JP6826669B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置に関する。
監視カメラ等の撮像装置は、その存在が目立ってしまうと、監視対象が監視範囲を避けて行動したり、自然な反応をしなくなるなど、良好に監視できなくなる可能性がある。そのため、監視カメラとしての撮像装置は、監視対象から視認されにくいことが求められる。
これに対して、特許文献1には、カメラの前面にハーフミラーを配置することで、視認対象から監視カメラが視認されにくくすることが開示されている。
また、特許文献2には、隠しカメラの前面に、スモーク板等の透光板を配置して、内部に配置された隠しカメラが外部から視認されにくくすることが開示されている。
特開平5−161039号公報 特開2014−146973号公報
ところで、昨今、撮像装置の用途が種々広がっている。例えば、自動車などの輸送機器において、運転者から見て死角となる空間を撮影してディスプレイに表示する等の、運転補助を行なう際に、撮像装置が用いられている。また、自動車の自動運転技術において、自動運転車が周囲の状況を把握するためのセンサーとして、撮像装置が用いられている。
また、産業用ロボットおよび非産業用ロボット等のロボット技術においても、周囲の状況を検出するためのセンサー等として、撮像装置が用いられている。
このように輸送機器およびロボット等のセンサーとして撮像装置を用いる場合に、撮像装置が外部から視認されてしまうと、外観の見栄えが悪くなってしまうため、カメラが外部から視認できないようにすることが望まれる。
しかしながら、撮像装置が視認されにくくするためにハーフミラーを用いる構成では、ハーフミラー部分の外観は鏡のようになるため、様々な任意のデザイン性を付与することは難しいという問題があった。
また、スモーク板を用いる構成では、撮像装置が撮影する画像にスモーク板の色が写ってしまうため、鮮明な画像を撮影できないという問題があった。例えば、赤色のスモーク板を用いた場合には、画像全体が赤みを帯びた画像になってしまう。
また、スマートフォンなどの携帯機器においても撮像装置が内蔵されているが、携帯機器の外観において撮像装置が目立ってしまいデザインが制限されるという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みて、外部から視認されにくく、デザイン性を容易に付与することができ、鮮明な画像を撮影することができる撮像装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、撮像素子を備える撮像ユニット、コレステリック液晶層を有し、入射する光の一部を反射する透過反射膜、および、撮像ユニットの撮像素子に対して光が入射する側に配置される加飾部材、を有し、加飾部材は、撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、撮像ユニットの位置に貫通孔が形成されており、透過反射膜は、前記撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、少なくとも加飾部材の貫通孔内に配置されることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
(1) 撮像素子を備える撮像ユニット、
コレステリック液晶層を有し、入射する光の一部を反射する透過反射膜、および、
撮像ユニットの撮像素子に対して光が入射する側に配置される加飾部材、を有し、
加飾部材は、撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、撮像ユニットの位置に貫通孔が形成されており、
透過反射膜は、撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、少なくとも加飾部材の貫通孔内に配置される撮像装置。
(2) 加飾部材の光透過率が50%以下である(1)に記載の撮像装置。
(3) 透過反射膜のコレステリック液晶層は、選択反射波長が異なる2以上の反射領域を有する(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4) 撮像ユニットと透過反射膜との間に、λ/4板および直線偏光板を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の撮像装置。
(5) 撮像ユニットと、直線偏光板との間に、第2のλ/4板を有する(4)に記載の撮像装置。
(6) 撮像ユニットと透過反射膜との間に、円偏光板を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の撮像装置。
(7) 撮像ユニットと、円偏光板との間に、第2のλ/4板を有する(6)に記載の撮像装置。
(8) 撮像ユニットの、撮像素子の光が入射する面側に反射防止層を有する(1)〜(6)のいずれかに記載の撮像装置。
(9) 透過反射膜が、加飾部材の貫通孔内に配置されている(1)〜(8)のいずれかに記載の撮像装置。
(10) 少なくとも一部の領域が透過反射膜である透過反射膜付きフィルムを有し、
透過反射膜付きフィルムと加飾部材が積層されている(1)〜(8)のいずれかに記載の撮像装置。
本発明によれば、外部から視認されにくく、デザイン性を容易に付与することができ、鮮明な画像を撮影する撮像装置を提供することができる。
本発明の撮像装置の一例を模式的に示す断面図である。 図1に示す撮像装置の正面図である。 図1に示す撮像装置の作用を説明するための模式的断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す正面図である。 本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の積層体の他の一例を模式的に示す断面図である。 透過反射膜の作製方法の一例を説明するための模式図である。 実施例の構成を説明するための模式図である。 実施例の構成を説明するための模式図である。 実施例の構成を説明するための模式図である。
以下、本発明の撮像装置について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「直交」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「直交」および「平行」とは、厳密な直交あるいは平行に対して±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な直交あるいは平行に対しての誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
また、「直交」および「平行」以外で表される角度、例えば、15°や45°等の具体的な角度についても、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、本発明においては、角度は、具体的に示された厳密な角度に対して、±5°未満であることなどを意味し、示された厳密な角度に対する誤差は、±3°以下であるのが好ましく、±1°以下であるのが好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、「同一」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
可視光は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長域または780nmを超える波長域の光である。
またこれに限定されるものではないが、可視光のうち、420nm〜490nmの波長域の光は、青色光であり、495nm〜570nmの波長域の光は、緑色光であり、620nm〜750nmの波長域の光は、赤色光である。
赤外光のうち、近赤外光は780nm〜2500nmの波長域の電磁波である。紫外光は波長10〜380nmの範囲の光である。
本明細書において、選択反射波長とは、対象となる物(部材)における透過率の極小値をTmin(%)とした場合、下記の式で表される半値透過率:T1/2(%)を示す2つの波長の平均値のことを言う。
半値透過率を求める式: T1/2=100−(100−Tmin)÷2
本明細書において、屈折率は、波長589.3nmの光に対する屈折率である。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、および、厚さ方向のレターデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((Nx+Ny)/2−Nz)×dが算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率Nx、Ny、Nzは、アッベ屈折計(NAR−4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルタとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することもできる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
<撮像装置>
本発明の撮像装置は、
撮像素子を備える撮像ユニット、
コレステリック液晶層を有し、入射する光の一部を反射する透過反射膜、および、
撮像ユニットの撮像素子に対して光が入射する側に配置される加飾部材、を有し、
