JP6823247B2 - エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物及び自動車内装材 - Google Patents

エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物及び自動車内装材 Download PDF

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Description

本発明は、耐寒性、耐揮発性、特に耐フォギング性の改良された、耐光性、耐熱老化性に優れた自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物及び該樹脂組成物よりなる自動車内装材に関し、詳しくは、特定の構造を有する新規なエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物及び自動車内装材に関する。
自動車の室内には、乗り心地を良くするために様々な内装材が使われている。通常、自動車用内装材は、ソフト感や高級感等の意匠性を出すための表皮層と構造を保持するための基材層から構成されている。更に表皮層にはよりソフト感を出すためにウレタン等の発泡層を裏打ちして使われることが多い。
その表皮層としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性エラストマーやポリエチレンなどのポリオレフィンの発泡体などが使われているが、なかでも、ポリ塩化ビニル系樹脂が可塑剤の配合量により半硬質から軟質まで様々な触感を出すことが可能であり、更にその成形加工性の容易さよりデザイン性にも優れるため、広く使われている。
上記可塑剤としては、通常使われている塩化ビニル系樹脂用の可塑剤を使うことができ、これまで比較的安価なフタル酸ジイソノニル(以下、「DINP」という)やフタル酸ジイソデシル(以下、「DIDP」という)に代表されるフタル酸エステル系の可塑剤が最も汎用的に使われてきた。また、一部部材では、炎天下等の高温下における劣化を防止するために、更に寒冷地での低温下における柔軟性を保持するために、トリメリット酸トリ−2−エチルへキシル(以下、「TOTM」という)等のトリメリット酸エステル系の可塑剤やアジピン酸ジ−2−エチルへキシル(以下、「DOA」という)等の脂肪族二塩基酸エステル系の可塑剤も使われてきた。しかし、DOAの場合は耐寒性や柔軟性には優れるが、耐熱性に劣り、TOTMの場合は耐熱性には優れるが、耐寒性や柔軟性を満足させることができず、フタル酸エステル系可塑剤との併用系で使われることが多かった。
また、近年、化学物質に対する安全性についてクローズアップされる中でフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(以下、「DOP」という)を齧歯類に大量に投与した際に毒性が認められることから、予防措置の一環として日欧米の地域にて、DOP等のフタル酸エステル系の可塑剤を他の可塑剤、即ち、非フタル酸エステル系の可塑剤に置き換える動きがあり、自動車用内装材でも代替可能な非フタル酸エステル系可塑剤が望まれている。一般に、非フタル酸エステル系の可塑剤としては、上記のDOAやTOTM以外にも、アセチルクエン酸トリブチル(以下、「ATBC」という)や1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(以下、「DINCH」という)などが知られているが、いずれも耐熱性等の面で十分な性能を有するものではなかった。
最近の傾向として、自動車部材全般に軽量化や耐久性の要求が厳しくなってきており、自動車内装材等の個々の部材に対しても、その性能向上が強く望まれている。具体的には、炎天下での熱や光による劣化の問題、即ち、可塑剤やその他添加剤の揮発による性能低下や塩化ビニル系樹脂特有の熱や光による物性低下や着色が大きな問題になっており、更に揮発成分によるフロントガラス等の曇り、即ちフォギングも重要な課題である。また、寒冷地での柔軟性低下による破壊も大きな問題であり、耐寒性も重要な性能である。
これまでにも、耐寒性だけを改善することや耐熱性だけを改善することは、例えば、上記の脂肪族二塩基酸エステル系の可塑剤やトリメリット酸エステル系の可塑剤を使うことにより可能であったが、両方の性能を同時に満たすことは未だ難しいのが現状である。
また、上述の塩化ビニル系樹脂特有の熱や光による劣化は、分子内での分解により発生する塩化水素に起因するものであろうと言われており、特にウレタン系発泡材を裏打ちして使われることの多い内装材表皮においてその劣化が顕著に表れることが知られており、塩化ビニル系樹脂を自動車内装材表皮に使用する際の大きな問題であった(特許文献1、2)。そこで、これまでにも様々な安定化剤の検討をなされてきたが、その一つであるエポキシ系の化合物がその塩化水素の補足剤として非常に有効であり、製品そのものの劣化を防止することが知られている。そのエポキシ系化合物としては、具体的にはエポキシ化大豆油(以下、「ESBO」という)、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化植物油類がよく知られている(特許文献3、4)。しかし、エポキシ化植物油の場合、塩化ビニル系樹脂との相溶性に問題があり、混合が不十分な場合、樹脂中で不均一となり、十分な性能が得られないだけでなく、ブリード等の問題の原因にもなり、その改善が望まれていた。
WO2008/033197号公報 WO2012/020618号公報 特開平6−1901号公報 特開平8−253642号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、樹脂との相溶性に優れ、樹脂と混合しやすく、耐寒性、耐揮発性、特に耐フォギング性の改良された自動車内装用可塑剤又は安定化剤を含む、耐寒性、耐揮発性、特に耐フォギング性の改良された、耐光性、耐熱老化性に優れた自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物及び該樹脂組成物よりなる自動車内装材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、特定の構造を有する新規なエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルが塩化ビニル系樹脂との相溶性に優れ、そのエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有する塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂特有の熱や光による物性低下や着色を抑える効果に優れ、かつ課題であった耐寒性や耐揮発性、特に耐フォギング性を大きく改善することが可能であり、上述の自動車内装材として非常に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、特定の構造を有する新規なエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物及び該塩化ビニル系樹脂組成物からなる自動車内装材、並びに特定の構造を有する新規なエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる自動車内装材用塩化ビニル系樹脂用可塑剤及び安定化剤を提供するものである。
[項1] 塩化ビニル系樹脂及びエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物であって、
前記エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルが、下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなり、かつジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が50〜99%であることを特徴とする自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
(式中、R及びRは同一又は異なって、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
