JP6846685B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
一般的に、圧縮機が未蒸発の液冷媒を吸引すると、圧縮機内部が異常高圧となり、圧縮機の故障につながるなど信頼性が大きく損なわれるため、上記従来の空気調和装置では、並列に接続した圧縮機の吸入配管それぞれにアキュムレータを設置し、アキュムレータの上流にバイパス管の一端を接続することにより、室外熱交換器を通過した冷媒、および排熱利用熱交換器を通過した冷媒の双方が未蒸発の状態であっても、アキュムレータが一時的に液冷媒を貯留し、圧縮機が液冷媒を吸入しにくい構成とし、信頼性を確保している。
上記従来の空気調和装置では、容量の大きい圧縮機の駆動手段として採用した内燃機関の排熱を、暖房運転時に、容量の小さい圧縮機をガスポンプとして用いる構造を介して、冷媒の加熱に利用する、すなわち容量の大きい圧縮機の吸入する冷媒の圧力と、容量の小さい圧縮機の吸入する冷媒の圧力が異なることにより、アキュムレータを二つ必要とすることから装置が大型化する、という課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、圧縮機の信頼性を確保するためのアキュムレータを一つとする、すなわち装置の小型化をはかった空気調和装置を提供することを目的とする。
この発明によれば、圧縮機の信頼性を確保するためのアキュムレータを一つとすること
ができるため、装置の小型化をはかった空気調和装置を提供できる。
上記の構成により、暖房運転時、室外熱交換器において蒸発する冷媒と、排熱回収熱交換器において蒸発する冷媒は、合流せずに、別々の圧縮機に吸入される。空気熱交換器と排熱回収熱交換器の吸熱源はそれぞれ空気( 外気) とエンジン排熱冷却水であり、外気温度に対し、エンジン冷却水の温度は高温であるため、空気熱交換器における冷媒の蒸発圧力に対し、排熱回収熱交換器における冷媒の蒸発圧力は高くなる。
さらに、第一吸入管と、第二吸入管と、に低圧管を分岐する低圧管分岐部より上流に位置する低圧管にアキュムレータを設置し、第二バイパス管には弁を備えるため、排熱回収熱交換器の出口冷媒が未蒸発( 過熱度なし) の場合に、この弁により、液冷媒は蒸発圧力が高い排熱回収熱交換器から、蒸発圧力の低い空気熱交換器側、つまり低圧管に流れ、この低圧管に設けられたアキュムレータに貯留されるとともに、圧力降下により、蒸発が促進される。
そのため、本発明の空気調和装置では、室外熱交換器において蒸発する冷媒と、排熱回収熱交換器において蒸発する冷媒の圧力を、それぞれの吸熱源の温度に応じて適切に設定することが可能となり、排熱回収熱交換器において蒸発する冷媒の圧力を、空気熱交換器において蒸発する冷媒の圧力よりも高く設定できるので、排熱回収熱交換器において蒸発した冷媒を吸入する圧縮機の動力を低減させることができる。さらに、排熱回収熱交換器を通過した冷媒が未蒸発の液冷媒であっても、液冷媒を低圧管にバイパスさせるので、排熱回収熱交換器を通過した冷媒を圧縮する圧縮機が液冷媒を吸入することを抑制できる。
第一圧縮機の駆動手段として採用したガスエンジンの排熱を、電動モータを駆動源とする第二圧縮機の圧縮機の吸入する冷媒の加熱に利用したので、暖房時の高効率化をはかりつつ、アキュムレータを一つとすることが可能となる。すなわち、高効率な暖房運転を実現しながら、装置の小型化をはかった空気調和装置を提供することができる。
この発明によれば、排熱回収熱交換器の出口冷媒過熱度を検知する検知手段と、この検知手段により検知した過熱度情報によって、弁の開閉を制御する制御手段を設けたので、排熱回収熱交換器の出口冷媒が未蒸発( 過熱度なし) であっても、制御手段が弁を開にすることにより、液冷媒は低圧管に設けられたアキュムレータに貯留されるとともに、圧力降下により、蒸発が促進される。第二圧縮機が液冷媒を吸入することがなくなるため、暖房時の高効率化をはかりつつ、アキュムレータを一つとすることが可能となる。すなわち、高効率な暖房運転を実現しながら、装置の小型化をはかった空気調和装置を提供することができる。
