JP6792140B2 - 塩素含有樹脂用安定化剤及び該安定化剤を含む安定化された塩素含有樹脂組成物 - Google Patents
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Description
必要に応じて触媒の存在下で4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物と炭素数7〜13の飽和脂肪族アルコールを、必要に応じて不活性ガスの雰囲気下若しくは気流下で、エステル化する工程、及びエステル化して得られた4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルをエポキシ化剤の存在下でエポキシ化する工程を具備する、4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルの製造方法。
本発明の塩素含有樹脂用安定化剤は、下記一般式(1)で示される特定の構造を有するエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルからなることを特徴とする。
上記のエステル化反応又はエステル交換反応に用いられる飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールであり、好ましく炭素数8〜12、より好ましくは9〜11の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールであり、特に好ましくは、(i)炭素数9の飽和脂肪族アルコールを90重量%以上、より好ましくは95%重量以上含む直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール、又は(ii)主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールからなり、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である飽和脂肪族アルコールである。なお、上記「主として」とは、飽和脂肪族アルコール全体に占める炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールの比率が90%以上、好ましくは95%以上を意味する。当該飽和脂肪族アルコールは、前記一般式(1)で示されるエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを構成する飽和脂肪族アルキル基となる原料アルコールであり、即ち前記説明は該アルキル基の説明と同義となる。
本発明に係るエステル化反応とは、本エポキシ化合物を得るためのエポキシ化反応の原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(本エステル)を得るための上記アルコールと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物とのエステル化反応を意味し、そのエステル化反応を行うに際し、該アルコールは、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物1モルに対して、好ましくは2.00モル〜5.00モル、より好ましくは2.01モル〜3.00モル、特に2.02モル〜2.50モルを使用することが推奨される。
本発明に係るエポキシ化反応とは、本エポキシ化合物を得るための上記本エステル中のシクロヘキセン環上の不飽和結合のエポキシ化反応を意味し、通常、「有機合成化学、第23巻第7号、612〜619頁(1985)」等に記載されているよく知られたエポキシ化反応を用いて、容易に行うことができる。
例えば、(i)エポキシ化剤に過酢酸や過蟻酸の様な有機過酸を用いる方法や(ii)エポキシ化剤に過酸化水素を用いる方法などが挙げられる。
本発明の安定化された塩素含有樹脂組成物は、上述した本エポキシ化合物を安定化剤として塩素含有樹脂に配合することによる得られる。
本発明で用いられる塩素含有樹脂とは、その構造中に塩素を含む樹脂であれば、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレンや塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィン、塩素化ポリ塩化ビニルなどの単独重合体、更に、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化アリル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、及び塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体などの共重合体等が挙げられる。
本発明に係る安定化された塩素含有樹脂組成物における本エポキシ化合物の含有量としては、配合する樹脂の種類や使用される用途によって適宜選択されるが、塩素含有樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部であり、より好ましくは1重量部以上、20重量部未満、特に好ましくは5重量部以上、20重量部未満である。その含有量が1重量部以上であれば、より優位な安定化効果を得ることが可能であり、特に長期的な安定化効果の面で有利であり、含有量が30重量部以下であれば、どの様な使用環境でも成形品表面へのブリードの問題、積層樹脂や接触するオイル等への移行の問題、更には揮発によりフォギング等の様々な問題が生じる懸念が少なく、好ましい。
本発明に係る塩素含有樹脂組成物(配合粉状やペレット状)を、真空成型、圧縮成形、押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形、ブロー成形、粉体成形等の従来公知の方法を用いて溶融成形加工することにより、所望の形状に成形することができる。
本発明の実施例及び比較例で用いる可塑剤中のアルキル基の炭素数と直鎖状アルキル基の比率は、その製造に用いた原料アルコール中の組成をガスクロマトグラフィー(以下GCと略記)によって測定し、その結果を可塑剤中のアルキル基の炭素数と直鎖状アルキル基の比率とした。前記GCによる原料アルコールの測定方法は次のとおりである。
《GCの測定条件》
機種:ガスクロマトグラフ GC−17A(島津製作所製)
検出器:FID
カラム:キャピラリーカラム ZB−1 30m
カラム温度:60℃から290℃まで昇温。昇温速度=13℃/分
キャリアガス:ヘリウム
試料:50%アセトン溶液
注入量:1μl
定量:安息香酸n−プロピルを内部標準物質として用い定量した。
前記内部標準物質の選定に当たっては、原料アルコール中の安息香酸n−プロピルがGCで検出限界以下であることを予め確認している。
なお、上述のエステル化反応において、本発明の範囲内では原料アルコールの構造による反応性に差異はなく、用いた原料アルコール中の組成比と本エステル並びに本エポキシ中のアルキル基の組成比に差異がないことは、予め確認している。
下記の製造例で得られたエステル及びエポキシ化合物は次の方法で分析を行った。
エステル価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
酸価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
ヨウ素価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
