以下、本発明の実施の形態に係るタバコ自動払出機を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明が対象とするタバコ自動払出機を備えた店員支援システムの概略図である。なお、左右とは、自動販売機の前面から見た場合の左右を指すものである。
図1において、100はレジカウンターの中(背面側)に設置されるタバコ自動払出機であり、レジカウンター上に設置される精算装置200を備えたコンビニエンスストアなどで利用されるものである。タバコ自動払出機100は、前面が開口した箱形の本体1と、本体1の前面開口を閉塞する態様で配設される上部ドア2および下部ドア3からなるドア4と、取出口ユニット5を備え、上部ドア2および下部ドア3が上下方向にスライド移動可能に構成され、取出口ユニット5が本体1の内部に収容される態様で固定されている。また、本体1の内部には、本体の天井面に敷設された前後方向に伸縮自在なレール機構R(後述の図4参照)により本体1内に格納および本体1内から前方に引き出し可能な商品ラック6(後述の図5などを参照)が配設されている。
精算装置200は、自動釣銭機として用いられる貨幣処理機200Aとレジスタ制御部200Bを備えた電子式キャシュレジスタからなる。精算装置200は、直方体状を成す貨幣処理機200Aの前端部に硬貨装填口201、硬貨出金口202、硬貨返却口203、紙幣装填口204、紙幣出金口205を有し、レジスタ制御部200Bの上にタッチパネル方式の入出力画面206を備え、また、レジスタ制御部200Bには、バーコードリーダー207が接続されている。
図1において、300は顧客が店頭販売されるタバコを注文する注文エントリー端末機であり、精算装置200の近傍に設置される。この注文エントリー端末機300は、顧客の操作面にタッチパネル方式の表示画面301、テンキー302、決定ボタン303、オーダーシート発行部304を備え、機内には表示画面302に表示する画面を顧客の操作に応じて切り替え制御する表示画面制御装置、オーダーシートを発行するプリンタなどが内蔵されている。なお、テンキー302および決定ボタン303は、表示画面301が故障した際にタバコのパッケージとナンバーを印刷したカタログなどを見てテンキー302でナンバーを入力した上で決定ボタン303を操作して注文するようにした補助手段である。
図1に示した店員支援システムにおいては、顧客が注文エントリー端末機300の表示画面を操作して希望するタバコを選択すると機内に内蔵したプリンタによりタバコのパッケージに付されたバーコードを印刷したオーダーシートがオーダーシート発行部304から発行される。顧客はこのオーダーシートを持ってレジカウンターの店員に手渡すと共に貨幣を支払う。店員は受け取ったオーダーシートのバーコードをバーコードリーダー207で読み取ると共に貨幣を硬貨装填口201若しくは紙幣装填口204に投入して一時保留する。精算装置200は、バーコードリーダー207でオーダーシートのバーコードが読み取られると、オーダーシートのバーコードに対応するタバコの金額および投入貨幣の合計額を入出力画面206に表示し、顧客が支払った貨幣額と入出力画面206に表示した投入貨幣の合計額が一致(若しくは顧客が承認)した場合に現計ボタンを操作することによりタバコの種別および金額と投入貨幣の合計額を登録して一時保留した貨幣を貨幣処理機200Aに取り込み、釣銭が必要な場合には釣銭額を算出して貨幣処理機200Aから払い出す。なお、顧客が購入を止めた場合には、貨幣処理機200Aに一時保留された貨幣が返却される。前述した現計ボタンが操作されるとバーコードリーダー207で読み取られたバーコードデータがタバコ自動払出機100に送信され、タバコ自動払出機100はバーコードデータに対応するタバコを商品ラックから取出口ユニット5の取出口50に払い出す。そこで、店員は取出口50に払い出されたタバコを取り出し、釣銭がある場合には釣銭と共に顧客に手渡す。このように、図1に示した店員支援システムにおいては、従来装置のように店員がタバコを探す出す手間を省くことができる。
さて、図1に示したタバコ自動払出機100の構成を図2に示す。図2は、タバコ自動払出機100の主要部を分解して示す分解図である。図2に示すようにタバコ自動払出機100は、前面が開放した箱形の本体1と、この本体1の前面開口を閉塞する態様で配設される上部ドア2,下部ドア3からなるドア4、本体1内に収容される形態で固定された取出口ユニット5と、本体1の天井面に敷設された前後方向に伸縮自在なレール機構Rにより本体1内に格納および本体1内から前方に引き出し可能な2基の商品ラック6,6とからなる。なお、7は上部ドア2を上下方向にスライド移動させるガイド機構部、8は下部ドア3をスライド移動させるガイド部材であり、それぞれ本体1内部の開口部近傍に配設されるものである。
本体1は、図3に示すように、底板となる基台11に鋼板製の外箱、すなわち、天板12、左右側板13,14、背板15を溶接して前面が開口した箱形として構築され、補強部材17,17により補強されている。18A,18B(図2の(b)参照)は、本体1の天井面にレール機構Rを付設するためのレール取付部材で、レール取付部材18Aが天板12の前端側に固着され、レール取付部材18Bが天板12後端と背板15上端に跨って固着され、レール取付部材18A,18Bに跨る補強部材18Cが天板12に固着されている。なお、背板15には取出口ユニット5をねじ止めするためのねじ穴が穿設された固定金具15Aが固着されているものである。
