Sが荷台Lの床面の高さにある状態で道板61が概ね水平な倒伏姿勢に倒れると、荷台Lの床面と荷受面Sとの間の隙間が道板61でカバーされて、道板61を介して荷台Lの床面と荷受面Sとが連絡する。道板61は、左右方向に基端側荷受台21と同程度かそれよりも若干狭い程度の幅を持つ横に長い矩形状の板材であり、本例ではジョイントプレート62(図4)を介してフラップ26の前部に連結されている。道板61とフラップ26はジョイントプレート62で継がれて一体のプレートを構成しており、回転軸27を中心にして荷受台20に対して一体に上下に回動する。
なお、道板61の前縁には、必要に応じて切り欠きが設けられる。本実施形態では、荷受台20を格納した際の油圧ホース(不図示)との干渉を避けるための左右の切り欠き63(図4)等が該当する。
-アクチュエータ-
荷受台昇降装置1には、道板61を上下に駆動するアクチュエータ51(図3)が備わっている。アクチュエータ51は電動シリンダであり、本実施形態ではフラップ26の位置に対応してアクチュエータ51を左右2本設けた構成を例示するが、アクチュエータ51の位置や数は変更可能である。本実施形態において、アクチュエータ51の前端はフラップ26の下面に、アクチュエータ51の後端は荷受台20(基端側荷受台21)の下面に、それぞれ回動可能に連結されている。アクチュエータ51が伸長すると道板61が起立し、アクチュエータ51が収縮すると道板61が倒伏する。
なお、アクチュエータ51は、道板61を上下に駆動できれば良く、電動シリンダに代えて油圧シリンダを用いることもできるし、回転軸27に回転動力を与えるモータ等、シリンダ以外の駆動装置を用いることもできる。
また、アクチュエータ51は、一定以上の外力を受けると外力に従動する。従って、例えば、道板61が起立した状態であっても、荷受台20を格納する際、先端側荷受台22が被さって道板61を押さえると、アクチュエータ51が収縮し道板61が倒伏する。そのため、道板61が荷受台20の格納動作を阻害することはない。
-センサ-
荷受台昇降装置1には、荷受台20の高さを検出するセンサ55(図3)が備わっている。本実施形態では、スライダ32に設けた近接センサをセンサ55として採用した構成を例示する。荷受台20が荷台Lの床面高さ(又は荷台Lの床面の高さよりも所定値だけ低く設定した高さ以上の高さ)であるとき、上方に回動した状態のリフトアーム42がセンサ55で検知される。これにより、荷受台20が荷台Lの床面高さ(又は荷台Lの床面から所定値以内の高さ)に位置していることが、センサ55で検出される。
但し、センサ55は、荷受台20の高さが検出できれば良く、荷受台20の高さに応じて変化する値を計測できるセンサ等で代替することもできる。例えば、チルトアーム41、リフトアーム42、コンプレッションアーム43、又はリフトシリンダ44の角度を計測する角度計や加速度計等を、センサ55として用いることもできる。
-制御装置-
制御装置59は、例えばコンピュータであり、センサ55の出力に応じてアクチュエータ51を制御する機能を有する。制御装置59は、センサ55の出力に基づき荷受台20が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、アクチュエータ51を制御して(収縮指令して)道板61を倒伏姿勢にする。一方、制御装置59は、センサ55の出力に基づき荷受台20が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、アクチュエータを制御して(伸長指令して)道板61を起立姿勢にする。ここでいう設定高さとは、センサ55が検知する高さ、つまり荷台Lの床面高さ(又は荷台Lの床面から所定値だけ低く設定した高さ)のことである。
-動作-
荷受台20を用いて荷役作業をする際、荷受台20が設定高さ未満の高さに位置する場合、道板61は起立姿勢となる。荷受台20が設定高さ以上の高さに上昇し荷台Lの床面高さに接近すると、センサ55から制御装置59に信号が入力される。制御装置59は、センサ55からの信号に応じてアクチュエータ51に収縮を指令する信号を出力し、アクチュエータ51を駆動して道板61を倒伏させ、基端側荷受台21と荷台Lの床面との間に道板61を掛け渡す。
荷受台20が荷台Lの床面の高さから下降する場合には、上記と反対の動作をする。つまり、荷台Lの床面高さから荷受台20が下降し、設定高さ未満の高さになると、センサ55から制御装置59への信号の入力が途絶える。制御装置59は、信号の途絶に応じてアクチュエータ51に伸長を指令する信号を出力し、アクチュエータ51を駆動して道板61を起立させ、道板61とリフトアーム42等との干渉を回避する。