加飾部材は、撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、撮像ユニットの位置に貫通孔が形成されており、
透過反射膜は、前記撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、少なくとも加飾部材の貫通孔内に配置される撮像装置である。
以下に、本発明の撮像装置の好適な実施態様の一例について図面を参照して説明する。
図1に、本発明の撮像装置の一例の模式的な断面図を示す。図2に図1の撮像装置の正面図を示す。
なお、本発明における図は模式図であり、各層の厚みの関係や位置関係などは必ずしも実際のものとは一致しない。以下の図も同様である。
図1に示すように、撮像装置10aは、撮像素子20と、撮像素子20に結像する光学系22と、光学系22を収容する鏡筒24とを有する撮像ユニット12、貫通孔16aを有する加飾部材16、および、透過反射膜14を有する。
〔撮像ユニット〕
撮像ユニット12の撮像素子20は、光学系22で結像された像を電気信号に変換し出力する。撮像素子20としては、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサー、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサー等の従来公知の撮像素子が適宜利用可能である。
撮像素子20から出力された電気信号には、図示しない画像処理部にて所定の処理が施されて画像データが生成される。生成された画像データは、必要に応じて、図示しない表示部で表示され、あるいは、公知の記憶媒体に格納される。
なお、撮像素子20は、素子基板上に形成される。図1に示す例では、素子基板は、鏡筒24と一体的な部材として図示しているが、鏡筒24とは別の部材としてもよい。
また、撮像素子20の上には、カラーフィルター、赤外線カットフィルター等の各種の機能性フィルムを配置してもよい。
光学系22は、少なくとも1枚のレンズを含み、その光軸が撮像素子20の表面に対して垂直に配置されている。光学系22を透過した光は、撮像素子20に入射する。
光学系22の構成としては特に限定はなく、2枚以上のレンズを有する構成であってもよい。
鏡筒24は、略柱状の孔部を有し、孔部に光学系22を収容し支持する。孔部の中心軸は、光学系22の光軸に一致する。
また、鏡筒24の孔部の内側面は遮光性(例えば、黒色)の材料で形成されている。
また、図1に示す例では、鏡筒24の孔部の一方の端部側は閉塞されており、底部に撮像素子20が配置されている。
なお、図1に示す例では、撮像ユニット12は、撮像素子20と光学系22と鏡筒24を有する構成としたがこれに限定はされず、少なくとも撮像ユニット12を有していればよい。
〔加飾部材〕
加飾部材16は、撮像ユニット12の撮像素子20に対して光が入射する側、すなわち、光学系22側に配置される。加飾部材16は、撮像素子20の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、すなわち、光学系22の光軸方向から見た際に、撮像ユニット12(光学系22)の位置に貫通孔16aを有する。貫通孔16aの大きさ及び形状は、少なくとも光学系22の入射面側の大きさ及び形状と略同等以上である。すなわち、加飾部材16は、撮像ユニット12の光学系22に入射する光が通過可能な大きさの貫通孔16aを有し、光学系22の入射面側の周辺の領域を覆って配置される。
図2に示すように、加飾部材16の撮像ユニット12とは反対側の表面には、所定の模様が施されている。図2に示す例では、円形のドットが複数配置された、いわゆる、ドット模様が施されている。また、貫通孔16aは、複数のドットの配列に合わせた位置に形成されている。
なお、加飾部材16の表面に施される模様はドット模様に限定はされず、種々の模様とすることができる。また、加飾部材16の表面は単色であってもよい。
加飾部材16の形成材料としては限定はなく、例えば、紙、樹脂材料、金属材料等の種々の材料を用いることができる。また、これらの材料を基材とし、表面に印刷等によって着色したものであってもよい。
また、加飾部材16として、市販の加飾フィルムを用いてもよい。あるいは、加飾部材16は、撮像ユニット12を収容する筐体の一部であってもよいし、筐体とは別の部材であってもよい。
加飾部材16は、撮像ユニットの視認性(視認されにくさ)、加飾性等の観点から、光透過率が50%以下であるのが好ましく、40%以下であるのがより好ましく、30%以下であるのがさらに好ましい。光透過率について、下限については特に制限はないが、通常1%以上であるのが好ましく、5%以上であるのがより好ましい。
〔透過反射膜〕
透過反射膜14は、コレステリック液晶層を有し、入射する光の一部を反射し、残りの一部を透過する部材である。透過反射膜14は、撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際(光学系22の光軸方向から見た際)に、加飾部材16の貫通孔16aを覆うように配置される。すなわち、透過反射膜14は、光学系22の光軸方向から見た際に、少なくとも撮像ユニット12を覆っている。
図1に示す例では、透過反射膜14は、加飾部材16の貫通孔16a内に配置されている。なお、図1に示す例では、透過反射膜14の厚みは加飾部材16の厚みと同じとしたが、透過反射膜14の厚みが加飾部材16の厚みよりも薄くてもよく、あるいは、厚くてもよい。
また、本発明においては、透過反射膜14は、コレステリック液晶層を有し、これにより、選択反射波長の一方の旋回方向の円偏光を反射し、他方の旋回方向の円偏光を透過するものである。
コレステリック液晶層については、後に詳述する。
図1および図2に示す例では、透過反射膜14の選択反射波長は、加飾部材16の表面に施されたドットの色と同じ色の波長となるように調整されている。
図3を用いて撮像装置10aの作用を説明する。
透過反射膜14側から撮像ユニット12に向けて光が入射すると、入射光の一部の光Lr1は、透過反射膜14により反射される。入射光の残りの光Ll1は、透過反射膜14を透過して、撮像ユニット12の光学系22に入射する。光学系22に入射した光Ll1は、撮像素子20に結像(入射)する。また、鏡筒24の内面は光の乱反射を抑制するため黒色にされているので、透過反射膜14側には反射されない(反射される量が少ない)。
そのため、撮像装置10aを透過反射膜14側から見た場合に、撮像ユニット12の位置に対応する領域は、透過反射膜14による反射光(光Lr1の反射光)のみが観察される。
一方、加飾部材16の、撮像ユニット12とは反対側の面に光L2が入射すると、加飾部材16の表面に施された模様に応じて、特定の波長の光を吸収し、残りの光は反射する。このとき、加飾部材16は、透過率が十分に低いため、撮像ユニット12側から光L4が入射しても、撮像ユニット12とは反対側の面側には透過しない(透過量が少ない)ため、加飾部材16の表面に施された模様(反射光L3)が観察され、向こうの景色は見えずらい。
従って、撮像装置10aを透過反射膜14側から見た場合には、透過反射膜14による反射光と加飾部材16による反射光のみが観察される。そのため、透過反射膜14の反対側に配置された撮像ユニット12は視認されにくい。一方で、撮像ユニット12内には、透過反射膜14を透過した光が入射する。そのため、撮像素子に光を入射させることができ、画像を撮影することができる。
ここで、図2に示す例では、加飾部材16の表面には、ドット模様が施されており、所定のパターンで配置されたドットのうちの1つの位置に貫通孔16aが形成されており、この貫通孔16aに透過反射膜14が配置されている。透過反射膜14の選択反射波長は、ドットの色と同じ波長となるように調整されている。そのため、撮像装置10aを透過反射膜14側から見た場合には、透過反射膜14が、加飾部材16の表面に施された模様の一部に見えるため、透過反射膜14の反対側に配置された撮像ユニット12はより視認されにくい。
従来のように、ハーフミラーで撮像ユニットを覆い隠す構成の場合には、ハーフミラー部分の外観は鏡のようになるため、様々な任意のデザイン性を付与することは難しいという問題があった。
これに対して、コレステリック液晶層は、所定の波長の光を選択的に反射するものであり、選択反射波長を適宜、調整することができる。そのため、撮像装置の外観を任意の色に加飾することができ、様々な任意のデザイン性を付与することができる。
また、従来のように、スモーク板で撮像ユニットを覆い隠す構成の場合には、撮像素子に入射する光は、スモーク板を透過することで、スモーク板の色味の影響を受けた光となる。そのため、撮影した画像全体がスモーク板の色味を帯びた画像になってしまうという問題があった。これは、スモーク板が特定の波長域の光を透過し、他の波長域の光を吸収することに起因する。
これに対して、コレステリック液晶層は、旋回方向によって透過あるいは反射を行うものであるため、全波長域(広い波長域)において、少なくとも一方の旋回方向の光を透過することができる。そのため、全波長域の光を適正に撮像素子に入射させることができ、鮮明な画像を撮影することができる。
なお、図2に示す例では、加飾部材16の表面にはドット模様が施され、透過反射膜14が1つのドットとなる構成としたが、これに限定はされない。加飾部材16および透過反射膜により形成される模様としては、種々の模様とすることができる。
また、加飾部材16の表面は単色であってもよい。その場合には、透過反射膜14は、加飾部材16の表面の色と同じ色の波長を選択反射波長とすればよい。