オキシラン酸素:基準油脂分析試験法 2.3.7.1-2013「オキシラン酸素定量方法(その1)」に準拠して測定した。
色相:JIS K−0071(1998)に準拠して測定して、ハーゼン単位色数を求めた。
[方法1:硬質及び半硬質塩化ビニルシート]
塩化ビニル樹脂(ストレート、重合度1050、商品名「Zest1000Z」、新第一塩ビ(株)製)100重量部に、本発明に係る安定化剤を表1に記載の所定量配合し、更に本発明以外の安定化剤として、カルシウム−亜鉛系複合安定剤3.0重量部配合し、モルタルミキサーで攪拌混合して、塩化ビニル系樹脂組成物とした。この樹脂組成物を5×12インチの二本ロールを用いて170〜176℃で4分間溶融混練しロールシートを作製した。続いて172〜178℃×10分間プレス成形を行い、厚さ約0.5mmのプレスシートを作製した。
塩化ビニル樹脂(ストレート、重合度1050、商品名「Zest1000Z」、新第一塩ビ(株)製)100重量部に、本発明に係る安定化剤を表2に記載の所定量配合し、更に本発明以外の安定化剤として、カルシウムステアレート(ナカライテスク(株)製)及びジンクステアレート(ナカライテスク(株)製)を各々0.3及び0.2重量部配合し、モルタルミキサーで攪拌混合して、塩化ビニル系樹脂組成物とした。続いて、モルタルミキサーでの攪拌混合後、更に可塑剤30重量部を加え、均一になるまでハンドリング混合し、軟質塩化ビニル系樹脂組成物とした。この樹脂組成物を5×12インチの二本ロールを用いて160〜166℃で4分間溶融混練しロールシートを作製した。続いて162〜168℃×10分間プレス成形を行い、厚さ約1mmのプレスシートを作製した。
(4)引張特性:JIS K−6723(1995)に準拠し、プレスシートの弾性率又は100%モジュラスと破断強度及び破断伸びを測定した。弾性率又は100%モジュラスの値が小さいほど柔軟性が良好であることを示し、破断強度及び破断伸びはその材料の実用的な強度の目安であり、一般的にはその値が大きいほど実用的な強度に優れると言うことができる。
a)揮発減量:ギヤーオーブン中、ロールシートを170℃で30分、60分加熱した後のシートの重量変化を測定し、下記の式に従って揮発減量(%)を算出した。
揮発減量の数値が小さいほど、耐熱性に優れ、安定化剤としての効果の低下が少ないと言うことができる。
揮発減量(%)=((試験前の重量―試験後の重量)/試験前の重量)×100
b)シート着色 :ギヤーオーブン中、ロールシートを170℃で30分、60分間加熱した後の着色度の強弱を目視により6段階で評価した。
なお、シート着色は、耐熱性の評価であるが、熱に対する安定化剤としての効果(安定化効果)の指標でもある。即ち、着色が少ないほど、加えた安定化剤が熱に対する安定化剤として有効に作用し、着色を抑制していると言える。
◎:着色なし、 ○:僅かに着色、 ○△:少し着色、
△:着色、 ×:強い着色、 ××:著しい着色
結果の値が100に近いほど、加熱後の物性変化が少なく、耐熱老化性に優れると言える。また、本試験は、耐熱性に試験であると同時に、熱に対する安定化剤としての効果(安定化効果)の指標でもある。即ち、結果の値が100に近いほど、加えた安定化剤が熱に対する安定化剤として有効に作用し、老化を抑制していると言える。
100%モジュラス残率(%)=(1−(加熱後の100%モジュラス―加熱前の100%モジュラス)/加熱前の100%モジュラス))×100
伸び残率(%)=(加熱後の破断伸び/加熱前の破断伸び)×100
Haze値が小さいほど、耐フォギング性に優れる。
キセノンウェザーメーター(スガ試験機(株))による照射200時間の試験後のプレスシートのイエローインデックス(YI)を測定した。試験は放射照度120 W/m2(300〜400nm)、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、照射・降雨18分→照射102分のサイクルの条件で実施した。
YI値が小さいほど、光による着色が少なく、耐候性に優れる。
エステル化反応
温度計、デカンター、攪拌羽、還流冷却管を備えた2L四ツ口フラスコに、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物182.6g(1.2モル,新日本理化(株)製:リカシッドTH)、炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコール重量85.1%と炭素数9の分岐鎖状の飽和族飽和アルコール重量11.7%を含む飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9、直鎖率(モル比)85%)416g(2.9モル)、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.24gを加え、反応温度を200℃としてエステル化反応を実施した。減圧下アルコールを還流させて生成水を系外へ除去しながら、反応溶液の酸価が0.5mgKOH/gになるまで反応を行った。反応終了後、未反応アルコールを減圧下で系外へ留去した後、常法に従って中和、水洗、脱水して目的とする4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「エステル1」という。)449gを得た。
得られたエステル1は、エステル価:262mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、色数:15であった。
次に、温度計、攪拌羽、冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、上記エステル化反応で得られたエステル1を423g(1.0モル)仕込み、60〜70℃に昇温した。昇温後、60%過酸化水素水76.6g(1.35モル)、76%蟻酸18.3g(0.30モル)、及び75%燐酸1.47g(0.01モル)を2.25時間かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に4時間上記温度を保持し、熟成して反応を完了した。反応終了後、水相を系外へ除去した後、常法に従って、水洗、脱水して目的とする4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ1」という。)397gを得た。
得られたエポキシ1は、エステル価:256mgKOH/g、酸価:0.06mgKOH/g、ヨウ素価:2.5gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色数:10であった。
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、炭素数9/10/11の比率(モル比)が18/42/38であり、全体の直鎖率が84%である炭素数9〜11の混合飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:ネオドール911)400g(2.5モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ2」という。)404gを得た。
得られたエポキシ2は、エステル価:242mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:1.9gI2/100g、オキシラン酸素:3.1%、色数:10であった。
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、2−エチルヘキサノール374g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ3」という。)390gを得た。
