JP6831107B2 - 伸縮順序機構付きスライドレール - Google Patents
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そして、インナーメンバー、あるいは、アウターメンバーを固定側レールとし、固定側レールの他方側のインナーメンバー、あるいは、アウターメンバーを移動側レールとし、移動側レールの移動に合わせて、前記ボールの作用により、中間メンバーが移動するものである。一般的にはインナーメンバーが移動側として使用されることが多い。
このようなスライドレールは、移動側レールの摺動に追従して中間メンバーも摺動移動する。そのため、スライドレールの最縮小時に中間メンバーとインナーメンバーがアウターメンバーの摺動方向長さ内に納まる長さに設定され、さらにインナーメンバーが中間メンバーより短長に設定されたスライドレールで、インナーメンバーを移動側レールとした場合、縮められた状態のスライドレールから、インナーメンバーを伸長方向に移動させると、中間メンバーがボールを介してインナーメンバーの動きに追従するため、中間メンバーの移動側端がインナーメンバーより先にアウターメンバー(固定側レール)から飛び出すこととなる。
他方、スライドレールに加わる荷重や移動速度によって、中間メンバーは、移動側レールの摺動に合わせて常に一定の動きとはならないことがある。
しかしながら、上記スライドレールは、レールの移動の一時的な規制を、突起とくぼみの係脱抵抗によって行うため、スライドレールに設置された収納体などを動かす(引き出す)時、動かし方によってスライドレールに加わる荷重が変化するため、一時的な規制が確実ではなかった。特に収納体などを強く引き出した場合、突起とくぼみの一時的な規制手段に、設定されている突起とくぼみの係脱抵抗以上の力が加わり、設定外のタイミングで突起とくぼみの係脱が外れることとなる。
また、一時的な規制の確実性を高めようとすると、係脱抵抗を大きく設定することとなり、一時的な規制手段の係脱時には大きな抵抗が発生する。そのため、スライドレールの引き出し時、あるいは、収納時に、スライドレールのスムーズな動きが阻害されやすい問題があった。
可動体は、中間メンバーの伸長側端部に設けられ、当接体は、前記可動体側となるアウターメンバーの端部に設けられ、当接解除部の位置は、インナーメンバーの摺動方向で適宜設定可能とされるものである。
また、伸長したインナーメンバーは、中間メンバーが所定の位置まで収縮しないと収縮側に摺動できないため、インナーメンバーが先に収縮し、中間メンバーがアウターメンバーから突出した状態で残ることを防止できるばかりか、インナーメンバーの摺動規制の解除は、アウターメンバーの係合解除部で直接可能であるため、中間メンバーの摺動量に合わせてインナーメンバーの摺動規制の解除が可能であり、設定とおりに安定的に、中間メンバーの摺動位置に対するインナーメンバーの摺動移動を規制できる。
また、スライドレールの伸長、収縮の一連の動作で中間メンバー、あるいは、インナーメンバーの摺動の規制、解除が行えるのでスライドレールの伸長、収縮の動きがスムーズである。
また、インナーメンバーが完全に伸長してから、中間メンバーの移動規制を解除することや、インナーメンバーの伸長側端が中間メンバーの伸長側端が揃った位置から中間メンバーの移動規制を解除することもできる。そのため、インナーメンバーを中間メンバーに対して極端に短長に設定することも可能である。
スライドレール100は、アウターメンバー1と、アウターメンバー1に対し、アウター側ボールリテーナー3に回転自在に保持された複数個のボール30・・・を介して摺動自在に設けられた中間メンバー4と、中間メンバー4に対し、インナー側ボールリテーナー5に回転自在に保持された複数個のボール50・・・を介して摺動自在に設けられたインナーメンバー2より構成され、アウターメンバー1の中間メンバー4側の内面で伸長側端部101に当接体10が設けられ、中間メンバー4のインナーメンバー2側の内面で伸長側端部401に可動体6が設けられている。
アウターメンバー1は、基板1aと、上下折曲縁1b、1bよりチャンネル型に形成され、上下折曲縁1b、1b内面側に位置する複数個のボール30・・・を介して、中間メンバー4を摺動自在に保持している。
