JP2006138898A - 赤外線透過部材およびこれを用いた赤外線カメラ並びに赤外線透過部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価で、良好な赤外線透過性を有し、かつ低吸水性、低寸法変化率などの優れた特性を有する保護膜を備えた赤外線透過部材およびこれを用いた赤外線カメラ並びに赤外線透過部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 赤外線が入射する第1主面15Fと、第1主面15Fに対向して設けられて入射した赤外線が出射する第2主面15Bとを持つ赤外線透過基板11、赤外線透過基板11の第1主面15Fと第2主面15Bのそれぞれを覆う反射防止膜12、および前記第1主面15Fの反射防止膜12を覆う保護膜13を備えた赤外線透過部材であって、前記第1主面15Fの反射防止膜12を覆う保護膜13は、熱可塑性液晶ポリマーからなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 赤外線が入射する第1主面15Fと、第1主面15Fに対向して設けられて入射した赤外線が出射する第2主面15Bとを持つ赤外線透過基板11、赤外線透過基板11の第1主面15Fと第2主面15Bのそれぞれを覆う反射防止膜12、および前記第1主面15Fの反射防止膜12を覆う保護膜13を備えた赤外線透過部材であって、前記第1主面15Fの反射防止膜12を覆う保護膜13は、熱可塑性液晶ポリマーからなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は反射防止膜に保護膜が形成された赤外線透過部材、およびこれを用いた赤外線カメラ並びに赤外線透過部材の製造方法に関する。
近年、赤外線カメラは、屋内外の侵入監視、自然災害監視、遭難者捜索や救出、煙中における消火救助活動など、広範な状況監視の目的に利用されており、その需要を拡大している。この中には、昼間はもちろんのこと、夜間や光が全く無い状態あるいは照度が非常に低い状態においても被写体を撮影することができるように、近赤外線発光ダイオードを用いた照明手段を備えた暗視カメラも含まれる。
赤外線カメラは、赤外線を結像させる光学系、赤外線撮像素子および駆動検出回路などの部品により構成されるが、雨・霧などの悪天候下での使用を考慮した高性能な防水対策や、環境温度の変化による検出信号の劣化防止を目的とした精密な恒温対策が必要となる。そのため、前記の構成部品を筐体に収納して密閉する方法や、赤外線撮像素子を封止してパッケージ化する方法により、外気との遮断を図っているが、いずれの方法においても被写体から放射された赤外線を通過させる赤外線透過窓が必要となる。
赤外線を受光して撮像信号を得るための赤外線撮像素子の例としては、光検出器にPxSi/p−Siショットキバリアダイオードを用い、電荷転送部に電荷結合素子CCD(Charge Coupled Device)を用いたシリコンモノリシックの赤外線固体素子IRCCD(Infrared Charge Coupled Device)や、サーミスタ物質などの温度検知部と、この温度検知部と熱的に結合されたシリコン窒化膜等の赤外線吸収層とで、受光部が構成された熱型赤外線撮像素子を挙げることができる。
図3は、冷却器により冷却される従来の裏面光入射型IRCCDを搭載した赤外線カメラの一例を示す断面図である。この赤外線カメラは、赤外線透過窓30、赤外線透過窓30が配置された筐体31、IRCCD素子32、IRCCD素子32の周縁保持用に設けられたパッケージ33、冷却器34、IRCCD素子32と冷却器34との間に介在されて、ヒートサイクル時のIRCCD素子32への機械的ストレスを抑制する役割を果たすスペーサ35、IRCCD素子32の冷却効率を高める接続層36、およびスペーサ35と冷却器34とを接続する接着剤37を備えている。
図4は、熱型赤外線撮像素子を搭載した従来の赤外線カメラの一例を示す断面図であり、この赤外線カメラは、結像レンズ41が配置された筐体42、赤外線透過窓43が配置された真空容器44、熱型赤外線撮像素子45、および熱型赤外線撮像素子45を温度制御するペルチェ素子46によって構成される。
図5は、赤外線を透過させる従来の赤外線透過窓30、43の一例を示す断面図であり、この赤外線透過窓30、43は、赤外線透過基板51、赤外線透過基板51の両主面55F、55Bをそれぞれ覆う反射防止膜52、主面55Fを覆う保護膜53、枠54から形成されている。被写体から放射された赤外線は、保護膜53から入射し、出射側の反射防止膜52から出射する。
