JP6847530B2 - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウェーハの加工方法に関する。
電子機器には、ICやLED等のデバイスを搭載した多数のチップが組み込まれている。半導体でなるウェーハを加工して該チップを形成する加工方法では、該ウェーハの表面に交差する複数の分割予定ラインを設定し、該分割予定ラインによって区画される各領域にデバイスを形成し、該ウェーハを該分割予定ラインに沿って分割する。近年、チップの薄型化に対する要求が高まっているため、例えば、該ウェーハを分割する前に該ウェーハの裏面を研削してウェーハを薄化する。すると、薄化されたチップを作製できる。
ウェーハを分割予定ラインに沿って分割するには、例えば、該分割予定ラインに沿ってウェーハの裏面側から該ウェーハに透過性を有するレーザビームを照射する。そして、該ウェーハの内部に該レーザビームを集光させ多光子吸収を生じさせて、ウェーハの内部に分割の起点となる改質層を形成する。次に、該ウェーハに外力を作用させて該改質層からウェーハの厚さ方向にクラックを伸長させて、その後ウェーハを裏面側から研削して、ウェーハを個々のチップに分割する(特許文献1参照)。
上述のようなウェーハの加工方法に対して、例えば、ウェーハの裏面側の研削と、クラックの伸長と、を同時に実施する加工方法が検討されている。すなわち、ウェーハの内部に改質層を形成して、その後、該ウェーハの裏面側を研削してウェーハを薄化するとともに、研削で生じた力により該改質層から表面にクラックを伸長させて、ウェーハを分割する。このように、分割と研削とを同時に実施するとウェーハの加工方法を簡略化できる。
さらに、ウェーハの裏面からレーザビームを照射して改質層を形成する際に、レーザ加工装置のレーザ照射条件を調整して、改質層を形成するとともに該改質層からウェーハの表面に至るクラックを形成するウェーハの加工方法が検討されている。該加工方法においては、改質層とともにウェーハの表面に至るクラックを形成することで、ウェーハをより確実に分割できる。そして、ウェーハを確実に分割するために、該加工方法におけるクラックの形成状況を判定する技術が検討されている(特許文献2参照)。
ウェーハの内部に改質層を形成した後には、ウェーハの裏面側を研削するためにウェーハをレーザ加工装置から研削装置等に搬送し、ウェーハの表面を下側に向けた状態でウェーハを該研削装置のチャックテーブル上に載せる。該研削装置では、ウェーハを該チャックテーブルに吸引保持させて、研削ホイールとチャックテーブルとをそれぞれ回転させながら、研削ホイールとウェーハと接触させて研削を実施する。
特開2005−86161号公報 特開2015−12015号公報
該改質層を形成する際に該改質層からウェーハの表面に至る該クラックを形成すると、分割予定ラインに沿ってウェーハの表面に該クラックが露出する。該クラックの両壁面は該クラックが形成される前は結合しており、該クラックが形成されるとクラックが占める空間の分だけ該両壁面が移動する。
そのため、複数の分割予定ラインのすべてに該クラックが形成されると、ウェーハの表面には、外周に向かう力(ストレス)がかかる。一方で、ウェーハの裏面にはそのような力がかからない。すると、ウェーハは裏面を内側とするように反ってしまう。
ウェーハが裏面を内側とするように反ると、レーザ加工装置の搬送機構がウェーハを適切に保持できず、ウェーハを搬送できない場合がある。さらに、ウェーハを研削装置に搬送できたとしても、ウェーハの表面を下側に向けてチャックテーブルに載せる際、ウェーハが反っていると該表面がチャックテーブルから部分的に浮いてしまう。すると、チャックテーブルから負圧を作用させて該ウェーハを吸引保持しようとしても、浮いている部分から負圧がリークし、適切な吸引保持が困難となる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウェーハの反りを軽減し、ウェーハの搬送を容易にして、該ウェーハの吸引保持を可能とするウェーハの加工方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、該第1の方向に交差する第2の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、によって区画された各領域にそれぞれデバイスが形成された表面を有するウェーハの加工方法であって、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