JP6833557B2 - めっき装置及びめっき方法 - Google Patents

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Description

本発明は、めっき装置及びめっき方法に関する。
従来、半導体ウェハ等の表面に設けられた微細な配線用溝、ホール、又はレジスト開口部に配線を形成したり、半導体ウェハ等の表面にパッケージの電極等と電気的に接続するバンプ(突起状電極)を形成したりすることが行われている。この配線及びバンプを形成する方法として、例えば、電解めっき法、蒸着法、印刷法、ボールバンプ法等が知られているが、半導体チップのI/O数の増加、細ピッチ化に伴い、微細化が可能で性能が比較的安定している電解めっき法が多く用いられるようになってきている。
電解めっき法で基板にめっきをするには、予め、シード層が形成された半導体ウェハ等の基板にレジストパターンを形成しておく。続いて、レジストパターンが形成された基板に紫外光(以下、UV又はUltra Violetという)の照射等を行い、基板表面上のレジスト残渣を除去し(アッシング処理)且つレジスト表面の親水化処理(ディスカム処理)を行う。
アッシング処理及びディスカム処理が行われた基板は、めっき装置に搬送され、基板ホルダに保持される。基板ホルダは、基板に給電するための電気接点を有する。基板ホルダの電気接点は、基板ホルダに基板が保持されたときにレジストが塗布されていない基板のエッジ部上のシード層に接触するように構成される。このような基板ホルダは、例えば特許文献1に開示されている。基板ホルダに保持された基板はめっき液に浸漬され、アノードと基板との間に電圧が印加されることにより、基板表面にめっき膜が形成される。
特開2002−363794号公報
従来のめっき方法においては、アッシング処理及びディスカム処理が行われた後、直ちにめっき処理が行われるわけではない。即ち、アッシング処理及びディスカム処理が行われてから所定の時間が経過した後に、基板が基板ホルダに保持される。このとき、アッシング処理及びディスカム処理からの時間経過によって、基板のエッジ部上のシード層に酸化膜が形成されたり、レジストから揮発した有機物が付着したりすることがある。基板の電気接点が接触することになる基板のエッジ部上のシード層に酸化膜が形成されたり、有機物が付着したりすると、基板ホルダの電気接点の接触抵抗にバラつきが生じ、めっき膜厚の均一性が悪化するという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、基板のエッジ部に形成される酸化膜及び基板のエッジ部に付着する有機物の少なくともいずれか1つを原因とするめっき膜厚の均一性の悪化を防止することである。
本発明の一形態によれば、基板にめっきを行うめっき装置が提供される。このめっき装置は、前記基板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去するエッジ部洗浄装置と、めっき液を収容し、基板とアノードとを該めっき液に
浸漬させた状態で該基板と該アノード間に電圧を印加してめっきを行うためのめっき槽と、を有する。
この一形態によれば、基板ホルダにセットされる前に、基板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去することができる。したがって、基板のエッジ部以外の表面に形成されたレジストパターンに悪影響を与えることなく、基板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つによる基板ホルダの電気接点の接触抵抗のバラつきを抑制し、めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
本発明の一形態において、前記エッジ部洗浄装置は、前記基板のエッジ部に存在する有機物を局所的に脱離する有機物脱離装置を含み、前記有機物脱離装置は、回転する前記基板のエッジ部にUVを照射するUV照射装置又は回転する前記基板のエッジ部にプラズマを放射するプラズマ放射装置を含む。
一般的に、めっきされる基板上にはレジストが塗布されており、このレジストにUV又はプラズマを放射すると、レジストが変性し、ダメージを受ける恐れがある。この一形態によれば、基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射することができる。これにより、基板のエッジ部以外の表面、即ち基板上のレジストが塗布されている部分にはUV又はプラズマを放射することがないので、基板上のレジストにダメージを与えることなく、基板のエッジ部の有機物を脱離させることができる。
本発明の一形態において、めっき装置は、前記基板を回転させて前記基板の向きを整列するアライナを有し、前記有機物脱離装置は、前記アライナに設けられる。
この一形態によれば、有機物脱離装置がアライナに設けられるので、アライナにより基板を回転させつつ、UV照射装置又はプラズマ照射装置で基板のエッジ部を処理することができる。したがって、有機物脱離装置に基板を回転させる機構を設ける必要がないので、コストを低減することができる。また、有機物脱離装置をアライナに設けることで、めっき装置全体のフットプリントを低減することもできる。
本発明の一形態において、前記UV照射装置又は前記プラズマ放射装置は、前記基板の上方から該基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを適用できる位置に配置される。
本発明の一形態において、前記エッジ部洗浄装置は、前記基板のエッジ部に存在する酸化膜を局所的に除去する酸化膜除去装置を含み、前記酸化膜除去装置は、回転する前記基板のエッジ部に薬液を供給する薬液ノズルを備えた薬液洗浄装置を含む。
一般的に、めっきされる基板上にはシード層が形成されており、このシード層に薬液が付着したまま放置すると、シード層が溶ける虞がある。このため、めっきされる基板のエッジ以外の部分、即ち、レジストパターンの開口から露出されるシード層に薬液が付着した場合、薬液が残らないように十分な洗浄が必要になる。この一形態によれば、基板のエッジ部に局所的に薬液を供給することができる。これにより、レジストパターンの開口から露出されるシード層に薬液を付着させることなく、基板のエッジ部に形成された酸化膜を除去することができる。したがって、基板の全面に薬液を付着させた場合に比べて、基板の洗浄時間を大幅に短縮することができる。
本発明の一形態において、前記薬液は、3wt%以上15wt%以下の希硫酸又は2wt%以上20wt%以下のクエン酸を含む。
薬液で基板のエッジ部の酸化膜を除去する際に、基板のエッジ部上のシード層が溶けないようにする必要がある。この一形態によれば、基板のエッジ部上のシード層を溶かすことなく、酸化膜を除去することができる。なお、希硫酸が3wt%未満又はクエン酸が2wt%未満であると、酸濃度が低すぎて、酸化膜を適切に除去することができない虞がある。また、希硫酸が15wt%超又はクエン酸が20wt%超であると、酸濃度が高すぎて、基板のエッジ部上のシード層を溶かしてしまう虞がある。
本発明の一形態において、めっき装置は、前記基板を回転させて、乾燥させるように構成されるスピンリンスドライヤを有し、前記酸化膜除去装置は、前記スピンリンスドライヤに設けられる。
この一形態によれば、酸化膜除去装置がスピンリンスドライヤに設けられるので、スピンリンスドライヤにより基板を回転させつつ、薬液洗浄装置で基板のエッジ部を処理することができる。また、スピンリンスドライヤは、一般的に、基板上の液体が飛散することを防止するカバーを有しているので、薬液洗浄装置が供給する薬液がスピンリンスドライヤの外部に飛散することも防止することができる。したがって、酸化膜除去装置に基板を回転させる機構及び薬液の飛散を防止するカバーを設ける必要がないので、コストを低減することができる。また、酸化膜除去装置をスピンリンスドライヤに設けることで、めっき装置全体のフットプリントを低減することもできる。
本発明の一形態において、前記薬液洗浄装置は、前記基板の上方から該基板のエッジ部に局所的に薬液を供給できる位置に配置される。
本発明の一形態において、めっき装置は、前記基板のエッジ部に存在するパーティクルを除去するスポンジ洗浄装置を有する。
この一形態によれば、基板ホルダの電気接点と基板のエッジ部上のシード層との間にパーティクルが挟み込まれることを防止することができ、パーティクルに起因する接触抵抗の悪化を抑制することができる。
本発明の一形態において、めっき装置は、前記エッジ部に存在した有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つが局所的に除去された基板の前記エッジ部に光を照射するとともに、反射する光の強度又は吸光度を測定するように構成されたセンサを備える。
この一形態によれば、反射する光の強度又は吸光度を測定することで、エッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去した基板に対して、エッジ部の汚染物質が十分に除去されているか否かを判定することができる。これにより、基板のエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることができるので、基板ホルダが有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を、より確実に防止できる。
本発明の一形態によれば、基板にめっきを行うめっき方法が提供される。このめっき方法は、前記基板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去する除去工程と、前記基板を基板ホルダに保持する工程と、前記基板ホルダに保持された前記基板にめっき処理を行う工程と、を有する。
この一形態によれば、基板ホルダにセットされる前に、基板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去することができる。したがって、基板のエッジ部以外の表面に形成されたレジストパターンに悪影響を与えることなく、基
板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つによる基板ホルダの電気接点の接触抵抗のバラつきを抑制し、めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
本発明の一形態において、めっき方法は、レジストパターンを前記基板に形成する工程と、前記レジストパターンをアッシングするアッシング工程と、を有し、前記除去工程は、前記アッシング工程の後に実行される。
この一形態によれば、アッシング工程の後に除去工程が行われるので、アッシング工程の後に所定時間が経過して、基板のエッジ部への有機物付着、及び酸化膜の形成の少なくともいずれか1つが生じたとしても、除去工程により基板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去することができる。
本発明の一形態において、前記除去工程は、前記基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射する工程を含む。
一般的に、めっきされる基板上にはレジストが塗布されており、このレジストにUV又はプラズマを放射すると、レジストが変性し、ダメージを受ける恐れがある。この一形態によれば、基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射することができる。これにより、基板のエッジ部以外の表面、即ち基板上のレジストが塗布されている部分にはUV又はプラズマを放射することがないので、基板上のレジストにダメージを与えることなく、基板のエッジ部の有機物を脱離させることができる。
本発明の一形態において、前記除去工程は、前記基板のエッジ部に局所的に薬液を供給する工程を含む。
一般的に、めっきされる基板上にはシード層が形成されており、このシード層に薬液が付着したまま放置すると、シード層が溶ける虞がある。このため、めっきされる基板のエッジ以外の部分、即ち、レジストパターンの開口から露出されるシード層に薬液が付着した場合、薬液が残らないように十分な洗浄が必要になる。この一形態によれば、基板のエッジ部に局所的に薬液を供給することができる。これにより、レジストパターンの開口から露出されるシード層に薬液を付着させることなく、基板のエッジ部に形成された酸化膜を除去することができる。したがって、基板の全面に薬液を付着させた場合に比べて、基板の洗浄時間を大幅に短縮することができる。
本発明の一形態において、前記薬液は、3wt%以上15wt%以下の希硫酸又は2wt%以上20wt%以下のクエン酸を含む。
薬液で基板のエッジ部の酸化膜を除去する際に、基板のエッジ部上のシード層が溶けないようにする必要がある。この一形態によれば、基板のエッジ部上のシード層を溶かすことなく、酸化膜を除去することができる。なお、希硫酸が3wt%未満又はクエン酸が2wt%未満であると、酸濃度が低すぎて、酸化膜を適切に除去することができない虞がある。また、希硫酸が15wt%超又はクエン酸が20wt%超であると、酸濃度が高すぎて、基板のエッジ部上のシード層を溶かしてしまう虞がある。
本発明の一形態において、めっき方法は、回転する前記基板のエッジ部にスポンジヘッドを接触させて、パーティクルを除去する工程を有する。
この一形態によれば、基板ホルダの電気接点と基板のエッジ部上のシード層との間にパーティクルが挟み込まれることを防止することができ、パーティクルに起因する接触抵抗
の悪化を抑制することができる。
本発明の一形態において、前記除去工程は、前記基板のエッジ部に存在する有機物を局所的に脱離した後、前記酸化膜を局所的に除去する工程を含む。
基板のエッジ部においては、酸化膜上に有機物が付着し得る。したがって、有機物を脱離する前に酸化膜を除去した場合、有機物が付着した部分の酸化膜が除去され難い。この一形態によれば、有機物を脱離した後に酸化膜を除去するので、効果的に有機物及び酸化膜を除去することができる。
本発明の一形態において、前記除去工程は、前記基板の周縁部から基板中心に向かって2mmの範囲内に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去する工程を含む。