前記赤外線透過基板51の材料としては、例えば約0.8〜12μmの波長領域の赤外線を透過する材料を使用され、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ZnS、ZnSe、KBr、KCl、NaCl、CsI、CsBrなどの無機単結晶材料を例示することができる。しかし、これらの無機単結晶材料は屈折率が高いために、空気との屈折率差による表面反射損失が大きくなるので、この表面反射損失を低減するために、赤外線透過基板51の両主面55F、55Bに反射防止膜52が形成される。反射防止膜52の材料としては、Ge、ZnSe、ZnSなどを例示することができる。
このような主面55F側の反射防止膜52の表面を保護するための保護膜53として、従来から、ダイヤモンド薄膜及びダイヤモンド構造を含むカーボン薄膜(以下、DLC膜と略称することがある)が知られている(例えば、特許文献1および2)。上記赤外線透過基板51の赤外線透過率は、光学系の設計波長領域において70%以上であることが好ましいので、保護膜53の当該赤外線透過率も重要な因子となる。Ge材料からなり、主面55F側の反射防止膜の表面に厚み1μmのDLC膜を形成した赤外線透過基板は、8〜12μmの波長領域において85%以上の透過率を示す。
その一方、反射防止膜の保護膜として高分子材料を用いることも知られている(例えば、特許文献3)。
特開平1−259301号公報
特開平1−56401号公報
特開2002−372763号公報
しかしながら、従来の保護膜として使用されるダイヤモンド薄膜などは、高価であるという欠点がある。また、従来の保護膜として使用される高分子材料は、低吸水性、低寸法変化率などの保護膜として必要とされる特性を十分具備していない。
而して、本発明の目的は、従来の保護膜に替えて、安価で、良好な赤外線透過性を有し、かつ低吸水性、低寸法変化率などの優れた特性を有する保護膜を備えた赤外線透過部材およびこれを用いた赤外線カメラ並びに赤外線透過部材の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するための方法について鋭意研究した結果、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーと称する)が、低吸水性、低寸法変化率、高耐熱性、化学的安定性などの優れた特性を有するとともに、約0.8〜12μmの波長領域において実用的に十分に高い光線透過率を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る赤外線透過部材は、赤外線が入射する第1主面と、第1主面に対向して設けられて入射した赤外線が出射する第2主面とを持つ赤外線透過基板、赤外線透過基板の第1主面と第2主面のそれぞれを覆う反射防止膜、および前記第1主面の反射防止膜を覆う保護膜を備えたものであって、前記第1主面の反射防止膜を覆う保護膜は、熱可塑性液晶ポリマーからなる。
この構成によれば、赤外線透過部材の反射防止膜の保護膜を熱可塑性液晶ポリマーで形成することにより、従来のように高価なダイヤモンド薄膜などと異なり安価で良好な赤外線透過性をもち、かつ、従来のような高分子材料と異なり低吸水性、低寸法変化率などの優れた特性をもつ保護膜を有する赤外線透過部材が得られる。
この構成によれば、赤外線透過部材の反射防止膜の保護膜を熱可塑性液晶ポリマーで形成することにより、従来のように高価なダイヤモンド薄膜などと異なり安価で良好な赤外線透過性をもち、かつ、従来のような高分子材料と異なり低吸水性、低寸法変化率などの優れた特性をもつ保護膜を有する赤外線透過部材が得られる。
好ましくは、反射防止膜を覆う熱可塑性液晶ポリマーの線熱膨張係数が、赤外線透過基板および反射防止膜の線熱膨張係数の2倍以内である。
本発明に係る赤外線カメラは、被写体から放射された赤外線を通過させる赤外線透過窓を備えたものであって、この赤外線透過窓が前記した赤外線透過部材からなるものである。
本発明に係る赤外線透過部材の製造方法は、赤外線が入射する第1主面および第1主面に対向して赤外線が出射する第2主面を有する赤外線透過基板と、赤外線透過基板の第1主面および第2主面を覆う反射防止膜と、前記第1主面の反射防止膜を覆う保護膜とを備えた赤外線透過部材を製造する方法であって、前記保護膜を、前記第1主面の反射防止膜の上に熱可塑性液晶ポリマーよりなるフィルムを熱圧着して形成するものである。
好ましくは、赤外線透過基板の第1主面の反射防止膜の上に熱圧着される熱可塑性液晶ポリマーよりなるフィルムの分子配向度SORが1.3以下である。