以上のように、本実施形態においては、荷受台20の昇降に応じて道板61が上下に駆動される。荷受台20が上昇した際には、荷受台20と荷台Lの床面との間に道板61が自動的に架け渡され、台車等が荷台Lと荷受台20との間を円滑に行き来できるようになる。一方、荷受台20が下降した際には、道板61が起立してリフトアーム42等との干渉が自動的に回避される。
なお、荷受台20の格納動作時には、道板61に先端側荷受台22が上から被さり、先端側荷受台22の重さにより道板61は基端側荷受台21の荷受面Sと面一に倒伏する。
-効果-
以上の通り、本実施形態によれば、荷受台20の昇降に応じて自動的に道板61が上下に駆動され、荷受台20が上昇した際には、荷受台20と荷台Lの床面との間に道板61が架け渡される。そのため、荷台Lと荷受台20との間に道板61を手作業で渡す必要がなく、台車を用いた荷役作業を効率的に行うことができる。道板61とリフトアーム42等との干渉も回避できる。
また、上下に回動するアームにより荷受台を昇降させる荷受台昇降装置においては、荷受台の前縁にフラップが設けられていることがある。本実施形態では、そのフラップ26に道板61を連結することで、既存要素を利用して道板61の回動構造を構築してある。これにより可動式の道板61を容易に製作することができる。但し、道板61はフラップ26とは別個に回動する構成としても構わない。また、道板61はフラップが存在しない荷受台昇降装置にも設けることができる。
(第2実施形態)
図7は本考案の第2実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図であり、第1実施形態の図4に対応する図である。図8は本実施形態に係る荷受台昇降装置の要部の図であり、図7のVIII部の拡大図である。図9は図8に対応する図であり、道板61が起立した状態を表す図である。これらの図において、第1実施形態と同一の又は対応する要素には、既出図面と同符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る荷受台昇降装置1は、道板61の上下駆動に動力を用いない点で第1実施形態と相違している。本実施形態に係る荷受台昇降装置1は、弾性体71、ロック装置72、及びアクチュエータ73を備えている。
-弾性体-
弾性体71は、道板61を起立姿勢に押し上げる部材であり、トーションバーや板バネ等を適宜用いることができるが、本実施形態ではねじりコイルバネを用いた構成を例示している。本実施形態では、基端側荷受台21の下面に固定したブラケット74にフラップ26の回転軸27が回転自在に支持されている。回転軸27とフラップ26とはブラケット75を介して連結され、ブラケット75と回転軸27とは止めピン76により固定されている。ねじりコイルバネである弾性体71は、回転軸27を内側に通した状態でブラケット74,75の間に介在し、両端がブラケット74,75に固定され、フラップ26及び道板61を起立姿勢の方向に押し上げている。
-ロック装置-
ロック装置72は、ロック状態で弾性体71の復元力に抗して道板61を倒伏姿勢で拘束可能な装置であり、本実施形態ではラチェット機構を採用した構成を例示する。ロック装置72は、可動ギヤ72a、固定ギヤ72b、サポート72c、バネ72dを備えている。可動ギヤ72aは、回転軸27の端部に固定されており、回転軸27、フラップ26及び道板61と共に回転する。固定ギヤ72bは、軸を介してサポート72cに支持されている。固定ギヤ72bは、サポート72cに対してスライド可能である一方で回転は不能である。サポート72cは、基端側荷受台21の下面に固定されており、固定ギヤ72bは基端側荷受台21に対して回転することがない。バネ72dは、固定ギヤ72bの軸を内側に通した状態で固定ギヤ72bとサポート72cとの間に介在し、固定ギヤ72bを可動ギヤ72aに押し当てている。
可動ギヤ72a及び固定ギヤ72bは、いわゆるランニングフェイスラチェットを構成し、互いの対向面に放射状に並ぶ溝が切られている。固定ギヤ72bは回転不能であるため、可動ギヤ72a及び固定ギヤ72bが互いに噛み合った状態では、可動ギヤ72aは矢印A方向には回転不能である。しかし、例えば道板61の起立姿勢時等の回転代があるのとき、矢印B方向に可動ギヤ72aにトルクをかけると、固定ギヤ72bがバネ72dの復元力に抗して左方向にスライドし、可動ギヤ72aの矢印B方向への回転は許容される。
-アクチュエータ-
