JP6836125B2 - スペアタイヤ脱落防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、チェーンで懸架することによりスペアタイヤを車両の下部に保持するタイヤキャリアにおいて、過剰な外力が加わった際のスペアタイヤの脱落を防止するスペアタイヤ脱落防止装置に関する。
タイヤキャリアは、スペアタイヤを係止可能なフックと、フックに連結されるチェーンと、チェーンが巻き掛けられるチェーンホイールとを備える。このようなタイヤキャリアを用いて車両の下部にスペアタイヤを保持させている。スペアタイヤが車両の下部に保持される場合、車両の後方から衝突されたときに、スペアタイヤからチェーンに大きな外力が加わることがある。チェーンに過剰な外力が加わると、チェーンが損傷し、スペアタイヤの保持に支障を生じる可能性があり、種々検討されている。
例えば、特許文献1には、チェーンに加えられる外力が所定値を超えない状態では、チェーンホイールの逆転を阻止する自転規制ピン(安全ピン)を備え、自転規制ピンが、チェーンに加えられる外力が所定値を超えた状態で破損して、チェーンホイールが逆転可能となり、チェーンの破断を防止する予備タイヤ保持装置が開示されている。
特開2001−1956号公報
ところで、チェーン式のタイヤキャリアとして、チェーンが捩れないようにこれを誘導するチェーン誘導孔が設けられたケースを備えるものがある。このようなタイヤキャリアでは、車両前方への過剰な外力が加わると、スペアタイヤが車両前方側へ移動し、この移動に伴ってチェーンが車両前方斜め下方向へ引っ張られることになる。しかしながら、チェーンは、チェーンホイールに巻き掛けられたチェーンが垂下した箇所に設けられたチェーン誘導孔を通ってケースの外側へ引き出されており、チェーンがチェーン誘導孔に引掛かってケースと干渉することから、チェーンの引き出し抵抗が増大する。これにより、チェーンホイールのギアが破断し、チェーンが引き出され(ヒューズ機構)、スペアタイヤが拘束状態で脱落するが、チェーンの引き出し抵抗が大きいとギアの破断前にチェーンが破断する可能性がある。
以上のことから、本発明は、上述したような課題を解決するために為されたものであって、スペアタイヤが前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーンに加えられたときに、ケースとの干渉によるチェーンの破断を防止できるスペアタイヤ脱落防止装置を提供することを目的としている。
前述した課題を解決する第1の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、ケースに収納
されるチェーンホイールに巻き掛けたチェーンで懸架してスペアタイヤを車両の下部に保
持するタイヤキャリアを備えたスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記ケースは、前記
チェーンホイールの少なくとも下方を覆い、前記チェーンが挿通されるチェーン誘導孔が
形成されたロアケースと、前記チェーンホイールの少なくとも上方を覆うアッパケースと
を有し、前記アッパケースの天板に設けられ、当該天板の車両前側を前記車両に支持させ
る前側支持手段と、前記アッパケースの天板に設けられ、当該天板の車両後側を前記車両
に支持させる後側支持手段と、前記スペアタイヤが前方に押し込まれる方向に所定値を超
える外力が前記チェーンに加わった状態において、前記後側支持手段による前記車両に対
する支持を解除する支持解除手段とを有し、前記スペアタイヤが前方に押し込まれた方向に前記所定値を超える外力が前記チェーンに加わった場合、前記アッパケースは、前記前側支持手段により車両前側のみ前記車両に支持されることを特徴とする。
前述した課題を解決する第2の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、第1の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記前側支持手段は、前記天板の車両前側に設けられた前側支持ボルトを有し、前記後側支持手段は、前記天板の車両後側に設けられた後側支持ボルトを有し、前記支持解除手段は、前記車両に設けられ、前記前側支持ボルトが挿通し、車両前後方向に延びる前側長孔と、前記車両に設けられ、前記後側支持ボルトが挿通し、車両前後方向に延び、車両前側に当該後側支持ボルトよりも大径をなす大径部を有す後側長孔とを備えることを特徴とする。
前述した課題を解決する第3の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、第1又は第2の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記天板は、前記前側支持手段と前記後側支持手段との間に設けられ、前記スペアタイヤが前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーンに加わった状態において、前記ケースが車両前側の部分と車両後側の部分とに折れ曲がる脆弱部を有することを特徴とする。
