JP6816893B2 - カーボンナノチューブ粒状物の製造方法 - Google Patents
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Description
CNTは、直径が数nm〜約200nmで、長さが0.1μm〜2000μm程度であり、アスペクト比が大きく、チューブ状構造の炭素の結晶である。その種類は多岐にわたり、単層構造を有するシングルウオールカーボンナノチューブ、多層構造を有するマルチウオールカーボンナノチューブ、さらにこのマルチウオールカーボンナノチューブの範疇に入る2層のダブルウオールカーボンナノチューブ等がある。また、両端が封鎖されているものから、片末端だけが封鎖されているもの、両末端とも開いているものがあり、また、丸め方の構造にもアームチャー型等いくつか種類がある。
CNTの製造方法も、アーク放電型、触媒気相製造法、レーザーアブレーション法やその他の方法があるが、最近は触媒気相製造法が主流となっている。
CNTの安全性について、IARC(国際がん研究機関)が2014年に発表した見解をみると殆どのCNTが「グループ3」(発がん性に分類できない)とされているが、今日においても一般ユーザーの間では、「だけどCNTは危険な素材である」との認識が強い。その理由の一つは、CNTの形状がアスベストと同様な繊維状を形成していることや、嵩密度が1〜5g/100mLと非常に低く、多量の空気を巻き込んでいるため飛散性が大で人への吸引リスクが大きいこと等が原因していると言われている。
大気中に浮遊する粉じんすなわち飛散する粉じんには、大きさが有り、健康面では、粒子の大きさにより体のどこまで入るかが問題となる。粒子径10〜20μmより大きい粒子は早期に落下(降下煤塵と呼ばれている)するのでそれ程問題にならない。一方で、10μm以下の粒子は、呼吸により気道や肺に容易に達し、そこで血液に入り込む物もあれば、肺胞に溜まって肺の機能を蝕む物もある。これを吸入性(レスピラブル)粉じんと呼び、環境基準として10μm以下の粒子が、1時間値の1日平均が0.10mg/m3以下で1時間値が0.2mg/m3以下であることと定めている。
本発明で言う飛散性とは、主に10μm以下の粒子からなる吸入性粉じんの飛散量を前提としている。
この課題を解決するため、特許文献1〜7に記載のようなCNTの造粒物の製造方法が提案されている。
(1)特許文献1または特許文献2に開示の技術においては、高速気流中で粉体を解砕し、さらに複合化する装置が用いられている。この装置の本来の用途は、粉体母粒子の表面に異種の粉体微粒子を高速気流で衝撃により付着させるというものである。そのため、一種類のCNTのみの造粒化は極めて困難であるだけでなく、もし出来たとしてもその造粒物の粒子径は200μm以下と非常に小さいものであり、ミリメートルオーダーの粒状化は困難と推定されている。このように、飛散性に伴う安全性、環境汚染性、およびハンドリング性等について課題を残している。
(2)さらに、バインダーを用いない通常の造粒物であっても、CNT粉末を用いる場合よりは、輸送時または充填時等での飛散性や環境汚染度を向上でき、さらに、合成樹脂、ゴム、またはビヒクル等への配合、混合および混練の作業性を格段に向上できる。しかしながら、昨今益々厳しくなってきている「ナノマテリアルに対するばく露防止等のための予防的対応」を満足するには、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量を加味した飛散性一つを取っても十分といえない。また、合成樹脂等への配合時の初期配合性または分散性も満足いくものではないという課題を有していた。
本発明のカーボンナノチューブ粒状物においては、前記カーボンナノチューブの繊維径が、0.3nm以上200nm以下であり、前記カーボンナノチューブの繊維長が、0.1μm以上2000μm以下であることが好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ粒状物においては、10μm以下の粒子からなる吸入性(レスピラブル)粉じん量が、0.2mg/m3以下であることが好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ粒状物においては、粒子径が、0.25mm以上4mm以下であり、粒子径が1mmの粒子の硬さが、10g以上25g以下であることが好ましい。