本発明において用いられる熱可塑性液晶ポリマーの具体例としては、以下に例示する(1)から(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれる公知のサーモトロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピック液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。ただし、熱可塑性液晶ポリマーを形成するためには、種々の原料化合物の組合せには適当な範囲があることは言うまでもない。
これらの熱可塑性液晶ポリマーは耐熱性、加工性の点で200〜400℃、特に250〜350℃の範囲内に光学的異方性の溶融相への転移温度を有するものが好ましい。また、熱可塑性液晶ポリマーとしての物性を損なわない範囲で、滑剤、酸化防止剤、充填材等が配合されていてもよい。
本発明において、赤外線透過基板の第1主面に設けられた反射防止膜に熱可塑性液晶ポリマーからなる保護膜を形成する方法としては、上記の熱可塑性液晶ポリマーを適当な溶剤に溶解したワニスを塗布する方法やフィルム状に成形した熱可塑性液晶ポリマーを積層する方法を採用することができるが、製造工程が簡便であることから熱可塑性液晶ポリマーよりなるフィルム(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと称する)を接着剤層を介さずに熱圧着する方法が好適である。熱可塑性液晶ポリマーフィルムを反射防止膜に熱圧着するときの温度および圧力は特に限定されるものではないが、好ましい温度としては熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点より20℃低い温度から該融点よりも20℃高い温度までの範囲を例示することができる。また、熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、アルカリ粗化処理などにより、熱圧着の前に表面改質されていてもよい。
なお、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる保護膜の線熱膨張係数は、赤外線透過基板および反射防止膜の線熱膨張係数の2倍以内であることが、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる保護膜と赤外線透過基板および反射防止膜との密着信頼性の点から好ましい。ここで、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの線熱膨張係数は熱処理によって変化させることができる。一例として、熱処理温度が熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点より約15℃低い温度以上の場合には、線熱膨張係数が増大し、該融点より約25℃低い温度から該融点より約15℃低い温度範囲では、線熱膨張係数が減少する。この特性を活用することによって、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの線熱膨張係数を赤外線透過基板および反射防止膜の線熱膨張係数(Si:4.2ppm/℃、Ge:6.1ppm/℃、ZnS:6.9ppm/℃、ZnSe:8.5ppm/℃)の2倍以内に調節することができる。
本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマーフィルムはTダイ法、インフレーション法、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法等公知の製造方法によって成型できる。該フィルムを保護膜として用いた赤外線透過基板の透過率は、光学系の設計波長領域において70%以上であることが好ましいので、該フィルムの厚みは100μm以下が好ましく、5〜50μmがより好ましい。
任意の押出成形法がこの目的のために使用されるが、周知のTダイ法、インフレーション法等が工業的に有利である。特にインフレーション法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向という)だけでなく、MD方向に直交する方向(以下、TD方向という)にも応力が加えられる、MD方向とTD方向との間における光学的性質、機械的性質および熱的性質のバランスのとれたフィルムを得ることができるので、より好適に用いることができる。