ここで、図1に示す例では、撮像ユニット12と、加飾部材16および透過反射膜14とが互いに離間して配置される構成としたが、これに限定はされず、図4に示す撮像装置10bのように、撮像ユニット12と、加飾部材16および透過反射膜14とが接して配置される構成としてもよい。
部材同士が離間していると、間隙から不要な光が入射するおそれがあり、この光によって、撮像ユニットが視認されやすくなったり、撮像素子に不要な光が入射されて撮影された画像の画質が低下するおそれがある。これらを抑制する観点から、撮像ユニット12と透過反射膜14とは接しているのが好ましい。
また、図5に示す撮像装置10cのように、透過反射膜14と撮像ユニット12との間に、λ/4板36および直線偏光板34を有する構成としてもよい。λ/4板36と直線偏光板34との積層体32は、円偏光板として機能するように光学軸を合わせて配置されている。このλ/4板36と直線偏光板34とを組み合わせた円偏光板は、コレステリック液晶層が反射する円偏光の旋回方向とは逆の旋回方向の円偏光を透過する円偏光板である。
前述のとおり、コレステリック液晶層は一方の旋回方向の円偏光を反射し、他方の旋回方向の円偏光を透過する。そのため、コレステリック液晶層を透過した他方の旋回方向の円偏光がλ/4板36に入射する。ここで、λ/4板36は、入射した円偏光が直線偏光になるように遅相軸を合わせて配置される。そのため、λ/4板36に入射した円偏光は、直線偏光に変換される。この直線偏光は直線偏光板34に入射する。ここで、直線偏光板34は、λ/4板36を透過して入射する直線偏光が透過するように、偏光軸を合わせて配置される。従って、直線偏光板34に入射した直線偏光は直線偏光板34を透過して、光学系22および加飾部材16に入射する。
ここで、コレステリック液晶層は、所定の選択反射波長を反射するものである。従って、選択反射波長以外の波長の光は旋回方向に係らずコレステリック液晶層を透過する。そのため、コレステリック液晶層を透過した光が直接、撮像ユニット12(光学系22)に入射した場合には、選択反射波長の光の光量のみが約半分となり、他の波長域の光量はほぼ変わらないため、撮像ユニット12で撮影される画像の色のバランスがくずれてしまう場合がある。
これに対して、撮像ユニット12と透過反射膜14との間にλ/4板36および直線偏光板34を配置することで、透過反射膜14を透過した、選択反射波長以外の波長の光(無偏光の光)のうち一方の旋回方向の光のみを透過して他方の旋回方向の光を遮蔽する。そのため、撮像ユニット12に入射する光は、選択反射波長の光の光量も他の波長域の光量も、撮像装置に入射した光の光量の約半分となり、撮像ユニット12で撮影される画像の色のバランスがくずれることを抑制できる。
なお、図5に示す例では、撮像ユニット12と直線偏光板34とが離間して配置される構成としたが、撮像ユニット12と直線偏光板34とが接していてもよい。また、図5に示す例では、透過反射膜14とλ/4板36とが接している構成としたが、透過反射膜1とλ/4板36とが離間して配置される構成としてもよい。
また、図5に示す例では、λ/4板36および直線偏光板34は、面方向の大きさが加飾部材16と同じ大きさとしたが、これに限定はされない。図6に示す撮像装置10dのように、λ/4板36および直線偏光板34は、少なくとも透過反射膜14を覆うように配置されていればよい。
また、図7に示す撮像装置10eのように、透過反射膜14、λ/4板36および直線偏光板34は積層されて、加飾部材16の貫通孔16a内に配置される構成としてもよい。
また、図5に示す例では、撮像ユニット12と透過反射膜14との間に、λ/4板36および直線偏光板34を配置する構成としたが、これに限定はされない。図8に示す撮像装置10fのように、撮像ユニット12と透過反射膜14との間に、円偏光板33を配置する構成としてもよい。円偏光板33としては、コレステリック液晶層が反射する旋回方向とは反対の旋回方向の円偏光を透過し、コレステリック液晶層が反射する旋回方向と同じ旋回方向の円偏光を吸収する円偏光板が用いられる。
撮像ユニット12と透過反射膜14との間に、円偏光板33を配置することで、図5に示す撮像装置10cと同様に、透過反射膜14を透過した、選択反射波長以外の波長の光(無偏光の光)のうち一方の旋回方向の光のみを透過して他方の旋回方向の光を遮蔽する。そのため、撮像ユニット12に入射する光は、選択反射波長の光の光量も他の波長域の光量も、撮像装置に入射した光の光量の約半分となり、撮像ユニット12で撮影される画像の色のバランスがくずれることを抑制できる。
円偏光板33としては、MCPRシリーズ(美舘イメージング社製)等を用いることができる。
また、図9に示す撮像装置10gのように、撮像素子20の光が入射する面側、すなわち、光学系22の最表面側(透過反射膜14側)に反射防止層30を有する構成としてもよい。なお、図9に示す撮像装置10eは、反射防止層30を有する以外は、図5に示す撮像装置10cと同様の構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し、以下の説明は異なる点を主に行なう。
光学系22の最表面側に反射防止層30を有する構成とすることで、光学系22に入射した光が光学系22のレンズ表面等で反射されるのを抑制することができ、撮像ユニット12をより視認されにくくすることができる。
反射防止層30としては限定はなく、光学機器で用いられる従来公知の反射防止層が適宜利用可能である。
一例として、反射防止層として、以下の反射防止フィルムを用いることができる。
反射防止フィルムは、一般に、防汚性層でもある低屈折率層、及び低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも1層の層(すなわち、高屈折率層、中屈折率層)を反射防止層として有する反射防止膜を透明基体上に設けてなる。本発明においては、透明基体として、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることが好ましい。
反射防止膜の形成方法としては、屈折率の異なる無機化合物(金属酸化物等)の透明薄膜を積層させて多層膜とする方法;化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法により薄膜を形成する方法;金属アルコキシド等の金属化合物のゾル/ゲル方法でコロイド状金属酸化物粒子皮膜を形成後に後処理(紫外線照射:特開平9−157855号公報、プラズマ処理:特開2002−327310号公報)して薄膜を形成する方法などが挙げられる。さらに生産性が高い反射防止膜の形成方法として、無機粒子をマトリックスに分散させてなる薄膜組成物を積層塗布して反射防止膜を形成する方法など各種の提案がなされている。またこの塗布による反射防止フィルムに、最上層表面が微細な凹凸の形状を有している防眩性を付与した反射防止膜からなる反射防止フィルムも挙げられる。
(塗布型反射防止膜の層構成)
透明基体上に設けられる反射防止膜が3層の場合、すなわち、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成からなる反射防止膜は、以下の関係を満足する屈折率を有する様に設計される。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明基体の屈折率>低屈折率層の屈折率。
また、透明基体と中屈折率層の間に、ハードコート層を設けてもよい。あるいは、中屈折率ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層からなってもよい。これらの例としては、例えば、特開平8−122504号公報、同8−110401号公報、同10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等が挙げられる。さらに、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例えば、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
反射防止膜のヘイズは5%以下あることが好ましく、3%以下がさらに好ましい。また反射防止膜の表面の硬度は、JIS K−5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
(高屈折率層及び中屈折率層)
本発明の反射防止フィルムにおける反射防止膜の高い屈折率を有する層(高屈折率層及び中屈折率層)は、平均粒径100nm以下の高屈折率の無機化合物微粒子及びマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜からなることが好ましい。
(無機化合物微粒子)
高屈折率に用いられる無機化合物微粒子としては、屈折率1.65以上の無機化合物が挙げられ、好ましくは屈折率1.9以上のものが挙げられる。
これらの無機化合物としては、例えば、Ti、Zn、Sb、Sn、Zr、Ce、Ta、La、In等の酸化物、これらの金属原子を含む複合酸化物等が挙げられ、特に好ましくは、二酸化ジルコニア微粒子、または、Co、Zr、AL(好ましくはCo)から選ばれる少なくとも1つの元素(以下このような元素を含有元素ということがある)を含有する二酸化チタンを主成分とする無機微粒子(以下、「特定の酸化物」と称することもある)が挙げられる。含有元素の総含有量は、Tiに対して0.05〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜7質量%である。