本体1の天井面に敷設されるレール機構Rを図4に示す。図4に示すうようにレール機構Rは、厚板鋼板により形成された固定レールR1、可動レールR2および係合レールR3からなり、固定レールR1が本体1の天井面に設けたレール取付部材18A,18Bに跨る態様で前後方向に敷設され、この固定レールR1に可動レールR2が前後方向にスライド移動自在に支持され、この可動レールR2に係合レールR3が前後方向にスライド移動自在に支持された構成となる。前記固定レールR1、可動レールR2および係合レールR3はそれぞれ略同一の長さを有している。このレール機構Rについては特開2010−97445号公報に開示されて公知のものである。
前記レール機構Rを介して本体1内に格納された商品ラック6を図5乃至図7に示す。図5は商品ラック6の斜視図であり、図6は図5の商品ラック6の分解図、図7は下段のコラム群の分解図である。
商品ラック6は、図6に示すように、中央に前後方向に延在する凹溝6011を有する天板601と矩形平板状の前ラック板602と後ラック板603とを備え、天板610の凹溝6011にUチャンネル状の係合レールR3を嵌め込んで当該Uチャンネル状の係合レールR3の底面と凹溝6011との間をねじ止めすることにより天板601と係合レールR3とが一体化されている。前ラック板602と後ラック板603は天板601の前縁および後縁にねじ止めして固着されている。そして、商品ラック6は、係合レールR3(レール機構R)を挟んで左右2列の右コラム61と左コラム62を有している。右コラム61と左コラム62の下部にはガイド板69により支持された前後一対のローラー691,691が左右方向に張り出す態様で取付けられ、このローラー691,691は、後述する図17に示した揺れ止め部材19に当接するように構成されている。なお、図6では前記ガイド板69については省略している。
前記右コラム61と左コラム62の構造は略同一であり、以下では右コラム61について説明し、左コラム62については相違点について以下に説明する。
右コラム61は、上下3段の右コラム群61A〜61Cに区分されている。右コラム群61A〜61Cには、前ラック板602と後ラック板603との間に互いに間隔を置いて設置される複数(この例では6個)の仕切部材63(図6では最前列の仕切部材63を分解した状態を示している)により前後方向に複数(この例では7個)に区分された商品コラム611が画成されている。各商品コラム611は下部に配設される商品搬出機構64の上にタバコを上下方向に積み重ねて収納するものであり、各商品コラム611の左右方向の一方(右側)が開放したタバコの装填口として形成される一方、左右方向の他方(左側)が平板状の側壁板65(図6,図7参照)により閉鎖されている。つまり、商品コラム611は、前後に隣接する仕切板63,63と側壁板65で囲まれた空間にタバコを積み重ねて収納するものである。
前記仕切部材63は上下3段の右コラム群61A〜61Cに跨る1枚の薄板鋼板製になり、左縁(商品搬出機構64のタバコ搬出経路方向前端側の縁)に突出して形成されたフック状の係合爪631を上下多段に備え、また、商品搬出機構64は取付基台640との干渉を避けるために上下方向に3個の切欠き632を備えている。更に、仕切部材63に上下両端にはそれぞれ突出して形成された突起633,634を備えている。
前記商品搬出機構64は積み重ねて収納した最下位のタバコを右側から左側方向の搬出経路方向に押し出すものであり、図7に示すように、タバコを載置面642に積み重ねて載置する本体ケース部641と、本体ケース部641の載置面642に積み重ねて載置される最下位のタバコの搬出経路方向後端を押して当該タバコを搬出経路方向前方に搬出するプッシャ643と、本体ケース部641の載置面642に載置されるタバコの搬出経路方向前部を支持すると共にそのタバコがプッシャ643によって押し出されて搬出経路方向前方の払出口に搬出される場合に下方に回動してタバコを安定して搬出させる商品支持部材644と、本体ケース部641の載置面642に載置されるタバコの有無を検出するための売切検知レバー645等を備えている。本体ケース部641の底面には、前ラック板602と後ラック板603に架設される取付基台640に設けた爪部640a、640bに係合する爪溝部(不図示)を備え、これにより商品搬出機構64は取付基台640に着脱自在に取付けられている。なお、前記商品搬出機構64が並置される取付基台640の右端には、隣接する商品搬出機構64の間に位置する複数の切り込み640cが形成されている。この切り込み640cは仕切部材63の切欠き632に対峙する部位の挿入を許容するものである。
