以下、本発明の実施の形態に係る自動販売機の商品搬出装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明が対象とする自動販売機の一例である缶入り飲料,ペットボトル入り飲料を販売する自動販売機の概略側面図、図2は図1の自動販売機から外扉を外した状態の右斜め上方から俯瞰した斜視図である。なお、左右とは、自動販売機の前面から見た場合の左右を指すものである。
図1に示すように、この自動販売機は、前面が開放した断熱筐体として形成された本体キャビネット1と、本体キャビネット1の前面開口を閉塞する態様で本体キャビネット1の前面に開閉可能に支持された外扉2とを備え、この外扉2には商品取出口2aが設けられている。本体キャビネット1は鋼板製の外箱の内側、すなわち、上壁1a,左右側壁1b,背壁1cおよび底壁1dにウレタンフォームからなる断熱パネルを配設して断熱筐体として構築され、上壁1a,左右側壁1b,背壁1cおよび底壁1dに配設された断熱パネルで囲まれた空間が商品収納庫として形成され、商品収納庫の下部が機械室8として形成されている。前記本体キャビネット1の断熱パネルで囲まれた商品収納庫内は、断熱仕切壁12,12(図2参照)により左右方向に3つの商品収納室13,14,15に区画されている。前記各商品収納室13,14,15には、上下方向に多段に配設された商品収納棚10を有する商品収納ラック4がそれぞれ収納設置されている。前記本体キャビネット1における商品収納庫の前面はヒンジ機構により本体キャビネット1に開閉可能に支持された断熱内扉3によって閉塞され、この断熱内扉3には商品収納庫内から送出される商品によって押し開かれる搬出口フラッパ3bを有する商品搬出口3aが設けられている。前記搬出口フラッパ3bは上端を軸支されて垂下するとともに自重により商品搬出口3aを閉塞して冷気若しくは暖気の流出を防止しており、商品搬出シュート6を介して搬出される商品により押し開かれ、当該商品を外扉2の商品取出口2aに送出するように形成されている。
前記商品収納ラック4は、矩形平板状の薄板鋼板製になる左右一対のラック側板41,41を備えており、この左右一対のラック側板41に商品収納棚10が架設される。商品収納棚10は、商品投入口44となる前方側が高く、商品搬出口45となる後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜する態様で左右のラック側板41,41に上下多段(この実施の形態では10段)に架設されている。最上段の商品収納棚10の上方にはメック係止部材100が左右一対のラック側板41,41に架設されている。前記左右のラック側板41,41の上端は、商品収納庫の天井面に敷設された左右一対のガイド金具16,16(図3,図4も参照)に係合・離脱可能に構成され、この左右のラック側板41,41を商品収納庫の天井に敷設されたガイド金具16,16に係合させることにより、商品収納ラック4が商品収納庫に収設されるものである。左右一対のガイド金具16、16は、水平面16aと鉛直面16bを備えた厚板鋼板製になり、水平面16aの前方部および鉛直面16bの後端部を本体キャビネット1の天井面における前部および後部に左右方向に延在する態様で配設された補強部材(不図示)に係止固定することにより商品収納庫の天井面に敷設される。左右一対のガイド金具16、16の鉛直面の下端にはそれぞれ対向する方向に鉤状に折り曲げられたレール部16cを備え、このレール部16cに左右のラック側板41,41を係合させるように構成されている。なお、左右のガイド金具16、16のうちの左側のガイド金具16の前端には係止片16d(図4参照)が形成され、この係止片16dにはねじ穴が設けられているものである。
前記商品収納棚10には、図3に示すように、複数の仕切部材42が装着されている。これらの仕切部材42は、複数の商品を横倒し姿勢で前後方向に一列に整列して収納する商品収納通路43(商品コラム)を画成するものである。前記商品収納棚10に画成された各商品収納通路43における商品搬出口45の近傍であって各商品収納通路43の上部、この実施の形態においては上段側の商品収納棚10の下面側に当該商品収納通路43に収容された商品Sを一個ずつ切り出して搬出する商品搬出装置5が商品収納棚10の背面に直付けされている。また、商品収納棚10には、必要に応じて商品搬出装置5と商品収納通路43の通路面との間の間隔を調整するアタッチメント(不図示)が敷設される。なお、最上段の商品収納通路43に収納された商品を一個ずつ切り出す商品搬出装置5を取付けるために、最上段の商品収納通路43の上方にメック係止部材100が左右一対のラック側板41,41に架設されている。
そして、メック係止部材100の後端上方位置に庫内上部ファンF2が配備されている。メック係止部材100の後端上方域は、メック係止部材100が前方側に対して後方側が低くなるように所定の勾配をもって傾斜して配されることによりデッドスペースとなる部位であり、このデッドスペースを利用して庫内上部ファンF2が配備されている。庫内上部ファンF2は、上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気を下方に向けて送風するものであり、左右一対のラック側板41,41に架設されている。また、庫内上部ファンF2の上方側には当該庫内上部ファンF2と間隔を存する態様で遮蔽部材200が設けられている。この遮蔽部材200も、左右一対のラック側板41,41に架設されている。この遮蔽部材200は、その後端部が上部ダクト部材70bの上端開口を臨む態様で配設され、前記上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気が本体キャビネット1の上壁1aに直接接触するのを防止するように構成されている。この遮蔽部材200を設けることにより、特に、商品を冷却する際に前記上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気(冷気)が本体キャビネット1の上壁1aに直接接触して庫内と庫外の温度差により庫内(上壁1a)に結露が生じるのを防止できるものである。
前記各商品収納ラック4に上下多段に配設された商品収納棚10の後端(商品搬出口45)は同一の鉛直線上に位置しており、前記商品搬出口45と上部ダクト部材70bとの間が商品Sの落下する商品落下通路46として形成されている。前記商品落下通路46には、各商品収納棚10の後端部に近接した位置に回動中心を有して前記商品落下通路46に突出する突出位置と、落下する商品Gにより押し開かれて商品落下通路46から退避する退避位置との間を回動する姿勢制御板47が配備されている。この姿勢制御板47は、コイルばね470(図11参照)により商品落下通路46に向けて突出するように付勢されており、商品落下通路46を落下する商品Gにより押し開かれて商品落下通路46から退避する際、当該商品Gの姿勢を横倒し姿勢に矯正するとともに当該商品Sの落下エネルギーを吸収してその落下速度を低減させる機能を有している。前記姿勢制御板47は、左右一対のラック側板41,41架設して配設される。また、左右一対のラック側板41,41の前端下部には、ラック固定金具49が固着されている。このラック固定金具49は、商品収納ラック4を商品収納庫に収設した後に本体キャビネット1の前面開口に横架される本体側ラック固定金具(不図示)にねじ止めされ、この本体側ラック固定金具と協働して商品収納ラック4の揺れ止めを果たすものである。
商品収納ラック4の下部には、商品落下通路46の下方域と断熱内扉3に設けた商品搬出口3aとを連繋する態様で前下がりの姿勢に傾斜して配されるとともにその板面に複数の通気孔が穿孔された商品搬出シュート6と、商品収納ラック4に収納した商品Gを冷却若しくは加熱してコールド若しくはホット状態に保存する冷却/加熱ユニット7が配設され、商品収納庫内に商品収納ラック4と商品搬出シュート6と冷却/加熱ユニット7とが上下の順に配備されている。
前記冷却/加熱ユニット7は、前下がりの姿勢に傾斜して配された商品搬出シュート6の背後の空間に配設されている。冷却/加熱ユニット7は、蒸発器7aとヒータ7bと庫内下部ファンF1とを備え、これらの蒸発器7aとヒータ7bと庫内下部ファンF1とが、前方側からヒータ7b,庫内下部ファンF1,蒸発器7aの順に前後方向に並置されてなる。前記庫内下部ファンF1は、ファン駆動用モータを電圧制御,PWM制御することにより回転数を可変可能なものである。前記蒸発器7a,庫内下部ファンF1,ヒータ7bは、それぞれを囲繞して保護する風洞内に配されており、ヒータ7bの風洞に連ねてスペーサー用の風洞40が設けられている。前記蒸発器7a,庫内下部ファンF1,ヒータ7bにおけるそれぞれの風洞と風洞40は全体としてトンネル状に連続したものであり、以下では風洞40を蒸発器7a,庫内下部ファンF1,ヒータ7bにおけるそれぞれの風洞を代表するもの、すなわち、冷却/加熱ユニット7の風洞40と称するものとする。そして、この冷却/加熱ユニット7の風洞40に連ねて下部ダクト部材70aが設けられている。この下部ダクト部材70aは、商品収納庫背面(本体キャビネット1の背壁1c)に沿って配設され、風洞40の出口に対峙する入口側開口74(図16参照)と商品落下通路46の下方域に連通する出口側開口78(図16参照)を備えている。この下部ダクト部材70aの出口側開口78に連通して上部ダクト部材70bが配設される。
さらに、本体キャビネット1の下部の機械室8には、冷却/加熱ユニット7の蒸発器7aと冷凍サイクルを形成する冷凍機コンデンシングユニット9が配設されている。冷凍機コンデンシングユニット9は、圧縮機9a,凝縮器9b,庫外ファン9c,膨張弁(不図示)などからなり、商品収納庫外に配された凝縮器9bと商品収納庫内に配された蒸発器7aとが膨張弁を介して冷媒配管により接続されている。
なお、外扉2の前面には、商品コラムに対応した複数の商品見本21を展示した商品展示室22の他に、図示は省略するが、購入する商品を指定する商品選択ボタン、代価としての硬貨を投入する硬貨投入口、代価としての紙幣を挿入する紙幣挿入口、釣銭硬貨若しくは返却指令により返却される硬貨を取り出すための硬貨返却口、釣銭若しくは投入硬貨の返却を指示する返却レバーなど、貨幣の投入により商品の自動販売に必要な部品が配設され、さらに、外扉2を本体キャビネット1に閉止鎖錠する扉ロック機構のハンドルなどが設けられている。
本体キャビネット1の断熱パネルで囲まれた商品収納庫内の断熱仕切壁12,12(図2参照)により区画された商品収納室13,14,15にそれぞれ収納設置される商品収納ラック4の構成は略同一であるので、以下では商品収納室14に係わる商品収納ラック4を代表として説明する。図5は、商品収納室14に収納設置される商品収納ラック4の分解斜視図である。商品収納ラック4は、上下方向に多段に配設され、その背面に商品搬出装置5が直付けされた商品収納棚10、商品収納棚10の後端近傍に配備される姿勢制御板47、冷却/加熱ユニット7により冷却若しくは加熱された冷気若しくは暖気を庫内上方に案内する上部ダクト部材70b、前記上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気を下方に向けて送風する庫内上部ファンF2、前記上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気が本体キャビネット1の上壁1aに直接接触するのを防止する遮蔽部材200、メック係止部材100などが架設される左右一対のラック側板41,41を備えている。
前記左右一対のラック側板41,41は、それぞれ前方側ラック部材41Fと後方側ラック部材41Rに分割されている。前方側ラック部材41Fと後方側ラック部材41Rは、それぞれ矩形平板状の薄板鋼板製になる。左右一対のラック側板41,41は左右対称であるので、以下では図5の左側のラック側板41を代表して説明する。図6は図5の左側のラック側板41を示し、この図6から理解できるように、前方側ラック部材41Fと後方側ラック部材41Rのそれぞれの前縁および後縁に沿って補強のための前フランジ41F1,41R1および後フランジ41F2,41R2が内方に向かう態様で折り曲げ形成されている。そして、前方側ラック部材41F,後方側ラック部材41Rの上縁には外方を向く態様で鉤状に折り曲げ形成された係合部41F3,41R3(図4も参照)が設けられている。これらの係合部41F3,41R3は、図4に示した商品収納庫の天井面に敷設される左右一対のガイド金具16、16の鉤状のレール部16cに係合するように構成されているものである。
また、前方側ラック部材41Fの後フランジ41F2の上下端部には係合片41FU,41FDが切り起こしにより形成される一方、後方側ラック部材41Rの前フランジ41R1の上下端部には前記係合片41FU,41FDに対峙する態様で係合片41RU,41RDが切り起こしにより形成されている。図6の(c)は図6の(a)のA部の拡大図であり、前方側ラック部材41Fの後フランジ41F2の上端部に形成した係合片41FUに対峙する態様で後方側ラック部材41Rの前フランジ41R1の上端部に係合片41RUが形成されている。図6の(c)から理解できるように、係合片41FU,係合片41RUにはねじ穴41FU0,41RU0が穿孔されている。前方側ラック部材41Fの後フランジ41F2の下端部に形成した係合片41FDおよび後方側ラック部材41Rの前フランジ41R1の下端部に形成した係合片41RDにもねじ穴41FD0,41RD0が穿孔されているものである。さらに、前方側ラック部材41Fの後フランジ41F2の上下方向の中間領域には切り起こしにより3個の舌片41F4が形成されている。図6のB部、すなわち、前記3個の舌片41F4のうちの中央の舌片41F4を図6の(d)に拡大して示し、この図から理解できるように舌片41F4は後方に延在している。
そして、前方側ラック部材41Fの前フランジ41F1の上端側は上方に突出する突起41F11して形成され、この突起41F11にはねじ挿通穴が穿設されている。また、前方側ラック部材41Fの板面の前端寄りの位置には上下方向に10個のピン挿入孔OP1が穿設され、前方側ラック部材41Fの板面の前後方向の略中間位置には上下方向に10個の配線挿入孔OP3(図38で詳述)が穿設されている。また、後方側ラック部材41Rの前端寄りには上下方向に10個のピン挿入孔OP2が穿設され、後方側ラック部材41Rの板面の後方寄りの位置には上下方向に10個の保持部材取付け穴OP4が穿設されている。
前方側ラック部材41Fおよび後方側ラック部材41Rの一体化は、前方側ラック部材41Fの後フランジ41F2に形成した3個の舌片41F4を後方側ラック部材41Rの板面の内側に沿わせつつ前方側ラック部材41Fの後フランジ41F2と後方側ラック部材41Rの前フランジ41R1を突き合わせると共に前方側ラック部材41Fの後フランジ41F2の上下端部に形成した係合片41FU,41FDと後方側ラック部材41Rの前フランジ41R1の上下端部に形成した前記係合片41FU,41FDを対峙させたうえで前方側ラック部材41Fの上端部に形成した係合片41FUのねじ穴41FU0と後方側ラック部材41Rの上端部に係合片41RUのねじ穴41RU0にねじを螺合させ、また、前方側ラック部材41Fの下端部に形成した係合片41FDのねじ穴41FD0と後方側ラック部材41Rの下端部に係合片41RDのねじ穴41RD0にねじを螺合させて締め付けることにより前方側ラック部材41Fと後方側ラック部材41Rとが一体化されてラック側板41となる。なお、前方側ラック部材41F,41Fの上部後方寄りには前方側ラック部材41F,41Fに跨る連結部材420により連結されて離隔距離が一定に保たれるように構成されているものである。この連結部材420は、図6の(a)のA部を拡大して示す図6の(c)から理解できるように、前方側ラック部材41Fの上部後方寄りに切り起こしにより形成された係止片41F5にねじ止めされるものである。