[項2] 前記アルキル基の炭素数が、8〜12である[項1]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項3] 前記アルキル基が、主として炭素数9〜11のアルキル基から構成され、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である[項1]又は[項2]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項4] 前記アルキル基が、90%以上(モル比)の炭素数9のアルキル基を含む[項1]又は[項2]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項5] 前記アルキル基中の直鎖状のアルキル基の比率が、55〜95%である[項1]〜[項4]の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項6] 前記アルキル基中の直鎖状のアルキル基の比率が、60〜95%である[項5]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項7] 前記アルキル基中の直鎖状のアルキル基の比率が、70〜95%である[項6]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項8] 4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルが、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルをエポキシ化反応して得られる[項1]〜[項7]の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項9] 前記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルが、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物と炭素数7〜13の飽和脂肪族アルコールをエステル化反応して得られるものであり、該飽和脂肪族アルコールの直鎖率(モル比)が、50〜99%である[項8]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項10] 前記エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルの含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1〜200重量部である[項1]〜[項9]の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項11] エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルの含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、5〜150重量部である[項10]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項12] エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルの含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1〜30重量部である[項10]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項13] エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルの含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、30〜150重量部である[項11]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項14] 更に、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、シクロヘキサンジカルボン酸エステルからなる群より選ばれた一種又は二種以上の可塑剤を含んでなる[項1]〜[請求項13]の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項15] 前記可塑剤が、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ(2−プロピルヘプチル)、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジアルキル(C9〜C11)、フタル酸ジアルキル(C10〜C12)、フタル酸ジトリデシル、トリメリット酸トリノルマルアルキル(C8,C10)、トリメリット酸トリノルマルオクチル、トリメリット酸トリイソノニル及びトリメリット酸トリエステルからなる群より選ばれた一種又は二種以上であり、前記トリメリット酸トリエステルはトリメリット酸と炭素数9の飽和脂肪族アルコールの比率(モル比)が90%以上かつ直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率(モル比)が50〜99%である飽和脂肪族アルコールとから得られるトリメリット酸トリエステルである、[項14]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項16] 更に、有機酸の金属石鹸化合物を含んでなる[項1]〜[項15]の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項17] 前記金属石鹸化合物が、脂肪酸カルシウム塩、脂肪酸亜鉛塩及び脂肪酸バリウムよりなる群より選ばれた1種又は2種以上の脂肪酸金属石鹸である[項16]に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
[項18] [項1]〜[項17]の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物からなる自動車内装材。
[項19] 下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなり、かつジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が50〜99%であることを特徴とする自動車内装材用塩化ビニル系樹脂用可塑剤。
(式中、R1及びR2は同一又は異なって、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
[項20] 下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなり、かつ該ジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が50〜99%であることを特徴とする自動車内装材用塩化ビニル系樹脂用安定化剤。
(式中、R1及びR2は同一又は異なって、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
本発明の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物は、樹脂との相溶性に優れ、樹脂と混合しやすく、耐寒性、耐揮発性、特に耐フォギング性の改良された自動車内装材用可塑剤又は安定化剤を含有することにより、耐寒性、耐揮発性、特に耐フォギング性の改良された、耐光性、耐熱老化性に優れた自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物を得ることが可能となり、その自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物よりなる自動車内装材は、耐光性、耐熱老化性に優れており、炎天下等の過酷な条件下でも物性低下や着色等の問題がなく安定した品質を保持し、かつ寒冷地での使用時の亀裂や炎天下等の高温下におけるフォギング等の問題もなく使用することのできる自動車内装材として非常に有用である。
<エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル>
本発明の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物は、下記一般式(1)で示されるエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを、当該樹脂組成物における可塑化成分(可塑剤)又は安定化成分(安定化剤)として含有することを最大の特徴とする。
なお、式中、R及びRは同一又は異なって、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、かつ式中R、Rで示されるアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が、50〜99%、好ましくは55〜95%、より好ましくは60〜95%、特に好ましくは70〜95%である。
更に、前記アルキル基は、主として炭素数9〜11のアルキル基から構成され、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲であるか、または、90%以上(モル比)の炭素数9のアルキル基を含むことが好ましい態様である。
本発明のエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「本エポキシ化合物」という)は、本発明で求められている所定の性能を満たすものであれば、特のその製造方法により限定されるものではないが、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸またはその酸無水物と特定の構造の飽和脂肪族アルコールをエステル化反応し、得られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「本エステル」ということもある)を所定の条件でエポキシ化することにより、容易に得られる。また、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸またはその酸無水物をエポキシ化後、得られた4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸またはその酸無水物と特定の構造の飽和脂肪族アルコールをエステル化する方法で得ることもできる。更に、上記飽和脂肪族アルコールの種類によっては、予め炭素数1〜6程度の低級アルコールとエステル化後、上記飽和脂肪族アルコールを加えて、エステル交換反応により得る方法もある。簡便性等、実用性の観点から、エステル化後にエポキシ化する方法が最も好ましい。