この発明によれば、第三の発明において、特に、第一圧縮機が賄う空調能力に対し、第二圧縮機が賄う空調能力が大きい場合、つまり、第一圧縮機における冷媒循環量に対し、第二圧縮機における冷媒循環量が多い場合、弁を開とすると、第三の発明における作用と同様に、液冷媒は蒸発圧力が高い排熱回収熱交換器から、蒸発圧力の低い空気熱交換器側、つまり低圧管に流れるが、圧力が均衡した後、第二圧縮機の循環量が第一圧縮機に対して多い場合には、第二圧縮機の吸入側圧力が第一圧縮機の吸入圧力に対して低くなり、第二圧縮機が液冷媒を吸入する恐れがある。制御手段は、排熱回収熱交換器出口冷媒の過熱度情報と、第一圧縮機、第二圧縮機の運転情報をもとに、第二の弁を制御するので、上記の場合、制御手段は第二の弁を閉とすることにより、第二圧縮機が液冷媒を吸入することがなくなる、すなわち、すなわち、アキュムレータを一つとすることが可能となる。
図1は、本発明の第一の実施の形態における空気調和装置300の構成を示すものである。
本実施形態に係る空気調和装置300は、室外ユニット100と、室内ユニット200と、を備えている。なお、図1において、室内ユニット200は、一台のみ設置されているが、室外ユニット100に対し、複数台並列に設置されてもよい。
室外ユニット100は、ガスを駆動源とするガスエンジン103と、ガスエンジン103により駆動力を得て冷媒を圧縮する第一圧縮機101と、電動モータを駆動源とする第二圧縮機102と、を備える。第一圧縮機101は、第二圧縮機102よりも容量が大きいものが選定されている。
オイルセパレータ104において分離されたオイルは、第一圧縮機の吸入側に設けられる第一吸入管110および第二圧縮機の吸入側に設けられる第二吸入管111に、図示しないオイル戻し配管を通って戻される。
オイルセパレータ104下流には、四方弁105が備えられている。四方弁105は、冷房と暖房で冷凍サイクルを切替えるためのものである。なお、図1において、実線に沿って冷媒を流す場合は暖房運転、点線に沿って冷媒を流す場合は冷房運転となる。
室内熱交換器201の他端に接続された冷媒配管130は、室内機減圧装置203および室外減圧装置108を介して、室外ユニット100内において室外熱交換器106の一端に接続されている。
冷媒配管130のうち、室内機減圧装置203と室外減圧装置108との間の配管を、液管116と定義する。
室外熱交換器106の風下側には、ラジエータ113が備えられており、室外ファン107によりエンジン冷却水の放熱が行われる。
ここで、四方弁105から低圧管分岐部150までが、低圧管112となる。
この第一バイパス管118には、液管116側から順に排熱回収減圧装置(減圧手段)119、排熱回収熱交換器120が備えられる。この排熱回収熱交換器120は、ガスエンジン103の排熱を冷媒に移動させる。排熱回収減圧装置119および排熱回収熱交換器120を設けているため、空気調和装置300を流れる冷媒は、暖房時、エンジン冷却水からも吸熱できる。
この流入防止手段としての逆止弁121は、必ずしも逆止弁に限られない。例えば、開閉弁など、第二吸入管111に流入する中圧冷媒が、低圧冷媒の流れる第一吸入管110に流入することを防止することができるものであればよい。
第二バイパス管122には、開閉弁(弁)123が備えられる。
弁としての開閉弁123は、排熱回収熱交換器120の出口冷媒が未蒸発(過熱度なし)の場合に、この弁により、液冷媒を蒸発圧力が高い排熱回収熱交換器120から、蒸発圧力の低い空気熱交換器側、つまり低圧管112に流すことができるものであればよい。例えば、膨張弁でもよい。
第三バイパス管117と低圧管112との接続箇所は、アキュムレータ109より上流であればよい。
第三バイパス管117には、液管116側から順に第二排熱回収減圧装置115、第二排熱回収熱交換器114が備えられている。
また、空気調和装置300は、制御手段127を備える。