前記側壁板65は合成樹脂製になり、前ラック板602と後ラック板603に架設される。この側壁板65の板面には係止スリット651が前後方向に複数形成されている。この係止スリット651は、仕切部材63のフック状の係合爪631を係止固定するものである。そして、側壁板65の下部には商品搬出機構64の載置面641との間の間隔(払出口の高さ)を規制し、商品搬出機構64により払出口に押し出されるタバコのみの通過を許容する規制片66(図7参照)が上下方向にスライド移動自在に支持されている。
前記仕切部材63の取付けは、3個の切欠き632を3段の商品搬出機構64の取付基台640の切り込み640cに対峙させて当該切り込み640cに挿入(左方向に押し込む)した上で上方にスライド移動させて上端に設けた突起633を天板601のスリット6012に差し込む。そして、前記スリット6012をガイドとして左方向に押し込んで上下多段に設けたフック状の係合爪631を側壁板65の係止スリット651に挿入した上で下降させるとフック状の係合爪631が係止スリット651に係止固定される。
なお、上下3段の右コラム群61A〜61Cにおける商品コラム611の装填口に回動自在に配置されたクランク状の支持杆67(図6では最前列の仕切部材63を分解した状態を示している)は周知(例えば、特開2007−249882号公報)のとおり、商品コラム611に上下方向に積み重ねられた商品の前方への倒れ込みを防止するものである。
左コラム62も右コラム61と同様に上下3段の左コラム群62A〜62Cに区分され、左コラム群62A〜62Cには、矩形平板状の前ラック板602と後ラック板603との間に互いに間隔を置いて設置される複数の仕切部材63により前後方向に複数(この例では7個)に区分された商品コラム611が画成されている。左コラム群62A〜62Cの各商品コラム611も下部に配設される商品搬出機構64の上にタバコを上下方向に積み重ねて収納するものである。この場合、左コラム62が右コラム61と異なる点は、左コラム群62A〜62Cの各商品コラム611の左右方向の一方(左側)が開放したタバコの装填口として形成される一方、左右方向の他方(右側)が平板状の側壁板65(図6参照)により閉鎖され、また、左コラム群62A〜62Cの各商品コラム61に設置した商品搬出機構64が積み重ねて収納した最下位のタバコを左側から右側方向の搬出経路方向に向けて押し出すように動作する点である。このように、左コラム62と右コラム61とはそれぞれの商品搬出機構64,64の払出口が対峙する態様で配設されている。更に、左コラム62と右コラム61とは両者の間に所定の間隔を有する態様で離隔して配設され、両者の間がタバコの落下搬出路600(図6参照)として形成されている。
なお、商品ラック6の前ラック板602に取付金具680により引き起こし自在に設けた把手681と、係合レールR3の前端に段付きねじ6830(図5参照)を支点に回動自在なロック金具683と、前記把手681およびロック金具683を連繋するスライド板682とからなる周知(例えば、特開2006−119789号公報)のロック機構は、商品ラック6を本体1に格納した状態でロック金具683をレール機構R1に係合させてロックし、前記把手681を引き起こすことによりスライド板682を介してロック金具683を回動させることにより前記ロックを解除して本体1からの商品ラック6の引き出しを可能するとものである。
このように商品ラック6は、レール機構Rにより本体1内に格納および本体1内から前方に引き出し可能であって、レール機構Rを挟んで左右2列配設され、商品搬出機構64の上にタバコを上下方向に積み重ねて収納し、かつ、タバコの装填口が左右方向を向く態様の商品コラム611を前後方向に複数有し、当該左右2列の商品コラム611の商品払出機構64の払出口がタバコの落下搬出路600(図6参照)となるように間隔を置いて対峙する態様で配設されているものである。なお、商品ラック6に搭載される電装品(商品搬出機構64のプッシャ643の駆動源であるモータ、売切検知スイッチ)と本体1内の下部に配設される制御ユニットとの間のハーネスは、商品ラック6の背面と本体1の背板15との間の空間にU字状に垂れ下げて配置される。この場合、ハーネスを保護するため、例えば特開2012−43325号公報に開示されたガイド部材を介して引き回すことができるものである。
本体1の前面開口を閉塞する態様で配設される上部ドア2および下部ドア3からなるドア4について以下に説明する。図8はドア4にかかる上部ドア2を示し、(a)はその正面斜視図、(b)はその背面斜視図であり、図9は上部ドア2に設けたロック機構を示し、(a)はその正面斜視図、(b)はその背面斜視図であり、図10は下部ドア3を示し、(a)はその正面斜視図、(b)はその背面斜視図である。
