JP2005019802A - 半導体装置の製造方法およびウェーハ構造体 - Google Patents

半導体装置の製造方法およびウェーハ構造体 Download PDF

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章二 奥田
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Abstract

【課題】層間絶縁膜に配線溝を形成する際にウェーハ周辺に付着した生成物を確実に除去して、半導体装置の歩留まりと信頼性を向上させる。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体ウェーハ(11)上に、低誘電率材料から成る第1絶縁膜(29)と、第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜(27)との積層で層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜に配線溝(32)を形成する工程と、前記配線溝の形成後に、半導体ウェーハの外周に付着した生成物を除去する工程と、配線溝内に銅配線(38)を形成する工程とを含む。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に、低誘電率材料を用いた層間構造にダマシン法で銅(Cu)配線を形成する配線形成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デザインルールの微細化につれ、隣接配線間の配線寄生容量の増加が顕在化している。隣接配線間の寄生容量の低減には、層間絶縁膜の低誘電率化が必須となる。このため種々の低誘電率(Low−k)層間絶縁膜が開発されており、たとえば、有機系低誘電率ポリマーであるSiLK(ダウ・ケミカル社の登録商標)が市販されている。
【0003】
一方、配線としては、低抵抗性とエレクトロマイグレーション耐性の点で、銅(Cu)配線が優れている。銅(Cu)は原理的にドライエッチングによる微細加工が困難なため、ダマシン法による配線形成が必要である。
【0004】
このような背景から、半導体装置の製造工程において、Low−k材を用いた層間絶縁膜に溝を形成して銅(Cu)配線を形成する配線形成技術が重要となってきている。
【0005】
SiLK(登録商標)等を用いた層間絶縁膜に、デュアルダマシン法による銅(Cu)配線形成技術を適用する場合、従来の方法では、ドライエッチングで溝を形成した後に、ウェット処理でウェーハを洗浄している。しかし、層間絶縁膜をドライエッチングして配線溝を形成する際に、ウェーハの裏面やベベル部にエッチングガスによる生成物が付着してしまう。このような反応性の生成物は、ウェット処理では除去することができない。除去できずに残った生成付着物は、溝形成後の熱処理時に剥がれて、溝の内部や上部に付着する。
【0006】
配線溝内に生成物が付着した状態でバリアメタルとCuシード層を形成して、銅(Cu)をメッキ成長させると、メッキ工程が進むにつれて付着物がはがれ、溝の中にCu配線層が形成されないという問題が生じる。
【0007】
なお、ウェーハのエッジ部分の生成物の除去方法としては、気相成長の工程においてウェーハの側面から主表面側に回りこんだCVD膜をテープ研磨により除去する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0008】
また、半導体ウェーハ上に形成された絶縁膜のエッジ領域を、絶縁膜の加工前に研磨ドラム等の研磨手段で除去する方法も知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特許第3336866号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2002−313757号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したいずれの方法も、層間絶縁膜にLow−k材を用いた半導体装置のエッジ処理には言及していない。
【0012】
そこで本発明は、半導体装置の製造過程で、低誘電率(Low−k)材料を用いた層間構造にダマシン法で銅(Cu)配線を形成する際に、ウェーハ裏面およびベベルに付着した生成物を確実に除去することにより、高い歩留まりで信頼性の高い半導体装置を製造する方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、ひとつの方法として、層間絶縁膜に配線溝を形成した後に、ウェット処理とブラシを組み合わせてウェーハの裏面およびベベル部に付着した生成物を除去する。
【0014】
もうひとつの方法として、裏面が平坦面であり、回路形成面の外周部がベベル加工された片面ベベル形状のウェーハを用い、ウェーハ裏面へのエッチングガス生成物の付着そのものを防止する。
