JP6824216B2 - コンクリート補強用鉄筋材の製造方法 - Google Patents
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このコンクリート舗装においては、クラックの発生やその伝播を防止するため、路盤上へのコンクリート版の施工を、車両の走行方向に道路(路盤)を一定のスパンごとに区切って行い、コンクリート版の境界に目地を形成している。
しかし、目地の存在が、車両の走行安定性を阻害する一因となっていたため、近年においては、目地を省いた連続鉄筋コンクリート舗装が普及している。
上記した主筋は車両の走行方向に沿って配置され、配力筋は主筋に対して斜めに交差させて配置されるため、コンクリート補強用鉄筋材は網目状に形成される。
そこで、例えば、特許文献1、2に記載のように、予め複数本の配力筋(横筋)を複数本の主筋(縦筋)に対して斜めに連結(溶接)したコンクリート補強用鉄筋材が提案されている。これにより、作業現場において、配力筋を同一ピッチかつ同一傾斜角度となるように並べる作業が不要となる。
このため、クレーンが進入できない、あるいは、クレーンのブームが傾動できない場所、例えば、トンネル内では、主筋と配力筋が一体となったコンクリート補強用鉄筋材を配置しずらいという問題があった。
3本以上10本以下の前記配力筋を、その端部が前記主筋の長手方向に沿うように斜めに平行配置し、該配力筋をその長手方向に移動させながら、該各配力筋に直交状態となるように、第1の補助筋を1本ずつ配置し、該各配力筋に該各第1の補助筋を順次溶接して、前記配力筋を、該各配力筋の長手方向に間隔をあけて平行に配置した複数の前記第1の補助筋で取付け固定し一体化して単位配筋材にする。
3本以上10本以下の前記主筋を、その端部が前記配力筋の長手方向に沿うように斜めに平行配置し、該主筋をその長手方向に移動させながら、該各主筋に直交状態となるように、第2の補助筋を1本ずつ配置し、該各主筋に該各第2の補助筋を順次溶接して、前記主筋を、該各主筋の長手方向に間隔をあけて平行に配置した複数の前記第2の補助筋で取付け固定し一体化して単位主筋材にする。
第2の発明に係るコンクリート補強用鉄筋材の製造方法は、端部が配力筋の長手方向に沿うように斜めに平行配置された複数の主筋を、各主筋に交差配置した第2の補助筋により連結し一体化して単位主筋材にするので、従来のように、多数の主筋をそれぞれ、同一ピッチとなるように配力筋上に並べる作業が不要となり、作業時間の短縮が図れ、作業効率を向上できると共に作業負担も低減できる。
特に、単位配筋材を構成する複数の配力筋のみを一体化し主筋とは分離し、及び/又は、単位主筋材を構成する複数の主筋のみを一体化し配力筋とは分離しているので、主筋と配力筋を一体化した場合と比較して軽量化が図れる。このため、例えば、作業者が持ち運ぶことも可能となり、作業環境に影響されることなく、コンクリート補強用鉄筋材を配置できる。
また、第2の補助筋を主筋に直交状態で配置するので、例えば、複数の主筋をその長手方向に移動させながら、主筋の長手方向(移動方向)とは直交する方向に配置された複数の電極により、各主筋に第2の補助筋を溶接でき、特別な構成の溶接機を用いることなく複数の主筋を一体化できる。
図1(A)、図2(B)に示すように、第1の実施の形態に係るコンクリート補強用鉄筋材(以下、単に補強用鉄筋材とも記載)10は、道路の舗装を行う際の連続鉄筋コンクリート舗装に使用され、多数の主筋(縦方向鉄筋ともいう)11と多数の配力筋(横方向鉄筋、交差鉄筋、交叉鉄筋、又は、斜め方向鉄筋ともいう)12とを交差させて、網目状に形成されたものであり、従来よりも作業負担を低減でき、効率よく配置可能なものである。なお、図1(A)では、車両の走行方向に連続して舗装する道路の一部分を図示し(後述する図2(A)、(B)、図4(A)、(B)も同様)、説明の便宜上、一部の主筋11のみ図示している(図2(B)、図4(B)も同様)。以下、詳しく説明する。
これにより、コンクリート補強用鉄筋材10を、予め設定した高さに支持できる。
なお、支持スペーサの構成は、コンクリート補強用鉄筋材10を支持できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、以下の構成のものを使用できる。
・所定の間隔を有して配置された、逆U字状となった複数の支持材の上部に、鉄筋を用いた上直筋材を溶接固定して製造したもの。
・3本又は4本の脚部が設けられ、補強用鉄筋材10を構成する主筋11と配力筋12の交差部分に配置するもの。