また他の好ましい無機粒子としては、酸化物が屈折率1.95以上となる金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素(以下、「Met」とも略称する)と、チタン元素との複合酸化物の粒子であり、且つ該複合酸化物はCoイオン、Zrイオン、及びAlイオンから選ばれる金属イオンの少なくとも1種がドープされてなる無機微粒子(「特定の複合酸化物」と称することもある)が挙げられる。ここで、その酸化物の屈折率が1.95以上となる金属元素としては、Ta、Zr、In、Nd、Sb,Sn、及びBiが好ましい。特には、Ta、Zr、Sn、Biが好ましい。複合酸化物にドープされる金属イオンの含有量は、複合酸化物を構成する全金属[Ti+Met]量に対して、25質量%を超えない範囲で含有することが屈折率維持の観点から好ましい。より好ましくは0.1〜5質量%である。
(マトリックスバインダー)
高屈折率層のマトリックスを形成する材料としては、従来公知の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂皮膜等が挙げられる。またラジカル重合性及び/又はカチオン重合性の重合性基を少なくとも2個以上含有のポリビニル化合物含有組成物、加水分解性基を含有の有機金属化合物及びその部分縮合体組成物から選ばれる少なくとも1種の組成物が好ましい。例えば、特開2000−47004号公報、同2001−315242号公報、同2001−31871号公報、同2001−296401号公報等に記載の化合物が挙げられる。さらに金属アルコキドの加水分解縮合物から得られるコロイド状金属酸化物と、金属アルコキド組成物から得られる硬化性膜も好ましい。これらについては、例えば、特開2001−293818号公報等に記載されている。
高屈折率層の屈折率は、一般に1.65〜2.10である。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。また中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。中屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
(低屈折率層)
低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層してなる。低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1.27〜1.47の範囲であるのがよい。低屈折率層は、耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のシリコーンの導入、フッ素の導入等からなる薄膜層の手段を適用できる。
含フッ素化合物の屈折率は1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47である。また、含フッ素化合物はフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含む架橋性又は重合性の官能基を含む化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、特開平9−222503号公報明細書段落番号[0018]〜[0026]、同11−38202号公報明細書段落番号[0019]〜[0030]、特開2001-40284号公報明細書段落番号[0027]〜[0028]、特開2000−284102号公報、特開2004−45462号公報明細書等に記載の化合物が挙げられる。
シリコーン化合物としてはポリシロキサン構造を有する化合物であり、高分子鎖中に硬化性官能基又は重合性官能基を含有して、膜中で橋かけ構造を有するものが好ましい。例えば、反応性シリコーン[例えば、「サイラプレーン」{チッソ(株)製}等]、両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報等)等が挙げられる。
架橋又は重合性基を有する含フッ素及び/又はシロキサンのポリマーの架橋又は重合反応は、重合開始剤、増感剤等を含有する最外層を形成するための塗布組成物を塗布と同時又は塗布後に光照射や加熱することにより実施することが好ましい。
またシランカップリング剤等の有機金属化合物と、特定のフッ素含有炭化水素基を有するシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化するゾル/ゲル硬化膜も好ましい。例えば、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物又はその部分加水分解縮合物(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報記載等記載の化合物)、フッ素含有長鎖基であるポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物(特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)等が挙げられる。
低屈折率層は、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物を含有することが好ましい。
特に、上記低屈折率層はその屈折率上昇をより一層少なくするために、中空の無機微粒子を用いることが好ましい。中空の無機微粒子は、その屈折率が、通常1.17〜1.40、好ましくは1.17〜1.37であるのがよい。ここでの屈折率は粒子全体としての屈折率を表し、中空の無機微粒子を形成している外殻のみの屈折率を表すものではない。中空の無機微粒子の屈折率は、粒子の強度及び該中空粒子を含む低屈折率層の耐擦傷性の観点から、1.17以上とすることが好ましい。
なお、これら中空の無機微粒子の屈折率はアッベ屈折率計[アタゴ(株)製]にて測定することができる。
上記の中空の無機微粒子の空隙率は、該粒子内の空腔の半径をri、粒子外殻の半径をroとするとき、下記数式(12)に従って計算される。
数式(12):w=(ri/ro)3×100
中空の無機微粒子の空隙率は、該粒子の強度及び反射防止膜表面の耐擦傷性の観点から、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%である。
低屈折率層中の中空の無機微粒子の平均粒径は、該低屈折率層の厚みの30〜100%、さらには35〜80%あることが好ましい。すなわち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、無機微粒子の粒径は30〜100nm、さらには35〜80nmの範囲となるので好ましい。該平均粒径が前記の範囲であると、反射防止膜の強度が十分に発現される。
低屈折率層に含まれる他の添加剤としては、特開平11−3820公報の段落番号[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有することができる。
低屈折率層の上にさらに最外層が形成される場合には、低屈折率層は、気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により形成されてもよいが、安価に製造できる点で、塗布法により形成されることが好ましい。低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
(反射防止フィルムの他の層)
反射防止フィルム(又は偏光板保護フィルム上に設けられた反射防止膜)には、さらに、ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗層、保護層等を設けてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、反射防止フィルムに物理強度を付与するために、透明基体の表面に設けられる。特に、透明基体と前記高屈折率層の間に設ける(すなわち、中屈折率層がハードコート層を兼ね、中屈折率ハードコート層とする)ことが好ましい。
ハードコート層は、光及び/又は熱の硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、また加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。これらの化合物の具体例としては、高屈折率層で例示したと同様のものが挙げられる。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものが挙げられる。
高屈折率層はハードコート層を兼ねることができる。このような場合、高屈折率層で記載した手法を用いて微粒子を微細に分散してハードコート層に含有させて形成することが好ましい。ハードコート層にはまた、平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層(後述)を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。
ハードコート層の硬度は、JIS K−5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。またハードコート層の耐擦傷性は、JIS K−5400に従うテーバー試験で、試験前後のハードコート層を塗設した試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