【0015】
より具体的には、本発明の第1の側面では、半導体装置の製造方法は、
(a) 半導体ウェーハ上に、低誘電率材料から成る第1絶縁膜と、第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜との積層で層間絶縁膜を形成する工程と、
(b)層間絶縁膜に配線溝を形成する工程と、
(c)配線溝の形成後に、半導体ウェーハの外周に付着した生成物を除去する工程と、
(d)配線溝内に銅配線を形成する工程と
を含む。
【0016】
このような製造方法によれば、配線溝を形成後に、ウェーハの裏面やベベルに付着した生成物を除去しておくので、その後の熱工程で生成物が剥がれて配線溝内部に入り込むことを防止できる。したがって、歩留まりを向上するとともに、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0017】
積層の層間絶縁膜の形成工程は、低誘電率材料を半導体ウェーハの全面に塗布した後に、ウェーハ周辺部の塗布膜をウェット処理により除去する工程を含む。半導体ウェーハの周辺部から発塵の原因となる堆積物を事前に排除することで、ダスト等の発生を低減することができる。また、後工程で、ウェーハ周辺部の層間絶縁膜が除去される場合も、低誘電率材料が露出して酸化することを防止できる。
【0018】
第2の絶縁膜は、低誘電率膜の機械的強度を補うことのできる絶縁膜であれば任意の絶縁膜でよく、たとえばプラズマCVD法や高密度プラズマCVD法で酸化膜を形成することができる。
【0019】
ウェーハ外周の生成物の除去工程は、機械的除去と、化学的除去を組み合わせて行う。より望ましくは、半導体ウェーハの中心部から外周部に向けてリンス液を流しながら、ブラシなどの機械的方法により生成物を除去する。
【0020】
これにより、ウェーハ裏面およびベベルに付着した反応性の生成物を確実に除去することができ、銅配線への悪影響を低減することができる。
【0021】
本発明の第2の側面として、ウェーハ裏面への生成物の付着を防止することのできるウェーハ構造体を提供する。ウェーハ構造体は、
(a)平坦な裏面と、外周がベベル加工された回路形成面とを有する半導体ウェーハと、
(b)半導体ウェーハの回路形成面上に位置し、低誘電率材料から成る第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を覆って前記第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜との積層で構成される層間絶縁膜と、
(c)層間絶縁膜に形成される銅配線と
を備える。このような構成により、ウェーハの裏面の外周部がウェーハ保持台と密着し、銅配線を形成するための配線溝をドライ工程で形成する際に、生成物がウェーハ裏面に回り込むことを防止できる。
【0022】
本発明のその他の特徴、効果は、以下で図面を参照して述べる詳細な説明により、いっそう明確になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、シリコン(Si)ウェーハ上にCMOSトランジスタを形成し、塗布型のLow−k材料とCVD絶縁膜を組み合わせた積層層間構造にダマシン法で銅(Cu)配線を形成する例に基づいて説明する。
【0024】
まず、図1(a)に示すように、Siウェーハ11上に、STI(shallow Trench Isolation)素子分離12で区画される領域に、nチャネルMOSトランジスタ(n−chan TR)と、pチャネルMOSトランジスタ(p−chan TR)を形成する。このようなCMOSは任意の方法で形成され得る。各MOSトランジスタは、ゲート16とソース・ドレイン13を有し、ゲート側壁のサイドウォール15の下方にLLD(Lightly Doped Drain)14を有する。ゲート16およびソース・ドレイン13の表面にはシリサイド17が形成されている。
【0025】
CMOS形成後に、プラズマ窒化膜19を膜厚50nmに形成する。プラズマ窒化膜19は、CMOS活性化領域と上部配線を接続するコンタクトを加工する際のストッパーとして機能する。さらに、バルク平坦化用に、燐を添加したHDP−PSG(High Density Plasma−Phosphorous Silicate Glass)膜20を950nmの膜厚に形成し、CMPで平坦化する。平坦化によって、プラズマ窒化膜19とHDP膜20を合わせて750nmの膜厚としている。
【0026】
次に、図1(b)に示すように、反射防止膜(BARC:Bottom Anti Reflect Coating)21とレジスト22を塗布し、任意のレチクルを用いた露光現像処理によりレジスト22をパターニングする。反射防止膜21は、ウェーハ11の底面からの反射光がレジスト22に照射するのを防ぐための膜である。
【0027】