前方側ラック部材41Fおよび後方側ラック部材41Rの一体化してなる左右のラック側板41,41に商品収納棚10などが架設された状態で左右のラック側板41、41の間の間隔は、図4に示した商品収納庫の天井面に敷設される左右一対のガイド金具16,16の鉤状のレール部16c,16cの間の間隔に略一致する一定の間隔となる。このような左右のラック側板41,41の商品収納庫内への収設は、前記商品収納庫の天井面に敷設された左右一対のガイド金具16,16の鉤状のレール部16c,16cの前端に左右の後方側ラック部材41R,41Rの鉤状の係合部41R3,41R3の後端を対峙させて当該係合部41R3,41R3をレール部16cに嵌め込んだうえでラック側板41,41を後方に移動させる態様で商品収納庫内に押し込み、引き続き左右の前方側ラック部材41F,41Fの鉤状の係合部41F3,41F3をレール部16c,16cに嵌め込んでラック側板41,41を商品収納庫内に押し込む。左右のラック側板41,41の商品収納庫内への押し込みは、左側のラック側板41の前方側ラック部材41Fの前フランジ41F1の上端に形成した突起41F11が左右一対のガイド金具16,16のうちの左側のガイド金具16の前端に設けた係止片16d(図4参照)に当接するまで行われる。前記突起41F11が係止片16d(図4参照)に当接すると左右のラック側板41,41は、左右のラック側板41の前方側ラック部材41Fおよび後方側ラック部材41Rの係合部43F3,43R3が左右一対のガイド金具16,16の鉤状のレール部16cに係合した状態で吊下げ保持された状態で商品収納庫内に完全に収納される。そして、前記突起41F11と係止片16dとをねじで固着することにより左右のラック側板41,41の前後方向への移動が規制される。
商品収納棚10は、図7乃至図9に示すように、前後方向に分割した前方側棚部材10Fおよび後方側棚部材10Rからなる。図7は図5の商品収納棚10の斜視図、図8は図7の分解斜視図、図9は前方側棚部材10Fおよび後方側棚部材10Rの背面図である。前方側棚部材10Fは主に仕切部材42の調節用であり、背面側にはカバー部材95,配線引出部材96が配設されている。後方側棚部材10Rは主に商品搬出装置5の取付け用であり、背面に商品搬出装置5が直付けされる。前方側棚部材10Fおよび後方側棚部材10Rはそれぞれ矩形平板状の薄板鋼板製になる。前方側棚部材10Fおよび後方側棚部材10Rはそれぞれ矩形の板面の左右側縁から下方に折り曲げられたフランジ10F1,10F1およびフランジ10R1,10R1を形成して補強が図られている。なお、後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1の左右方向の幅は、前方側棚部材10Fの左右フランジ10F1,10F1の左右方向の幅より若干広幅に形成され、後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1により前方側棚部材10Fの左右フランジ10F1,10F1を挟み込むことができるように構成されている。
前方側棚部材10Fの前端部分は下方に折り曲げて垂下部110が形成され、この垂下部110の左右端部にはねじ穴110a,110a(図8参照)が形成されている。また、前方側棚部材10Fの板面には、その板面の前方寄りに位置して左右方向に延在するスリットとして形成されたガイド溝111と、ガイド溝111の後方側にそれぞれ位置して前後方向に延在するスリットとして形成されるとともに左右方向に6列並置する態様で穿設された前後2段の設定溝112と、必要に応じて商品収納棚10に装着されるアタッチメント(不図示)の取付け用の4個のスリット状の装着溝113が穿設されている。前記垂下部110と、ガイド溝111と、前後2段の設定溝112とは仕切部材42の装着および調節用のものである。
前方側棚部材10Fの左右のフランジ10F1の前端は切り欠いて垂下部110との間に所定の空隙を形成するピン挿通溝10F11(図8,図9参照)が設けられ、前記フランジ10F1の前後方向中間部位には切欠きにより配線引出部材96の係合溝10F12(図8,図9参照)が設けられている。前記ピン挿通溝10F11は左右のラック側板41,41に跨る態様で配設されて商品収納棚10(前方側棚部材10F)を支持するピンP1(図3も参照)が挿通されるものである。係合溝10F12は配線引出部材96の両端が挿通されるものである。また、前方側棚部材10Fの左右のフランジ10F1の後端は前方側棚部材10Fの板面の後縁より若干前方に位置するように切り欠いて形成されている。言い換えれば、前方側棚部材10Fの板面の後縁は前方側棚部材10Fの左右のフランジ10F1の後端より後方に位置するように形成されている。そして、前方側棚部材10Fの左右のフランジ10F1,10F1の後端側の自由端は内側に折り曲げて当接片10F13,10F13(図9参照)が形成されている。これらの当接片10F13,10F13は後方側棚部材10Rとの連結に用いられるものである。なお、左右のフランジ10F1,10F1における当接片10F13,10F13の前方域には当該当接片10F13,10F13より一段低い係止片部10F14,10F14が設けられ、この係止片部10F14,10F14の前方寄りに前後方向に延在するスリット状の係止溝10F141,10F141が形成されている。この係止片部10F14,10F14の係止溝10F141,10F141は配線引出部材96のフック片9713(図36参照)が挿通されるものである。
後方側棚部材10Rの前端部分は、左右フランジ10R1,10R1の前端よりも後方側で下方に折り曲げて垂下部120が形成されている。この垂下部120には商品搬出装置5の駆動装置や売切れ検知スイッチ(マイクロスイッチ)などへの制御信号線が接続されたカプラ(不図示)が装着されるカプラ取付け穴121、カバー部材95の係合片95A,95Aが挿通される係合穴122,122が設けられている。後方側棚部材10Rの矩形板面には、その板面の後方寄りに位置して6個の固定部124〜129が設けられ、後方側棚部材10Rの前方寄りの左右方向の右側に位置して左右一対の開口部130,130が設けられている。6個の固定部124〜129は板面の背面側への押出しにより窪み部として形成され、窪み部の底面にねじ挿通穴124a〜129aが穿設されている。6個の固定部124〜129は、固定部126と固定部127の間の中間線を境として左右対称に配設されてなる。これらの固定部124〜129は商品搬出装置5を直付けするためのものである。前記左右一対の開口部130,130は必要に応じて商品収納棚10に装着されるアタッチメント(不図示)の取付け用のものである。
また、後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1の前方寄り縁部には、角状の切欠きによりピン挿通部10R11,10R11(図8,図9参照)が形成され、また、左右フランジ10R1,10R1の後端には円弧状の切欠きによりカール係合部10R12,10R12が形成されている。前記ピン挿通溝10R11,10R11は左右のラック側板41,41に跨る態様で配設されて商品収納棚10(後方側棚部材10R)を支持するピンP2(図3も参照)が挿通されるものである。前記カール係合部10R12,10R12は姿勢制御板47を保持し、左右のラック側板41,41に跨る態様で配設される保持部材476に形成した円筒部477に当接するものである。なお、姿勢制御板47と保持部材476については後述する図11により説明する。
前述したように後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1の前端は後方側棚部材10Rの板面の前端部分より前方に位置するように構成されている。そして、左右のフランジ10R1,10R1の前端側の自由端は内側に折り曲げて載置片10R13,10R13(図9参照)が形成されている。これらの載置片10R13,10R13は前方側棚部材10Fの当接片10F13,10F13を載置して前方側棚部材10Fとの連結に用いられるものである。
そしてまた、前述したとおり後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1の左右方向の幅は、前方側棚部材10Fの左右フランジ10F1,10F1の左右方向の幅より若干広幅に形成されており、後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1により前方側棚部材10Fの左右フランジ10F1,10F1を挟み込むことができるように構成されている。従って、前方側棚部材10Fの左右フランジ10F1,10F1の後端部を後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1の前端部に嵌め込んだうえで後方側棚部材10Rの載置片10R13,10R13の上に前方側棚部材10Fの当接片10F13,10F13を載置する態様で重ね合わせることにより前方側棚部材10Fと後方側棚部材10Rとが連結される。この場合、前方側棚部材10Fの板面の後縁が後方側棚部材10Rの板面の上に乗っており、前方側棚部材10Fの板面を転動若しくは滑動する商品が後方側棚部材10Rの前端部分に衝突することがないように構成されている。
これらの前方側棚部材10Fと後方側棚部材10Rとは、図3に示すように、左右一対のラック側板41,41に取付けられる。すなわち、左右一対のラック側板41,41の間に姿勢制御板47を保持する保持部材476を配設したうえでその保持部材476の円筒部477の両端および左右の係止片478aを左右一対のラック側板41,41に設けた保持部材取付け穴OP4(図11で詳述する)に挿入して架設した後、ピンP1,ピンP2を右側のラック側板41の外側からピン挿入孔OP1,OP2に挿入して左右のラック側板41,41に跨って架設する。次いで、後方側棚部材10Rを、その左右フランジ10R1,10R1の後端に形成した円弧状のカール係合部10R12,10R12を前記保持部材476に形成した円筒部477に嵌合させるとともに前記左右フランジ10R1,10R1の前方寄りに形成したピン挿通部10R11,10R11をピンP2に嵌合させる。この後、前方側棚部材10Fの左右フランジ10F1,10F1の後端部を後方側棚部材10Rの左右フランジ10R1,10R1の前端部に嵌め込んだうえで後方側棚部材10Rの載置片10R13,10R13の上に前方側棚部材10Fの当接片10F13,10F13を載置する態様で重ね合わせるとともにその左右のフランジ10F1の前端に形成したピン挿通溝10F11,10F11をピンP1に嵌合させる。これにより、前方側棚部材10Fと後方側棚部材10Rとが連結された状態で左右のラック側板41,41に架設される。
ここで、前方側棚部材10Fは、前述したラック側板41への取付け手順と逆の手順で取り外すことができ、商品収納通路43に商品詰り、特に商品搬出装置5が配設された商品収納通路43における商品搬出口45側で商品詰りが発生した場合には前方側棚部材10Fを取り外すことにより商品詰りを解消することができるものである。
仕切部材42は、前後方向に延在する態様で商品収納棚10に装着されて商品収納通路43を画成するものであり、図5の例(商品収納室14に収納設置される商品収納ラック4では1個の仕切部材42が用いられている。
図10は仕切部材42を示し、(a)は右斜め上方から見た斜視図、(b)は右斜め下方から見た斜視図である。この仕切部材42は、L字状に折り曲げた薄板鋼板になり、前方側棚部材10Fと後方側棚部材10Rからなる商品収納棚10の板面(通路面)に平行な商品載置部421と、前記通路面に鉛直な規制部422からなる。前記商品載置部421の前端には、前方側棚部材10Fの前端の垂下部110を囲繞するL字状の嵌合部4211が形成されている。この嵌合部4211は前方側棚部材10Fの垂下部110を包み込む態様で遊嵌されている。また、商品載置部421の板面における前方寄りには背面側に向けて突出するフック片421aが切り起こしにより形成されている。このフック片421aは、前方側棚部材10Fの板面の前方寄りに左右方向に延在するスリットとして形成されたガイド溝111に対応して形成され、ガイド溝111のうちの後方側の縁部を上方から押圧することにより板面を下方に撓ませた状態でフック片421aの先端を前方側棚部材10Fの板面の下方に潜り込ませることによりガイド溝111に遊嵌する態様で嵌合されるものである。さらに、商品載置部421のフック片421aの後方には背面側に向けて突出する前後一対の係合爪421b,421bが切り起こしにより形成されている。この係合爪421b,421bは、側面から見た場合略逆台形状に形成されている。この前後一対の係合爪421b,421bは、前方側棚部材10Fの板面に形成した前後の設定溝112,112にそれぞれ係合・離脱可能である。なお、規制部422の後端側は、後述する商品搬出装置5のストッパ部材52との干渉を避けるように切欠き4221により段差を形成し、その前方寄りには指を引っ掛けるための指掛け穴4222が形成されている。
前記仕切部材42は、次のように商品収納棚10に組付けることにより、図7に示すように、商品収納棚10に装着される。すなわち、商品収納棚10(前方側棚部材10Fと後方側棚部材10R)の上方位置であって、仕切部材42の商品載置部421に形成したフック片421aを前方側棚部材10Fの板面に形成したガイド溝111の前方側に位置させた状態で、ガイド溝111のうちの後方側の縁部を上方から押圧してその板面を下方に撓ませたうえでフック片421aの先端を前方側棚部材10Fの板面の下方に潜り込ませる。この状態ではフック片421aの基端部(鉛直部)がガイド溝111の前方に位置して仕切部材42の商品載置部421が商品収納棚10の板面から離隔しているので、フック片421aの基端部(鉛直部)がガイド溝111の位置に移動するように仕切部材42を後方に向けて移動させる。フック片421aの基端部(鉛直部)がガイド溝111の位置に到達すると、当該フック片421aの基端部(鉛直部)がガイド溝111に嵌まり込むことができるようになるので、フック片421aとともに仕切部材42を下方に向けて移動させると、商品載置部421が商品収納棚10の板面に接近する。この場合、仕切部材42のL字状の嵌合部4211の先端(L字の短い方向の脚片)が、前方側棚部材10Fの前端と干渉するので、嵌合部4211を前方に撓ませて前方側棚部材10Fの前端と干渉を防止しつつ商品載置部421が商品収納棚10の板面に到達するまで仕切部材42を下方に移動させる。商品載置部421が商品収納棚10の板面に到達すると、嵌合部4211の先端(L字の短い方向の脚片)が前方側棚部材10Fの垂下部110の下方に到達している。この状態で嵌合部4211に加えた外力を解除すると嵌合部4211が復元して前方側棚部材10Fの垂下部110を前方側から包み込むようになる。