第1のレーザビームを該ウェーハ内部に照射して集光することで第1の改質領域を形成する第1のレーザ加工ステップと、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第2のレーザビームを該ウェーハ内部に照射して集光することで第2の改質領域を形成する第2のレーザ加工ステップと、を該第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインの一端の分割予定ラインから順に他端の分割予定ラインに至るまで、それぞれの分割予定ラインに沿って交互に実施するレーザ加工ステップを備え、該第1の改質領域は、互いに高さ位置の異なる複数の改質層と、該複数の改質層のうち最も該ウェーハの表面に近い改質層から該表面に伸長することで該表面側に露出するクラックと、を含み、該第2の改質領域は、互いに高さ位置の異なる複数の改質層を含み、該第2の改質領域に含まれる改質層の層数は、該第1の改質領域に含まれる改質層の層数よりも少ないことを特徴とするウェーハの加工方法が提供される。
本発明の一態様に係るウェーハの加工方法によると、ウェーハの表面の複数の分割予定ラインに沿って形成された改質層のすべてから該表面に至るクラックを生じさせるのではなく、一部の分割予定ラインにのみ該クラックを形成する。つまり、残りの分割予定ラインにはクラックを形成しないので、その分ウェーハの反りは軽減される。
ウェーハの反りが軽減されると、ウェーハが搬送機構により搬送されやすくなり、また、研削装置のチャックテーブルに吸引保持されやすくなる。ウェーハの表面に至るクラックが全く存在しなければウェーハは反らないが、ウェーハを個々のチップに分割しにくくなる。該表面に至るクラックが適度に形成されると、ウェーハをチップに分割しやすくなるうえ、ウェーハの反りによる問題も抑制できる。
また、ウェーハの裏面を研削する前にすべての改質層から表面に至るクラックが発生していると、ウェーハの裏面を研削してウェーハを薄化するときに、ウェーハは該クラックにより研削開始後の早いタイミングに分割される。そして、研削加工はウェーハが個々のチップに分割された後にも継続される。すると、さらなる研削により力がかかり個々のチップが該表面に平行な面内を動き、チップ同士が衝突するようになる。特にチップの角部同士が衝突すると、欠けや不要なクラック等の損傷がチップに生じ易い。
一方、すべての改質層から表面に至るクラックを生じさせず、一部の改質層からだけ表面に至るクラックを生じさせ、残りの改質層からは表面に至るクラックを生じさせていなければ、研削の際にウェーハの分割は段階的に進行する。
研削が段階的に進行すると、分割の初期段階では改質層から表面に至るクラックが存在しない箇所で結合が維持され、複数のチップの結合体が形成される。該結合体は、個々のチップよりも大きいため、研削による力が加わっても動きにくく、該結合体がさらに個々のチップに分割されるまでの間、該結合体同士の衝突は抑制される。よって、本発明の一態様により、形成されるチップの損傷を低減できる。
したがって、本発明の一態様により、ウェーハの反りを軽減し、ウェーハの搬送を容易にして、該ウェーハの吸引保持を可能とするウェーハの加工方法が提供される。
複数の分割予定ラインの例を模式的に示すウェーハの上面図である。 図2(A)は、第1のレーザ加工ステップを説明する断面模式図であり、図2(B)は、第2のレーザ加工ステップを説明する断面模式図である。 研削ステップを説明する断面模式図である。
本発明に係る実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る被加工物であるウェーハ1の上面図を示す。該被加工物であるウェーハ1は、例えば、シリコン、SiC(シリコンカーバイド)、若しくは、その他の半導体等の材料、または、サファイア、ガラス、石英等の材料からなる円板状の基板である。
図1に示す通り、該ウェーハ1の表面1aは、第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aと、該第1の方向1cに対して垂直な第2の方向1dに平行な複数の分割予定ライン3bと、で格子状に区画される。区画された各領域にそれぞれIC(Integrated circuit)やLED(Light emitting diode)等のデバイス5が形成されている。ウェーハ1は、最終的に分割予定ライン3に沿って分割され、個々のチップが形成される。
