JP2013103892A - 化粧水組成物およびそれを用いたシート状化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】タルクと銀ゼオライトを併用したエタノール含有化粧水のpH値の上昇を抑制し、かつ光や温度による変色を有効に防止し得る化粧水組成物、およびこれを用いたシート状化粧料を提供する。
【解決手段】エタノールを15〜80質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1以上であるクエン酸−クエン酸塩バッファー、あるいは、乳酸/乳酸塩(質量比)が1以上である乳酸−乳酸塩バッファー、のいずれかのバッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする化粧水組成物、および、該化粧水組成物をシート基材に含浸させてなるシート状化粧料。
【選択図】なし
【解決手段】エタノールを15〜80質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1以上であるクエン酸−クエン酸塩バッファー、あるいは、乳酸/乳酸塩(質量比)が1以上である乳酸−乳酸塩バッファー、のいずれかのバッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする化粧水組成物、および、該化粧水組成物をシート基材に含浸させてなるシート状化粧料。
【選択図】なし
Description
本発明は化粧水組成物およびそれを用いたシート状化粧料に関する。さらに詳しくは、pH安定化効果・変色防止効果、光安定性効果に優れる化粧水組成物およびそれを用いたシート状化粧料に関する。
従来、皮膚清浄や汗拭き取り用化粧料等として、化粧水をシート基材(不織布等)に含浸させたシート状化粧料が知られている。
一般に、シート基材に含浸させる含浸液は水系であり、さっぱりさ訴求の点から、エタノールを比較的多めに配合した化粧水を含浸液として用いることがある。またさらさら感効果を高めるためにシリカ、タルク等の無機粉末を配合することがある(例えば、特許文献1〜4参照)。さらに製品製造管理等の点から、通常、抗菌剤も配合され、抗菌剤として銀ゼオライトが知られている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、無機粉末(特にはタルク)をエタノール含有化粧水に配合した場合、時間とともにpH値が上昇やすく、pH値を経時で安定的に維持することが難しい。これを防止するために、キレート剤(EDTA等)を配合することが知られているが、EDTA等を通常化粧料に用いる程度の量、例えば0.05〜1質量%程度、を配合すると、銀ゼオライトを配合した系では化粧水が経時で変色しやすいという問題がある。
そのため、タルクと銀ゼオライトを併用したエタノール含有化粧水およびこれを用いたシート状化粧料において、pH値の上昇を防止し、かつ光や温度による変色を有効に防止し得る手段が求められていた。
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたもので、タルクと銀ゼオライトを併用したエタノール含有化粧水およびこれを用いたシート状化粧料において、pH値の変動を抑え、かつ光や温度による変色を有効に防止し得る手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、エタノールを15〜80質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1以上であるクエン酸−クエン酸塩バッファー、あるいは、乳酸/乳酸塩(質量比)が1以上である乳酸−乳酸塩バッファー、のいずれかのバッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする化粧水組成物を提供する。
また本発明は、エタノールを50質量%超〜80質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、乳酸/乳酸塩(質量比)が1以上である乳酸−乳酸塩バッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする、上記化粧水組成物を提供する。
また本発明は、エタノールを15〜50質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1以上であるクエン酸−クエン酸塩バッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする、上記化粧水組成物を提供する。
また本発明は、上記いずれかの化粧水組成物をシート基材に含浸させてなる、シート状化粧料を提供する。
本発明により、タルクと銀ゼオライトを併用したエタノール含有化粧水およびこれを用いたシート状化粧料において、pH値の変動を抑え、かつ光や温度による変色を有効に防止し得る手段が提供される。
以下、本発明について詳述する。
<化粧水組成物>
本発明の化粧水組成物は、下記に示すエタノール、水、タルク、銀ゼオライト、および乳酸系あるいはクエン酸系のバッファーを含む。
本発明の化粧水組成物は、下記に示すエタノール、水、タルク、銀ゼオライト、および乳酸系あるいはクエン酸系のバッファーを含む。