次に、図2(c)に示すように、活性化領域と上部配線(不図示)を接続するプラグ25を形成する。プラグ25の形成は、パターニングされたレジスト22をマスクとして、ドライエッチングでバルク層間HDP膜20に活性領域に到達するコンタクトホールを形成する。次いで、グルーレイヤ21を成長する前処理としてRFエッチング処理を行った後、Ti(10nm)を成長し、さらにTiN(20nm)を成長して、グルーレイヤ21を形成する。その後タングステン23を300nm成長し、これをCMPで研磨することによってタングステンプラグ(W−Plug)25を形成する。
【0028】
次に、図3に示すように、全面にLow−k膜29と150nmの膜厚で塗布した後、シクロヘキサノン等のリンス液によって、ウェーハ11の周辺から4.5mmのエッジ領域に位置するLow−k膜29を除去する。本実施形態では、Low−k材として、SiLK(登録商標)を用いる。エッジ領域のLow−k膜29を除去後、400℃の窒素雰囲気中で、30分キュアを施す。キュア後、プラズマ酸化膜27を250nm成長する。図3において、ウェーハ11上の四角の枠内には、矢印Aで示すように、先の工程で形成されたCMOSトランジスタとプラグが存在する。これらの素子領域およびプラグについては、以降の工程では図示を省略する。
【0029】
Low−k膜29とプラズマ酸化膜27で、積層の層間絶縁膜を構成する。Low―k材とプラズマCVDによる酸化膜とを組み合わせることによって、層間絶縁膜全体としての誘電率を低減するとともに、機械的強度を確保できる。塗布型のLow−k材のみで層間絶縁膜を形成すると低誘電率化の効果は高いが、機械的強度が不十分なため、加工性の面で問題が残るからである。
【0030】
次に、半導体装置における配線形成の工程を説明する。
【0031】
まず、図4(a)に示すように、第1の銅(Cu)配線を形成するために、プラズマ酸化膜27上に反射防止膜(BARC:Bottom Anti Reflect Coating)30とレジスト31を塗布し、任意のレチクルを用いて露光現像処理を行ってレジスト31をパターニングする。この露光時には、レジスト31塗布後にあらかじめ、ウェーハ11の周辺から1.5mmのエッジ領域にも露光しておく。露光したエッジ領域のレジスト31は、現像時に配線パターンとともに除去される。
【0032】
次に、図4(b)に示すように、レジスト31をマスクとしてドライエッチングを行い、プラズマ酸化膜27とLow−k(SILK)膜29に、溝32を形成する。
【0033】
次に、図5(c)に示すように、薬液処理により、残った反射防止膜(BARC)30とレジスト31を除去する。この後ウェット処理とブラシ50を組み合わせて、ウェーハ11の裏面とベベル領域Bに付着した生成物を除去する。ブラシ50による生成物除去は、ウェーハ11の中心から外周側に向けて、純水等のリンス液を流しながら行うのが望ましい。これにより、ブラシ除去された生成物をエッジ領域の外側へ洗い流し、溝32内に入り込むのを防止する。
【0034】
次に、図5(d)に示すように、400℃のアンモニア雰囲気中で、300秒アニール処理を行う。図5(c)の工程で、ウェーハ11の裏面およびベベル領域Bに付着した生成物をあらかじめ除去してあるので、アニール処理で生成物が剥がれて溝32内に付着するということはない。
【0035】
次に、図6(e)に示すように、バリアメタルを成長する前処理としてRFエッチング処理を行う。
【0036】
次に、図6(f)に示すように、バリアメタル35としてタンタル(Ta)を15nm成長し、銅(Cu)シード層36を130nm成長する。バリアメタル35は、Low−k膜29とプラズマ酸化膜27で構成される層間絶縁膜への銅(Cu)拡散を防止するためのものである。
【0037】
次に、図7(g)に示すように、メッキ処理によって銅(Cu)37を970nm成長し、ウェーハ11の周辺から3.0mmのエッジ領域にかけて、メッキ形成された銅(Cu)膜37を薬液処理で除去する。
【0038】
次に、図7(h)に示すように、プラズマ酸化膜27上の不要な銅(Cu)膜37をCMPにて研磨除去する。銅(Cu)膜37の不要部分を研磨除去した後も、引き続きCMPによりベベル領域を研磨し、プラズマ酸化膜27上のバリアメタル35を除去する。この結果、溝内に第1の銅(Cu)配線38が形成される。このとき、Low−k膜29上に積層されているプラズマ酸化膜27の膜厚は約100nmである。この例では、第1の銅(Cu)配線38が位置する層間絶縁膜(Low−k膜29とプラズマ酸化膜27の積層)の膜厚の約60%がLow−k膜29で構成されている。もちろん、層間絶縁膜全体の機械的強度と加工性が確保されるならば、層間絶縁膜Low−k膜29が占める割合をさらに増大させてもよい。
【0039】