一般的に、基板ホルダの電気接点は、基板の周縁部から2mmの範囲内のエッジ部と接触する。したがって、この一形態によれば、基板ホルダの電気接点が接触する基板上の部分に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去することができる。
本発明の一形態において、前記除去工程は、前記基板が基板ホルダにより保持される際にシール部材でシールされる領域に隣接する、基板周縁部までの領域に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去する工程を含む。
本発明の一形態において、めっき方法は、前記エッジ部に存在した有機物又は酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去した基板の前記エッジ部に光を照射して、反射する光の強度又は吸光度を測定する工程を有する。
この一形態によれば、反射する光の強度又は吸光度を測定することで、エッジ部に存在する有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つを局所的に除去した基板に対して、エッジ部の汚染物質が十分に除去されているか否かを判定することができる。これにより、基板のエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることができるので、基板ホルダが有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を、より確実に防止できる。
本発明の一形態によれば、基板にめっきを行うめっき装置が提供される。このめっき装置は、基板ホルダに保持された前記基板に電圧を印加してめっきを行うためのめっき槽と、前記基板のエッジ部に存在する有機物、酸化膜及びパーティクルの少なくともいずれか1つを局所的に除去するエッジ部洗浄装置と、を有する。
この一形態によれば、基板ホルダにセットされる前に、基板のエッジ部に存在する有機物、酸化膜、及びパーティクルの少なくともいずれか1つを局所的に除去することができる。したがって、基板のエッジ部以外の表面に形成されたレジストパターンに悪影響を与えることなく、基板のエッジ部に存在する有機物、酸化膜、及びパーティクルの少なくともいずれか1つによる基板ホルダの電気接点の接触抵抗のバラつきを抑制し、めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
本発明の一形態によれば、基板にめっきを行うめっき方法が提供される。このめっき方法は、基板ホルダに保持される前の前記基板のエッジ部に存在する有機物、酸化膜及びパーティクルの少なくともいずれか1つを局所的に除去する除去工程と、前記基板を基板ホ
ルダに保持する工程と、前記基板ホルダに保持された前記基板にめっき処理を行う工程と、を有する。
この一形態によれば、基板ホルダにセットされる前に、基板のエッジ部に存在する有機物、酸化膜、及びパーティクルの少なくともいずれか1つを局所的に除去することができる。したがって、基板のエッジ部以外の表面に形成されたレジストパターンに悪影響を与えることなく、基板のエッジ部に存在する有機物、酸化膜、及びパーティクルの少なくともいずれか1つによる基板ホルダの電気接点の接触抵抗のバラつきを抑制し、めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
本発明の一形態のめっき装置によれば、前記エッジ部洗浄装置は、前記基板のエッジ部に存在する有機物を局所的に脱離する有機物脱離装置を含み、前記有機物脱離装置は、前記基板のエッジ部にUVを照射するUV照射装置又は前記基板のエッジ部にプラズマを放射するプラズマ放射装置を含む。
一般的に、めっきされる基板上にはレジストが塗布されており、このレジストにUV又はプラズマを放射すると、レジストが変性し、ダメージを受ける恐れがある。この一形態によれば、基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射することができる。これにより、基板のエッジ部以外の表面、即ち基板上のレジストが塗布されている部分にはUV又はプラズマを放射することがないので、基板上のレジストにダメージを与えることなく、基板のエッジ部の有機物を脱離させることができる。
本発明の一形態のめっき装置によれば、前記エッジ部洗浄装置は、前記基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを適用するように構成されたヘッド部と、前記ヘッド部を水平方向に移動させるアクチュエータを有する。
この一形態によれば、ヘッド部が水平方向に移動可能であるので、例えば矩形状の基板であっても、エッジ部に沿ってヘッド部を移動させることで、エッジ部の洗浄を行うことができる。
本発明の一形態のめっき装置によれば、前記アクチュエータは、第1方向に前記ヘッド部を移動させる第1アクチュエータと、前記第1方向と直交する第2方向に前記ヘッド部を移動させる第2アクチュエータと、を有する。
この一形態によれば、ヘッド部を第1方向と第2方向とに移動させることができる。このため、エッジ部に沿ってヘッド部を移動させるだけでなく、エッジ部の延びる方向と直交する方向にヘッド部を位置合わせすることができる。したがって、例えば基板が長辺と短辺を有する矩形基板である場合でも、長辺のエッジ部と、短辺のエッジ部との両方にヘッド部を位置合わせすることができる。
本発明の一形態のめっき装置によれば、前記エッジ部洗浄装置は、前記ヘッド部及び前記アクチュエータを制御する制御部を有し、前記アクチュエータは、前記基板のエッジ部に沿って前記ヘッド部を移動させるように構成され、前記制御部は、前記ヘッド部によるUV又はプラズマの放射と前記アクチュエータによる前記基板のエッジ部に沿った前記ヘッド部の移動とを同時に行うように、前記ヘッド部及び前記アクチュエータを制御する。
この一形態によれば、矩形基板のエッジ部に沿ってヘッド部を移動させつつUV又はプラズマを放射することができる。
本発明の一形態のめっき装置によれば、前記エッジ部洗浄装置は、前記ヘッド部を旋回
させる旋回機構を有し、前記制御部は、前記旋回機構による前記ヘッド部の旋回時には前記ヘッド部によるUV又はプラズマの放射を停止させるように、前記ヘッド部及び前記旋回機構を制御する。
この一形態によれば、ヘッド部が旋回できるので、矩形基板の4辺のエッジ部上にヘッド部を容易に移動させることができる。また、ヘッド部が旋回している間はヘッド部によるUV又はプラズマの放射を行わないので、矩形基板上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
本発明の一形態のめっき装置によれば、前記エッジ部洗浄装置は、前記基板を回転させる回転機構と、前記ヘッド部、前記回転機構、及び前記アクチュエータを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記回転機構による前記基板の回転時には前記ヘッド部によるUV又はプラズマの放射を停止させるように、前記ヘッド部及び前記回転機構を制御する。
この一形態によれば、基板を回転させることができるので、ヘッド部の下方に矩形基板の4辺のエッジ部を容易に移動させることができる。また、基板が回転している間はヘッド部によるUV又はプラズマの放射を行わないので、矩形基板上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
本発明の一形態のめっき方法によれば、前記除去工程は、UV又はプラズマを放射するヘッド部を矩形の前記基板のエッジ部に沿って移動させながらUV又はプラズマを放射する工程を有する。
この一形態によれば、矩形基板のエッジ部に沿ってヘッド部を移動させつつUV又はプラズマを放射することができる。
本発明の一形態のめっき方法によれば、前記除去工程は、前記ヘッド部を水平方向に移動させて、前記矩形の基板のエッジ部に前記ヘッド部を位置合わせする工程を有する。
この一形態によれば、例えば基板が長辺と短辺を有する矩形基板である場合でも、長辺のエッジ部と、短辺のエッジ部との両方にヘッド部を位置合わせすることができる。
本発明の一形態のめっき方法によれば、前記除去工程は、前記矩形の基板のエッジ部の一つにUV又はプラズマを放射した後、UV又はプラズマの放射を停止させながら前記ヘッド部を旋回させる工程を有する。
この一形態によれば、ヘッド部が旋回できるので、矩形基板の4辺のエッジ部上にヘッド部を容易に移動させることができる。また、ヘッド部が旋回している間はヘッド部によるUV又はプラズマの放射を行わないので、矩形基板上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
本発明の一形態のめっき方法によれば、前記除去工程は、前記矩形の基板のエッジ部の一つにUV又はプラズマを放射した後、UV又はプラズマの放射を停止させながら前記矩形の基板を回転させる工程を有する。
この一形態によれば、基板を回転させることができるので、ヘッド部の下方に矩形基板の4辺のエッジ部を容易に移動させることができる。また、基板が回転している間はヘッド部によるUV又はプラズマの放射を行わないので、矩形基板上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
本発明によれば、基板のエッジ部に形成される酸化膜及び基板のエッジ部に付着する有機物の少なくともいずれかを原因とするめっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
第1実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。 図1に示しためっき装置で使用される基板ホルダの斜視図である。 図2に示した基板ホルダの電気接点を示す断面図である。 図1に示したアライナの概略上面図である。 図4に示す矢視5−5におけるアライナの概略断面図である。 図4に示す矢視6−6におけるアライナの概略断面図である。 第1実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。 第1実施形態に係る他の例のめっき装置の全体配置図である。 第2実施形態に係るめっき装置の全体配置図である。 酸化膜除去装置を備えたスピンリンスドライヤを示す概略図である。 第2実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。 第3実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。 第3実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。 第4実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。 スポンジ洗浄装置の概略側面図である。 第4実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。 第5実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。 スポンジ薬液洗浄装置の概略側面図である。 第5実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。 第6実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。 第6実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。 フィキシングユニットに設けられる有機物脱離装置の一例の概略側面図である。 図22に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図22に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図22に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図22に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図22に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 フィキシングユニットに設けられる有機物脱離装置の他の一例の概略側面図である。 図24に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図24に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図24に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図24に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図24に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 フィキシングユニットに設けられる有機物脱離装置の他の一例の概略側面図である。 図26に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図26に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図26に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 フィキシングユニットに設けられる有機物脱離装置の他の一例の概略側面図である。 図28に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図28に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。 図28に示した有機物脱離装置で矩形基板のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置の平面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、第1実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。図1に示すように、このめっき装置は、基板ホルダ60に基板をロードし、又は基板ホルダ60から基板をアンロードするロード/アンロード部170Aと、基板を処理する処理部170Bとに大きく分けられる。