本発明の第二のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法は、合成系水溶性樹脂を水に溶解させて、樹脂バインダー水溶液を調製する工程と、200質量部以上5000質量部以下のカーボンナノチューブに、100質量部の前記合成系水溶性樹脂を含有する前記樹脂バインダー水溶液を少量ずつ添加しながら混合し、造粒して、造粒物を得る工程と、転動造粒機を用いて、前記造粒物を整粒して、整粒物を得る工程と、前記整粒物を乾燥して、カーボンナノチューブ粒状物を得る工程と、を備えることを特徴とする方法である。
[カーボンナノチューブ粒状物の製造方法]
まず、本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法について説明する。
本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法は、合成系水溶性樹脂を水に溶解させて、樹脂バインダー水溶液を調製する工程(水溶液調製工程)と、200質量部以上5000質量部以下のCNTに、100質量部の合成系水溶性樹脂を含有する樹脂バインダー水溶液を少量ずつ添加しながら混合し、造粒して、造粒物を得る工程(造粒工程)と、転動造粒機を用いて、造粒物を整粒して、整粒物を得る工程(整粒工程)と、整粒物を乾燥して、カーボンナノチューブ粒状物を得る工程(粒状物作製工程)と、を備えることを特徴とする方法である。
水溶液調製工程においては、合成系水溶性樹脂を水に溶解させて、樹脂バインダー水溶液を調製する。
本実施形態に用いる合成系水溶性樹脂とは、天然樹脂ではなく、化学合成により得られる樹脂であり、かつ、水に溶解する樹脂である。なお、植物由来の天然樹脂とは、松脂(ロジン)、漆、ダンマル、およびマスチック等である。また、動物由来の天然樹脂とは、セラック、ゼラチン、およびカゼイン等である。
合成系水溶性樹脂は、水溶性であるので、有機溶剤を用いずに、合成系水溶性樹脂の水溶液を用いて、CNTを造粒できる。また、合成系水溶性樹脂は性質も安定しているため、適度な硬さおよび粒子径と、高い嵩密度とを有し、かつ、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量を低減できるCNT粒状物を得られる。
得られるCNT粒状物における10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量を更に低減するという観点から、合成系水溶性樹脂のSP値は、12以上であることが好ましい。
合成系水溶性樹脂としては、ポリアクリルアミド(SP値14.2)、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール(SP値12.6)、ポリエチレンイミン、およびポリビニルピロリドン(SP値12.8)等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルピロリドンが特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水による合成系水溶性樹脂の希釈化率は、合成系水溶性樹脂の種類にもよるが、通常、0.1質量%以上10質量%以下であり、好ましくは、0.4質量%以上5質量%以下である。水で希釈した合成系水溶性樹脂の濃度(固形分)は、0.4質量%以上5質量%以下の場合、造粒過程でCNT凝集体内部に合成系水溶性樹脂が浸透、拡散しやすくなり、結果として合成系水溶性樹脂で均一にコーティングされた造粒物が得られる。0.4質量%よりも低濃度になるにつれ、CNT粒子間の接着力が弱くなる傾向がみられ、また、5質量%よりも高濃度になるにつれ、CNT凝集体内部に水性樹脂が浸透、拡散し難くなる傾向がみられるので、好ましくない。合成系水溶性樹脂の濃度が0.1質量%よりも低くなるか、または10質量%よりも濃くなるにつれ、これらの傾向が強くなるので好ましくない。
合成系水溶性樹脂は、可能な限り薄い濃度で添加することにより、CNTの空隙に水性樹脂がより浸透しやすくなり、CNT全体に均一コーティングが可能となる。
樹脂バインダー水溶液に界面活性剤を添加することにより、CNTに樹脂バインダー水溶液を浸透し易くすることができる。
造粒工程においては、200質量部以上5000質量部以下のCNTに、100質量部の合成系水溶性樹脂を含有する樹脂バインダー水溶液を少量ずつ添加しながら混合し、造粒して、造粒物を得る。
合成系水溶性樹脂に対するCNTの配合量を上記範囲内として、樹脂バインダー水溶液を少量ずつ添加することにより、以下の作用を得ることができる。