[飽和脂肪族アルコール]
上記のエステル化反応又はエステル交換反応に用いられる飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールであり、好ましく炭素数8〜12、より好ましくは9〜11の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールであり、特に好ましくは、(i)炭素数9の飽和脂肪族アルコールを90%以上(モル比)、より好ましくは95%以上含む直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール、又は(ii)主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールからなり、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である飽和脂肪族アルコールである。なお、上記「主として」とは、飽和脂肪族アルコール全体に占める炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールの比率が90%以上、好ましくは95%以上を意味する。当該飽和脂肪族アルコールは、前記一般式(1)で示されるエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基となる原料アルコールであり、即ち前記説明は該アルキル基の説明と同義となる。
また、上記飽和脂肪族アルコールは、該アルコール中に占める直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率(モル比)が、50〜99%、好ましくは55〜95%、より好ましくは60〜95%、特に好ましくは70〜95%であることを特徴とする。
本発明に係る飽和脂肪族アルコールの態様の詳細としては、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールからなり、炭素数9の飽和脂肪族アルコールの比率(モル比)が90%以上、好ましくは95%以上で、かつ直鎖状の飽和脂肪族アルコールの占める比率(モル比)が50〜99%、好ましくは55〜95%、より好ましくは60〜95%である態様、または主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールの混合物からなり、炭素数9、10、11の各アルコールの占める比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45となる範囲であり、かつ直鎖状の飽和脂肪族アルコール占める比率(モル比)が50〜99%、好ましくは55〜95%、より好ましくは60〜95%である態様等が推奨される。
炭素数7未満の飽和脂肪族アルコールが含まれると、十分な耐寒性や耐揮発性が得られ難くなる傾向があり、また炭素数13を越えた飽和脂肪族アルコールが含まれると、樹脂との相溶性が悪くなる傾向があり、その結果可塑化効率等が低下する傾向があり、好ましくない。同様に、直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率が55%未満の場合には十分な耐寒性や耐揮発性が得られ難くなる傾向があり、直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率が99%を越えると樹脂との相溶性が悪くなる傾向があり、その結果可塑化効率等の低下の懸念が出てくるため、いずれも好ましくない。また、安定化効果の面でも炭素数7未満の成分及び炭素数13を越えた成分が多くなると、その安定化の効果が低下する傾向がある。
90%以上の炭素数9の飽和脂肪族アルコールを含み、かつ直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率が50〜99%である飽和脂肪族アルコールは、(1)1−オクテン、一酸化炭素と水素とのヒドロホルミル化反応による炭素数9のアルデヒドを製造する工程及び(2)炭素数9のアルデヒドを水素添加してアルコールに還元する工程を具備する製造方法により製造することができ、その製造方法で得られた飽和脂肪族アルコールをそのまま用いるか又は含有させることにより、本発明に係る飽和脂肪族アルコールとすることができる。
前記工程(1)のヒドロホルミル化反応は、例えば、コバルト触媒又はロジウム触媒の存在下、1−オクテン、一酸化炭素及び水素を反応することにより炭素数9のアルデヒドを製造することができる。
前記工程(2)の水素添加は、例えば、ニッケル触媒又はパラジウム触媒等の貴金属触媒の存在下、炭素数9のアルデヒドを水素加圧化で、水素添加することによりアルコールに還元することがでる。市販品の具体例としては、シェルケミカルズ社のリネボール9などが挙げられる。
同じく、主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールからなり、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である飽和脂肪族アルコールで、直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率(モル比)が50〜99%である飽和脂肪族アルコールは、(1)1−オクテン、1−ノネン、1−デセンと一酸化炭素と水素とのヒドロホルミル化反応による炭素数9〜11のアルデヒドを製造する工程及び(2)炭素数9〜11のアルデヒドを水素添加してアルコールに還元する工程を具備する製造方法により製造することができ、その製造方法で得られた脂肪族飽和アルコールをそのまま用いるか又は含有させることにより、本発明に係る飽和脂肪族アルコールとすることができる。
前記工程(1)のヒドロホルミル化反応は、例えば、コバルト触媒又はロジウム触媒の存在下、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、一酸化炭素及び水素を反応することにより炭素数9〜11のアルデヒドを製造することができる。
前記工程(2)の水素添加は、例えば、ニッケル触媒又はパラジウム触媒等の貴金属触媒の存在下、炭素数9〜11のアルデヒドを水素加圧下で、水素添加することによりアルコールに還元することができる。市販品の具体例としては、シェルケミカルズ社のネオドール911などが挙げられる。
[エステル化反応]
本発明に係るエステル化反応とは、本エポキシ化合物を得るためのエポキシ化反応の原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「本エステル」という)を得るための上記アルコールと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物とのエステル化反応を意味し、そのエステル化反応を行うに際し、該アルコールは、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物1モルに対して、好ましくは2.00モル〜5.00モル、より好ましくは2.01モル〜3.00モル、特に2.02モル〜2.50モルを使用することが推奨される。
エステル化反応に触媒を使用する場合、その触媒としては、鉱酸、有機酸、ルイス酸類等が例示される。より具体的には、鉱酸として、硫酸、塩酸、燐酸等が例示され、有機酸としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が例示され、ルイス酸としては、アルミニウム誘導体、スズ誘導体、チタン誘導体、鉛誘導体、亜鉛誘導体等が例示され、これらの1種又は2種以上を併用することが可能である。
それらの中でも、p−トルエンスルホン酸、炭素数3〜8のテトラアルキルチタネート、酸化チタン、水酸化チタン、炭素数3〜12の脂肪酸スズ、酸化スズ、水酸化スズ、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化鉛、水酸化鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムが特に好ましい。その使用量は、例えば、エステル合成原料である酸成分及びアルコール成分の総重量に対して、好ましくは0.01重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.02重量%〜4.0重量%、特に0.03重量%〜3.0重量%を使用することが推奨される。
エステル化温度としては、100℃〜230℃が例示され、通常、3時間〜30時間で反応は完結する。
本エステルの原料である、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸若しくはその酸無水物は、特に制限はなく、公知の方法で製造したものや、市販品、試薬等で入手できるものなどが使用できる。例えば、市販品としてリカシッドTH(商品名,新日本理化(株))などが例示される。4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物は、通常、無水マレイン酸と1,3−ブタジエンとをディールス・アルダー反応して得られる。エステル化反応の観点から、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を使用することが推奨される。