ドア4にかかる上部ドア2は、図8に示すように、矩形枠状で背面が開放した薄い箱形の鋼板製になるドアフレーム21を備えている。ドアフレーム21の正面側には窓22を有し、左右のフランジ210,210の前面側が化粧枠20(図8の(a)では正面視右側の化粧枠20を分解した状態を示しており、正面視左側のフランジ210は化粧枠20で隠れている)で覆われている。背面側がカバー24により覆われたドアフレーム21内には前記窓22に表示面が臨む液晶ディスプレイ23が取付けられている。ドアフレーム21の左右のフランジ210,210には大径の丸穴の上部に丸穴の径より小さい幅の細溝が連通した所謂「だるま穴」形状の係止部211aが上下方向に3個設けられている。また、ドアフレーム21の前面の四隅には合成樹脂製になる引手部24が設けられている。各引手部24は、矩形枠状の前縁から背後側に凹んだ指掛け部を備えたものであり、ドアフレーム21の板面に穿設した開口240に嵌合されている。4つの引手部24のうち、正面視右下の引手部24は指掛け部および矩形枠状の前縁の下辺を削除して引手部24の前面と背面とが連通する態様で形成(つまり、連通口が形成)され、また、その開口240には溝部240aが形成され、この溝部240aは後述する図9に示したロック解除レバー27の摘み270の回動を許容するものである。さらに、ドアフレーム21の底壁には背面側に張り出して上方を向く態様で曲げ起こしたフック状の係止部28が形成される共に底壁の下面に衝撃吸収材としてのゴム29が設けられている。
開口240の背面側には、上部ドア2を所定位置でロックするロック機構を構成するロック金具25(図9も参照)が取付金具26を介してドアフレーム21に取付けられている。取付金具26は横断面が略Z字状をなす板金製になり、ドアフレーム21の底壁に載置する態様で配置した上で背面側を向く脚片261をドアフレーム21の右フランジ210に固着してなる。この場合、取付金具26の前方側を向く他方の脚片262はドアフレーム21の開口部240の左縁よりも左側に位置して開口240の外側に位置するようにされている。前記脚片261には上下方向に延在する穴261aを有している。前記ロック金具25は、断面略凹形の細長い板金製になり、取付金具26の脚片261に設けた穴261aおよびドアフレーム21の右側壁に設けた穴21a(図8の(a)参照)を貫通して一端251(正面視右端であり、以下では先端ともいう)がドアフレーム21の右側壁から外方に突出し、他端252が上部ドア2の内側に位置する態様で配設され、左右方向の略中央部を取付金具26に段付きねじS(図9の(b)参照)を介して取付けられ、当該段付きねじSを支点軸として回動自在である。ロック金具25の先端251は上縁より下縁に向かうに従って外側に突出する態様の傾斜面251aを有している。また、ロック金具25には、その先端251側が取付金具26の脚片261に設けた穴261a若しくはドアフレーム21の右側壁に設けた穴21aの上縁に当接するように付勢するコイルスプリングSPが設けられている。
ここで、コイルスプリングSPを設けた場合、ロック金具25の他端252側は通常では図示のように長くする必要はないが、この実施の形態ではロック金具25を図示のとおりに長いものとし、ロック金具25の支点軸(段付きねじS)の位置を、左右中央よりも先端251側に位置させて、無負荷状態(コイルスプリングSPを設けない状態)で先端251側が取付金具26の脚片261に設けた穴261a若しくはドアフレーム21の右側壁に設けた穴21aの上縁に当接するように定めている。これにより、コイルスプリングSPが破損または脱落した場合にもロック金具25が自重で、前述したように先端251側が取付金具26の脚片261に設けた穴261a若しくはドアフレーム21の右側壁に設けた穴21aの上縁に当接するのを保障している。
前記取付金具26の前面側には、前方側を向く他方の脚片262と対峙する態様で切り起こしにより形成した支持脚片263(図9の(a)参照)が設けられ、この支持脚片263と脚片262とに回動自在に取付けられたロック解除レバー27が設けられている。ロック解除レバー27は、基端部271が前記取付金具26の支持脚片263と脚片262とに設けた回動軸2631,2621を支点として回動自在に軸支され、基端部271から前方に延在する摘み270がドアフレーム21の正面視右下の開口240に嵌合して設けたところの、前述した引手部24の連通口を介して当該引手部24に臨み、基端部271から後方に延在する係合片272がロック金具25の他端252の下方に位置する態様で取付金具26に取付けられている。そして、係合片272が取付ロック金具25の他端252の下方に当接することによりロック解除レバー27が待機位置(図示位置)に静止するように構成されている。従って、ドアフレーム21の正面視右下の引手部24(図9の(a)に示した一点鎖線が引手部24の空間と開口240の溝部240aとを合成した輪郭を示す)に臨む摘み270に指を掛けて引き下げるとロック解除レバー27が回動軸2631,2621を支点として回動(図9の(a)の右側面から見た場合には反時計回りの方向)して係合片272がロック金具25の他端252を押し上げる。これによりロック金具25の先端251が取付金具26の脚片261に設けた穴261aおよびドアフレーム21の右側壁に設けた穴21aに没入する態様で回動するものである。
かかる構成の上部ドア2は本体1内に配設されたガイド機構部7に本体1の前方から取付けられるのであるが、この上部ドア2のガイド機構部7への取付けについては後述する。
ドア4にかかる下部ドア3は、図10に示すように、矩形枠状で上面と背面が開放した薄い箱形の鋼板製になる。下部ドア3の左右側壁の上下の部位にはローラー31,31が設けられている。また、下部ドア3の上端には前面側に張り出して下方を向く態様で曲げ起こしたフック状の係止部32が形成され、下部ドア3の底壁には衝撃吸収材としてのゴム33が設けられている。この下部ドア3は本体1内に配設されたガイド部材8に本体1の前方から取付けられる。この下部ドア3のガイド部材8への取付けについては後述する。
