JP7348118B2 - 水中油型乳化組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
化粧料に用いられる粒子としてはスクラブ剤があり、これのサイズの大きなものを用いることが考えられる。また、大きなサイズの粒子としては、例えば、アルギン酸カルシウムカプセルが知られている。
上記非水混合液(I)、下記成分(C)及び下記成分(D)を配合し、混合液(II)を調製する工程2と、
上記混合液(II)を乳化する工程3を有し、
上記非水混合液(I)中の、下記成分(A)に対する下記成分(B)の質量比[成分(B)/成分(A)]が0.05~12.5であり、
上記混合液(II)中の、下記成分(C)と下記成分(D)の合計量に対する下記成分(C)の質量割合[成分(C)/{成分(C)+成分(D)}]が0.20~0.99であり、
上記混合液(II)中の、上記混合液(II)に対する、下記成分(C)と下記成分(D)の合計量の質量割合[{成分(C)+成分(D)}/混合液(II)]が0.50以上である、水中油型乳化組成物の製造方法を提供する。
成分(A):オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩及び/又はタルクである粉体
成分(B):シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分
成分(C):エタノール
成分(D):水
本発明の製造方法は、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩及び/又はタルクである粉体;シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分;エタノール;及び水から、比較的大きなピッカリングエマルション粒子が形成された水中油型乳化組成物を得ることができる、水中油型乳化組成物の製造方法である。なお、本明細書において、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩及び/又はタルクである粉体を「成分(A)」、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分を「成分(B)」、エタノールを「成分(C)」、水を「成分(D)」とそれぞれ称する場合がある。すなわち、本発明の製造方法は、上記成分(A)、上記成分(B)、上記成分(C)、及び上記成分(D)を用いて水中油型乳化組成物を得る、水中油型乳化組成物の製造方法である。また、本明細書において、本発明の製造方法により製造された水中油型乳化組成物を「本発明の水中油型乳化組成物」と称する場合がある。
上記非水混合液(I)、エタノールである上記成分(C)、及び水である上記成分(D)を混合して混合液(II)を調製する工程であって、該混合液(II)中の、上記成分(C)と上記成分(D)の合計量に対する成分(C)の質量割合[成分(C)/{成分(C)+成分(D)}]が0.20~0.99であり、上記混合液(II)中の、混合液(II)に対する、上記成分(C)と上記成分(D)の合計量の質量割合{成分(C)+成分(D)}/混合液(II)]が0.50以上である工程2と、
上記混合液(II)を乳化する工程3を有する。
工程1は、少なくとも成分(A)及び成分(B)を混合して、実質的に水を含有しない非水混合液(I)を調製する工程である。実質的に水を含まないとは、非水混合液中の水の含有割合が、例えば0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下ということである。
成分(A)は、オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩及び/又はタルクである粉体である。成分(A)は、水中油型乳化組成物において粉体を配合することによる効果(使用後の肌への摩擦の低い感触の付与、粉感の低減、適度な保湿感の付与など)を奏しつつ、成分(B)~(D)と組み合わせて用いることでピッカリングエマルションを形成することができる。成分(A)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
成分(B)は、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分である。成分(B)の配合により、水中油型乳化組成物の使用において、成分(A)に由来する粉感(乾燥感や引っかかる感触)を低減でき、摩擦感低減効果を付与することができる。成分(B)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
工程2は、少なくとも、工程1で調製された上記非水混合液(I)、上記成分(C)、及び上記成分(D)を混合して、混合液(II)を調製する工程である。混合は、上記非水混合液(I)を、上記成分(C)及び/又は上記成分(D)に添加して行うことが好ましい。
成分(C)はエタノールである。上記成分(C)を用いることにより、ピッカリングエマルションにおける水相の極性が低下してエマルション粒子が安定化するので、比較的大きなピッカリングエマルション粒子であっても合一することなく安定化するので油滴となりにくくなる。また、水中油型乳化組成物の使用後の肌において速乾性やさっぱりとした使用感を付与できる。
成分(D)は水であり、特に限定されないが、精製水が好ましい。
工程3は、上記混合液(II)を乳化して組成物(III)を製造する工程である。乳化は、例えば、一般的な撹拌器具又は撹拌装置(ホモミキサー、パドルミキサーなど)を用いて混合液(II)を攪拌することによって行うことができる。