ロード/アンロード部170Aには、3台のフープ(Front−Opening Unified Pod:FOUP)102と、基板のオリフラ(オリエンテーションフラット)やノッチなどの位置を所定の方向に合わせるアライナ40と、めっき処理後の基板を高速回転させて乾燥させるスピンリンスドライヤ20とが設けられる。フープ102は、半導体ウェハ等の複数の基板を多段に収納する。スピンリンスドライヤ20の近くには、基板ホルダ60を載置して基板の着脱を行うフィキシングユニット120が設けられている。これらのユニット102,40,20,120の中央には、これらのユニット間で基板を搬送する搬送用ロボットからなる基板搬送装置122が配置されている。後述するように、第1実施形態に係るアライナ40は、基板ホルダ60にセットされる前の基板のエッジ部に存在する有機物を局所的に脱離する有機物脱離装置(図4及び図6等参照)を有する。
フィキシングユニット120は、2個の基板ホルダ60を載置可能に構成される。フィキシングユニット120においては、一方の基板ホルダ60と基板搬送装置122との間で基板の受渡しが行われた後、他方の基板ホルダ60と基板搬送装置122との間で基板の受渡しが行われる。
めっき装置の処理部170Bは、ストッカ124と、プリウェット槽126と、プリソーク槽128と、第1洗浄槽130aと、ブロー槽132と、第2洗浄槽130bと、めっき槽10と、を有する。ストッカ124では、基板ホルダ60の保管及び一時仮置きが行われる。プリウェット槽126では、基板が純水に浸漬される。プリソーク槽128で
は、基板の表面に形成したシード層等の導電層の表面にある酸化膜がエッチング除去される。第1洗浄槽130aでは、プリソーク後の基板が基板ホルダ60と共に洗浄液(純水等)で洗浄される。ブロー槽132では、洗浄後の基板の液切りが行われる。第2洗浄槽130bでは、めっき後の基板が基板ホルダ60と共に洗浄液で洗浄される。ストッカ124、プリウェット槽126、プリソーク槽128、第1洗浄槽130a、ブロー槽132、第2洗浄槽130b、及びめっき槽10は、この順に配置されている。
めっき槽10は、例えば、オーバーフロー槽を備えた複数のめっきセル134を有する。各めっきセル134は、内部に一つの基板を収納し、内部に保持しためっき液中に基板を浸漬させる。めっきセル134において基板とアノードとの間に電圧を印加することにより、基板表面に銅めっき等のめっきが行われる。
めっき装置は、これらの各機器の側方に位置して、これらの各機器の間で基板ホルダ60を基板とともに搬送する、例えばリニアモータ方式を採用した基板ホルダ搬送装置140を有する。この基板ホルダ搬送装置140は、第1トランスポータ142と、第2トランスポータ144を有している。第1トランスポータ142は、フィキシングユニット120、ストッカ124、プリウェット槽126、プリソーク槽128、第1洗浄槽130a、及びブロー槽132との間で基板を搬送するように構成される。第2トランスポータ144は、第1洗浄槽130a、第2洗浄槽130b、ブロー槽132、及びめっき槽10との間で基板を搬送するように構成される。他の実施形態では、めっき装置は、第1トランスポータ142及び第2トランスポータ144のいずれか一方のみを備えるようにし、いずれかのトランスポータが、フィキシングユニット120、ストッカ124、プリウェット槽126、プリソーク槽128、第1洗浄槽130a、第2洗浄槽130b、ブロー槽132、及びめっき槽10の間で基板を搬送するようにしてもよい。
図2は図1に示しためっき装置で使用される基板ホルダ60の斜視図である。基板ホルダ60は、図2に示すように、例えば塩化ビニル製で矩形平板状の第1保持部材65と、この第1保持部材65にヒンジ63を介して開閉自在に取付けられた第2保持部材66とを有している。基板ホルダ60の第1保持部材65の略中央部には、基板を保持するための保持面68が設けられている。また、第1保持部材65の保持面68の外側には、保持面68の円周に沿って、内方に突出する突出部を有する逆L字状のクランパ67が等間隔に設けられている。
基板ホルダ60の第1保持部材65の端部には、基板ホルダ60を搬送したり吊下げ支持したりする際の支持部となる一対の略T字状のハンド69が連結されている。図1に示したストッカ124内において、ストッカ124の周壁上面にハンド69を引っ掛けることで、基板ホルダ60が垂直に吊下げ支持される。また、この吊下げ支持された基板ホルダ60のハンド69を第1トランスポータ142又は第2トランスポータ144で把持して基板ホルダ60が搬送される。なお、プリウェット槽126、プリソーク槽128、洗浄槽130a,130b、ブロー槽132及びめっき槽10内においても、基板ホルダ60は、ハンド69を介してそれらの周壁に吊下げ支持される。
また、ハンド69には、外部の電力供給部に接続するための図示しない外部接点が設けられている。この外部接点は、複数の配線を介して保持面68の外周に設けられた複数の導電体73(図3参照)と電気的に接続されている。
第2保持部材66は、ヒンジ63に固定された基部61と、基部61に固定されたリング状のシールホルダ62とを備えている。第2保持部材66のシールホルダ62には、シールホルダ62を第1保持部材65に押し付けて固定するための押えリング64が回転自在に装着されている。押えリング64は、その外周部において外方に突出する複数の突条
部64aを有している。突条部64aの上面とクランパ67の内方突出部の下面は、回転方向に沿って互いに逆方向に傾斜するテーパ面を有する。
基板を保持するときは、まず、第2保持部材66を開いた状態で、第1保持部材65の保持面68に基板を載置し、第2保持部材66を閉じる。続いて、押えリング64を時計回りに回転させて、押えリング64の突条部64aをクランパ67の内方突出部の内部(下側)に滑り込ませる。これにより、押えリング64とクランパ67にそれぞれ設けられたテーパ面を介して、第1保持部材65と第2保持部材66とが互いに締付けられてロックされ、基板が保持される。基板の保持を解除するときは、第1保持部材65と第2保持部材66とがロックされた状態において、押えリング64を反時計回りに回転させる。これにより、押えリング64の突条部64aが逆L字状のクランパ67から外されて、基板の保持が解除される。
図3は、図2に示した基板ホルダ60の電気接点を示す断面図である。図3に示すように、第1保持部材65の保持面68には基板Wが載置されている。保持面68と第1保持部材65との間には、図2に示したハンド69に設けられた外部接点から延びる複数の配線に接続された複数の(図示では1つの)導電体73が配置されている。導電体73は、第1保持部材65の保持面68上に基板Wを載置した際、この導電体73の端部が基板Wの側方で第1保持部材65の表面にばね特性を有した状態で露出するように基板Wの円周外側に複数配置されている。
シールホルダ62の、第1保持部材65と対向する面(図中下面)には、基板ホルダ60で基板Wを保持したときに基板Wの表面外周部及び第1保持部材65に圧接されるシール部材70が取付けられている。シール部材70は、基板Wの表面をシールするリップ部70aと、第1保持部材65の表面をシールするリップ部70bとを有する。
シール部材70の一対のリップ部70a,70bで挟まれた内部には、支持体71が取付けられる。支持体71には導電体73から給電可能に構成された電気接点72が、例えばねじ等で固定され、基板Wの円周に沿って複数配置されている。電気接点72は、保持面68の内側へ向かって延びる電気接点端部72aと、導電体73から給電可能に構成された脚部72bとを有している。
図2に示した第1保持部材65と第2保持部材66とがロックされると、図3に示すように、シール部材70の内周面側の短いリップ部70aが基板Wの表面に、外周面側の長いリップ部70bが第1保持部材65の表面にそれぞれ押圧される。これにより、リップ部70a及びリップ部70b間が確実にシールされるとともに、基板Wが保持される。
シール部材70でシールされた領域、即ちシール部材70の一対のリップ部70a,70bで挟まれた領域において、導電体73が電気接点72の脚部72bに電気的に接続され、且つ電気接点端部72aが基板Wのエッジ部上のシード層に接触する。これにより、基板Wをシール部材70でシールしつつ基板ホルダ60で保持した状態で、電気接点72を介して基板Wに給電することができる。
上述したように、シード層が形成された基板Wには、予めレジストパターンが形成される。基板Wは、図1に示しためっき装置に搬送される前に、UVの照射等が行われて、基板表面上のレジスト残渣が除去され(アッシング処理)且つレジスト表面の親水化処理(ディスカム処理)が行われる。アッシング処理及びディスカム処理が行われた基板Wは、その後めっき装置に搬送され、基板ホルダ60に保持される。ここで、基板Wのレジストが塗布されていないエッジ部上のシード層には、アッシング処理及びディスカム処理からの時間経過によって、酸化膜が形成されたり、レジストから揮発した有機物が付着したり
することがある。図3に示すように電気接点72は基板Wのエッジ部上に接触するので、基板Wのエッジ部上のシード層に酸化膜が形成されたり、有機物が付着したりすると、基板ホルダ60の電気接点72の接触抵抗にバラつきが生じ、めっき膜厚の均一性が悪化するという問題がある。
そこで、本実施形態では、図1に示したアライナ40に有機物脱離装置を設け、基板Wのエッジ部上のシード層に形成される有機物を脱離(除去)する。なお、本明細書において、基板Wのエッジ部とは、電気接点72が接触し得る領域、又は基板ホルダ60により基板Wが保持される際、シール部材70が接触する部分よりも基板Wの周縁部側となる領域をいう。例えば、本実施形態においては、図3に示したシール部材70のリップ部70aが当接する部分よりも外周側の領域をいい、基板Wの外周縁部から基板中心に向かって約5mmの範囲内、より好ましくは、約2mmの範囲内をいう。
図4は、図1に示したアライナ40の概略上面図である。図5は、図4に示す矢視5−5におけるアライナ40の概略断面図であり、図6は、図4に示す矢視6−6におけるアライナ40の概略断面図である。図4ないし6に示すように、アライナ40は、ベース41と、回転ステージ42と、アライナ光源43と、光検出器44と、有機物脱離装置45(エッジ部洗浄装置の一例に相当する)と、を有する。
回転ステージ42は、基板Wの裏面を吸着するように構成され、基板Wを周方向に回転させる。なお、回転ステージ42は、静電吸着式又は真空吸着式で基板Wを吸着する。アライナ光源43は、回転ステージ42によって回転される基板Wのエッジ部付近に光46を照射するように構成される。基板Wが回転することにより、基板Wのノッチがアライナ光源43からの光46が照射される位置に移動したとき、光46はノッチを通過して光検出器44に到達する。光検出器44が光46を検出したとき、アライナ40は、基板Wのノッチがアライナ光源43の直下に位置することを認識することができ、基板Wの向きを整列させることができる。
有機物脱離装置45は、UV照射装置又はプラズマ放射装置である。本実施形態では、基板Wの上方から、基板Wのエッジ部に局所的にUV又はプラズマを適用できるように構成されている。有機物脱離装置45は、基板ホルダ60に保持される前の基板Wのエッジ部に局所的にUV又はプラズマを適用することができる。言い換えれば、基板Wのエッジ部以外の領域は、UV又はプラズマに曝されない。回転ステージ42によって基板Wを回転することにより、基板Wのエッジ部全周に亘ってUV又はプラズマを効率的に適用することができる。基板Wのエッジ部に付着した有機物にUV又はプラズマを照射すると、有機物が分解されて揮発性物質が生成され、揮発性物質となった有機物は揮発して除去される。UV照射装置のUV照射源又はプラズマ放射装置のプラズマ放射口と基板Wとの距離は、約1mm以上約10mm以下とすることが好ましい。この距離が1mm未満であると、基板とUV照射源又はプラズマ放射装置のプラズマ放射口とが物理的に接触する可能性がある。また、この距離を10mm超とすると、局所的にUV又はプラズマを照射できない可能性がある。基板とUV照射源又はプラズマ放射装置のプラズマ放射口とをより確実に物理的に接触させることなく、また、局所的に照射できるようにするためには、この距離を約2mm以上約5mm以下とすることがより好ましい。
有機物脱離装置45がUV照射装置である場合において、UV光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、ブラックライト、又はUV領域の光を放射可能なレーザー光源等を採用することができる。高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、及びブラックライトは光が発散する傾向を有するので、これらの光源を採用する場合は、光源を基板Wの近傍に設置するか、光学系を用いてエッジ部のみにUVを照射するようにすることが好ましい。有機物脱離装置45がプラズマ放射装置である場合は、例えば大気リモートプラズ
マ装置等を採用することができる。
アライナ40は、さらに、基板Wのエッジ部に、エッジ部の上方から紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmの波長を有する光を励起光として基板Wのエッジ部に対して照射し、エッジ部からの反射光を見ることで、吸光度を測定するように構成されたセンサ(分光光度計)、又は蛍光領域の光を照射してその反射光の強度をモニタするためのセンサ(蛍光反射膜厚計)を備えてもよい。