次に、本体1内に収容される形態で固定された取出口ユニット5について図11を参照しつつ説明する。図11は取出口ユニット5を示し、(a)はその正面斜視図、(b)はその背面斜視図である。
図11に示すように、取出口ユニット5は本体1の前面開口を閉塞する態様の前面枠51と、この前面枠51の背後に配置された取出口枠52との組立体からなる。前面枠51は矩形枠状の薄い箱形の鋼板製になり、左右側壁から外方に張り出すと共に端部が後方(背面側)に折り曲げられたフランジ511,511を備えてなる。前面枠51の板面上部域には開口514が形成され、前面枠の板面下部域にはカバー512で閉塞された窓513が形成されている。取出口枠52は、左右側板521,521と底板522とからなる。取出口枠52の底板522は、前方域が下方に湾曲して形成される一方、後端が前端よりも高くなる形態をなしている。底板522の後端は鉛直に折り曲げられ、前述した背板15(図2参照)に設けた固定金具15Aにねじ止めされる。左右側板521,521と底板522とに囲まれた空間は、前述したところの、本体1内に格納された2基の商品ラック6,6における左コラム62と右コラム61との間に画成されたタバコの落下搬出路600に連通しており、2基の商品ラック6,6の商品コラム611から払い出されて底板522の後方域に落下したタバコが底板522の前方域に集まるように構成されている。この取出口ユニット5は、本体1内に配設されたガイド機構部7に左右フランジ511,511の折り曲げ部を固着して本体1内に収容された状態で配設される。
次に、上部ドア2を上下方向にスライド移動させるガイド機構部7、下部ドア3をスライド移動させるガイド部材8について図12乃至図17を参照して説明する。
ガイド機構部7は、図12に示すように門型をなしている。このガイド機構部7は、図17に示すように本体1内の前端部に収容設置される。このガイド機構部7を分解した図13に示すように、門柱となる左右の外枠71と内枠72と桁としての上枠73とを備えている。なお、左右の門柱の構造は同一であるので、同一のものには同一の符号を付している。図12のA−A線断面図である図16に示すように、外枠71と内枠72の幅は外枠71に対して内枠72の幅が小さく形成され、それぞれの背面側のフランジ711,721を互いに対向する方向に形成されている。そして、両フランジ711,721を密着させた状態で外枠71と内枠72とを抱き合せて結合することにより内部に収納空間が形成される。この場合、内部の収納空間は、背面側が両フランジ711,721によって閉塞される一方、前面側が開放されている。外枠71と内枠72のそれぞれの上端を上枠73に所定の間隔をおいて固着することにより門型の形態をなすものである。なお、正面視右側の内枠72の前面寄りにはスリット状の係止穴723が上下方向に複数(実施の形態では6個)形成されている(図12の(b)参照)。この係止穴723は上部ドア2に設けたロック金具25の先端251が係合するものである。これらの係止穴723のうちの最上位の係止穴723は他の係止穴723よりも短く形成され、この係止穴723にロック金具25の先端251が係合することにより上部ドア2を上昇位置にロックするものである。
外枠71と内枠72との間の内部には上下方向に延在するガイドレール74と上部ドア2を懸架する懸架機構9が配設される。懸架機構9は、図14にも示すように、上部ドア2を係止固定する係止部材91、一端に前記係止部材91が連結される共にプーリー92を介して他端に錘93が連結されたベルト94からなる。左右のプーリー92,92は連結軸95により連結されており、連結軸95の両端が左右の外枠71に軸支されている。前記ベルト94は、図15に示すように歯付きベルトであり、プーリー92も歯付きプーリーが用いられている。なお、図15ではベルト94に関して係止部材91が連結される一端側の一部のみを歯付きとして示しているが錘93が係止された他端まで歯が付いているものである。
係止部材91は、図15にも示すように、上下方向に延在する短冊状の鋼板製になり、上下両端に前方を向くローラー911,911と側面を向くローラー912,912がそれぞれ取付けられている。また、係止部材91の前フランジ913には上下方向に3個のねじ穴914が穿設されている。この3個のねじ穴914は、図8に示した上部ドア2におけるドアフレーム21の左右のフランジ210,210に設けた3個の係止部211aに一致するものである。そして、係止部材91の上部には、図15の(c)も参照すると分かるように、ベルト94を保持する保持片915とベルト94を保持片915との間に挟持して固定する固定金具96をねじ917でねじ止めするための固定片916が切り起こしにより形成されている。固定金具96は、係止部材91の保持片915との間にベルト94を挟み付ける部位にベルト94の歯と噛み合う歯を有し、両者の歯を噛み合わせた状態で固定金具96を固定片916にねじ917でねじ止めすることによりベルト94の抜け止めが施された状態で係止部材91がベルト94に吊下げられる。
