JP6842309B2 - シート状化粧料 - Google Patents
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<1> シート状基材と、前記シート状基材に含浸された液体組成物とを含むシート状化粧料であって、
前記液体組成物が、
(A)球状シリカと、
(B)タルクと、
(C)ジメチルポリシロキサンと、
(D)1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンから選択される少なくとも1種とを含有し、
前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量との質量比(A/B)が、1.3〜16であり、
前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量と、前記(C)成分及び前記(D)成分の合計含有量との質量比〔(A+B)/(C+D)〕が、3〜10であることを特徴とするシート状化粧料である。
<2> 前記(A)成分の含有量が、1.5質量%〜4質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.5質量%〜3質量%である前記<1>に記載のシート状化粧料である。
<3> 前記(C)成分の25℃の動粘度が、5mm2/s〜30mm2/sである前記<2>に記載のシート状化粧料である。
<4> 前記シート状基材が、(α)親水性繊維、及び(β)疎水性繊維からなる前記<1>から<3>のいずれかに記載のシート状化粧料である。
<5> 前記シート状基材の疎水性繊維が、芯鞘型繊維からなる前記<4>に記載のシート状化粧料である。
<6> 前記(α)成分の含有量と、前記(β)成分の含有量との質量比(α/β)が、60/40〜80/20である前記<4>から<5>のいずれかに記載のシート状化粧料である。
本発明のシート状化粧料は、液体組成物と、シート状基材とを含み、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記液体組成物は、(A)球状シリカと、(B)タルクと、(C)ジメチルポリシロキサンと、(D)1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンから選択される少なくとも1種とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。また、前記液体組成物は、前記シート状基材に含浸される。
前記(A)成分の球状シリカは、肌のさらさら感、及び肌のさらさら感の持続性を付与するために含有される。
前記(A)成分の球状シリカの平均円形度としては、肌のさらさら感、及び肌のさらさら感の持続性の点で、0.6以上1.0以下であり、0.8以上1.0以下が好ましい。前記平均円形度が、0.6未満であると、肌のさらさら感、及び肌のさらさら感の持続性が低下することがある。
前記平均円形度の測定方法は、以下の通りである。
シリカ粒子の走査型電子顕微鏡写真をもとに、円形度測定装置〔本体:島津製作所株式会社製、画像解析ソフトウェア:Win ROOF、三谷商事株式会社製〕を用いて画像処理(二値化処理)した後、該処理画像の粉体粒子の面積及び周囲長を測定して円形度を算出し、それぞれのシリカ粒子の円形度の平均をとることにより前記平均円形度を求めることができる。
前記円形度は、下記式で表され、円形度が1に近いほど真円に近いことを示す。なお、複数の粒子が重なっている場合は、個別に認識せずに凝集体を1つとして認識したり、濃淡のある粒子は陰の部分を認識しないため、明確な輪郭のあるシリカ粒子のみを代表粒子として測定する。
〔式〕 円形度=4π×二値化処理画像のシリカ粒子の面積/(二値化処理画像のシリカ粒子の周囲長)2
ここで、前記平均粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−570)で得られた写真像から代表的な粒子を選んで、スケールを用いて粒子像の直径を測定することができる。
前記(B)成分のタルクは、拭いた後の肌のしっとり感を付与するために含有される。