(前方散乱層)
前方散乱層は、保護フィルムとして反射防止フィルムを使用した偏光板を液晶表示装置に適用した場合の、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良効果を付与するために設けられる。上記ハードコート層中に屈折率の異なる微粒子を分散することで、ハードコート機能と兼ねることもできる。前方散乱層については、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子の相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等が挙げられる。
(アンチグレア機能)
反射防止フィルムは、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止フィルムの表面、すなわち反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。反射防止フィルムがアンチグレア機能を有する場合、反射防止フィルムのヘイズは、3〜50%であることが好ましく、5〜30%であることがさらに好ましく、5〜20%であることが最も好ましい。
反射防止膜表面に凹凸を形成する方法は、これらの表面形状を充分に保持できる方法であればいずれの方法でも適用できる。例えば、低屈折率層中に微粒子を使用して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、低屈折率層の下層(高屈折率層、中屈折率層又はハードコート層)に比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成し、その上にこれらの形状を維持して低屈折率層を設ける方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、最上層(防汚性層)塗設後の表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等が挙げられる。
また、反射防止層として、透過反射膜14側からλ/4板および直線偏光板を有する構成としてもよい。
例えば、撮像ユニット12と透過反射膜14との間に、λ/4板36および直線偏光板34を有する場合には、図10に示す撮像装置10hのように、直線偏光板34と撮像ユニット12との間に、さらに第2のλ/4板38を配置する構成としてもよい。これにより、直線偏光板34と第2のλ/4板38との組み合わせで上述の反射防止の効果を付与することができる。
なお、直線偏光板34と第2のλ/4板38との組み合わせは、コレステリック液晶層が反射する円偏光の旋回方向とは逆の旋回方向の円偏光を透過する円偏光板となるように光学軸を合わせて配置する必要がある。
コレステリック液晶層を透過した円偏光が反射される場合、反射した円偏光は、その旋回方向が逆向きになる。そのため、撮像ユニット12および加飾部材16とコレステリック液晶層との間に直線偏光板34と第2のλ/4板38とを組み合わせ(円偏光板)を配置することで、旋回方向が逆向きになった反射光(円偏光)を吸収することができるため、反射光が撮像装置の外部に出射されるのを抑制でき、撮像ユニットの存在を視認されにくくすることができる。
また、図10に示す例では、λ/4板36および直線偏光板34を有する構成の場合に、直線偏光板34と撮像ユニット12との間に第2のλ/4板38を有する構成としたが、これに限定はされず、撮像ユニット12と透過反射膜14との間に円偏光板33を有する構成の場合に、円偏光板33と撮像ユニット12との間に第2のλ/4板38を有する構成としてもよい。
また、図1に示す例では、透過反射膜14(コレステリック液晶層)は、一つの選択反射波長を反射する一様な層としたが、これに限定はされず、コレステリック液晶層は、選択反射波長が異なる2以上の反射領域を有する構成としてもよい。
図11は、本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。図11に示す撮像装置10iは、透過反射膜14に代えて、透過反射膜40を有する以外は、図5の撮像装置10cと同じ構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し以下の説明では異なる部位を主に行なう。
図11に示す撮像装置10iの透過反射膜40は、撮像素子20の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、第1反射領域42および第2反射領域44の2つの反射領域を有する。第1反射領域42および第2反射領域44は、所定のパターンで形成されている。
第1反射領域42における選択反射波長と第2反射領域44における選択反射波長は互いに異なっている。例えば、第1反射領域42が赤色光の右円偏光を反射し、第2反射領域44が緑色光の右円偏光を反射する構成とすれば、透過反射膜40側から見ると、赤色と緑色とからなる模様が観察される。
このようにコレステリック液晶層が選択反射波長の異なる2以上の反射領域を有する構成とすることで、透過反射膜40の位置に、様々な任意のデザイン性を付与することができる。また、反射領域の形成パターンに応じた模様が観察されるため、撮像ユニット12がより視認されにくくなる。また、デザイン(反射領域の形成パターン)に関わらず、鮮明な画像を撮影することができる。特に、図11に示す例のように、透過反射膜40と加飾部材16との間にλ/4板36および直線偏光板34を配置する構成とすることで、撮像ユニット12で撮影される画像の色のバランスがくずれることを抑制できる。すなわち、撮影された画像に、反射領域の形成パターンが観察されることを抑制できる。
また、コレステリック液晶層が選択反射波長の異なる2以上の反射領域を有する構成とする場合には、加飾部材16の表面に施された模様と同じ模様となるように、反射領域の形成パターンおよび各反射領域の選択反射波長を調整することで、透過反射膜14と加飾部材16とが一体的に視認されるため、透過反射膜14の反対側に配置された撮像ユニット12はより視認されにくくすることができる。
例えば、図12に示す例では、加飾部材16の表面には、山形模様が施されている。加飾部材16の貫通孔16aの位置に配置された透過反射膜14は、選択反射波長の異なる第1反射領域42および第2反射領域44を有している。第1反射領域42および第2反射領域44は、加飾部材16の表面に施された山形模様と同じパターンで形成されており、また、各反射領域の選択反射波長は、加飾部材16の表面に施された模様と同じ色となるように調整されている。
これにより、撮像装置を透過反射膜14側から見た場合には、透過反射膜14の位置で加飾部材16の表面に施された模様と同じ模様が視認されて、加飾部材16と透過反射膜14とが一体的に見えるため、透過反射膜14の反対側に配置された撮像ユニット12はより視認されにくくなる。
また、透過反射膜は、図1等に示す例のように、1層のコレステリック液晶層を有する構成としてもよいが、これに限定はされず、選択反射波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を有する構成としてもよい。
図13は、本発明の撮像装置の他の一例を模式的に示す断面図である。図13に示す撮像装置10jは、3層のコレステリック液晶層を有する以外は、図5に示す撮像装置10cと同じ構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し以下の説明では異なる部位を主に行なう。
図13に示す撮像装置10jは、透過反射膜として、青色光を反射するコレステリック液晶層14B(以下、青色反射層14Bともいう)、緑色光を反射するコレステリック液晶層14G(以下、緑色反射層14Gともいう)、および、赤色光を反射するコレステリック液晶層14R(以下、赤色反射層14Rともいう)の3層のコレステリック液晶層を有する。すなわち、3層のコレステリック液晶層は、互いに選択反射波長が異なる。
このように、透過反射膜として、選択反射波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を有する構成とすることで、各コレステリック液晶層からの反射光によって、撮像装置の外観を白色等の選択反射波長以外の色とすることができる。
なお、図13に示す例では、撮像ユニット12側から、青色光を反射するコレステリック液晶層14B、緑色光を反射するコレステリック液晶層14G、赤色光を反射するコレステリック液晶層14Rの順に積層した構成としたが、積層順はこれに限定されない。
また、2層以上のコレステリック液晶層を積層した構成とする場合にも、各コレステリック液晶層は、選択反射波長の異なる2以上の反射領域を有する構成としてもよい。これにより、撮像装置の外観により様々な任意のデザイン性を付与することができる。
また、本発明の撮像装置は、透過反射膜14および加飾部材16を、撮像ユニット12を有する装置の表面に設置する構成とすればよく、透過反射膜14と加飾部材16とをそれぞれ、別に配置してもよく、加飾部材16の貫通孔16a内に透過反射膜14を有する積層体を作製して、この積層体を撮像ユニット12を有する装置の表面に配置する構成としてもよい。