第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aは、第1の分割予定ライン3cと、該2の分割予定ライン3dと、に分けられる。第1の分割予定ライン3cと、該2の分割予定ライン3dと、は交互に設定される。また、第2の方向1dに平行な複数の分割予定ライン3bは、第3の分割予定ライン3eと、該4の分割予定ライン3fと、に分けられる。第3の分割予定ライン3eと、該4の分割予定ライン3fと、は交互に設定される。
図1では、第1の分割予定ライン3c及び第3の分割予定ライン3eを二点鎖線で示し、第2の分割予定ライン3d及び第4の分割予定ライン3fを一点鎖線で示す。なお、本実施形態に係るウェーハの加工方法を実施する間、該デバイス5を保護するために、図2(A)、図2(B)及び図3に示す通り、ウェーハ1の表面1aには表面保護テープ13が貼着されてもよい。
次に、本実施形態に係るウェーハ1の加工方法について説明する。該加工方法では、複数の分割予定ライン3aの一端の分割予定ライン3aから他端の分割予定ライン3aに至るまで交互に並ぶ第1の分割予定ライン3cと、該2の分割予定ライン3dと、に対して順に第1のレーザ加工ステップと、第2のレーザ加工ステップと、を交互に実施するレーザ加工ステップを実施する。
第1のレーザ加工ステップでは、ウェーハ1に対して透過性を有する波長の第1のレーザビームを複数の第1の分割予定ライン3cの一つの分割予定ラインに沿って集光点の高さを変えて複数回照射して、第1の改質領域を形成する。初めて第1のレーザ加工ステップを実施する際には、該複数の第1の分割予定ライン3cの一端の第1の分割予定ライン3cに沿って第1のレーザ加工ステップを実施する。
図2(A)は、第1の改質領域を形成する第1のレーザ加工ステップを説明する断面模式図である。なお、本図においては、説明の便宜上、一部の構成要素にハッチングを付していない。
第1のレーザ加工ステップでは、該ウェーハ1の裏面1b側から該ウェーハ1の内部に第1の分割予定ライン3cに沿って集光点の高さを変えて該第1のレーザビームを複数回照射することで該ウェーハ1の内部に第1の改質領域を形成する。該第1の改質領域には、互いに高さ位置の異なる複数の第1の改質層が含まれる。複数の第1の改質層は、例えば、図2(A)に示される通り3層形成される。
第1のレーザ加工ステップで使用されるレーザ加工装置2は、ウェーハ1を吸引保持するチャックテーブル4と、レーザビームを発振する加工ヘッド8と、を備える。チャックテーブル4は、吸引源(不図示)と接続された吸引路(不図示)を内部に有し、該吸引路の他端がチャックテーブル4上の保持面6に接続されている。該保持面6は多孔質部材によって構成される。該保持面6上に載せ置かれたウェーハ1に該多孔質部材を通して該吸引源により生じた負圧を作用させるとチャックテーブル4はウェーハ1を吸引保持する。
加工ヘッド8は、発振されたレーザビームをウェーハ1の内部に集光する機能を有し、ウェーハ1の内部の所定の深さに多光子吸収を生じさせて改質層を形成する。なお、該レーザビームには、例えば、Nd:YVOまたはNd:YAGを媒体として発振され、ウェーハ1に対して透過性を有する波長のレーザビームが用いられる。レーザ加工装置2は、ウェーハ1の内部の任意の高さにレーザビームを集光できる。
チャックテーブル4は、パルスモータ等を動力とする加工送り手段(不図示)により、レーザ加工装置2の加工送り方向(例えば、図2(A)の矢印の方向)に送られる。ウェーハ1は、チャックテーブル4が加工送り方向に送られて加工送りされる。
第1のレーザ加工ステップでは、まず、ウェーハ1の表面1aを下側に向け、レーザ加工装置2のチャックテーブル4の保持面6にウェーハ1を載せる。そして、該チャックテーブル4から負圧を作用させて、ウェーハ1を吸引保持させる。
次に、複数の第1の分割予定ライン3cうち一つの第1の分割予定ライン3cに沿ってレーザ加工装置2の加工ヘッド8からウェーハ1の裏面1bに第1のレーザビームを照射する。該第1のレーザビームをウェーハ1の所定の深さに集光させウェーハ1を加工送りして、複数の第1の改質層のうち最もウェーハ1の表面1aに近い第1の改質層9aを形成する。
次に、第1のレーザビームの集光点を第1の改質層9aよりも裏面1b側の高さ位置に位置付けて、ウェーハ1を加工送りして同じ第1の分割予定ライン3cに沿って第1のレーザビームを照射して第1の改質層9aよりも裏面1bに近い高さ位置に第1の改質層9bを形成する。第1の改質層9bを形成する際は、該第1の改質層9aを形成した際とは逆方向にウェーハ1を加工送りさせる。