多数の主筋11は、車両の走行方向に沿って配置され、しかも、この車両の走行方向とは直交する方向(以下、道路の幅方向とも記載)に間隔を有して平行に配置されている。また、多数の配力筋12は、多数の主筋11に対し斜めに交差(交叉)するように(車両の走行方向に対して斜めに)配置され、しかも、主筋11の長手方向に同一ピッチとなるように(車両の走行方向に同一ピッチで)平行に配置されている。
この主筋11(車両の走行方向)と配力筋12とのなす角θ1は、予め設定された角度(40度以上80度以下(ここでは、60度)、又は、100度以上140度以下の範囲内)になっている。
このとき、各配力筋は、主筋の長手方向に同一ピッチとなるように、かつ、主筋の長手方向に対して同一傾斜角度となるように、配置する必要があるが、多数の配力筋を配置するには、作業に時間を要し、作業効率が悪く作業負担もかかる。
そこで、図1(A)、(B)に示すように、複数の配力筋12を第1の補助筋15により連結し一体化して単位配筋材(配筋材ユニットともいう)16とする。
第1の補助筋15により連結する(単位配筋材16を構成する)配力筋12の本数は、例えば、作業者が搬送可能な重量(数十kg程度)を考慮して3本以上10本以下の範囲(ここでは、5本)に設定しているが、配力筋の長さやピッチ等を考慮して種々変更できる。なお、各配力筋12は略同一長さであり、その平均長さは、例えば、2〜10m(更には、下限が4m、上限が7m)程度である。
配力筋12を連結する第1の補助筋15の本数は、ここでは5本であるが、複数の配力筋12を連結(一体化)できれば特に限定されるものではなく、例えば、2本以上の複数本でもよい(重量を考慮すれば、上限は10本程度)。
複数の第1の補助筋15の配置位置は、複数の配力筋12に交差していれば(配力筋12と第1の補助筋15のなす角:0度を超え180度未満)、特に限定されるものではないが、製造を容易にするには、各第1の補助筋15を、各配力筋12に対して直交状態(なす角90度)、かつ、各配力筋12の長手方向に間隔をあけて平行に配置するのがよい。以下、コンクリート補強用鉄筋材10(単位配筋材16)の製造方法について説明する。
次に、上記した複数の配力筋12上に、1本の第1の補助筋15を直交状態で配置し、溶接により取付け固定する。
そして、配力筋12と第1の補助筋15の交差部分にスポット溶接を行う。なお、スポット溶接は、第1の補助筋15の長手方向(配力筋12の長手方向とは直交する方向)に配置された複数の電極部20、21により、例えば、第1の補助筋15の長手方向のそれぞれの箇所で順次実施できるが、複数箇所同時に実施することもできる。
上記した方法を第1の補助筋15の本数だけ繰返し実施することで、複数の配力筋12を一体的にできる。
このように、複数の配力筋12をその長手方向に移動させながら、配力筋12の長手方向に間隔をあけて平行に配置される各第1の補助筋15を、各配力筋12に順次溶接して取付け固定するため、単位配筋材16の製造に際し特別な構成の溶接機は不要である。
なお、単位配筋材16は、例えば、複数の配力筋を、平面視して直角四角形状(長方形)となるように(端部が配力筋の長手方向と直交する方向に揃うように)配置した状態で、各配力筋に交差状態で配置した第1の補助筋により連結し一体化した後、図3に示す形状(平行四辺形状)となるように、各配力筋の長手方向片側又は両側を切断することで得ることもできる。
まず、図2(A)に示すように、路盤13上に支持スペーサ14を多数配置する。
多数の支持スペーサ14は、平面視して主筋11とは直交しない範囲で、かつ、主筋11に交差するように、路盤13上に平行に配置している。これにより、例えば、配力筋12が撓もうとしても、各支持スペーサ14が、配力筋12よりも強度の高い主筋11を介して、コンクリート補強用鉄筋材10を支持することができる。
なお、各支持スペーサ14は、平面視して、主筋11のみならず配力筋12とも交差するように配置されているため、各支持スペーサ14が、主筋11のみならず配力筋12をも支持できる。
そして、各支持スペーサ14の車両の走行方向の設置間隔は、例えば、コンクリート補強用鉄筋材10上に作業者が載った場合の撓み量に応じて、経験的に設定できるが、強度計算をして設定することもできる。
ここで、多数の支持スペーサ14は、同一のピッチで配置されているが、異なるピッチで配置することもできる。
なお、上記した支持スペーサには種々の長さのものがあるため、その長さと舗装する道路の幅に応じて、1本の支持スペーサを切断して長さを調整し、これを支持スペーサとして使用することもできる。