[エタノール]
エタノールの配合量は、本発明化粧水組成物中に15〜80質量%であり、好ましくは20〜70質量%である。15質量%未満では十分な爽快感実感効果を得ることが難しく、一方、80質量%超では、肌への刺激が強くなる、エタノール臭が強くなる、シート状にした場合、揮発によりシートがすぐに乾いてしまう、等の問題が生じる。
エタノールの配合量は、本発明化粧水組成物中に15〜80質量%であり、好ましくは20〜70質量%である。15質量%未満では十分な爽快感実感効果を得ることが難しく、一方、80質量%超では、肌への刺激が強くなる、エタノール臭が強くなる、シート状にした場合、揮発によりシートがすぐに乾いてしまう、等の問題が生じる。
[水]
水は、上記エタノールとともに、本発明化粧水組成物の溶媒の主成分をなす。
水は、上記エタノールとともに、本発明化粧水組成物の溶媒の主成分をなす。
[タルク]
本発明では、さらさら感向上等の点からタルクを配合する。なおタルク以外の無機粉末(例えば、シリカ、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛等、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等、通常化粧料に用いられ得る無機粉末)も、本発明効果を損わない範囲において用いてもよい。
本発明では、さらさら感向上等の点からタルクを配合する。なおタルク以外の無機粉末(例えば、シリカ、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛等、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等、通常化粧料に用いられ得る無機粉末)も、本発明効果を損わない範囲において用いてもよい。
本発明に用いられるタルク配合量は、本発明化粧水組成物中に0.01〜10質量%程度とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%程度である。0.01質量%未満では十分なさらさら感を得ることが難しく、一方、10質量%超では皮膚への適用時、皮膚が白っぽく見える傾向がみられ、好ましくない。
[銀ゼオライト]
銀ゼオライトは抗菌剤として公知の物質で、銀イオン担持抗菌性ゼオライト等ともいわれる。銀ゼオライトは、他の抗菌性物質を代替使用した場合に比べ、少量の配合量で製剤に抗菌性が付与できる点で好ましい。銀ゼオライトは、例えば「ゼオミックAJ10N」「セラメディックCW」「ゼオミックAW10N」(以上、いずれも(株)シナネンゼオミック製)等として市販されており、これらを好適に用いることができる。
銀ゼオライトは抗菌剤として公知の物質で、銀イオン担持抗菌性ゼオライト等ともいわれる。銀ゼオライトは、他の抗菌性物質を代替使用した場合に比べ、少量の配合量で製剤に抗菌性が付与できる点で好ましい。銀ゼオライトは、例えば「ゼオミックAJ10N」「セラメディックCW」「ゼオミックAW10N」(以上、いずれも(株)シナネンゼオミック製)等として市販されており、これらを好適に用いることができる。
銀ゼオライトの配合量は、本発明化粧水組成物中に0.001〜1質量%程度が好ましく、より好ましくは0.005〜0.1質量%である。0.001質量%未満では銀ゼオライトによる抗菌効果十分に発揮することができず、一方、1質量%超では粉末化粧水として再分散性を確保するのが困難となる傾向がみられ、好ましくない。
[バッファー(乳酸系あるいはクエン酸系)]
本発明に用いるバッファーは、乳酸系バッファー、あるいはクエン酸系バッファーのいずれかを用いる。
本発明に用いるバッファーは、乳酸系バッファー、あるいはクエン酸系バッファーのいずれかを用いる。
乳酸系バッファーは乳酸と乳酸塩とからなり(=「乳酸−乳酸塩バッファー」)、クエン酸系バッファーはクエン酸とクエン酸塩とからなる(=「クエン酸−クエン酸塩バッファー」)。塩としては、いずれもアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)が好ましく用いられる。
乳酸系バッファーは、エタノールの配合量が化粧水組成物中に50質量%超〜80質量%の系において好適に用いられる。一方、クエン酸系バッファーは、エタノールの配合量が化粧水組成物中に50質量%超〜80質量%の系において好適に用いられる。エタノールの配合量が50質量%を超えるとクエン酸系バッファーは溶解し難くなる傾向がみられることによる。
本発明で用いる乳酸系バッファーは、乳酸/乳酸塩(質量比)が1以上のものを用いる。好ましくは乳酸/乳酸塩(質量比)=1〜10であり、より好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜3である。乳酸/乳酸塩(質量比)が1未満では特にシート状化粧料(包装品)の光安定性効果が得られない。
クエン酸系バッファーにおいても同様で、クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1以上のものを用いる。好ましくはクエン酸/クエン酸塩(質量比)=1〜10であり、より好ましくは1〜7、特に好ましくは1〜3である。クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1未満では1未満では特にシート状化粧料(包装品)の光安定性効果が得られない。