通常、CMP研磨するとエッジ部分での研磨速度が速くなり、エッジ部分のプラズマ酸化膜27も除去される。エッジ部分のプラズマ酸化膜27が研磨されても、あらかじめエッジ領域のLow−k膜29は除去してあるので(図3参照)、CMP工程でLow−k膜29が露出するということはない。Low−k膜上に直接窒化膜が付くと剥離が生じやすいという問題があるが、本実施形態の製造方法では、Low−k膜と窒化膜の接触による剥離の問題を事前に回避できる。
【0040】
次に、図8(i)に示すように、銅(Cu)の拡散防止用に、プラズマ窒化膜39を70nm成長し、続けてプラズマ酸化膜40を280nm成長する。その後、SILK(登録商標)などの第2のLow−k膜41を150nmの膜厚で全面に塗布する。その後、シクロヘキサノンなどのリンス液によって、塗布されたLow−k膜41を、ウェーハ11の周辺から4.5mmのエッジ領域にかけて除去する。
【0041】
エッジ領域のLow−k膜41の除去後、400℃の窒素雰囲気中で30分キュアを施す。キュア後、プラズマ酸化膜42を250nm成長し、第二の銅(Cu)配線を形成するためのハードマスクとして、プラズマ窒化膜43を100nm成長する。その後、反射防止膜(BARC:Bottom Anti Reflect Coating)44を塗布する。
【0042】
次に、図9(j)に示すように、レジストを塗布し、任意のレチクルを用いて露光現像処理を行って、レジストマスク46を形成する。露光時には、あらかじめウェーハ11周辺から1.5mmの領域にかけてのレジストにも露光処理を行い、現像時にエッジ領域のレジストも除去しておく。バベル部分を含むエッジ領域は、ウェーハホルダと接触しやすいため、なるべく堆積物を少なくするためである。
【0043】
次に、図9(k)に示すように、レジストマスク47を用いてドライエッチングすることにより、ハードマスクのプラズマ窒化膜43に溝45を形成する。反射防止膜44およびプラズマ窒化膜43のエッチング条件としては、50mTの減圧下で、Arガス、O2 ガス、CF4 ガス、CHF3 ガスをそれぞれ200sccm、20sccm、50sccm、10sccmで供給する。溝45の形成後、薬液処理によって残った反射防止膜44とレジストマスク46を除去する。
【0044】
次に、図10(l)に示すように、第1の銅(Cu)配線38に通じるコンタクトホールを形成するために、反射防止膜(BARC:Bottom Anti Reflect Coating)47とレジストを塗布する。任意のレチクルを用いて露光現像処理を行い、レジストパターン48を形成する。
【0045】
次に、図11(m)に示すように、ドライエッチングにより、所望の領域の酸化膜42を除去して、Low−k膜41に到達する溝51を形成する。酸化膜42のエッチングは、15mTの減圧下で、主としてArガスを380sccmで供給することにより行う。なお、酸化膜42のエッチングに先立って、プラズマ窒化膜43の露出した側壁をCF4 ガスでドライエッチングする。
【0046】
次に、図12(n)に示すように、溝51の開口部分からLow−k膜41の所定の領域をドライエッチングで除去する。Low−k膜41のエッチング条件は、たとえば、200mTの減圧下でNH3 ガスとH2 ガスをそれぞれ300sccmと100sccmで供給して行う。Low−k膜41のエッチング後、反射防止膜とレジストを除去する。この状態で、溝52の底部で、プラズマ酸化膜40が露出する。
【0047】
次に、図12(o)に示すように、プラズマ酸化膜40とプラズマ窒化膜39をエッチング除去して、第1の銅(Cu)配線38に到達するコンタクトホール53を形成する。プラズマ酸化膜40の除去は、たとえば30mTの減圧下で、主としてArガスを800sccmで供給して行う。このドライエッチングで、Low−k膜41上のプラズマ酸化膜42も除去される。プラズマ窒化膜39の除去は、たとえば50mTの減圧下で、ArガスとO2 ガスとCF4 ガスを、それぞれ100sccm、15sccm、70sccmで供給して行う。
【0048】
次に、図13(p)に示すように、プラズマ窒化膜43をマスクとして、プラズマ酸化膜40上に残っているLow―k膜41をエッチング除去し、配線溝54を形成する。このときのエッチング条件は、たとえば50mTの減圧下で、NH3 を40sccnで供給してドライエッチングする。第1の銅(Cu)配線38に達するコンタクトホール53と、配線溝54とで、デュアルダマシンによる第2の配線溝55を構成する。
【0049】
次に、図14(q)に示すように、ウェット処理とブラシを組み合わせてウェーハ11のベベル領域Bおよびウェーハ裏面に付着した生成物をあらかじめ除去する。このとき、ウェーハ11の中心部から外周部へ向けてリンス液を流しながら、生成物を除去するのが望ましい。
【0050】
次に、図15(r)に示すように、400℃のアンモニア雰囲気中で、300秒アニール処理を行う。図14(q)において、ウェーハ11の裏面およびベベルに付着した生成物があらかじめ除去されているので、このアニール処理によって生成物が剥がれて、第2の配線溝55内に付着するというはない。