前述した課題を解決する第4の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、第3の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記脆弱部は、車幅方向に延びる凹形状ビードであることを特徴とする。
前述した課題を解決する第5の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、第1から第4の何れか一つの発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記ケースの側板は、車両前側の上部が切り欠かれていることを特徴とする。
前述した課題を解決する第6の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、第1から第5の何れか一つの発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記外力を前記スペアタイヤから前記ケースに伝達する荷重伝達手段をさらに備えることを特徴とする。
前述した課題を解決する第7の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、第6の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記荷重伝達手段は、車両前後方向に延び、車両前側の端部が前記ケースの右側板および左側板のそれぞれに固定される右荷重伝達部材および左荷重伝達部材と、前記右荷重伝達部材および前記左荷重伝達部材における車両後側の端部に連結され、車幅方向に延び、前記スペアタイヤの内周部と近接する第一連結部材とを有し、前記第一連結部材は、車両後方側に向けて突出した円弧形状をなしていることを特徴とする。
前述した課題を解決する第8の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置は、第7の発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置であって、前記右荷重伝達部材および前記左荷重伝達部材は、前記ケースの右側板および左側板の車両前側に固定されることを特徴とする。
本発明によれば、スペアタイヤが前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーンに加わると、アッパケースの天板にて車両後側の車両に対する支持が解除される一方、アッパケースの天板にて車両前側のみが車両に支持されることになる。このとき、外力がチェーンを介してケースに伝達し、ケースの車両後方側が車両前方斜め下方向側へ引っ張られてケースが変形される。これにより、引き出されるチェーンは、チェーン誘導孔に引っ掛からずに引き出されることから、ケースとの干渉によるチェーンの破断を防止できる。
本発明の第一の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置を車両に適用した概略側面図である。 本発明の第一の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置が備えるタイヤキャリアの説明図である。 図2に示されたケースの一部を示す底面図である。 本発明の第一の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置の説明図であって、図4(a)にその側面を示し、図4(b)にその上面視を示す。 図4に示されたタイヤキャリアに過剰な力が加わった状態の説明図であって、図5(a)にその側面を示し、図5(b)にその上面視を示す。 本発明の第二の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置が備えるタイヤキャリアの斜視図である。 図6に示されたタイヤキャリアが備えるロアケースの斜視図である。 図6に示されたタイヤキャリアに過剰な力が加わった状態の説明図である。 本発明の第三の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置の説明図であって、図9(a)にその側面を示し、図9(b)にその上面視を示す。
本発明に係るスペアタイヤ脱落防止装置の各実施形態について、図面を用いて説明するが、以下に説明する実施形態のみに限定されるものではない。
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置について、図1から図5を用いて以下に説明する。なお、本明細書において、外力とは、入力側(操作軸側)ではなく、出力側(スペアタイヤ側)から加えられた力をいう。チェーンホイールの逆転とは、出力側から力を加え、チェーンホイールを回転させることをいう。車両の進行方向を基準に、前(フロント)、後(リヤ)、右および左を定義し、重力を基準に上および下を定義する。車両の車幅方向は、進行方向を横切る方向の一例である。
本実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置10は、タイヤキャリア11を備える。タイヤキャリア11は、ケース12と、回転軸21と、チェーンホイール15と、チェーン16と、フック17とを備える。
ケース12は、車両1の後部側で車幅方向に延びるフレームクロスメンバ(以下、クロスメンバという)3に固定される。ケース12は、アッパケース13と、ロアケース14とを備える。
