JP2009131474A - ウェットティシュー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ティシュー基材2と、ティシュー基材2に含浸された薬液3と、を備えるウェットティシュー1において、薬液3に、保湿成分として、第1の保湿剤(ヒアルロン酸又はその塩)と、第2の保湿剤(アロエエキス)と、第3の保湿剤(プロピレングリコールなど)と、を配合した。
【選択図】図1
Description
ティシュー基材と、前記ティシュー基材に含浸された薬液と、を備えるウェットティシューにおいて、
前記薬液に、保湿成分として、第1の保湿剤と、第2の保湿剤と、第3の保湿剤と、を配合し、
前記第1の保湿剤は、ヒアルロン酸又はその塩であり、
前記第2の保湿剤は、アロエエキスであることを特徴とする。
請求項1に記載のウェットティシューにおいて、
前記ティシュー基材に、当該ティシュー基材の乾燥重量に対して200%以上の重量の前記薬液を含浸したことを特徴とする。
請求項1又は2に記載のウェットティシューにおいて、
前記ティシュー基材は、表面に、条状の凹部と、条状の凸部と、が形成されており、
前記条状の凹部と前記条状の凸部とにより形成される線状模様は、他の前記条状の凹部と前記条状の凸部とにより形成される線状模様と交差して杉綾模様を形成していることを特徴とする。
本発明のウェットティシュー1は、例えば、図1に示すように、ティシュー基材2と、ティシュー基材2に含浸された薬液3と、などを備えて構成される。
ティシュー基材2は、例えば、繊維集合体からなる、ウェットティシュー1用のティシュー基材である。ティシュー基材2としては、繊維集合体からなるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、紙や不織布の他、織布なども用いることができ、また、水解性を有していないものの他、水解性を有しているものも用いることができる。
親水性繊維としては、例えば、綿、パルプなどの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維などを使用することができる。これらの繊維の中でも特にレーヨンが好適である。レーヨンは、吸水性に富み、取り扱いが容易であるとともに、一定長の繊維を安価に入手することができるからである。
親水性繊維は、例えば、ティシュー基材2中に50〜70重量%の含有比で配合するのが望ましい。親水性繊維の含有量が50重量%未満であると、十分な柔軟性と保水性を与えることができず、また、70重量%を超えると、湿潤時強度が低すぎて破れなどが生じ易くなるとともに、容器からポップアップ式で取り出す際に伸びが生じ過ぎるようになるからである。
熱融着性繊維としては、例えば、加熱によって溶融し相互に接着性を発現する任意の繊維を用いることができる。この熱融着性繊維は、単一繊維からなるものであってもよいし、2種以上の合成樹脂を組み合わせた複合繊維などであってもよい。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコールなどのポリオレフィン系単一繊維や、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート−エチレン・プロピレン共重合体、低融点ポリエステル−ポリエステルなどからなる鞘部分が相対的に低融点とされる芯鞘型複合繊維又は偏心芯鞘型複合繊維、又はポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン、ポロプロピレン/ポリエチレンからなる各成分の一部が表面に露出している分割型複合繊維、或いはポリエチレンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体からなる一方の成分の熱収縮により分割する熱分割型複合繊維などを用いることができる。生産性及び寸法安定性を重視する場合は、芯鞘型複合繊維が好ましく、ボリューム感を重視する場合は、偏心型複合繊維が好ましい。また、柔軟性を重視する場合は、分割型複合繊維や熱分割型複合繊維が、高圧水流処理によって各成分が容易に分割して極細繊維化されるようになるため、好ましい。
熱融着性繊維は、例えば、ティシュー基材2中に10〜30重量%の含有比で配合するのが望ましい。熱融着性繊維の含有量が10重量%未満であると、湿潤時強度が確保し得ないとともに、容器からポップアップ式で取り出す際に伸びが大きくなり過ぎるようになり、また、30重量%を超えると、風合いが硬くなって手触り感がざらついた感触となり、ウェットティシュー1のティシュー基材2としては好ましくないものとなるからである。