このセンサ(不図示)は、有機物脱離装置45に設けても良いし、アライナ40に別途設けても良い。本実施形態に係るめっき装置の制御部は、このセンサにより測定された吸光度又は蛍光強度の値が、予め設定した閾値よりも大きい値か否かによって、エッジ部の汚染物質(有機物及び酸化膜を含む)が十分に除去されているか否かを判定することができるように構成されている。例えば、エッジ部の汚染物質が十分に除去されていないと判定された場合は、有機物脱離装置45は、基板Wのエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射する工程を繰り返し実施してもよい。また、エッジ部の汚染物質が十分に除去されていると判定された場合には、有機物の脱離が完了したものとして、基板Wは、基板搬送装置122によってフィキシングユニット120に搬送されて、これに続く一連のめっき処理が実施される。このように、基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることで、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を、より確実に防止できる。
図7は、第1実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。本めっき方法では、まず、図1に示しためっき装置に基板Wを搬送する前に、基板Wにレジストパターンを形成する(ステップS601)。続いて、レジストパターンが形成された基板WにUVの照射を行い、基板W表面上のレジスト残渣を除去し(アッシング処理)且つレジスト表面の親水化処理(ディスカム処理)を行う(ステップS602)。ステップS601及びステップS602の処理は、図1に示しためっき装置以外の任意の装置において行われる。
続いて、基板Wを収容したフープ102から、基板搬送装置122によって、基板Wがアライナ40へ搬送される。アライナ40において、基板Wのエッジ部の洗浄が行われる(ステップS603)。具体的には、アライナ40において、有機物脱離装置45により基板Wのエッジ部に局所的にUV又はプラズマが適用され、有機物が脱離される。なお、この時基板Wの向きがアライナ40によって整列される。
図7に示すフローには記載されていないが、アライナ40にセンサ(不図示)を設けた場合には、基板Wのエッジ部に存在した有機物及び酸化膜の少なくともいずれか1つにUV又はプラズマを適用して局所的に除去した後に、エッジ部の汚染物質(有機物及び酸化膜を含む)の有無を確認することができる。具体的には、まず、アライナ40に配置された基板Wの表面の上方にセンサ(分光光度計又は蛍光反射膜厚計)を位置させる。アライナ40により基板Wを回転又は静止させた状態で、センサを基板中心部からエッジ部へ(又はエッジ部から基板中心部へ)走査させながら、センサから基板Wの表面に向かって紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmの波長の光を励起光として照射し、吸光度または蛍光強度を測定する。
基板表面には、UV又はプラズマ処理が行われたエッジ部と、UV又はプラズマ処理が行われていない被めっき面とが存在し、シード層は、基板表面の全域(被めっき面とエッジ部)に形成されている。そして、被めっき面とエッジ部にセンサを走査させることで、被めっき面とエッジ部の両方の吸光度又は蛍光強度を測定することができる。めっき装置の制御部は、例えば、この被めっき面とエッジ部の両方の吸光度を比較し、例えば被めっ
き面の吸光度に対するエッジ部の吸光度の比の値が予め設定した閾値(例えば50%以下)より大きいか否かにより、エッジ部の汚染物質(有機物および酸化膜を含む)が十分に除去されているか否かを判定することができる。上記比の値が閾値より大きい場合は、エッジ部の汚染物質(有機物および酸化膜を含む)は十分に除去されていないと判定できる。また、上記比の値が閾値より大きくない場合はエッジ部の汚染物質(有機物および酸化膜を含む)は十分に除去されていると判定できる。蛍光強度を測定する場合も、同様に所定の閾値と測定値とを比較することで、エッジ部の汚染物質が十分に除去されているか否かを判定することができる。
この判定に基づき、エッジ部の汚染物質が十分に除去されていないと判定された場合は、基板Wのエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射する工程を繰り返し実施してもよい。また、エッジ部の汚染物質が十分に除去されていると判定された場合は、有機物の脱離が完了したものとして、基板搬送装置122によってフィキシングユニット120に搬送され、一連のめっき処理が実施される。このように、基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることで、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を、より確実に防止できる。
エッジ部の洗浄が行われた基板Wは、基板搬送装置122によってフィキシングユニット120に搬送され、基板ホルダ60にセットされる(ステップS604)。このとき、基板Wのエッジ部の有機物は脱離されているので、基板ホルダ60の電気接点は、洗浄された基板Wのエッジ部と接触する。これにより、有機物の付着に起因する基板ホルダ60の電気接点の接触抵抗のバラつきを低減することができる。
基板ホルダ60に保持された基板Wは、基板ホルダ搬送装置140により、まずプリウェット槽126に搬送され、プリウェット槽126に収容された純水に基板Wが浸漬される(ステップS605)。続いて、基板Wは、プリソーク槽128に搬送され、基板Wの表面が酸洗浄される(ステップS606)。具体的には、プリソーク槽128に収容された硫酸や硝酸等の薬液に基板Wが浸漬され、基板の表面に形成されたシード層の表面の酸化膜がエッチング除去される。
図7に示すフローには記載されていないが、酸洗浄された基板Wは、その後第1洗浄槽130aに収容された純水に浸漬されて、基板W表面に付着した薬液が洗浄されてもよい。続いて、基板Wは、めっき槽10のいずれかのめっきセル134に浸漬されて、めっき処理が行われる(ステップS607)。表面にめっき膜が形成された基板Wには、QDR(Quick Damp Rinse)処理が行われる(ステップS608)。具体的には、基板Wは、第2洗浄槽130bに収容された純水に浸漬されて、基板W表面に付着しためっき液が洗浄される。
続いて、基板ホルダ60に保持された基板Wはフィキシングユニット120に搬送され、基板ホルダ60から基板Wが取り外される。基板搬送装置122は、フィキシングユニット120から基板Wを受け取り、スピンリンスドライヤ20に基板Wを搬送する。基板Wは、スピンリンスドライヤ20において、表面の洗浄及び乾燥が行われる(ステップS609)。
以上で説明したように、本実施形態によれば、基板ホルダ60にセットされる前に、基板Wのエッジ部に存在する有機物を局所的に除去することができる。したがって、基板Wの表面に形成されたレジストパターンに悪影響を与えることなく、基板Wのエッジ部に存在する有機物に起因する基板ホルダ60の電気接点72の接触抵抗のバラつきを抑制し、
めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
また、本実施形態によれば、基板Wのエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射することができる。これにより、基板Wのエッジ部以外の表面、即ち基板W上のレジストが塗布されている部分にはUV又はプラズマを放射することがないので、レジストにダメージを与えることなく、基板Wのエッジ部の有機物を脱離させることができる。
また、本実施形態によれば、有機物脱離装置45がアライナ40に設けられるので、アライナ40により基板を回転させつつ、UV照射装置又はプラズマ照射装置で基板Wのエッジ部を処理することができる。したがって、有機物脱離装置45に基板を回転させる機構を設ける必要がないので、コストを低減することができる。また、有機物脱離装置45をアライナ40に設けることで、めっき装置全体のフットプリントを低減することもできる。
なお、有機物脱離装置45をアライナ40とは別にめっき装置に設けてもよい。図8は、第1実施形態に係る他の例のめっき装置の全体配置図である。図8に示すように、有機物脱離装置45は、アライナ40とは別に、ロード/アンロード部170A内に設けられる。この場合、アライナ40は、図4ないし図6に示した構成から有機物脱離装置45を除いた構成を有する。一方、有機物脱離装置45は、基板Wを回転させるための図4ないし6に示した回転ステージ42と同様の機構を有する必要がある。図8に示すめっき装置によれば、有機物脱離装置45がアライナ40とは別に設けられるので、複数の基板Wに対して有機物脱離装置45の処理とアライナ40との処理をそれぞれ別々に行うことができる。そこで、有機物脱離処理に時間を要していることによって、処理全体のスループットが有機物脱離処理の処理時間で決められているような場合には、図1に示すめっき装置に比べてスループットを向上させることができる。なお、有機物脱離装置45は、スピンリンスドライヤ20に設けることもできる。この場合であっても、スピンリンスドライヤ20に、吸光度を測定するように構成されたセンサ(分光光度計)、又は蛍光領域の光を照射してその反射光の強度をモニタするためのセンサ(蛍光反射膜厚計)を設けてもよい(不図示)。その場合、エッジ部の洗浄中又は洗浄後の基板Wのエッジ部の上方にセンサを位置させる。そして、基板Wを回転させ、このセンサから基板Wのエッジ部に光を照射して、基板Wから反射する光をセンサの受光部にて受光し、この反射光の蛍光強度又は吸光度を測定する。これにより、基板Wのエッジ部における汚染物質(有機物及び酸化膜の少なくとも1つ)が十分に除去されたか否かを判定するようにしてもよい。このようにすることで、基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理を行う前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることができるので、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を、より確実に防止できる。なお、基板Wのエッジ部の洗浄中に基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているか否かを判定するようにした場合には、洗浄の終点を、このセンサの判定結果に基づいて決定することもできる。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態に係るめっき装置の全体配置図である。第2実施形態は、第1実施形態の図1に示しためっき装置と比べて、スピンリンスドライヤ20及びアライナ40の構成が異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態においては、アライナ40は、第1実施形態で説明した有機物脱離装置45を備えていない。また、スピンリンスドライヤ20は、基板ホルダ60にセットされる前の基板のエッジ部に存在する酸化膜を局所的に除去する酸化膜除去装置を有する。
図10は、酸化膜除去装置を備えたスピンリンスドライヤ20を示す概略図である。図示のように、スピンリンスドライヤ20は、回転ステージ21と、基板チャック22と、DIWノズル23と、酸化膜除去装置24(エッジ部洗浄装置の一例に相当する)と、を有する。基板チャック22は、基板Wの外周部を把持するように構成される。回転ステージ21は、基板チャック22を回転するように構成され、基板チャック22が回転することにより、把持された基板Wを周方向に回転する。DIWノズル23は、基板Wの略中央部にDIW(De−ionized Water)を供給するように構成される。基板Wに供給されたDIWは、基板Wの回転により遠心力を受けて、基板Wの外周部に向かって流れる。スピンリンスドライヤ20は、図示されていないが、基板WのDIWが外部に飛散することを防止するために、基板Wの周囲を覆うカバーを有する。
酸化膜除去装置24は、基板に薬液28を供給する薬液供給装置であり、薬液28を供給するように構成された薬液ノズル25と、薬液ノズル25に接続されたアーム26と、アーム26を旋回するように構成された回転軸27とを有する。薬液ノズル25の先端と基板Wとの距離は、約1mm以上約10mm以下とすることが好ましい。この距離が1mm未満であると、基板と薬液ノズル25とが物理的に接触する可能性がある。また、この距離を10mm超とすると、局所的に薬液を供給できない可能性がある。基板と薬液ノズル25とをより確実に物理的に接触させることなく、また、局所的に薬液を供給できるようにするためには、薬液ノズル25の先端と基板との距離を約2mm以上約5mm以下とすることがより好ましい。
酸化膜除去装置24で基板Wのエッジ部に存在する酸化膜を局所的に除去するためには、まず、酸化膜除去装置24は、基板Wの直径に応じてアーム26を旋回し、薬液ノズル25を基板Wのエッジ部の上方に位置させる。薬液ノズル25が基板Wのエッジ部の上方に位置した状態で、回転する基板Wの略中央部にDIWノズル23からDIWを供給するとともに、回転する基板Wのエッジ部に薬液28を噴出する。薬液28は基板Wのエッジ部に供給されるとともに、基板Wの回転により遠心力を受けて基板Wの外周部に向かって流れる。これにより、酸化膜除去装置24は、基板Wのエッジ部に局所的に薬液28を供給することができる。言い換えれば、実質的に基板Wのエッジ部以外の領域は、薬液28に曝されない。回転ステージ21が基板Wを回転することにより、基板Wのエッジ部全周に亘って薬液28を効率的に供給することができる。基板Wのエッジ部に形成された酸化膜に薬液28が供給されると、酸化膜は薬液28により溶解し、除去される。所定時間薬液28を供給した後、薬液28の供給は停止され、DIWの供給が継続される。これにより、基板Wのエッジ部に供給された薬液28が洗い流される。ここで、基板Wのエッジ部とは、前述したように電気接点72が接触しうる領域、又は基板ホルダ60により基板Wが保持される際、基板Wがシール部材70が接触する部分よりも基板Wの周縁部側となる領域である。ただし、薬液を基板に対してスポット的に供給する際に、一部の薬液が飛散し得ることをあらかじめ想定して、レジストパターンに悪影響を与えにくい薬液成分・濃度としたうえで、基板Wのエッジ部の周辺部にある酸化膜を薬液28により溶解し、除去するように構成することもできる。
薬液28としては、例えば希硫酸、クエン酸等の、基板W上のシード層にダメージを与え難い酸が採用され得る。本実施形態では、薬液28は、3wt%以上15wt%以下の希硫酸又は2wt%以上20wt%以下のクエン酸であることが好ましい。希硫酸が3wt%未満又はクエン酸が2wt%未満であると、酸濃度が低すぎて、酸化膜を適切に除去することができない虞がある。また、希硫酸が15wt%超又はクエン酸が20wt%超であると、酸濃度が高すぎて、基板のエッジ部上のシード層を溶かしてしまう虞がある。