エステル化においては、反応により生成する水の留出を促進するために、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの水同伴剤を使用することが可能である。
また、エステル化反応時に原料、生成エステル及び有機溶媒(水同伴剤)の酸化劣化により酸化物、過酸化物、カルボニル化合物などの含酸素有機化合物を生成すると耐熱性、耐候性等に悪影響を与えるため、系内を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下又は不活性ガス気流下で、常圧ないし減圧下にて反応を行うことが望ましい。エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧下または常圧下にて留去することが推奨される。
上記エステル化方法により得られた本エステルは、引き続き、必要に応じて塩基処理(中和処理)→水洗処理、液液抽出、蒸留(減圧、脱水処理)、吸着精製等により精製してもよい。
塩基処理に用いる塩基としては、塩基性の化合物であれば特に制約はなく、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが例示される。
吸着精製に用いる吸着剤としては、活性炭、活性白土、活性アルミナ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、シリカアルミナ、ゼオライト、マグネシア、カルシア、珪藻土などが例示される。それらを1種で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
上記処理は、常温で行なっても良いが、40〜90℃程度に加温して行なうこともできる。
[エポキシ化反応]
本発明に係るエポキシ化反応とは、本エポキシ化合物を得るための上記本エステル中の不飽和結合のエポキシ化反応を意味し、通常、「有機合成化学、第23巻第7号、612〜619頁(1985)」等に記載されているよく知られたエポキシ化反応を用いて、容易に行うことができる。
例えば、(i)エポキシ化剤に過酢酸や過蟻酸の様な有機過酸を用いる方法や(ii)エポキシ化剤に過酸化水素を用いる方法などが挙げられる。
より具体的には、(i)の方法の場合、例えば、過酸化水素と無水酢酸または酢酸を硫酸のような強酸を触媒として反応させて得られた過酢酸を、本エステルに加え、20〜30℃で数時間攪拌した後、徐々に温度を上げていき、50〜60℃に到達した後、2〜3時間その温度を保持して反応を完結させることができる。上記有機過酸としては、上記以外にも、モノ過フタル酸、過メタクロル安息香酸、過トリフルオル酢酸なども使うことができる。
また、(ii)の方法の場合、例えば、蟻酸などの酸素キャリアーや硫酸などの強酸触媒の共存下、本エステルに反応させることによりエポキシ化することができる。より具体的には、過酸化水素1モルに対して、酢酸または蟻酸を0.5モル以下、触媒として硫酸を0.05モル以下の少量用いて、40〜70℃で2〜15時間その温度を保持して反応させることにより、容易に本エステルをエポキシ化させることができる。上記触媒としては、上記以外にも、燐酸、塩酸、硝酸、硼酸、またはその塩などがよく知られており、また、スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂や酸化アルミニウムなども有効である。
上記エポキシ化方法により得られた本エポキシ化合物は、引き続き、必要に応じて必要に応じて液液抽出、減圧蒸留、吸着精製等により精製してもよい。
吸着精製に用いる吸着剤としては、活性炭、活性白土、活性アルミナ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、シリカアルミナ、ゼオライト、マグネシア、カルシア、珪藻土などが例示される。それらを1種で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
上記処理は、常温で行なっても良いが、40〜100℃程度に加温して行なうこともできる。
<自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物>
本発明の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物は、上述した本エポキシ化合物を可塑剤として、または安定化剤として塩化ビニル系樹脂に配合することにより得られる。
[塩化ビニル系樹脂]
本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンの単独重合体及び塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンの共重合体であり、その製造方法は、従来公知の重合方法で行われる。例えば、汎用塩化ビニル樹脂の場合は、油溶性重合触媒の存在下に懸濁重合する方法などが挙げられる。また、塩化ビニルペースト樹脂では水性媒体中で水溶性重合触媒の存在下に乳化重合する方法などが挙げられる。これらの塩化ビニル系樹脂の重合度は、通常300から5000であり、好ましくは400〜3500、さらに好ましくは700〜3000である。この重合度が低すぎると耐熱性等が低下し、高すぎると成形加工性が低下する傾向がある。
共重合体の場合、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等の炭素数2〜30のα−オレフィン類、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類、マレイン酸及びそのエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル等のビニル化合物、ジアリルフタレート等の多官能性モノマー及びこれらの混合物と塩化ビニルモノマーとの共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩素化ポリエチレン、ブチルゴム、架橋アクリルゴム、ポリウレタン、ブタジエンースチレンーメチルメタクリレート共重合体(MBS)、ブタジエンーアクリロニトリルー(α−メチル)スチレン共重合体(ABS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート及びこれらの混合物へ塩化ビニルモノマーをグラフトしたグラフト共重合体等が例示される。
[自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物]
本発明に係る自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物における本エポキシ化合物の含有量としては、その用途に応じて適宜選択されるが、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部であり、より好ましくは5〜150重量部である。本エポキシ化合物は、その配合量に関わらず、可塑剤としても効果も有し、かつ安定化剤としての効果も有するものであるが、より具体的には、可塑剤としての効果を望む場合は、好ましくは20〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部であり、主として安定化剤としての効果を望む場合は、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部である。
塩化ビニル系樹脂100重量部に対する含有量が1重量部以上であれば、本エポキシ化合物の安定化剤としての効果を十分に発揮することができ、また、200重量部以下であれば、成形品表面へのブリード等の懸念もなく安心して使用することができる。
また、可塑剤としての効果を望む場合は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する含有量が20重量部以上であれば、使用目的に応じた十分な柔軟性を得ることができる。
更に、主として安定化剤としての効果(安定化効果)を望む場合は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する含有量が1重量部以上であれば、十分な安定化効果、特に長期的な安定化効果が得られる。また、その含有量が30重量部以下であれば、可塑剤としての効果よりも安定化効果が支配的となるので、柔らかくなることもなく、本来目的とする使用用途において目標とする硬度を保持することも可能である。
本発明に係る自動車内装材用塩化ビニル系樹脂組成物には、本エポキシ化合物と共に他の公知の可塑剤や安定化剤を併用することができ、可塑化効果や安定化効果の観点からは推奨される。また、安定化効果の観点から、必要に応じて、安定化助剤、酸化防止剤(老化防止剤)、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン等の光安定剤を併用することも推奨される。さらに使用用途に応じて、難燃剤、着色剤、加工助剤、充填剤、滑剤或いは帯電防止剤等の添加剤を適宜配合して使用されることが多い。
上記本エポキシ化合物以外の他の可塑剤や安定化剤、その他の添加剤は、1種でまたは2種以上組み合わせて本エポキシ化合物と共に配合されていてもよい。