制御手段127は、1つまたは複数のマイコンを用いて実現可能である。その場合、マイコンは例えばCPU、ROMやフラッシュメモリ、RAMを含む構成であれば良く、CPUは、ROMに格納されたコンピュータプログラムを、RAMを作業領域として使いながら実行し、空気調和装置300の各部を総括的に制御する。
制御手段127は、検知手段124により検知した冷媒の過熱度情報をもとに、開閉弁123の開閉(あるいは、膨張弁を利用する場合はその開度)を制御する。制御手段127は、排熱回収熱交換器120の出口冷媒が未蒸発(過熱度なし)の場合、開閉弁123を開に制御する。
なお、検知手段124は、図示しない温度センサ、圧力センサからなり、排熱回収熱交換器120の出口における第一バイパス管118内の冷媒の温度、圧力を検知することにより、制御手段127内に設けられた図示しない演算手段により冷媒の過熱度を検知している。
冷房運転の低負荷時においては、電動モータを駆動源とする第二圧縮機102のみが駆動される。第二排熱回収減圧装置115、排熱回収減圧装置119は閉じられる。四方弁105は点線に沿って冷媒を流すように設定される。
室内ユニット200に入った高圧の液冷媒は、室内機減圧装置203にて減圧され、気液二相状態となって、室内熱交換器201に流入する。気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器201にて、空調対象となっている空間の空気と熱交換して吸熱したのち蒸発し、ガス冷媒となって室内ユニット200から流出する。
室内ユニット200から流出したガス冷媒は、再度室外ユニット100に戻る。室外ユニット100に流入したガス冷媒は四方弁105、アキュムレータ109を通って、第二圧縮機102に戻り、上記過程を繰り返す。
冷房運転の中負荷時においては、ガスエンジン103を駆動源とする第一圧縮機101が駆動される。第二排熱回収減圧装置115、排熱回収減圧装置119は閉じられる。四方弁105は点線に沿って冷媒を流すように設定される。
室内ユニット200に入った高圧の液冷媒は、室内機減圧装置203にて減圧され、気液二相状態となって、室内熱交換器201に流入する。気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器201にて、空調対象となっている空間の空気と熱交換して吸熱したのち蒸発し、ガス冷媒となって室内ユニット200から流出する。
室内ユニット200から流出したガス冷媒は、再度室外ユニット100に戻る。室外ユニット100に流入したガス冷媒は四方弁105、アキュムレータ109を通って、第一圧縮機101に戻り、上記過程を繰り返す。
なお、ガスエンジン103により生じた排熱は、図示しないエンジン冷却水とポンプにより、ラジエータ113へ運ばれ、外気と熱交換し、再びガスエンジン103に戻る。
冷房運転の高負荷時においては、ガスエンジン103を駆動源とする第一圧縮機101、および電動モータを駆動源とする第二圧縮機102の両方が駆動される。第二排熱回収減圧装置115、排熱回収減圧装置119は閉じられる。四方弁105は点線に沿って冷媒を流すように設定される。
室内ユニット200に入った高圧の液冷媒は、室内機減圧装置203にて減圧され、気液二相状態となって、室内熱交換器201に流入する。気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器201にて、空調対象となっている空間の空気と熱交換して吸熱したのち蒸発し、ガス冷媒となって室内ユニット200から流出する。
室内ユニット200から流出したガス冷媒は、再度室外ユニット100に戻る。室外ユニット100に流入したガス冷媒は四方弁105、アキュムレータ109を通った後分岐され、第一吸入管110を通って第一圧縮機101に、第二吸入管111を通って第二圧縮機102に戻り、上記過程を繰り返す。
なお、ガスエンジン103により生じた排熱は、図示しないエンジン冷却水とポンプにより、ラジエータ113へ運ばれ、外気と熱交換し、再びガスエンジン103に戻る。