仕切部材42の商品載置部421が商品収納棚10の板面に接近した際、商品載置部421の前後一対の係合爪421b,421bが前方側棚部材10Fの板面に形成した前後の設定溝112,112に対峙していない場合(前後一対の係合爪421b,421bが、前方側棚部材10Fの板面に当接している場合)には、仕切部材42を左右方向にスライドさせて前後一対の係合爪421b,421bを設定溝112,112に対峙させたうえで嵌合させると、仕切部材42の商品載置部421が商品収納棚10(前方側棚部材10Fおよび後方側棚部材10R)の板面に密着した状態で装着される。
仕切部材42は、前後方向に延在する態様で商品収納棚10に装着されて商品収納通路43を画成し、商品収納棚10へのセット位置を変更することにより商品収納通路43の通路幅(左右方向の幅)を変更可能なものである。図7では仕切部材42を商品収納棚10の左端側にセット(前方側棚部材10Fの板面に形成した前後の設定溝112,112のうちの左端側の設定溝112,112にセット)した場合を示し、この場合には商品収納棚10にロングサイズの商品に対応する商品収納通路43が画成される。この状態から、商品収納棚10の左端側にセットされた仕切部材42の設定位置を変更する場合には、仕切部材42の前端の垂下部110に指(例えば、親指)を押し当てるとともに仕切部材42の規制部422に設けた指掛け穴4222に指(例えば、人差し指)を引っ掛けた状態で、指掛け穴422に引っ掛けた指により仕切部材42を上方に持ち上げるような外力を加える。そうすると、前方側棚部材10Fの垂下部110を包み込むように配された仕切部材42のL字状の嵌合部4211の角(L字の角)が前記垂下部110の下端に当接し、当該当接点を支点として仕切部材42の後端側が浮き上がるように回動し、商品載置部421が商品収納棚10(前方側棚部材10Fおよび後方側棚部材10R)の板面から離隔して上昇する。仕切部材42の回動は、フック片421aの先端(水平部分の先端)が前方側棚部材10Fの背面に当接することにより制限される。このように回動が制限された状態で、商品載置部421に設けた前後一対の係合爪421b,421bが前方側棚部材10Fの板面に形成した前後の設定溝112,112から離脱している。仕切部材42を回動させた状態を維持しつつ所定の設定位置(例えば、左から5番目の設定溝112,112)まで右側方向にスライドさせる。仕切部材42を所定の設置位置に移動させたうえで仕切部材42に加えた外力を解除すると仕切部材42は下方に回動し、商品載置部421に設けた前後一対の係合爪421b,421bが所定の設定溝112,112に係合する。これにより、仕切部材42は、その商品載置部421が商品収納棚10の板面に密着し、仕切部材42の規制部422と左右のラック側板41,41との間に2列の商品収納通路43,43を画成する。この場合、2列の商品収納通路43,43の幅は、ロングサイズの商品の長さの略半分の長さのハーフサイズの商品に応じた幅となる。
前記商品収納棚10の後端(後方側棚部材10Rの後端)に近傍に配備される姿勢制御板47について図11により説明する。図11の(a)は姿勢制御板47を保持部材476に組付けた状態の斜視図、(b)は(a)の分解図である。
図11に示すように、姿勢制御板47は、薄板鋼板製の一枚の平板を加工してなり、当接部471、支持部472,473およびストッパ部474を有している。当接部471は、商品落下通路46を落下する商品Gと当接する部分であって、略矩平板状の当接面を有し、当接面には複数の通気孔471aが穿設されている。支持部472,473およびストッパ部474は、当接部471から延在して三股に分かれる態様で形成されている。支持部472,473はその自由端側が当接部471の平面に対して下方に離隔する態様で湾曲して延在する一方、ストッパ部474は当接部471の平面と同一平面上を延在している。支持部472,473は自由端側を中空円筒形状(カール状)に丸めて第1軸部472aと第2軸部473aとが形成してある。第1軸部472aと第2軸部473aとには棒状の軸部材475が挿通され、二股に分かれた支持部472,473の間には軸部材475が挿通されたコイルばね470が配設される。ストッパ部474の自由端側には、ストッパ部474の平面(当接部471の平面に同一)から直角に折り曲げてストッパ片474aが形成されている。このストッパ片474aは姿勢制御板47の当接部471が水平状態にある場合に、第1軸部472aと第2軸部473aより上方に位置している。
姿勢制御板47を保持する保持部材476は薄板鋼板製になる短冊状(左右方向に細長い平板状)の平板を加工してなり、長辺部側の一方を中空円筒形状(カール状)に丸めた円筒部477と平板部478とを有している。平板部478の左右両端にはラック側板41の板厚よりも大きな寸法の切り込みにより係止片478a,478aが形成されている。また、平板部478の左右両側と中央部には押出しにより後方側に突出した三角型の軸受部478b,478b,478bが形成され、右側(図11の場合には左側)の軸受部478bと中央部の軸受部478bとの間に開口部478cが形成され、開口部478cの正面視右斜め上方に三角状の係止部478dが形成されている。前記三角型の軸受部478b,478b,478bは軸部材475を保持するものであり、それぞれの左右両側にスリットを設けたうえで後方側に押し出すことにより、側面から見た場合に平板部478の板面を底辺とする三角型の挿通穴として形成され、この挿通穴に軸部材475が挿通されるものである。また、係止部478dはコイルばね470の一端を係止するものであり、この係止部478dも左右にスリットを形成して押し出すことにより、側面から見た場合に平板部478の板面を底辺とする三角型の係止穴として形成されている。なお、開口部478cはコイルばね470を配設することが可能な大きさに形成されている。
姿勢制御板47の保持部材476への取付けは、先ず、保持部材476の開口部478cにコイルばね470を配設する。この場合、コイルばね470には予め付勢力が付与されており、その一端を保持部材476の係止部478dに挿入して係止した状態でその他端を保持部材476の平板部478に当接させて付勢力を保った状態で粘着テープなどにより仮止めしておく。その後、姿勢制御板47の第1軸部472aを保持部材476の右側(図11の場合には左側)の軸受部478bと中央部の軸受部478bとの間に位置させるとともに姿勢制御板47の第2軸部473aを保持部材476の中央部の軸受部478bと左側(図11の場合には右側)の軸受部478bとの間に位置させる。この場合、コイルばね470、よび姿勢制御板47の第1軸部472a,第2軸部473aの中心線が保持部材476の軸受部478b,478b,478bの挿通穴と同一線上に位置させる。この状態で保持部材476の右側(図11の場合には左側)の軸受部478bの外側からは軸部材475を挿入し、順次、姿勢制御板47の第1軸部472a、コイルばね470、姿勢制御板47の第2軸部473a、保持部材476の中央部の軸受部478bおよび保持部材476の左側の軸受部478bに挿通させる。これにより、軸部材475が保持部材476の軸受部478b,478b,478bに保持される一方、姿勢制御板47が軸部材475を介して保持部材476と一体化される。この後、保持部材476の係止部478dに一端が係止されたコイルばね470の他端側を、当該コイルばね470を一端側に向けて圧縮させつつコイルばね470の他端を姿勢制御板47の支持部473の下面に潜らせて係止する。これにより、姿勢制御板47はコイルばね470により付勢力を付与されて右側面から見た場合に軸部材475を中心に反時計回り方向に回転する回動力を受けている。姿勢制御板47の回転は、姿勢制御板47のストッパ片474aが保持部材476の平板部478に当接することにより規制される。そして、姿勢制御板47の前記回転が規制された状態で姿勢制御板47は、その当接部471が保持部材476の平板部478に略直角の姿勢となるように構成されている。
姿勢制御板47が装着された保持部材476は左右のラック側板41を構成する後方側ラック部材41Rの板面の後方寄りの位置に形成した上下方向に10個の保持部材取付け穴OP4(図6参照)に挿通して架設される。図11には保持部材取付け穴OP4を拡大して示し、保持部材取付け穴OP4は、保持部材476の円筒部477の端部が挿入される丸穴OP41と、平板部478の両端に形成した係止片478aが挿入される角穴OP42とからなるものである。そこで、保持部材476は、保持部材476の円筒部477の端部を丸穴OP41に挿入すると同時に保持部材476の係止片478aを角穴OP42に挿入したうえで後方側ラック部材41Rの外側に突出した係止片478aを後方側ラック部材41Rの板面に沿って折り曲げることにより左右のラック側板41,41に架設される。保持部材476を左右のラック側板41,41に架設した状態で姿勢制御板47はコイルばね470の付勢力により商品落下通路46に突出する突出位置して待機状態となる。そして、姿勢制御板47は、コイルばね470の付勢力により商品落下通路46を落下する商品Gにより押し開かれて商品落下通路46から退避した後、商品落下通路46に突出した突出位置に自動的に復帰する。
最上段の商品収納棚10に画成された商品収納通路43の上方に配設されたメック係止部材100(図1,図5参照)は、その最上段の商品収納棚10に商品収納通路43に収納された商品を一個ずつ切り出す商品搬出装置5を取付けるためのものである。前記メック係止部材100は、この実施の形態においては後方側棚部材10Rを商品収納棚10として用いている。
前記メック係止部材100の後端上方位置に配設された庫内上部ファンF2は、ボックス型ファンからなる。この庫内上部ファンF2は、図5に示すように、薄板鋼板製の取付部材410に下方を向く態様で取付けられ、この取付部材410を介して左右一対のラック側板41,41に架設されている。取付部材410は、図12に示すように、左右一対のラック側板41,41の間の幅に対応する基台411の略中央位置に開口412が設けられている。基台411の前後両端には折り曲げにより前フランジ413および後フランジ414が形成されている。前記前フランジ413の左右両端にはねじ穴413a,413aが設けられている。これらのねじ穴413a,413aに対応して左右一対のラック側板41,41を構成する後方側ラック部材41Rには内側に向けて切り起こした係止片部41R5(図4,図6参照)が形成され、その係止片41R5にねじ挿入穴41R51(図12の図外に拡大して示す)が設けられている。また、前記後フランジ414には左右に分散して複数のねじ挿通穴414aが設けられている。庫内上部ファンF2は、取付部材410における基台411の開口412に位置を合せてねじ止めすることにより取付部材410に一体的に固定される。
庫内上部ファンF2が組付けられた取付部材410の後フランジ414は、図13に示すように、上部ダクト部材70bの上部にねじ挿通穴414aを介してねじ止めされる。上部ダクト部材70bは、上下方向に延在する横断面コ字形の薄板鋼板製になり、本体キャビネット1の背壁1cに沿う態様で左右一対のラック側板41,41に架設される。すなわち、上部ダクト部材70bの左右方向の幅は左右一対のラック側板41,41の幅に相当している。そして、コ字形の左右の脚片(フランジ)を左右一対のラック側板41,41を構成する後方側ラック部材41Rにねじ止めすることにより左右一対のラック側板41,41に架設される。また、上部ダクト部材70bの板面における上下方向の中央領域から下方領域にかけて複数の通気穴70cが分散して穿設されている。上部ダクト部材70bの板面における上下方向の中央領域は、上下方向に多段に配設された商品収納棚10の略中段(この実施の形態では下から5段目の商品収納棚10)に対応し、上下方向に多段に配設された商品収納棚10のうちの中段以下の商品収納棚10に対応して複数の通気穴70cが設けられている。前記通気穴70cは、図13の図外に拡大して示すようにその板面に穿孔された丸穴からなる。上部ダクト部材70bの板面の下端には係合片701が段差を有する態様で設けられている。この係合片701は下部ダクト部材70aの上部前面に対峙するものであり、その下部ダクト部材70aの上部前面に密着させるために不図示のクッションが貼着されている。
前記庫内上部ファンF2は、左右一対のラック側板41,41に架設された上部ダクト部材70bの上部に取付部材410の後フランジ414をねじ止めした後、取付部材410の前フランジ413の左右両端に設けたねじ穴413a,413aを、左右一対のラック側板41,41を構成する後方側ラック部材41Rに内側に向けて切り起こした係止片部41R5,41R5(図4,図6参照)の係止片41R5,41R5に設けたねじ挿入穴41R51,41R51に対峙させてねじを螺合させることにより左右一対のラック側板41,41に架設される。
図13には、庫内上部ファンF2の上方側に位置して庫内上部ファンF2と間隔を存する態様で配設される遮蔽部材200をも示している。この遮蔽部材200は、前記上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気が本体キャビネット1の上壁1aに直接接触するのを防止するものである。前記遮蔽部材200は、左右一対のラック側板41,41の間の幅に略一致する幅を有する矩形平板状の薄板鋼板製になる。遮蔽部材200の左右両端にはそれぞれ下方に延在する態様で折り曲げて形成された前後一対の取付片201が設けられている。これらの取付片201には切り起こしにより係合片201aが形成されている。この遮蔽部材200は、左右一対のラック側板41,41の間に配設したうえで左右前後一対の取付片201に設けた係合片201aを左右一対のラック側板41,41を構成する後方側ラック部材41Rに設けた係止孔41R6(図6の(b)参照)に挿入し、後方側ラック部材41Rから外側に突出した係合片201aを折り曲げることにより左右一対のラック側板41,41に架設される。なお、遮蔽部材200の後端には下方に傾斜したガイド板202が一体的に設けられ、前記上部ダクト部材70bを介して上昇した庫内空気を前方側に案内するように構成されている。
商品収納ラック4の下部に配された商品搬出シュート6と、冷却/加熱ユニット7の風洞40(図1参照)に連なる下部ダクト部材70aを図14〜図17に示している。図14に示すように、商品搬出シュート6は、鋼板製のメインシュート61とサブシュート62とからなり、メインシュート61の後方にサブシュート62が連なり、メインシュート61の板面に対してサブシュート62の板面が高くなる態様で配される。
メインシュート61の板面には複数の通気孔61aが穿孔されている。通気孔61aは、メインシュート61の後段側を除いた中段および前段側に穿孔されている。メインシュート61の前端には下方に屈曲した固定部611が形成されている。この固定部611は、本体キャビネット1の前壁に沿うものであって、その板面にはねじ挿通穴611aが形成されて本体キャビネット1の前壁にねじ止めされる。また、メインシュート61の後端には下方に折り曲げられるとともに後方に向けて屈曲した取付部612(図15、図16参照)が形成されている。この取付部612は、下部ダクト部材70aにねじ止めされた補強金具64に係止される固定金具63の前方側下面にねじ止めして係止される。
固定金具63は、下部ダクト部材70aにねじ止めされる補強金具64に載置される態様で配設され、その板面には2個のフック片632,632が形成されている。また、固定金具63の前縁における左右両端には左右一対の中空円筒形状(カール状)の軸挿通部63a,63a(図16参照)が上方に張り出して形成されている。さらに、固定金具63の後フランジ631の上部には前方に向けて屈曲した庇部6311が形成されている。
