JP6828902B2 - 留め具 - Google Patents
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Description
本発明に係る留め具は、一般的には紐状である2つの物体を繋ぎ止める用途に使用されるもので、通例、一本の紐状体(例えば、装身具であるネックレスやブレスレット等々)の両端を繋ぎ止めてループ状にするために使用されることが多い。斯かる留め具は、それぞれ繋ぎ止めのための繋留部を有する一対の留め具片からなり、それら一対の留め具片は結合状態と分離状態とを選択可能とされる。そして、結合状態にあって、繋留部同士を引き離そうとする第1の方向に沿った引っ張り力に対しては、互いの段部同士の係合による抜け止め作用(詳細は後述)を介して結合状態を保持し、結合状態にあって、第1の方向と異なる第2の方向に沿った引っ張り力に対しては、当該第2の方向に沿った磁気吸引力(詳細は後述)を介して結合状態を保持するようになっている。
そのような留め具の使用状態の一例が、図1に示されている。同図に示されるように、留め具1は、装身具(例えば、ネックレスやブレスレット等)を構成する紐状部分(例えば、チェーン、ベルト、真珠玉列、等々)2の両端部同士を繋ぎ止めて、ループ状にするために使用される。なお、図において、リング21,22は、紐状部分2の端部と留め具1の繋留部101,201とを繋ぎ止めるための連結構造のほんの一例を示すものに過ぎない。
斯かる留め具1の構成の一例が、図2〜図4に示されている。それらの図に示されるように、この留め具1は、結合状態と分離状態とをとりうる一対の留め具片10,20から構成される。各留め具片10,20のそれぞれは、繋留部101,201とタブ部102,202と磁石収容部103,203とを有する。
繋留部101,201は、装身具(例えば、ネックレスやブレスレット等)を構成する紐状部分(例えば、チェーン、ベルト、真珠玉列、等々)2の両端部のそれぞれと当該留め具片10,20との繋ぎ止め部材として機能するものであり、図示例では、繋留孔101a,201aを有する略瓢箪形の薄板状に形成されているが、これは繋留部の一例に過ぎない。繋留部101,201としては、その他、フック状のもの、繋留可能な突起状のもの等々、様々な構成を採用することができる。
タブ部102,202は、後に図6を参照して詳述するように、結合状態にある一対の留め具片10,20を、磁石104,204の吸引力に抗して引き離す際に、指の先端(含む、爪)を引っかけて捩るるための引っ掛け部材として機能するものであり、図示例では、直径方向において、繋留部102,202と反対の側に突出するように形成されているが、これはタブ部102,202の一例に過ぎない。タブ部102,202としては、円周上の任意の位置に突出させることができる。もっとも、図示のように、繋留部102,202と反対の側に突出するように形成すると、通常の使用時にあっては、タブ部102,202が繋留部202,102と重なったしまうため、タブ部102,202が留め具片10,20の外周から不用意に突出して使用者の皮膚に違和感を与えることがないと共に、外観体裁上も見栄えがする利点がある。
磁石収容部103,203は、その内部に磁石104,204を収容すると共に、繋留部102,202とタブ部102,202とを一体に連結して保持するもので、言わば、留め具片10,20の中枢部と言うことができる。それらの磁石収容部103,203は、図示例にあっては、半球状ないし半楕球状の外形を有し、それら2つの磁石収容部103,203を向かい合わせに結合することにより、全体として、球体ないし楕球体が形成されるように仕組まれている。この結合は、2つの磁石104,204により生成される磁気吸引力により行われる。
以上説明した本発明留め具の構成の一例によれば、1)段部同士の係合による抜け止め作用、2)磁石の吸引力による結合状態保持作用、3)凹条及び凸条を環状とすることによる繋留部向きの変更許容作用、4)外形を球状又は楕球状とすることによる転がり許容作用、及び5)タブ部を突出させることによる簡易離脱作用、といった格別の作用効果を奏する。
図3を参照して説明したように、上述の留め具1によれば、上側の留め具片10と下側の留め具片20とを対向しつつ接近させると、上側の留め具片10と下側の留め具片20とは、完全に吸着される。このとき、環状凹条106の内周面(以下、「段部」と称する)106aと環状凸条206の外周面(以下、「段部」と称する)206aとが係合(当接)することによる抜け止め作用により、繋留部同士が離隔する方向(第1の方向)への引っ張り力による留め具の離脱は確実に防止される(図3、図4参照)。
上述の吸着状態において、磁石104,204の吸引力それ自体は第1の方向への引っ張り力(図4の矢印A1,A2参照)には何ら抗するものではないから、その意味では、第1の方向への引っ張り力の値に拘わらず、磁石の吸引力をさほど強大にする必要はない。一方、磁石の吸引力の方向は第1の方向と垂直な第2の方向であって、手動で留め具片同士を引き離そうとする力の方向とは一直線上に整合する関係となるから、磁石104,204の磁力をさほど増大させずとも、磁石104,204の吸引力は、第2の方向への引っ張り力には十分に抗することができ、これにより予期せぬ衝撃などにより、留め具片同士が容易に離脱することはなくなる(図4参照)。