さらに詳しく述べると、熱可塑性液晶ポリマーは溶融押出成型時における配向性が高いために、熱可塑性液晶ポリマーから製造されたフィルムの光学的性質、機械的性質および熱的性質の異方性が高くなり易い傾向を有している。すなわち、熱可塑性液晶ポリマーをTダイから溶融押出成形すれば、MD方向にのみ剪断応力または引張応力が加えられるため、一軸配向フィルムが得られる。この一軸配向フィルムは、偏光フィルムとしての特性を示すことから、一般に赤外線透過部材の光学特性を損なう欠点やMD方向における引張弾性率および機械的強度が高いものの、TD方向におけるこれらの値が低く、MD方向に切れ目が発生し易いという欠点、さらには加熱時の寸法変化率がMD方向とTD方向で異なるため、フィルムが反り返るという欠点を有する。この光学的性質、機械的性質および熱的性質の異方性を改良するために、熱可塑性液晶ポリマーの溶融押出成形にインフレーション法を適用することにより、フィルムのMD方向だけでなくTD方向にも応力が加えられるため、MD方向の切れ目が発生しにくい二軸配向フィルムが得られる。また、インフレーション法によれば、MD方向とTD方向との間における光学的性質、機械的性質および熱的性質のバランスのとれたフィルムを得ることもできる。
熱可塑性液晶ポリマーフィルムのなかでも、分子配向度SORが1.3以下のフィルムは、MD方向とTD方向との間における光学的性質、機械的性質および熱的性質のバランスが良好であるので、より実用性が高い。ここで、分子配向度SOR(Segment Orientation Ratio)とは、分子で構成されるセグメントについての分子配向の度合いを与える指標をいい、一般的なMOR(Molecular Orientation Ratio)とは異なり、物体の厚さを考慮した値である。この分子配向度SORは、以下のように算出される。
まず、周知のマイクロ波分子配向度測定機において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムをマイクロ波の進行方向にフィルム面が垂直になるように、マイクロ波共振導波管中に挿入し、該フィルムを透過したマイクロ波の電場強度(マイクロ波透過強度)が測定される。そして、この測定値に基づいて、次式により、m値(屈折率と称する)が算出される。
m=(Zo/△z) X[1−νmax/νo]
ただし、 Zoは装置定数、△z は物体の平均厚、νmaxはマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイクロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度を与える振動数である。
m=(Zo/△z) X[1−νmax/νo]
ただし、 Zoは装置定数、△z は物体の平均厚、νmaxはマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイクロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度を与える振動数である。
次に、マイクロ波の振動方向に対する物体の回転角が0°のとき、つまりマイクロ波の振動方向と、物体の分子が最もよく配向されている方向であって、最小マイクロ波透過強度を与える方向とが合致しているときのm値をm0、回転角が90°のときのm値をm90として、分子配向度SORはm0/ m90により算出される。
実施例1
図1は本発明の実施例1に係るもので、赤外線透過部材の断面図である。この赤外線透過部材は、赤外線透過基板11、反射防止膜12、保護膜13および枠14によって構成されている。図1において、赤外線透過基板11、反射防止膜12および枠14は従来と同一または相当部分を示す。赤外線透過基板11は赤外線が入射する第1主面15Fおよび第1主面15Fに対向して該赤外線が出射する第2主面15Bを有し、Ge材料からなる。反射防止膜12は該赤外線透過基板の第1主面15Fおよび第2主面15Bをそれぞれ覆い、ZnS材料からなる。被写体から放射された赤外線は、保護膜13から入射し、出射側の反射防止膜12から出射する。
図1は本発明の実施例1に係るもので、赤外線透過部材の断面図である。この赤外線透過部材は、赤外線透過基板11、反射防止膜12、保護膜13および枠14によって構成されている。図1において、赤外線透過基板11、反射防止膜12および枠14は従来と同一または相当部分を示す。赤外線透過基板11は赤外線が入射する第1主面15Fおよび第1主面15Fに対向して該赤外線が出射する第2主面15Bを有し、Ge材料からなる。反射防止膜12は該赤外線透過基板の第1主面15Fおよび第2主面15Bをそれぞれ覆い、ZnS材料からなる。被写体から放射された赤外線は、保護膜13から入射し、出射側の反射防止膜12から出射する。