暖房運転の低負荷時においては、電動モータを駆動源とする第二圧縮機102のみが駆動される。第二排熱回収減圧装置115、排熱回収減圧装置119は閉じられる。室外減圧装置108は開かれる。四方弁105は実線に沿って冷媒を流すように設定される。
室内ユニット200に入った高温高圧のガス冷媒は、室内熱交換器201に流入し、空調対象となっている空間の空気と熱交換して放熱したのち凝縮し、液冷媒となって室内機減圧装置203を通って室内ユニット200から流出する。
室内ユニット200から流出した液冷媒は、再度室外ユニット100に戻る。室外ユニット100に流入した液冷媒は、室外減圧装置108にて減圧され、気液二相状態となって室外熱交換器106に流入する。気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器106において外気と熱交換して吸熱したのち蒸発し、ガス冷媒となり、四方弁105、アキュムレータ109を通って、第二圧縮機102に戻り、上記過程を繰り返す。
暖房運転の中負荷時においては、ガスエンジン103を駆動源とする第一圧縮機101が駆動される。第二排熱回収減圧装置115、排熱回収減圧装置119は閉じられる。室外減圧装置108は開かれる。四方弁105は実線に沿って冷媒を流すように設定される。
室内ユニット200に入った高温高圧のガス冷媒は、室内熱交換器201に流入し、空調対象となっている空間の空気と熱交換して放熱したのち凝縮し、液冷媒となって室内機減圧装置203を通って室内ユニット200から流出する。
室内ユニット200から流出した液冷媒は、再度室外ユニット100に戻る。室外ユニット100に流入した液冷媒は、室外減圧装置108にて減圧され、気液二相状態となって室外熱交換器106に流入する。気液二相状態の冷媒は、外気と熱交換して吸熱したのち蒸発し、ガス冷媒となる。その後、四方弁105、アキュムレータ109を通って、第一圧縮機101に戻り、上記過程を繰り返す。
暖房運転の極低温時においては、ガスエンジン103を駆動源とする第一圧縮機101、および電動モータを駆動源とする第二圧縮機102が駆動される。第二排熱回収減圧装置115は開けられ、排熱回収減圧装置119は閉じられる。室外減圧装置108は閉じられる。四方弁105は実線に沿って冷媒を流すように設定される。
室内ユニット200に入った高温高圧のガス冷媒は、室内熱交換器201に流入し、空調対象となっている空間の空気と熱交換して放熱したのち凝縮し、液冷媒となって室内機減圧装置203を通って室内ユニット200から流出する。
室内ユニット200から流出した液冷媒は、再度室外ユニット100に戻る。室外ユニット100に流入した液冷媒は、第二排熱回収減圧装置115にて減圧され、気液二相状態となって第二排熱回収熱交換器114に流入する。気液二相状態の冷媒は、エンジン冷却水と熱交換して吸熱したのち蒸発し、中温中圧のガス冷媒となる。その後、アキュムレータ109を通り分岐され、第一吸入管110を通って第一圧縮機101に、第二吸入管111を通って第二圧縮機102に戻り、上記過程を繰り返す。
この際、室外減圧装置108は閉じられるため、室外熱交換器106に冷媒は流れない。これは、外気温度が低いため、室外熱交換器106に霜が付くのを防止するためである。
暖房運転の高負荷時においては、ガスエンジン103を駆動源とする第一圧縮機101、および電動モータを駆動源とする第二圧縮機102が駆動される。第二排熱回収減圧装置115は閉じられ、排熱回収減圧装置119は開かれる。室外減圧装置108は開かれる。四方弁105は実線に沿って冷媒を流すように設定される。
室内ユニット200に入った高温高圧のガス冷媒は、室内熱交換器201に流入し、空調対象となっている空間の空気と熱交換して放熱したのち凝縮し、液冷媒となって室内機減圧装置203を通って室内ユニット200から流出する。