アッパケース13は、クロスメンバ3と平行に広がるケース天板13cと、チェーンホイール15の前後に配置され、上端がケース天板13cと接続されたケース前板13aおよびケース後板13bとを備える。
ロアケース14は、チェーンホイール15の下方に配置されるケース底板14cと、チェーンホイール15の車幅方向側方に配置され下端がケース底板14cと接続されたケース右板14aおよびケース左板14bとを備える。ケース底板14cの車両前側における右側および左側には、第1および第2のチェーン誘導孔14ca,14cbがそれぞれ形成されている。第1および第2のチェーン誘導孔14ca,14cbは、前後左右方向に広がる十字状に形成されている。
アッパケース13のケース前板13aおよびケース後板13bには、車両前後方向に貫通する回転軸21を支持するための軸受孔(図示せず)がそれぞれ形成されている。ケース前板13aには、丸棒状のヒューズピン27が設けられている。ヒューズピン27は、スペアタイヤ2が前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーン16に加わった状態において破損するように強度が設計されている。
回転軸21は、ケース前板13aの軸受け孔に挿通された先端と、先端とは反対側の基端とを有する。先端には、偏心カム22が形成されている。基端は、ギアボックス(図示せず)に接続されている。ギアボックスは、チェーン調節ボルト18と接続しており、車両1の荷室側から回動操作を回転軸21に伝達する。
チェーンホイール15は、ケース12に収納される。チェーンホイール15は、ケース12内の車両前側にて、チェーンホイール15に巻き掛けたチェーン16の垂下方向が第1および第2のチェーン誘導孔14ca,14cbと一致するように配置される。チェーンホイール15は、大小大の四角柱を45度ずつ互い違いに重ねた外形を有している。
チェーン16は、チェーンホイール15に巻き掛けられ、ケース底板14cの第1および第2のチェーン誘導孔14ca,14cbに挿通されている。第1のチェーン誘導孔14caに挿通されたチェーン16の垂下端にスペアタイヤ2を係止可能なフック17が連結されている。
チェーンホイール15は、回転軸21の偏心カム22と嵌合する遊星歯車23と、遊星歯車23と嵌合する内歯歯車24とを内蔵しており、回転軸21の回動操作に従動する。
遊星歯車23の後端にチェーンホイール15の径方向へ突出するフランジ25が設けられている。フランジ25に設けられた溝25aにアッパケース13のヒューズピン27が嵌合している。フランジ25がヒューズピン27を支点として揺動するため、遊星歯車23は、回転軸21の軸心C1を中心として公転(偏心運動)できる。一方、ヒューズピン27に動きを規制されているため、遊星歯車23は、偏心カム22の軸心C2を中心として自転(回転)できない。
チェーンホイール15が逆転するとき、遊星歯車23を自転させようとする力が遊星歯車23に加えられる。ヒューズピン27が破損していない状態では、遊星歯車23の自転がヒューズピン27に阻止されており、チェーンホイール15は逆転しない。
ヒューズピン27が破損した状態では、遊星歯車23が偏心カム22の軸心C2を中心として自転可能になり、チェーンホイール15は逆転可能になる。
タイヤキャリア11は、車両1の後部側で車幅方向に延びるクロスメンバ3のクロスメンバ天板3aに前側支持ボルト19a,19bおよび後側支持ボルト19cの3つで取り付けられる。2つの前側支持ボルト19a,19bにより、タイヤキャリア11の車両前側がクロスメンバ3に取り付けられ、1つの後側支持ボルト19cによりタイヤキャリア11の車両後側がクロスメンバ3に取り付けられる。これら支持ボルト19a,19b,19cにより、タイヤキャリア11はクロスメンバ3に支持される。これにより、タイヤキャリア11は、クロスメンバ3のクロスメンバ天板3aとクロスメンバ前壁3bとクロスメンバ後壁3cとで囲まれる箇所に配置される。
クロスメンバ天板3aには、2つの前側支持ボルト19a,19bに対応し、これら前側支持ボルト19a,19bの軸部が挿通する第一,第二挿通孔3aa,3abが設けられている。また、クロスメンバ天板3aには、1つの後側支持ボルト19cに対応し、この後側支持ボルト19cの軸部が挿通すると共に、車両前側の部分でのみ頭部が挿通する第三挿通孔(鍵穴)3acが設けられている。すなわち、第三挿通孔3acは、車両前側にて後側支持ボルト19cの頭部よりも大径をなす大径部3acaを有する。クロスメンバ天板3aには、チェーン調節ボルト18に対応し、チェーン調節ボルト18の頭部が車両前後方向全体に亘り挿通する第四挿通孔3adが設けられている。第一,第二,第三挿通孔3aa,3ab,3acは、車両前後方向に延びる長孔をなしている。クロスメンバ天板3aの下面には、第一,第二挿通孔3aa,3abに対応する箇所に補強リンフォース4が固定されている。補強リンフォース4には、第一,第二挿通孔3aa,3abに対応して貫通孔(図示せず)が設けられている。これにより、クロスメンバ天板3aは、詳細につき後述する外力に対する強度が確保される。