補強金具64は天板641と背板642とフランジ643aを有する左右側板643,643とからなる。補強金具64は展開状態で奴だこの形状をなすとともに腕部を振袖付きに形成し、奴だこの頭部,胴部,腕部が天板641,背板642,左右側板643をなし、腕部の振袖が左右側壁のフランジをなす態様で形成されている。この補強金具64は左右側板643,643のフランジ643aを背板642に溶接して天板641が略水平をなしている。天板641と背板642は凹状に形成され、天板641の凹部に固定金具63の板面には2個のフック片632,632が係合するように構成されている。背板642が凹状に形成されているのは、後述する下部ダクト部材70aの前面壁71に形成した入口側開口74を閉塞するのを防止するためである。
メインシュート61の後方に連なるサブシュート62は、メインシュート61の幅に略一致する幅の矩形状の着地面621を有するプレートとして形成されている。図16に示すように、サブシュート62における着地面621の前縁から下方に屈曲して形成したフランジ622の下縁には、左右一対の中空円筒形状(カール状)の軸挿通部622a,622aが下方に張り出して形成されている。この左右一対のカール状の軸挿通部622a,622aは、固定金具63の前縁に形成した左右一対のカール状の軸挿通部63a,63aの間に位置する態様で形成されている。サブシュート62は、左右一対のカール状の軸挿通部622a,622aを固定金具63の左右一対のカール状の軸挿通部63a,63aの間に位置させたうえで両者にピンPN(図16参照)を挿通することにより固定金具63に揺動自在に連結されている。前記ピンPNには捻りコイルばねSP0(図16参照)が巻回されている。捻りコイルばねSP0は、その一端を固定金具63に係止する一方、他端をサブシュート62に係止することによりサブシュート62に固定金具63から離隔する方向に付勢力を付与するものである。したがって、サブシュート62は、捻りコイルばねSP0による付勢力を受けてピンPNを支点として上下方向に揺動自在である。前記サブシュート62の上方への揺動は、サブシュート62の後端が、固定金具63の後フランジ631の上部に前方に向けて屈曲した庇部6311に当接することにより規制されるものである。このように、上方への揺動が規制された位置がサブシュート62の上昇した待機位置となる。これにより、サブシュート62は、上昇した待機位置に復帰するように捻りコイルばねSP0により付勢力を受けた可動式として形成されている。なお、サブシュート62の上昇した待機位置ではサブシュート62の着地面621がメインシュート61の板面と面一となるのが理想的であるが、組立て誤差などによりサブシュート62の着地面621がメインシュート61の板面よりも低くならないように、サブシュート62の着地面621がメインシュート61の板面よりも僅かに高い位置となるように構成されている。また、捻りコイルばねSP0は、サブシュート62の後端側に落下した商品を跳ね返すことがないように、サブシュート62を上昇した待機位置に復帰させる程度の比較的弱い付勢力を有するものが適している。
サブシュート62と固定金具63の板面との間にはクッション65が配設されている。このクッション65は、図16に示すように、角柱状をなし、固定金具63に貼着されている。このクッション65は、低反発の発泡ゴムが適している。
このように、商品搬出シュート6は、待機状態でサブシュート62が捻りコイルばねSP0の付勢力により上昇し、サブシュート62の後端が固定金具63の後フランジ631の上部に前方に向けて屈曲した庇部6311に当接した状態で待機位置に復帰している。そして、固定金具63に貼着されたクッション65は、商品がサブシュート62に落下した時の衝撃荷重を吸収する。
下部ダクト部材70aは、図16に示すように、横断面凹状に形成した薄板鋼板製になり、矩形平板状の前面壁71と左右側壁72,72とからなり、左右側壁72,72の内側にクッション73,73が貼着されてなる。前面壁71の略中央下部寄りには風洞40の出口に連通する入口側開口74が形成されるとともに補強金具64を固定する上下一対のねじ穴75,75が形成されている。また、前記入口側開口74の左右両端には風洞40を係止するスリット状の係止溝76,77が上下対として形成されている。
この下部ダクト部材70aは、その下端を本体キャビネット1の底壁1dに載置するとともに左右側壁72,72を両面テープにより本体キャビネット1の背壁1cに接着させる態様で配設され、下部ダクト部材70aの前面壁71と左右側壁72,72と本体キャビネット1の背壁1cで囲まれた空間が庫内空気の流れる通路となり、その上端が上部ダクト部材70bの下端に連通する出口側開口78となる。図18には上部ダクト部材70bを示しており、本体キャビネット1の背壁1cに沿って配設された下部ダクト部材70aの前面壁71の前面上部に上部ダクト部材70bの下端に設けた係合片701が重ね合わせた状態で配設される。これにより、上部ダクト部材70bが下部ダクト部材70aの出口側開口78に連通する。
ここで、前記上部ダクト部材70bは左右のラック側板41,41に架設されており、商品収納ラック4を商品収納庫に収容する段階で補強金具64に固定金具63が連結されている場合には固定金具63が邪魔となって商品収納ラック4(上部ダクト部材70b)を商品収納庫に収容できないことから、固定金具63を商品搬出シュート6と一体のモジュールとして構成し、商品収納ラック4を商品収納庫に収容した後にモジュール化された商品搬出シュート6を配設するようにしている。すなわち、図18に示すように、クッション65が貼着された固定金具63は、その軸挿通部63a,63aとサブシュート62の軸挿通部622a,622aとに挿通されるところの、捻りコイルばねSP0が巻回されたピンPNを介してサブシュート62と連結され、かつ、固定金具63の前方側下面にメインシュート61の後端に形成した取付部612をねじで係止することよりメインシュート61と連結されて商品搬出シュート6とともにシュートユニット600としてモジュール化される。その一方、補強金具64は下部ダクト部材70aにねじ止めされたうえで、商品収納ラック4を商品収納庫に収容する前工程において下部ダクト部材70aを本体キャビネット1の背壁1cに沿って配設することにより商品収納庫内に予め配設される。そして、商品収納ラック4を商品収納庫に収容した後、シュートユニット600を商品収納庫内に配設する段階において、固定金具63に設けた2個のフック片632,632を下部ダクト部材70aに固定して配設された補強金具64における天板641の凹部に係合させたうえでメインシュート61の前端に設けた固定部611を本体キャビネット1の前壁にねじ止めすることにより商品収納庫内に配設される。
このように、固定金具63はその板面に設けた2個のフック片632,632を補強金具64の天板641に係合させることにより補強金具64の天板641の上に載置される態様で配設され、前記2個のフック片632,632を天板641から離脱させることにより補強金具64と分離可能に構成されていることから、固定金具63に貼着されたクッション65および固定金具63とサブシュート62とを連結するピンPNに巻回された捻りコイルばねSP0によって商品がサブシュート62に落下した時の衝撃荷重を吸収することが可能な商品搬出シュート6を適切に設けることが可能となる。
なお、サブシュート62は、固定金具63に揺動自在に軸支されるものに限らず、メインシュート61と蝶番を介して連結されるとともにばね部材により待機位置に復帰するように構成することもできるものである。
前述したように商品搬出装置5により商品収納通路43に搬出された商品Gは、姿勢制御板47(図1参照)により落下速度が低減されるとともに姿勢矯正されたうえで商品搬出シュート6のサブシュート62における着地面621(図14参照)に落下する。サブシュート62の着地面621に商品Sが落下するとクッション65が縮んでサブシュート62の下降を許容しつつ商品Gの落下衝撃(鉛直方向の分力)を吸収する。そして、サブシュート62に落下した落下衝撃(鉛直方向の分力)をクッション65により吸収された商品Gは前方に向かう分力によりサブシュート62からメインシュート61に転動若しくは滑動移動した後、メインシュート61から、図1に示す断熱内扉3に設けた内扉搬出口3aのフラッパ3bを押し開いたうえで外扉2の商品取出口2aに送出される。商品Sがサブシュート62からメインシュート61に乗り移った後、サブシュート62は、クッション65の復元力により上昇して待機位置に復帰する。ここで、クッション65は、低反発力のものが採用されているので、サブシュート62に落下した商品Gが跳ねてバウンドすることがなく、炭酸ガスを混和させた飲料のフォーミングの発生を抑制することが可能である。
次に、商品搬出装置5の構成について図19乃至図27を用いて説明する。前記商品搬出装置5は、この実施の形態では図19,図20に示すように、商品搬出装置5A,5Bを備えている。この実施の形態の前記商品搬出装置5A,5Bは、前述した仕切部材42を適宜操作することにより商品収納棚10上にロングサイズの商品の長さの商品収納通路(商品コラム)と、このロングサイズの商品の長さの略半分の長さのハーフサイズの商品に応じた幅となる2列の商品収納通路(商品コラム)に区画設定することができる場合に対応するものである。商品搬出装置5A,5Bは、それぞれ払出機構50A,50Bと、この払出機構50A,50Bを駆動するモータ駆動ユニット(駆動装置)70A,70Bと、払出機構50A,50Bに対応して売切検出スイッチ91を内蔵する配線ガイド部材90A,90Bとを備えている。なお、商品搬出装置5A,5Bにおける搬出機構51A,51B、モータ駆動ユニット(駆動装置)70A,70B、売切検出スイッチ91を内蔵する配線ガイド部材90A,90Bとはそれぞれ同一構成になるものであり、以下の説明では主に払出機構50A側の部品について説明し、両者に同一のものには「A」「B」の符号を割愛し、両者を区別する場合に「A」「B」の符号を付して説明するものとする。
商品搬出装置5の払出機構50は、商品収納通路43に出没自在に回動軸57(図22等参照)に軸支されるとともに販売順位一番の商品G(後述する図32に示すように最後端の商品であり、販売商品Gともいう)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置と前記販売商品Gの保持を解放する態様で商品収納通路43から退避する退避位置との間を移動可能に設けた第1ストッパ部材52 (図21,図22等参照)と、商品収納通路43に出没自在に前記回動軸57に軸支されるとともに商品収納通路43から退避する退避位置と販売商品Gに続く販売順位二番の商品G(最後端の商品に続く商品であり、次販売商品ともいう)を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置との間を移動可能に設けた第2ストッパ部材53 (図21,図22等参照)と、前記第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53を突出位置と退避位置とに移動させる後部リンクピン55(図22等参照)および前部リンクピン56(図22等参照)を支持し、復帰ばね540(図19,図22等参照)によって後退位置に向けて付勢されたリンク機構54などからなる。そして、払出機構50は回動軸57,後部リンクピン55および前部リンクピン56を保持するために機構部保持部材51を備えている。前記機構部保持部材51に保持された回動軸57を介して第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53が回動自在に取付けられ、前記機構部保持部材51に保持された後部リンクピン55および前部リンクピン56を介してリンク機構54が前後方向に移動自在に取付けられている。
機構部保持部材51は、図23に示すように、底面と前後面が開口した箱形をなし、天井壁511と左右側壁512,513を備えてなる。前記左側壁512に連ねて、当該左側壁512とともに凹状溝を形成する態様でガイド壁514が設けられている。ガイド壁514の先端側(自由端側)は外方に直角に折り曲げて水平面をなす取付け片5141として形成され、その取付け片5141にはねじ孔5141aが穿設されている。前記右側壁513には当該右側壁513とともに凹状溝を形成する態様でガイド壁515が設けられている。ガイド壁515の先端側(自由端側)は外方に直角に折り曲げて水平面をなす取付け片5151として形成され、その取付け片5151にはねじ孔5151aが穿設されている。
前記左右側壁512,513には、前後方向に延在する長穴516,517が段違いに設けられている。長穴517は左右側壁512,513に直接形成されているのに対し、長穴516は左右側壁512,513に穿った窓5121,5131(図24参照)に嵌め込まれる合成樹脂製の軸受部材501,502に形成されている。前記長穴516,517は、商品搬出装置5の払出機構50に関わるリンク機構54に支持された後部リンクピン55,前部リンクピン56をそれぞれ前後方向にスライド移動可能に支持するものである。また、前記左右側壁512,513およびガイド壁514,515には、前記長穴516の後方側であって前記長穴517の下方位置に支軸穴518が形成されている。各支軸穴518は左右側壁512,513とガイド壁514,515との間に形成される凹状溝の底壁にまで延在して形成されている。前記各支軸穴518は、前記第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53に関わる共通の回動軸57を支持するものである。
前記軸受部材501は、図24の(b)に示すように本体部5011と脚片部5012からなり、本体部5011に長穴516が形成され、脚片部5012には軸挿通穴501aが形成されている。長穴516が形成された本体部5011の一側面(正面視右側面)には、機構部保持部材51の左側壁512に穿った窓5121の形状に一致し、かつ、左右側壁512の板厚に相当する高さの嵌合部5013を有し、この嵌合部5013の後端下部に下方を向く態様の引掛け爪501bが形成されている。また、本体部5011の前縁には右を向く態様の引掛け爪501cが形成されている。軸受部材501は、引掛け爪501bを左側壁512の窓5121の窓縁に引っ掛ける態様で嵌合部5013を前記窓5212に嵌合させつつ引掛け爪501cを左側壁512に形成した係止角穴5122(図23の(b)参照)に係合させることにより左側壁512に係止固定される。この場合、脚片部5012に設けた軸挿通穴501aが左側壁512に形成した前記支軸穴518と同軸上に位置しており、軸挿通穴501aに回動軸57が挿通されることにより軸受部材501の脱落が防止されるように構成されている。なお、軸受部材502は軸受部材501と左右対称の構成を有するものであり、図24の(a)に示すように、嵌合部5023,軸挿通穴502a,引掛け爪502bおよび引掛け爪502cを備えている(嵌合部5023および引掛け爪502cは図では本体部5021に隠れて見えないので引出線を点線で示している)。この軸受部材502も軸受部材501と同様の作業により右側壁513に係止固定されるものである。