複数個のボール30・・・は、合成樹脂材や薄板鋼板で成形された長尺平板状のアウター側ボールリテーナー3に回転自在に保持され、アウター側ボールリテーナー3はアウターメンバー1のほぼ3分の1程度の長さに形成されている。
そして、基板4aの収縮側の上下端部には、中間メンバー4の最大引出し(伸長)時に、前記アウターメンバー1のリテーナー前ストッパー(図示せず。)に伸長側端部が当接したアウター側ボールリテーナー3の収縮側端部に当接して、中間メンバー4の最大引出し(伸長)量を規制するリテーナー後ストッパー(図示せず。)が形成され、基板4aの伸長側端部内面に、インナーメンバー2が最大引出し(伸長)状態となった時、インナー側ボールリテーナー5の伸長側端部が当接する前ストッパー部材41が着脱自在に設けられている。
当然ながら、当接体10はアウターメンバー1と別体なものを取り付けてもよく、被当接部11と係合解除部12を別個に設けてもよいが、該方法とするほうが、部品点数が少なく、製作コストも安価にできる。
可動体6は、板状基材6aの収縮側に支軸60に対応した軸孔が形成され、伸長側に付勢ばね63の伸長側端部が挿入される固定孔が形成され、板状基材6aの伸長側上面がアウターメンバー側に折り曲げられ、当接片61aが形成され、当接片61aの伸長側端面に傾斜面を形成し当接部61とされ、板状基材6aの伸長側下端が下方部に延伸し、下方部に向かって先細りとなる逆三角形状の係合片62が形成された構成である。
そして、このように構成された可動体6は、当接片61aと係合片62が中間メンバー4の伸長側端より前(伸長側)に飛び出す形で前述のように回動可能に取り付けられている。
また、可動体6は、支軸60、付勢ばね63を用いず、可動体6を弾性変形可能な合成樹脂で成型し、支軸の代わりに合成樹脂の弾性力を利用して可動体6を可動させ、同じく弾性力を利用して可動体6を付勢させることもできる。
尚、伸長側端部401がアウターレール1側の押し曲げられているのは、可動体6がインナーメンバー側に突出することを防ぐためであり、インナーメンバーに引き出しなどの物品を、ねじ等を利用して固定する場合にインナーメンバー2の固定側メンバー側に突出する固定ねじなどの頭と可動体6の干渉を防ぐことができる。
そして、この状態で、可動体6は下向きに付勢されているので、当接部61が被当接部11の当接位置にあるため、中間メンバー4を伸長側に摺動させようとしても、当接部61が被当接部11に当接するため、中間メンバー4の摺動は規制される。
尚、図6において、当接部61と被当接部11間に若干の隙間を設けているが、この隙間は製造上のクリアランスであるため隙間を設けなくてもよい。
スライドレール100の最収縮時から、インナーメンバー2が伸長方向に摺動すると、インナー側ボールリテーナー5もインナーメンバー2の移動量の半分の移動量をもって伸長方向に移動する。このとき、中間メンバー4は、当接部61が被当接部11に当接するので摺動しない。
そして、インナーメンバー2の摺動により、インナーメンバー2の伸長側端面210が、可動体6の係合片62に接触し、さらに、インナーメンバー2が移動すると、係合片62が伸長側端面210に押されて可動体6が付勢ばね63の付勢力に抗して、支軸60の軸心として上向きに回動する。
さらに、インナーメンバー2が移動すると、係合片62の下端部先端が伸長側端面210を乗り越え、係合片62の下端部先端が下折曲縁2bの上面側に接触した状態となる。
この状態で可動部6の当接部11(当接片11a)が被当接部11より上方位置となり、中間メンバー4は、摺動可能となり、インナーメンバー2とともに摺動する。
また、可動体6は、下向きに付勢されているので、係合片62の下端部先端が、下折曲縁2bの上面側に接触した状態で、インナーメンバー2と中間メンバー4は伸長していく。
この状態で、さらにインナーメンバー2が移動すると、中間メンバー4が、インナーメンバー2の後ストッパー部材200にインナー側ボールリテーナー5ごと、伸長方向に押され、リテーナー後ストッパーがアウター側ボールリテーナー3の収縮側端部に当接するまで摺動しスライドレール100は最大伸長となる。
このように、伸長側端面210は、当接体10と可動体6の当接を解除する、当接解除部21としての機能を有している。