前記(B)成分のタルクとしては、粉体表面が親水性処理されたものが好ましい。前記親水性処理としては、例えば、セルロース処理、寒天処理、デオキシリボ核酸処理、レシチン処理、ポリアクリル酸処理、シリカ処理、アルミナ処理、ジルコニア処理などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、前記親水性を示すとは、ヘキサン10g/水10gに粉体を1g添加し、超音波で分散させたときに、水相に分散されることを意味する。
前記(C)成分のジメチルポリシロキサンは、拭いた後の肌のしっとり感を付与するために含有される。
前記動粘度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、ASTM インターナショナル D 445−46Tの規格に基づき、ウッベローデ粘度計により測定する方法などが挙げられる。
前記(D)成分の1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンから選択される少なくとも1種は、拭いた後の肌のしっとり感を付与するために含有される。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、拭いた後の肌のしっとり感が良好である点で、1,3−ブチレングリコールが好ましい。
前記液体組成物には、更に必要に応じて、適宜選択したその他の成分を本発明の目的を妨げない範囲で含有することができる。前記その他の成分としては、シート状化粧料の液体組成物に通常用いられているものの中から適宜選択することができ、例えば、精製水、油分、前記(C)成分以外のシリコーン類;前記(D)成分以外の低級アルコール、高級アルコール等のアルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アクリル樹脂分散液;ビタミン等の薬剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、動植物抽出物又はその誘導体、色素、香料、顔料、前記(B)成分以外の粘土鉱物などが挙げられる。
前記シート状基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(α)親水性繊維、及び(β)疎水性繊維からなることが好ましい。
前記シート状基材が、(α)親水性繊維、及び(β)疎水性繊維からなる繊維集合体である場合、前記親水性繊維の極性乃至は毛細管力の作用によって前記液体組成物を吸収することが可能となるので、前記液体組成物が一度に大量に放出されることがなく、徐々に放出される。
前記繊維を構成する物質が親水性である親水性繊維としては、例えば、綿、パルプ、麻等の天然セルロース系繊維;パルプより得られるビスコースレーヨン、銅アンモニア法レーヨン(キュプラ)、溶剤紡糸されたレーヨンであるリヨセル、テンセル等の再生セルロース系繊維;キチン、アルギン酸繊維、コラーゲン繊維などが挙げられる。
また、前記疎水性繊維としては、複合繊維であってもよく、前記複合繊維としては、例えば、芯鞘型繊維、サイド−バイ−サイド型繊維などが挙げられる。
これらの中でも、ふき取り性、及びシートのよれにくさの点で、芯鞘型繊維が好ましく、ポリプロピレン(PP)繊維の表面を、PPよりも融点が低いポリエチレン(PE)で被覆処理した構造を有するPP・PE芯鞘型繊維がより好ましい。
前記繊維集合体として親水性繊維からなる不織布としては、例えば、抄紙方式で製造される湿式不織布、接着繊維を用いて結合させたサーマルボンド不織布(例えば、エアスルー不織布、エアレイド不織布、ヒートロールボンド不織布等)、繊維ウエブを接着剤で結合させたケミカルボンド不織布、繊維ウエブを特殊針でニードリングして交絡させたニードルパンチ不織布、ウォータージェットで繊維を交絡させたスパンレース不織布、フラッシュ紡糸不織布等の乾式不織布が挙げられる。
前記繊維集合体として疎水性繊維を親水化処理した不織布としては、例えば、ノーバインディングの超極細繊維を用いたメルトブローン不織布、該メルトブローン不織布とスパンボンド不織布とを貼り合わせたもの、易分割繊維を用いて適宜繊維構造体とした後、易分割繊維を分割させたものなど、様々な極細繊維の繊維集合体が挙げられる。前記メルトブローン不織布に用いられる超極細繊維の繊維径としては、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましい。また、前記不織布としては、エンボス加工等の各種加工されたものを用いることができる。