本エポキシ化合物と併用することができる他の可塑剤としては、本技術分野で従来から使用されている公知の可塑剤が使用でき、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート等の安息香酸エステル類、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOTP)、イソフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOIP)等のフタル酸エステル類、4−シクロヘキセン−1, 2−ジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOTH)等のテトラヒドロフタル酸エステル類、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)、セバシン酸ジイソノニル(DINS)等の脂肪族二塩基酸エステル類、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(TOTM)、トリメリット酸トリイソノニル(TINTM)、トリメリット酸トリイソデシル(TIDTM)、90%以上の炭素数9の飽和脂肪族アルコールを含み、かつ直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率が50〜99%である飽和脂肪族アルコールのトリメリット酸トリエステル(トリメリット酸トリノニル(分岐及び直鎖)、以下、「TL9TM」という)等のトリメリット酸エステル類、ピロメリット酸テトラ−2−エチルヘキシル(TOPM)等のピロメリット酸エステル類、リン酸トリ−2−エチルヘキシル(TOP)、リン酸トリクレジル(TCP)等のリン酸エステル類、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのアルキルエステル類、アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとのポリエステル化によって合成された分子量800〜4000のポリエステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化エステル類、DINCH等の脂環式二塩基酸エステル類、ジカプリン酸−1,4−ブタンジオール等の脂肪酸グリコールエステル類、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、アセチルクエン酸トリヘキシル(ATHC)、アセチルクエン酸トリエチルヘキシル(ATEHC)、ブチリルクエン酸トリヘキシル(BTHC)等のクエン酸エステル類、イソソルビドジエステル類、パラフィンワックスやn−パラフィンを塩素化した塩素化パラフィン類、塩素化ステアリン酸エステル等の塩素化脂肪酸エステル類、オレイン酸ブチル等の高級脂肪酸エステル類等が例示される。上記併用できる他の可塑剤を配合する場合、その配合量は、本発明に係る可塑剤の効果を損なわない範囲で適宜選択され、通常、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、1〜100重量部程度が推奨される。
中でも、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類等の芳香族多価カルボン酸エステル類、脂環式二塩基酸エステル類等の脂環族多価カルボン酸エステル類、ポリエステル類、ポリエーテル類等が好ましい可塑剤として例示され、更に、フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、シクロヘキサンジカルボン酸エステル類が、特に好ましい可塑剤として例示される。前記特に好ましい可塑剤の具体的な例としては、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジ(2−プロピルヘプチル)(DPHP)、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジアルキル(C9〜C11)(PL−200)、フタル酸ジアルキル(C10〜C12)(ビニサイザー124)、フタル酸ジトリデシル(ビニサイザー20)、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(TOTM)、トリメリット酸トリノルマルオクチル(トリメックス New NSK)、トリメリット酸トリイソノニル(TINTM)、トリメリット酸トリイソデシル(TIDTM)、トリメリット酸トリノルマルアルキル(C8,C10)(トリメックスN−08)、90%以上の炭素数9の脂肪族飽和アルコールを含み、かつ直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率が50〜99%である飽和脂肪族アルコールのトリメリット酸トリエステル(トリメリット酸トリノニル(分岐及び直鎖)、TL9TM)などが挙げられる。
上記可塑剤を併用する場合、その含有量は、使用する用途において要求される硬度に応じて適宜選択されるが、通常、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部程度が推奨される。
なお、本発明に係る本エポキシ化合物と可塑剤は、別々に塩化ビニル系樹脂に加えても良いが、予め混合した後に、塩化ビニル系樹脂に加える方法がより好ましい。予め混合することにより、樹脂との相溶性の良くない、即ち可塑化効率の良くない可塑剤の樹脂への相溶化、即ち可塑化効率の向上の効果、本エポキシ化合物を安定化剤として使用した場合には、その含有量が少量でも、樹脂中での均一性が保持でき、その結果安定化効果のむらの防止の効果、などが得られやすくなる。
本エポキシ化合物と併用することのできる安定化剤としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸バリウム、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の金属を含む有機酸化合物等の金属石鹸化合物、ステアリン酸バリウム−亜鉛、ラウリン酸バリウム−亜鉛、リシノール酸バリウム−亜鉛、オクチル酸バリウム−亜鉛、ステアリン酸カルシウム−亜鉛、ラウリン酸カルシウム−亜鉛、リシノール酸カルシウム−亜鉛、オクチル酸カルシウム−亜鉛等の複合金属を含む有機酸化合物等の金属石鹸化合物、ジメチルスズビス−2−エチルヘキシルチオグリコレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズビスブチルマレエート、ジブチルスズジラウレート等の有機錫系化合物、アンチモンメルカプタイド化合物、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ樹脂等の本エポキシ化合物以外のエポキシ化合物類等が例示される。中でも、上記金属石鹸化合物の併用は、相乗効果により本エポキシ化合物の安定化効果を増幅する効果を示し、特に好ましい。上記併用できる他の安定化剤を配合する場合、その配合量は、本発明に係る安定化剤の効果を損なわない範囲で適宜選択され、通常、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部程度が推奨される。
また、以下に示す様な安定化助剤を併用することも、本エポキシ化合物の効果をより効果的にする方法として有効である。その安定化助剤としては、トリフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリデシルフォスファイト等のホスファイト系化合物、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等のベータジケトン化合物、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等のポリオール化合物、過塩素酸バリウム塩、過塩素酸ナトリウム塩等の過塩素酸塩化合物、ハイドロタルサイト化合物、ゼオライトなどが例示される。安定化助剤を配合する場合、その配合量は、本発明に係る安定化剤の効果を損なわない範囲で適宜選択され、通常、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部程度が推奨される。
また、酸化防止剤、紫外線吸収剤酸化防止剤や光安定剤などを併用することも、本エポキシ化合物の効果をより効果的にする方法として有効である。酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのフェノール系化合物、アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾールなどの硫黄系化合物、トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン酸系化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛などの有機金属系化合物などが例示される。また酸化防止剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する酸化防止剤の配合量は0.2〜20重量部程度が推奨される。
紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレートなどのサリシレート系化合物、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−ジオクチルアミノメチルベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物の他、シアノアクリレート系化合物などが例示される。紫外線吸収剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する紫外線吸収剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