本発明化粧水組成物中におけるバッファーの配合量は、乳酸系バッファー、クエン酸系バッファーのいずれの場合においても、0.12〜1質量%である。好ましくは0.15〜1質量%である。バッファー配合量が0.12質量%未満ではpH値変動防止、光安定性等の効果を十分に発揮することができず、一方、配合量が1質量%超では、乳酸系バッファーの場合は臭いが生じる傾向があり、クエン酸系バッファーの場合は析出する傾向がある。
[任意添加成分]
本発明の化粧水組成物は、上記必須成分の他に、本発明効果を損わない範囲で、通常化粧水に配合される成分を任意に配合することができる。このような成分として、例えば保湿剤、水溶性高分子(天然、半合成、合成)、粉末成分、油分、界面活性剤(アニオン、カチオン、親油性非イオン、親水性非イオン)、キレート剤、酸化防止剤、その他の配合可能成分等を、必要に応じて適宜配合することができる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
本発明の化粧水組成物は、上記必須成分の他に、本発明効果を損わない範囲で、通常化粧水に配合される成分を任意に配合することができる。このような成分として、例えば保湿剤、水溶性高分子(天然、半合成、合成)、粉末成分、油分、界面活性剤(アニオン、カチオン、親油性非イオン、親水性非イオン)、キレート剤、酸化防止剤、その他の配合可能成分等を、必要に応じて適宜配合することができる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット、水アメ、ブドウ糖、果糖、乳糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、ピロリドンカルボン酸、グルコサミン、シクロデキストリン等が挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、カラギーナン、ペクチン、トウモロコシデンプン等);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、プルラン、ヒアルロン酸ナトリウム等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム等);ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)等が挙げられる。
粉末成分としては、上記したタルク以外の無機粉末の他に、有機粉末(例えば、セルロース粉末等);無機顔料(例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等);有機顔料(例えば、アルミニウムレーキ等)等が挙げられる。
油分としては、液体油脂(例えば、植物油、トリイソオクタン酸グリセリン等);ロウ類(例えば、ミツロウ、カルナウバロウ、ラノリン等);炭化水素油(例えば、流動パラフィン、スクワラン、セレシン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等);高級脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等);高級アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等);合成エステル油(例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、乳酸セチル、イソステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、クロタミトン(C13H17NO)等);シリコーン油(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等)等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム等)等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体等が挙げられる。
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEステロール・水素添加ステロール(例えば、POEフィトステロール、POEフィトスタノール等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム(EDTA)、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。なおこれら従来より汎用されているキレート剤の配合量は、本発明化粧水組成物中、0.04質量%程度以下のなど少量に抑えるのが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);抗炎症剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、アラントイン等);ビタミン類(例えば、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンEおよびその誘導体、パンテノール等);各種抽出物(例えば、イザヨイバラ、セイヨウノコギリソウ、メリロート、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジル等);清涼化剤(例えば、l−メントール、ユーカリ油等)、紫外線吸収剤等;香料等が挙げられる。
