JP6842560B2 - 構造体、隔壁形成用組成物、固体撮像素子および画像表示装置 - Google Patents

構造体、隔壁形成用組成物、固体撮像素子および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、支持体上の隔壁で区切られた領域に画素が設けられた構造体に関する。また、隔壁形成用組成物、固体撮像素子および画像表示装置に関する。
近年、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の普及から、電荷結合素子(CCD)イメージセンサなどの固体撮像素子の需要が大きく伸びている。ディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されている。
固体撮像素子の一形態として、支持体上の隔壁で区切られた領域に着色層が設けられた構造体を備えた固体撮像素子などが知られている。
例えば、特許文献1には、半導体基板と、2色以上のカラーフィルタ層と少なくとも異色のカラーフィルタ層間を隔てて分離する分離壁とを有するカラーフィルタアレイと、半導体基板とカラーフィルタアレイとの間に配置された集光手段と、を備えた固体撮像素子が記載されている。
一方、特許文献2、3には、かご型シロキサン化合物を含む組成物に関する発明が記載されている。特許文献2には、かご型シロキサン化合物を含む組成物を用いて絶縁膜を形成することが記載されている。また、特許文献3には、かご型シロキサン化合物を含む組成物を用いて反射防止膜を形成することが記載されている。
特開2009−111225号公報 特開2007−254506号公報 特開2008−214455号公報
支持体上の隔壁で区切られた領域に画素が設けられた構造体において、隔壁の材質として屈折率の低い材料を用いることが検討されている。例えば、特許文献1の段落0046には、隔壁の材質として、ガラス、SiO膜の多孔質層、フッ素系ポリマー、シロキサンポリマーなどの低屈折材料が用いられることが記載されている。
例えば、隔壁の屈折率を、画素の屈折率よりも相対的に小さくすることで、画素を通過する光の集光率を高めたり、隣接する他の画素への光漏れなどを防止でき、イメージングやセンシングなどの感度を高めることができる。このため、近年においては、隔壁の屈折率をより低下させることが望まれている。
一方、本発明者が特許文献1に記載された低屈折材料を用いた隔壁について検討を進めたところ、隔壁の屈折率についてさらなる改善の余地があることが分かった。
また、隔壁は、一般的に、支持体上に隔壁材料層を形成し、この隔壁材料層に対してドライエッチング法などの方法でパターン形成を行って形成されるが、隔壁側面の平滑性が不十分な場合があることが分かった。隔壁側面の平滑性が不十分であると、画素を透過する光の散乱などが生じて、光の集光率を十分に高められないことがある。このため、隔壁側面の平滑性は高いことが望ましい。
よって、本発明の目的は、屈折率が小さく、平滑性に優れた隔壁を有する構造体を提供することにある。また、前述の構造体に用いられる隔壁形成用組成物、構造体を含む固体撮像素子および画像表示装置を提供することにある。
本発明者の検討によれば、かご型シロキサン化合物と溶剤とを含む組成物を用いて隔壁を形成することで、屈折率が小さく、平滑性に優れた隔壁を有する構造体を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。よって、本発明は以下を提供する。
<1> 支持体と、
支持体上に設けられた隔壁と、
隔壁で区切られた領域に設けられた画素と、を有し、
隔壁が、かご型シロキサン化合物を含む組成物を用いて形成された隔壁である、構造体。
<2> かご型シロキサン化合物は、酸素原子数と珪素原子数との比率であるO/Siが1.3〜1.7であるかご型シロキサン化合物を含む、<1>に記載の構造体。
<3> かご型シロキサン化合物が、下記式(S1)で表される部分構造を含む、<1>または<2>に記載の構造体;
(*−SiO1.5 ・・・(S1)
式中、*は連結手を表し、nは6〜16の整数を表す。
<4> かご型シロキサン化合物が、下記式(S2)で表される化合物およびこの化合物を重合して得られるポリマーから選ばれる少なくとも1種を含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の構造体;
(RS1−SiO1.5 ・・・(S2)
式中、RS1は、アルキル基または重合性基を表し、nは6〜16の整数を表し、n個のRS1のうち2個以上のRS1は重合性基である。
<5> かご型シロキサン化合物は、下記式(S1−1)で表される部分構造を有する、<1>〜<4>のいずれかに記載の構造体;
式(S1−1)

上記式中の波線は結合手を表す。
<6> かご型シロキサン化合物は、重量平均分子量が50,000〜300,000のポリマーを含む、<1>〜<5>のいずれかに記載の構造体。
<7> 画素は、着色画素、透明画素および赤外線透過層の画素から選ばれる少なくとも1種の画素を含む、<1>〜<6>のいずれかに記載の構造体。
<8> 支持体と、支持体上に設けられた隔壁と、隔壁で区切られた領域に設けられた画素とを有する構造体の隔壁の形成に用いられる隔壁形成用組成物であって、かご型シロキサン化合物と溶剤とを含む隔壁形成用組成物。
<9> <1>〜<7>のいずれかに記載の構造体を有する固体撮像素子。
<10> <1>〜<7>のいずれかに記載の構造体を有する画像表示装置。
本発明によれば、屈折率が小さく、平滑性に優れた隔壁を有する構造体を提供することができる。また、前述の構造体に用いられる隔壁形成用組成物、構造体を含む固体撮像素子および画像表示装置を提供することができる。
本発明の構造体の一実施形態を示す側断面図である。 同構造体における支持体の真上方向からみた平面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の合計質量をいう。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アリル」は、アリルおよびメタリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算値として定義される。
<構造体>
本発明の構造体について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の構造体の一実施形態を示す側断面図であり、図2は、同構造体における支持体の真上方向からみた平面図である。
図1、2に示すように、本発明の構造体100は、支持体1と、支持体1上に設けられた隔壁2と、隔壁2で区切られた領域に設けられた画素4と、を有する。そして、本発明の構造体100においては、隔壁2が、かご型シロキサン化合物を含む組成物を用いて形成された隔壁であることを特徴とする。
本発明の構造体における隔壁は、かご型シロキサン化合物を含む組成物を用いて形成されたものであるので、屈折率が小さく、平滑性に優れている。かご型シロキサン化合物は分子構造内に比較的大きな空隙を有する構造を有しているため、かご型シロキサン化合物を含む組成物を用いて隔壁を形成することにより、隔壁の屈折率をより低下させることができる。また、かご型シロキサンを用いて隔壁を形成することにより、得られる隔壁の膜面荒れなどを抑制でき、平滑性に優れた隔壁を形成することができる。このため、本発明の構造体によれば、屈折率が小さく、平滑性に優れた隔壁を有する構造体とすることができる。そして、本発明の構造体は、隔壁の屈折率が小さくかつ平滑性に優れるので、画素を透過する光の集光率をより高めることができる。このため、本発明の構造体を固体撮像素子や画像表示装置などに組み込んで用いることで、イメージングやセンシングなどの感度をより高めることができる。
また、本発明の構造体は、隔壁と画素との密着性にも優れる。かご型シロキサン化合物は、シロキサン骨格に有機基などの官能基が結合した構造を有しているので、この官能基によって画素との親和性が向上したり、画素と相互作用しやすくなり、その結果、優れた密着性を得ることができたと推測される。
本発明の構造体は、固体撮像素子、画像表示装置などに好ましく用いることができる。より具体的には、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、監視カメラ、車載カメラなどに搭載される撮像デバイスなどに好ましく用いることができる。以下本発明の構造体について詳細に説明する。
本発明の構造体において、支持体1の材質としては特に限定はない。用途に応じて適宜選択できる。例えば、シリコン、無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスなどの材質で構成された基板や、固体撮像素子などの各種電子デバイスなどで使用されている基板(シリコンウエハ、炭化ケイ素ウエハ、窒化ケイ素ウエハ、サファイアウエハ、ガラスウエハなど)を用いることができる。また、支持体上には、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、透明導電膜などが形成されていてもよい。また、支持体上には、タングステンなどの遮光材で構成されたブラックマトリックスが形成されている場合もある。また、支持体上には、必要により、上部の層との密着性改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下地層が設けられていてもよい。
支持体1上には隔壁2が形成されている。この実施形態においては、図2に示すように、隔壁2は、支持体1の真上方向から見た平面図において、格子状に形成されている。なお、この実施形態では、支持体1上における隔壁2によって区画された領域の形状(以下、隔壁の開口部の形状ともいう)は正方形状をなしているが、隔壁の開口部の形状は、特に限定されず、例えば、長方形状、円形状、楕円形状、または、多角形状等であっても良い。
隔壁2は、かご型シロキサン化合物を含む組成物を用いて形成されたものである。ここで、かご型シロキサン化合物とは、かご型のシロキサン構造を有する化合物のことである。隔壁2は、かご型のシロキサン構造を有することが好ましい。かご型のシロキサン構造は、完全かご型のシロキサン構造であってもよく、不完全かご型のシロキサン構造であってもよいが、より屈折率が小さく、かつ、より平滑性に優れた隔壁を形成し易いという理由から完全かご型のシロキサン構造であることが好ましい。ここで、完全かご型のシロキサン構造とは、シロキサン結合によって形成された閉じた空間を含む多面体構造のシロキサン構造のことを意味し、不完全かご型のシロキサン構造とは、完全かご型のシロキサン構造の一部が開環した構造のシロキサン構造のことを意味する。
かご型シロキサン化合物は、酸素原子数と珪素原子数との比率であるO/Siが1.3〜1.7であるかご型シロキサン化合物を含むことが好ましい。
また、かご型シロキサン化合物は、下記式(S1)で表される部分構造を含む化合物であることが好ましい。
(*−SiO1.5 ・・・(S1)
式中、*は連結手を表し、nは6〜16の整数を表す。
nは、8、10、12、14、または16であることが好ましく、8、10、または12であることがより好ましく、8であることが更に好ましい。
式(S1)で表される部分構造の具体例としては、以下に式(S1−1)〜(S1−7)で示す構造が挙げられ、式(S1−1)で表される部分構造であることが、屈折率および平滑性の観点から好ましい。なお、式(S1−1)〜(S1−7)における波線は、それぞれ結合手を表す。
式(S1−1)
かご型シロキサン化合物の形態としては、モノマーであってもよく、ポリマーであってもよいが、得られる隔壁の屈折率、平滑性の観点からポリマーを少なくとも含むことが好ましい。また、かご型シロキサン化合物の全質量中におけるポリマーの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
モノマー(モノマータイプのかご型シロキサン化合物)の分子量は、400〜2,000であることが好ましい。
ポリマー(ポリマータイプのかご型シロキサン化合物)の重量平均分子量は、50,000〜300,000であることが好ましい。上限は、このポリマーを含む組成物の濾過性の観点から280,000以下であることがより好ましく、250,000以下であることが更に好ましく、240,000以下であることが更により好ましい。下限は、屈折率の観点から70,000以上であることがより好ましく、90,000以上であることが更に好ましく、100,000以上であることが更により好ましい。また、ポリマーの分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2〜4が好ましく、2〜3.5がより好ましく、2.5〜3.5が更に好ましい。
また、前述のポリマーは、上記式(S1−1)で表される部分構造を有するポリマーであることが好ましい。
かご型シロキサン化合物は、下記式(S2)で表される化合物およびこの化合物を重合して得られるポリマーから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、前述のポリマーを含むことがより好ましい。
(RS1−SiO1.5 ・・・(S2)
式中、RS1は、アルキル基または重合性基を表し、nは6〜16の整数を表し、n個のRS1のうち2個以上のRS1は重合性基である。
S1が表すアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5が更に好ましく、1〜3が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または環状であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基が挙げられ、好ましくは、メチル基またはエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