アクチュエータ73は、ロック装置72を駆動して、ロック装置72のロック状態とアンロック状態とを切り換える。本実施形態において、アクチュエータ73にソレノイドを用いる構成を例示するが、モータやシリンダ等をアクチュエータ73に用いることもできる。アクチュエータ73によりバネ72dの復元方向と反対方向に固定ギヤ72bが引っ張られると、図9に示したように可動ギヤ72aから固定ギヤ72bが離れ、ロック装置72がアンロック状態になる。ロック装置72がアンロック状態になると、可動ギヤ72aの拘束が解かれ、弾性体71の復元力によりフラップ26と共に道板61が起立する。アクチュエータ73により固定ギヤ72bが原位置に戻されると、バネ72dの復元力により可動ギヤ72aと固定ギヤ72bとが噛み合い、ロック装置72がロック状態になる。ロック装置72がロック状態になると、起立した道板61を足で押さえる等して倒伏させることはできるが、一旦倒伏するとロック装置72がアンロック状態に切り換わらない限り道板61の倒伏姿勢が保持される。
-制御装置-
制御装置59は、本実施形態においては、センサ55の出力に応じてアクチュエータ73を制御する機能を有する。具体的には、制御装置59は、センサ55の出力に基づき荷受台20が設定高さ以上の高さ(荷台Lの床面付近)に位置すると判定した場合、アクチュエータ73を制御してロック装置72を自動的にロック状態に切り換える。これにより、例えば足で道板61を踏んで押さえる等して、立ったまま手を使わず道板61を荷受台20と荷台Lとの間に簡単に掛け渡すことができる。
他方、制御装置59は、センサ55の出力に基づき荷受台20が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、アクチュエータ73を制御してロック装置72を自動的にアンロック状態に切り換える。これにより、ロック装置72による拘束が解かれて弾性体71の復元力により道板61が起立し、第1実施形態と同じく荷受台20が下降する際にリフトアーム42と道板61との干渉が自ずと回避される。
本実施形態において、以上に述べた点以外は第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図10は本考案の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わった基端側荷受台の下面図、図11及び図12は本実施形態に係る道板保持機構の側面図、図13及び図14は本考案の第3実施形態に係る荷受台昇降装置に備わったリンクの側面図である。図10は第1実施形態の図4に対応している。図11及び図12は図10のXI-XI線による矢視断面図に相当し、図11は道板61が起立した状態、図12は道板61が倒伏した状態を表している。図13及び図14は図10のXIII-XIII線による矢視断面図に相当し、図13はリンクが上がった状態、図12はリンクが下がった状態を表している。図10-14において第1実施形態と同一又は対応する要素については、既出図面と同一符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態に係る荷受台昇降装置1は、道板61の上下駆動のうち上昇駆動にのみ動力を用いる点で第1実施形態と相違している。本実施形態に係る荷受台昇降装置1は、リンク81、アクチュエータ85、及び道板保持機構91を備えている。
-道板保持機構-
道板保持機構91は、道板61を起立姿勢又は倒伏姿勢で保持する機構であり、本実施形態ではターンオーバー機構を適用した構成を例示する。道板保持機構91は、本実施形態においては、図10に示すように2カ所(基端側荷受台21の幅方向の両側、具体的には左右のスチフナ24よりも幅方向外側の位置)に設けられている。2つの道板保持機構91は、それぞれ第1アーム92、第2アーム93、バネ94を含んで構成されている。
第1アーム92は、基端側荷受台21の前部の下面に備わったブラケット20aに左右に延びるピン95を介して連結され、前後に延びる鉛直面に沿って回動する。第2アーム93は、第1アーム92の先端と道板61の下面に備わったブラケット61aとにそれぞれ左右に延びるピン96,97を介して両端が回動可能に連結されており、第1アーム92及び道板61を連結している。第1アーム92及び第2アーム93は、道板61の角度によらず常に道板61の回動支点である回転軸27と反対側に凸の状態に屈曲している(ピン95,97を結ぶ直線に対してピン96が常に下側に位置する)。バネ94(本例では圧縮コイルバネ)は、図11に示したように荷受台20のブラケット20aに設けたピン20bと第1アーム92に設けたピン92aに両端のフックが掛けられている。こうして荷受台20及び第1アーム92に対して両端が連結されることで、バネ94はピン20b,92aの間で収縮方向に復元力を作用させている。