(1)CNTの凝集体の内部に合成系水溶性樹脂を効率的に浸透させ、適度な粒径と硬さを有する造粒物の造粒化を行うことができる。
(2)乾燥したCNTの造粒物の硬さを適度に保つことができ、取り扱い時の粉化や飛散性が低減でき、さらには、樹脂、インキ、塗料、または電池等に用いた際の分散性を好適なものにすることができる。
ここで、合成系水溶性樹脂(固形分換算)100質量部に対するCNTの配合量は、より好ましくは300質量部以上3000質量部以下である。300質量部より少なくなるにつれ造粒物が固くなり、分散性が悪くなる傾向があり、また、3000質量部を超えるにつれ取り扱い時の粉化や飛散量が多くなり、安全性の面でも好ましくないという傾向がある。また、CNTの配合量が200質量部より少ないか、または5000質量部より多いとこれらの傾向が著しいので好ましくない。
なお、停止状態にあるCNTに水性樹脂水溶液を添加した後、撹拌し造粒するというやり方では、CNTと水性樹脂のダマや団子ができ、所望の微粒造粒物は得られないことが分かった。
CNTの純度は、少なくとも80%以上の純度であることが望ましい。CNTを製造する際には、同時にフラーレンやグラファイト、非晶性炭素が副生成物として生じ、また、ニッケル、鉄、コバルト、イットリウムなどの触媒金属も残存する。これらの不純物を除去するために精製を行うことが好ましい。精製方法としては、特に限定されないが、硫酸、および硝酸等による酸化処理、ハロゲンガス処理、2000℃〜3000℃での熱処理、超音波処理等が挙げられる。併せてフイルターによる分離除去を行うことも純度を向上させる観点から好ましい。
CNTの平均繊維径および長さは、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。繊維径は、通常、0.3nm以上200nm以下であり、好ましくは1nm以上100nm以下である。繊維長は、通常、0.1μm以上2000μmであり、好ましくは1μm以上1000μm以下である。
繊維径としては、現代の技術で製造可能と思われる最小径は約0.3nmであるが、0.3nmより細くてもよい。また、繊維径が100nmよりも大きくなるにつれ電気的、機械的特性が低下する傾向があり、200nmよりも大きくなるとCBやカーボンナノファイバー等との優位性がなくなる傾向がある。
繊維長は、導電性、機械的特性、および分散性等に関係し、1μmよりも小さくなるにつれ、導電性や機械的特性が発現し難くなる傾向がみられる。また、繊維長が1000μmを超えるにつれ、繊維の絡み合いが強くなるため分散不良塊が多くなるだけでなく混練分散時に繊維の切断が多くなり好ましくない傾向がみられる。繊維長が0.1μmよりも小さいか、または2000μmを超えると、これらの傾向がさらに強いので好ましくない。
撹拌造粒に用いる機器としては、バッチ式と連続式に大別できバッチ式の代表としては、ヘンシェル型撹拌造粒機が、また、連続式としては、二軸スクリューの回転により造粒する二軸ピン式造粒機が挙げられる。
ヘンシェル型としては、(株)アーステクニカのハイスピードミキサーシリーズ、(株)テクノパウダルのSPGシリーズ、日本コークス工業(株)のFMミキサー、(株)カワタのSMBやSMシリーズ、または(株)パウレックスのVGシリーズ等が挙げられる。
また、二軸ピン式としては、(株)新日南のダウ・ペレタイザーが挙げられる。
小規模で製造する場合は、フードプロセッサーや家庭用ミキサー、または超小型のラボ用ヘンシェルミキサー等が好適である。
一方バッチ式の場合は、ヘンシェル型造粒機を例にとると、CNT粉末を造粒機に所定量挿入した後、300〜2500rpm、好ましくは500〜2000rpmで撹拌し、そこに水性樹脂溶液を少量ずつ可能な限り定量性を持って添加し、所望の粒度になったところを見計らい、取り出して乾燥し、造粒物が得られる。
一方、転動造粒機としては、パン型造粒機、ドラム型造粒機、水平振動パン型造粒機、振動撹拌型造粒機、または振動床型造粒機等がある。転動造粒機として最も多く使われているのは、パン型造粒機とドラム型造粒機である。また、これらの中でも構造がシンプルで、操作が簡単で、造粒状態を目視でき、またメンテナンスも容易である等の理由からパン型造粒機が好まれている。
整粒工程においては、転動造粒機を用いて、造粒物を整粒して、整粒物を得る。
このように、転動造粒機を用いて、造粒物を整粒することで、真球に近い球状造粒品を得ることができる。粉体から造粒品を得る際の転動造粒法の原理は、次の3段階に分けられる。
(1)一次粒子が数個または数十個が結合し核を形成する段階
(2)核を中心に他の粒子または核と衝突して、付着しながら大きくなる段階