熱可塑性繊維としては、種々の合成繊維が存在するが、特にポリエステル繊維が好適である。ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維は、高圧水流処理した際の交絡性が悪いとともに、毛羽立ち易く、湿潤強度に劣るため好ましくない。また、ナイロンなどのポリアミド系繊維は、親水性であるため好ましくない。
熱可塑性繊維は、例えば、ティシュー基材2中に40重量%以下の含有比で混合するのが望ましい。熱可塑性繊維の含有量が40重量%を超えると、保水性が損なわれ、ウェット性能が著しく低下するようになるからである。
ここで、ティシュー基材2を構成する繊維として熱可塑性繊維を混入することにより、湿潤時のコシが向上し、嵩のあるティシュー基材2を得ることができるようになる。また、熱可塑性繊維の一部がティシュー基材2の表面から露出することで、熱可塑性繊維の疎水性によって、湿潤時においてもべた付き感を緩和し、さらりとした感触を付与することができるようになる。
ティシュー基材2の形状がシート状である場合、目付け量は20〜80g/m2程度が好ましく、30〜60g/m2程度がより好ましい。目付け量が30g/m2未満であると、汚れの保持能力が乏しくなるとともに、後述する凹部21…及び凸部22…の付与が困難になり、また、60g/m2を超えると、柔軟性が乏しくなるからである。
なお、図2は、ティシュー基材2の両面に凹部21…及び凸部22…を形成したウェットティシュー1の例を示しており、図3は、ティシュー基材2の片面に凹部21…及び凸部22…を形成したウェットティシュー1の例を示している。
凹部21…と凸部22…とによって形成される線状模様の線本数は3〜9本/cmであることが望ましい。線本数が3本/cm未満であると、ティシュー基材2の表面が平坦に近づくため、一旦捕捉された汚れが転着し易くなり、また、線本数が9本/cmを超えると、凹部21と凸部22とで形成される空間の容積が小さくなり過ぎるため、凹部21…に所望の量の汚れを確保できないようになるからである。
具体的には、例えば、ティシュー基材2に付与する所望の表面凹凸模様を有するワイヤメッシュ上に、レーヨンなどの親水性繊維と、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱融着性繊維と、ポリエステル繊維などの熱可塑性繊維と、などからなる繊維ウエブを積層し、搬送中にこの繊維ウエブの上方から高圧水流を噴射して繊維同士を交絡させる。この際、ワイヤメッシュのワイヤが存在する部分の繊維は、高圧水流の衝突エネルギーによってワイヤの両側に押し分けられ開孔側に移動されるため、メッシュ開孔部の繊維部分は相対的に繊維密度が高くなるとともに、開孔形状に合わせて凸状(凸部22)が形成される。その一方で、ワイヤが存在する部分は相対的に繊維密度が小さくなるとともに、ワイヤに沿って凹状(凹部21)が形成される。
薬液3は、例えば、水(精製水)を主成分とする、ウェットティシュー1用の薬液である。
薬液3には、保湿成分として、第1の保湿剤と、第2の保湿剤と、第3の保湿剤と、が配合されている。
ヒアルロン酸又はその塩は、ヒアルロン酸又はその塩の効果(保湿効果や摩擦低減効果)とコストのバランスから、例えば、薬液3中に0.0002〜1.0重量%の配合比で配合するのが望ましい。
なお、薬液3には、ヒアルロン酸又はその塩を配合してもよいし、ヒアルロン酸及び1又は複数種類のその塩を配合してもよい。ヒアルロン酸及び1又は複数種類のその塩を配合する際、これらの配合比は合計で0.0002〜1.0重量%であるのが望ましい。
アロエエキスは、アロエエキスの効果(保湿効果や摩擦低減効果)とコストのバランスから、例えば、薬液3中に0.000005〜1.0重量%の配合比で配合するのが望ましい。