室内ユニット200から流出した液冷媒は、再度室外ユニット100に戻る。室外ユニット100に流入した液冷媒は、一部が第一バイパス管118に流入する。第一バイパス管118に流入しなかった残りの液冷媒は、室外減圧装置108にて減圧され、気液二相状態となって室外熱交換器106に流入する。気液二相状態の冷媒は、外気と熱交換して吸熱したのち蒸発し、低温低圧のガス冷媒となる。その後四方弁105、アキュムレータ109、第一吸入管110を通って、第一圧縮機101に戻る。
したがって、第一圧縮機101には室外熱交換器106において蒸発した低温低圧のガス冷媒が戻り、高温高圧のガス冷媒に圧縮され、第二圧縮機102には排熱回収熱交換器120において蒸発した中温中圧のガス冷媒が戻り、高温高圧のガス冷媒に圧縮され、上記過程を繰り返す。
検知手段124が排熱回収熱交換器120出口冷媒の過熱度がゼロ、つまり未蒸発の液冷媒が存在することを検知するのは、空気調和装置の起動時や、求められる空調負荷の変動によって、圧縮機の駆動手段が上述のように変化した場合に発生する可能性がある。
検知手段124から送られた冷媒の温度、圧力情報から、制御手段127が排熱回収熱交換器120出口冷媒の過熱度がゼロ、つまり未蒸発の液冷媒が存在すると判断した場合、制御手段127は、第二バイパス管122に設けられた開閉弁123を開とする。開閉弁123が開となると、第二バイパス管122の一端が接続されている第一バイパス管118内の冷媒は中圧、もう一端が接続されている低圧管112内の冷媒は低圧であるため、第一バイパス管118内の冷媒は第二圧縮機102には吸入されず、第二バイパス管122を通って低圧管112へと流れるとともに、圧力降下により蒸発が促進される。蒸発が促進されても、蒸発しきれない冷媒は、低圧管に設けられたアキュムレータ109に一時的に貯留され、第一圧縮機101が液冷媒を吸入することはない。制御手段127が開閉弁123を開とし、検知手段124により検知される冷媒の過熱度がゼロ以上、つまり未蒸発の液冷媒がない、と検知された場合には、制御手段127は再び開閉弁123を閉とし、暖房高負荷時の運転を継続する。
本発明の空気調和装置においては、暖房運転で空調負荷が高い場合、ガスエンジンで駆動する第一圧縮機101で空気(外気)から吸熱した低温低圧のガス冷媒を高温高圧まで圧縮し、電動モータで駆動する第二圧縮機102によりガスエンジン排熱から吸熱した中温中圧のガス冷媒を高温高圧まで圧縮する構成としている。このため、図5の本実施例のモリエル線図に示すように、電動モータで駆動する第二圧縮機102の吸込み圧力は、ガスエンジン103により駆動する第一圧縮機101の吸込み圧力よりも高くなり、電動モータにより駆動する第二圧縮機102の圧縮比(高圧/低圧)が低くなるので、電動モータにより駆動する第二圧縮機102が消費するエネルギーを小さくすることができる。
さらに、排熱回収熱交換器120の出口冷媒が未蒸発(過熱度なし)の場合に、第二バイパス管122により、液冷媒は蒸発圧力が高い排熱回収熱交換器120から、蒸発圧力の低い室外熱交換器106側、つまり低圧管112に流れ、この低圧管112に設けられたアキュムレータ109に貯留されるとともに、圧力降下により、蒸発が促進される。
そのため、室外熱交換器106において蒸発する冷媒と、排熱回収熱交換器120において蒸発する冷媒の圧力を、それぞれの吸熱源の温度に応じて適切に設定することが可能となり、排熱回収熱交換器120において蒸発する冷媒の圧力を、室外熱交換器106において蒸発する冷媒の圧力よりも高く設定できるので、排熱回収熱交換器120において蒸発した冷媒を吸入する圧縮機の動力を低減させることができる。さらに、排熱回収熱交換器120を通過した冷媒が未蒸発の液冷媒であっても、液冷媒を低圧管112にバイパスさせるので、排熱回収熱交換器120を通過した冷媒を圧縮する圧縮機が液冷媒を吸入することを抑制できる。
第一圧縮機101の駆動手段として採用したガスエンジン103の排熱を、電動モータを駆動源とする第二圧縮機102の吸入する冷媒の加熱に利用したので、暖房時の高効率化をはかりつつ、アキュムレータ109を一つとすることが可能となる。すなわち、高効率な暖房運転を実現しながら、室外ユニット100の小型化をはかった空気調和装置300を提供することができる。