例えば、スマートフォンのカバー(いわゆる、スマホカバー)が、透過反射膜14および加飾部材16を有し、このスマホカバーをスマートフォンと組み合わせることで、本発明の撮像装置の構成となるようにしてもよい。
ここで、図1に示す例において、透過反射膜14は、加飾部材16の貫通孔16a内に配置される構成としたが、これに限定はされず、撮像素子20の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、加飾部材の貫通孔の位置に配置されていればよい。
例えば、図14に示す撮像装置10kのように、貫通孔16aの位置に透過反射膜14を有する透過反射膜付きフィルム48を、加飾部材16の、撮像ユニット12側の表面に積層する構成としてもよい。透過反射膜付きフィルム48は、一部の領域が透過反射膜14である。透過反射膜付きフィルム48と加飾部材16とは、撮像素子20の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、透過反射膜14の位置と貫通孔16aの位置とを合わせて積層されている。これにより、透過反射膜14と貫通孔16aとの位置合わせが容易になり、撮像ユニット12への設置が容易となる。
このような構成の場合には、加飾部材16の貫通孔16aは、光を透過可能であればよく、中空であってもよいし、透明な樹脂あるいはガラス等からなるカバー部材が配置されていてもよい。
(コレステリック液晶層)
次に、透過反射膜として用いられるコレステリック液晶層について説明する。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を含み、特定の波長域の所定の旋回方向の円偏光に対して波長選択反射性を有する。
コレステリック液晶相の選択反射波長λは、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射波長を調節することができる。コレステリック液晶相のピッチは、重合性液晶化合物と共に用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。
また、選択反射を示す選択反射帯域(円偏光反射帯域)の半値幅Δλ(nm)は、コレステリック液晶相の屈折率異方性Δnと螺旋のピッチPとに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯域の幅の制御は、Δnを調節して行うことができる。Δnは、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類およびその混合比率、ならびに、配向時の温度により調節できる。なお、コレステリック液晶相における反射率はΔnに依存することも知られており、同程度の反射率を得る場合に、Δnが大きいほど、螺旋ピッチの数を少なく、すなわち膜厚を薄く、することができる。
螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
コレステリック液晶相の反射光は円偏光である。反射光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相は螺旋の捩れ方向による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、反射領域を形成する液晶化合物の種類または添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
なお、コレステリック液晶層は、1層からなるものでも、多層構成でもよい。
反射する光の波長領域を広くするには、選択反射波長λをずらした層を順次積層することで実現することができる。また、ピッチグラジエント法と呼ばれる層内の螺旋ピッチを段階的に変化させる方法で、波長範囲を広げる技術も知られており、具体的にはNature 378、467−469(1995)、特開平6−281814号公報、および、特許4990426号公報に記載の方法などが挙げられる。
本発明において、コレステリック液晶層における選択反射波長は、可視光(380〜780nm程度)および近赤外光(780〜2000nm程度)のいずれの範囲にも設定することが可能であり、その設定方法は上述した通りである。
また、図11に示す撮像装置10iの透過反射膜40のように、コレステリック液晶層が選択反射波長の異なる2以上の反射領域を有する構成の場合の、各反射領域は上述したコレステリック液晶相を含むコレステリック液晶層であり、それぞれ異なる波長域の円偏光に対して波長選択反射性を有する以外は、上述したコレステリック液晶層と同様の構成を有する。
また、コレステリック液晶層(反射領域)の選択反射波長としては、例えば、赤色光(620nm〜750nmの波長域の光)を選択反射波長としてもよく、緑色光(495nm〜570nmの波長域の光)を選択反射波長としてもよく、青色光(420nm〜490nmの波長域の光)を選択反射波長としてもよく、あるいは、他の波長域を選択反射波長としてもよい。
あるいは、赤外線を選択反射波長とする反射領域を有していてもよい。なお、赤外線とは、780nmを超え、1mm以下の波長領域の光であり、中でも、近赤外領域とは、780nmを超え、2000nm以下の波長領域の光である。
また、紫外領域を選択反射波長とする反射領域を有していてもよい。なお、紫外領域とは、10nm以上380nm未満の波長領域である。
また、コレステリック液晶層はコレステリック液晶相を固定してなる層であることが好ましいが、これに限定されない。静止画を表示させる場合にはコレステリック液晶相を固定してなる層であることが好ましく、動画を表示させる場合は固定させない方が好ましい。
コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、液晶化合物を含む液晶組成物などが挙げられる。液晶化合物は重合性液晶化合物であることが好ましい。
重合性液晶化合物を含む液晶組成物はさらに界面活性剤、キラル剤、重合開始剤等を含んでいてもよい。
−−重合性液晶化合物−−
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
重合性液晶化合物の具体例としては、下記式(1)〜(11)に示す化合物が挙げられる。
[化合物(11)において、X1は2〜5(整数)である。]
また、上記以外の重合性液晶化合物としては、特開昭57−165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。さらに、前述の高分子液晶化合物としては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖および側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、75〜99.9質量%であることが好ましく、80〜99質量%であることがより好ましく、85〜90質量%であることが特に好ましい。
−−キラル剤(光学活性化合物)−−
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向または螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(twisted nematic)、STN(Super-twisted nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
なお、後述するように、コレステリック液晶層を製造する際に、光照射によってコレステリック液晶相の螺旋ピッチの大きさを制御する場合、光に感応しコレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得るキラル剤(以後、感光性キラル剤とも称する)を用いることが好ましい。
感光性キラル剤とは、光を吸収することにより構造が変化し、コレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得る化合物である。このような化合物としては、光異性化反応、光二量化反応、および、光分解反応の少なくとも1つを起こす化合物が好ましい。
光異性化反応を起こす化合物とは、光の作用で立体異性化または構造異性化を起こす化合物をいう。光異性化化合物としては、例えば、アゾベンゼン化合物、および、スピロピラン化合物などが挙げられる。
また、光二量化反応を起こす化合物とは、光の照射によって、二つの基の間に付加反応を起こして環化する化合物をいう。光二量化化合物としては、例えば、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、および、ベンゾフェノン誘導体などが挙げられる。
上記感光性キラル剤としては、以下の一般式(I)で表されるキラル剤が好ましく挙げられる。このキラル剤は、光照射時の光量に応じてコレステリック液晶相の螺旋ピッチ(捻れ力、螺旋の捻れ角)などの配向構造を変化させ得る。
一般式(I)中、Ar1とAr2は、アリール基または複素芳香環基を表す。
Ar1とAr2で表されるアリール基は、置換基を有していてもよく、総炭素数6〜40が好ましく、総炭素数6〜30がより好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、または、複素環基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、または、アリールオキシカルボニル基がより好ましい。