さらに、第1のレーザビームの集光点を第1の改質層9bよりも裏面1b側の高さ位置に位置付けて、ウェーハ1を加工送りして同じ第1の分割予定ライン3cに沿って第1のレーザビームを照射して複数の第1の改質層のうち最も裏面1bに近い第1の改質層9cを形成する。第1の改質層9cを形成する際は、該第1の改質層9bを形成した際とは逆方向にウェーハ1を加工送りさせる。
該第1の改質層9cを形成する際の第1のレーザビームの照射により、最も表面1aに近い第1の改質層9aから表面1aに至るクラック7が形成される。以上により、第1の分割予定ライン3cの一つに沿って、複数の第1の改質層と、クラック7と、を含む第1の改質領域が形成される。
例えば、ウェーハ1にシリコンウェーハを用いる場合、複数の第1の改質層を形成する際に照射される第1のレーザビームには、例えば、シリコンに対して透過性を有する波長1342nmのパルスレーザビームを用いる。出力を0.9W〜1.1W、繰り返し周波数を90kHzとし、ウェーハ1の送り速度を700mm/sに設定する。
最も表面1aに近い第1の改質層9aは、表面1aから65μm〜75μm離れた高さ位置に形成される。第1の改質層9aの高さ位置は、該第1の改質層9aからクラックが伸長するときに該クラックが近接するデバイス5に達しない高さに設定される。次に形成される第1の改質層9bは、該第1の改質層9aから裏面1b側に60μm〜70μm離れた高さ位置に形成される。さらに、最も裏面1b側に近い第1の改質層9cは、第1の改質層9bから裏面1b側に60μm〜70μm離れた高さ位置に形成される。
本実施形態に係るウェーハの加工方法では、次に第2のレーザ加工ステップを実施する。図2(B)を用いて第2のレーザ加工ステップを説明する。該ステップでは、ウェーハ1に対して透過性を有する波長の第2のレーザビームを該第2の分割予定ライン3dの一つに沿って集光点の高さを変えて複数回照射して、第2の改質領域を形成する。初めて第2のレーザ加工ステップを実施する際には、該複数の第2の分割予定ライン3dの一端の第2の分割予定ライン3dに沿って第2のレーザ加工ステップを実施する。
図2(B)は、第2の改質領域を形成する第2のレーザ加工ステップを説明する断面模式図である。なお、本図においては、説明の便宜上、一部の構成要素に付されるハッチングを省略している。
第2のレーザ加工ステップでは、該ウェーハ1の裏面1b側から該ウェーハ1の内部に集光点の高さを変えて第2のレーザビームを複数回照射することで、該ウェーハ1の内部に第2の改質領域を形成する。該第2の改質領域は、互いに高さ位置の異なる複数の改質層を含み、該第2の改質領域に含まれる改質層の層数は、該第1の改質層に含まれる改質層の層数よりも少ない。複数の第2の改質層は、例えば、図2(B)に示される通り2層形成される。
第2のレーザ加工ステップでは、第1のレーザ加工ステップで使用されるレーザ加工装置2を引き続き使用する。レーザ加工ステップでは、チャックテーブル4にウェーハ1を吸引保持させたまま、第1のレーザ加工ステップと、第2のレーザ加工ステップと、を続けて実施する。
第2のレーザ加工ステップでは、レーザ加工装置2の加工ヘッド8からウェーハ1の裏面1bに第2の分割予定ライン3dの一つに沿って第2のレーザビームを照射する。該第2のレーザビームをウェーハ1の所定の深さに集光させウェーハ1を加工送りして、複数の第2の改質層のうち最もウェーハ1の表面1aに近い第2の改質層11aを形成する。
次に、第2のレーザビームの集光点を第2の改質層11aよりも裏面1b側の高さ位置に位置付けて、ウェーハ1を加工送りして同じ分割予定ラインに沿って第2のレーザビームを照射して第2の改質層11aよりも裏面1bに近い高さ位置に第2の改質層11bを形成する。第2の改質層11bを形成する際は、該第2の改質層11aを形成した際とは逆方向にウェーハ1を加工送りさせる。以上により、第2の分割予定ライン3dの一つに沿って、複数の第2の改質層を含む第2の改質領域が形成される。
例えば、ウェーハ1にシリコンウェーハを用いる場合、複数の第2の改質層を形成する際に照射される第2のレーザビームには、例えば、シリコンに対して透過性を有する波長1342nmのパルスレーザビームを用いる。出力を1.1W〜1.3W、繰り返し周波数を90kHzとし、ウェーハ1の送り速度を700mm/sに設定する。
最も表面1aに近い第2の改質層11aは、表面1aから80μm〜90μm離れた高さ位置に形成される。第2の改質層11aの高さ位置は、該第2の改質層11aからクラックが伸長するときに近接するデバイス5に達しない高さに設定される。次の第2の改質層11bは、該第2の改質層11aから裏面1b側に60μm〜70μm離れた高さ位置に形成される。