【0051】
次に、図16(s)に示すように、バリアメタルを成長する前処理としてRFエッチング処理を行い、バリアメタル56としてタンタル(Ta)を15nm成長し、次いで、銅(Cu)のシード層57を130nm成長する。
【0052】
次に、図17(t)に示すように、メッキ処理によってCuメッキ膜58を970nmの膜厚に形成し、薬液処理により、ウェーハ11の周辺から3.0mmの領域にかけてCuメッキ膜58を除去する。
【0053】
次に、図18(u)に示すように、不要な銅(Cu)膜58をCMPで研磨除去する。研磨後はベベル領域も研磨されるためタンタルのバリアメタル56と、窒化膜のハードマスク43も除去される。これにより、第1の銅(Cu)配線38に接続するコンタクトと、上層の配線が一体になった第2の銅(Cu)配線59が形成される。
【0054】
次に、図18(v)に示すように、銅(Cu)の拡散防止用にプラズマ窒化膜61を70nm成長する。以降は繰り返し工程を重ねることによって複数層に渡って配線を形成することができる。
【0055】
上述した半導体装置の製造方法によれば、低誘電率材料から成る第1絶縁膜(たとえば塗布型Low−k材)と、第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜(たとえばプラズマCVD酸化膜)とで層間絶縁膜を構成し、この層間絶縁膜にダマシン法あるいはデュアルダマシン法で、銅(Cu)配線を形成する。このとき、配線溝を形成した後に、ウェーハの裏面やベベルに付着した生成物を、ウェット処理と、ブラシ等の機械的処理で確実に除去するので、その後の熱工程で、付着した生成物が剥がれて配線溝内に入り込むことを防止できる。
【0056】
図19は、本発明の第2実施形態に係るウェーハ71のベベル形状を示す図である。通常は、第1実施形態で使用したウェーハ11のように、裏面および回路形成面のエッジ部分がベベル加工されてラウンド状になっている。ベベル加工することにより、LSI製造工程でホルダやキャリアとの接触を低減し、塵の発生を低減できるからである。
【0057】
しかし、従来のベベル形状では、ドライ工程で反応性の生成物がウェーハ裏面に回り込むという問題が生じる。通常、ドライ工程(プラズマエッチングやプラズマCVDなど)では、ウェーハは静電チャックによりチャンバ内に保持されるが、ウェーハのベベル部で電気力線が湾曲するため、ベベル部では静電チャックによる密着保持が困難になるからである。第1実施形態では、ベベル部へのブラシ処理とウェット処理を組み合わせて、ウェーハ裏面に付着する生成物を除去していたが、第2実施形態では、ウェーハのベベル形状自体を改良する。
【0058】
すなわち、ウェーハ71の裏面を平坦な状態とし、回路形成面側のエッジのみをベベル加工してベベル71’とする。このような片面ベベル形状によれば、ウェーハ71のエッジ以外の領域は、静電チャック80により密着保持され、またエッジ領域ではウェーハ71の裏面が平坦になっているので、静電チャックホルダ81とウェーハ71の間に生成物が回り込んで付着することはない。
【0059】
片面ベベル形状は、砥石による加工、あるいは精密数値加工機による切削加工によって達成できる。平坦なウェーハ裏面については、そのエッジ領域を鏡面研磨してもよい。これにより、静電チャックホルダ81との密着性を高めることができる。
【0060】
さらに、静電チャック80とウェーハ71の間から外側に向けてガスを流して、生成物がベベル71’に付着するのを防止する構成としてもよい。
【0061】
上述した実施形態では低誘電率材料としてSiLK(登録商標)を用いたが、その他の有機SOG、無機SOG、ポーラスシリカ等を用いてもよい。また、Low−k材の機械的強度や加工性を補う第2絶縁膜として、プラズマCVDによる酸化膜を用いたが、この例に限定されず、高密度プラズマCVDによる酸化膜や、フッ素添加シリコン酸化膜(SiOF膜)を用いてもよい。
【0062】
ウェーハ周辺に付着した生成物の除去は、リンス液を流しながらブラシで除去したが、砥石、研磨布、その他の適切な手段を用いることができる。
【0063】
また、第1実施形態で説明した半導体装置の製造工程に、第2実施形態の片面ベベル形状のSiウェーハを用いてもよい。
最後に、以上の説明に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) 半導体ウェーハ上に低誘電率材料から成る第1絶縁膜と、第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜との積層で層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜に配線溝を形成する工程と、
前記配線溝の形成後に、前記半導体ウェーハの外周に付着した生成物を除去する工程と、
前記配線溝内に銅配線を形成する工程と