図11は、第2実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。第2実施形態に係る
めっき方法は、一部を除いて図7に示しためっき方法と多くの点で一致する。したがって、図7のめっき方法と同一の部分の説明は一部省略する。
ステップS602でアッシング処理及びディスカム処理が行われた基板Wは、図9に示しためっき装置に搬送される。続いて、基板Wを収容したフープ102から、基板搬送装置122によって、基板Wがスピンリンスドライヤ20へ搬送される。スピンリンスドライヤ20において、基板Wはエッジ部の洗浄が行われる(ステップS701)。具体的には、スピンリンスドライヤ20において、基板Wのエッジ部に存在する酸化膜が酸化膜除去装置24により除去される。
さらに、本実施形態においても、基板のエッジ部の状態を測定するために、基板Wのエッジ部に、エッジ部の上方から紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmを励起光として照射し、エッジ部の吸光度を測定するように構成されたセンサ(分光光度計)、又は蛍光領域の光を照射してその反射光の強度をモニタするためのセンサ(蛍光反射膜厚計)をスピンリンスドライヤ20に設けてもよい(不図示)。その場合、エッジ部の洗浄中又は洗浄後の基板Wのエッジ部の上方にセンサを位置させる。そして、基板Wを回転させ、このセンサから基板Wのエッジ部に光を照射して、基板Wから反射する光をセンサの受光部にて受光し、この反射光の蛍光強度又は吸光度を測定する。これにより基板Wのエッジ部における酸化膜が十分に除去されたか否かを判定し、エッジ部の状態を検査するようにしてもよい。このようにすることで、基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理を行う前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることができるので、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を、より確実に防止できる。
エッジ部の洗浄(場合によっては洗浄及び検査)が行われた基板Wは、基板搬送装置122によってフィキシングユニット120に搬送され、基板ホルダ60にセットされる(ステップS604)。このとき、基板Wのエッジ部の酸化膜は除去されているので、基板ホルダ60の電気接点は、洗浄された基板Wのエッジ部と接触する。これにより、酸化膜に起因する基板ホルダ60の電気接点の接触抵抗のバラつきを低減することができる。基板ホルダ60にセットされた基板Wは、後段のステップS605〜ステップS609において、処理される。
以上で説明したように、第2実施形態によれば、基板ホルダ60にセットされる前に、基板のエッジ部に存在する酸化膜を局所的に除去することができる。したがって、基板Wの表面に形成されたレジストパターンに悪影響を与えることなく、基板Wのエッジ部に存在する酸化膜に起因する基板ホルダ60の電気接点72の接触抵抗のバラつきを抑制し、めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
また、第2実施形態によれば、酸化膜除去装置24がスピンリンスドライヤ20に設けられるので、スピンリンスドライヤ20により基板を回転させつつ、薬液28で基板Wのエッジ部を処理することができる。したがって、酸化膜除去装置24に基板を回転させる機構及び薬液28の飛散を防止する機構を設ける必要がないので、コストを低減することができる。また、スピンリンスドライヤ20は、基板W上の液体が飛散することを防止するカバーを有しているので、薬液ノズル25が供給する薬液28がスピンリンスドライヤ20の外部に飛散することも防止することができる。さらに、酸化膜除去装置24をスピンリンスドライヤ20に設けることで、めっき装置全体のフットプリントを低減することもできる。
めっきされる基板W上にはシード層が形成されており、このシード層に薬液28が付着
したまま放置すると、シード層が溶ける虞がある。このため、めっきされる基板Wのエッジ以外の部分、例えば、レジストパターンの開口から露出されるシード層に薬液28が付着した場合、薬液28が残らないように十分な洗浄が必要になる。第2実施形態によれば、基板Wのエッジ部に局所的に薬液28を供給することができる。これにより、レジストパターンの開口から露出されるシード層に薬液28を付着させることなく、基板のエッジ部に形成された酸化膜を除去することができる。したがって、基板Wの全面に薬液28を付着させた場合に比べて、基板Wの洗浄時間を大幅に短縮することができる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。第3実施形態に係るめっき装置は、第1実施形態における図8に示しためっき装置におけるスピンリンスドライヤ20を、第2実施形態に係る図10に示したスピンリンスドライヤ20に置換した構成を有する。その他の構成は第1実施形態の図8に示しためっき装置と同様であるので、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すめっき装置は、図10に示した酸化膜除去装置24を備えたスピンリンスドライヤ20と、有機物脱離装置45とを有する。このため、本めっき装置は、基板Wのエッジ部に存在する有機物及び酸化膜の両方を、局所的に除去することができる。
図13は、第3実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。第3実施形態に係るめっき方法は、図7に示しためっき方法に、図11に示したステップS701を組み合わせた方法である。即ち、図13に示すように、ステップS602でアッシング処理及びディスカム処理が行われた基板Wは、図11に示しためっき装置に搬送される。続いて、基板Wを収容したフープ102から、基板搬送装置122によって、基板Wがアライナ40へ搬送される。アライナ40において、基板Wはエッジ部の洗浄が行われる(ステップS603)。具体的には、アライナ40において、基板Wのエッジ部に存在する有機物が有機物脱離装置45により脱離される。なお、この時基板Wの向きがアライナ40によって整列される。なお、ここでのエッジ部とは、基板ホルダ60により基板Wが保持される際、シール部材70が接触する部分よりも基板Wの周縁部側となる領域であって、例えば、基板Wの外周縁部から基板中心に向かって約5mmの範囲内、より好ましくは約2mmの範囲内をいう。
さらに、本実施形態においても、アライナ40に、基板のエッジ部の状態を測定するために、基板Wのエッジ部に、エッジ部の上方から紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmを励起光として照射し、エッジ部の吸光度を測定するように構成されたセンサ(分光光度計)、又は蛍光領域の光を照射してその反射光の強度をモニタするためのセンサ(蛍光反射膜厚計)を設けてもよい(不図示)。めっき装置の制御部は、このセンサにより測定された吸光度または蛍光強度の値が、予め設定した閾値よりも大きい値か否かによって、エッジ部の汚染物質(有機物及び酸化膜を含む)が十分に除去されているか否かを判定することができるように構成されている。その場合、エッジ部の洗浄中又は洗浄後の基板Wのエッジ部の上方にセンサを位置させる。そして、基板Wを回転させ、このセンサから基板Wのエッジ部に光を照射して、基板Wから反射する光をセンサの受光部にて受光し、この反射光の蛍光強度又は吸光度を測定する。これにより、基板Wのエッジ部における汚染物質(有機物及び酸化膜を含む)が十分に除去されたか否かを判定し、エッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定するようにしてもよい。このようにすることで、基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理を行う前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることができるので、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を防止できる。さらに、基板Wのエッジ部の洗浄中に基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定する
ようにした場合には、洗浄の終点を、このセンサの判定結果に基づいて決定することもできる。さらに、もともとエッジ部に異常がある基板Wの有無も、センサの測定結果に基づいて判定できる。
エッジ部の有機物が脱離された基板Wは続いて、基板搬送装置122によって、スピンリンスドライヤ20へ搬送される。スピンリンスドライヤ20において、基板Wはエッジ部の洗浄が行われる(ステップS701)。具体的には、スピンリンスドライヤ20において、基板Wのエッジ部に存在する酸化膜が酸化膜除去装置24により脱離される。なお、ここでのエッジ部とは、基板ホルダにより基板が保持される際、シール部材70が接触する部分よりも基板Wの周縁部側となる領域をいい、例えば基板Wが300mmウェハの場合には基板Wの外周縁部から基板中心に向かって約5mmの範囲内、より好ましくは約2mmの範囲内をいうが、薬液の成分・濃度をレジストパターンに悪影響を与えにくい成分・濃度としたうえで、エッジ部周辺に存在する酸化膜をあわせて除去することもできる。
エッジ部の洗浄が行われた基板Wは、基板搬送装置122によってフィキシングユニット120に搬送され、基板ホルダ60にセットされる(ステップS604)。このとき、基板Wのエッジ部の有機物及び酸化膜は除去されているので、基板ホルダ60の電気接点は、洗浄された基板Wのエッジ部と接触する。これにより、有機物及び酸化膜に起因する基板ホルダ60の電気接点の接触抵抗のバラつきを低減することができる。基板ホルダ60にセットされた基板Wは、後段のステップS605〜ステップS609において、処理される。
以上で説明したように、第3実施形態によれば、基板ホルダ60にセットされる前に、基板のエッジ部に存在する有機物及び酸化膜を局所的に除去することができる。したがって、基板Wの表面に形成されたレジストパターンに悪影響を与えることなく、基板Wのエッジ部に存在する有機物及び酸化膜に起因する基板ホルダ60の電気接点72の接触抵抗のバラつきを抑制し、めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
基板Wのエッジ部においては、酸化膜上に有機物が付着し得る。したがって、有機物を脱離する前に酸化膜を除去した場合、有機物が付着した部分の酸化膜が除去され難い。第3実施形態によれば、有機物を脱離した後に酸化膜を除去するので、効果的に有機物及び酸化膜を除去することができる。ただし、一実施形態では、エッジ部の薬液洗浄(ステップS701)の後に有機物脱離処理(ステップS603)を行ってもよい。
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。第4実施形態のめっき装置は、第1実施形態に係る図1のめっき装置と比べて、スポンジ洗浄装置80を有する点と、有機物脱離装置45を備えない点とが異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図14に示すめっき装置のアライナ40は、第1実施形態において説明した有機物脱離装置45を備えない。スポンジ洗浄装置80は、ロード/アンロード部170A内に設けられ、基板Wのエッジ部に存在するパーティクルを局所的に除去する。
図15は、スポンジ洗浄装置80の概略側面図である。図示のように、スポンジ洗浄装置80は、回転ステージ81と、DIWノズル83と、スポンジ洗浄部84(エッジ部洗浄装置の一例に相当する)と、カバー88を有する。回転ステージ81は、基板Wの裏面を吸着するように構成され、基板Wを周方向に回転させる。なお、回転ステージ81は、
静電吸着式又は真空吸着式で基板Wを吸着する。DIWノズル83は、基板Wの略中央部にDIWを供給するように構成される。基板Wに供給されたDIWは、基板Wの回転により遠心力を受けて、基板Wの外周部に向かって流れる。カバー88は、基板Wの周囲を覆い、基板WのDIWが外部に飛散することを防止する。
スポンジ洗浄部84は、基板Wのエッジ部を物理的に洗浄するスポンジヘッド85と、スポンジヘッド85に接続されたアーム86と、アーム86を旋回するように構成された回転軸87とを有する。スポンジヘッド85は、例えばPVA(ポリビニルアルコール)から成り、鉛直軸を中心に回転可能に構成される。また、回転軸87は、軸方向に伸縮自在に構成される。
スポンジ洗浄部84で基板Wのエッジ部に存在するパーティクルを局所的に除去するためには、まず、スポンジ洗浄装置80が基板Wの直径に応じてアーム86を旋回し、スポンジヘッド85を基板Wのエッジ部の上方に位置させる。スポンジヘッド85が基板Wのエッジ部の上方に位置した状態で、回転軸87が軸方向下方に収縮し、スポンジヘッド85を基板Wのエッジ部に当接させる。スポンジ洗浄部84は、スポンジヘッド85が回転する基板Wのエッジ部に当接した状態で、スポンジヘッド85を回転させる。このとき、DIWノズル83により、基板WにDIWが供給される。これにより、スポンジ洗浄装置80は、基板Wのエッジ部のパーティクルを局所的に除去することができる。また、スポンジ洗浄装置80にセンサ(不図示)を設け、エッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定するようにしてもよい。
図16は、第4実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。第4実施形態に係るめっき方法は、第1実施形態に係る図7に示しためっき方法におけるステップS603に代えて、ステップS801を有する。図7のめっき方法と同一の部分の説明は一部省略する。