ウェーハ1の内部に形成された改質層に外力が作用すると、該改質層から伸長するクラックが発生する。ウェーハ1の内部に既に形成された改質層に重なるさらなる改質層を形成するようにレーザビームを照射すると、既存の改質層に外力を作用できる。そして、ウェーハ1の表面1aに近い領域に形成された改質層に加わる外力が所定の水準を超えると、該改質層から伸長するクラックがウェーハ1の表面1aに至り、該クラックが表面1aに露出する。
そこで、本実施形態に係るウェーハの加工方法では、第2のレーザ加工ステップで形成される該第2の改質領域に含まれる改質層の層数を、第1のレーザ加工ステップで形成される該第1の改質領域に含まれる改質層の層数よりも少なくする。例えば、第1の改質領域に含まれる第1の改質層の層数を3とし、第2の改質領域に含まれる第2の改質層の層数を2とする。
すると、第1の改質領域においては、最もウェーハ1の表面1aに近い第1の改質層9aに加わる外力が所定の水準を超えて、該第1の改質層9aから伸長するクラックが表面1aに至る。その一方で、第2の改質領域においては、最もウェーハ1の表面1aに近い第2の改質層11aに加わる外力が所定の水準を超えにくい。
本実施形態に係るウェーハの加工方法では、改質層から表面1aに至るクラックがすべての分割予定ラインに沿っては形成されず、その一方で、一部の分割予定ラインに沿って改質層から表面1aに至るクラックが形成される。そのため、すべての分割予定ラインに沿って改質層から表面1aに至るクラックが形成される場合と比べ、ウェーハ1の反りを抑えられる。
また、複数の第1の改質層の最も表面1aに近い第1の改質層9a及び複数の第2の改質層の最も表面1aに近い第2の改質層11aは、表面1aからの深さが、作製される個々のチップの仕上がり厚さよりも深くなるように形成される。
該仕上がり厚さよりも浅い深さに改質層が形成されると、ウェーハ1が薄化されて個々のチップに分割されたときに、個々のチップの側面に該改質層が残り、該チップが衝撃等を受けたとき該改質層から欠けやクラック等の損傷が生じる場合がある。そのため、後述の研削ステップでウェーハ1を薄化する過程で改質層が研削により除去されるように、改質層の深さをこのように設定する。
レーザ加工ステップを実施すると、第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aのすべてに沿って、改質層が形成される。そして、チャックテーブル4を回転させてウェーハ1を加工送りする方向を切り替えて同様にレーザ加工ステップを実施すると、すべての分割予定ラインに沿って改質層が形成される。
つまり、第2の方向1dに平行な複数の分割予定ライン3bについても、第3の分割予定ライン3eに沿って第1のレーザ加工ステップを実施する一方で、第4の分割予定ライン3fに沿って第2のレーザ加工ステップを実施する。
改質層からウェーハ1の表面1aに至るクラックが形成されると、該クラックの両壁面を移動させるように力がかかる。該クラックがウェーハ1のすべての分割予定ライン3に形成される場合、該力の総計としてウェーハ1の表面1aにウェーハ1の外周に向いた力(ストレス)がかかり、ウェーハ1は裏面1bを内側にして反るようになる。そこで、本実施形態に係るウェーハの加工方法においては、分割予定ライン3のすべてに該クラックが形成されないようにする。
本実施形態に係るウェーハの加工方法では、第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aを構成する第1の分割予定ライン3c及び第2の分割予定ライン3dは図1に示す通り、交互に並ぶように配される。すると、表面1aに至るクラックが発生する改質層の数が全改質層の半数程度になり、ウェーハ1の表面1a側にかかる力を表面1a全体で均一に小さくできる。
本実施形態に係るウェーハの加工方法では、第1の分割予定ライン3cと、第2の分割予定ライン3dと、を交互に並ぶように設定し、並ぶ順番にレーザビームを照射して該順番で改質領域を形成する。すると、ウェーハ1の割り出し送りの総距離を最小限にできる。そのため、例えば、第1の分割予定ライン3cのすべてに第1のレーザ加工ステップを実施してから、次に第2の分割予定ライン3dのすべてに第2のレーザ加工ステップを実施する場合と比較して、加工に要する時間を短縮できる。