S1が表す重合性基としては、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基が好ましい。炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテン−1−イル基、1−ブテン−4−イル基、1−ヘキセン−6−イル基、エチニル基、プロパルギル基、2−ブチン−1−イル基が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。好ましくはビニル基、置換基を有するビニル基、エチニル基、または置換基を有するエチニル基等を挙げることができる。上記における置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基等が挙げられる。
S1が表す重合性基は、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基のみで構成されていてもよく、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基と2価の連結基とで構成された基であってもよい。この場合、ケイ素原子に対して、2価の連結基を介して炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基が結合する。
上記の2価の連結基としては、
−[C(R11)(R12)]−、−CO−、−O−、−N(R13)−、−S−、−O−Si(R14)(R15)−、およびこれらを任意に組み合わせてできる2価の連結基が挙げられる。(R11〜R15はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、またはフェニル基を表し、kは1〜6の整数を表す。)、なかでも、−[C(R11)(R12)]−、−O−、−O−Si(R14)(R15)−またはこれらを任意に組み合わせてできる2価の連結基が好ましい。
S1が表す重合性基は、ビニル基およびエチニル基が好ましく、ビニル基がより好ましい。
式(S2)で表される化合物を重合して得られるポリマーは、式(S2)で表される化合物のラジカル重合またはヒドロシリル化反応によって得ることができる。
ラジカル重合に用いる開始剤としては、有機過酸化物および有機アゾ系化合物が挙げられ、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物および有機アゾ系化合物の詳細については、特開2007−254506号公報の段落番号0041〜0042に記載された化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
式(S2)で表される化合物のヒドロシリル化反応による重合は、式(S2)で表される化合物とシラン化合物とを、ラジカル発生剤もしくは遷移金属触媒の存在下に行なうことが好ましい。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物および有機アゾ系化合物が挙げられる。遷移金属触媒としては、白金触媒、ロジウム触媒、ニッケル触媒、コバルト触媒、レニウム触媒、マンガン触媒、クロム触媒、イリジウム触媒が挙げられ、白金触媒が好ましい。遷移金属触媒の詳細については、特開2007−254506号公報の段落番号0048の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、ヒドロシリル化反応により重合を行う場合には、架橋剤を用いることが好ましい。架橋剤としては、SiH結合を複数有する化合物が好ましく、テトラメチルシクロテトラシロキサンやヒドロ−T8−シルセスキオキサンなどを好ましく用いることができる。
本発明において、かご型シロキサン化合物は、式(S2−1)で表される化合物およびこの化合物を重合して得られるポリマーから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、前述のポリマーを含むことがより好ましい。
式(S2−1)
上記式中、RS11〜RS18は、それぞれ独立してアルキル基または重合性基を表し、RS11〜RS18のうち2〜4個は重合性基を表す。
S11〜RS18が表すアルキル基および重合性基については、式(S2)のRS1が表すアルキル基および重合性基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(S2)で表される化合物の具体例としては、特開2007−254506号公報の段落番号0023〜0039に記載された化合物、特開2008−214455号公報の段落番号0021〜0024に記載された化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、式(S2)で表される化合物のポリマーとしては、下記式(S2−1−1)〜式(S2−1−3)で表される構造を有するポリマーが挙げられる。
隔壁2の形成に用いられる組成物は、かご型シロキサン化合物の他に溶剤などの他の成分をさらに含有することができる。隔壁2の形成に用いられる組成物(隔壁形成用組成物)については後述する。
隔壁2の幅W1は、20〜500nmであることが好ましい。下限は、30nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることが更に好ましく、50nm以上であることが更により好ましい。上限は、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましく、100nm以下であることが更により好ましい。
隔壁2の高さH1は、200〜1000nmであることが好ましく、300〜700nmであることがより好ましい。また、隔壁2の高さH1は、画素4の厚さ×200%以下であることが好ましく、画素4の厚さ×150%以下であることがより好ましく、画素4の厚さと実質的に同じであることが更に好ましい。
隔壁2の高さH1と幅W1の比(高さH1/幅W1)は、隔壁の成形性の観点から1〜100であることが好ましく、5〜50であることがより好ましく、5〜30であることが更に好ましい。
隔壁2のピッチP1は、特に限定はない。用途に応じて適宜選択することができる。例えば、高画素の固体撮像素子用途では、500〜2000nmであることが好ましく、500〜1500nmであることがより好ましく、500〜1000nmであることが更に好ましい。
隔壁2の波長550nmの光の屈折率は、1.10〜1.40であることが好ましく、1.15〜1.37であることがより好ましく、1.20〜1.35であることが更に好ましい。
支持体1上であって、隔壁2で区画された領域(隔壁の開口部)には、画素4が形成されている。画素の種類としては、特に限定は無い。赤色、青色、緑色、マゼンタ、シアンなどの着色画素や、赤外線透過層の画素、透明画素などが挙げられる。画素の種類と配置は任意に選択することができるが、画素4は、着色画素および赤外線透過層の画素から選ばれる少なくとも1種の画素を含むことが好ましい。
透明画素としては、波長400〜600nmの範囲における透過率の最小値が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
赤外線透過層の画素としては、例えば波長700〜2500nmの範囲の光の少なくとも一部を透過させる分光特性を有するフィルタ層の画素であることが好ましく、波長700〜2000nmの範囲の光の少なくとも一部を透過させる分光特性を有するフィルタ層の画素であることがより好ましく、波長700〜1500nmの範囲の光の少なくとも一部を透過させる分光特性を有するフィルタ層の画素であることが更に好ましく、波長700〜1300nmの範囲の光の少なくとも一部を透過させる分光特性を有するフィルタ層の画素であることがより一層好ましく、波長700〜1000nmの範囲の光の少なくとも一部を透過させる分光特性を有するフィルタ層の画素であることが特に好ましい。また、赤外線透過層は、1層の膜(単層膜)で構成されていてもよく、2層以上の膜の積層体(多層膜)で構成されていてもよい。また、赤外線透過層が多層膜で構成されている場合は、多層膜全体として上述の分光特性を有していればよく、1層の膜自体についてはそれぞれ上述の分光特性を有していなくてもよい。
赤外線透過層の画素の好ましい例として、例えば、以下の(1)〜(4)のいずれかの分光特性を有するフィルタ層の画素が挙げられる。
(1):厚み方向における光の透過率の、波長400〜640nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長800〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層の画素。この画素によれば、波長400〜640nmの範囲の光を遮光して、波長720nm以上の光を透過させることができる。
(2):厚み方向における光の透過率の、波長400〜750nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長900〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層の画素。この画素によれば、波長400〜750nmの範囲の光を遮光して、波長850nm以上の光を透過させることができる。
(3):厚み方向における光の透過率の、波長400〜850nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層の画素。この画素によれば、波長400〜850nmの範囲の光を遮光して、波長940nm以上の光を透過させることができる。
(4):厚み方向における光の透過率の、波長400〜950nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長1100〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層の画素。この画素によれば、波長400〜950nmの範囲の光を遮光して、波長1040nm以上の光を透過させることができる。
画素4の高さH2は、用途により適宜選択できる。例えば、固体撮像素子用途では、300〜1000nmであることが好ましく、300〜800nmであることがより好ましく、300〜600nmであることが更に好ましい。また、画素4の高さH2は、隔壁2の高さH1の50〜150%であることが好ましく、70〜130%であることがより好ましく、90〜110%であることが更に好ましい。
画素4は、各種の画素形成用組成物を用いて形成することができる。画素形成用組成物については後述する。
本発明の構造体は、隔壁2と画素4との間に有機物層が設けられていてもよい。この態様によれば、隔壁2と画素4との密着性をより向上させることができる。有機物層としては、樹脂や硬化性化合物などを含む組成物を用いて形成することができる。樹脂としては例えば、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。硬化性化合物としては後述する材料などが挙げられる。
本発明の構造体は、画素4上に集光レンズなどが設けられていてもよい。また、集光レンズは画素の表面に設けられていてもよく、画素4と集光レンズとの間に中間層が更に設けられていてもよい。中間層としては、上記の有機物層や、低屈層などが挙げられる。低屈層は本発明の隔壁形成用組成物を用いて形成した膜であってもよい。
<隔壁形成用組成物>
次に、本発明の構造体における隔壁の形成に用いられる組成物(隔壁形成用組成物)についてさらに詳しく説明する。
(かご型シロキサン化合物)
隔壁形成用組成物は、かご型シロキサン化合物を含む。かご型シロキサン化合物については上述したものが挙げられる。
隔壁形成用組成物中におけるかご型シロキサン化合物の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。
隔壁形成用組成物の全固形分中におけるかご型シロキサン化合物の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。隔壁形成用組成物の全固形分中におけるかご型シロキサン化合物の含有量が高いほど、屈折率が低く、平滑性に優れた隔壁を形成し易い。
隔壁形成用組成物の全固形分中におけるポリマータイプのかご型シロキサン化合物の含有量は、45質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。
また、隔壁形成用組成物に含まれるかご型シロキサン化合物の全質量中におけるポリマータイプのかご型シロキサン化合物の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。かご型シロキサン化合物は実質的にポリマータイプのかご型シロキサン化合物のみであることも好ましい。なお、隔壁形成用組成物に含まれるかご型シロキサン化合物が、実質的にポリマータイプのかご型シロキサン化合物のみである場合とは、かご型シロキサン化合物の全質量中におけるポリマータイプのかご型シロキサン化合物の含有量が99質量%以上であることを意味し、99.5質量%以上であることがより好ましく、ポリマータイプのかご型シロキサン化合物のみであることが更に好ましい。
また、かご型シロキサン化合物としてポリマータイプのかご型シロキサン化合物とモノマータイプのかご型シロキサン化合物とを併用することもできる。両者を併用することで隔壁形成用組成物の硬化性を向上させることができる。また、画素との密着性を高めることもできる。両者を併用する場合、ポリマータイプのかご型シロキサン化合物の100質量部に対して、モノマータイプのかご型シロキサン化合物が0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜1.0質量部であることがより好ましい。
(他の低屈折材料)
本発明の隔壁形成用組成物は、かご型シロキサン化合物以外の他の低屈折材料を含有することができる。他の低屈折材料としては、かご型シロキサン化合物以外のシロキサン樹脂、フッ素樹脂、コロイダルシリカ粒子などが挙げられる。
シロキサン樹脂としては、アルコキシシラン原料を用いて、加水分解反応および縮合反応を介して得られる樹脂が挙げられる。シロキサン樹脂はかご型のシルセスキオキサン構造を有するシロキサン樹脂であってもよい。