置換基の他の好ましい態様としては、重合性基を有する置換基が挙げられる。重合性基としては、例えば、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が挙げられ、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。
重合性基を有する置換基としては、さらにアリーレン基を含むことが好ましい。アリーレン基としては、フェニレン基が挙げられる。
重合性基を有する置換基の好適態様としては、式(A)で表される基が挙げられる。*は結合位置を表す。
式(A) *−LA1−(Ar)n−LA2−P
Arは、アリーレン基を表す。Pは、重合性基を表す。
A1およびLA2は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、−O−、−S−、−NRF−(RFは、水素原子、又はアルキル基を表す。)、‐CO−、アルキレン基、アリーレン基、および、これらの基の組み合わせ(例えば、−O−アルキレン基−O−)が挙げられる。
nは、0または1を表す。
このようなアリール基のうち、下記一般式(III)または(IV)式で表されるアリール基が好ましい。
一般式(III)中のR1および一般式(IV)中のR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、または、上記重合性基を有する置換基(好ましくは、式(A)で表される基)を表す。なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、または、上記重合性基を有する置換基(好ましくは、式(A)で表される基)が好ましく、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、または、上記重合性基を有する置換基(好ましくは、式(A)で表される基)がより好ましい。
一般式(III)中のL1および一般式(IV)中のL2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、または、ヒドロキシル基を表し、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、ヒドロキシル基が好ましい。
lは0、1〜4の整数を表し、0、1が好ましい。mは0、1〜6の整数を表し、0、1が好ましい。l、mが2以上のときは、L1とL2は互いに異なる基を表してもよい。
Ar1とAr2で表される複素芳香環基は、置換基を有していてもよく、総炭素数4〜40が好ましく、総炭素数4〜30がより好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、または、シアノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、または、アシルオキシ基がより好ましい。
複素芳香環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、および、ベンゾフラニル基などが挙げられ、この中でも、ピリジル基、または、ピリミジニル基が好ましい。
キラル剤としては、以下が例示される。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
−−重合開始剤−−
液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜12質量%であることがさらに好ましい。
−−架橋剤−−
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
−−その他の添加剤−−
液晶組成物中には、必要に応じて、さらに界面活性剤、重合禁止剤、酸化防止剤、水平配向剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。上述の単官能重合性モノマーなどの上述の成分が溶媒として機能していてもよい。
(λ/4板)
λ/4板とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に、または、円偏光を直線偏光に変換する機能を有する板である。より具体的には、所定の波長λnmにおける面内レターデーション値がRe(λ)=λ/4(または、この奇数倍)を示す板である。この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。
なお、λ/4板は、λ/4機能を有する光学異方性層のみからなる構成であっても、支持体にλ/4機能を有する光学異方性層を形成した構成であってもよいが、λ/4板が支持体を有する場合には、支持体と光学異方性層との組み合わせが、λ/4板であることを意図する。
λ/4板は、公知のλ/4板が利用可能である。
また、本発明の撮像装置においては、λ/4板は、厚さ方向のレターデーションであるRth(550)が少ないのが好ましい。
具体的には、Rth(550)が−50nm〜50nmであるのが好ましく、−30nm〜30nmであるのがより好ましく、Rth(λ)がゼロであるのがさらに好ましい。これにより、λ/4板に対して斜めに入射する円偏光を直線偏光に変換できる点で好ましい結果を得る。
(直線偏光板)
直線偏光板は、一方向の偏光軸を有し、特定の直線偏光を透過する機能を有する。
直線偏光板としては、ヨウ素化合物を含む吸収型偏光板やワイヤーグリッドなどの反射型偏光板等の一般的な直線偏光板が利用可能である。なお、偏光軸とは、透過軸と同義である。
吸収型偏光板としては、例えば、ヨウ素系偏光板、二色性染料を利用した染料系偏光板、および、ポリエン系偏光板の、いずれも用いることができる。ヨウ素系偏光板、および染料系偏光板は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
(粘着層)
本発明の撮像装置において、加飾部材、透過反射膜、λ/4板および直線偏光板等を接して積層する場合には、粘着層を介して貼り合わせればよい。
粘着層は、対象となる層(シート状物)を貼り合わせられる物であれば、公知の各種の材料からなるものが利用可能であり、貼り合わせる際には流動性を有し、その後、固体になる、接着剤からなる層でもよいし、貼り合わせる際にゲル状(ゴム状)の柔らかい固体で、その後もゲル状の状態が変化しない、粘着剤からなる層でもよいし、接着剤と粘着剤との両方の特徴を持った材料からなる層でもよい。従って、粘着層は、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明両面テープ、紫外線硬化型樹脂等、シート状物の貼り合わせに用いられる公知のものを用いればよい。
(コレステリック液晶層の作製方法)
次に、選択反射波長の異なる2以上の反射領域を有するコレステリック液晶層の作製方法について図15を用いて説明する。
まず、ステップS1として、仮支持体(図示せず)上に、重合性液晶化合物および感光性キラル剤を含む液晶組成物を塗布して、塗布層51aを形成する。塗布方法としては、公知の方法を適用できる。また、必要に応じて、液晶組成物を塗布した後、乾燥処理を実施してもよい。
次に、ステップS2として、所定の開口パターンを有するマスクMを介して、感光性キラル剤が感光する波長の光を照射する露光装置Sを用いて、塗布層51aに露光処理を施し、一部を露光した塗布層51bを形成する。塗布層51bの露光部においては、感光性キラル剤が感光し、その構造が変化する。
次に、ステップS3として、マスクMを取り外して、再度、露光装置Sから感光性キラル剤が感光する波長の光を照射して、塗布層51bに露光処理を施し、露光した塗布層51cを形成する。
次に、ステップS4として、塗布層51cに対して加熱装置Hを用いて加熱処理(熟成処理)を施し、加熱した塗布層51dを形成する。塗布層51d中においては、液晶化合物が配向して、コレステリック液晶相が形成される。なお、塗布層51d中においては、露光量が異なる2つの領域があり、それぞれの領域では露光量に応じてコレステリック液晶相の螺旋ピッチの長さが異なる。これにより、選択反射波長が異なる2つの反射領域が形成される。
次に、ステップS5として、紫外線照射装置UVを用いて塗布層51dに紫外光照射による硬化処理を施し、コレステリック液晶相が固定してなる層である、コレステリック液晶層(透過反射膜)40を形成する。
なお、上記では感光性キラル剤を用いて、選択反射波長が異なる2つの反射領域を有するコレステリック液晶層の作製方法について述べたが、この態様には限定されず、例えば、特開2009−300662号公報に記載の方法など他の公知の方法を採用できる。
また、上記では選択反射波長の異なる2種の反射領域を形成するため、塗布層に対する露光を2回(ステップ2およびステップ3)行なう構成としたが、これに限定はされず、少なくとも1回露光を行なえばよい。選択反射波長の異なる反射領域を3種以上形成する場合には、塗布層に対する露光を3回以上行ってもよい。
また、上記例では、仮支持体上に液晶組成物を塗布して塗布層51aを形成する構成としたが、これに限定はされず、塗布以外にもインクジェット方式、印刷方式、および、スプレー塗装方式などを用いてもよい。
また、コレステリック液晶層の形成方法としては、レーザー直描露光装置を用いることもできる。未硬化のコレステリック液晶層(塗布層)に光を照射する際に、レーザー直描露光装置を用いて、露光量、露光回数および露光時間等を層の位置によって調節することにより、所望のパターン状のコレステリック液晶層を得ることができる。