なお本発明の化粧水組成物のpHは4〜8程度が好ましい。
<シート状化粧料>
本発明のシート状化粧料は、上記化粧水組成物をシート基材に含浸させて製造する。シート基材(不織布)としては特に限定されず、天然繊維素材、化学繊維素材、天然繊維素材と化学繊維素材の混紡素材等、従来公知のものを用いることができる。シート基材に用いられる繊維の具体例としては、例えば、コットン100%、カポック100%、麻100%、ジュート100%、ラミー100%、マニラ麻100%、サイザル麻100%、ヤシ100%、ビンロウジュ100%、羊毛100%、絹100%、カシミヤ100%、レーヨン100%、キュプラ100%、タンパク繊維100%、アルギン酸100%、アセテート100%、ナイロン100%、ビニロン100%、アクリル100%、ポリエステル100%、ポリエチレン100%、ポリプロピレン100%、ポリウレタン100%、コットン50%/アセテート50%、レーヨン80%/ポリオレフィン20%、レーヨン80%/ポリプロピレン20%、ナイロン30%/レーヨン70%、レーヨン50%/ポリエステル25%/ポリプロピレン25%等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
本発明のシート状化粧料は、上記化粧水組成物をシート基材に含浸させて製造する。シート基材(不織布)としては特に限定されず、天然繊維素材、化学繊維素材、天然繊維素材と化学繊維素材の混紡素材等、従来公知のものを用いることができる。シート基材に用いられる繊維の具体例としては、例えば、コットン100%、カポック100%、麻100%、ジュート100%、ラミー100%、マニラ麻100%、サイザル麻100%、ヤシ100%、ビンロウジュ100%、羊毛100%、絹100%、カシミヤ100%、レーヨン100%、キュプラ100%、タンパク繊維100%、アルギン酸100%、アセテート100%、ナイロン100%、ビニロン100%、アクリル100%、ポリエステル100%、ポリエチレン100%、ポリプロピレン100%、ポリウレタン100%、コットン50%/アセテート50%、レーヨン80%/ポリオレフィン20%、レーヨン80%/ポリプロピレン20%、ナイロン30%/レーヨン70%、レーヨン50%/ポリエステル25%/ポリプロピレン25%等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
シート基材へ含浸させる化粧料の量は、シート基材の材質によっても異なるが、本発明においては少なくとも化粧水組成物でシート基材全体が濡れる程度の量が必要である。具体的には、シート基材の質量に対して化粧水組成物が1〜30倍量、好ましくは5〜20倍量である。
本発明のシート状化粧料の製造において、不織布へ化粧料を含浸させる方法は公知の手段によることができる。例えば、滴下法、噴霧法、加圧法、ディッピング加工法が挙げられる。不織布はそのままあるいは折りたたむなどして1枚または複数枚を用い、これに化粧料を含浸させることができる。
含浸させた不織布は、直ちに気密性の高い容器に封入することが好ましく、特にアルミラミネート製包装体やポリエチレンテレフタレート(PET)で内面コートした包装体などの、光を通さず、気密の良い袋等に密封装填することが、安定性上好ましい。
本発明のシート状化粧料は、身体清浄用シート等として好適に適用される。具体的使用方法としては、例えば、顔(全体、あるいは頬部、目元部、口元部等)、腕部、脚部、胸部、腹部、首部等の全体または局所の部位に適用し、汗、皮脂を効果的に拭き取り、べたつき感を抑え、肌にさらさら感と清涼感を付与することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
[50℃安定性(pH安定性)]
調製直後の試料(化粧水組成物)に比べ、50℃の恒温室に1ヵ月間保管した試料(化粧水組成物)のpH変化値を測定し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
○(合格):pH上昇が0.2以下。
△(合格):pH上昇が0.2超〜0.3以下。
△×(不合格):pH上昇が0.3超〜0.4以下。
×(不合格):pH上昇が0.4以上。
調製直後の試料(化粧水組成物)に比べ、50℃の恒温室に1ヵ月間保管した試料(化粧水組成物)のpH変化値を測定し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
○(合格):pH上昇が0.2以下。
△(合格):pH上昇が0.2超〜0.3以下。
△×(不合格):pH上昇が0.3超〜0.4以下。
×(不合格):pH上昇が0.4以上。
[50℃安定性(色調安定性)]