(3)最後に大きくなった球状粒子は、更に転動して摩擦力と粒子自身の重力を受け、内部が緻密に、表面が滑らかになる整粒段階
しかしながら、CNTの場合は、粒子間の隙間がほとんど空気で充満されているため、嵩密度が極めて低い。例えば、Kumho社のk−nano100Pの嵩密度は、0.015g/mLである。この様に極端に嵩密度が低い粉体は、そのまま転動しても粒子核が形成されない。ここに水分を加え粒子表面に粘着性のある膜を形成し、周辺粒子との接触と粘着を強化することで、核を形成し造粒する方法が一般的である。ところが、CNTは、結晶子が発達し、さらに粒子表面に水と親和する官能基もほとんどないため、水を加えても水をハジキ、粘着剤の働きをしない。このため、CNTの造粒機として、パン型またはドラム型等を容器とする転動造粒法は、活用されてこなかった。
これに対し、本発明者は、予め湿式撹拌造粒機で通常より水分をやや少なめで製造した造粒品(造粒工程で得られる造粒物)を転動造粒機に移し、整粒することで表面が滑らかな球状造粒物を得られることを見出した。
整粒工程における造粒物の水分量は、造粒物100質量%に対して、好ましくは、20質量%以下であり、より好ましくは、1質量%以上10質量%以下である。
粒状物作製工程においては、整粒物を乾燥して、CNT粒状物を得る。
乾燥には、真空乾燥器または熱風乾燥器が用いられる。なお、溶剤を含有した造粒品の場合は、熱風乾燥器の使用は不可であるが、本実施形態では、溶剤を用いないので、熱風乾燥器を使用できる。
熱風乾燥器としては、振動/流動乾燥器、流動乾燥器、箱型乾燥器、およびドライヤー式乾燥器等が使用できる。一方、真空(減圧)乾燥器としては、真空棚段式乾燥器、減圧アウターミキサー型乾燥器、および箱型乾燥器等が使用できる。
乾燥温度としては、バインダーとして用いた樹脂が劣化しない温度が好ましいことから、合成系水溶性樹脂の種類により最適温度や最高温度が存在する。一般的には、乾燥温度は、40℃以上200℃以下であり、好ましくは、50℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは、60℃以上100℃以下である。また、乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常、1時間以上20時間以下であり、好ましくは、2時間以上10時間以下である。
次に、本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物について説明する。
本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物は、合成系水溶性樹脂と、CNTとを含有し、CNTの配合量が、合成系水溶性樹脂100質量部に対し、200質量部以上5000質量部以下であるものである。合成系水溶性樹脂に対するCNTの配合量を上記範囲内とすることで、前述した本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法における造粒工程で説明した作用と同様の作用が得られる。
本実施形態のCNT粒状物は、例えば、前述した本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法により、作製できる。
また、合成系水溶性樹脂およびCNTについては、前述した本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法で用いたものと同様である。
大気汚染防止法では、粒子状汚染物質の内、鼻またはのどに止まる吸引性(インハラブル)粉じん、のどを通り気管まで到達する咽頭通過性(ソラシック)粉じん、肺胞まで到達する吸入性(レスピラブル)粉じんと呼んでいる。特に、10μm以下のレスプラブル粉じん量に関しては、環境基準として、(i)1時間値の一日平均が0.1mg/m3以下であり、(ii)1時間値が0.2mg/m3以下であると定めている。
吸入性粉じん量は、例えば、図1に示す再発粉じん量測定装置により測定できる。図1に示す再発粉じん量測定装置10は、試料投入部1と、接続部2と、多段型分粒装置3、異径アダプタ用ろ紙ホルダ4と、接続チューブ5と、流量計6と、接続チューブ7と、ポンプ8とを備える。試料投入部1は、二連球11と、インピンジャー12とを備える。接続部2には、外気吸引口21が設けられている。再発粉じん量測定装置10としては、例えば、柴田科学社製のsky−2型を用いることができる。そして、測定においては、10L/分の気流中に試料投入部1よりCNTを投入し、飛散量は装置出口(異径アダプタ用ろ紙ホルダ4)にセットしたろ紙に吸着した質量で算出した。また、測定においては、サンプル量を5レベル変更し、各々の飛散量を算出し、それをグラフ化し、グラフからサンプル量270mg時の粉じん量を、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量として採用した。