図2は、本発明の第二の実施の形態における空気調和装置400の構成を示すものである。本実施例の形態では、第一バイパス管118は、第一バイパス管118と第二バイパス管122との接続部153から第一バイパス管118と第二吸入管111との接続部151の間に、第二開閉弁(第二の弁)125を備える。なお、第二の実施の形態において、第一の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略している。
以上の説明において、第一圧縮機101、第二圧縮機102の運転情報とは、それぞれの圧縮機の回転数の情報(データ)であって、各圧縮機が何馬力で動いているか、あるいは各圧縮機が何パーセントで動いているか、など各圧縮機の運転状況を表す情報である。
図3は、本発明の第三の実施の形態における空気調和装置500の構成を示すものである。なお、第三の実施の形態において、第一の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略している。
本実施の形態のように、第一の実施の形態と異なり、第三バイパス管117、第二排熱回収減圧装置115、および第二排熱回収熱交換器114を備えていなくともよい。
本実施の形態では、第二バイパス管122に備えられる弁は、第二バイパス管122を流れる冷媒の圧力を調整可能な膨張弁170とされている。
102 第二圧縮機
103 ガスエンジン
106 室外熱交換器
109 アキュムレータ
110 第一吸入管
111 第二吸入管
112 低圧管
116 液管
117 第三バイパス管
118 第一バイパス管
119 排熱回収減圧装置(減圧手段)
120 排熱回収熱交換器
121 逆止弁(流入防止手段)
122 第二バイパス管
123 開閉弁(弁)
124 検知手段
125 第二開閉弁(第二の弁)
127 制御手段
150 低圧管分岐部
151 第二吸入管と第一バイパス管との接続部
152 液管第一バイパス管との接続部
153 第一バイパス管と第二バイパス管との接続部
300、400、500 空気調和装置
Claims (3)
- ガスエンジンを駆動源とする第一圧縮機と電動モータを駆動源とする第二圧縮機を並列に接続し、冷媒を循環させて空調を行う空気調和装置において、
前記第一圧縮機の吸入側に設けられる第一吸入管と、前記第二圧縮機の吸入側に設けられる第二吸入管と、に低圧管を分岐する低圧管分岐部より上流にアキュムレータを備え、
一端が液管に接続され、他端が前記第二吸入管に接続される第一バイパス管と、
前記第一バイパス管に前記液管側から順に設けられる減圧手段および排熱回収熱交換器と、
前記第二吸入管に設けられ、前記第一バイパス管との接続部より上流に備えられる流入防止手段と、
一端が前記排熱回収熱交換器より下流部分の前記第一バイパス管に接続され、他端が前記アキュムレータより上流部分の前記低圧管に接続される第二バイパス管と、
前記第二バイパス管に備えられる弁と、
をさらに備えることを特徴とする空気調和装置。 - 前記排熱回収熱交換器の出口に、冷媒の過熱度を検知する検知手段をさらに備え、
前記検知手段により検知した冷媒の過熱度情報をもとに、前記弁を制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。 - 前記第一バイパス管は、前記第一バイパス管と前記第二バイパス管との接続部から前記第一バイパス管と前記第二吸入管との接続部の間に、第二の弁を備え、
前記制御手段は、前記検知手段により検知した冷媒の過熱度情報と、前記第一圧縮機の運転情報および前記第二圧縮機の運転情報とに基づいて、前記第二の弁の開閉を制御することを特徴とする請求項2に記載の空気調和装置。
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