上述の吸着状態において、段部同士の抜け止め作用は、上側留め具片10の段部106aと下側留め具片20のとの係合により生ずる訳であるから、凹条106及び凸条206が環状であれば、繋留部101,201の向きを変更しても、凹部106と凸部206との係合状態が外れることはない(図3、図4参照)。そのため、このような構成によれば、装身具の紐状部分2の曲率に合うように、繋留部101,201の相対角度を変更することで、紐状部分2を留め具1を介して滑らかに繋ぐことが可能となる(図7(a)参照)。装身具が曲率の小さなループとなるブレスレットの場合、その効果は一層に大きい(図5及び図7(a))。
留め具片同士を結合してなる全体形状が球状ないし楕球状であると、皮膚に対する当たりがソフトになると共に、結合状態を維持したままで、繋留部同士101,201を結ぶ軸の周りに皮膚と接触しつつ回転することも可能となり、外観体裁も可愛らしさが増して、良好となる。
各留め具片10,20の外周縁部からタブ部102,202が突出すると、それらのタブ部102,202を指先に引っ掛けて捩ることにより、それら2つの結合状態にある留め具片10,20を軽い力で引き剥がすことが可能となる。逆に、その分、磁石104,204の磁気強度を増すことで、不意な衝撃等による離脱の可能性をより一層に低減することもできる(図6、図7(b),(c)参照)。
先に説明したように、タブ部102,202と繋留部202,102とを直径方向に整列配置すると、通常の使用時にあっては、タブ部102,202が繋留部部202,102と重なったしまうため、タブ部102,202が留め具片10,20の外周から不用意に突出して使用者の皮膚に違和感を与えることがないと共に、外観体裁上も美観を損ねない利点がある。
2 装身具の紐状部分
10,20 留め具片
101,201 繋留部
101a,201a 繋留孔
102,202 タブ
103,203 磁石収容部
104,204 磁石
105,205 磁石収容穴
106 円環状凹部
106a 内周面(段部)
206 円環状突条
206a 外周面(段部)
107,207 接合基準面
A1,A2 引っ張り力の方向を示す矢印
A3,A4 タブ同士を指先で捩る方向を示す矢印
A5,A6 結合状態のまま相互に回動する方向を示す矢印
A7,A8 タブ同士を指先で捩る方向を示す矢印
X 回動の中心線
Claims (2)
- それぞれ繋ぎ止めのための繋留部(101,201)を有する一対の留め具片(10,20)からなり、
それら一対の留め具片(10,20)は結合状態と分離状態とを選択可能であり、
前記結合状態にあって、前記繋留部(101,201)同士を引き離そうとする第1の方向(A1,A2)に沿った引っ張り力に対しては、互いの段部(106a,206a)同士の係合による抜け止め作用を介して前記結合状態を保持し、
前記結合状態にあって、前記第1の方向(A1,A2)に対して垂直な第2の方向に沿った引っ張り力に対しては、当該第2の方向に沿った磁気吸引力のみを介して前記結合状態を保持するように構成され、
前記磁気吸引力は、前記一対の留め具片(10,20)の一方に配置された磁石(104)と前記一対の留め具片(10,20)の他方に配置された磁石(204)又は磁性片とにより生成され、
一方の前記留め具片(10)側の前記段部は、接合基準面(107)から深さ(d)だけ没入した円環状の凹段部(106a)であり、他方の前記留め具片(20)側の前記段部は、接合基準面(207)から高さ(d)だけ突出した円環状の凸段部(206a)であり、それにより、前記磁気吸引力による結合状態のままで前記留め具片同士の回動が許容され、
前記留め具片(10,20)のそれぞれには、直径方向において、前記繋留部(101,201)と反対の側の位置から半径方向外方へ突出するタブ(102,202)が設けられており、
さらに、前記一方の留め具片(10)側の係留部(101)は、前記接合基準面(107)をはみ出すことなく、前記接合基準面(107)よりも内側においてのみ延在し、かつ前記他方の留め具片(20)の係留部(201)は、前記基準面(207)をはみ出すことなく、前記基準面(201)よりも内側においてのみ延在し、
それにより、前記磁気吸引力による結合状態のままで、前記留め具片(10,20)同士が前記タブ(102,202)と共に回動する際に、前記係留部(101,201)同士の干渉が回避されるようにした留め具。 - 前記一対の留め具片(10,20)のそれぞれは、前記結合状態にあっては球体又は楕球体を形成するように、略半球状乃至半楕球状の外形を有し、かつブレスレットの両端を繋ぎ止めるために使用される、請求項1に記載の留め具。
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