また、前記軸受部材501,502に形成された長穴516,516は、図24の(b)に示すように、前後方向の後端部(前後方向にスライド移動する後部リンクピン55の後退位置に相当する部分)においては、支軸穴518に対応する軸挿通穴501a,502aから離隔する方向に湾曲する態様で形成された荷重低減部5161を設けている。この荷重軽減部5161は後退位置(長穴516の後端部)に移動した状態で支軸穴518に挿通される回動軸57を支点として回動する第1ストッパ部材52を商品収納通路43に突出した突出位置に保持(ロック)する後部リンクピン55が受ける商品荷重を、支軸穴518に挿通される回動軸57から離隔する方向に移動させることにより軽減するものである。そして、後部リンクピン55が受ける商品荷重が軽減されることによりロック状態を解除する力をも低減することが可能である。
また、左右側壁512,513とガイド壁514,515との間に形成される凹状溝の底壁には前記支軸穴518に近接して開口部519が形成されている。この開口部519には、後述する図25に示した第1ストッパ部材52の突起525が臨むように構成されている。
なお、前記機構部保持部材51に設けた長穴517および支軸穴518の穴周縁はヘミング加工若しくはバーリング加工を施して前部リンクピン56および回動軸57との摩擦を低減するように構成されている。なお、実施の形態では長穴516については合成樹脂製の軸受部材5132に形成するように構成しているが、長穴517と同様に左右側壁512,513に直接形成してもよいものである。
機構部保持部材51における天井壁511の後端側には左右一対の開口511a,511aが形成され、また、天井壁511の前方寄りには天窓511bが形成されている。前記開口511a,511aは後述する第1ストッパ部材52の軸受部522(後述する図25参照)の逃げ穴を構成するものであり、前記天窓511bは、リンク機構54を後退位置に向けて付勢する復帰ばね540との干渉を避けるためのものである。前記天窓511bの後縁には下方に延在する舌片511cが形成され、天井壁511から舌片511cに跨る係止穴511dを設けている。この係止穴511dは、前記復帰ばね540の一端が係止されるものである。さらに、天窓511bの前方域の天井壁511には下方に突出するリブ5111(この実施の形態では5個のリブ)が前後方向に延在する態様で形成されている。
なお、左側壁512に連ねて設けたガイド壁514に穿設したガイド穴514a(図24参照)、および右側壁513に連ねて設けたガイド壁515に穿設したガイド穴515a(図23の(b)参照)は、左右側壁512,513に設けた支軸穴518に回動軸57を架設する際に用いられるものである。また、左側壁512に連ねて設けたガイド壁514に穿設したガイド穴514b,514c(図24参照)、および右側壁513に連ねて設けたガイド壁515に穿設したガイド穴515b,515c(図23の(b)参照)は、左右側壁512,513に設けた長穴516,517に後部リンクピン55,前部リンクピン56を架設する際に用いられるものである。
機構部保持部材51は、左右側壁512,513およびガイド壁514,515に形成した支軸穴518に保持される回動軸57により第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53を軸支し、左右側壁512,513に形成した長穴516,517に挿通される後部リンクピン55,前部リンクピン56にリンク機構54を連結させたうえでガイド壁514、515から外方に延在する取付け片5141,5151を、前述した後方側棚部材10Rの後方寄りに窪み部として形成した固定部125,126若しくは固定部127,128(図7,図9参照)の背面に当接させた後、その窪み部の底面に設けたねじ挿通穴125a,126a(若しくはねじ挿通穴127a,128a)を介して前記取付け片5141,5151に設けたねじ孔5141a,5151aにねじを螺合させることにより商品収納棚10に直付けされる。
商品搬出装置5における払出機構50を構成する第1ストッパ部材52は、図25に示すように、縦断面凹状の保持部521と、この保持部521の基端側から保持部521と反対方向に延在する2個の軸受部522を一体に形成した合成樹脂(たとえば、ポリアセタール)製になる。縦断面凹状の保持部521は、後方側に凹んだ商品受容部521aを備えている。この商品受容部521aは大径の商品を受容するものであり、第1ストッパ部材52により保持される大径の商品(販売商品)の位置を商品収納棚10の後端寄りに移動させることによって商品収納通路43に収納する収容数の増大を図るものである。前記2個の軸受部522,522の間の寸法は、前述した機構部保持部材51の左右側壁512,513の間の寸法よりも小さく定められている。前記軸受部522には異形孔523と軸挿通穴524が形成されている。前記軸挿通穴524は、回動軸57を挿通するためのものである。回動軸57には、捻りコイルばね570(図22参照)が巻装され、第1ストッパ部材52は、この捻りコイルばね570の弾性付勢力によって商品収納通路43への突出位置に向けて常に付勢されている。前記異形孔523は、リンク機構54に支持された後部リンクピン55の端部を摺動させ、後部リンクピン55の前後方向へのスライド移動を許容するとともに後部リンクピン55と協働して第1ストッパ部材52の動作範囲を規制するためのものである。そして、この異形孔523は、後退位置(機構部保持部材51の左右側壁512,513に設けた長穴516の後端位置)にスライド移動した後部リンクピン55と当接して第1ストッパ部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックするロック溝部523a(後述する図31、図32も参照)を備えている。
また、第1ストッパ部材52は、保持部521の基端側における2個の軸受部522,522の外方寄りに保持部521と反対方向に延在する突起525を備えている。これらの突起525,525の間の間隔は、前述した機構部保持部材51における左右側壁512,513とガイド壁514,515との間に形成される凹状溝の間の間隔に一致している。そして、これらの突起525,525は、第1ストッパ部材52が回動軸57を中心に商品収納通路43に突出するように回動して最大開度に開いた際に前述した機構部保持部材51における左右側壁512,513とガイド壁514,515との間に形成される凹状溝の底壁に形成した開口部519,519に進入するように構成されている。
商品搬出装置5における払出機構50を構成する第2ストッパ部材53は、合成樹脂(例えば、ポリアセタール)製になり、図26に示すように、基端部側に形成された軸挿通穴532を備えた2個の軸支部531と、先端側に形成され商品の保持部533と、基端部と先端の保持部533との間の胴部530に形成した左右一対のストッパ壁534とが一体成形されている。左右一対のストッパ壁534には凹状の摺動溝534aが形成され、この摺動溝534aに連ねてストッパ面534bが形成されている。左右の軸支部531の間の寸法は、第1ストッパ部材52の軸挿通穴524が設けられた2個の軸受部522の間の寸法よりも大きく、かつ、前述した機構部保持部材51の左右側壁512,513の間の寸法よりも小さく定められている。また、胴部530における商品収納通路43に臨む面には基端部から保持部533に向けて延在する複数のリブ530aが形成されている。
前記軸支部531に形成され軸挿通穴532は、回動軸57を挿通するためのものである。前記保持部533は、第2ストッパ部材53が商品収納通路43に突出した際に商品と当接して当該商品を保持するものである。また、前記ストッパ壁534に形成した凹状の摺動溝534aは、前後方向にスライド移動する前部リンクピン56が摺動可能であり、後退位置(機構部保持部材51の左右側壁512,513に形成した長穴517の後端位置)にスライド移動した前部リンクピン56を受け入れて第2ストッパ部材53を商品収納通路43から退避した退避位置にロックし、前部リンクピン56が後退位置から前方にスライド移動する際に第2ストッパ部材53を商品収納通路43に向けて押し出すものである。また、前記ストッパ壁534における摺動溝534aに連なるストッパ面534bは、前進位置(機構部保持部材51の左右側壁512,513に形成した長穴517の前端位置)にスライド移動した前部リンクピン56に当接して商品収納通路43に突出した第2ストッパ部材53が退避位置に向けて移動するのを阻止して当該第2ストッパ部材53を突出位置でロックするものである。
前記胴部530に形成された複数のリブ530aは、商品販売時における販売商品Gとの接触面積を小さくして販売商品Gの搬出を助けるものである。すなわち、商品収納庫内に収納される商品収納棚10の傾斜角度を漸減させた場合、待機状態で商品収納通路43に突出した第1ストッパ部材52により保持されて静止状態にある販売商品Gが商品販売時に商品収納通路43から退避する第1ストッパ部材52により保持状態を解除された際に搬出通路46に向かって転動を開始するまでの時間が長くなる。つまり、商品収納庫内に上下方向に配設される商品収納棚10の段数を増加させた場合には商品収納棚10の傾斜角度が小さくなるので、販売商品Gが静止状態を解除されてから転動を開始するまでの時間が長くなる。このような場合、第1ストッパ部材52が商品収納通路43から退避すると同時に商品収納通路43に突出する第2ストッパ部材53の胴部530が販売商品Gを前方側斜め上方から押圧して販売商品Gの転動を促し、販売商品Gの搬出に寄与する。ところが、第2ストッパ部材53の胴部530が平坦面である場合、販売商品Gとの接触が販売商品Gの長手方向の線となって接触面積が大きくなる。この場合、商品Gの容器が薄いプラスチック製であると第2ストッパ部材53の胴部530が商品Gに当接した際に容器が変形して接触面積が増大してしまう。このように、第2ストッパ部材53と販売商品Gとの接触面積が増大した場合、第2ストッパ部材53と商品収納棚10の間に販売商品Gが挟み付けられて動かなくなるおそれがある。かかる点、この実施の形態のように第2ストッパ部材53の胴部530に複数のリブ530aを形成すると、販売商品Gとの接触が略点接触となるので摩擦抵抗を小さくすることができ、仮に商品Gの容器が薄いプラスチック製である場合に第2ストッパ部材53の胴部530が商品Gに当接した際に容器が変形したとしても、複数のリブ530aにより容器と胴部530の間に隙間が生じるので接触面積を低減して摩擦抵抗を軽減することができ、第2ストッパ部材53により販売商品Gの転動を促進してスムーズに搬出させることが可能となるものである。
なお、第2ストッパ部材53の軸支部531の外周縁にはストッパ531aが径外方向に突出形成されている。このストッパ531aは、第2ストッパ部材53が商品収納通路43に突出した際に前記機構部保持部材51の右側壁513とガイド壁515との間に形成された凹状溝の背面に当接するように構成され、第2ストッパ部材53の突出位置を規制するものである。
前記第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53を軸支する回動軸57の前記機構部保持部材51への組み付けは、第1ストッパ部材52の軸受部522,522および第2ストッパ部材53の基端部531,531を機構部保持部材51の左右側壁512,513の所定位置に配設する。この場合、所定位置とは、第1ストッパ部材52に設けた2個の軸受部522,522の外側に第2ストッパ部材53に設けた2個の軸支部631,631が位置する態様で配設したうえで、第1ストッパ部材52に設けた2個の軸受部522,522の軸挿通穴524および第2ストッパ部材53に設けた2個の軸支部531,531の軸挿通穴532が、機構部保持部材51の左右側壁512,513およびガイド壁514、515に形成した支軸穴518と一直線上に位置することを指している。このように、第1ストッパ部材52の軸受部522,522および第2ストッパ部材53の軸支部531,531を機構部保持部材51の左右側壁512,513の所定位置に配設したうえで、機構部保持部材51のガイド壁514の外側から当該ガイド壁514に形成したガイド穴514aに回動軸57を差し込み、回動軸57を左右側壁512,513およびガイド壁514、515に形成した支軸穴518,518に順次挿通させて架設すると、第1ストッパ部材52と第2ストッパ部材53が回動軸57に軸支されることとなる。
商品搬出装置5における払出機構50を構成するリンク機構54は、図27に示すように、鋼板製のリンク部材541を備えている。リンク部材541は、短冊状の鋼板の前後方向の中央部を中央天面541aとしてなる略凸状に折り曲げて形成されている。前記中央天面541aは平坦部として形成され、この中央天面541aの前縁から下方に直角に折り曲げられた係合壁面541bを有している。この中央天面541aは、後述する駆動部保持部材80の後フランジ84を跨いで係合壁面541bが後フランジ84の前方側に位置するように構成されている。リンク部材541の後方側の左右両端から上方に延在する支持脚5410,5410が形成され、それらの支持脚5410,5410に後部リンクピン55が貫通する貫通穴からなる支持部542,542、およびその支持部542,542の前方側に位置して前部リンクピン56が貫通する貫通穴からなる支持部543,543が形成されている。前記支持部542,542は、後部リンクピン55の両端を支持してリンク部材541の前後方向への往復動作に連動して当該後部リンクピン55を前後方向に移動させるものである。前記支持部543,543は、前部リンクピン56の両端を支持してリンク部材541の前後方向への往復動作に連動して当該前部リンクピン56を前後方向に移動させるものである。
リンク部材541の前方側には、このリンク部材541の前後方向への往復移動をガイドするガイド部材546に案内される摺動部材545を固定する固定部541cとして形成されている。ガイド部材546は平板状の基台5460の前後方向の中央部の左右両端から上方に延在するガイド脚5462,5462が設けられている。前記ガイド部材546は、その基台5460にねじ穴5461を有し、後述するモータ駆動ユニット70を取り付けるための駆動部保持部材80の背面(下面)側に位置させ、ガイド脚5452,5452を駆動部保持部材80の前後方向に延在する左右一対のガイド溝8c,8cに挿入したうえでねじ穴5461を介して駆動部保持部材80に固着されるものである。左右一対のガイド溝8c,8cのうち、図22に示した左側のガイド溝8cは係止角穴8bと一体に形成されている。摺動部材545は合成樹脂製になり、左右両側に後方側が開放した挿入溝545aを有し、この挿入溝545aを前記固定部541cに嵌合させることによりリンク部材541と一体化される。
そして、リンク部材541の中央天面541aの後縁には係止穴544が設けられている。この係止穴544はリンク部材541を後退位置に向けて付勢する復帰ばね540のフック状の他端を引っ掛けて係止するものである。
前記リンク部材541は、後部リンクピン55および前部リンクピン56とともに機構部保持部材51に組み付けられる。すなわち、前述したように機構部保持部材51の左右側壁512,513の間に第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53を配設して回動軸57により組み付けた後、リンク部材541の後方側の支持脚5410,5410を、第1ストッパ部材52の2個の軸受部522の間に配設した状態で後部リンクピン55および前部リンクピン56を組み付ける。