図1の第1主面15Fの反射防止膜12を覆う保護膜13は熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる。ここで、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる保護膜13は、p−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の重縮合物(融点280℃)をインフレーション成形して得た厚みが10μm、SORが1.1、線熱膨張係数が−5ppm/℃のフィルムを赤外線透過基板11の反射防止膜12の上に280℃で熱圧着することにより、線熱膨張係数を6ppm/℃に調整したものである。この該フィルムを反射防止膜12の上に280℃で熱圧着した赤外線透過基板11は、8〜12μmの波長領域において、ダイヤモンド薄膜などと同程度の85%以上の透過率を示した。
実施例2
図2は本発明の実施例2に係るもので、熱型赤外線撮像素子を搭載した赤外線カメラの断面図である。この赤外線カメラは、結像レンズ21、筐体22、赤外線透過窓23、真空容器24、熱型赤外線撮像素子25、およびペルチェ素子26を備えており、結像レンズ21、筐体22、真空容器24〜ペルチェ素子26は従来と同一または相当部分を示す。赤外線透過窓23はSi材料の赤外線透過基板の第1主面に設けられたGe材料の反射防止膜上に熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる保護膜を形成したものである。ここで、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる保護膜は実施例1と同様に作製したものである。
図2は本発明の実施例2に係るもので、熱型赤外線撮像素子を搭載した赤外線カメラの断面図である。この赤外線カメラは、結像レンズ21、筐体22、赤外線透過窓23、真空容器24、熱型赤外線撮像素子25、およびペルチェ素子26を備えており、結像レンズ21、筐体22、真空容器24〜ペルチェ素子26は従来と同一または相当部分を示す。赤外線透過窓23はSi材料の赤外線透過基板の第1主面に設けられたGe材料の反射防止膜上に熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる保護膜を形成したものである。ここで、熱可塑性液晶ポリマーフィルムからなる保護膜は実施例1と同様に作製したものである。
11:赤外線透過基板
12:反射防止膜
13:熱可塑性液晶ポリマー(フィルム)からなる保護膜
14:枠
15F:第1主面
15B:第2主面
12:反射防止膜
13:熱可塑性液晶ポリマー(フィルム)からなる保護膜
14:枠
15F:第1主面
15B:第2主面
Claims (5)
- 赤外線が入射する第1主面と、第1主面に対向して設けられて入射した赤外線が出射する第2主面とを持つ赤外線透過基板、赤外線透過基板の第1主面と第2主面のそれぞれを覆う反射防止膜、および前記第1主面の反射防止膜を覆う保護膜を備えた赤外線透過部材であって、
前記第1主面の反射防止膜を覆う保護膜は、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーと称する)からなる赤外線透過部材。 - 反射防止膜を覆う熱可塑性液晶ポリマーの線熱膨張係数が、赤外線透過基板および反射防止膜の線熱膨張係数の2倍以内である請求項1に記載の赤外線透過部材。
- 被写体から放射された赤外線を通過させる赤外線透過窓を備えた赤外線カメラであって、この赤外線透過窓が請求項1または請求項2に記載の赤外線透過部材からなる赤外線カメラ。
- 赤外線が入射する第1主面と、第1主面に対向して設けられて入射した赤外線が出射する第2主面とを持つ赤外線透過基板、赤外線透過基板の第1主面と第2主面のそれぞれを覆う反射防止膜、および前記第1主面の反射防止膜を覆う保護膜を備えた赤外線透過部材を製造する方法であって、前記保護膜を、前記第1主面の反射防止膜の上に熱可塑性液晶ポリマーよりなるフィルムを熱圧着することにより、形成する赤外線透過部材の製造方法。
- 赤外線透過基板の第1主面の反射防止膜の上に熱圧着される熱可塑性液晶ポリマーよりなるフィルムの分子配向度SORが1.3以下である、請求項4に記載の赤外線透過部材の製造方法。
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2004
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