ヒンダードアミン系の光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート(混合物)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル及び1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸のエステル混合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、N,N' ,N'' ,N''' −テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が例示される。光安定剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する光安定剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等の無機系化合物、クレジルジフェニルホスフェート、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート等のリン系化合物、塩素化パラフィン等のハロゲン系化合物等が例示される。難燃剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する難燃剤の配合量は0.1〜20重量部程度が推奨される。
着色剤としては、カーボンブラック、硫化鉛、ホワイトカーボン、チタン白、リトポン、べにがら、硫化アンチモン、クロム黄、クロム緑、コバルト青、モリブデン橙などが例示される。着色剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する着色剤の配合量は1〜100重量部程度が推奨される。
加工助剤としては、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、ブチルステアエレート、ステアリン酸カルシウムなどが例示される。加工助剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する加工助剤の配合量は0.1〜20重量部程度が推奨される。
充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、珪藻土、フェライト、などの金属酸化物、ガラス、炭素、金属などの繊維及び粉末、ガラス球、グラファイト、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウムなどが例示される。充填剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する充填剤の配合量は1〜100重量部程度が推奨される。
滑剤としては、シリコーン、流動パラフィン、バラフィンワックス、ステアリン酸金属やラウリン酸金属塩などの脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド類、脂肪酸ワックス、高級脂肪酸ワックス等が例示される。滑剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する滑剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
帯電防止剤としては、アルキルスルホネート型、アルキルエーテルカルボン酸型又はジアルキルスルホサクシネート型のアニオン性帯電防止剤、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタン誘導体、ジエタノールアミン誘導体などのノニオン性帯電防止剤、アルキルアミドアミン型、アルキルジメチルベンジル型などの第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム型の有機酸塩又は塩酸塩などのカチオン性帯電防止剤、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型などの両性帯電防止剤などが例示される。帯電防止剤を配合する場合、塩化ビニル系樹脂100重量部に対する帯電防止剤の配合量は0.1〜10重量部程度が推奨される。
本発明の自動車内装材用塩化ビニル系樹脂組成物は、本エポキシ化合物、塩化ビニル系樹脂及び必要に応じて各種添加剤を例えばモルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、リボンブレンダー等の攪拌機により攪拌混合を行い、自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物の混合粉とすることができる。
また、本エポキシ化合物、塩化ビニル系樹脂及び必要に応じて各種添加剤を、例えばコニカル二軸押出機、パラレル二軸押出機、単軸押出機、コニーダー型混練機、ロール混練機等の混練機により溶融成形することによりペレット状の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物を得ることもできる。
また、本エポキシ化合物、塩化ビニル系ペースト樹脂及び必要に応じて各種添加剤を、例えばポニーミキサー、バタフライミキサー、プラネタリミキサー、リボンブレンダー、ニーダー、ディゾルバー、二軸ミキサー、ヘンシェルミキサー、三本ロールミル等の混合機により均一に混合し、必要に応じて減圧下で脱泡処理し、ペースト状の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物を得ることもできる。
[自動車内装材]
本発明に係る自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物(配合粉状やペレット状)を、真空成型、圧縮成形、押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形、ブロー成形、粉体成形等の従来公知の方法を用いて溶融成形加工することにより、所望の形状の自動車内装材に成形することができる。
一方、上記ペースト状の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物は、スプレッド成形、ディッピング成形、グラビア成形、スラッシュ成形、スクリーン加工等の従来公知の方法を用いて成形加工することにより、所望の形状の自動車内装材に成形することができる。
かくして得られた自動車内装材は、インストルパネル、ドアトリム、トランクトリム、座席シート、ピラーカバー、天井材、リアトレイ、コンソールボックス、エアバッグカバー、アームレスト、ヘッドレスト、メーターカバー、クラッシュパッド、フロアカーペット等の自動車内装材として好適に使用することができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例や比較例中の化合物の略号、及び各特性の測定は以下の通りである。
(1)アルキル基の炭素数と直鎖状アルキル基の比率
本発明の実施例及び比較例で用いる可塑剤中のアルキル基の炭素数と直鎖状アルキル基の比率は、その製造に用いた原料アルコール中の組成をガスクロマトグラフィー(以下GCと略記)によって測定し、その結果を可塑剤中のアルキル基の炭素数と直鎖状アルキル基の比率とした。前記GCによる原料アルコールの測定方法は次のとおりである。
《GCの測定条件》
機種:ガスクロマトグラフ GC−17A(島津製作所製)
検出器:FID
カラム:キャピラリーカラム ZB−1 30m
カラム温度:60℃から290℃まで昇温。昇温速度=13℃/分
キャリアガス:ヘリウム
試料:50%アセトン溶液
注入量:1μl
定量:安息香酸n−プロピルを内部標準物質として用い定量した。
前記内部標準物質の選定に当たっては、原料アルコールに安息香酸n−プロピルがGCで検出限界以下であったことを予め確認した。
なお、上述のエステル化反応において、本発明の範囲内では原料アルコールの構造による反応性に差異はなく、用いた原料アルコール中の組成比と本エステル並びに本エポキシ化合物中のアルキル基の組成比に差異がないことは、予め確認している。
(2)本エステル及び本エポキシ化合物の物性評価
下記の製造例で得られたエステル及びエポキシ化合物は次の方法で分析を行った。
エステル価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
酸価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
ヨウ素価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
オキシラン酸素:基準油脂分析試験法 2.3.7.1-2013「オキシラン酸素定量方法(その1)」に準拠して測定した。
色相:JIS K−0071(1998)に準拠して測定して、ハーゼン単位色数を求めた。
(3)塩化ビニルシートの作製