次に、図3を用いて研削ステップについて説明する。図3は、研削ステップにおけるウェーハ1の断面を模式的に説明する部分断面図である。本図では、説明の便宜上、一部の構成要素にハッチングを付していない。該研削ステップは、レーザ加工ステップが実施された後に実施される。該研削ステップでは、ウェーハ1の裏面1b側が研削されウェーハ1が所定の厚さに薄化されるとともにウェーハ1が個々のチップへと分割される。
本ステップでは研削装置10が用いられる。研削装置10は、研削ホイール14に垂直な回転軸を構成するスピンドル12と、該スピンドル12の一端側に装着され下側に研削砥石16を備える円盤状の研削ホイール14と、を備える。該スピンドル12の他端側にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、該モータが該スピンドル12を回転させると、該スピンドル12に装着された研削ホイール14も回転する。
また、研削装置10は、研削ホイール14と対面し研削の対象を保持するチャックテーブル18を有する。チャックテーブル18の上面には、吸引源(不図示)に接続された多孔質部材が配される。なお、チャックテーブル18は、その保持面20に略垂直な軸の周りに回転可能である。
研削ステップでは、まず、ウェーハ1の表面1aを下側に向け、チャックテーブル18の保持面20上にウェーハ1を載せ置く。そして、該多孔質部材を通して該吸引源による負圧を作用させて、ウェーハ1をチャックテーブル18上に保持させる。
このとき、ウェーハ1に設定されたすべての分割予定ライン3に沿ってウェーハ1の表面に至るクラック7が発生していると、ウェーハ1の反りが大きくなりやすい。すると、ウェーハ1の表面1aを下側に向け、チャックテーブル18の保持面20上にウェーハ1を載せるときに、ウェーハ1の表面1aと、保持面20と、の間に大きな隙間を生じる。そのため、チャックテーブル18から負圧を作用させてウェーハ1を該チャックテーブル18に吸引保持させようとしても、隙間から負圧がリークして吸引保持は困難である。
これに対して、本実施形態に係るウェーハの加工方法においては、ウェーハ1に形成された一部の改質層からウェーハ1の表面1aに至るクラック7が発生しているが、他の改質層からは該クラックが発生していない。そのため、ウェーハ1の反りが軽減される。すると、該ウェーハ1をチャックテーブル18に載せたときに、ウェーハ1の表面1aと、保持面20と、の間の隙間は小さくなり、チャックテーブル18からウェーハ1に適切に負圧を作用しやすくなるため、吸引保持が容易となる。
ウェーハ1をチャックテーブル18に吸引保持させた後、チャックテーブル18を回転させ、さらに、スピンドル12を回転させて研削ホイール14を回転させる。そして、研削ホイール14を下降させ研削砥石16がウェーハ1の裏面1bに接触すると、該裏面1bの研削が開始される。研削ホイール14をさらに下降させてウェーハ1を所定の厚さに薄化する。なお、研削加工中に改質層からウェーハ1の厚さ方向にクラックが伸長し、該クラックがウェーハ1を厚さ方向に貫くと、該クラックによりウェーハ1は分割される。
例えば、予めすべての改質層から表面1aに至るクラック7が形成されている場合、研削ステップでは、ウェーハ1は早いタイミングで該クラック7により個々のチップに分割される。そして、研削はその後も継続され、研削により該表面1aに平行な面内を動くように各チップに力がかかり、チップ同士が衝突する。特にチップの角部同士が衝突すると、大きな衝撃が生じて欠け等の損傷がチップに生じてしまう。
これに対して、本実施形態においては、一部の改質層から表面1aに至るクラック7を生じさせるため、研削ステップではウェーハ1の分割は段階的に進行する。すなわち、研削が進行すると、まず表面1aに至るクラック7が存在する箇所でウェーハ1は分割される。次に、該クラック7が生じていない改質層9が存在する箇所でウェーハ1は分割される。
分割が段階的に進行すると、表面1aに至るクラック7の存在する箇所でウェーハ1が分割される際、該クラック7が存在しない箇所では結合が維持され、複数のチップの結合体が形成される。該結合体は、個々のチップよりも大きいため、研削による力が加わっても該チップよりも動きにくく、該結合体がさらに個々のチップに分割されるまでの間、該結合体同士の衝突は抑制される。したがって、本発明の一態様により、形成されるチップの損傷を低減できる。
そして、すべての改質層からクラックが伸長し、該クラックがウェーハ1を上下に貫き、ウェーハ1がチップの仕上がり厚さにまで研削されると、個々のチップが形成される。