前記繊維集合体として紙を用いる場合は、パルプから抄紙方式で製造される湿式パルプシート、解繊・積層されたパルプ繊維をバインダーで接着し、シート状に形成した乾式パルプシートなどを用いることができる。
前記積層シート状基材の製法としては、例えば、PE・PP芯鞘型繊維(例えば、NBF−H、ダイワボウポリテック株式会社製)を熱融着によりシート状(不織布)にし、レーヨンのウェブで前記シートを挟みこみ、ウォータージェットで繊維を交絡させることにより得ることができる。
本発明のシート状化粧料における液体組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記(A)成分から(D)成分、必要に応じてその他の成分を使用し、所定の製造装置を用いて常法により製造することができる。
前記液体組成物を製造する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、剪断力と全体混合できる複数の攪拌羽根(例えば、プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた攪拌装置などが好ましい。
本発明のシート状化粧料は、前記シート状基材に前記液体組成物を含浸させることにより得ることができる。前記含浸の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)前記シート状基材に前記液体組成物を滴下乃至噴霧することにより含浸させる方法、(2)前記液体組成物中に前記シート基材を浸漬することにより含浸させる方法などが挙げられる。
前記液体組成物の含浸量(含浸倍率)は、液体組成物の皮膚への移行性の点から、2.5倍〜5.5倍が好ましく、3.5倍〜4.5倍がより好ましい。
本発明のシート状化粧料は、包装体に収容された状態で使用されることが好ましい。前記包装体としては、特に制限はなく、シート状化粧料に通常用いられるものを適宜選択して使用することができる。
本発明のシート状化粧料は、例えば、顔用汗拭きシート、身体用汗拭きシート、身体用デオドラントシート、足用拭き取りシート、介護用清拭シート、皮脂拭き取り用シート、眠気覚まし用シートなどに好適に用いることができ、特に、肌のさらさら感及びその持続性に優れる観点から、顔用汗拭きシート、身体用汗拭きシート、身体用デオドラントシートが好ましい。
表1〜表7に示す組成からなる、実施例1〜28及び比較例1〜8の液体組成物を常法に準じて調製した。
得られた各液体組成物と、下記に示すシート状基材(a)〜(d)とを、表1〜表7に示す組み合わせで、該シート状基材に各液体組成物を4倍量含浸させて、各シート状化粧料(身体用汗拭きシート)を作製した。
(a)レーヨン/PP・PE芯鞘型繊維/レーヨン=(20g/m2)/(20g/m2)/(20g/m2):(60g/m2)(親水性繊維/疎水性繊維=67/33、質量比)(ダイワボウポリテック株式会社製)
(b)レーヨン/PP/レーヨン=(20g/m2)/(20g/m2)/(20g/m2):(60g/m2)(親水性繊維/疎水性繊維=57/43、質量比)(ダイワボウポリテック株式会社製)
(c)レーヨン/PE・PET芯鞘型繊維/レーヨン=(20g/m2)/(20g/m2)/(20g/m2):(60g/m2)(親水性繊維/疎水性繊維=67/33、質量比)(ダイワボウポリテック株式会社製)
(d)レーヨン:PP・PE芯鞘型繊維=90:10:(60g/m2)(親水性繊維/疎水性繊維=90/10、質量比)(ダイワボウポリテック株式会社製)
実施例1〜28及び比較例1〜8で得られたシート状化粧料を、20名の20代〜40代の専門パネラーに使用してもらい、使用直後の「肌のさらさら感」、及び使用してから30分間後の「肌のさらさら感の持続性」を以下の評価基準に従って、前腕内側部で評価した。
なお、「肌のさらさら感」の評価が「×」の場合には、30分間後の評価ができないため、「肌のさらさら感の持続性」の評価につき「−」と表中に示した。
〔評価基準〕
◎:「使用部が未使用部よりも肌のさらさら感がある」と回答した人が、18名以上
○:「使用部が未使用部よりも肌のさらさら感がある」と回答した人が、14名〜17名
△:「使用部が未使用部よりも肌のさらさら感がある」と回答した人が、8名〜13名
×:「使用部が未使用部よりも肌のさらさら感がある」と回答した人が、8名未満