塩化ビニル樹脂(ストレート、重合度1050、商品名「Zest1000Z」、新第一塩ビ(株)製)100重量部に、本発明以外の安定化剤として、カルシウムステアレート(ナカライテスク(株)製)及びジンクステアレート(ナカライテスク(株)製)を各々0.3及び0.2重量部を配合し、モルタルミキサーで攪拌混合して、塩化ビニル系樹脂組成物とした。また、モルタルミキサーでの攪拌混合後、本発明に係るエポキシ化合物を表1に記載の所定量加え、均一になるまでハンドリング混合し、塩化ビニル系樹脂組成物とした。この樹脂組成物を5×12インチの二本ロールを用いて160〜166℃で4分間溶融混練しロールシートを作製した。続いて162〜168℃×10分間プレス成形を行い、厚さ約1mmのプレスシートを作製した。
[樹脂の物性評価]
(4)引張特性:JIS K−6723(1995)に準拠し、プレスシートの100%モジュラス、破断強度、破断伸びを測定した。100%モジュラスの値が小さいほど柔軟性が良好であることを示し、破断強度、破断伸びはその材料の実用的な強度の目安であり、一般的にはその値が大きいほど実用的な強度に優れると言うことができる。
(5)耐寒性:クラッシュベルグ試験機を用いて、JIS K−6773(1999)に準拠して、プレスシートの柔軟温度(℃)を測定した。柔軟温度(℃)が低いほど耐寒性に優れる。ここで言う柔軟温度とは、前記測定において所定のねじり剛性率(3.17×103kg/cm2)を示す低温限界の温度を指す。
(6)耐熱性(揮発性、着色性):加熱後の揮発減量及びシート着色の評価による。
a)揮発減量:ギヤーオーブン中、ロールシートを170℃で60分、120分加熱した後のシートの重量変化を測定し、下記の式に従って揮発減量(%)を算出した。
揮発減量の数値が小さいほど、耐熱性が高い。
揮発減量(%)=((試験前の重量―試験後の重量)/試験前の重量)×100
b)シート着色 :ギヤーオーブン中、ロールシートを170℃で30分、60分間加熱した後の着色度の強弱を目視により6段階で評価した。
◎:着色なし、 ○:僅かに着色、 ○△:少し着色、
△:着色、 ×:強い着色、 ××:著しい着色
(7)耐フォギング性
プレスシート4gをガラス製サンプル瓶に入れ、100℃に温度調節したフォギング試験機にセットした。さらに、上記サンプル瓶にガラス板の蓋をした後、その上に20℃に温度調節した冷却水を通水した冷却板を載せ、100℃で3時間熱処理を実施した。熱処理後、ガラス板表面の曇り具合を目視にて観察し4段階で評価し、またヘイズメーター(東洋精機製作所製:ヘイズガードII)を用いて前記ガラス板の曇り度(Haze)(%)を測定した。Haze値が小さいほど、耐フォギング性に優れる。
[目視観察による4段階評価]
◎:全く曇りがなく、ガラス板の向こうの視界に影響はなかった
○:僅かに曇りが生じたが、ガラス板の向こうの視界に影響があるほどではなかった
△:明らかに曇りが生じ、ガラス板の向こうの視界に僅かに影響が生じた
×:ガラス板表面の曇り具合がきつく、ガラス板の向こうの視界が低下した
(8)耐熱老化性:JIS K−6723(1995)に準拠し、100℃で120時間の加熱条件で加熱後引張試験を行った。結果は常態に対する試験後のプレスシートの100%モジュラス残率(%)および破断伸び残率(%)で示した。数値が100%に近いほど、耐熱老化性に優れる。
100%モジュラス残率=(加熱後引張試験のプレスシートの100%モジュラス)/(加熱前引張試験のプレスシートの100%モジュラス)×100
破断伸び残率=(加熱後引張試験のプレスシートの破断伸び)/(加熱前引張試験のプレスシートの破断伸び)×100
(9)耐光性:キセノンウェザーメーター(スガ試験機(株))による照射200時間の試験後のイエローインデックス(YI)を測定した。
[製造例1]
エステル化反応
温度計、デカンター、攪拌羽、還流冷却管を備えた2L四ツ口フラスコに、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物182.6g(1.2モル,新日本理化(株)製:リカシッドTH)、炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコール重量85.1%と炭素数9の分岐鎖状の飽和族飽和アルコール重量11.7%を含む飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9、直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率:87%)416g(2.9モル)、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.24gを加え、反応温度を200℃としてエステル化反応を実施した。減圧下アルコールを還流させて生成水を系外へ除去しながら、反応溶液の酸価が0.5mgKOH/gになるまで反応を行った。反応終了後、未反応アルコールを減圧下で系外へ留去した後、常法に従って中和、水洗、脱水して目的とする4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「エステル1」という。)449gを得た。
得られたエステル1は、エステル価:254mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、色相:15であった。
エポキシ化反応
次に、上温度計、攪拌羽、冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、上記エステル化反応で得られたエステル1を423g(1.0モル)仕込み、60〜70℃に昇温した。昇温後、60%過酸化水素水76.6g(1.35モル)、76%蟻酸18.3g(0.30モル)、及び75%燐酸1.47g(0.01モル)を2時間15分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に4時間上記温度を保持し、熟成して反応を完了した。反応終了後、水相を系外へ除去した後、常法に従って、水洗、脱水して目的とする4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ1」という。)397gを得た。
得られたエポキシ1は、エステル価:256mgKOH/g、酸価:0.06mgKOH/g、ヨウ素価:2.5gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色相:10であった。
[製造例2]
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、炭素数9/10/11の比率が19/43/38であり、直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率が84%である炭素数9〜11の混合飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:ネオドール911、)400g(2.5モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ2」という。)404gを得た。
得られたエポキシ2は、エステル価:242mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:1.9gI2/100g、オキシラン酸素:3.1%、色相:10であった。
[製造例3]
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、n−ノニルアルコール198g(1.4モル)とイソノニルアルコール162g(1.1モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ3」という。)390gを得た。なお、直鎖状の飽和脂肪族アルコールの比率は60%であった。
得られたエポキシ3は、エステル価:256mgKOH/g、酸価:0.05mgKOH/g、ヨウ素価:2.5gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色相:10であった。
[製造例4]
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、2−エチルヘキサノール374g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ4」という。)390gを得た。
得られたエポキシ4は、エステル価:273mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:3.3gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色相:10であった。
[製造例5]
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、イソノニルアルコール416g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ5」という。)379gを得た。
得られたエポキシ5は、エステル価:255mgKOH/g、酸価:0.05mgKOH/g、ヨウ素価:1.6gI2/100g、オキシラン酸素:3.4%、色相:10であった。
[製造例6]
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、イソデシルアルコール459g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ6」という。)410gを得た。
得られたエポキシ6は、エステル価:239mgKOH/g、酸価:0.05mgKOH/g、ヨウ素価:2.0gI2/100g、オキシラン酸素:3.1%、色相:10であった。
[実施例1]