前記ベルト94の他端に連結される錘93も同様の構造によりベルト94の他端に吊下げられている。また、錘93の前面および後面には正面側を向く上下一対のローラー931が設けられている。そして、錘93の重量は、プーリー92を介してベルト94の一端に吊下げられた係止部材91に装着される上部ドア2側の重量とバランスし、上部ドア2側の重量に対して僅かに軽い重量に定められるものである。
ガイドレール74はベルト94に吊下げられた係止部材91を案内するものであり、門柱を形成する外枠71にねじ止めされる。ガイドレール74は、図16に示すように係止部材91に設けたローラー912を前後から挟む態様の2条の突起741,741と錘93の前面に設けたローラー931を内枠72との間に挟む態様の突起742を備えている。また、外枠71のフランジ711の端部は錘93の後面のローラー931を保持する態様で収納空間の内部に向けて折り曲げられている。従って、外枠71と内枠72との間の収納空間に懸架機構9とガイドレール74を配した状態で、懸架機構9の係止部材91と錘93はガイドレール74に沿ってスムーズに昇降するものである。
ガイド部材8は、下部ドア3を上下方向にスライド移動させるものである。このガイド部材8は横断面コ字状の厚板鋼板製になり、コ字状の空間に下部ドア3の左右側壁に設けたローラー31,31を収容する態様で門型をなすガイド機構部7の内枠72に固着されたものである。
ガイド機構部7は、本体1内に収容する前段階で図12に示すように組立てられる。図12のように組立てられたガイド機構部7においては、外枠71と内枠72との間の収納空間に配設された懸架機構9の係止部材91の前フランジ913が前面に裸出しており、当該前フランジ913に穿設したねじ穴914も前方に裸出している。このように組立てられたガイド機構部7を本体1に収容した上で、門柱となる外枠71と内枠72の底面に設けたフランジ710,720(図16参照)を基台12にねじ止めすることにより本体1内に収容設置される(図17)。この場合、ガイド部材8は、懸架機構9の係止部材91における前面に裸出した前フランジ913よりも後方側(背面側)に位置している。
図17に示すようにガイド機構部7を本体1に収容した後、前述した取出口ユニット5を本体1内に収容設置する。取出口ユニット5は左右フランジ511,511をガイド機構部7に固着することにより取付けられる。この場合、取出口ユニット5の左右側壁から外方に張り出す左右フランジ511,511を内側に撓ませた状態でガイド機構部7の門柱の間を通過させる。なお、取出口ユニット5の前面枠51は、左右のガイド機構部7,7に固着されたガイド部材8,8の間の間隔よりも小さく定められており、ガイド部材8,8の間を通過させることができる。このように、取出口ユニット5の前面枠51をガイド部材8,8の間を通過させてガイド部材8,8の後方側(背面側)に位置させた状態で、左右フランジ511,511の先端の折り曲げ部をガイド機構部7の内枠72の背面下方に背面側に突出して設けた固定片722(図16参照)にねじ止めする。なお、このねじ止め作業は、前面枠51のカバー512で閉塞される窓513若しくは本体1の前面開口を介して行うことができる。そして、取出口枠52の底板522の後端を本体1の背板15に設けた固定金具15Aにねじ止めして取出口ユニット5を本体1内に収容設置する。
次いで、下部ドア3を左右のガイド機構部7,7の内枠72に固着されたガイド部材8,8に装着する。すなわち、下部ドア3をガイド部材8,8の上方に持ち上げた上で下部ドア3の左右側壁に設けたローラー31,31のうちの下側のローラー31をガイド部材8,8のコ字状の空間に嵌め込んで下降させつつ上側のローラー31もガイド部材8,8のコ字状の空間に嵌め込む。これにより下部ドア3がガイド部材8,8に保持された状態で取出口ユニット5の前面枠51の前方に重なる態様で下降位置にある。この場合、下部ドア3の上端に設けたフック状の係止部32は前面側に張り出している。
最後に上部ドア2をガイド機構部7の収納空間に配された懸架機構9の係止部材91に次のように装着する。すなわち、懸架機構9の係止部材91における前面に裸出した前フランジ913に穿設したねじ穴914に頭付きのねじをねじの頭部が前フランジ913から離隔した状態に螺着する。そして、上部ドア2におけるドアフレーム21の左右のフランジ210,210に穿設した「だるま穴」形状の係止部211aを前記ねじに引っ掛ける。この場合、「だるま穴」形状の係止部211aの丸穴の径は前記ねじの頭部の径よりも大きく、また、丸穴に連通する細溝の幅はねじの頭部の径よりも小さく、かつ、ねじの径よりも大きく形成されているので、「だるま穴」形状の係止部211aの丸穴にねじの頭部を貫通させた上で上部ドア2を下降させて細溝の上縁をねじに当接させる。このように、係止部材91の前フランジ913に螺着したねじに上部ドア2の係止部211aを引っ掛けた後、ねじを締め付けると上部ドア2が係止部材91に装着される。係止部材91に装着された上部ドア2は前述したガイド部材8に装着された下部ドア3より前方側に位置しており、上部ドア2が上昇・下降する際に下部ドア3と干渉することがない。