フッ素樹脂としては、分子中にフッ素を含有する樹脂が挙げられる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド/エチレン共重合体などが挙げられる。また、アモルファスフッ素樹脂も好ましく用いられ、市販品としてはCYTOP(旭硝子製)などが挙げられる。ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂の重量平均分子量は10万〜1000万の範囲が好ましく、10万〜100万がより好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの市販品としては、三井・デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(登録商標)6−J、テフロン(登録商標)6C−J、テフロン(登録商標)62−J、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンCD1やCD076が挙げられる。また、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の市販品としては、三菱レイヨン(株)から、“メタブレン(登録商標)”Aシリーズとして市販され、“メタブレン(登録商標)”A−3000、“メタブレン(登録商標)”A−3800などが市販されている。なお、本明細書において、分子中にシロキサン結合とフッ素原子を含む樹脂については、シロキサン樹脂に該当するものとする。
コロイダルシリカ粒子の好ましい態様としては、以下の第1〜3の態様が挙げられる。
第1の態様:動的光散乱法により測定された平均粒子径Dが25〜1000nmであり、かつ、平均粒子径Dと、窒素吸着法により測定されたコロイダルシリカ粒子の比表面積Sから算出される平均粒子径Dとの比D/Dが3以上である態様。
第2の態様:複数個の球状シリカ粒子が平面的に連結されている態様。
第3の態様:複数個の球状シリカ粒子が数珠状に連結されている態様。
第1の態様のコロイダルシリカ粒子は、更に第2の態様または第3の態様のコロイダルシリカ粒子の要件を満たしていてもよい。また、第2の態様のコロイダルシリカ粒子は、更に第1の態様の要件を満たしていてもよい。また、第3の態様のコロイダルシリカ粒子は、更に第1の態様のコロイダルシリカ粒子の要件を満たしていてもよい。
なお、本明細書において「球状」とは、実質的に球形であれば良く、本発明の効果を奏する範囲で、変形していてもよい意味である。例えば、表面に凹凸を有する形状や、所定の方向に長軸を有する扁平形状も含む意味である。
また、「複数個の球状シリカ粒子が数珠状に連結されている」とは、複数個の球状シリカ粒子同士が直鎖状および/または分岐した形で繋がった構造を意味する。例えば、複数個の球状シリカ粒子同士が、これよりも外径の小さい接合部で連結された構造が挙げられる。また、本発明において、「複数個の球状シリカ粒子が数珠状に連結されている」構造としては、リング状につながった形態をなしている構造のみならず、末端を有する鎖状の形態をなしている構造も含まれる。
また、「複数個の球状シリカ粒子が平面的に連結されている」とは、複数個の球状シリカ粒子同士が、略同一平面上において連結された構造を意味する。なお、「略同一平面」とは同一平面である場合のみならず、同一平面から上下にずれていてもよい意味である。例えば、シリカ粒子の粒子径の50%以下の範囲で上下にずれていてもよい。
本発明で用いられるコロイダルシリカ粒子は、動的光散乱法により測定された平均粒子径Dと上記の平均粒子径Dとの比D/Dが3以上であることが好ましい。D/Dの上限は特にないが、1000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましく、500以下であることが更に好ましい。D/Dをこのような範囲とすることにより、良好な光学特性を発現し、更には、乾燥時における凝集を効果的に抑制することができる。なお、コロイダルシリカ粒子におけるD/Dの値は、球状シリカ粒子のつながり度合の指標でもある。
コロイダルシリカ粒子の上記平均粒子径Dは、球状シリカの一次粒子に近似する平均粒子径とみなすことができる。平均粒子径Dは1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが更に好ましく、7nm以上であることが特に好ましい。上限としては、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが更に好ましく、60nm以下であることがより一層好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。
平均粒子径Dは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した球状部分の投影像における円相当直径(D0)で代用することができる。円相当直径による平均粒子径はとくに断らない限り、50個以上の粒子の数平均で評価する。
コロイダルシリカ粒子の上記平均粒子径Dは、複数の球状シリカ粒子がまとまった二次粒子の数平均粒径とみなすことができる。したがって、通常、D>Dの関係が成り立つ。平均粒子径Dは、25nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、35nm以上であることが特に好ましい。上限としては、1000nm以下であることが好ましく、700nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、300nm以下であることが特に好ましい。
コロイダルシリカ粒子の上記平均粒子径Dの測定は、特に断らない限り、動的光散乱式粒径分布測定装置(日機装製 ナノトラック Nanotrac Wave−EX150[商品名])を用いて行う。手順は以下のとおりである。コロイダルシリカ粒子の分散液を20mlサンプル瓶に分取し、トルエンにより固形分濃度が0.2質量%になるように希釈調整する。希釈後の試料溶液は、40kHzの超音波を1分間照射し、その直後に試験に使用する。温度25℃で2mlの測定用石英セルを使用してデータ取り込みを10回行い、得られた「数平均」を平均粒子径とする。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製しその平均値を採用する。
コロイダルシリカ粒子は、平均粒子径1〜80nmの球状シリカ粒子が、連結材を介して複数個連結していることが好ましい。球状シリカ粒子の平均粒子径の上限としては、70nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。また、球状シリカ粒子の平均粒子径の下限としては、3nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましく、7nm以上であることが更に好ましい。なお、本発明において球状シリカ粒子の平均粒子径の値は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した球状部分の投影像における円相当直径から求められる平均粒子径の値を用いる。
球状シリカ粒子同士を連結する連結材としては、金属酸化物含有シリカが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、Ca、Mg、Sr、Ba、Zn、Sn、Pb、Ni、Co、Fe、Al、In、Y、Tiから選ばれる金属の酸化物などが挙げられる。金属酸化物含有シリカとしては、これらの金属酸化物とシリカ(SiO)との反応物、混合物などが挙げられる。連結材については、国際公開WO2000/15552号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
球状シリカ粒子の連結数としては、3個以上が好ましく、5個以上がより好ましい。上限は、1000個以下が好ましく、800個以下がより好ましく、500個以下が更に好ましい。球状シリカ粒子の連結数は、TEMで測定できる。
コロイダルシリカ粒子は、粒子液(ゾル)の状態で用いてもよい。例えば特許第4328935号に記載されているシリカゾル等を使用することができる。コロイダルシリカ粒子を分散させる媒体としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA))、エチレングリコール、グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル)、グリコールエーテルアセテート(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等が例示される。また、後述する溶剤A1、溶剤A2などを用いることもできる。粒子液(ゾル)において、SiO濃度は5〜40質量%であることが好ましい。粒子液(ゾル)は市販品を用いることもできる。例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス OUP」、「スノーテックス UP」、「IPA−ST−UP」、「スノーテックス PS−M」、「スノーテックス PS−MO」、「スノーテックス PS−S」、「スノーテックス PS−SO」、触媒化成工業株式会社製の「ファインカタロイドF−120」、扶桑化学工業株式会社製の「クォートロンPL」などが挙げられる。
他の低屈折材料の含有量は、かご型シロキサン化合物の100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。
また、隔壁形成用組成物は、他の低屈折材料を実質的に含有しないことも好ましい。他の低屈折材料を実質的に含有しないとは、他の低屈折材料の含有量が、かご型シロキサン化合物の100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることがより好ましく、他の低屈折材料を含有しないことが更に好ましい。
(溶剤)
隔壁形成用組成物は溶剤を含む。溶剤としては、有機溶媒(脂肪族化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、アルコール化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホキシド化合物、芳香族化合物)または水が挙げられる。それぞれの例を下記に列挙する。
・脂肪族化合物
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ペンタン、シクロペンタンなど。
・ハロゲン化炭化水素化合物
塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロメタン、二塩化エタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、エピクロロヒドリン、モノクロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン、アリルクロライド、HCFC、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、臭化メチル、トリ(テトラ)クロロエチレンなど。
・アルコール化合物
メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなど。
・エーテル化合物(水酸基含有エーテル化合物を含む)
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなど。
・エステル化合物
酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、炭酸プロピレン、1,3−ブチレングリコールジアセテートなど。
・ケトン化合物
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンなど。
・ニトリル化合物
アセトニトリルなど。
・アミド化合物
N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドなど。
・スルホキシド化合物
ジメチルスルホキシドなど。
・芳香族化合物
ベンゼン、トルエンなど。
隔壁形成用組成物において、溶剤の含有量は、隔壁形成用組成物の全量に対して70〜99質量%であることが好ましい。上限は97質量%以下であることがより好ましく、95質量%以下であることが更に好ましく、93質量%以下であることが更により好ましい。下限は75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、85質量%以上であることが更により好ましい。
(界面活性剤)
隔壁形成用組成物は界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤のいずれを用いてもよい。ノニオン界面活性剤においては、フッ素系界面活性剤が好ましい。特に、フッ素系界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
本発明においては、ポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤を含有することが好ましい。ポリオキシアルキレン構造とは、アルキレン基と二価の酸素原子が隣接して存在している構造のことをいい、具体的にはエチレンオキサイド(EO)構造、プロピレンオキサイド(PO)構造などが挙げられる。ポリオキシアルキレン構造は、アクリルポリマーのグラフト鎖を構成していてもよい。
界面活性剤が高分子化合物であるとき、重量平均分子量は1500以上であることが好ましく、2500以上であることがより好ましく、5000以上であることがさらに好ましく、10000以上であることが特に好ましい。上限としては、50000以下であることが好ましく、25000以下であることがより好ましく、17500以下であることが特に好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、ポリエチレン主鎖を有するポリマー(高分子)界面活性剤であることが好ましい。なかでも、ポリ(メタ)クリレート構造を有するポリマー(高分子)界面活性剤が好ましい。なかでも、本発明においては、上記ポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリレート構成単位と、フッ化アルキルアクリレート構成単位との共重合体が好ましい。