この場合、後部リンクピン55は、リンク部材541における左右の支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)542と第1ストッパ部材52の2個の軸受部522,522に設けた異形孔523とが、機構部保持部材51の左右側壁512,513に取付けた軸受部材501,502に設けた長穴516,516と一直線上に位置させた状態で、機構部保持部材51のガイド壁514に穿設したガイド穴514b(図24参照)の外側から差し込んで左右側壁512,513に取付けた軸受部材501,502に設けた長穴516,516に跨るように装着する。これにより、後部リンクピン55は、リンク部材541の支持部(貫通穴)542,542に支持されるとともに第1ストッパ部材52の2個の軸受部522,522に設けた異形孔523,523に挿通された状態で左右側壁512,513に設けた長穴516,516に跨って保持される。その一方、前部リンクピン56は、リンク部材541における左右の支持脚5410,5410に設けた支持部(貫通穴)543と第2ストッパ部材53の左右のストッパ壁534,534に形成した凹状の摺動溝534a,534aとが、機構部保持部材51の左右側壁512,513に形成した長穴517,517と一直線上に位置させた状態で、機構部保持部材51のガイド壁514に形成したガイド穴514c(図16参照)の外側から差し込んで左右側壁512,513に形成した長穴517,517に跨るように装着する。これにより、前部リンクピン56は、リンク部材541の支持部(貫通穴)543,544に支持されるとともに第2ストッパ部材52の左右のストッパ壁534,534に設けた凹状の摺動溝534a,534aに挿通された状態で左右側壁512,513に形成した長穴517,517に跨って保持される。
このように、リンク部材541を機構部保持部材51に組み付けた状態で復帰ばね540の一端を、機構部保持部材51の天井壁511に設けた係止穴511d(図23参照)に係止する一方、復帰ばね540の他端を、リンク部材541の中央天面541aに設けた係止穴544に係止する。これによりリンク部材541は待機状態で復帰ばね540の付勢力により後部リンクピン55および前部リンクピン56が機構部保持部材51の左右側壁512,513に設けた長穴516,516および長穴517,517の後端位置に位置するように後退しているものである。なお、復帰ばね540は第2ストッパ部材53が商品収納通路43から退避位置に退避した際に第2ストッパ部材53の左右のストッパ壁534,534の間に位置しており、第2ストッパ部材53と干渉することはない。また、機構部保持部材51に組み付けられたリンク部材541の中央天面541aは、天井壁511の前方域の下方に突出するリブ5111に接するように構成されており、前記リブ5111との接触により摩擦抵抗が低減されるものである。
商品搬出装置5の払出機構50に対応してそれぞれ設けられた売切検出スイッチ91を内蔵する配線ガイド部材90は、図28に示すように前後方向に延在する横断面凹状の合成樹脂製になり、売切検出スイッチ91を内蔵する太溝部90aと売切検出スイッチ91の配線をガイドする細溝部90bとからなる。太溝部90aは、前記機構部保持部材51の左側壁512とガイド壁514および右側壁513とガイド壁515の間に形成された凹状溝に嵌合可能な大きさに形成され、その左右側壁の底面側には第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53に共通の軸である回動軸57との干渉を避けるための半円状切欠き90a1,90a1が形成されている。また、太溝部90aの底面部は窓92として開放(開口)しており、前記機構部保持部材51の凹状溝に嵌合した場合に前記窓92が機構部保持部材51の凹状溝の底壁に形成した開口部519に重なるように構成されている。そして、前記凹状溝に太溝部90aを嵌め込んで配線ガイド部材90を機構部保持部材51に組み付けた際、太溝部90aがリンク機構54(リンク部材541)に保持された後部リンクピン55および前部リンクピン56の抜け止めとして機能する。なお、配線ガイド部材90が配設される機構部保持部材51の他方の凹状溝には、配線ガイド部材90の太溝部90aに相似する脱落防止部材99(図22参照)が嵌め込まれる。これにより、後部リンクピン55および前部リンクピン56はヘッダーレスのピンを採用することができる。
売切検出スイッチ91は、この実施の形態ではマイクロスイッチからなり、配線ガイド部材90の太溝部90aの凹状溝に挿入して係止固定される。この場合、売切検出スイッチ91は、そのアクチュエータ93が配線ガイド部材90の太溝部90aの底面部の窓92に臨む態様で太溝部90aに係止固定される。前述したように、配線ガイド部材90の太溝部90aの底面部の窓92が機構部保持部材51の凹状溝の底壁に形成した開口部519と重なり合い、かつ、この開口部519には第1ストッパ部材52の突起525が臨んでおり、配線ガイド部材90の太溝部90aに装着された売切検出スイッチ91のアクチュエータ93は前記第1ストッパ部材52が捻りコイルばね570の付勢力により回動軸57を中心に商品収納通路43に突出するように回動して最大開度に開いた際に前記開口部519と窓92に進入した第1ストッパ部材52の突起525により押圧されるように構成されている。このような第1ストッパ部材52と売切検出スイッチ91との関係を図29に示している。図29では、第1ストッパ部材52が最大開度に開いた際に第1ストッパ部材52の突起525が売切検出スイッチ91のアクチュエータ93を押圧する様子を示している。なお、第1ストッパ部材52は、商品荷重を受けない場合に捻りコイルばね570に付勢力により最大開度に開き、その状態から第1ストッパ部材52の保持部521に販売商品Gが当接して商品荷重を受けると最大開度から開度が小さくなる方向に回動して後部リンクピン55によりロックされるように構成されており、最大開度からロック位置に回動すると第1ストッパ部材52の突起525による売切検出スイッチ91のアクチュエータ93の押圧が解除される。この場合、売切検出スイッチ91からの信号を処理する制御部では、売切検出スイッチ91からのオン信号が所定時間継続した場合に「売切れ」として判断する処理が行われる。
前記商品搬出装置5に搭載されたモータ駆動ユニット70は、商品選択ボタンの操作に基づく販売指令によりユニットケース71に内蔵したモータ711(図30参照)が正転駆動され、このモータ711の正転によりリンクレバー717を介して払出機構50のリンク機構54(リンク部材541)を前進させるものである。なお、図19に示したこの実施の形態の商品搬出装置5の例では、モータ711を正転駆動する場合に限るものであるが、モータ711を逆転駆動することによりリンクレバー718を駆動できるものである。
モータ駆動ユニット70のユニットケース71は、ベース部材とカバー部材とからなり、その内部に、図30に示すような、モータ711、歯車伝達機構714、出力歯車715、キャリアスイッチ716、リンクレバー717,718などを内蔵している。このモータ駆動ユニット70は、ユニットケース71におけるベース部材の頭部に設けた爪片71a,71a(図22参照)を、駆動部保持部材80の前フランジ83に形成した係合穴831,831(図21参照)に係止する一方、ユニットケース71におけるベース部材の背面に突出形成した嵌合突起71b,71bおよび係止突起71c、71c(図21参照)を駆動部保持部材80の板面に穿設した嵌合穴8a,8aおよび係止角穴8b,8b(図21参照)などに嵌合させることにより駆動部保持部材80に組付けられる。
モータ駆動ユニット70のユニットケース71に内蔵したモータ711は、販売指令に応じて正転若しくは逆転する正逆回転可能な直流モータであり、ユニットケース71のベース部材に保持されている。
歯車伝達機構714は、ウオーム712aとウオームホイール712bからなるウオーム歯車712および中間歯車713を備えて構成されている。ウオーム歯車712のウオーム712aは、モータ711の出力軸に取り付けられている。ウオームホイール712bは、ウオーム712aに噛み合う第1ホイールと、中間歯車713に噛み合う第2ホイールとが前後方向に段違いに設けられている。中間歯車713は、前記ウオームホイール712bの第2ホイールと噛み合う第1中間歯車と、出力歯車715に噛み合う第2中間歯車とが前後方向に段違いに設けられている。ウオーム歯車712および中間歯車713は、ユニットケース71のベース部材とカバー部材の軸受部により回転可能に配設される。
前記出力歯車715は、中間歯車713の第2中間歯車と噛み合うホイールとして形成され、その一方の板面(上面)にカム突起7151が形成され、他方の板面(上部)にキャリアスイッチ716を制御する押圧片(図30では見えない)が形成されている。カム突起7151は、出力歯車715の板面から離隔する方向に突出する態様で円弧状に形成されている。このカム突起7151は、その円弧状の長さがリンク機構54のリンク部材541を前進させた後に所定時間の間その状態を保持するのに十分な長さとなるように形成されている。キャリアスイッチ716を制御する押圧片は、カム突起7151の反対側の板面に位置して板面から離隔する方向に突出する態様で略V字状に形成されており、図30の(a)の状態でキャリアスイッチ716の接触子を押圧するように形成されている。この出力歯車715は、ユニットケース71のベース部材とカバー部材の軸受部により回転可能に配設される。
キャリアスイッチ716は、いわゆる押しボタンスイッチであり、接触子(不図示)を備えている。このキャリアスイッチ716は、出力歯車715よりも僅かに上方域にユニットケース71のベース部材に保持された状態で配設されている。このキャリアスイッチ716は、接触子が出力歯車715の押圧片に押圧されるとオン状態となる一方、出力歯車715の押圧片が離れて接触子が押圧されない場合にはオフ状態となるものであり、販売指令により駆動されたモータ711を、出力歯車715が一回転するように制御するためのものである。
リンクレバー717は樹脂成型品になる。リンクレバー717は、商品搬出装置5における払出機構50のリンク機構54を駆動するためのものである。リンクレバー717は、基部717aを貫通するユニットケース71のカバー部材に設けたレバー軸710に回転可能に軸支されている。リンクレバー717の先端部717bは、ユニットケース71のベース部材とカバー部材を切り欠いて形成した開口(不図示)から外部に突出する態様で上方に湾曲した鉤状を成している。リンクレバー717の基部717aに設けられた係止片717cは、基部717aの後方側より後方に向けて延在する弾性変形可能な板状の弾性部材である。係止片717cは、その自由端がカバー部材に設けた突出片(不図示)に当接することにより常態におけるリンクレバー717の待機姿勢を、図30に示す位置に決めている。なお、リンクレバー718はリンクレバー717と同一の部品からなり、リンクレバー717を反転させたものであり、基部718aを貫通するユニットケース71のカバー部材に設けたレバー軸710に回転可能に軸支され、鉤状の先端部718bおよび弾性変形可能な板状の弾性部材からなる係止片718cを備えている。このモータ駆動ユニット70により払出機構50のリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作については割愛する。
モータ駆動ユニット70を係止固定する駆動部保持部材80は、図22に示すように、矩形平板面の周縁に上部側に向けて延在する左フランジ81、右フランジ82、前フランジ83および後フランジ84を形成した薄板鋼板製になる。前フランジ83は左右フランジ81,82より一段低い高さを有し、その自由端に引き続いて下り階段状のハーネス保持部85が一体に形成されている。また、左フランジ81および右フランジ82にはそれぞれ対向する方向に折り曲げられて水平面をなす取付け片811,821が形成され、その取付け片811,821にはそれぞれねじ孔811a,821aが穿設されている。さらに、後フランジ84には左右に2個の切欠き84a,84a(図では右側の切欠きは見えない)が形成されている。この切欠き84a,84aは前述した配線ガイド部材90との干渉を避けるためのものである。ハーネス保持部85は、モータ駆動ユニット70(70A,70B)のモータ711、キャリアスイッチ716の配線および売切検出スイッチ91の配線をガイドするものであり、束にまとめられた配線を載置する載置部851が設けられている。なお、モータ711、キャリアスイッチ716、売切検出スイッチ91の配線はまとめられてカプラ(不図示)に接続され、このカプラが前述した後方側棚部材10Rの垂下部120に設けたカプラ取付け穴121に固着されるものである。
駆動部保持部材80は、モータ駆動ユニット70のユニットケース71におけるベース部材の頭部に設けた爪片71a,71a(図22参照)を、駆動部保持部材80の前フランジ83に形成した係合穴831,831(図21参照)に差し込んだうえで、ユニットケース71におけるベース部材の背面に突出形成した嵌合突起71b,71bおよび係止突起71c、71c(図21参照)を駆動部保持部材80の嵌合穴8a,8および係止角穴8b,8b(図22参照)に嵌合させることによりモータ駆動ユニット70を組付けた状態で商品収納棚10に次のように直付けされる。この場合、前工程として機構部保持部材51が商品収納棚10に前述したように直付けされているものである。
すなわち、商品収納棚10に直付けされた左右2個の機構部保持部材51にそれぞれ組付けられた左右2個の配線ガイド部材90に駆動部保持部材80の後フランジ84に設けた左右に2個の切欠き84a,84aを位置させるとともに左右2個の機構部保持部材51に組付けられた左右2個のリンク部材541における中央天面541aの前縁から下方に直角に折り曲げられた係合壁面541bの背後(後方側)に左右2個のモータ駆動ユニット70のリンクレバー717の先端部717bを位置させる。そして、モータ711,キャリアスイッチ716,売切検出スイッチ91の配線をまとめたカプラ(不図示)を後方側棚部材10Rの垂下部120に設けたカプラ取付け穴121に固着したうえで駆動部保持部材80の左右フランジ81,82に設けた取付け片811,821を、商品収納棚10を構成する後方側棚部材10Rに窪み部として形成した固定部124,129の背面に当接させた後、その窪み部の底面に設けたねじ挿通穴124a,129aを介して前記取付け片811,821に設けたねじ孔811a,821aにねじを螺合させる。これによりモータ駆動ユニット70を係止固定した駆動部保持部材80は後方側棚部材10R(商品収納棚10)に直付けされる。
次に、モータ駆動ユニット70により商品搬出装置5の払出機構50におけるリンク機構54を駆動して商品の払い出しを行う動作について図31〜図33を用いて説明する。図31〜図33では商品搬出装置5の要部を示し、図31は商品ローディング前の動作説明図、図32は販売待機状態の動作説明図、図33は販売時の動作説明図である。なお、図32における販売待機状態の動作説明図では、上段側にこの実施の形態の動作説明図、下段側に比較例の動作説明図を示している。