上記「(3)塩化ビニルシートの作製」に記載した方法に従って、製造例1で得られたエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(エポキシ1)を表1に記載の所定量用いて塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[実施例2]
エポキシの代わりにエポキシ2を用いた以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[実施例3]
エポキシ1の代わりにエポキシ3を用いた以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[実施例4]
エポキシ1の配合量を10部に減らし、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(hexamoll DINCH、BASF社製)を40部用いた以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[実施例5]
エポキシ2の配合量を10部に減らし、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(hexamoll DINCH、BASF社製)を40部用いた以外は実施例2と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[実施例6]
エポキシ1の配合量を10部に減らし、トリメリット酸トリ2?エチルヘキシル(TOTM)を40部用いた以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[比較例1]
エポキシ1の代わりにエポキシ4を用いた以外は実施例1と同様に実施して、本発明外の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[比較例2]
エポキシ1の代わりにエポキシ5を用いた以外は実施例1と同様に実施して、本発明外の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[比較例3]
エポキシ1の代わりにエポキシ6を用いた以外は実施例1と同様に実施して、本発明外の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[比較例4]
エポキシ1の代わりに1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(hexamoll DINCH、BASF社製)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、本発明外の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[比較例5]
エポキシ1の代わりに市販のトリメリット酸トリ2?エチルヘキシル(TOTM)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、本発明外の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
[比較例6]
エポキシ1の代わりに市販のフタル酸ジイソノニル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDINP)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、本発明外の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験、耐光性試験及び耐フォギング試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
表1の結果より、本発明の4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(実施例1〜3)を可塑剤として用いることにより、現在広く使われているDINCH(比較例5)やDINP(比較例7)を用いた場合と比較して、同等の成形加工性、柔軟性及び耐寒性を保持しつつ、耐熱性、特に着色性を大きく改善できることがわかる。更に、耐熱用可塑剤としてよく使われているトリメリット酸エステル(比較例6)と比較しても、耐フォギング性に有意差はなく、耐熱性、特に着色性が大きく向上されており、優れた成形加工性、柔軟性、耐寒性を考慮すると自動車内装材としてのその有用性は明らかである。また、表1の結果より、本発明の4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(実施例1〜3)を可塑剤として用いることにより、従来の4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(比較例1)を用いた場合と比較して、同等の成形加工性や柔軟性を保持しつつ、耐寒性及び耐熱性が大きく改善されていることがわかる。更に、実施例4〜6の結果より、現在広く使われているDINCHやTOTMに本発明の4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを加えることにより、耐熱性、特に着色性を大きく改善できることがわかる。以上の結果より、本発明に係るエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含む自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物は、より厳しい環境下で使用する寒冷地仕様や海外仕様の自動車に使われる内装材などに特に有用であることがわかる。
本発明の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物は、樹脂との相溶性に優れ、樹脂と混合しやすく、耐寒性、耐揮発性、特に耐フォギング性の改良された自動車内装用可塑剤又は安定化剤を含む、耐寒性、耐揮発性、特に耐フォギング性の改良された、耐光性、耐熱老化性に優れる自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物であり、その自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物よりなる自動車内装材は、炎天下等の過酷な条件下でも耐光性、耐熱老化性に優れており、物性低下や着色等の問題がなく安定した品質を保持し、かつ寒冷地で使用時の亀裂や炎天下等の高温下におけるフォギング等の問題もなく使用することのできる自動車内装材、例えば、インストルパネル、ドアトリム、トランクトリム、座席シート、ピラーカバー、天井材、リアトレイ、コンソールボックス、エアバッグカバー、アームレスト、ヘッドレスト、メーターカバー、クラッシュパッド、フロアカーペット等として非常に有用である。

Claims (7)

  1. 塩化ビニル系樹脂及びエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルが、下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなり、かつジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が55〜95%であることを特徴とする自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
    (式中、R及びRは同一又は異なって、炭素数9〜11の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
  2. 前記アルキル基が、炭素数9〜11のアルキル基から構成され、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である請求項1に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 前記アルキル基が、90%以上の炭素数9のアルキル基を含む請求項1に記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 前記アルキル基中の直鎖状のアルキル基の比率が、60〜95%である請求項1〜3の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 前記エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルの含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1〜200重量部である請求項1〜4の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の自動車内装用塩化ビニル系樹脂組成物からなる自動車内装材。
  7. 下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなり、かつジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が55〜95%であることを特徴とする自動車内装材用塩化ビニル系樹脂用可塑剤。
    (式中、R及びRは同一又は異なって、炭素数9〜11の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
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