また、コレステリック液晶相を固定化しないコレステリック液晶層を形成する場合には、上記ステップS5を施さずに、上記ステップS1〜ステップS4を行なう製造方法により作製することができる。
さらに、室温で配向可能な液晶化合物を用いる場合は、ステップS4の加熱処理を施さずにコレステリック液晶層を形成できる場合もある。
また、以上説明した例では、撮像装置は、コレステリック液晶層の反射光により静止画を表示するものとしたが、これに限定はされない。
例えば、米国特許公開2016/0033806号、特許第5071388号、および、OPTICS EXPRESS 2016 vol.24 No.20 P23027-23036等に記載の方法を参考にして、コレステリック液晶層をUV(紫外線)硬化させずに、電圧印加あるいは温度変化によってコレステリック液晶層の液晶相の配向が可変な状態にすることで、コレステリック液晶層のパターンを変化させて、表示される絵および文字等を可変にする、すなわち、動画を表示するものとしてもよい。
以上、本発明の撮像装置について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、使用量、物質量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<コレステリック液晶層の作製>
(液晶組成物1の調製)
以下に示す各成分を混合し、液晶組成物1を調製した。
・液晶化合物1(下記構造): 1g
・キラル剤1(下記構造): 66mg
・水平配向剤1(下記構造): 0.4mg
・水平配向剤2(下記構造): 0.15mg
・光ラジカル開始剤1(下記構造): 20mg
・A−TMMT(新中村化学工業株式会社製): 10mg
・メチルエチルケトン(MEK): 1.09g
・シクロヘキサノン: 0.16g
光ラジカル開始剤1(BASF社製 IRGACURE907(下記構造))
コレステリック液晶層を形成する際の基材として、PETフィルムに配向調整層を形成した基材を用いた。
具体的には、厚み100μmの東洋紡(株)社製PETフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、コスモシャインA4100)に、下記のアクリル系溶液を約2〜5μmの膜厚になるようにバー塗布し、窒素雰囲気下、60℃で500mJ/cm2のUV照射を行い硬化させ、配向調整層を形成した。
(アクリル系溶液の組成)
・KAYARAD PET-30(日本化薬(株)社製) 100wt%
・IRGACURE819(BASF社製) 3.99wt%
・上記の水平配向剤1 0.01wt%
なお、固形分が40wt%になるように、MEKで調整した。
次に、配向調整層の上に、ワイヤーバーを用いて、液晶組成物1を室温にて塗布した後、乾燥することにより、塗膜を形成した(乾燥後の塗膜(乾膜)の厚みを2〜5μm程度となるように調整した)。
得られた塗膜に対して、酸素雰囲気下、室温にて、開口部を有する黒色のマスクを介して約50秒間UV照射を施した。このとき、マスクのなかった領域(開口部が位置していた領域)の露光量が25mJ/cm2、マスクにより遮光されていた領域の露光量が5mJ/cm2となるようにマスクの黒色の濃度とUV照射時間を調整した。
なお、本実施例において、UV照射の光源として、上述した、塗膜にパターン状に露光処理を施す工程(ピッチ調整工程)では「UVトランスイルミネーターLM−26型」(露光波長:365nm、フナコシ株式会社製)を、後述する硬化工程では「EXECURE3000−W」(HOYA CANDEO OPTRONICS(株)社製)を用いた。
次いで、上記の塗膜が形成されたPETフィルムを90℃のホットプレート上に1分間静置することにより、塗膜に熱処理を施し、コレステリック液晶相の状態とした。
次いで、熱処理後の塗膜に対し、窒素雰囲気下(酸素濃度500ppm以下)、80℃にて500mJ/cm2、UV照射を施して塗膜を硬化することにより、コレステリック液晶層を形成した。なお、上述の工程を経て得られたコレステリック液晶層は、右円偏光反射性を示し、且つ、選択反射波長の異なる2つの反射領域を有する。
<撮像装置の作製>
図16に示すように、加飾部材16および透過反射膜14、λ/4板36(帝人社製、S−148)、直線偏光板34(PANAC社製HLC−5618RE)、をこの順に、それぞれ光学両面粘着フィルム(「MCS70」、(株)美舘イメージング社製)を用いて貼り合わせて積層体を作製した。
さらに、この積層体をスマートフォンSm(Apple社製iphone5)のカメラ(撮像ユニット)12が配置される面側に貼合し、撮像装置を作製した。
なお、加飾部材16としては、3M社製スコッチカルフィルム(型番JS1000XL、カラー赤)を用いた。また、加飾部材16の、カメラ12に対応する位置には、カメラ12部分と略同じ大きさの貫通孔16aを設けた。
また、透過反射膜14として、上記で作製したコレステリック液晶層を、カメラ12部分と略同じ大きさに切り取り、カメラ12に対応する位置、すなわち、加飾部材16の貫通孔16a内に配置した。
[比較例1]
上記積層体に代えてカラーセロハン(薦田紙工業株式会社製)をスマートフォンのカメラが配置される面側に貼合し撮像装置を作製した。
[実施例2]
図17に示すように、直線偏光板34と撮像ユニット12との間に第2のλ/4板38を配置した構成とした以外は、実施例1と同様にして撮像装置を作製した。
[実施例3]
図18に示すように、λ/4板36、直線偏光板34、および、第2のλ/4板38をカメラ12部分と略同じ大きさとして、カメラ12部分のみを覆う構成とした以外は、実施例2と同様にして撮像装置を作製した。
<評価>
(視認性)
実施例および比較例の撮像装置を目視により観察し、カメラの視認性を評価した。
評価は10人で行なった。
実施例1〜3の撮像装置ではカメラを視認したのは0人であった。一方、比較例1の撮像装置ではカメラを視認したのは10人であった。
(撮影画像の鮮明さ)
実施例および比較例の撮像装置のカメラを用いて撮影を行なったところ、比較例1のカメラで撮影した画像は、全体がカラーセロハンの色味(赤色)を帯びた画像となってしまった。一方、実施例1〜3で撮影した画像は、何らかの色味を帯びることなく、鮮明な画像であった。
以上の結果から本発明の効果は明らかである。
10a〜10j 撮像装置
12 撮像ユニット
14、40 透過反射膜
14R 赤色反射層
14G 緑色反射層
14B 青色反射層
16 加飾部材
16a 貫通孔
20 撮像素子
22 光学系
24 鏡筒
30 反射防止層
32 積層体
33 円偏光板
34 直線偏光板
36 λ/4板
38 第2のλ/4板
42 第1反射領域
44 第2反射領域
48 透過反射膜付きフィルム
51a 塗布膜
51b 一部を露光した塗布膜
51c 露光した塗布膜
51d 加熱した塗布膜
S 露光装置
H 加熱装置
UV 紫外線照射装置

Claims (9)

  1. 撮像素子を備える撮像ユニット、
    コレステリック液晶層を有し、入射する光の一部を反射する透過反射膜、および、
    前記撮像ユニットの前記撮像素子に対して光が入射する側に配置される加飾部材、を有し、
    前記加飾部材は、前記撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、前記撮像ユニットの位置に貫通孔が形成されており、
    前記透過反射膜は、前記加飾部材の前記貫通孔内に配置されている撮像装置。
  2. 撮像素子を備える撮像ユニット、
    コレステリック液晶層を有し、入射する光の一部を反射する透過反射膜、および、
    前記撮像ユニットの前記撮像素子に対して光が入射する側に配置される加飾部材、を有し、
    前記加飾部材は、前記撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、前記撮像ユニットの位置に貫通孔が形成されており、
    前記透過反射膜は、前記撮像素子の光が入射する面に垂直な方向から見た際に、少なくとも前記加飾部材の前記貫通孔内に配置されており、
    少なくとも一部の領域が前記透過反射膜である透過反射膜付きフィルムを有し、
    前記透過反射膜付きフィルムと前記加飾部材が積層されている撮像装置。
  3. 前記加飾部材の光透過率が50%以下である請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記透過反射膜のコレステリック液晶層は、選択反射波長が異なる2以上の反射領域を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像ユニットと前記透過反射膜との間に、λ/4板および直線偏光板を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像ユニットと、前記直線偏光板との間に、第2のλ/4板を有する請求項に記載の撮像装置。
  7. 前記撮像ユニットと前記透過反射膜との間に、円偏光板を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像ユニットと、前記円偏光板との間に、第2のλ/4板を有する請求項に記載の撮像装置。
  9. 前記撮像ユニットの、前記撮像素子の光が入射する面側に反射防止層を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の撮像装置。
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