調製直後の試料(化粧水組成物、シート状化粧料包装品)に比べ、50℃の恒温室に1ヵ月間保管した試料(化粧水組成物)が色調変化しているかどうかを、視感判定により評価した。なおシート状化粧料包装品は、シート状化粧料をアルミ箔包装体で包装し、シート取り出し口(開口部)を着脱自在なフラップシール(非遮光性部材)で密閉してなるもので、製品製造上、上記開口部周辺から外部環境による影響を受けることを完全に遮断することはできず、この部位における色調変化を視感判定した。
(評価基準)
○:ほとんど変色しない。
△:ごくわずかに変色がみられるが、実用上問題ない程度であった。
×:変色し使用できない。
調製直後の試料(化粧水組成物、シート状化粧料包装品)に比べ、50℃の恒温室に1ヵ月間保管した試料(化粧水組成物)が色調変化しているかどうかを、視感判定により評価した。なおシート状化粧料包装品は、シート状化粧料をアルミ箔包装体で包装し、シート取り出し口(開口部)を着脱自在なフラップシール(非遮光性部材)で密閉してなるもので、製品製造上、上記開口部周辺から外部環境による影響を受けることを完全に遮断することはできず、この部位における色調変化を視感判定した。
(評価基準)
○:ほとんど変色しない。
△:ごくわずかに変色がみられるが、実用上問題ない程度であった。
×:変色し使用できない。
[光安定性]
調製直後の試料(化粧水組成物、シート状化粧料包装品)を日光(積算照度30〜50MJ)に曝露した試料が色調変化しているかどうかを、視感判定により評価した。
(評価基準)
○:ほとんど変色しない。
△:ごくわずかに変色がみられるが、実用上問題ない程度であった。
×:変色し使用できない。
調製直後の試料(化粧水組成物、シート状化粧料包装品)を日光(積算照度30〜50MJ)に曝露した試料が色調変化しているかどうかを、視感判定により評価した。
(評価基準)
○:ほとんど変色しない。
△:ごくわずかに変色がみられるが、実用上問題ない程度であった。
×:変色し使用できない。
[使用性(さらさら感]
試料(シート状化粧料包装品)を実使用し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
○:さらさら感がある。
×:さらさら感がない。
試料(シート状化粧料包装品)を実使用し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
○:さらさら感がある。
×:さらさら感がない。
(実施例1〜8、比較例1〜8)
下記表1、2に示す組成の化粧水組成物、およびそれを不織布に含浸させたシート状化粧料を包装体に密封した包装品につき、上記評価基準に基づき、50℃安定性(pH、色調)、光安定性、使用性(さらさら感)について、評価した。結果を表1、2に示す。
下記表1、2に示す組成の化粧水組成物、およびそれを不織布に含浸させたシート状化粧料を包装体に密封した包装品につき、上記評価基準に基づき、50℃安定性(pH、色調)、光安定性、使用性(さらさら感)について、評価した。結果を表1、2に示す。
表1、2に示す結果から明らかなように、実施例1〜8の試料は本発明効果を得ることができた。一方、比較例1〜8の試料は本発明効果を得ることができなかった。
以下にさらに処方例を示す。
(処方例1:粉末化粧水)
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 50
クエン酸 0.12
クエン酸ナトリウム 0.1
EDTA−3Na・2H2O 0.01
タルク 1
銀ゼオライト 0.05
乳酸メンチル 1
(処方例2:粉末化粧水およびシート状化粧料)
粉末化粧水:
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 25
乳酸 0.1
乳酸ナトリウム(50%液) 0.12(純分0.06)
EDTA−3Na・2H2O 0.01
タルク 1
銀ゼオライト 0.03
メンチルグリセリルエーテル 0.5
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(コットン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 50
クエン酸 0.12
クエン酸ナトリウム 0.1
EDTA−3Na・2H2O 0.01
タルク 1
銀ゼオライト 0.05
乳酸メンチル 1
(処方例2:粉末化粧水およびシート状化粧料)
粉末化粧水:
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 25
乳酸 0.1
乳酸ナトリウム(50%液) 0.12(純分0.06)
EDTA−3Na・2H2O 0.01
タルク 1
銀ゼオライト 0.03
メンチルグリセリルエーテル 0.5
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(コットン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
(処方例3:粉末化粧水およびシート状化粧料)
粉末化粧水:
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 65
乳酸 0.1
乳酸ナトリウム(50%液) 0.08(純分0.04)
EDTA−3Na・2H2O 0.01
タルク 2
銀ゼオライト 0.03
メンチルグリセリルエーテル 0.5