上記のピン95は、荷受台20に連結されたバネ94の一端(ピン20b)と第1アーム92に連結されたバネ94の他端(ピン92a)との間に位置している。道板61の角度に応じて第1アーム92が回動すると、ピン92aが変位してバネ94がピン20bを中心に回動する。道板61が倒伏した状態ではバネ94の中心線はピン95の中心よりも下側に位置し、バネ94の復元力は第1アーム92を下向きに引っ張る方向に作用する(図12)。これにより道板61が倒伏姿勢で保持される。反対に、道板61が起立した状態ではバネ94の中心線はピン95の中心よりも上側に位置し、バネ94の復元力は第1アーム92を上向きに押し上げる方向に作用する(図11)。これにより道板61が起立姿勢で保持される。このように第1アーム92が死点を超えて下方に回動するとバネ94の復元力が道板61を倒伏姿勢で保持する力に切り換わり、第1アーム92が死点を超えて上方に回動するとバネ94の復元力が道板61を起立姿勢で保持する力に切り換わる。
-リンク-
リンク81は、道板61を起立姿勢に押し上げるための部材であり、図13においては、先端が上方に折れ曲がったL字型の部材をリンク81の一構成例として図示してある。リンク81は、左右に延びる回転軸82を介して基端側荷受台21の下面に回動可能に連結されており、前後に延びる鉛直面に沿って回転軸82を中心に回動する。本実施形態においては、図10に示したように、左右のスチフナ24の間の位置で基端側荷受台21の幅方向の中央部にリンク81を1つのみ設けた構成を例示している。
-アクチュエータ-
アクチュエータ85は、リンク81を上下に駆動する装置であり、リンク81に対応して設けられている。アクチュエータ85には、例えば電動シリンダを用いることができる。アクチュエータ85の前端はリンク81に、アクチュエータ51の後端は荷受台20(基端側荷受台21)の下面に、それぞれ回動可能に連結されている。アクチュエータ85が伸長すると、リンク81が上方に回動し、道板61がリンク81に押し上げられて起立する。アクチュエータ85が収縮すると、リンク81が下方に回動し、道板保持機構91を操作に応じて道板61が倒伏可能な状態となる。
なお、アクチュエータ85は、リンク81を上下に駆動できれば良く、油圧シリンダを用いることもできるし、回転軸82に回転動力を与えるモータ等、シリンダ以外の駆動装置を用いることもできる。
また、アクチュエータ85は、一定以上の外力を受けると外力に従動する。従って、例えば、アクチュエータ85が伸長した状態であっても、荷受台20を格納する際、先端側荷受台22が被さって道板61を押さえると、アクチュエータ85が収縮し道板61が倒伏する。そのため、道板61が荷受台20の格納動作を阻害することはない。
-制御装置-
制御装置59は、本実施形態においては、センサ55の出力に応じてアクチュエータ85を制御する機能を有する。具体的には、制御装置59は、センサ55の出力に基づき荷受台20が設定高さ以上の高さ(荷台Lの床面付近)に位置すると判定した場合、アクチュエータ85を制御してリンク81を下方に回動させて道板61の倒伏姿勢への変位を許容する。リンク81が上方に上がった状態から下方に回動した時点では、道板保持機構91により道板61が起立姿勢で保持されるが、例えば足で道板61を踏んで押さえることで、立ったまま手を使わず荷受台20と荷台Lとの間に簡単に道板61を掛け渡すことができる。道板61の倒伏姿勢は、道板保持機構91により保持される。
他方、制御装置59は、センサ55の出力に基づき荷受台20が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、アクチュエータ85を制御してリンク81を上方に回動させて道板61を起立姿勢にする。これにより、第1実施形態と同じく荷受台20が下降する際にリフトアーム42と道板61との干渉が自動的に回避される。
本実施形態において、以上に述べた点以外は第1実施形態と同様である。
(変形例)
上記実施形態では、先端側荷受台22が1枚の(1箇所で荷受台20が折れる)構造を例示したが、先端側荷受台22を前後複数枚の荷受台で構成し、荷受台20が2カ所以上で折れる構造としても良い。このような荷受台を採用した荷受台昇降装置にも以上で説明した道板61の可動機構は適用可能である。また、荷受台を折り畳まなくてもスライドシリンダで引き込むだけで車枠Fの下部に格納できる場合には、荷受台20の折り畳み機構自体を省略できる。また荷受台昇降装置には、車枠の下側に荷受台を格納するものの他、荷受台を車両の荷台の壁面(例えば後面)に沿って起立させた格納姿勢が選択できるものも存在する。このような2通りの格納姿勢を採用する荷受台昇降装置にも本考案は適用可能である。また車枠の下側に荷受台を格納する機構を持たず、荷受台を車両の荷台の壁面に沿って起立させて格納する荷受台昇降装置にも本考案は適用可能である。