図16に示すフローにおいて、ステップS602でアッシング処理及びディスカム処理が行われた基板Wは、図14に示しためっき装置に搬送される。続いて、基板Wを収容したフープ102から、基板搬送装置122によって、基板Wがスポンジ洗浄装置80へ搬送される。スポンジ洗浄装置80において、基板Wはエッジ部の洗浄が行われる(ステップS801)。具体的には、スポンジ洗浄装置80において、基板Wのエッジ部に存在するパーティクルがスポンジ洗浄部84により除去される。
本実施形態においても、スポンジ洗浄装置80に、基板のエッジ部の状態を測定するために、基板Wのエッジ部に、エッジ部の上方から紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmを励起光として照射し、エッジ部の吸光度を測定するように構成されたセンサ(分光光度計)、又は蛍光領域の光を照射してその反射光の強度をモニタするためのセンサ(蛍光反射膜厚計)を設けてもよい(不図示)。めっき装置の制御部は、このセンサにより測定された吸光度又は蛍光強度の値が、予め設定した閾値よりも大きい値か否かによって、エッジ部の汚染物質(有機物及び酸化膜を含む)が十分に除去されているか否かを判定することができるように構成されている。スポンジ洗浄装置80にセンサを設けた場合、エッジ部の洗浄中又は洗浄後の基板Wのエッジ部の上方にセンサを位置させる。そして、基板Wを回転させ、基板Wのエッジ部におけるパーティクルの有無を判定し、エッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定するようにしてもよい。このようにすることで、基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理を行う前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることができるので、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を防止できる。さらに、基板Wのエッジ部の洗浄中に基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定す
るようにした場合には、洗浄の終点を、このセンサの判定結果に基づいて決定することもできる。さらに、もともとエッジ部に異常がある基板Wの有無も、センサの測定結果に基づいて判定できる。
エッジ部の洗浄が行われた基板Wは、基板搬送装置122によってフィキシングユニット120に搬送され、基板ホルダ60にセットされる(ステップS604)。このとき、基板Wのエッジ部のパーティクルは除去されているので、基板ホルダ60の電気接点は、洗浄された基板Wのエッジ部と接触する。これにより、パーティクルに起因する基板ホルダ60の電気接点の接触抵抗のバラつきを低減することができる。基板ホルダ60にセットされた基板Wは、後段のステップS605〜ステップS609において、処理される。
以上で説明したように、第4実施形態によれば、基板ホルダ60にセットされる前に、基板Wのエッジ部に存在するパーティクルを局所的に除去することができる。したがって、基板ホルダ60の電気接点と基板Wのエッジ部上のシード層との間にパーティクルが挟み込まれることを防止することができ、パーティクルに起因する接触抵抗の悪化を抑制することができる。
<第5実施形態>
図17は、第5実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。第5実施形態のめっき装置は、第1実施形態に係る図1のめっき装置と比べて、スポンジ薬液洗浄装置90を有する点が異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図17に示すスポンジ薬液洗浄装置90は、ロード/アンロード部170A内に設けられ、基板Wのエッジ部に存在する酸化膜及びパーティクルを局所的に除去する。また、図17には示していないが、スポンジ薬液洗浄装置90においても、基板Wのエッジ部上方に位置する付近にセンサ(不図示)を設け、エッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定するようにしてもよい。この場合、基板Wのエッジ部に、エッジ部の上方から紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmを励起光として照射し、エッジ部の吸光度を測定するように構成されたセンサ(分光光度計)、又は蛍光領域の光を照射してその反射光の強度をモニタするためのセンサ(蛍光反射膜厚計)を設けてもよい(不図示)。めっき装置の制御部は、このセンサにより測定された吸光度または蛍光強度の値が、予め設定した閾値よりも大きい値か否かによって、エッジ部の汚染物質(有機物及び酸化膜を含む)が十分に除去されているか否かを判定することができるように構成されている
図18は、スポンジ薬液洗浄装置90の概略側面図である。図示のように、スポンジ薬液洗浄装置90は、回転ステージ91と、DIWノズル93と、スポンジ洗浄部84と、酸化膜除去装置94(エッジ部洗浄装置の一例に相当する)と、カバー98を有する。回転ステージ91は、基板Wの裏面を吸着するように構成され、基板Wを周方向に回転させる。なお、回転ステージ91は、静電吸着式又は真空吸着式で基板Wを吸着する。
酸化膜除去装置94は、基板に薬液を供給する薬液供給装置であり、薬液を供給するように構成された薬液ノズル95と、薬液ノズル95に接続されたアーム96と、アーム96を旋回するように構成された回転軸97とを有する。薬液ノズル95の先端と基板Wとの距離は、約1mm以上約10mm以下とすることが好ましい。この距離が1mm未満であると、基板と薬液ノズル95とが物理的に接触する可能性がある。また、この距離を10mm超とすると、局所的に薬液を供給できない可能性がある。基板と薬液ノズル95とをより確実に物理的に接触させることなく、また、局所的に薬液を供給できるようにするためには、薬液ノズル95の先端と基板との距離を約2mm以上約5mm以下とすること
がより好ましい。
スポンジ薬液洗浄装置90で基板Wのエッジ部に存在する酸化膜を局所的に除去するためには、まず、酸化膜除去装置94は、基板Wの直径に応じてアーム96を旋回し、薬液ノズル95を基板Wのエッジ部の上方に位置させる。薬液ノズル95が基板Wのエッジ部の上方に位置した状態で、回転する基板Wの略中央部にDIWノズル93からDIWを供給するとともに、回転する基板Wのエッジ部に薬液を噴出する。薬液は基板Wのエッジ部に供給されるとともに、基板Wの回転により遠心力を受けて基板Wの外周部に向かって流れる。これにより、酸化膜除去装置94は、基板Wのエッジ部に局所的に薬液を供給することができる。言い換えれば、実質的に基板Wのエッジ部以外の領域は、薬液に曝されない。回転ステージ91が基板Wを回転することにより、基板Wのエッジ部全周に亘って薬液を効率的に供給することができる。基板Wのエッジ部に形成された酸化膜に薬液が供給されると、酸化膜は薬液により溶解し、除去される。所定時間薬液を供給した後、薬液の供給は停止され、DIWの供給が継続される。これにより、基板Wのエッジ部に供給された薬液が洗い流される。ここで、基板Wのエッジ部とは、前述したように電気接点72が接触しうる領域、又は基板ホルダ60により基板Wが保持される際、基板Wがシール部材70が接触する部分よりも基板Wの周縁部側となる領域である。ただし、薬液を基板に対してスポット的に供給する際に、一部の薬液が飛散しうることをあらかじめ想定して、レジストパターンに悪影響を与えにくい薬液成分・濃度としたうえで、基板Wのエッジ部の周辺部にある酸化膜を薬液28により溶解し、除去するように構成することもできる。
また、スポンジ薬液洗浄装置90は、酸化膜除去装置94により基板Wのエッジ部の酸化膜を除去しつつ、スポンジ洗浄部84によって基板Wのエッジ部に存在するパーティクルを局所的に除去することができる。なお、本実施形態においても、基板のエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを測定するために、基板Wのエッジ部に、エッジ部の上方から紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmを励起光として照射し、エッジ部の吸光度を測定するように構成されたセンサ(分光光度計)、又は蛍光領域の光を照射してその反射光の強度をモニタするためのセンサ(蛍光反射膜厚計)をスポンジ薬液洗浄装置90に設けてもよい(不図示)。めっき装置の制御部は、このセンサにより測定された吸光度又は蛍光強度の値が、予め設定した閾値よりも大きい値か否かによって、エッジ部の汚染物質(有機物及び酸化膜を含む)が十分に除去されているか否かを判定することができるように構成されている。その場合、エッジ部の洗浄中又は洗浄後の基板Wのエッジ部の上方にセンサを位置させた状態で基板Wを回転させ、エッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定できる。このようにすることで、基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理を行う前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない基板についてめっき処理を行うようにすることができるので、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する基板Wのめっき膜厚の面内均一性の悪化等を防止できる。さらに、基板Wのエッジ部の洗浄中に基板Wのエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定するようにした場合には、洗浄の終点を、このセンサの判定結果に基づいて決定することもできる。さらに、もともとエッジ部に異常がある基板Wの有無も、センサの測定結果に基づいて判定できる。
図19は、第5実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。第5実施形態に係るめっき方法は、第1実施形態に係る図7に示しためっき方法に加えて、ステップS901を有する。図7のめっき方法と同一の部分の説明は一部省略する。
ステップS603において、アライナ40が有する有機物脱離装置45(図4ないし図6参照)が、基板Wのエッジ部に存在する有機物を脱離する。続いて、基板搬送装置122によって、基板Wがスポンジ薬液洗浄装置90へ搬送される。スポンジ薬液洗浄装置90において、基板Wはエッジ部の洗浄が行われる(ステップS901)。具体的には、ス
ポンジ薬液洗浄装置90において、基板Wのエッジ部に存在するパーティクル及び酸化膜が除去される。また、図19には示されていないが、エッジ部の洗浄が行われた基板Wのエッジ部における有機物、酸化膜、パーティクル等の有無を判定するために、エッジ部に汚染物質が存在しているかいないかを判定するようにしてもよい。
エッジ部の洗浄が行われた基板Wは、基板搬送装置122によってフィキシングユニット120に搬送され、基板ホルダ60にセットされる(ステップS604)。このとき、基板ホルダ60の電気接点は、洗浄された基板Wのエッジ部と接触する。これにより、パーティクルに起因する基板ホルダ60の電気接点の接触抵抗のバラつきを低減することができる。基板ホルダ60にセットされた基板Wは、後段のステップS605〜ステップS609において、処理される。
以上で説明したように、第5実施形態によれば、基板ホルダ60にセットされる前に、基板Wのエッジ部に存在する有機物、酸化膜、及びパーティクルを局所的に除去することができる。したがって、基板Wのエッジ部に存在する有機物、酸化膜、及びパーティクルに起因する基板ホルダ60の電気接点72の接触抵抗のバラつきを抑制し、めっき膜厚の均一性の悪化を防止することができる。
<第6実施形態>
図20は、第6実施形態にかかるめっき装置の全体配置図である。第6実施形態のめっき装置は、第1実施形態から第5実施形態のめっき装置と比べて、矩形(角形)基板にめっきを行うように構成されている点が大きく異なる。以下の説明において、第1実施形態のめっき装置と同様の構成については詳細な説明を省略する。
第6実施形態のめっき装置は、フープ102と、フィキシングユニット120と、基板搬送装置122とを有する。後述するように、第6実施形態に係るフィキシングユニット120は、基板ホルダ60にセットされる前の矩形基板のエッジ部に存在する有機物を局所的に脱離する有機物脱離装置を有する。第6実施形態のめっき装置では、矩形基板を保持することができる基板ホルダ60が使用される。フィキシングユニット120は、有機物脱離装置で、矩形基板のエッジ部に存在する有機物を局所的に脱離した後、基板ホルダ60に矩形基板を保持させるように構成される。
めっき装置は、さらに、ストッカ124と、プリウェット槽126と、活性化槽129と、ブロー槽132と、めっき槽10と、を有する。活性化槽129では、プリウェット後の基板の表面を酸等で洗浄して活性化させる。ストッカ124、プリウェット槽126、活性化槽129、ブロー槽132、及びめっき槽10は、この順に配置されている。また、めっき装置は、めっき処理された矩形基板を洗浄及び乾燥するための洗浄乾燥装置135を有する。
図21は、第6実施形態に係るめっき方法を示すフロー図である。本めっき方法では、まず、図20に示しためっき装置に矩形基板を搬送する前に、矩形基板にレジストパターンを形成する(ステップS2101)。続いて、レジストパターンが形成された矩形基板にUVの照射を行い、矩形基板表面上のレジスト残渣を除去し(アッシング処理)且つレジスト表面の親水化処理(ディスカム処理)を行う(ステップS2102)。ステップS2101及びステップS2102の処理は、図20に示しためっき装置以外の任意の装置において行われる。
続いて、矩形基板を収容したフープ102から、基板搬送装置122によって、矩形基板がフィキシングユニット120へ搬送される。フィキシングユニット120において、矩形基板のエッジ部の洗浄が行われる(ステップS2103)。具体的には、フィキシン
グユニット120において、有機物脱離装置により矩形基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマが適用され、有機物が脱離される。