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン
0.01
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(レーヨン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
粉末化粧水:
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 65
乳酸 0.1
乳酸ナトリウム(50%液) 0.08(純分0.04)
EDTA−3Na・2H2O 0.01
タルク 2
銀ゼオライト 0.03
メンチルグリセリルエーテル 0.5
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン
0.01
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(レーヨン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
(処方例4:粉末化粧水およびシート状化粧料)
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 30
クエン酸 0.15
クエン酸ナトリウム 0.12
EDTA−3Na・2H2O 0.03
タルク 2
銀ゼオライト 0.03
シリカ 4
2−エチルヘキサン酸セチル 3
PPG−20デシルテトラデセル−10 0.5
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(レーヨン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 30
クエン酸 0.15
クエン酸ナトリウム 0.12
EDTA−3Na・2H2O 0.03
タルク 2
銀ゼオライト 0.03
シリカ 4
2−エチルヘキサン酸セチル 3
PPG−20デシルテトラデセル−10 0.5
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(レーヨン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
(処方例5:粉末化粧水およびシート状化粧料)
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 30
クエン酸 0.15
クエン酸ナトリウム 0.12
EDTA−3Na・2H2O 0.03
タルク 0.5
銀ゼオライト 0.03
ナイロン粉末 2
2−エチルヘキサン酸セチル 3
ベントナイト 0.05
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(レーヨン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
(配 合 成 分) (質量%)
イオン交換水 残余
エタノール 30
クエン酸 0.15
クエン酸ナトリウム 0.12
EDTA−3Na・2H2O 0.03
タルク 0.5
銀ゼオライト 0.03
ナイロン粉末 2
2−エチルヘキサン酸セチル 3
ベントナイト 0.05
シート状化粧料:
上記粉末化粧水をシート基材(レーヨン系シート)に含浸させてシート状化粧料を得る。
本発明により、タルクと銀ゼオライトを併用したエタノール含有化粧水のpH値の上昇を抑制し、かつ光や温度による変色を有効に防止し得る化粧水組成物、およびこれを用いたシート状化粧料が提供される。
Claims (4)
- エタノールを15〜80質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1以上であるクエン酸−クエン酸塩バッファー、あるいは、乳酸/乳酸塩(質量比)が1以上である乳酸−乳酸塩バッファー、のいずれかのバッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする化粧水組成物。
- エタノールを50質量%超〜80質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、乳酸/乳酸塩(質量比)が1以上である乳酸−乳酸塩バッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする、請求項1記載の化粧水組成物。
- エタノールを15〜50質量%と、水と、タルクと、銀ゼオライトを含む化粧水組成物に、クエン酸/クエン酸塩(質量比)が1以上であるクエン酸−クエン酸塩バッファーを0.12〜1質量%配合することを特徴とする、請求項1記載の化粧水組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧水組成物をシート基材に含浸させてなる、シート状化粧料。
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- 2011-11-11 JP JP2011247428A patent/JP2013103892A/ja active Pending
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