1…荷受台昇降装置、20…荷受台、42…リフトアーム、51…アクチュエータ、55…センサ、59…制御装置、61…道板、71…弾性体、72…ロック装置、73…アクチュエータ、81…リンク、85…アクチュエータ、91…道板保持機構、L…荷台

Claims (5)

  1. 車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、
    前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、
    前記荷受台の前記荷台との対向部に上下に回動可能に設けられ、前記荷受台に沿って倒伏した倒伏姿勢と前記荷受台に対して起立した起立姿勢とに姿勢が変化する道板と、
    前記道板を上下に駆動するアクチュエータと、
    前記荷受台の高さを検出するセンサと、
    前記センサの出力に応じて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記道板を前記倒伏姿勢にし、
    前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記道板を前記起立姿勢にする
    荷受台昇降装置。
  2. 車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、
    前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、
    前記荷受台の前記荷台との対向部に上下に回動可能に設けられ、前記荷受台に沿って倒伏した倒伏姿勢と前記荷受台に対して起立した起立姿勢とに姿勢が変化する道板と、
    前記道板を前記起立姿勢に押し上げる弾性体と、
    ロック状態で前記弾性体の復元力に抗して前記道板を前記倒伏姿勢で拘束可能なロック装置と、
    前記ロック装置を駆動して前記ロック装置のロック状態とアンロック状態とを切り換えるアクチュエータと、
    前記荷受台の高さを検出するセンサと、
    前記センサの出力に応じて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記ロック装置を前記ロック状態にし、前記ロック装置による前記道板の拘束を可能とし、
    前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記ロック装置を前記アンロック状態とし、前記道板を前記弾性体の復元力により前記起立姿勢にする
    荷受台昇降装置。
  3. 請求項2の荷受台昇降装置において、前記ロック装置は、ラチェット機構である荷受台昇降装置。
  4. 車両の荷台に対して上下に回動する左右のリフトアームと、
    前記左右のリフトアームの先端に連結された荷受台と、
    前記荷受台の前記荷台との対向部に上下に回動可能に設けられ、前記荷受台に沿って倒伏した倒伏姿勢と前記荷受台に対して起立した起立姿勢とに姿勢が変化する道板と、
    前記荷受台に対して上下方向に回動可能に連結され、前記道板を前記起立姿勢に押し上げるリンクと、
    前記リンクを上下に駆動するアクチュエータと、
    前記道板を前記起立姿勢で保持するターンオーバー機構で構成された道板保持機構と、
    前記荷受台の高さを検出するセンサと、
    前記センサの出力に応じて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ以上の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記リンクを下方に回動させて前記道板の前記倒伏姿勢への変位を許容し、
    前記センサの出力に基づき前記荷受台が設定高さ未満の高さに位置すると判定した場合、前記アクチュエータを制御して前記リンクを上方に回動させて前記道板を前記起立姿勢にする
    荷受台昇降装置。
  5. 請求項1-4のいずれか1つの荷受台昇降装置において、前記設定高さは、前記荷台の床面の高さ、又は前記床面の高さよりも所定値だけ低く設定した高さである荷受台昇降装置。
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