また、フッ素系界面活性剤として、いずれかの部位にフルオロアルキル基又はフルオロアルキレン基(炭素数1〜24が好ましく、2〜12がより好ましい。)を有する化合物を好適に用いることができる。好ましくは、側鎖に上記フルオロアルキル基又はフルオロアルキレン基を有する高分子化合物を用いることができる。フッ素系界面活性剤は、さらに上記ポリオキシアルキレン構造を有することが好ましく、側鎖にポリオキシアルキレン構造を有することがより好ましい。フルオロアルキル基又はフルオロアルキレン基を有する化合物については、国際公開WO2015/190374号の段落0034〜0040を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、F172、F173、F176、F177、F141、F142、F143、F144、R30、F437、F479、F482、F554、F559、F780、F781F(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、S−141、S−145、SC−101、SC−103、同SC−104、SC−105、SC1068、SC−381、SC−383、S−393、KH−40(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、EF303、EF351、EF352(以上、ジェムコ(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。

上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
フッ素系界面活性剤以外のノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤については、国際公開WO2015/190374号の段落0042〜0045を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
隔壁形成用組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、隔壁形成用組成物の全固形分中0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が特に好ましい。上限としては、1質量%以下が好ましく、0.75質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。界面活性剤は、1種類のみであってもよく、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、それらの合計が上記範囲であることが好ましい。
また、隔壁形成用組成物は、界面活性剤を実質的に含まないことも好ましい。隔壁形成用組成物が界面活性剤を実質的に含まない場合においては、画素との密着性をより向上し易い。なお、界面活性剤を実質的に含まない場合とは、界面活性剤の含有量が、隔壁形成用組成物の全固形分中0.005質量%以下であることを意味し、0.001質量%以下であることが好ましく、界面活性剤を含有しないことがより好ましい。
(硬化性化合物)
隔壁形成用組成物は、かご型シロキサン化合物以外の成分として、更に硬化性化合物を含むことができる。硬化性化合物は、例えば、エチレン性不飽和結合基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物などが挙げられる。エチレン性不飽和結合基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。エチレン性不飽和結合基を有する化合物としては、重合性化合物であることが好ましく、ラジカル重合性化合物であることがより好ましい。
硬化性化合物として用いられるエチレン性不飽和結合基を有する化合物としては、モノマー、プレポリマー、オリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよいが、モノマーが好ましい。エチレン性不飽和結合基を有する化合物の分子量は、100〜3000が好ましい。上限は、2000以下がより好ましく、1500以下が更に好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上が更に好ましい。
エチレン性不飽和結合基を有する化合物は、エチレン性不飽和結合基を3個以上含む化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合基を3〜15個含む化合物であることがより好ましく、エチレン性不飽和結合基を3〜6個含む化合物であることが更に好ましい。また、エチレン性不飽和結合基を有する化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。エチレン性不飽和結合基を有する化合物の具体例としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜0108、特開2013−29760号公報の段落0227、特開2008−292970号公報の段落番号0254〜0257に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
硬化性化合物として用いられるエポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合物ともいう)としては、エポキシ基を1分子内に1〜100個有する化合物であることが好ましい。エポキシ基の下限は、2個以上がより好ましい。エポキシ基の上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。
エポキシ化合物は、エポキシ当量(=エポキシ化合物の分子量/エポキシ基の数)が500g/当量以下であることが好ましく、100〜400g/当量であることがより好ましく、100〜300g/当量であることが更に好ましい。
エポキシ化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)でもよい。エポキシ化合物の重量平均分子量は、200〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましい。重量平均分子量の上限は、10000以下がさらに好ましく、5000以下が一層好ましく、3000以下がより一層好ましい。
エポキシ化合物としては、特開2013−011869号公報の段落番号0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落番号0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落番号0085〜0092に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
隔壁形成用組成物が硬化性化合物を含有する場合、硬化性化合物の含有量は、隔壁形成用組成物の全固形分中1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。上限としては、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。また、隔壁形成用組成物は、硬化性化合物を実質的に含まないことも好ましい。隔壁形成用組成物が硬化性化合物を実質的に含まない場合においては、得られる隔壁の屈折率をより小さくし易い。なお、隔壁形成用組成物が硬化性化合物を実質的に含まない場合とは、硬化性化合物の含有量が、隔壁形成用組成物の全固形分中0.005質量%以下であることを意味し、0.001質量%以下であることが好ましく、硬化性化合物を含有しないことがより好ましい。
(光重合開始剤)
隔壁形成用組成物は、硬化性化合物として重合性化合物を含有する場合、更に光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する化合物であってもよい。光重合開始剤は光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物などが挙げられる。光重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3−アリール置換クマリン化合物が好ましく、オキシム化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましい。光重合開始剤については、特開2014−130173号公報の段落番号0065〜0111、特開2013−29760号公報の段落番号0274〜0306の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
α−ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、IRGACURE−127(以上、BASF社製)などが挙げられる。α−アミノケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−907、IRGACURE−369、IRGACURE−379、及び、IRGACURE−379EG(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE−819、DAROCUR−TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。オキシム化合物の市販品としては、IRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02、IRGACURE−OXE03、IRGACURE−OXE04(以上、BASF社製)も好適に用いられる。また、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−309、TRONLY TR−PBG−305(常州強力電子新材料有限公司(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)、アデカアークルズNCI−930、アデカオプトマーN−1919(特開2012−14052号公報の光重合開始剤2)(以上、(株)ADEKA製)が挙げられる。
本発明は、光重合開始剤として、2官能あるいは3官能以上の光重合開始剤を用いてもよい。そのような光重合開始剤の具体例としては、特表2010−527339号公報、特表2011−524436号公報、国際公開WO2015/004565号公報、特表2016−532675号公報の段落番号0417〜0412、国際公開WO2017/033680号公報の段落番号0039〜0055に記載されているオキシム化合物の2量体や、特表2013−522445号公報に記載されている化合物(E)および化合物(G)、国際公開WO2016/034963号公報に記載されているCmpd1〜7などが挙げられる。
隔壁形成用組成物が光重合開始剤を含有する場合、光重合開始剤の含有量は、隔壁形成用組成物の全固形分中1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましい。上限としては、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。また、隔壁形成用組成物は、光重合開始剤を実質的に含まないことも好ましい。なお、隔壁形成用組成物が光重合開始剤を実質的に含まない場合とは、光重合開始剤の含有量が、隔壁形成用組成物の全固形分中0.005質量%以下であることを意味し、0.001質量%以下であることが好ましく、光重合開始剤を含有しないことがより好ましい。
(アルカリ可溶性樹脂)
隔壁形成用組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含むことができる。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ溶解を促進する基を有する樹脂の中から適宜選択することができる。アルカリ溶解を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられ、カルボキシル基が好ましい。アルカリ可溶性樹脂が有する酸基の種類は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000〜100000が好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、1000〜20000が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。また、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、側鎖にカルボキシル基を有するポリマーが好ましい。例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、部分エステル化マレイン酸等のモノマーに由来する繰り返し単位を有する共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシル基を有するポリマーに酸無水物を付加させたポリマーが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることもできる。重合性基としては、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂は、重合性基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂等が有用である。重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂の市販品としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、Photomer6173(カルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートオリゴマー、Diamond Shamrock Co.,Ltd.製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセル CF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)、アクリキュアーRD−F8((株)日本触媒製)、DP−1305(富士ファインケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および特開2010−168539号公報の式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分を重合してなるポリマーを含むことも好ましい。