支持ボルト19a,19b,19cによりタイヤキャリア11をクロスメンバ3に固定させる固定力は、スペアタイヤ2が前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーン16に加わった状態において、タイヤキャリア11が第一,第二,第三挿通孔3aa,3ab,3acに沿って車両前側へ移動するように調整されている。これにより、スペアタイヤ2が前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーン16に加わった状態においてタイヤキャリア11が長孔をなす第一,第二,第三挿通孔3aa,3ab,3acに沿って車両前側へ移動することになる。後側支持ボルト19cは、第三挿通孔3acの大径部3acaに位置づけられることからクロスメンバ3への支持が解除される。そのため、タイヤキャリア11は、2つの前側支持ボルト19a,19bにより、車両前側のみがクロスメンバ3に支持されることになる。
チェーン16を介してタイヤキャリア11に外力が作用することから、タイヤキャリア11のケース12が変形し、ロアケース14のケース底板14cは、チェーン16の巻出し方向と直交するように位置づけられる。引き出されるチェーン16は、チェーン誘導孔14ca,14cbに引っ掛からずに円滑に引き出される。これにより、ケース12との干渉によるチェーン16の破断が防止され、チェーン16の破断によるスペアタイヤ2の脱落が防止されることになる。
なお、本実施形態においては、ヒューズピン27、偏心カム22並びにチェーンホイール15の遊星歯車23、内歯歯車24およびフランジ25などは、チェーンホイール15の逆転を阻止する逆転阻止手段を構成している。ヒューズピン27などはチェーンホイール15の逆転解除手段を構成している。前側支持ボルト19a,19bなどは、ケース天板13cの車両前側を車両1に支持させる前側支持手段を構成している。後側支持ボルト19cなどは、ケース天板13cの車両後側を車両1に支持させる後側支持手段を構成している。第一挿通孔3aa、第二挿通孔3ab、第三挿通孔3ac、第四挿通孔3adなどにより支持解除手段を構成している。
上述したように構成されたスペアタイヤ脱落防止装置10において、車両1の後方から衝突などの、スペアタイヤ2が前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーン16に加わった際の動作について、図4および図5を用いて説明する。
後突されてスペアタイヤ2が前方に押し出されると、車両前方斜め下方向の張力がチェーン16に加えられる。
チェーン16に加えられた張力が所定値を超えたとき、ヒューズピン27が破損して、チェーンホイール15が逆転可能になる。すると、前進するスペアタイヤ2に引っ張られ、チェーン16が引き出される。
タイヤキャリア11は第一〜第四挿通孔3aa,3ab,3ac,3adに沿って前進していき(符号A1で示す方向へ移動し)、2つの前側支持ボルト19a,19bが第一,第二挿通孔3aa,3abの車両前側に位置づけられると共に、1つの後側支持ボルト19cが第三挿通孔3acの大径部3acaに位置づけられることになる。このとき、タイヤキャリア11は、クロスメンバ3に対する車両後側の支持が解除される一方、クロスメンバ3に対する車両前側のみが支持されることになる。
これにより、チェーン16に加わった力がケース12に伝わり、ケース12全体は、車両前方斜め下方向A2へ変形される。すると、ロアケース14のケース底板14cは、チェーン16の巻出し方向と直交するように位置づけられる。これにより、チェーン誘導孔14ca,14cbの開口方向がチェーン16の引出し方向と一致する。これにより、チェーン16は、チェーン誘導孔14ca,14cbに引っ掛からずに円滑に引き出され、ロアケース14との干渉が回避される。
したがって、本実施形態によれば、スペアタイヤ2が前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーン16に加わると、図4に示すように、タイヤキャリア11を前進させ車両前側のみをクロスメンバ3に支持させ、前記外力がケース12に伝わり、図5に示すように、ケース12を変形させる。これにより、スペアタイヤ2に引っ張られて引き出されるチェーン16は、ケース12のチェーン誘導孔14ca,14cbに引っ掛からずに引き出されることから、ケース12との干渉によるチェーン16の破断を防止できる。
次に、本発明の第二および第三の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置10について説明する。なお、第一の実施形態の部材と同一の機能を有する部材は、同一符号を付記して対応する第一の実施形態の記載を参酌することとし、ここでの説明を省略する。下記に説明する以外の部材は、第一の実施形態と同一である。
第二の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置10について、図6から図8を用いて以下に説明する。
図6および図7に示すように、本実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置10は、変形促進部が設けられたタイヤキャリア11を備える。