を含む半導体装置の製造方法。
(付記2) 前記積層の層間絶縁膜の形成工程は、低誘電率材料を半導体ウェーハの全面に塗布した後、ウェーハ周辺部の塗布膜をウェット処理により除去する工程を含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記積層の層間絶縁膜の形成工程は、前記第2絶縁膜をプラズマCVD法により形成する工程を含むことを特徴とする付記1または2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4) 前記生成物の除去工程は、機械的除去と、化学的除去を組み合わせて行うことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) 前記生成物の除去工程は、半導体ウェーハの中心部から外周部に向けてリンス液を流しながら、機械的に生成物を除去することを特徴とする付記1または4に記載の半導体装置の製造方法。
(付記6) 前記配線溝の形成工程は、積層の層間絶縁膜上に、配線溝の形状に加工したレジストマスクを形成する工程をさらに含み、前記レジストマスクは、半導体ウェーハの周辺部を被覆せずに露出する形状に加工されることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記配線溝の形成工程は、配線溝の形成とともに、前記半導体ウェーハ周辺部の層間絶縁膜も除去することを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記配線溝が形成される面の外周がベベル加工され、裏面が平坦な片面ベベル形状を有する半導体ウェーハを準備する工程をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記銅配線の形成工程は、メッキ法により前記配線溝の内部および半導体ウェーハ上の全面に銅メッキ膜を形成した後、半導体ウェーハ周辺部の銅メッキ膜をウェット除去する工程を含むことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 平坦な裏面と、外周がベベル加工された回路形成面とを有する半導体ウェーハと、
前記半導体ウェーハの回路形成面上に位置し、低誘電率材料から成る第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を覆って前記第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜との積層で構成される層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に形成される銅配線と
を備えるウェーハ構造体。
(付記11) 前記半導体ウェーハの裏面の外周部は鏡面研磨されていることを特徴とする付記10に記載のウェーハ構造体。
(付記12) 前記低誘電率材料から成る第1絶縁膜の膜厚は、前記層間絶縁膜の膜厚の60%以上の膜厚であることを特徴とする付記10に記載のウェーハ構造体。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、Low−k(低誘電率)材料を用いた層間構造にダマシン法、あるいはデュアルダマシン法で銅(Cu)配線を形成する場合に、ベベル部を含むウェーハ周辺に付着した生成物を除去することにより、高い歩留まりで信頼性の高い半導体装置を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置製造方法において、活性か領域と上部配線とを接続するコンタクト形成工程を示す図(その1)である。
【図2】第1実施形態の半導体装置製造方法におけるコンタクト形成工程を示す図(その2)であり、図1(b)に引き続く工程を示す図である。
【図3】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その1)である。
【図4】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その2)であり、図3の工程に引き続く工程を示す図である。
【図5】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その3)であり、図4(b)に引き続く工程を示す図である。
【図6】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その4)であり、図5(d)に引き続く工程を示す図である。
【図7】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その5)であり、図6(f)に引き続く工程を示す図である。
【図8】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その6)であり、図7(h)に引き続く工程を示す図である。