式(ED1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。エーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂は、特開2012−208494号公報の段落番号0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0685〜0700)の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2012−32767号公報の段落番号0029〜0063に記載の共重合体(B)および実施例で用いられているアルカリ可溶性樹脂、特開2012−208474号公報の段落番号0088〜0098に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−137531号公報の段落番号0022〜0032に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2013−024934号公報の段落番号0132〜0143に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2011−242752号公報の段落番号0092〜0098および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−032770号公報の段落番号0030〜0072に記載のバインダー樹脂を用いることもできる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30〜500mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上が更に好ましい。上限は、400mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下が更に好ましく、150mgKOH/g以下が一層好ましく、120mgKOH/g以下が特に好ましい。
隔壁形成用組成物がアルカリ可溶性樹脂を含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、隔壁形成用組成物の全固形分中1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が特に好ましい。上限としては、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が特に好ましい。また、隔壁形成用組成物は、アルカリ可溶性樹脂を実質的に含まないことも好ましい。なお、隔壁形成用組成物がアルカリ可溶性樹脂を実質的に含まない場合とは、アルカリ可溶性樹脂の含有量が、隔壁形成用組成物の全固形分中0.005質量%以下であることを意味し、0.001質量%以下であることが好ましく、アルカリ可溶性樹脂を含有しないことがより好ましい。
(その他添加剤)
隔壁形成用組成物には、必要に応じて、上記以外の各種添加剤、例えば、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、潜在酸化防止剤等を配合することができる。
<着色画素形成用組成物>
次に、本発明の構造体における着色画素の形成に好ましく用いることができる組成物(着色画素形成用組成物)について説明する。着色画素形成用組成物は、着色剤を含むことが好ましい。着色剤としては、黄色着色剤、オレンジ色着色剤、赤色着色剤、緑色着色剤、紫色着色剤、青色着色剤などの有彩色着色剤が挙げられる。着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。
顔料の具体例として、以下を挙げることができる。
カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214(以上、黄色顔料);
C.I.ピグメントオレンジ2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73(以上、オレンジ色顔料);
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279(以上、赤色顔料);
C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58、59(以上、緑色顔料);
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、32、37、42、58、59(以上、紫色顔料);
C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、80(以上、青色顔料)。
また、緑色着色剤として、分子中のハロゲン原子数が平均10〜14個であり、臭素原子数が平均8〜12個であり、塩素原子数が平均2〜5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることもできる。具体例としては、国際公開WO2015/118720号公報に記載された化合物が挙げられる。
また、青色着色剤として、リン原子を有するアルミニウムフタロシアニン化合物を用いることもできる。具体例としては、特開2012−247591号公報の段落番号0022〜0030、特開2011−157478号公報の段落番号0047に記載された化合物などが挙げられる。
染料としては、例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、米国特許4808501号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている染料が挙げられる。化学構造として区分すると、ピラゾールアゾ化合物、ピロメテン化合物、アニリノアゾ化合物、トリアリールメタン化合物、アントラキノン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、ピロロピラゾールアゾメチン化合物等が挙げられる。
また、着色剤として色素多量体を用いてもよい。色素多量体は、溶剤に溶解して用いられる染料であることが好ましいが、粒子を形成していてもよい。色素多量体が粒子である場合は、色素多量体を溶剤などに分散して用いられる。粒子状態の色素多量体は、例えば乳化重合によって得ることができる。粒子状態の色素多量体としては、例えば、特開2015−214682号公報に記載されている化合物が挙げられる。また、色素多量体として、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報、特開2015−028144号公報、特開2015−030742号公報等に記載されている化合物を用いることもできる。
着色剤の含有量は、着色画素形成用組成物の全固形分に対して、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上がより一層好ましく、60質量%以上が更に一層好ましく、65質量%以上が特に好ましい。上限は、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。着色画素形成用組成物に含まれる着色剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。着色剤が2種以上含まれる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
着色画素形成用組成物は樹脂を含有することが好ましい。樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂などが挙げられる。樹脂は、例えば、顔料などの粒子を組成物中で分散させる用途、バインダーの用途で配合される。なお、主に顔料などの粒子を分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で使用することもできる。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000〜100000が好ましい。また、樹脂の数平均分子量(Mn)は、1000〜20000が好ましい。
着色画素形成用組成物は樹脂としてアルカリ可溶性樹脂を用いることも好ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、上述したものが挙げられる。
着色画素形成用組成物は分散剤として樹脂を用いることもできる。分散剤としては、特開2015−151530号公報の段落0173〜0179に記載された顔料分散剤が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
着色画素形成用組成物は、顔料誘導体を含有することができる。顔料誘導体としては、発色団の一部分を、酸基、塩基性基またはフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物が挙げられる。顔料誘導体を構成する発色団としては、キノリン系骨格、ベンゾイミダゾロン系骨格、ジケトピロロピロール系骨格、アゾ系骨格、フタロシアニン系骨格、アンスラキノン系骨格、キナクリドン系骨格、ジオキサジン系骨格、ペリノン系骨格、ペリレン系骨格、チオインジゴ系骨格、イソインドリン系骨格、イソインドリノン系骨格、キノフタロン系骨格、スレン系骨格、金属錯体系骨格等が挙げられ、キノリン系骨格、ベンゾイミダゾロン系骨格、ジケトピロロピロール系骨格、アゾ系骨格、キノフタロン系骨格、イソインドリン系骨格およびフタロシアニン系骨格が好ましく、アゾ系骨格およびベンゾイミダゾロン系骨格がより好ましい。顔料誘導体が有する酸基としては、スルホ基、カルボキシル基が好ましく、スルホ基がより好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、三級アミノ基がより好ましい。顔料誘導体の具体例としては、例えば、特開2011−252065号公報の段落番号0162〜0183の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
着色画素形成用組成物は、更に、硬化性化合物、光重合開始剤、溶剤、界面活性剤を含有することができる。これらは、上述した材料が挙げられる。
着色画素形成用組成物は、更に、シランカップリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、潜在酸化防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。
<透明画素形成用組成物>
次に、本発明の構造体における透明画素の形成に好ましく用いることができる組成物(透明画素形成用組成物)について説明する。透明画素形成用組成物は、硬化性化合物を含有することが好ましい。硬化性化合物としては、上述した材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。透明画素形成用組成物は、更に、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、PおよびSから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物の粒子(無機粒子ともいう)を含有することもできる。前述の無機粒子を含有する場合、無機粒子の含有量は、透明画素形成用組成物の全固形分に対して、20〜70質量%であることが好ましい。下限は、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。上限は、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。透明画素形成用組成物は、更に、光重合開始剤、溶剤、界面活性剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらは、上述した材料が挙げられる。また、透明画素形成用組成物は、更に、シランカップリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、潜在酸化防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。
<赤外線透過層形成用組成物>
次に、本発明の構造体における赤外線透過層の画素の形成に好ましく用いることができる組成物(赤外線透過層形成用組成物)について説明する。赤外線透過層形成用組成物は、波長400〜640nmの範囲における吸光度の最小値Aと、波長1100〜1300nmの範囲における吸光度の最大値Bとの比であるA/Bが5以上であることが好ましく、7.5以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、30以上であることが更に好ましい。
赤外線透過層形成用組成物において、上記吸光度の条件は、例えば、後述する遮光材の種類およびその含有量を調整することにより好適に達成できる。
ある波長λにおける吸光度Aλは、以下の式(1)により定義される。
Aλ=−log(Tλ/100) ・・・(1)
Aλは、波長λにおける吸光度であり、Tλは、波長λにおける透過率(%)である。
本発明において、吸光度の値は、溶液の状態で測定した値であってもよく、赤外線透過層形成用組成物を用いて製膜した膜での値であってもよい。膜の状態で吸光度を測定する場合は、ガラス基板上にスピンコート等の方法により、乾燥後の膜の厚さが所定の厚さとなるように赤外線透過層形成用組成物を塗布し、ホットプレートを用いて100℃、120秒間乾燥して調製した膜を用いて測定することが好ましい。膜の厚さは、膜を有する基板について、触針式表面形状測定器(ULVAC社製 DEKTAK150)を用いて測定することができる。