そして、係合部22は、インナーメンバー2が中間メンバー4に対して最大伸長した位置での可動体6の係合片62の位置に対応するように設けられている。
前述のとおり、インナーメンバー2の上下折曲縁2b、2b間で係合片62(可動体6)が下向きに付勢されているので、インナーメンバー2が中間メンバー4に対して最大伸長となった位置で、係合片62の下端部先端が係合部22に入りこみ、インナーメンバー2と中間メンバー4は係合状態となる。
可動体6の回動中心軸の支軸60は、係合部22より上方で、かつ、収縮側に設定されているので、伸長側端面62bが、伸長側接触端面22bに押されると、可動体6は、支軸60を中心軸として下方に押し下げられるため、係合片62が係合部22に押し込まれインナーメンバー2の収縮方向の移動が規制される。
より具体的には、図10で示すように、係合片62の収縮側端面62aは、下方から上方に向かって収縮側に後退する傾斜面あるいは曲面とすると、可動体6の回動中心軸の支軸60は、係合部22より上方で、かつ、収縮側に設定されているので、収縮側端面62aが、係合部22の収縮側接触端面22aに押されると、可動体6は、支軸60を中心軸として上方に押し上げられるため、係合片62が係合部22に入ったとしても、係合片62の収縮側端面62aと係合部22の収縮側接触端面22aによって、可動体6が上方に回動させられる。
該係合状態となる位置は、スライドレール100を使用する物品の用途に合わせて適宜設定すればよい。
さらに、中間メンバー4がアウターメンバー1に略収容された位置で、アウターメンバー1の当接体10の係合解除部12に、可動体6の当接片61aの下面が接触する。そして、インナーメンバー2が収縮側に移動すると、図11に示すように、係合解除部12に沿って当接片61aが上方に押し上げられ、可動体6は上方に回動する。可動体6が上方に回動することによって、係合片62が係合部22から外れ、インナーメンバー2の摺動に規制が解除される。そして、インナーメンバー2は摺動可能となり、インナーメンバー2は最収縮位置まで収縮する。
当然ながら、当接解除部21として、別途部品が不要であるため、コストを安価にすることができる。
可動体6は、板状基材6aの収縮側に支軸60に対応した軸孔が形成され、板状基材6aの収縮側上面と下面がアウターメンバー1側に折り曲げられ、当接片61a、61aが形成され、当接片61aの伸長側端面が当接部61とされ、板状基材6aの中間メンバー4の伸長側端面より前で、伸長側上面と下面がインナーメンバー側に折り曲げられ、そして、該折り曲げ先端をそれぞれ上方と下方に延伸し、該延伸部が係合片62、62とされている。
当接解除部材20は、板状基材20aの上下端がそれぞれ、中間メンバー側に突出し、該突出部が当接解除部21、21とされる。
当接解除部21、21の上下間は、前記可動体6の係合片62、62が内包する高さに設定されており、後述するが、当接解除部21、21間に可動体6の係合片62、62が内包すると、可動体6は水平状態に保たれるように設定されている。
そして、インナーメンバー2の上下折曲縁2b、2bの当接解除部材20の伸長側端と伸長側で隣接する位置に、係合部22、22がそれぞれ設けられている。
そして、インナーメンバー2の摺動により、インナーメンバー2の当接解除部材20の当接解除部21が、可動体6の下側の係合片62の収縮側端面62aに接触し、さらに、インナーメンバー2が移動すると、係合片62が収縮側端面62aの前記曲面に沿って上方に押されて可動体6支軸60の軸心として上向きに回動する。
さらに、図15に示すようにインナーメンバー2が移動すると、係合片62、62が、当接解除部21、21間に可動体6の係合片62、62が内包し、可動体6は水平状態に保たれる。
この状態で可動部6の当接部11、11(当接片11a、当接片11a)が被当接部11、11間の位置となり、中間メンバー4は、摺動可能となり、インナーメンバー2とともに摺動する。
すなわち、被当接部11、11間は、可動体6が水平状態で可動部6の当接部11、11が通過できる寸法に設定されている。
この状態で、さらにインナーメンバー2が移動すると、中間メンバー4が、インナーメンバー2の後ストッパー部材200にインナー側ボールリテーナー5ごと、伸長方向に押され、リテーナー後ストッパーがアウター側ボールリテーナー3の収縮側端部に当接するまで摺動しスライドレール100が最大伸長となる点は、実施例1と同様である。