図21に示すフローには記載されていないが、フィキシングユニット120にセンサ(不図示)を設けた場合には、矩形基板のエッジ部に存在する有機物にUV又はプラズマを適用して局所的に除去した後に、エッジ部の汚染物質(有機物を含む)の有無を確認することができる。具体的には、まず、フィキシングユニット120に供えられた有機物脱離装置に配置された矩形基板の表面の上方にセンサ(分光光度計又は蛍光反射膜厚計)を位置させる。センサを矩形基板中心部からエッジ部へ(又はエッジ部から基板中心部へ)走査させながら、センサから矩形基板の表面に向かって紫外領域(200nmから380nm)の光、例えば365nmの波長の光を励起光として照射し、吸光度または蛍光強度を測定する。
矩形基板表面には、UV又はプラズマ処理が行われたエッジ部と、UV又はプラズマ処理が行われていない被めっき面とが存在し、シード層は、矩形基板表面の全域(被めっき面とエッジ部)に形成されている。そして、被めっき面とエッジ部にセンサを走査させることで、被めっき面とエッジ部の両方の吸光度又は蛍光強度を測定することができる。めっき装置の図示しない制御部は、例えば、この被めっき面とエッジ部の両方の吸光度を比較し、例えば被めっき面の吸光度に対するエッジ部の吸光度の比の値が予め設定した閾値(例えば50%以下)より大きいか否かにより、エッジ部の汚染物質(有機物および酸化膜を含む)が十分に除去されているか否かを判定することができる。上記比の値が閾値より大きい場合は、エッジ部の汚染物質(有機物および酸化膜を含む)は十分に除去されていないと判定できる。また、上記比の値が閾値より大きくない場合はエッジ部の汚染物質(有機物および酸化膜を含む)は十分に除去されていると判定できる。蛍光強度を測定する場合も、同様に所定の閾値と測定値とを比較することで、エッジ部の汚染物質が十分に除去されているか否かを判定することができる。
この判定に基づき、エッジ部の汚染物質が十分に除去されていないと判定された場合は、矩形基板のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを放射する工程を繰り返し実施してもよい。また、エッジ部の汚染物質が十分に除去されていると判定された場合は、有機物の脱離が完了したものとして、基板ホルダ搬送装置140によって各処理槽に搬送され、一連のめっき処理が実施される。このように、矩形基板のエッジ部に汚染物質が存在しているかいないかをめっき処理前に判定し、その後、エッジ部に汚染物質が残存していない矩形基板についてめっき処理を行うようにすることで、基板ホルダ60が有する電気接点の接触抵抗のばらつきに起因する矩形基板のめっき膜厚の面内均一性の悪化等を、より確実に防止できる。
エッジ部の洗浄が行われた矩形基板は、フィキシングユニット120により基板ホルダ60にセットされる(ステップS2104)。このとき、矩形基板のエッジ部の有機物は脱離されているので、基板ホルダ60の電気接点は、洗浄された矩形基板のエッジ部と接触する。これにより、有機物の付着に起因する基板ホルダ60の電気接点の接触抵抗のバラつきを低減することができる。
基板ホルダ60に保持された矩形基板は、基板ホルダ搬送装置140により、まずプリウェット槽126に搬送され、プリウェット槽126に収容された純水に基板Wが浸漬される(ステップS2105)。続いて、矩形基板は、活性化槽129に搬送され、基板Wの表面が活性化される(ステップS2106)。
矩形基板は、めっき槽10のいずれかのめっきセル134に浸漬されて、めっき処理が行われる(ステップS2107)。表面にめっき膜が形成された矩形基板は、ブロー槽1
32においてブロー乾燥される(ステップS2108)。続いて、基板ホルダ60に保持された矩形基板はフィキシングユニット120に搬送され、基板ホルダ60から矩形基板が取り外される。基板搬送装置122は、フィキシングユニット120から矩形基板を受け取り、洗浄乾燥装置135に矩形基板を搬送する。矩形基板は、洗浄乾燥装置135において、表面の洗浄及び乾燥が行われる(ステップS2109)。
次に、図21に示したステップS2103における処理について詳細に説明する。図22は、フィキシングユニット120に設けられる有機物脱離装置50の一例の概略側面図である。有機物脱離装置50は、UV照射装置又はプラズマ放射装置を構成する。図22に示すように、有機物脱離装置50は、基板支持台55(回転機構の一例に相当する)と、第1アクチュエータ53(アクチュエータの一例に相当する)と、第2アクチュエータ52(アクチュエータの一例に相当する)と、ヘッド部51と、制御部54と、を有する。基板支持台55は、矩形基板S1の裏面を吸着するように構成され、矩形基板S1を周方向に回転させる。なお、基板支持台55は、静電吸着式又は真空吸着式で矩形基板S1を吸着する。
ヘッド部51は、基板支持台55に配置された矩形基板S1の上方から矩形基板S1のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを適用できるように構成される。即ち、ヘッド部51がUVを照射するように構成される場合は、有機物脱離装置50はUV照射装置を構成し、ヘッド部51がプラズマを放射するように構成される場合は、有機物脱離装置50はプラズマ照射装置を構成する。有機物脱離装置50は、基板ホルダ60に保持される前の矩形基板S1のエッジ部に局所的にUV又はプラズマを適用することができる。言い換えれば、矩形基板S1のエッジ部以外の領域は、UV又はプラズマに曝されない。
第1アクチュエータ53及び第2アクチュエータ52は、ヘッド部51を水平方向に移動させることができる。具体的には、第1アクチュエータ53は、ヘッド部51を水平方向であり且つ直線方向の第1方向に移動させることができ、第2アクチュエータ52は、第1方向と直交する第2方向に移動させることができる。図示の例では、第1アクチュエータ53により、矩形基板S1のエッジ部に沿ってヘッド部51を移動させることができ、第2アクチュエータ52により、矩形基板S1の端部からUV又はプラズマの適用位置までの距離d2を調節することができる。本実施形態においては、基板ホルダ60のシール部材70のリップ部70aが当接する部分よりも外周側の領域にUV又はプラズマが適用されるように、距離d2は、約5mm以下、より好ましくは約2mm以下となるようにヘッド部51の位置が調整される。なお、本実施形態において第1方向又は第2方向とは、一方向ではなく、例えばX軸のプラス方向及びマイナス方向のような双方向を意味する。
また、ヘッド部51は、図示しない昇降機構により、鉛直方向に移動可能に構成される。ヘッド部51のUV照射源又はプラズマ放射口と矩形基板S1との距離d1は、約1mm以上約10mm以下とすることが好ましい。この距離が1mm未満であると、矩形基板S1とUV照射源又はプラズマ放射口とが物理的に接触する可能性がある。また、この距離d1を10mm超とすると、局所的にUV又はプラズマを照射できない可能性がある。矩形基板とUV照射源又はプラズマ放射口とをより確実に物理的に接触させることなく、また、局所的に照射できるようにするためには、この距離d1を約2mm以上約5mm以下とすることがより好ましい。
有機物脱離装置50は、さらに、ヘッド部51、第1アクチュエータ53、及び第2アクチュエータ、及び図示しない昇降機構を制御するための制御部54を有する。また、有機物脱離装置50は、ヘッド部51が放射するUV又はプラズマが矩形基板S1の中央側に拡散しないように、図22に示すように、ヘッド部51の矩形基板S1の中央側にUV
又はプラズマを遮蔽するためのマスク57を有してもよい。
図23Aから図23Eは、図22に示した有機物脱離装置50で矩形基板S1のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置50の平面図である。図23Aに示すように、まず、有機物脱離装置50は、図示しない昇降機構により、ヘッド部51の鉛直方向の位置合わせをし、第2アクチュエータ52により、ヘッド部51の位置を矩形基板S1の4つのエッジ部のうちの一つに位置合わせする。続いて、有機物脱離装置50の制御部54は、ヘッド部51及び第1アクチュエータ53を制御して、ヘッド部51からUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿ってヘッド部51を移動させて、エッジ部の一つを洗浄する。
エッジ部の一つが洗浄されると、有機物脱離装置50は、基板支持台55(図22参照)を回転させて、図23Bに示すように矩形基板S1を90度回転させる。このとき、制御部54は、ヘッド部51からのUV又はプラズマの放射を停止させてから、基板支持台55を回転させるように、ヘッド部51及び基板支持台55を制御する。言い換えれば、ヘッド部51からのUV又はプラズマの放射と基板支持台55による矩形基板S1の回転とが同時に行われないように、ヘッド部51及び基板支持台55を制御する。これにより、矩形基板S1上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
図23Bに示すように、有機物脱離装置50は、UV又はプラズマの放射を停止させたまま、第2アクチュエータ52により、ヘッド部51を矩形基板S1のエッジ部に位置合わせする。本実施形態では、第2アクチュエータ52を有するので、図23Aから図23Eに示すように矩形基板S1が長辺と短辺を有する場合であっても、ヘッド部51を矩形基板S1のエッジ部に位置合わせすることができる。
続いて、有機物脱離装置50は、ヘッド部51からUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿ってヘッド部51を移動させて、エッジ部の他の一つを洗浄する。同様に、図23C及び図23Dに示すように、有機物脱離装置50は、エッジ部の一つを洗浄するごとに、矩形基板S1を90度回転させ、各エッジ部を洗浄する。
矩形基板S1の4辺のエッジ部の洗浄が終了すると、有機物脱離装置50は、さらに矩形基板S1を90度回転させて、矩形基板S1を図23Aと同一の位置(ホームポジション)に戻す(図23E)。以上のように、矩形基板S1の4辺のエッジ部が洗浄される。図22から図23Eに示す有機物脱離装置50においては、一組の第1アクチュエータ53、第2アクチュエータ52、及びヘッド部51を有するものとしているが、これらを複数組有してもよい。その場合は、エッジ部の洗浄に要する時間を低減させることができる。
図24は、フィキシングユニット120に設けられる有機物脱離装置50の他の一例の概略側面図である。図24に示す有機物脱離装置50では、図22に示した有機物脱離装置50と異なり、基板支持台55が回転しないように構成される。その代り、図24に示す有機物脱離装置50は、ヘッド部51、第1アクチュエータ53、及び第2アクチュエータ52を旋回させる旋回軸56を有する。旋回軸56は、その中心軸が矩形基板S1の略中心を通過するように位置決めされる。ヘッド部51、第1アクチュエータ53、及び第2アクチュエータ52は、図24に示すようにヘッド部51が矩形基板S1のエッジ部の上方に位置することができるように、直接的又は間接的に旋回軸56に接続される。制御部54は、ヘッド部51、第1アクチュエータ53、及び第2アクチュエータ52に加えて、旋回軸56の駆動も制御する。
図25Aから図25Eは、図24に示した有機物脱離装置50で矩形基板S1のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置50の平面図である。図25Aに示すように、まず、有機物脱離装置50は、図示しない昇降機構により、ヘッド部51の鉛直方向の位置合わせをし、旋回軸56及び第2アクチュエータ52により、ヘッド部51の位置を矩形基板S1の4つのエッジ部のうちの一つに位置合わせする。続いて、有機物脱離装置50の制御部54は、ヘッド部51及び第1アクチュエータ53を制御して、ヘッド部51からUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿ってヘッド部51を移動させて、エッジ部の一つを洗浄する。
エッジ部の一つが洗浄されると、有機物脱離装置50は、旋回軸56を回転させて、図25Bに示すようにヘッド部51を90度旋回させる。このとき、制御部54は、ヘッド部51からのUV又はプラズマの放射を停止させてから、ヘッド部51を旋回させるように、ヘッド部51及び旋回軸56を制御する。言い換えれば、ヘッド部51からのUV又はプラズマの放射と旋回軸56によるヘッド部51の旋回とが同時に行われないように、ヘッド部51及び旋回軸56を制御する。これにより、矩形基板S1上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
図25Bに示すように、有機物脱離装置50は、UV又はプラズマの放射を停止させたまま、第2アクチュエータ52により、ヘッド部51を矩形基板S1のエッジ部に位置合わせする。続いて、有機物脱離装置50は、ヘッド部51からUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿ってヘッド部51を移動させて、エッジ部の他の一つを洗浄する。同様に、図25C及び図25Dに示すように、有機物脱離装置50は、エッジ部の一つを洗浄するごとに、旋回軸56を中心にヘッド部51を90度旋回させ、各エッジ部を洗浄する。
矩形基板S1の4辺のエッジ部の洗浄が終了すると、有機物脱離装置50は、さらにヘッド部51を90度旋回させて、ヘッド部を図25Aと同一の位置(ホームポジション)に戻す(図25E)。以上のように、矩形基板S1の4辺のエッジ部が洗浄される。図24から図25Eに示す有機物脱離装置50においては、一組の旋回軸56、第1アクチュエータ53、第2アクチュエータ52、及びヘッド部51を有するものとしているが、これらを複数組有してもよい。その場合は、エッジ部の洗浄に要する時間を低減させることができる。
図26は、フィキシングユニット120に設けられる有機物脱離装置50の他の一例の概略側面図である。図26に示す有機物脱離装置50では、図22に示した有機物脱離装置50と異なり、ヘッド部が2つ設けられる。即ち、有機物脱離装置50は、第1ヘッド部51aと、第2ヘッド部51bと、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bに対応する2つの第2アクチュエータ52a,52bを有する。図26に示すように、第1ヘッド部51aと第2ヘッド部51bは、第1アクチュエータ53を挟んで互いに対向する位置に設けられる。したがって、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部は、第2アクチュエータ52a,52bにより互いに同一方向に往復動することができる。