ここで、この実施の形態においては上部ドア2および下部ドア3を本体1に装着した際、上部ドア2におけるドアフレーム21の底壁に設けたフック状の係止部28を下部ドア3の上端に設けたフック状の係止部32よりも下方に位置させ、上部ドア2の係止部28を下部ドア3の係止部32に引っ掛けることにより上部ドア2の上昇・下降に下部ドア3が追従して上昇・下降するようにしている。このため、上部ドア2を係止部材91に装着する際、係止部材91を下降位置にある下部ドア3と前後方向に重なる位置まで下降させた状態で当該係止部材91に上部ドア2を装着する。つまり、上部ドア2におけるドアフレーム21の底壁に設けたフック状の係止部28と下部ドア3の上端に設けたフック状の係止部32との関係が上部ドア2の係止部28が下部ドア3の係止部32よりも下方に位置する関係となる態様で上部ドア2を係止部材91に装着する。
かかる態様、すなわち、係止部材91を下降位置にある下部ドア3と前後方向に重なる位置まで下降させた状態で当該係止部材91に上部ドア2を装着した状態で、上部ドア2の正面視右下の引手部24の背面に設けたロック金具25の先端251が正面視右側の内枠72の前面寄りに設けたスリット状の係止穴723(図12の(b)参照)のうちの最下位の係止穴723に進入していると仮定すると、ロック金具25は水平状態にあり、ロック金具25の先端251の傾斜面251aが係止穴723を横切るように構成されている。この状態で上部ドア2を上昇させる過程でロック金具25の傾斜面251aが係止穴723の上縁に当接するとロック金具25は支点軸(段付きねじS(図9の(b)参照)を中心に回動(正面視時計回り方向)して係止穴723から抜け出す。そして、ロック金具25の先端251が内枠71の表面を摺動しながら上昇し最下位から2番目の係止穴723に到達するとロック金具25がコイルスプリングSPの付勢力により当該係止穴723に進入して水平姿勢となるが、更なる上部ドア2の上昇によりロック金具25の傾斜面251aが係止穴723の上縁に当接するとロック金具25は前述したように回動(正面視時計回り方向)して当該係止穴723から抜け出す。このように、上部ドア2を上昇させるとロック金具25は複数(下から5番目まで)の係止穴723に順次係合するが係合穴711を通過する都度離脱する。そして、上部ドア2が上昇位置に到達するとロック金具25の先端が最上位の係止穴723に進入するとコイルスプリングSPの付勢力によりロック金具25の先端251が取付金具26の脚片261に設けた穴261a若しくはドアフレーム21の右側壁に設けた穴21aの上縁に当接して水平姿勢に維持された状態で当該係止穴723に係合し、上部ドア2を上昇位置にロックする。このロック金具25による上部ドア2のロック解除は、上部ドア2の正面視右下の引手部24に臨むロック解除レバー27の摘み270に指を掛けて引き下げることにより、ロック金具25が回動(正面視時計回りの方向)してロック金具25の先端251が最上位の係止穴723から抜け出してロック金具25によるロックが解除される。この場合、ロック金具25の回動を手助けするため上部ドア2を僅かに上昇させるのがよい。
前記上部ドア2、下部ドア3、取出口ユニット5により本体1の前面開口を閉塞した状態を図18に示す。図18は上部ドア2、下部ドア3、取出口ユニット5により本体1の前面開口を閉塞した状態の概略断面図である。図から分かるように、上部ドア2、下部ドア3、取出口ユニット5の前面枠51は上下方向に重なることなく前後方向に位置をずらし、取出口ユニット5の前面枠51の前に下部ドア3が位置し、その下部ドア3の前に上部ドア2が位置するように配されている。なお、図18において、Wは上部ドア2に設けた液晶ディスプレイ23のハーネスである。また、取出口ユニット5の背後には図示は省略したが電源ユニット、制御ユニットなどが配設される。制御ユニットは、タバコ自動払出機100の全体の制御を司る制御部を有するものであり、この制御部には各種の実行プログラムを記憶したROM,各種データを格納するRAM,各種入力信号により各種実行プログラムを実行するCPUなどを備え、商品ラック6の商品コラム611に設けた商品搬出機構64はROMに格納された実行プログラムに従って駆動制御されるものである。
かかる構成のタバコ自動払出機100は、図1に示したようにレジカウンターの中(背面側)に設置されて店員の支援のために用いられる。図19の(a)は図1に示したタバコ自動払出機100と同様に上部ドア2を上昇させて本体1の前面開口を閉塞した状態を示している。上部ドア2を上昇位置に上昇させた状態では、上部ドア2におけるドアフレーム21の底壁に設けたフック状の係止部28に下部ドア3の上端に設けたフック状の係止部32が係合して下部ドア3が上部ドア2に懸架された状態で本体1の前面開口を閉塞している。この状態から本体1内に配設された商品ラック6にタバコを補充する場合には、上部ドア2の正面視右下の引手部24に臨むロック解除レバー27の摘み270に指を掛けてロック金具25による上部ドア2のロックを解除する。