そのため、インナーメンバー2が中間メンバー4に対して最大伸長となる間際に当接解除部21が可動体6の係合片62の収縮側端面62aに接触するように当接解除部材20の位置を設定すると、インナーメンバー2が中間メンバー4に対して最大伸長となってから、中間メンバー4の伸長摺動が可能となるようにできる。
そして、係合部22は、インナーメンバー2が中間メンバー4に対して略最大伸長した位置での可動体6の係合片62の位置に対応するように設けられている。
図16に示すように係合片62(可動体6)は自重で下向きに付勢されているので、インナーメンバー2が中間メンバー4に対して略最大伸長となった位置で、係合片62の下端部先端が係合部22に入りこみ、インナーメンバー2と中間メンバー4は係合状態となる。
伸長側端面62bは前述のとおり、伸長側に前進した傾斜面であるため、可動体6が該係合状態にある時、伸長側端面62bは略垂直面となるよう設定されている。
さらに、中間メンバー4がアウターメンバー1に略収容された位置で、アウターメンバー1の当接体10の下側の係合解除部12に、可動体6の下側の当接片61aの下面が接触する。そして、インナーメンバー2が収縮側に移動すると、係合解除部12によって当接片61aが上方に押し上げられ、可動体6は上方に回動する。可動体6が上方に回動することによって、係合片62が係合部22から外れ、インナーメンバー2の摺動に規制が解除される。そして、インナーメンバー2は摺動可能となり、インナーメンバー2は最収縮位置まで収縮する。
10 当接体
11 被当接部
12 係合解除部
100 スライドレール
2 インナーメンバー
21 当接解除部
22 係合部
3 アウター側ボールリテーナー
30 ボール
4 中間メンバー
5 インナー側ボールリテーナー
50 ボール
6 可動体
61 当接部
62 係合片
Claims (3)
- 少なくともインナーメンバー、中間メンバー、アウターメンバーを備えた三段式のスライドレールにおいて、中間メンバーに可動体、アウターメンバーに可動体と当接する当接体、インナーメンバーに当接解除部と、可動体と係合する係合部を備え、収縮した状態のスライドレールからインナーメンバーが伸長側に摺動する際、前記当接体に前記可動体が当接することによって、中間メンバーの伸長方向への摺動を防止し、インナーメンバーの伸長方向への摺動に伴い、前記当接解除部によって当接体と可動体の当接状態が解除され、中間メンバーの伸長方向への摺動が可能となる一方、インナーメンバーが伸長した状態からインナーメンバーの収縮側への摺動に伴い、インナーメンバーの係合部と中間メンバーの可動体が係合し、該係合によりインナーメンバーと中間メンバーが一体的に収縮側に摺動し、インナーメンバーと中間メンバーの一体的な収縮側への摺動に伴い、当接体によって係合部と可動体の係合状態が解除され、インナーメンバーの収縮方向への摺動が可能となることを特徴とするスライドレール。
- 当接体は、被当接部と係合解除部を備え、係合部は、少なくともインナーメンバーの収縮方向の摺動で中間メンバーと係合するものであって、可動体は、前記被当接部に当接する当接部と、インナーメンバーの係合部と係合する係合片を備え、被当接部に当接しうる状態と、被当接部との当接が解除される状態となるように可動可能とされるとともに、当接部が被当接部に当接しうる状態に付勢力が付与され、当接解除部との接触により、該付勢力に抗して可動体が可動され、被当接部と当接部の当接が解除される一方、該付勢力によって係合片とインナーメンバーの係合部が係合し、前記係合解除部との接触により、付勢力に抗して可動体が可動され、係合片と係合部の係合が解除されることを特徴とする請求項1に記載のスライドレール。
- 可動体は、中間メンバーの伸長側端部に設けられ、当接体は、前記可動体側となるアウターメンバーの端部に設けられ、当接解除部の位置は、インナーメンバーの摺動方向で適宜設定可能とされることを特徴とする、請求項1、あるいは、請求項2に記載のスライドレール。
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