なお、第3の保湿剤は、プロピレングリコールに限るものではない。第3の保湿剤としては、保湿作用があれば特に限定されるものではなく、例えば、延命草エキス、オトギリソウエキス、オオムギエキス、オレンジエキス、海藻エキス、カミツレエキス、キューカンバエキス、コンフリーエキス、ゴボウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シソエキス、セージエキス、デュークエキス、冬虫夏草エキス、ドクダミエキス、ハタケシメジエキス、ビワエキス、ブドウ葉エキス、フユボダイジュエキス、プルーンエキス、ヘチマエキス、ボタンピエキス、マイカイエキス、モモノハエキス、ユリエキス、リンゴエキス、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、サフラワー油、ジメチルシリコーン、シリコーン油、変性シリコーン、大豆油、椿油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、ヤシ油、ラノリン、アラビノース、ガラクトース、キシロース、グルコース、ショ糖、ソルビトール、フルクトース、マルトース、マルチトール、マンノース、ミツロウ、プラセンタエキス、ラムノース、キシロビオース、キシロオリゴ糖、チューベローズポリサッカライド、トリサッカライド、トレハロース、可溶性コラーゲン、グリチルリチン、コンドロイチン硫酸、ジグリセリン、スクワラン、セラミド類似化合物、トリグリセリン、尿素、ビタミンCリン酸エステルカルシウム塩、ビタミンE、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒノキチオール、流動パラフィン、ワセリン、多価アルコールなどであっても良い。
なお、第3の保湿剤は、上記複数の保湿剤のうちの1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
防腐剤としては、防腐作用があれば特に限定されるものではなく、例えば、パラベン類(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなど)、塩化セチルピリジニウムなどが挙げられる。
薬液3における防腐剤の配合比は、用いる防腐剤の防腐作用の程度に応じて適宜任意に設定することができる。
なお、薬液3に配合される防腐剤は、1種類(例えば、メチルパラベンのみ)であってもよし、複数種類(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン及び塩化セチルピリジニウム)であってもよい。
pH調整剤としては、pH調整作用があれば特に限定されるものではなく、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
薬液3におけるpH調整剤の配合比は、用いるpH調整剤のpH調整作用の程度や目的とする薬液3のpHに応じて適宜任意に設定することができる。
なお、薬液3に含まれるpH調整剤は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
以下に、具体的な実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例1のウェットティシュー1が備える薬液3を製造した。
具体的には、例えば、(1)精製水にヒアルロン酸ナトリウム水溶液を溶解して、溶液Aを作製し、(2)プロプレングリコールにメチルパラベン、エチルパラベン及びプロピルパラベンを溶解して、溶液Bを作製し、(3)溶液Aと溶液Bを混合し、(4)その混合液に、塩化セチルピリジニウムを添加し、(5)アロエエキス水溶液を添加し、(6)クエン酸ナトリウムを添加することによって、実施例1の薬液3を製造した。
比較のために、保湿剤を含まない薬液(比較例1の薬液)と、薬剤を含まない薬液(比較例2の薬液)も製造した。
次に、保湿試験を行った。
具体的には、例えば、(1)被験部位(腕の外側)を石鹸で洗浄し、(2)こすらないようにして、被験部位の水分を十分に拭き取り、(3)恒温室(温度25℃、湿度25%)に入室して、30分間安静にし、(4)被験部位の角質水分量を測定し、(5)実施例1の薬液3を被験部位に塗布して、5分間安静にし、(6)被験部位から実施例1の薬液3を拭き取り、(7)被験部位の角質水分量を、拭き取り直後、1分後、5分後、20分後、60分後に測定することによって、保湿試験を行った。比較のために、比較例1の薬液、比較例2の薬液でも同様の試験を行った。その結果を、図5に示す。
図5の丸プロット(●)は実施例1の薬液3を被験部位に塗布した場合の結果であり、三角プロット(▲)は比較例1の薬液を被験部位に塗布した場合の結果であり、四角プロット(■)比較例2の薬液を被験部位に塗布した場合の結果である。