工程3において一度形成されたピッカリングエマルションの安定性が高いことから、本発明の製造方法では、多価アルコール、水溶性高分子、及びその他の成分など、並びに、成分(C)や成分(D)を、さらに上記組成物(III)に配合する工程4を設けることができる。そして、工程4における配合によって、本発明の水中油型乳化組成物の使用感などが調製されてもよい。工程4における多価アルコール、水溶性高分子、及びその他の成分など、並びに、成分(C)や成分(D)の配合は、後記の、本発明の水中油型乳化組成物の含有割合となる範囲内において行われることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物中の各成分の含有割合は以下のようになることが好ましい。
成分(A)~(D)、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、及びその他の成分(清涼剤、殺虫剤、香料)について、表に記した含有割合となる配合量において、実施例及び比較例の各水中油型乳化組成物を調製した。
まず、成分(A)と成分(B)と、必要に応じてデカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、又はその他の成分とを、均一に混合して非水混合液(I)を得、次に、その非水混合液(I)を、分散媒として予め成分(C)と成分(D)とを混合して用意した水エタノール混合液に加えて均一に混合して混合液(II)を得、さらに、その混合液(II)をパドルミキサーを用い1000rpm、10分間の条件で撹拌し、乳化して評価用のサンプルを得た。なお、上記調製は25℃の環境下で行った。
成分(A)~(D)について、表に記した含有割合となる配合量において、実施例の各水中油型乳化組成物を調製した。
まず、成分(A)と成分(B)とを均一に混合して非水混合液(I)を得、次に、その非水混合液(I)を、水(成分(D))に加えて均一に混合してからエタノール(成分(C))を加えてさらに均一に混合して混合液(II)を得、さらに、その混合液(II)を乳化して評価用のサンプルを得た。
成分(A)~(D)について、表に記した含有割合となる配合量において、実施例の各水中油型乳化組成物を調製した。
まず、成分(A)と、エタノール(成分(C))と、水(成分(D))とを均一に混合してスラリーを得、次に、そのスラリーに成分(B)を徐々に加えつつ均一に混合して混合液を得、さらに、その混合液を乳化して評価用のサンプルを得た。
実施例及び比較例で得られた各評価用のサンプルについて以下の通り評価した。評価結果は表に記載した。
均一分散した評価用のサンプル1mLを12穴マルチウェルプレートに滴下し、マイクロスコープ(オールインワン蛍光顕微鏡 BZ-X800、株式会社キーエンス製)を用いて拡大倍数40倍にて、1穴中のピッカリングエマルション粒子を観察した。エマルション外周部の外接円と、その外接円の50%の直径を有する同心円との間の領域に、エマルション外周部が全て包含されるピッカリングエマルション粒子を、外接円の直径が大きいものから順に10個を選択し、評価対象とした。
[調整可否の判定基準]
○(良好):10個全てについて、ピッカリングエマルション粒子の外接円の直径が200μm以上である。
×(不良):10個中の1個以上について、ピッカリングエマルション粒子の外接円の直径が200μm未満である。
実施例及び比較例で得られた各評価用のサンプルについて目視により確認した。
[分散性の判定基準]
○(良好):粒子が全体的に均一に分散していた。
△(やや不良):一部に粒子が合一した塊が見られた。
×(不良):全体が合一して1つの塊となっていた、又は、粒子が全体的に凝集して分散していなかった。
実施例及び比較例で得られた各評価用のサンプルをガラス容器に投入し、25℃で30分間静置した後、目視にて観察し、油相形成について下記評価基準で判定した。
[油浮き]
○(良好):上層に油滴が存在しない。
×(不良):上層に油滴が存在する。
Claims (3)
- 下記成分(A)及び下記成分(B)を配合して、水の含有割合が0~0.5質量%(0質量%を含む)である非水混合液(I)を調製する工程1と、
前記非水混合液(I)、下記成分(C)及び下記成分(D)を配合して混合液(II)を調製する工程2と、
前記混合液(II)を乳化する工程3を有し、
前記非水混合液(I)中の、前記成分(A)に対する前記成分(B)の質量比[成分(B)/成分(A)]が0.05~12.5であり、
前記混合液(II)中の、前記成分(C)と前記成分(D)の合計量に対する前記成分(C)の質量割合[成分(C)/{成分(C)+成分(D)}]が0.20~0.99であり、
前記混合液(II)中の、前記混合液(II)に対する、前記成分(C)と前記成分(D)の合計量の質量割合[{成分(C)+成分(D)}/混合液(II)]が0.50以上である、水中油型乳化組成物の製造方法。
成分(A):オクテニルコハク酸デンプンエステル金属塩及び/又はタルクである粉体
成分(B):シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分
成分(C):エタノール
成分(D):水 - 前記工程1において、さらにデカイソステアリン酸ポリグリセリル-10を配合して前記非水混合液(I)を調製する、請求項1に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
- 水中油型乳化組成物を製造する方法であって、前記水中油型乳化組成物中のデカイソステアリン酸ポリグリセリル-10以外の界面活性剤の配合割合が0~0.1質量%(0質量%を含む)である、請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
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