赤外線透過層形成用組成物は遮光材を含有することが好ましい。遮光材は、紫色から赤色の波長領域の光を吸収する色材であることが好ましい。また、遮光材は、波長400〜640nmの波長領域の光を遮光する色材であることが好ましい。また、遮光材は、波長1100〜1300nmの光を透過させる色材であることが好ましい。遮光材は、以下の(A)および(B)の少なくとも一方の要件を満たすことが好ましい。
(1):2種類以上の有彩色着色剤を含み、2種以上の有彩色着色剤の組み合わせで黒色を形成している。
(2):有機系黒色着色剤を含む。(2)の態様において、更に有彩色着色剤を含有することも好ましい。
遮光材は、例えば、波長400〜640nmの範囲における吸光度の最小値Aと、波長1100〜1300nmの範囲における吸光度の最大値Bとの比であるA/Bが4.5以上であることが好ましい。上記の特性は、1種類の素材で満たしていてもよく、複数の素材の組み合わせで満たしていてもよい。例えば、上記(1)の態様の場合、複数の有彩色着色剤を組み合わせて上記分光特性を満たしていることが好ましい。また、上記(2)の態様の場合、有機系黒色着色剤が上記分光特性を満たしていてもよい。また、有機系黒色着色剤と有彩色着色剤との組み合わせで上記の分光特性を満たしていてもよい。
遮光材は、赤色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤および緑色着色剤から選ばれる2種以上を含むことが好ましい。すなわち、遮光材は、赤色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤および緑色着色剤から選ばれる2種類以上の着色剤の組み合わせで黒色を形成していることが好ましい。好ましい組み合わせとしては、例えば以下が挙げられる。
(1)赤色着色剤と青色着色剤とを含有する態様。
(2)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤とを含有する態様。
(3)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤とを含有する態様。
(4)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤と緑色着色剤とを含有する態様。
(5)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と緑色着色剤とを含有する態様。
(6)赤色着色剤と青色着色剤と緑色着色剤とを含有する態様。
(7)黄色着色剤と紫色着色剤とを含有する態様。
上記(1)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤との質量比は、赤色着色剤:青色着色剤=20〜80:20〜80であることが好ましく、20〜60:40〜80であることがより好ましく、20〜50:50〜80であることが更に好ましい。
上記(2)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤=10〜80:20〜80:10〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:10〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:10〜20であることが更に好ましい。
上記(3)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤との質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤:紫色着色剤=10〜80:20〜80:5〜40:5〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:5〜30:5〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:5〜20:5〜20であることが更に好ましい。
上記(4)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤と緑色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤:紫色着色剤:緑色着色剤=10〜80:20〜80:5〜40:5〜40:5〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:5〜30:5〜30:5〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:5〜20:5〜20:5〜20であることが更に好ましい。
上記(5)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と緑色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤:緑色着色剤=10〜80:20〜80:5〜40:5〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:5〜30:5〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:5〜20:5〜20であることが更に好ましい。
上記(6)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と緑色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:緑色着色剤=10〜80:20〜80:10〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:10〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:10〜20であることが更に好ましい。
上記(7)の態様において、黄色着色剤と紫色着色剤の質量比は、黄色着色剤:紫色着色剤=10〜50:40〜80であることが好ましく、20〜40:50〜70であることがより好ましく、30〜40:60〜70であることが更に好ましい。
黄色着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー139,150,185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー139,150がより好ましく、C.I.ピグメントイエロー139が更に好ましい。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:6が好ましい。紫色着色剤としては、C.I.ピグメントバイオレット23が好ましい。赤色着色剤としては、C.I.ピグメントレッド122,177,224,254が好ましく、C.I.ピグメントレッド122、177、254がより好ましく、C.I.ピグメントレッド254が更に好ましい。緑色着色剤としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59が好ましい。
遮光材として有機系黒色着色剤を用いる場合、有彩色着色剤と組み合わせて使用することが好ましい。有機系黒色着色剤と有彩色着色剤とを併用することで、優れた分光特性が得られ易い。有機系黒色着色剤と組み合わせて用いる有彩色着色剤としては、例えば、赤色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤などが挙げられ、赤色着色剤および青色着色剤が好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、有彩色着色剤と有機系黒色着色剤との混合割合は、有機系黒色着色剤100質量部に対して、有彩色着色剤が10〜200質量部が好ましく、15〜150質量部がより好ましい。
遮光材における顔料の含有量は、遮光材の全量に対して95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更に好ましい。
遮光材の含有量は、赤外線透過層形成用組成物の全固形分に対して5〜60質量%であることが好ましい。下限は、9質量%以上がより好ましく、13質量%以上が更に好ましい。上限は、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
赤外線透過層形成用組成物は、更に、赤外線吸収剤を含有することもできる。赤外線透過層形成用組成物において、赤外線吸収剤は透過する光(赤外線)をより長波長側に限定する役割を有している。赤外線吸収剤としては、赤外領域(好ましくは、波長700〜1300nmの範囲、より好ましくは波長700〜1000nmの範囲)に極大吸収波長を有する化合物を好ましく用いることができる。
赤外線吸収剤としては、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、クアテリレン化合物、メロシアニン化合物、クロコニウム化合物、オキソノール化合物、ジイモニウム化合物、ジチオール化合物、トリアリールメタン化合物、ピロメテン化合物、アゾメチン化合物、アントラキノン化合物及びジベンゾフラノン化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物およびジイモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、ピロロピロール化合物が特に好ましい。ピロロピロール化合物の具体例としては、特開2009−263614号公報の段落番号0016〜0058に記載の化合物、特開2011−68731号公報の段落番号0037〜0052に記載の化合物、国際公開WO2015/166873号公報の段落番号0010〜0033に記載の化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。スクアリリウム化合物の具体例としては、特開2011−208101号公報の段落番号0044〜0049に記載の化合物、特許第6065169号公報の段落番号0060〜0061に記載の化合物、国際公開WO2016/181987号公報の段落番号0040に記載の化合物、特開2015−176046号公報に記載の化合物、国際公開WO2016/190162号公報の段落番号0072に記載の化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。シアニン化合物の具体例としては、特開2009−108267号公報の段落番号0044〜0045に記載の化合物、特開2002−194040号公報の段落番号0026〜0030に記載の化合物、特開2015−172004号公報に記載の化合物、特開2015−172102号公報に記載の化合物、特開2008−88426号公報に記載の化合物、国際公開WO2016/190162号公報の段落番号0090に記載の化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。ジイモニウム化合物の具体例としては、例えば、特表2008−528706号公報に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。フタロシアニン化合物の具体例としては、例えば、特開2012−77153号公報の段落番号0093に記載の化合物、特開2006−343631号公報に記載のオキシチタニウムフタロシアニン、特開2013−195480号公報の段落番号0013〜0029に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。ナフタロシアニン化合物の具体例としては、例えば、特開2012−77153号公報の段落番号0093に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、赤外線吸収化合物としては、特開2016−146619号公報に記載された化合物を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。
赤外線透過層形成用組成物が赤外線吸収剤を含有する場合、赤外線吸収剤の含有量は、赤外線透過層形成用組成物の全固形分に対して1〜30質量%であることが好ましい。上限は、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。下限は、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また、赤外線吸収剤と遮光材との合計量は、赤外線透過層形成用組成物の全固形分の10〜70質量%であることが好ましい。下限は、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。また、赤外線吸収剤と遮光材との合計量中における、赤外線吸収剤の含有量は、5〜40質量%であることが好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。下限は、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。
赤外線透過層形成用組成物は、更に、樹脂、硬化性化合物、光重合開始剤、顔料誘導体、溶剤、界面活性剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、潜在酸化防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの詳細については、上述した材料が挙げられる。
<組成物の収容容器>
上述した各組成物の収容容器としては、特に限定はなく、公知の収容容器を用いることができる。また、収納容器として、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成する多層ボトルや6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<組成物の調製方法>
上述した各組成物は、前述の成分を混合して調製できる。組成物の調製に際しては、全成分を同時に溶剤に溶解または分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜配合した2つ以上の溶液または分散液をあらかじめ調製し、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