具体的には、図1(B)に示す単位配筋材16を、図1(A)に示すように、車両の走行方向に沿って順次配置する。ここでは、単位配筋材16を、車両の走行方向に沿ってのみ順次配置したが、例えば、単位配筋材16の幅や道路の幅に応じて、単位配筋材16を2以上の複数、道路の幅方向に沿って配置することもできる。この場合、隣り合う単位配筋材16の端部は当接した状態でもよく、また、重なり合った状態でもよい。
そして、図1(A)、図2(B)に示すように、単位配筋材16上に主筋11を多数配置する。
このコンクリートの養生が終了することにより、道路の舗装を終了する場合があるが、このコンクリートの上に、更にアスファルト舗装を行って、道路の舗装を終了する場合もある。
コンクリート補強用鉄筋材30は、道路の舗装を行う際の連続鉄筋コンクリート舗装に使用され、多数の主筋(縦方向鉄筋ともいう)31と多数の配力筋12aとを交差させて、網目状に形成されたものである。なお、図5(A)では、車両の走行方向に連続して舗装する道路の一部分を図示し、説明の便宜上、一部の主筋31のみ図示している。
このように、主筋は、道路の幅方向に同一ピッチとなるように配置する必要があるが、この作業には時間を要し、作業効率が悪く作業負担もかかる。
そこで、複数の主筋31を第2の補助筋32により連結し一体化して単位主筋材(主筋材ユニットともいう)33とする。
このように、複数の主筋31は、その端部が配力筋12aの長手方向に沿うように斜めに平行配置されているので、単位主筋材33を複数の配力筋12a上に配置した際に、各主筋31の両端部を配力筋12a上に確実に配置でき、しかも、配力筋12aからの突出幅も略均等にできる。
単位主筋材33を構成する主筋31の本数は、例えば、作業者が搬送可能な重量(数十kg程度)を考慮して、3本以上10本以下の範囲(ここでは、6本)に設定しているが、主筋の長さやピッチ等を考慮して種々変更できる。なお、各主筋31は略同一長さである。
主筋31を連結する第2の補助筋32の本数は、ここでは4本であるが、複数の主筋31を連結(一体化)できれば特に限定されるものではなく、例えば、2本以上の複数本でもよい(重量を考慮すれば、上限は10本程度)。
これは、前記した単位配筋材16と同様の理由、即ち、単位主筋材33の製造に際し特別な構成の溶接機を使用する必要がなくなることによる。なお、単位主筋材33の製造方法は、前記した単位配筋材16と略同様であるので、以下に簡単に説明する(図3(A)、(B)参照)。
そして、複数の主筋31をその長手方向に一体的に移動させながら、複数の主筋31上に直交状態で、しかも、主筋31の長手方向に間隔をあけて平行に配置される各第2の補助筋32を、各主筋31に順次溶接して取付け固定することで、単位主筋材33が得られる。
なお、単位主筋材33は、例えば、複数の主筋を、平面視して直角四角形状(長方形)となるように(端部が主筋の長手方向と直交する方向に揃うように)配置した状態で、各主筋に交差状態で配置した第2の補助筋により連結し一体化した後、図5(A)、(B)に示す形状(平行四辺形状)となるように、各主筋の長手方向片側又は両側を切断することで得ることもできる。
このため、主筋31の長さが長過ぎると、例えば、複数の主筋31への第2の補助筋32の取付け位置の誤差や、配力筋12aの配置位置の誤差等により、主筋31が配力筋12aに直接接触できなくなるおそれがあることから、各主筋31の平均長さは、例えば、配力筋12aよりも長く、4〜12m程度にするのがよい。また、単位主筋材33を構成する主筋31の本数が多過ぎても、第2の補助筋32の長さが長くなって配力筋12aに接触するおそれがあることから、前記した本数(3本以上10本以下)にするのがよい。
具体的には、例えば、4本の第2の補助筋を用いる場合、単位主筋材の幅方向一側から4本目までの主筋を、2本の第2の補助筋で連結し、単位主筋材の幅方向他側から4本目までの主筋を、他の2本の第2の補助筋で連結することにより、複数の主筋を一体化する。このとき、単位主筋材の幅方向一側から連結する2本の第2の補助筋と、幅方向他側から連結する他の2本の第2の補助筋は、主筋の長手方向に交互に配置するのがよい。
また、単位主筋材の幅方向に間隔をあけて、2本以上の第2の補助筋を配置することもできる(以上、前記した単位配筋材も同様)。
まず、路盤13上に支持スペーサ(図示しない)を多数配置する(図2(A)参照)。
続いて、図5(A)に示すように、支持スペーサ上に配力筋12aを多数配置する。