以上に説明したウェーハの加工方法により、ウェーハ1の反りが軽減されウェーハ1の吸引保持が可能となり、適切にウェーハ1を研削して個々のチップを形成できる。
なお、本発明は、上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、複数の第1の分割予定ライン3cと、複数の第2の分割予定ライン3dと、に対して第1のレーザ加工ステップと、第2のレーザ加工ステップと、を交互に実施する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。
例えば、第1の分割予定ライン3cに対して第2のレーザ加工ステップを実施して、第2の分割予定ライン3dに対して第1のレーザ加工ステップを実施してもよい。この場合、第1の分割予定ライン3cに沿って第2の改質領域が形成され、第2の分割予定ライン3dに沿って第1の改質領域が形成される。
また、第1のレーザ加工ステップ及び第2のレーザ加工ステップにおいて、各分割予定ラインに沿って、ウェーハの裏面側からレーザビームを照射する場合について説明した。しかし、例えば、第1のレーザ加工ステップ及び第2のレーザ加工ステップにおいては、ウェーハの表面側からレーザビームを照射してもよい。その場合、第1の改質領域及び第2の改質領域に含まれる複数の改質層は、ウェーハ1の裏面1b側から順に形成される。
さらに、上記実施形態では、第1のレーザ加工ステップ及び第2のレーザ加工ステップにおいて、各分割予定ラインに沿って、レーザビームを集光点の高さを変えて複数回照射する場合について説明した。しかし、第1のレーザ加工ステップ及び第2のレーザ加工ステップにおいて、レーザビームを各分割予定ラインに沿って複数回照射しなくてもよい。
例えば、一度のレーザビームの照射で複数の異なる高さ位置にレーザビームを集光できる多焦点光学系を用いてレーザビームを照射してもよい。該多焦点光学系を用いると、レーザビームをウェーハの内部に照射しながらウェーハ1を1度加工送りするだけで、互いに高さの異なる複数の改質層を分割予定ラインに沿って同時に形成できる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 ウェーハ
1a 表面
1b 裏面
1c 第1の方向
1d 第2の方向
3 分割予定ライン
3a 第1の方向に平行な分割予定ライン
3b 第2の方向に平行な分割予定ライン
3c 第1の分割予定ライン
3d 第2の分割予定ライン
3e 第3の分割予定ライン
3f 第4の分割予定ライン
5 デバイス
7 クラック
9a,9b,9c 第1の改質層
11a,11b 第2の改質層
13 表面保護テープ
2 レーザ加工装置
4 チャックテーブル
6 保持面
8 加工ヘッド
10 研削装置
12 スピンドル
14 研削ホイール
16 研削砥石
18 チャックテーブル
20 保持面

Claims (1)

  1. 第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、該第1の方向に交差する第2の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、によって区画された各領域にそれぞれデバイスが形成された表面を有するウェーハの加工方法であって、
    該ウェーハに対して透過性を有する波長の第1のレーザビームを該ウェーハ内部に照射して集光することで第1の改質領域を形成する第1のレーザ加工ステップと、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第2のレーザビームを該ウェーハ内部に照射して集光することで第2の改質領域を形成する第2のレーザ加工ステップと、を該第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインの一端の分割予定ラインから順に他端の分割予定ラインに至るまで、それぞれの分割予定ラインに沿って交互に実施するレーザ加工ステップを備え、
    該第1の改質領域は、互いに高さ位置の異なる複数の改質層と、該複数の改質層のうち最も該ウェーハの表面に近い改質層から該表面に伸長することで該表面側に露出するクラックと、を含み、
    該第2の改質領域は、互いに高さ位置の異なる複数の改質層を含み、
    該第2の改質領域に含まれる改質層の層数は、該第1の改質領域に含まれる改質層の層数よりも少ないことを特徴とするウェーハの加工方法。
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