【図9】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その7)であり、図8(i)に引き続く工程を示す図である。
【図10】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その8)であり、図9(k)に引き続く工程を示す図である。
【図11】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その9)であり、図10(l)に引き続く工程を示す図である。
【図12】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その10)であり、図11(m)に引き続く工程を示す図である。
【図13】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その11)であり、図12(o)に引き続く工程を示す図である。
【図14】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その12)であり、図13(p)に引き続く工程を示す図である。
【図15】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その13)であり、図14(q)に引き続く工程を示す図である。
【図16】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その14)であり、図15(r)に引き続く工程を示す図である。
【図17】第1実施形態の半導体装置製造方法における配線形成工程を示す図(その15)であり、図16(s)に引き続く工程を示す図である。
【図18】第1実施形態の半導体装置の製造方法における配線形成工程を示す図(その16)であり、図17(t)に引き続く工程を示す図である。
【図19】本発明の第2実施形態に係るウェーハのベベル形状を示す図である。
【符号の説明】
11、71 シリコンウエーハ
11’、71’ ウエーハベベル
12 STI(素子分離領域)
13 ソース・ドレイン
14 LLD
15 ゲート
16 サイドウォール
17 シリサイド
19、39、43、61 プラズマ窒化膜
20 バルク層間絶縁膜(HDP−PSG)
21、30、44、47 反射防止膜(BARC)
22、31、46、48 レジスト
25 プラグ
27、40、42 プラズマ酸化膜
29 Low−k(SILK)膜
32、54 配線溝
35、56 バリアメタル(タンタル)
36、57 Cuシード膜
37、58 Cuメッキ膜
38 第1配線
45、51、52 溝
50 ブラシ
53 コンタクト用溝
55 デュアルダマシン配線溝
59 第2配線
80 静電チャック
81 静電チャックホルダ

Claims (5)

  1. 半導体ウェーハ上に、低誘電率材料から成る第1絶縁膜と、第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜との積層で層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜に配線溝を形成する工程と、
    前記配線溝の形成後に、前記半導体ウェーハの外周に付着した生成物を除去する工程と、
    前記配線溝内に銅配線を形成する工程と
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記積層の層間絶縁膜の形成工程は、前記低誘電率材料を半導体ウェーハの全面に塗布した後、ウェーハ周辺部の塗布膜をウェット処理により除去する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記生成物の除去工程は、機械的除去と、化学的除去を組み合わせて行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記生成物の除去工程は、半導体ウェーハの中心部から外周部に向けてリンス液を流しながら、機械的に生成物を除去することを特徴とする請求項1または3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 平坦な裏面と、外周がベベル加工された回路形成面とを有する半導体ウェーハと、
    前記半導体ウェーハの回路形成面上に位置し、低誘電率材料から成る第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を覆って前記第1絶縁膜よりも機械的強度の高い第2絶縁膜との積層で構成される層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜に形成される銅配線と
    を備えるウェーハ構造体。
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