また、組成物が顔料などの粒子を含む場合は、粒子を分散させるプロセスを含むことが好ましい。粒子を分散させるプロセスにおいて、粒子の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。またサンドミル(ビーズミル)における粒子の粉砕においては、径の小さいビーズを使用する、ビーズの充填率を大きくする事等により粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。また、粉砕処理後にろ過、遠心分離などで粗粒子を除去することが好ましい。また、粒子を分散させるプロセスおよび分散機は、「分散技術大全、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」、特開2015−157893号公報の段落番号0022に記載のプロセス及び分散機を好適に使用出来る。また粒子を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程にて粒子の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は、例えば特開2015−194521号公報、特開2012−046629号公報の記載を参酌できる。
組成物の調製にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、組成物をフィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン−6、ナイロン−6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリオレフィン樹脂を含む)等の素材を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度であり、更に好ましくは0.05〜0.5μm程度である。フィルタの孔径が上記範囲であれば、微細な異物を確実に除去できる。また、ファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられる。具体的には、ロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)のフィルタカートリッジが挙げられる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタ(例えば、第1のフィルタと第2のフィルタなど)を組み合わせてもよい。その際、各フィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社(DFA4201NXEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。第2のフィルタは、第1のフィルタと同様の素材等で形成されたものを使用することができる。また、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみに対して行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタでろ過を行ってもよい。
<構造体の製造方法>
次に、本発明の構造体の製造方法について説明する。
本発明の構造体は、支持体上に隔壁を形成する工程と、支持体上であって、隔壁で区画された領域に各種の画素形成用組成物を適用して画素形成用組成物層を形成し、画素形成用組成物層に対してパターン形成を行って画素を形成する工程を経て製造できる。画素形成用組成物としては上述した着色画素形成用組成物や赤外線透過層形成用組成物などが挙げられる。また、画素を作ったのち隔壁を形成してもよい。
隔壁は、従来公知の方法を用いて形成することができる。例えば、次のようにして隔壁を形成することができる。
まず、支持体上に隔壁形成用組成物を適用して隔壁材料層を形成する。隔壁形成用組成物の適用方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(たとえば、特開2009−145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えばオンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット−特許に見る無限の可能性−、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された方法(特に115ページ〜133ページ)や、特開2003−262716号公報、特開2003−185831号公報、特開2003−261827号公報、特開2012−126830号公報、特開2006−169325号公報などに記載の方法が挙げられる。
隔壁材料層を形成した後、乾燥(プリベーク)を行ってもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10秒〜3000秒が好ましく、40〜2500秒がより好ましく、80〜220秒がさらに好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。
次に、隔壁材料層に対してパターン形成を行って隔壁を形成する。パターン形成方法としては、フォトリソグラフィ法を用いたパターン形成方法や、ドライエッチング法を用いたパターン形成方法が挙げられる。矩形性の良い隔壁が得られやすいという理由からドライエッチング法を用いたパターン形成方法であることが好ましい。
ドライエッチング法を用いたパターン形成方法としては、隔壁の形状に沿ったパターンを有するマスクを使用して隔壁材料層上にレジストパターンを形成し、次いで、このレジストパターンをマスクとして、隔壁材料層に対してドライエッチング法でエッチングを行い、次いで、レジストパターンを隔壁材料層から剥離除去することで隔壁を形成できる。ドライエッチング法については、特開2016−14856号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
フォトリソグラフィ法でのパターン形成方法は、隔壁材料層をパターン状に露光する工程(露光工程)と、未露光部の隔壁材料層を現像除去してパターンを形成する工程(現像工程)と、を含むことが好ましい。必要に応じて、現像されたパターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。以下、各工程について説明する。
露光工程では隔壁材料層をパターン状に露光する。例えば、隔壁材料層に対し、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、隔壁材料層をパターン露光することができる。これにより、隔壁材料層の露光部分を硬化することができる。露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく、i線がより好ましい。照射量(露光量)は、例えば、0.03〜2.5J/cmが好ましく、0.05〜1.0J/cmがより好ましく、0.08〜0.5J/cmが最も好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、50体積%)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m〜100000W/m(例えば、5000W/m、15000W/m、35000W/m)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m、酸素濃度35体積%で照度20000W/mなどとすることができる。
次に、露光後の隔壁材料層における未露光部の隔壁材料層を現像除去してパターンを形成する。未露光部の隔壁材料層の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の隔壁材料層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが支持体上に残る。現像液としては、アルカリ現像液が望ましい。現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、更に新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ剤は、分子量が大きい化合物の方が環境面および安全面で好ましい。現像液は、これらのアルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像液には、界面活性剤を添加して用いてもよい。界面活性剤の例としては、上述した界面活性剤が挙げられ、ノニオン界面活性剤が好ましい。現像液は、移送や保管の便宜などの観点より、一旦濃縮液として製造し、使用時に必要な濃度に希釈してもよい。希釈倍率は特に限定されないが、例えば1.5〜100倍の範囲に設定することができる。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、現像後純水で洗浄(リンス)することが好ましい。
現像後、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うこともできる。ポストベークは、膜の硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理である。ポストベークを行う場合、ポストベーク温度は、例えば50〜240℃が好ましい。膜硬化の観点から、200〜230℃がより好ましい。また、発光光源として有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いた場合や、イメージセンサの光電変換膜を有機素材で構成した場合は、ポストベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、90℃以下が特に好ましい。ポストベークは、現像後の膜に対して、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
画素は、従来公知の方法を用いて形成することができる。例えば、支持体上の隔壁で区画された領域に画素形成用組成物を適用して画素形成用組成物層を形成したのち、この画素形成用組成物層に対してパターン形成を行うことで形成できる。
画素形成用組成物の塗布方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、上述した方法が挙げられる。
画素形成用組成物層を形成した後、乾燥(プリベーク)を行ってもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10秒〜3000秒が好ましく、40〜2500秒がより好ましく、80〜220秒がさらに好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。
次に、画素形成用組成物層に対してパターン形成を行って画素を形成する。パターン形成方法としては、フォトリソグラフィ法を用いたパターン形成方法やドライエッチング法を用いたパターン形成方法が挙げられる。
フォトリソグラフィ法でのパターン形成方法は、支持体上の画素形成用組成物層に対しパターン状に露光する工程と、未露光部の画素形成用組成物層を現像除去してパターンを形成する工程と、を含むことが好ましい。必要に応じて、現像されたパターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。これらの工程の詳細については上述した通りである。
ドライエッチング法でのパターン形成は、支持体上の画素形成用組成物層を硬化して硬化物層を形成し、次いで、この硬化物層上にパターニングされたレジスト層を形成し、次いで、パターニングされたレジスト層をマスクとして硬化物層に対してエッチングガスを用いてドライエッチングするなどの方法で行うことができる。ドライエッチング法でのパターン形成については、特開2013−064993号公報の段落番号0010〜0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の構造体を有する。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の構造体を備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基板上に、固体撮像素子(CCD(電荷結合素子)イメージセンサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に本発明の構造体を有する構成が挙げられる。更に、デバイス保護膜上であって本発明の構造体の下(基板に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、本発明の構造体上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、本発明の構造体と集光手段との間に低屈層を設けてもよい。低屈層は例えば本発明の隔壁形成用組成物を用いて形成することができる。
本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、デジタルカメラや、撮像機能を有する電子機器(携帯電話等)の他、車載カメラや監視カメラ用としても用いることができる。
<画像表示装置>
本発明の構造体は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの、画像表示装置に用いることができる。画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量基準である。
<重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定>
かご型シロキサン化合物および樹脂の重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、以下の条件で測定した。
カラムの種類:TOSOH TSKgel Super HZM−Hと、TOSOH TSKgel Super HZ4000と、TOSOH TSKgel Super HZ2000とを連結したカラム