実施例1〜28及び比較例1〜8で得られたシート状化粧料を、20名の20代〜40代の専門パネラーに使用してもらい、液体組成物が乾いた後の「拭いた後の肌のしっとり感」を以下の評価基準に従って、前腕内側部で評価した。
〔評価基準〕
◎:「使用部が未使用部よりも肌のしっとり感がある」と回答した人が、18名以上
○:「使用部が未使用部よりも肌のしっとり感がある」と回答した人が、14名〜17名
△:「使用部が未使用部よりも肌のしっとり感がある」と回答した人が、8名〜13名
×:「使用部が未使用部よりも肌のしっとり感がある」と回答した人が、8名未満
実施例1〜28及び比較例1〜8で得られたシート状化粧料を、20名の20代〜40代の専門パネラーに使用してもらい、液体組成物が乾いた後の「肌への白残りのなさ」を以下の評価基準に従って、前腕内側部で評価した。
〔評価基準〕
◎:「使用部の肌への白残りがない」と回答した人が、18名以上
○:「使用部の肌への白残りがない」と回答した人が、14名〜17名
△:「使用部の肌への白残りがない」と回答した人が、8名〜13名
×:「使用部の肌への白残りがない」と回答した人が、8名未満
実施例1〜28及び比較例1〜8で得られたシート状化粧料を、20名の20代〜40代の専門パネラーに使用してもらい、汗やべたつきのふき取りやすさとしての「ふき取り性」を以下の評価基準に従って、前腕内側部で評価した。
〔評価基準〕
◎:「汗やべたつきがふき取りやすい」と回答した人が、18名以上
○:「汗やべたつきがふき取りやすい」と回答した人が、14名〜17名
△:「汗やべたつきがふき取りやすい」と回答した人が、8名〜13名
×:「汗やべたつきがふき取りやすい」と回答した人が、8名未満
実施例1〜28及び比較例1〜8で得られたシート状化粧料を、20名の20代〜40代の専門パネラーに使用してもらい、肌を拭いた時の「シートのよれにくさ」を以下の評価基準に従って、前腕内側部で評価した。
〔評価基準〕
◎:「肌を拭いた時のシートのよれがない」と回答した人が、18名以上
○:「肌を拭いた時のシートのよれがない」と回答した人が、14名〜17名
△:「肌を拭いた時のシートのよれがない」と回答した人が、8名〜13名
×:「肌を拭いた時のシートのよれがない」と回答した人が、8名未満
Claims (7)
- シート状基材と、前記シート状基材に含浸された液体組成物とを含むシート状化粧料であって、
前記液体組成物が、
(A)球状シリカと、
(B)タルクと、
(C)ジメチルポリシロキサンと、
(D)1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンから選択される少なくとも1種とを含有し、
前記(A)成分の含有量が、1.3質量%〜6質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.3質量%〜4.5質量%であり、
前記(A)成分の含有量と、前記(B)成分の含有量との質量比(A/B)が、1.3〜16であり、
前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量と、前記(C)成分及び前記(D)成分の合計含有量との質量比〔(A+B)/(C+D)〕が、3〜10であることを特徴とするシート状化粧料。 - 前記(A)成分の含有量が、1.5質量%〜4質量%であり、
前記(B)成分の含有量が、0.5質量%〜3質量%である請求項1に記載のシート状化粧料。 - 前記(C)成分の25℃の動粘度が、5mm2/s〜30mm2/sである請求項1から2のいずれかに記載のシート状化粧料。
- 前記(C)成分の含有量が、0.1質量%〜0.3質量%であり、
前記(D)成分の含有量が、0.2質量%〜0.8質量%である請求項1から3のいずれかに記載のシート状化粧料。 - 前記シート状基材が、(α)親水性繊維、及び(β)疎水性繊維からなる請求項1から4のいずれかに記載のシート状化粧料。
- 前記シート状基材の疎水性繊維が、芯鞘型繊維からなる請求項5に記載のシート状化粧料。
- 前記(α)成分の含有量と、前記(β)成分の含有量との質量比(α/β)が、60/40〜80/20である請求項5から6のいずれかに記載のシート状化粧料。
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