得られたエポキシ3は、エステル価:273mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:3.3gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色数:10であった。
上記「(3)塩化ビニルシートの作製」の[方法1:硬質及び半硬質塩化ビニルシート]に記載の方法に従って、19重量部のエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(エポキシ1)を安定化剤として用いて塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
なお、上記で作製した塩化ビニルシートは、1ヶ月間室温で放置してもブリード等の兆候は全く認められていない。
19重量部のエポキシ1の代わりに、10重量部のエポキシ2を安定化剤として用いた以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
なお、上記で作製した塩化ビニルシートは、1ヶ月間室温で放置してもブリード等の兆候は全く認められていない。
エポキシ1の配合量を19重量部から10重量部に変更した以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
なお、上記で作製した塩化ビニルシートは、1ヶ月間室温で放置してもブリード等の兆候は全く認められていない。
上記「(3)塩化ビニルシートの作製」の[方法2:軟質塩化ビニルシート]に記載の方法に従って、安定化剤として19重量部のエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(エポキシ1)を、可塑剤としてトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル(TOTM)30重量部を用いて塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表2に示した。
エポキシ1の代わりにエポキシ2を用いた以外は実施例4と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表2に示した。
TOTMの代わりに上記飽和脂肪族アルコール(リネボール9)のトリメリット酸トリエステル(TL9TM)を用いた以外は実施例4と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表2に示した。
エポキシ1を加えない以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1に代わりにエポキシ3を用いた以外は実施例1と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1を加えない以外は実施例4と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表2に示した。
エポキシ1に代わりにエポキシ3を用いた以外は実施例4と同様に実施して、塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐熱性試験、耐フォギング性試験及び耐候性試験を行なった。得られた結果をまとめて表2に示した。
Claims (17)
- 下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルからなり、かつ該ジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が50〜99%であることを特徴とする塩素含有樹脂用安定化剤。
- 前記アルキル基の炭素数が、8〜12である請求項1に記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 前記アルキル基が、主として炭素数9〜11のアルキル基から構成され、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である請求項1又は2に記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 前記アルキル基が、90%以上(モル比)の炭素数9のアルキル基を含む請求項1又は2に記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 前記アルキル基中の直鎖状のアルキル基の比率が、55〜95%である請求項1〜4の何れかに記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 前記アルキル基中の直鎖状のアルキル基の比率が、60〜95%である請求項5に記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 前記アルキル基中の直鎖状のアルキル基の比率が、70〜95%である請求項6に記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルが、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルをエポキシ化反応して得られたものである請求項1〜7の何れかに記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 前記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルが、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物と炭素数7〜13の飽和脂肪族アルコールをエステル化反応して得られたものであり、該飽和脂肪族アルコールが炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールを主成分とし、かつ該飽和脂肪族アルコールの直鎖率(モル比)が、50〜99%である請求項8に記載の塩素含有樹脂用安定化剤。
- 塩素含有樹脂100重量部に対して、請求項1〜9の何れかに記載の安定化剤の含有量が、1重量部以上、20重量部未満であることを特徴とする安定化された塩素含有樹脂組成物。
- 安定化剤の含有量が、塩素含有樹脂100重量部に対して、5重量部以上、20重量部未満である請求項10に記載の塩素含有樹脂組成物。
- 塩素含有樹脂が、塩化ビニル系樹脂である請求項10又は請求項11に記載の塩素含有樹脂組成物。
- 更に、可塑剤を含む請求項10〜12の何れかに記載の塩素含有樹脂組成物。
- 可塑剤の含有量が、塩素含有樹脂100重量部に対して、5〜150重量部である請求項13に記載の塩素含有樹脂組成物。
- 前記塩素含有樹脂用安定化剤と可塑剤を予め混合した後、塩素含有樹脂に加える方法により得られることを特徴とする、請求項13又は14に記載の塩素含有樹脂組成物の製造方法。
- 請求項10〜14の何れかに記載の塩素含有樹脂組成物から得られた塩素含有樹脂成形体。
- 下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステルから選ばれる少なくとも一種を塩素含有樹脂に含有させることにより、該塩素含有樹脂を安定化する方法であって、かつ該ジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が50〜99%である、塩素含有樹脂を安定化する方法。
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