そして、配力筋12a上に、第2の補助筋32により所定本数の主筋31が連結され一体化された単位主筋材33を、第2の補助筋32が下側となるように、かつ、第2の補助筋32が配力筋12aに接触しないように、多数配置する。
このとき、車両の走行方向に隣り合う単位主筋材33の重なり合う部分は、車両の走行方向に対して斜めに配置されるため、例えば、重なり合う部分に起因したクラックの発生やその伝播が、道路の幅方向に渡って一直線状に生じることを抑制できる。
以上の方法で、路盤13上に多数の支持スペーサを介してコンクリート補強用鉄筋材30を配置した後は、車両の走行方向の一端側から他端側へ車両の走行方向に沿ってコンクリートの打設を行う。
この場合、コンクリート補強用鉄筋材を用いた配筋方法は、以下の通りである。
まず、路盤上に支持スペーサ(図示しない)を多数配置する(図2(A)参照)。
続いて、支持スペーサ上に、第1の補助筋15により連結され一体化された配力筋12からなる単位配筋材16を多数配置し(図2(B)参照)、この単位配筋材16上に、第2の補助筋32により連結され一体化された主筋31からなる単位主筋材33を多数配置する(図5(A)参照)。
以上の方法で、路盤13上に多数の支持スペーサを介してコンクリート補強用鉄筋材を配置した後は、車両の走行方向の一端側から他端側へ車両の走行方向に沿ってコンクリートの打設を行う。
また、単位主筋材33を構成する複数の主筋31は第2の補助筋32により、予め、車両の幅方向に同一ピッチとなるように一体化されているため、従来のように、多数の主筋をそれぞれ、車両の幅方向に同一ピッチとなるように、配力筋上に並べる必要がなくなる。
従って、本発明のコンクリート補強用鉄筋材の製造方法により、従来よりも作業負担を低減でき、効率よく配置できる。
前記実施の形態においては、コンクリート補強用鉄筋材及びこれを用いた配筋方法を、屋外(トンネル外)の道路(特に、高速道路)の舗装に適用した場合について説明したが、これらに限定されるものではなく、鉄道の道床、橋、飛行場の滑走路やエプロン等の舗装に適用することもでき、特に、トンネル内の道路の舗装に適用する場合に、本発明の効果がより顕著になる。
更に、前記実施の形態においては、主筋と配力筋がそれぞれ平行に配置された場合について説明しているが、コンクリート補強用鉄筋材としての使用に問題のない範囲内(例えば、±5度、更には±2度)で、僅かにずれてもよい(主筋、配力筋それぞれの配置ピッチについても同様)。また、複数の配力筋を複数の第1の補助筋で連結する場合も、各第1の補助筋が平行に配置された場合について説明したが、複数の配力筋を一体化できれば非平行でもよい(複数の主筋を連結する第2の補助筋についても同様)。
また、前記実施の形態においては、全ての主筋を略同一長さにしているが、路盤の状況に応じて異なる長さにすることもできる。この場合、複数の主筋の一端部のみ、配力筋の長手方向に沿うように、複数の主筋を平行配置する。
Claims (2)
- 連続鉄筋コンクリート舗装に使用され、平行配置される多数の主筋と、該主筋に対し斜めに交差するように平行配置される多数の配力筋とで、網目状に形成されるコンクリート補強用鉄筋材の製造方法において、
3本以上10本以下の前記配力筋を、その端部が前記主筋の長手方向に沿うように斜めに平行配置し、該配力筋をその長手方向に移動させながら、該各配力筋に直交状態となるように、第1の補助筋を1本ずつ配置し、該各配力筋に該各第1の補助筋を順次溶接して、前記配力筋を、該各配力筋の長手方向に間隔をあけて平行に配置した複数の前記第1の補助筋で取付け固定し一体化して単位配筋材にすることを特徴とするコンクリート補強用鉄筋材の製造方法。 - 連続鉄筋コンクリート舗装に使用され、平行配置される多数の主筋と、該主筋に対し斜めに交差するように平行配置される多数の配力筋とで、網目状に形成されるコンクリート補強用鉄筋材の製造方法において、
3本以上10本以下の前記主筋を、その端部が前記配力筋の長手方向に沿うように斜めに平行配置し、該主筋をその長手方向に移動させながら、該各主筋に直交状態となるように、第2の補助筋を1本ずつ配置し、該各主筋に該各第2の補助筋を順次溶接して、前記主筋を、該各主筋の長手方向に間隔をあけて平行に配置した複数の前記第2の補助筋で取付け固定し一体化して単位主筋材にすることを特徴とするコンクリート補強用鉄筋材の製造方法。
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