図31に示すように、払出機構50の第1ストッパ部材52は、商品がローディングされる以前の状態では捻りコイルばね570(図22参照)の付勢力によって商品収納通路43に突出し、第2ストッパ部材53が商品収納通路43から退避している。この場合、モータ駆動ユニット70の出力歯車715のカム突起7151が最も前方に位置している(図30の(a)参照)。また、出力歯車715の背面に設けたキャリアスイッチ716の押圧片が最も前方に位置してキャリアスイッチ716がオン状態にある。これにより、モータ711が停止しており、リンクレバー717の先端部717bがリンク部材541の係合壁面541bから後方側に離隔した位置にある。このため、リンク部材541は復帰ばね540の付勢力により後退した状態にある。また、第1ストッパ部材52は、捻りコイルばね570の付勢力によって商品収納通路43に突出して最大開度(例えば、商品収納通路43から退避した第2ストッパ部材53との角度が略90度)に開いた突出位置にある。第1ストッパ部材52は、第1ストッパ部材52の軸受部522に設けた異形孔523に挿通された後部リンクピン55との協働により動作範囲が規制され、第1ストッパ部材52が最大開度以上に開くことはなく、また、最大開度に開いた状態で異形孔523のロック溝部523aが後部リンクピン55との間に隙間を有している。このように、第1ストッパ部材52が最大開度に開いた状態では第1ストッパ部材52の突起525が配線ガイド部材90の太溝部90aの底面部の窓92に臨み、機構部保持部材51の凹状溝の底壁に形成した開口部519を介して配線ガイド部材90の太溝部90aに装着された売切検出スイッチ91のアクチュエータ93を押圧し、売切検出スイッチ91がオン状態となっている。一方、第2ストッパ部材53は、ストッパ壁534に形成した凹状の摺動溝534aに、後退位置に移動した前部リンクピン56を受容して商品収納通路43から退避した退避位置に維持されている。
斯様な待機状態において、最初にローディングされた商品Gは、最大開度に開いて突出位置にある第1ストッパ部材52の保持部521に当接する。商品Gが当接することにより第1ストッパ部材52は退避位置に向けて回動する。この回動により第1ストッパ部材52の軸受部522における異形孔523のロック溝部523aが、後退位置に移動した後部リンクピン55と当接して第1ストッパ部材52は商品収納通路43に突出した突出位置にロックされ、第1ストッパ部材52に保持された商品Gが販売順位一番の商品(販売商品G1)となる(図32参照)。このように、第1ストッパ部材52が最大開度から当該最大開度よりも小さな開度(例えば、商品収納通路43から退避した第2ストッパ部材53との角度が略95度)で商品収納通路43に突出した状態にロックされるように回動すると、第1ストッパ部材52の突起525が売切検出スイッチ91のアクチュエータ93の押圧を解除することにより売切検出スイッチ91がオフ状態となる。次にローディングされる商品は、第1ストッパ部材52により保持された販売商品G1の上に積み重ねられて次販売商品G2となり、引き続いてローディングされる商品は、次販売商品G2の上に順次積み重ねられる。
ここで、第1ストッパ部材52の保持部521には大径の商品を受容する商品受容部521aが形成されており、大径の商品GLがローディングされた場合、当該商品GLは第1ストッパ部材52の保持部521に形成した商品受容部521aに受容された状態で保持され、第1ストッパ部材52により保持された大径の商品(販売商品)の位置が商品収納棚10の後端寄りに移動する。その一方、図32の下段側に示す比較例に示すように、第1ストッパ部材52が直線状をなしている場合、大径の商品GLが第1ストッパ部材52の略中間部に当接するので、第1ストッパ部材52により保持された大径の商品GLの保持位置は商品投入口44側に位置している。比較例と対比すると理解できるように、この実施の形態の第1ストッパ部材52を用いた場合、寸法LXだけ第1ストッパ部材52により保持する大径の商品GLの保持位置を商品収納棚10の後端寄りに移動させることができる。寸法LXは大径の商品GLの径よりも小さいものの、比較例の第1ストッパ部材52においては最後尾の商品GLが商品投入口44から前方に飛び出している場合には断熱内扉3と干渉して断熱内扉3を閉じることができなくなるので、最後尾の商品GLを収納することができなくなる一方、この実施の形態の第1ストッパ部材52においては寸法LXだけ販売商品GLの収納位置を後方寄りに移動させることができるので最後尾の商品GLを収納することが可能となる。これにより商品収納通路43に収納する収容数の増大を図ることができるものである。なお、小径の商品GMは第1ストッパ部材52の保持部521の先端側で保持される。
前述したようにして商品収納ラック4に収容した商品Gは冷却/加熱ユニット7により冷却若しくは加熱されて販売に適したコールド若しくはホット状態に保存されて販売可能な状態(販売待機状態)となる。なお、図示は省略したが、自動販売機の全体の制御を司る制御部を有するものであり、この主制御部には各種の実行プログラムを記憶したROM,各種データを格納するRAM,各種入力信号により各種実行プログラムを実行するCPUなどを備え、冷却/加熱ユニット7はゾーン冷却若しくはゾーン加熱、全体冷却若しくは全体加熱するプログラムに従って駆動制御されるものである。斯様な販売待機状態において、商品選択スイッチの操作に基づいて販売指令がモータ駆動ユニット70に与えられると、モータ駆動ユニット70に内蔵されたモータ711が正転駆動され、歯車伝達機構714を介して出力歯車715が、図30の(a)において、反時計回りの方向に回転する。出力歯車715が回転すると、出力歯車715の背面に設けた押圧片がキャリアスイッチ716の接触子から離脱してキャリアスイッチ716がオフ状態となり、次にキャリアスイッチ716がオン状態となるまで(すなわち、出力歯車715が一回転するまでの期間)モータ711を正転駆動させる。出力歯車715の回転によりカム突起7151がリンクレバー717の基端部717aに前方より当接すると、リンクレバー717は、弾性部材からなる係止片717cを撓めつつ、図30の(a)において時計回りの方向に回転する。このリンクレバー717の時計回りの方向への回転により、その先端部717bがリンク部材541の係合壁面541bに当接してリンク部材541を復帰ばね540の付勢力に抗して前進させる。そして、カム突起7151がリンクレバー717の基端部717aに摺接している期間中(図30の(b)参照)は、リンク部材541が前進した状態に保持される。
このリンク部材541の前進に伴ってリンク部材541に支持された後部リンクピン55も機構部保持部材51に設けた長穴516に沿って前進して第1ストッパ部材52の異形孔523のロック溝部523aから離脱するので、当該後部リンクピン55により突出位置にロックされた第1ストッパ部材52のロックが解除される。これにより、第1ストッパ部材52が商品の荷重によって捻りコイルばね570の付勢力に抗して退避位置に向けて移動する(図33参照)。第1ストッパ部材52の退避位置への移動により販売商品G1は、第1ストッパ部材52をすり抜けて後方に搬出される。販売商品G1が第1ストッパ部材52をすり抜けると、第1ストッパ部材52は捻りコイルばね570の付勢力によって突出位置に自動的に復帰する。
一方、販売待機状態でリンク部材541に保持された前部リンクピン56を凹状の摺動溝534aに受け入れて退避位置に維持された第2ストッパ部材53は、リンク部材541とともに前進する前部リンクピン56が摺動溝534aの壁面と摺接することにより突出位置へ向けて押し出される(図33参照)。そして、前部リンクピン56が第2ストッパ部材53におけるストッパ壁534のストッパ面534bに対峙する位置まで前進することによりストッパ面534bと当接して第2ストッパ部材53の退避位置への移動が規制される。第2ストッパ部材53は突出位置へ向けて移動する際、販売商品G1に当接して当該販売商品G1を押し出す。この場合、第2ストッパ部材53の胴部530における商品収納通路43に臨む面には基端部から保持部533に向けて延在する複数のリブ530aが形成されていることから、販売商品G1との接触面積が小さい(摩擦抵抗が小さい)ので、第2ストッパ部材53により販売商品G1の転動を促進してスムーズに搬出させることができる。そして、突出位置に移動した第2ストッパ部材53は、販売商品G1が搬出されることにより後方に移動する次販売商品G2に当接して保持し、次販売商品G2が後方に向けて移動するのを規制する。
前記第1ストッパ部材52を退避位置に退避させて販売商品G1を払い出す一方、第2ストッパ部材53を退避位置から突出位置に移動させて次販売商品G2を保持する動作は、出力歯車715のカム突起7151がリンクレバー717の基端部717aに摺接している時間中に実行される。
そして、出力歯車715の回転によりカム突起7151とリンクレバー717の基端部717aとの当接が解除されると、リンクレバー717が弾性変形していた係止片717cの復元力により図30の(a)の待機姿勢に復帰する一方、リンク部材541は復帰ばね540の付勢力により後退する。このリンク部材541の後退によってリンク部材541に支持された前部リンクピン56が第2ストッパ部材53のストッパ面534bから摺動溝534aに入り込んで第2ストッパ部材53を退避位置に向けて移動させる。この第2ストッパ部材53の退避位置への移動により第2ストッパ部材53に保持された次販売商品G2が後方に移動して最大開度に開いた第1ストッパ部材52に当接する。この後、第1ストッパ部材52の軸受部522における異形孔523のロック溝部523aが、後退位置に移動した後部リンクピン55と当接して第1ストッパ部材52は商品収納通路43に突出した突出位置にロックされて次販売商品G2を販売商品として保持する。そして、出力歯車715の回転によりカム突起7151が待機状態の位置に戻ると、キャリアスイッチ716の接触子が押圧片により押圧されてキャリアスイッチ716がオン状態となる。これによりモータ711の駆動が停止されて販売待機状態に復帰する。
ここで、後部リンクピン55の前後方向への移動をガイドするところの、機構部保持部材51の左右側壁512,513に取付けた軸受部材501,502に設けた長穴516,516は、図24の(b)に示すように、前後方向の後端部(前後方向にスライド移動する後部リンクピン55の後退位置に相当する部分)に、回動軸57が貫通する軸挿通穴5122aから離隔する方向に湾曲する態様で形成された荷重低減部5161を有しているので、後部リンクピン55により突出位置にロックされた第1ストッパ部材52のロックを解除する際の力を軽減できる。すなわち、長穴516の後退位置に移動した後部リンクピン55が第1ストッパ部材52の異形孔523のロック溝部523aと当接して第1ストッパ部材52を商品収納通路43に突出した突出位置にロックした状態において、後部リンクピン55と第1ストッパ部材52の異形孔523のロック溝部523aとの当接点(作用点)には、軸挿通穴518に挿通される回動軸57を支点として突出位置にある第1ストッパ部材52の保持部521と商品Gとの当接点(力点)の商品荷重がかかるものであり、この場合、作用点からの位置が力点から遠ざかるほど作用点にかかる商品荷重が軽減するものであることが明らかである。この実施の形態では長穴516の後端部に軸挿通穴518に挿通される回動軸57の支点から離隔する方向に湾曲する荷重軽減部5161を設け、この荷重軽減部5161に後退位置に移動した後部リンクピン55を受容するように構成していることから作用点が受ける商品荷重を軽減することができる。作用点が受ける商品荷重の軽減は、商品収納通路43に突出した第1ストッパ部材52のロックの引き外し力を小さくすることができることを意味し、リンク部材541を駆動するモータ711の小型化を可能とすることができるものである。
前記商品搬出装置5のモータ711、キャリアスイッチ716、売切検出スイッチ91の配線はまとめられてカプラ(不図示)に接続され、このカプラが前述した後方側棚部材10Rの垂下部120に設けたカプラ取付け穴121に固着されるものである。前記後方側棚部材10Rの垂下部120に設けたカプラ取付け穴121に固着されたカプラは、前方側棚部材10Fの背面側を引き回される配線に接続されたカプラ(不図示)によって接続・切り離しが行われる。前方側棚部材10Fの背面側を引き回される配線を保護するとともに当該配線をラック側板41の外側に引き出すために前記前方側棚部材10F背面側に配設されたカバー部材95および配線引出部材96を図34乃至図38に示す。
図34はカバー部材95および配線引出部材96の組立て状態を示す斜視図、図35はカバー部材95および配線引出部材96の分解図、図36は配線引出部材96を上方から見た斜視図、図37は配線引出部材96を下方から見た斜視図、図38は配線引出部材96のラック側板41への取付けの説明図である。
カバー部材95は板金製になり、図34および図35に示すように、矩形平板の本体950を備えている。本体950の後端側には一段低くなるように折り曲げられて形成された係合部951を有している。係合部951の後縁から起立する後フランジ952に左右2個の係合片95A,95Aが設けられている。この係合片95A,95Aは後方側棚部材10Rの前端の垂下部120に設けた2個の係合穴122,122に挿通されるものである。本体950の左右方向の幅(寸法)は前方側棚部材10Fの左右のフランジ10F1,10F1における係止片部10F14,10F14(図9参照)の間の間隔より小さい寸法に定められている一方、係合部951の左右方向の幅(寸法)は前方側棚部材10Fの左右のフランジ10F1,10F1における当接片10F13,10F13に跨る寸法に定められている。また、本体950の略中央には指掛け穴953が形成され、その前方側には切り起こしにより上方に向けて形成されたフック片954が設けられている。フック片954はフック先端が後方を向く態様で形成されている。
配線引出部材96は、板金製の配線引出金具97と、この配線引出金具97に一体的に組付けられる合成樹脂製の閉塞具98とからなる。配線引出金具97はカバー部材95の本体950に載置される態様の基台部971と、基台部971に引き続いて形成された引き回し部972とからなる。基台部971の左右方向の略中央には前後方向に延在するスリット状の係止穴9711が形成されている。この係止穴9711の幅および長さはカバー部材95の本体950に設けたフック片954を挿通させることが可能な大きさに形成されている。また、基台部971の左右両端の後方側には切欠き9712a,9712aを介して係合片部9712,9712が形成されるとともに基台部971における係合片部9712,9712よりも内側の位置に切り起こしにより上方に向けて形成されたフック片9713,9713が設けられている。左右の切欠き9712a,9712aの間隔は左右のラック側板41,41(前方側ラック部材41F)の間の間隔に一致しており、かつ、前方側ラック部材41Fの板厚よりも大きく形成されている。係合片部9712,9712は前方側ラック部材41Fの板面に形成した上下方向に10個の配線挿入孔OP3(図6参照)に挿入され、左右のラック側板41,41から外方に突出するものである。ここで、配線挿入孔OP3は図38に示すように、前後方向に延在して上段側が長辺部を形成し、下段側が短辺部を形成する段付き孔OP31と、配線引出用の比較的大きな窓OP32とからなり、配線挿入孔OP3の短辺部が商品収納棚10の傾斜角度と同様の傾斜角度で傾斜しているものである。この段付き孔OP31に前記係合片部9712,9712が挿入される。この場合、係合片部9712,9712の前後方向の長さX0(図36参照)は段付き孔OP31の短辺部の長さL1(図38参照)よりも長く、長辺部の長さL0よりも短く、段付き孔OP31の長辺部に挿入可能な大きさに形成され、切欠き9712a,9712aの深さX1(前後方向の長さ)は段付き孔OP31の長辺部の長さL0から短辺部の長さL1を減算した値より大きくなる、つまり、(X1>L1−L2)となるように形成されている。また、フック片9713,9713は、図9に示した前方側棚部材10Fの左右のフランジ10F1,10F1における係止片部10F14,10F14に設けたスリット状の係止溝10F141,10F141に挿入可能な大きさに形成されている。