図27Aから図27Cは、図26に示した有機物脱離装置50で矩形基板S1のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置50の平面図である。図27Aに示すように、まず、有機物脱離装置50は、図示しない昇降機構により、ヘッド部51の鉛直方向の位置合わせをし、第2アクチュエータ52a,52bにより、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bの位置を矩形基板S1の4つのエッジ部のうちの対向する二つに位置合わせする。続いて、有機物脱離装置50の制御部54は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51b並びに第1アクチュエータ53を制御して、第1ヘッド部51a及
び第2ヘッド部51bからUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿って第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを移動させて、対向する二つのエッジ部を洗浄する。
対向する二つのエッジ部が洗浄されると、有機物脱離装置50は、基板支持台55(図26参照)を回転させて、図27Bに示すように矩形基板S1を90度回転させる。このとき、制御部54は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bからのUV又はプラズマの放射を停止させてから、基板支持台55を回転させるように、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51b並びに基板支持台55を制御する。これにより、矩形基板S1上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
図27Bに示すように、有機物脱離装置50は、UV又はプラズマの放射を停止させたまま、第2アクチュエータ52a,52bにより、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを矩形基板S1の対向する二つのエッジ部に位置合わせする。続いて、有機物脱離装置50は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bからUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿って第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを移動させて、対向する二つのエッジ部を洗浄する。
矩形基板S1の4辺のエッジ部の洗浄が終了すると、有機物脱離装置50は、さらに矩形基板S1を270度回転させて、矩形基板S1を図27Aと同一の位置(ホームポジション)に戻す(図27C)。以上のように、矩形基板S1の4辺のエッジ部が洗浄される。図26及び図27A−27Cに示す有機物脱離装置50は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを有する。このため、図22及び図23A−23Eに示した有機物脱離装置50に比べて、UV又はプラズマを矩形基板S1に照射する時間、及び矩形基板S1を回転させる時間を低減させることができる。また、図26から図27Cに示す有機物脱離装置50においては、一組の第1アクチュエータ53、第2アクチュエータ52a,52b、第1ヘッド部51a、及び第2ヘッド部51bを有するものとしているが、これらを複数組有してもよい。その場合は、エッジ部の洗浄に要する時間を低減させることができる。
図28は、フィキシングユニット120に設けられる有機物脱離装置50の他の一例の概略側面図である。図28に示す有機物脱離装置50では、図24に示した有機物脱離装置50と異なり、ヘッド部が2つ設けられる。即ち、有機物脱離装置50は、第1ヘッド部51aと、第2ヘッド部51bと、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bに対応する2つの第2アクチュエータ52a,52bを有する。図28に示すように、第1ヘッド部51aと第2ヘッド部51bは、第1アクチュエータ53を挟んで互いに対向する位置に設けられる。したがって、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bは、第2アクチュエータ52a,52bにより互いに同一方向に往復動することができる。
図29Aから図29Cは、図28に示した有機物脱離装置50で矩形基板S1のエッジ部の有機物を脱離するプロセスを示す有機物脱離装置50の平面図である。図29Aに示すように、まず、有機物脱離装置50は、図示しない昇降機構により、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bの鉛直方向の位置合わせをし、旋回軸56及び第2アクチュエータ52a,52bにより、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bの位置を矩形基板S1の対向する二つのエッジ部に位置合わせする。続いて、有機物脱離装置50の制御部54は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51b並びに第1アクチュエータ53を制御して、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bからUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿って第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを移動させて、エッジ部の一つを洗浄する。
対向する二つのエッジ部が洗浄されると、有機物脱離装置50は、旋回軸56を回転させて、図29Bに示すように第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを90度旋回させる。このとき、制御部54は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bからのUV又はプラズマの放射を停止させてから第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを旋回させるように、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51b及び旋回軸56を制御する。これにより、矩形基板S1上の意図しない領域にUV又はプラズマが放射されることを防止することができる。
図29Bに示すように、有機物脱離装置50は、UV又はプラズマの放射を停止させたまま、第2アクチュエータ52a,52bにより、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを矩形基板S1のエッジ部に位置合わせする。続いて、有機物脱離装置50は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bからUV又はプラズマを放射しながら、第1アクチュエータ53により矩形基板S1のエッジ部に沿って第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを移動させて、対向する二つのエッジ部を洗浄する。
矩形基板S1の4辺のエッジ部の洗浄が終了すると、有機物脱離装置50は、さらに第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを270度旋回させて、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを図29Aと同一の位置(ホームポジション)に戻す(図29C)。以上のように、矩形基板S1の4辺のエッジ部が洗浄される。図28及び図29A−29Cに示す有機物脱離装置50は、第1ヘッド部51a及び第2ヘッド部51bを有する。このため、図24及び図25A−25Eに示した有機物脱離装置50に比べて、UV又はプラズマを矩形基板S1に照射する時間、及びヘッド部を回転させる時間を低減させることができる。また、図28から図29Cに示す有機物脱離装置50においては、一組の旋回軸56、第1アクチュエータ53、第2アクチュエータ52a,52b、第1ヘッド部51a、及び第2ヘッド部51bを有するものとしているが、これらを複数組有してもよい。その場合は、エッジ部の洗浄に要する時間を低減させることができる。
以上で説明した第6実施形態の有機物脱離装置50がUV照射装置である場合において、UV光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、ブラックライト、又はUV領域の光を放射可能なレーザー光源等を採用することができる。高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、及びブラックライトは光が発散する傾向を有するので、これらの光源を採用する場合は、光源を基板Wの近傍に設置するか、光学系を用いてエッジ部のみにUVを照射するようにすることが好ましい。有機物脱離装置50がプラズマ放射装置である場合は、例えば大気リモートプラズマ装置等を採用することができる。
第6実施形態において、有機物脱離装置50は、フィキシングユニット120に設けられるものとして説明したが、これに限らず、他のユニットに設けられてもよいし、別途独立した装置としてめっき装置内に設けられてもよい。また、有機物脱離装置50は、矩形基板の4辺のエッジ部を洗浄するものとしたが、例えば対向する2辺のエッジ部のみを洗浄するようにしてもよい。その場合、矩形基板S1の回転回数又はヘッド部51の旋回回数を減少させることができる。また、図22に示したマスク57は、図24から図29Cに示した他の有機物脱離装置50においても採用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。例えば、図1ないし図19において説明した、基板Wのエッジ部を洗浄する有機物脱離装置45、酸化膜除去装置24、
及びスポンジ洗浄装置80は、任意に組み合わせることができる。
10 めっき槽
20 スピンリンスドライヤ
24,94 酸化膜除去装置
25 薬液ノズル
28 薬液
40 アライナ
45 有機物脱離装置
50 有機物脱離装置
51 ヘッド部
51a 第1ヘッド部
51b 第2ヘッド部
52,52a,52b 第2アクチュエータ
53 第1アクチュエータ
54 制御部
55 基板支持台
56 旋回軸
60 基板ホルダ
80 スポンジ洗浄装置
84 スポンジ洗浄部

Claims (10)

  1. 基板にめっきを行うめっき装置であって、
    前記基板が基板ホルダにより保持される際にシール部材でシールされる領域に隣接する、基板周縁部までのエッジ領域に存在する有機物を局所的に脱離する有機物脱離装置と、
    めっき液を収容し、基板とアノードとを該めっき液に浸漬させた状態で該基板と該アノード間に電圧を印加してめっきを行うためのめっき槽と、を有し、
    前記有機物脱離装置は、回転する前記基板の前記エッジ領域にUVを照射するUV照射装置又は回転する前記基板の前記エッジ領域にプラズマを放射するプラズマ放射装置を含む、めっき装置。
  2. 請求項に記載されためっき装置において、
    前記基板を回転させて前記基板の向きを整列するアライナを有し、
    前記有機物脱離装置は、前記アライナに設けられる、めっき装置。
  3. 請求項に記載されためっき装置において、
    前記UV照射装置又は前記プラズマ放射装置は、前記基板の上方から該基板の前記エッジ領域に局所的にUV又はプラズマを適用できる位置に配置された、めっき装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか一項に記載されためっき装置において、
    前記基板の前記エッジ領域に存在するパーティクルを除去するスポンジ洗浄装置を有する、めっき装置。
  5. 請求項1ないしのいずれか一項に記載されためっき装置において、
    前記エッジ領域に存在した有機物が局所的に除去された基板の前記エッジ領域に光を照射するとともに、反射する光の強度又は吸光度を測定するように構成されたセンサを備えた、めっき装置。
  6. 基板にめっきを行うめっき方法であって、
    前記基板が基板ホルダにより保持される際にシール部材でシールされる領域に隣接する、基板周縁部までのエッジ領域に存在する有機物を局所的に除去する除去工程と、
    前記基板を基板ホルダに保持する工程と、
    前記基板ホルダに保持された前記基板にめっき処理を行う工程と、を有し、
    前記除去工程は、回転する前記基板の前記エッジ領域に局所的にUV又はプラズマを放射する工程を含む、めっき方法。
  7. 請求項に記載されためっき方法において、
    レジストパターンを前記基板に形成する工程と、
    前記レジストパターンをアッシングするアッシング工程と、を有し、
    前記除去工程は、前記アッシング工程の後に実行される、めっき方法。
  8. 請求項6又は7に記載されためっき方法において、
    回転する前記基板のエッジ部にスポンジヘッドを接触させて、パーティクルを除去する工程を有する、めっき方法。
  9. 請求項ないしのいずれか一項に記載されためっき方法において、
    前記除去工程は、前記基板の周縁部から基板中心に向かって2mmの範囲内に存在する有機物を局所的に除去する工程を含む、めっき方法。
  10. 請求項ないしのいずれか一項に記載されためっき方法において、
    前記エッジ領域に存在した有機物を局所的に除去した基板の前記エッジ領域に光を照射して、反射する光の強度又は吸光度を測定する工程を有する、めっき方法。
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