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流量(サンプル注入量):1.0μL(サンプル濃度:0.1質量%)
装置名:東ソー製 HLC−8220GPC
検出器:RI(屈折率)検出器
検量線ベース樹脂:ポリスチレン樹脂
<隔壁形成用組成物の調製>
下記表に記載の原料を混合して隔壁形成用組成物を調製した。配合量の欄に記載の数値は質量部である。
(かご型シロキサン化合物1)
A−1:下記式(S2−1−1)で表される構造のポリマー(Mw=200,000、Mw/Mn=3.0)
A−2:下記式(S2−1−1)で表される構造のポリマー(Mw=149,000、Mw/Mn=2.8)
A−3:下記式(S2−1−1)で表される構造のポリマー(Mw=51,000、Mw/Mn=2.6)
A−4:下記式(S2−1−1)で表される構造のポリマー(Mw=246,000、Mw/Mn=3.1)
A−5:下記式(S2−1−1)で表される構造のポリマー(Mw=298,000、Mw/Mn=3.3)
A−6:下記式(S2−1−2)で表される構造のポリマー(Mw=199,000、Mw/Mn=2.9)
A−7:下記式(S2−1−3)で表される構造のポリマー(Mw=204,000、Mw/Mn=2.9)
(かご型シロキサン化合物2)
A−8:下記式(A−8)で表される構造の化合物
(他のシロキサン化合物)
B−1:MS−1001(東レ・ダウコーニング(株)製)
(界面活性剤)
F−1:下記構造の化合物(Mw=14,000、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である)
(溶剤)
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S−2:1,3−ブチレングリコールジアセテート
S−3:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S−4:乳酸エチル
S−5:酢酸ブチル
<着色画素形成用組成物の調製>
以下に示す原料を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、赤色画素形成用組成物、緑色画素形成用組成物および青色画素形成用組成物をそれぞれ調製した。
(赤色画素形成用組成物)
Red顔料分散液・・・51.7質量部
樹脂1・・・0.6質量部
硬化性化合物1・・・0.6質量部
光重合開始剤1・・・0.3質量部
界面活性剤1・・・4.2質量部
PGMEA・・・42.6質量部
(緑色画素形成用組成物)
Green顔料分散液・・・73.7質量部
樹脂1・・・0.3質量部
硬化性化合物2・・・1.2質量部
光重合開始剤1・・・0.6質量部
界面活性剤1・・・4.2質量部
紫外線吸収剤1・・・0.5質量部
PGMEA・・・19.5質量部
(青色画素形成用組成物)
Blue顔料分散液・・・44.9質量部
樹脂1・・・2.1質量部
硬化性化合物1・・・1.5質量部
硬化性化合物3・・・0.7質量部
光重合開始剤2・・・0.8質量部
界面活性剤1・・・4.2質量部
PGMEA・・・45.8質量部
着色画素形成用組成物に用いた原料は以下である。
・Red顔料分散液
C.I.Pigment Red 254の9.6質量部と、C.I.Pigment Yellow 139の4.3質量部と、分散剤(Disperbyk−161、BYKChemie社製)の6.8質量部と、PGMEAの79.3質量部とからなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)を用いて3時間混合および分散した後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、Red顔料分散液を得た。
・Green顔料分散液
C.I.Pigment Green 36の6.4質量部と、C.I.Pigment Yellow 150の5.3質量部と、分散剤(Disperbyk−161、BYKChemie社製)の5.2質量部と、PGMEAの83.1質量部とからなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)を用いて3時間混合および分散した後、さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、Green顔料分散液を得た。
・Blue顔料分散液
C.I.Pigment Blue 15:6の9.7質量部と、C.I.Pigment Violet 23の2.4質量部と、分散剤(Disperbyk−161、BYKChemie社製)の5.5質量部と、PGMEAの82.4質量部とからなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)を用いて3時間混合および分散した後、さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、Blue顔料分散液を得た。
・樹脂1:下記構造の樹脂の40質量%PGMEA溶液(主鎖に付記した数値はモル比である。Mw=10,000、酸価=70mgKOH/g)

・硬化性化合物1:下記構造の化合物

・硬化性化合物2:下記構造の化合物の混合物(左側化合物と右側化合物とのモル比が7:3の混合物)

・硬化性化合物3:アロニックスM−305(トリアクリレートが55〜63質量%、東亞合成(株)製)
・光重合開始剤1:IRGACURE−OXE01(BASF製)
・光重合開始剤2:下記構造の化合物

・界面活性剤1:下記構造の化合物(Mw=14,000、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である)の0.2質量%PGMEA溶液

・紫外線吸収剤1:UV−503(大東化学(株)製)
<構造体の製造>
シリコンウエハ上に、下記表に記載の隔壁形成用組成物を用いて隔壁材料層を形成し、隔壁材料層に対して、特開2016−14856号公報の段落番号0128〜0133に記載された条件にてドライエッチング法でパターニングして隔壁(幅50nm、高さ1μm)を1μm間隔で格子状に形成した。シリコンウエハ上の隔壁の開口の寸法(シリコンウエハ上の隔壁で区切られた領域)は、縦1μm×横1μmであった。次に、隔壁を形成したシリコンウエハ上に、緑色画素形成用組成物を、製膜後の膜厚が1μmになるようにスピンコート法で塗布し、次いで、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、0.9μmのベイヤーパターンを有するマスクを介して、150mJ/cmの露光量で露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行った後に、ホットプレートを用いて220℃で5分間加熱して、隔壁で区画された領域に緑色画素を形成した。
次に、赤色画素形成用組成物および青色画素形成用組成物についても順次パターニングし、赤色画素および青色画素をそれぞれ隔壁で区画された領域に形成した。
<濾過性の評価>
製造直後の隔壁形成用組成物について、ROKI製カプセルフィルター(LPS−CLP−0025―N1 )を用いて1000gろ過し、以下の基準で濾過性を評価した。
A:隔壁形成用組成物を全量濾過できた
B:500g以上1000g未満で目詰まりが生じた
C:100g以上500g未満で目詰まりが生じた
D:100g未満で目詰まりが生じた
<エッチング面平滑性>
隔壁のエッチング面を走査型電子顕微鏡(SEM)で倍率5万倍で観察し、以下の基準で平滑性を評価した。
A:空孔が観察されなかった。
B:20nm以上の大きさの空孔は観察されなかったが、20nm未満の大きさの空孔が観察された。
C:20nm以上の大きさの空孔が観察された。
<密着性>
隔壁で区画された領域に各色の着色画素を形成したのち、SEMで断面観察して以下の基準で密着性を評価した。
A:観測範囲内の全隔壁において、着色画素の剥離が観測されなかった。
B:観測範囲内の全隔壁のうち20%未満の個数の隔壁において、着色画素の剥離が発生していた。
C:観測範囲内の全隔壁のうちの20%以上の個数の隔壁において、着色画素の剥離が発生していた。
<屈折率の評価>
シリコンウエハ上に各隔壁形成用組成物を塗布して膜厚0.3μmの膜を形成し、エリプソメータUVISEL/460−FUV−AGAS(堀場製作所製)を用いて、波長550nmでの屈折率を測定した。
上記表に示す通り、実施例は屈折率が低く、平滑性に優れた隔壁を有する構造体を製造することができた。実施例の構造体を固体撮像素子に組み込んだところ、画素の集光率が高く、感度が良好であり、鮮明な画像を取得できた。
1:支持体
2:隔壁
4:画素

Claims (19)

  1. 支持体と、
    前記支持体上に設けられた隔壁と、
    前記隔壁で区切られた領域に設けられた画素と、を有し、
    前記隔壁は、かご型シロキサン化合物を全固形分中に40質量%以上含む組成物を用いて形成された隔壁であり、
    前記かご型シロキサン化合物は、重量平均分子量が100,000〜240,000のポリマーを含み、
    前記隔壁の波長550nmの光の屈折率が1.15〜1.37である、
    構造体。
  2. 前記かご型シロキサン化合物は、重量平均分子量が100,000〜240,000のポリマーと、分子量が400〜2,000のモノマーとを含み、
    前記組成物は、前記ポリマーの100質量部に対して、前記モノマーを0.1〜10質量部含む、請求項1に記載の構造体。
  3. 前記組成物の全固形分中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量が0.005質量%以下である、請求項1または2に記載の構造体。
  4. 前記組成物の全固形分中における前記かご型シロキサン化合物の含有量が80質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体。
  5. 前記組成物の全固形分中における硬化性化合物の含有量が0.005質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構造体。
  6. 前記組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量が0.005質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造体。
  7. 前記かご型シロキサン化合物は、酸素原子数と珪素原子数との比率であるO/Siが1.3〜1.7であるかご型シロキサン化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の構造体。
  8. 前記かご型シロキサン化合物が、下記式(S1)で表される部分構造を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の構造体;
    (*−SiO1.5n・・・(S1)
    式中、*は連結手を表し、nは6〜16の整数を表す。
  9. 前記かご型シロキサン化合物が、下記式(S2)で表される化合物含む、請求項に記載の構造体;
    (RS1−SiO1.5n・・・(S2)
    式中、RS1は、アルキル基または重合性基を表し、nは6〜16の整数を表し、n個のRS1のうち2個以上のRS1は重合性基である。
  10. 前記かご型シロキサン化合物は、下記式(S1−1)で表される部分構造を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の構造体;
    式(S1−1)
    上記式中の波線は結合手を表す。
  11. 前記画素は、着色画素、透明画素および赤外線透過層の画素から選ばれる少なくとも1種の画素を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の構造体。
  12. 支持体と、前記支持体上に設けられた隔壁と、前記隔壁で区切られた領域に設けられた画素とを有する構造体の前記隔壁の形成に用いられる隔壁形成用組成物であって、
    かご型シロキサン化合物と溶剤とを含み、
    前記かご型シロキサン化合物は、重量平均分子量が100,000〜240,000のポリマーを含み、
    前記隔壁形成用組成物の全固形分中における前記かご型シロキサン化合物の含有量が40質量%以上である、隔壁形成用組成物。
  13. 前記かご型シロキサン化合物は、重量平均分子量が100,000〜240,000のポリマーと、分子量が400〜2,000のモノマーとを含み、
    前記隔壁形成用組成物は、前記ポリマーの100質量部に対して、前記モノマーを0.1〜10質量部含む、請求項12に記載の隔壁形成用組成物。
  14. 前記隔壁形成用組成物の全固形分中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量が0.005質量%以下である、請求項12または13に記載の隔壁形成用組成物。
  15. 前記隔壁形成用組成物の全固形分中における前記かご型シロキサン化合物の含有量が80質量%以上である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の隔壁形成用組成物。
  16. 前記隔壁形成用組成物の全固形分中における硬化性化合物の含有量が0.005質量%以下である、請求項12〜15のいずれか1項に記載の隔壁形成用組成物。
  17. 前記隔壁形成用組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量が0.005質量%以下である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の隔壁形成用組成物。
  18. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の構造体を有する固体撮像素子。
  19. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の構造体を有する画像表示装置。
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