引き回し部972は後壁972a,天井壁972b,前壁972cを有し、底面と左右側面が開放した箱形になる。後壁972aの幅は左右のラック側板41,41の間の間隔より僅かに小さく定められている。後壁972aの左右両端には外方に突出するストッパ片9721が設けられている。このストッパ片9721は前述した窓OP32に挿入されて前記窓OP32の後縁に当接するものである。また、後壁972aには基台部971に跨る開口部9722(図37参照)が設けられている。この開口部9722はカバー部材95を介して引き回された商品搬出装置5からの配線を通すものである。また、後壁972aには基台部971に跨るスリット9723(図37参照)が左右に対をなす態様で形成されている。図37では右側(正面視左側)の対のスリット9723,9723が見えており、もう一方の対のスリット9723,9723は閉塞具98に隠れ見えない。この対をなすスリット9723,9723は閉塞具98のフック片981,981を係止するものである。そして、引き回し部972の天井壁972bと前壁972cとに跨って係合溝9724が設けられている。この係合溝9724も左右に対をなす態様で形成されている。この対をなす係合溝9724,9724は閉塞具98の係止爪982,982を係止するものである。
閉塞具98は縦断面が倒置した逆L字状をなしており、L字の長辺側の脚片に相当する底壁98aと短辺側の脚片に相当する前面壁98bとからなる。閉塞具98はこの実施の形態では2個設けられ、図36および図37では一方(正面視右側)の閉塞具98が配線引出金具97に組付けられ、他方(正面視左側)の閉塞具98が配線引出金具97から取り外された状態を示している。
閉塞具98の底壁98aは配線引出金具97における引き回し部972の開放した底面を覆う大きさを有している。この底壁98aにおける左右両側の後方寄りには対をなすフック片981,981が設けられている。これらのフック片981,981は前記引き回し部972の対をなすスリット9723,9723に対応して形成されており、フック先端が後方を向く態様で形成され、底壁98aが引き回し部972の開放した底面を覆った状態で前記スリット9723,9723に係止されるものである。また、前面壁98bの上縁の左右に対の係止爪982,982が設けられている。この係止爪982,982は配線引出金具97における引き回し部972の対をなす係合溝9724,9724に対応して形成されており、係合爪が後方を向く態様で形成され、閉塞具98の底壁98aが前記引き回し部972の前壁972cの下縁に当接した状態で前記係合溝9724,9724に係合するものである。
かかる構成の閉塞具98は配線引出金具97の下方に位置させた状態で、配線引出金具97における引き回し部972の開放した底面に底壁98aにおける左右両側の後方寄りには対をなすフック片981,981を潜り込ませたうえで底壁98aを配線引出金具97における引き回し部972の前壁98cの下縁および配線引出金具97における基台部971の下面に当接させた後、閉塞具98を後方に向けてスライドさせてフック片981,981を前記引き回し部972の対をなすスリット9723,9723に差し込む。前記フック片981,981が引き回し部972の対をなすスリット9723,9723に差し込まれると同時に閉塞具98の前面壁98bに形成した係止爪982,982が配線引出金具97における引き回し部972の対をなす係合溝9724,9724の壁を乗り越える態様で撓んだうえで元の状態に復元することにより当該係合溝9724,9724に係合し、閉塞具98が配線引出金具97に一体的に組付けられて配線引出部材96が完成する。このように完成した配線引出部材96は内部がトンネル状の空間として形成される。なお、閉塞具98は係合溝9724,9724に係合したフック片981,981を引き外したうえで前記組付け手順と逆の手順で取り外すことができるものである。
この配線引出部材96は、配線引出金具97の基台部971の左右両端に形成した係合片部9712,9712を左右のラック側板41,41(前方側ラック部材41F)に形成した配線挿入孔OP3(図34参照)に挿入することによりラック側板41,41に係止固定される。すなわち、前記係合片部9712を段付き孔OP31の上段側の長辺部に対峙させ、かつ、引き回し部972の後壁972aの左右両端から外方に突出するストッパ片9721が窓OP32に対峙させた後、前記係合片部9712,ストッパ片9721を段付き孔OP31の長辺部,窓OP32に挿入したうえで前記係合片部9712,ストッパ片9721をラック側板41の外側に突出させる。この状態で配線引出金具97の基台部971の左右両側に形成した切欠き9712aが段付き孔OP31の段部の上方に位置しており、前記切欠き9712aが段付き孔OP31の段部を受容可能な大きさに形成されていることから、当該切欠き9712aを段付き孔OP31の段部に嵌まり込ませる態様で配線引出部材96を下降させる。これにより、配線引出金具97の基台部971における前記切欠き9712aの延長線部が段付き孔OP31の短辺部に載置される態様で配線引出部材96が左右のラック側板41,41に架設され、ラック側板41の外方に突出した係合片部9712をラック側板41に沿って折り曲げることにより配線引出部材96は左右のラック側板41,41に係止固定される。このように、配線引出部材96が左右のラック側板41,41に係止固定された状態で配線引出部材96におけるトンネル状の空間(配線引出金具97の引き回し部972と閉塞具98とで囲まれた空間)がラック側板41に形成した窓OP32(配線挿入口OP3)に臨んでいる。したがって、窓OP32を介してラック側板41の外側に商品搬出装置5の配線を引き出す(若しくは引き入れる)ことができるものである。
カバー部材95は商品搬出装置5が商品収納棚10を構成する後方側棚部材10Rに直付けして組付けられた商品収納棚10を左右のラック側板41,41に架設した状態で次のように組付けられる。すなわち、カバー部材95の本体950に設けた指掛け穴953に人差し指(若しくは中指)を掛けるとともに本体90の前縁に親指を掛ける態様でカバー部材95を摘まんだ状態で前記本体950に切り起こしにより上方に向けて形成されたフック片954を、左右のラック側板41,41に架設された配線引出部材96における配線引出金具97の基台部971に設けたスリット状の係止穴9711に挿入したうえで本体950の上面を前記配線引出金具97の基台部971の下面に面接触させる。この状態でカバー部材95の後端に設けた左右2個の係合片95A,95Aが後方側棚部材10Rの前端の垂下部120に設けた2個の係合穴122,122に対峙しているものである。そこで、カバー部材95を後方に向けてスライド移動させて前記2個の係合片95A,95Aを後方側棚部材10Rの係合穴122,122に挿通させる。このように、カバー部材95を後方に向けてスライド移動させる際、フック片954が挿入されるところの、配線引出部材96における配線引出金具97の基台部971に設けた係止穴9711がスリット状に形成されていることから係止穴9711にガイドされてカバー部材95は左右に傾くことなく真っ直ぐに案内される。
カバー部材95の後端に設けた左右2個の係合片95A,95Aが後方側棚部材10Rの係合穴122,122に挿入を開始すると同時に配線引出部材96における配線引出金具97の基台部971に設けた係止穴9711に挿入されたフック片954のフック部は当該係止穴9711の後縁を通過して基台部971の上面側に臨むようになる。前記フック片954のフック部の長さはカバー部材95の後端に設けた係合片95Aの長さに略一致しており、係合片95A,95Aの全体が後方側棚部材10Rの係合穴122,122に挿通されるのを許容する。このように、カバー部材95の後端に設けた係合片95A,95Aを後方側棚部材10Rの係合穴122,122に挿通させることによりカバー部材95の後端が係合片95A,95Aを介して後方側棚部材10Rに係止される一方、カバー部材95の前方側がフック片954を介して配線引出部材96における配線引出金具97の基台部971に係止される態様で商品収納ラック4に組付けられる。このカバー部材95は前述の組付け手順と逆の手順で取り外すことができるものである。
ここで、後方側棚部材10Rの垂下部120に設けたカプラ取付け穴121に固着されたカプラと接続・切り離しが行われるカプラ(不図示)側の配線であって、前方側棚部材10Fの背面側を引き回される配線(以下、この配線を制御側配線ともいう)の引き回しについて説明すると、制御側配線はラック側板41(例えば、左側のラック側板)の外側からラック側板41に形成した配線挿入孔OP3(窓OP32)を介して配線引出部材96のトンネル状の空間内部に引き込まれる。この場合、配線引出部材96に組付けられた2個の閉塞具98,98の一方(例えば、図36に示すように左側の閉塞具98)とカバー部材95は取り外されている。左側の閉塞具98が取り外されていることにより配線引出部材96における引き回し部972に設けた開口部9722を前面側から視認することができ、ラック側板41の配線挿入孔OP3(窓OP32)を介して引き込まれた制御側配線を、開口部9722を通して容易に後方側に引き回すことができる。前記開口部9722を通して後方側に引き回された制御側配線のカプラ(不図示)を後方側棚部材10Rの垂下部120に設けたカプラ取付け穴121に固着されたカプラに接続する。この後、取り外されていたカバー部材95および左側の閉塞具98を前述した手順で組み付ける。これにより制御側配線は商品収納通路43に露出することなくカバー部材95および配線引出部材96により覆われて保護された状態で引き回される。
ところで、この種の商品収納ラック(スラントラック)4においては、商品ローディング時(自動販売機設置時や商品の入れ替え時)に商品が商品収納通路43を転動若しくは滑動中に商品の軸線が商品の進行方向(前後方向)に対して垂直方向から傾くように姿勢変化して商品収納通路43の途中で停止してしまうような商品詰りを惹起するおそれがある。また、商品収納通路43に最初にローディング(自動販売機設置時や商品の入れ替え時)された商品は、商品収納通路43の商品搬出口45に配された商品搬出装置5の第1ストッパ部材52に保持されるのであるが、その最初にローディングされた商品G(販売商品G1)が姿勢変化して傾いた状態で第1ストッパ部材52に保持された場合、次販売商品G2を保持する第2ストッパ部材53の商品収納通路43への突出が販売商品G1に妨げられてロックしてしまうような商品詰りを惹起するおそれがある。このように商品詰りが発生した場合、この実施の形態では商品収納棚10が前後方向に分割した前方側棚部材10Fおよび後方側棚部材10Rからなり、前記後方側棚部材10Rを左右一対のラック側板41,41に架設する一方、前方側棚部材10Fを左右一対のラック側板41,41に着脱自在に配設しているので、商品収納ラック4を庫内に取着したままで次のように商品詰りを解消することができる。
すなわち、前方側棚部材10Fに商品Gが乗っている場合には商品収納通路43の前方から商品収納通路43に収納された商品Gを目視しつつ当該商品収納通路43に手を差し入れて商品Gを一個ずつ取り出す。前方側棚部材10Fに乗った商品Gを取り出しが完了しても商品詰りが解消しない場合(後方側棚部材10Rの領域で商品詰りが生じている場合)、前方側棚部材10Fを前述した前方側棚部材10Fのラック側板41,41への装着手順と逆の手順でラック側板41,41から取り外す。この場合、前方側棚部材10Fを取り外す前段階で仕切部材42に設けた前後一対の係合爪421b,421bのうちの後方側の係合爪421bを後方側棚部材10Rに穿設した設定溝112から引き外しておき、仕切部材42が前方側棚部材10Fとともに商品収納ラック4から取り外される。前述したように、前方側棚部材10Fを取り外すことにより後方側棚部材10Rの位置まで手を差し入れることが可能となる。しかるのち、後方側棚部材10Rに乗った商品Gを取り出して商品詰りを解消する。このように、前方側棚部材10Fを取り外して商品詰りを解消することができるので、自動販売機の庫内に収納設置された商品収納ラック4を取り外して自動販売機の外側に取り出して商品詰りを解消するという煩雑な作業を回避することができる。
前述したように、この実施の形態に係る自動販売機によれば、商品投入口44に対して商品搬出口45が低くなるように傾斜して配設された商品収納棚10を上下方向に多段に有し、この商品収納棚10に横倒し姿勢の商品を前後方向に一列に整列して収納する商品収納通路43を画成してなり、商品収納棚10おける商品搬出口45の近傍であって、商品収納通路43の上方に配設した商品搬出装置5により商品収納通路43に収納された商品を一個ずつ切り出して搬出する商品収納ラック4を備えた自動販売機において、前記商品搬出装置5は、商品収納通路43の上方から当該商品収納通路43に出没自在であって販売順位一番の商品を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置と前記販売順位一番の商品の保持を解放する態様で商品収納通路43から退避する退避位置との間を移動可能に設けた第1ストッパ部材52および商品収納通路43の上方から当該商品収納通路43に出没自在であって商品収納通路43から退避する退避位置と販売順位一番の商品に続く販売順位二番の商品を保持する態様で商品収納通路43に突出する突出位置との間を移動可能に設けた第2ストッパ部材53を回動自在に保持し、前記第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53を突出位置と退避位置とに移動させるリンク機構54より制御される前部リンクピン56および後部リンクピン55を組付けてなる機構部保持部材51、および前記リンク機構54を駆動する駆動装置(モータ駆動ユニット70)を保持する駆動部保持部材を80備え、この機構部保持部材51および駆動部保持部材80を一体化する態様で商品収納棚10に直付けして取付けたことにより、商品収納棚10が商品重量により下方側に撓んだ場合にも商品搬出装置5が商品収納棚10の撓みに応じて移動して商品搬出装置5の動作に悪影響を受けることがなく商品を安定して搬出することができるので、上下方向に配設される商品収納棚10の段数を確保しつつ多種の商品を販売可能なスラントラックを備えた自動販売機を提供することができるという効果を奏する。
なお、前述した実施の形態においては、第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53を回動自在に保持し、前記第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53を突出位置と退避位置とに移動させるリンク機構54を組付けてなる機構部保持部材51を有し、この機構部保持部材51を商品収納棚に直付けするものについて説明したが、商品収納棚10(後方側棚部材10R)に切り起こしにより形成したフランジに第1ストッパ部材52および第2ストッパ部材53の回動軸57を支持する支軸穴518、後部リンクピン55および前部リンクピン56を摺動自在に保持する長穴516,517を設けることもできるものであり、実施の形態の構成に限定されるものではない。