そして、実施例1の薬液3を塗布して拭き取ると、拭き取り直後で約100μSあった角質水分量が、拭き取りから1分で約56μS、5分で約51μS、20分で約47μS、60分で約47μSとなった。これにより、実施例1の薬液3を塗布して拭き取ると、拭き取り直後から20分の範囲では、時間が経過するにつれて角質水分量が減少していくが、20分以降の範囲では、時間が経過しても角質水分量がほぼ一定に保たれることが分かった。
一方、比較例1の薬液を塗布して拭き取ると、拭き取り直後で約95μSあった角質水分量が、拭き取りから1分で約54μS、5分で約47μS、20分で約45μS、60分で約41μSとなった。これにより、比較例1の薬液を塗布して拭き取ると、時間が経過するにつれて角質水分量が減少していくことが分かった。
また、比較例2の薬液を塗布して拭き取ると、拭き取り直後で約100μSあった角質水分量が、拭き取りから1分で約52μS、5分で約47μS、20分で約44μS、60分で約39μSとなった。これにより、比較例2の薬液を塗布して拭き取ると、時間が経過するにつれて角質水分量が減少していくことが分かった。
また、実施例1の薬液3を塗布した場合に角質水分量の低下が抑えられることから、実施例1の薬液3は、蒸散しにくいことが分かった。従来のウェットティシューを使用して身体を清拭すると、肌表面に残った水分(薬液)が蒸発して肌表面の体温が奪われ、冷たさを感じてしまうという問題があったが、本発明のウェットティシュー1の薬液3は蒸散しにくいため、ウェットティシュー1を使用して身体を清拭すると、従来のウェットティシューで感じていたような冷たさを低減することができる。
次に、実施例1のウェットティシュー1を製造した。
具体的には、例えば、ティシュー基材2に実施例1の薬液3を含浸させることによって、ウェットティシュー1を製造した。ティシュー基材2に含浸させた薬液3の重量は、ティシュー基材2の乾燥重量に対して235%とした。
比較のために、ティシュー基材2に比較例1の薬液の含浸させることによって製造されたウェットティシュー(比較例1のウェットティシュー)と、ティシュー基材2に比較例2の薬液を含浸させることによって製造されたウェットティシュー(比較例2のウェットティシュー)も製造した。比較例1及び2のウェットティシューにおいても、ティシュー基材2に含浸させた薬液の重量は、ティシュー基材2の乾燥重量に対して235%とした。
次に、摩擦試験を行った。
具体的には、例えば、(1)直径0.5mmのピアノ線を10本隣接させてなる、長さ及び幅がともに5mmとなるよう形成された接触面を有する摩擦子を用意し、(2)摩擦子の接触面を、実施例1のウェットティシュー1の表面に対して50gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させ、(3)移動中の摩擦係数(MIU)を測定することによって、摩擦試験を行った。摩擦係数の測定には、摩擦感テスター KES−SE(カトーテック株式会社製)を使用した。比較のために、比較例1のウェットティシュー、比較例2のウェットティシュー、市販のカシミアマフラー、市販の綿ハンカチでも同様の試験を行った。なお、カシミアマフラー及び綿ハンカチは、乾燥状態で摩擦試験を行った。その結果を、図6に示す。
本発明のウェットティシュー1は、身体又はお尻拭き、使い捨ておしぼり、清掃用シートなどのウェットタイプの拭き取り用品であれば、その形状・用途の限定なく利用できるものである。
2 ティシュー基材
3 薬液
21 凹部
22 凸部
Claims (3)
- ティシュー基材と、前記ティシュー基材に含浸された薬液と、を備えるウェットティシューにおいて、
前記薬液に、保湿成分として、第1の保湿剤と、第2の保湿剤と、第3の保湿剤と、を配合し、
前記第1の保湿剤は、ヒアルロン酸又はその塩であり、
前記第2の保湿剤は、アロエエキスであることを特徴とするウェットティシュー。 - 請求項1に記載のウェットティシューにおいて、
前記ティシュー基材に、当該ティシュー基材の乾燥重量に対して200%以上の重量の前記薬液を含浸したことを特徴とするウェットティシュー。 - 請求項1又は2に記載のウェットティシューにおいて、
前記ティシュー基材は、表面に、条状の凹部と、条状の凸部と、が形成されており、
前記条状の凹部と前記条状の凸部とにより形成される線状模様は、他の前記条状の凹部と前記条状の凸部とにより形成される線状模様と交差して杉綾模様を形成していることを特徴とするウェットティシュー。
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