タイヤキャリア11は、車幅方向に延びる凹形状ビード13cdがケース天板13cに設けられたアッパケース13を備える。凹形状ビード13cdは、前側支持ボルト19a,19bが噛み合うネジ孔13ca,13cbと、後側支持ボルト19cが噛み合うネジ孔13ccおよびチェーン調節ボルト18との間に設けられる。凹形状ビード13cdは、車幅方向に延びている。これにより、スペアタイヤ2が前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーン16に加わると、ケース12の車両前側のみがクロスメンバ3に固定されていることから、凹形状ビード13cdが起点となり、ケース12の車両後方側が車両下方の斜め前側へ変形することになる。つまり、凹形状ビード13cdを設けることで、ケース底板14cがチェーン16の巻出し方向と直交するようなケース12の変形を促進することができる。
タイヤキャリア11は、車両前側の上部が切り欠かれたケース右板14aおよびケース左板14bを有するロアケース14を備える。これにより、スペアタイヤ2が前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーン16に加わった際、図8に示すように、ケース12の変形をケース右板14aおよびケース左板14bが邪魔することがなく、アッパケース13のケース前板13aおよびケース天板13cが安定して変形する。
よって、本実施形態によれば、ケース12の変形を促進できる。これにより、ケース12との干渉によるチェーン16の破断をより確実に防止することができる。
第三の実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置10について、図9を用いて以下に説明する。
図9に示すように、本実施形態に係るスペアタイヤ脱落防止装置10は、荷重伝達具30が設けられたタイヤキャリア11を備える。
荷重伝達具30は、右荷重伝達部材31と左荷重伝達部材32と第一連結部材33と第二連結部材34とを有する。右荷重伝達部材31および左荷重伝達部材32は、車両前後方向に延び、車両前側で上方へ傾斜して延びる棒形状をなしている。
右荷重伝達部材31は、タイヤキャリア11の車幅方向右側に配置される。右荷重伝達部材31の先端部(車両前側の端部)は、タイヤキャリア11のロアケース14のケース右板14aの上方前側に溶接で固定される。左荷重伝達部材32は、タイヤキャリア11の車幅方向左側に配置される。左荷重伝達部材32の先端部(車両前側の端部)は、タイヤキャリア11のロアケース14のケース左板14bの上方前側に溶接で固定される。
第一連結部材33は、右荷重伝達部材31および左荷重伝達部材32における車両後側の端部に連結され、車幅方向に延び、スペアタイヤ2のホイール(内周部)2aと近接する棒形状をなしている。第一連結部材33は、車両後方側に向け突出した円弧形状をなしている。第二連結部材34は、ケース12と第一連結部材33との間に配置される。第二連結部材34は、車幅方向に延びる棒形状をなし、右荷重伝達部材31と左荷重伝達部材32と連結される。車両1が後突されてスペアタイヤ2が前方に押し出されると、荷重伝達具30を介してタイヤキャリア11が前方に押される。タイヤキャリア11の前側支持ボルト19a,19bが第一,第二挿通孔3aa,3abの前端部に当接することでタイヤキャリア11の前方への移動は止まり、タイヤキャリア11は変形を始める。この時点で、荷重伝達具30は、スペアタイヤ2からの荷重とタイヤキャリア11からの反発力によって変形する。これにより、荷重の入力をタイヤキャリア11側へより確実に伝達することができる。その結果、スペアタイヤ2に加わった外力が荷重伝達具30を介してタイヤキャリア11に加わり、タイヤキャリア11をより確実に前進させることができる。また、右荷重伝達部材31および左荷重伝達部材32の先端部(車両前側の端部)をタイヤキャリア11のケース右板14aおよびケース左板14bの前側に固定することで、タイヤキャリア11が前進する際にクロスメンバ天板3aと干渉しにくくなり、タイヤキャリア11をより確実に前進させることができる。さらに、第一連結部材33を車両後方側に向け突出した円弧形状とすることで、スペアタイヤ2から荷重伝達具30に入力される荷重が車幅方向斜めに傾いていたとしても、タイヤキャリア11をより安定して前進させることができる。加えて、第二連結部材34を設けることにより、荷重伝達具30の左右の捩れを防止し、タイヤキャリア11のケース右板14aおよびケース左板14bへの入力を均等にすることができるので、タイヤキャリア11をより安定して前進させることができる。
よって、本実施形態によれば、外力をタイヤキャリア11により確実に伝達でき、ケース12との干渉によるチェーン16の破断をより確実に防止できる。
なお、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることも可能である。例えば、第三の実施形態において、アッパケースのケース天板に凹形状ビードを設けても良い。
1 車両
2 スペアタイヤ
3 クロスメンバ
3a クロスメンバ天板
3aa 第一挿通孔
3ab 第二挿通孔
3ac 第三挿通孔
3ad 第四挿通孔
3b クロスメンバ前壁
3c クロスメンバ後壁
4 補強リンフォース
10 スペアタイヤ脱落防止装置
11 タイヤキャリア
12 ケース
13 アッパケース
13a ケース前板
13b ケース後板
13c ケース天板
13cd 凹形状ビード(脆弱部)
14 ロアケース
14a ケース右板