そして、摘み270を引手部24に当接させた状態(つまり、ロック金具25による上部ドア2のロックを解除した状態)で上部ドア2の四隅の引手部24のうちの適宜の引手部24(例えば、上部ドア2の正面視左下の引手部24)に手を掛けて上部ドア2を下降させる。この場合、上部ドア2はプーリー92介して他端に錘93が吊下げられたベルト94の一端に吊下げられた係止部材91に装着され、錘93の重量が上部ドア2側の重量に対して僅かに軽い重量に定められていることから僅かな力を加えるのみで下降させることが可能となる。また、上部ドア2の下降に伴って下部ドア3も下降する。下部ドア3が取出口ユニット5の前面枠51の前に重なる態様で下降して下部ドア3の底壁に設けたゴム33が基台1に当接すると下部ドア3の下降が停止し、引き続き上部ドア2を下部ドア3の前に重なる態様で下降させる。この場合、上部ドア2におけるドアフレーム21の底壁に設けたフック状の係止部28が下部ドア3の上端に設けたフック状の係止部32から離隔する。そして、上部ドア2のドアフレーム21の底壁に設けたゴム29が基板11に当接するまで下降させると本体1内に格納された商品ラック6の前面が開放される(図19の(b)参照)。
かかる状態で商品ラック6の前ラック板602に設けた把手681を引き起こして商品ラック6の本体1内への格納状態のロックを解除した上で商品ラック6を、レール機構Rを介して本体1の前方に引き出し(図19の(c)参照)、商品ラック6にレール機構Rを挟んで左右2列配設された商品コラム611に左右方向からタバコを装填(補充)する。タバコの補充後は前記レール機構Rを介して商品ラック6を本体1内に格納した上で上部ドア2の引手部24(例えば、上部ドア2の正面視上側の左右の引手部24)に手を掛けて上部ドア2を上昇させる。上部ドア2の上昇により上部ドア2におけるドアフレーム21の底壁に設けたフック状の係止部28が下部ドア3の上端に設けたフック状の係止部32に接近し、上部ドア2の係止部28が下部ドア3の係止部32に係合すると上部ドア2の上昇に伴って下部ドア3も上昇する。上部ドア2を上昇位置まで上昇させるとロック金具25により上部ドア2が上昇位置にロックされる。
なお、上部ドア2に設けたロック金具25は、上部ドア2を下降させる途中において、左右のベルト94が不測に切断された場合に正面視右側の内枠72の前面寄りに設けたスリット状の係止穴723(図12の(b)参照)のうちの一つに係合して上部ドア2の落下を防止するものである。つまり、上部ドア2を下降させる途中で左右のベルト94が切断されると上部ドア2が急激に下降して上部ドア2の引手部24から手が離れるので、ロック解除レバー27の摘み270からも手が離れる。これによりコイルスプリングSPの付勢力により水平姿勢に戻ろうとする力が作用したロック金具25は、左右のベルト94が切断された時点で対峙する係止穴723、係止穴723が対峙していない場合には直下の係止穴723に進入して水平姿勢となると当該係止穴723に係合(係止穴723の下縁に当接)して上部ドア2の落下を阻止する。従って、上部ドア2が基台11上に落下して上部ドア2および上部ドア2に搭載された液晶ディスプレイ23が破損するのを防止することができるものである。
前述したように、この実施の形態に係るタバコ自動払出機100によれば、前面が開口した箱形の本体1と、この本体1の天井面に敷設された前後方向に伸縮自在なレール機構Rと、このレール機構Rにより本体1内に格納および本体1内から前方に引き出し可能であって、レール機構Rを挟んで左右2列配設され、商品搬出機構64の上にタバコを上下方向に積み重ねて収納し、かつ、タバコの装填口が左右方向を向く態様の商品コラム611を前後方向に複数有し、当該左右2列の商品コラム611の商品払出機構64の払出口がタバコの落下搬出路600となるように間隔を置いて対峙する態様で配設された商品ラック6と、前記本体1の前面開口の下部域を閉塞する態様で配設され、前記商品コラム611から払い出されたタバコの取出口50を備えた取出口ユニット5と、この取出口ユニット5の上部に位置して前記本体1の前面開口の上部域を閉塞する態様で上下方向に昇降自在に配設されたドア4とを備え、このドア4を取出口ユニット5の前方側に下降させることによりレール機構Rを介して本体内に格納された商品ラック6の前方への引き出を許容することにより、店頭販売されるタバコを本体1内に格納して手を触れることができないようにすることが可能である。また、商品コラム611の商品払出機構64を注文端末からの注文に応じて作動させることにより、店員はタバコ自動払出機100の取出口50に払い出されたタバコを取り出して直ちに顧客に手渡すことができるものである。従って、店員を支援、つまり、顧客を待たせるという店員の精神的負担を軽減することが可能なタバコ自動払出機を提供することができるという効果を奏する。
なお、前述した実施の形態においては、取出口ユニット5に関して、前面枠51と、この前面枠51の背後に配置された取出口枠52との組立体からなるものについて説明したが、前面枠51と取出口枠52とをそれぞれ個別に本体1に取付けることができるものであり、この発明において取出口ユニット5とは商品ラック6から払い出されたタバコを本体1内から取りさせればよいものであり、実施の形態に限定されるものではない。