14b ケース左板
14c ケース底板
14ca,14cb チェーン誘導孔
15 チェーンホイール
16 チェーン
17 フック
18 チェーン調節ボルト
19a,19b,19c 支持ボルト
21 回転軸
22 偏心カム
23 遊星歯車
24 内歯歯車
25 フランジ
25a 溝
27 ヒューズピン
30 荷重伝達具
31 右荷重伝達部材
32 左荷重伝達部材
33 第一連結部材
34 第二連結部材
A1 スライド方向
A2 回転方向

Claims (8)

  1. ケースに収納されるチェーンホイールに巻き掛けたチェーンで懸架してスペアタイヤを
    車両の下部に保持するタイヤキャリアを備えたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記ケースは、前記チェーンホイールの少なくとも下方を覆い、前記チェーンが挿通さ
    れるチェーン誘導孔が形成されたロアケースと、前記チェーンホイールの少なくとも上方
    を覆うアッパケースとを有し、
    前記アッパケースの天板に設けられ、当該天板の車両前側を前記車両に支持させる前側
    支持手段と、
    前記アッパケースの天板に設けられ、当該天板の車両後側を前記車両に支持させる後側
    支持手段と、
    前記スペアタイヤが前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力が前記チェーンに加
    わった状態において、前記後側支持手段による前記車両に対する支持を解除する支持解除
    手段と
    を有し
    前記スペアタイヤが前方に押し込まれた方向に前記所定値を超える外力が前記チェーンに加わった場合、前記アッパケースは、前記前側支持手段により車両前側のみ前記車両に支持されることを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
  2. 請求項1に記載されたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記前側支持手段は、前記天板の車両前側に設けられた前側支持ボルトを有し、
    前記後側支持手段は、前記天板の車両後側に設けられた後側支持ボルトを有し、
    前記支持解除手段は、
    前記車両に設けられ、前記前側支持ボルトが挿通し、車両前後方向に延びる前側長孔と、
    前記車両に設けられ、前記後側支持ボルトが挿通し、車両前後方向に延び、車両前側に当
    該後側支持ボルトよりも大径をなす大径部を有す後側長孔とを備える
    ことを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記天板は、前記前側支持手段と前記後側支持手段との間に設けられ、前記スペアタイ
    ヤが前方に押し込まれる方向に所定値を超える外力がチェーンに加わった状態において、
    前記ケースが車両前側の部分と車両後側の部分とに折れ曲がる脆弱部を有する
    ことを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
  4. 請求項3に記載されたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記脆弱部は、車幅方向に延びる凹形状ビードである
    ことを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載されたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記ケースの側板は、車両前側の上部が切り欠かれている
    ことを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載されたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記外力を前記スペアタイヤから前記ケースに伝達する荷重伝達手段をさらに備える
    ことを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
  7. 請求項6に記載されたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記荷重伝達手段は、車両前後方向に延び、車両前側の端部が前記ケースの右側板およ
    び左側板のそれぞれに固定される右荷重伝達部材および左荷重伝達部材と、前記右荷重伝
    達部材および前記左荷重伝達部材における車両後側の端部に連結され、車幅方向に延び、
    前記スペアタイヤの内周部と近接する第一連結部材とを有し、
    前記第一連結部材は、車両後方側に向けて突出した円弧形状をなしている
    ことを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
  8. 請求項7に記載されたスペアタイヤ脱落防止装置であって、
    前記右荷重伝達部材および前記左荷重伝達部材は、前記ケースの右側板および左側板の
    車両前側に固定される
    ことを特徴とするスペアタイヤ脱落防止装置。
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