吸入性粉じん量が0.2mg/m3以下であることにより、以下の作用を得ることができる。
(1)10μm以下の粒子からなる吸入性が、0.2mg/m3以下、好ましくは0.1mg/m3であるので、作業環境の負荷を下げ、安全性を著しく大きくすることができる。
(2)吸入性粉じん量の特性は、造粒物の硬さとも関係するが、同じ硬さでもバインダーの種類、添着量、または造粒方法の違いにより異なる。そして、合成系水溶性樹脂を用い湿式造粒後、転動造粒機にて整粒した場合に、吸入性粉じん量を特に低減できる。
CNT粒状物の粒子径は、CNT粒状物をメジャーと共に置き、それを光学顕微鏡で観察することで行うことができる。また、一般的には、JIS K6219−4「造粒粒子の大きさの分布の求め方」に準拠して測定される。
CNT粒状物の硬さが25gを超えるにつれ合成樹脂やゴム、水、溶剤、またはビヒクルに配合、分散する際、初期分散性のみでなく最終分散性も悪くなるという傾向がある。また、CNT粒状物の硬さが10gよりも小さくなるにつれ、包装時、輸送時、在庫時、または配合混練時等に粉化が起き、環境汚染を起し易いという傾向があるので好ましくない。
CNT粒状物の硬さの測定は、造粒粒子の硬さの求め方、JIS−K6219−3A法に準拠して測定することができる。測定する機器としては、手動と自動のものがあり何れを選択してもよい。
(1)CNT粒状物の粒子径は、0.25mm以上4mm以下、0.3mm以上2.83mm以下であり、粒子径が1mmの粒子の硬さが、10g以上25g以下であるので、CNT粒状物が原因でホッパー等にブリッジを形成するのを防ぐとともに空送中の配管の閉塞等を防ぐことができる。
(2)適度の硬さと粒子径を有しており、流動性も優れているため、自動計量も可能となる。そのため、樹脂マスターバッチまたは樹脂コンパウンドの製造工程において無人化も可能となり省力性に優れる。
(3)装置のメンテナンス時に造粒物の周囲への飛散を防ぐことができ、安全性を著しく向上させることができる。
(4)紙袋やフレコンバックでの輸送時における粉化を大幅に低減できる。
次に、本実施形態のカーボンナノチューブ粒状物の使用方法について説明する。
本実施形態のCNT粒状物は、各種の基体樹脂、ゴム、またはビヒクル等に配合し、混練することにより使用できる。また、CNT粒状物を混練した組成物は、各種製品として、例えば、半導体トレイ、透明導電膜、或いは、車等に用いる帯電防止成形体または導電性成形体等に用いられる。
基体樹脂としては、熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂等を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレンおよびポリエチレン等)、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂、PVC樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスルホン系樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、本実施形態のCNT粒状物は、水および溶媒等のビヒクルに分散し、導電性インク、導電性塗料、キャパシタ、リチウムイオン電池の導電助剤、または、燃料電池の材料としても使用できる。さらに、本実施形態のCNT粒状物は、SBR、BR、NR、IR、NBR、EPDM、ウレタンゴム、およびシリコンゴム等のゴムに配合し、タイヤまたは各種ゴム製品に応用することもできる。
CNT粒状物の初期分散性の測定は、例えば、次のような方法で行う。すなわち、まず、ロール温度130℃に設定した6インチ2本ロールにポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、商品名「ノバテックLF280H」)を99g投入しロールに巻き付かせる。その上から1gを少量ずつ添加し、全量添加した後から10分間混練し、厚さ約3mmのシートを取り出した。このシートから、打ち抜き刃を用い直径3mmのサンプルを作り、160℃に加熱したプレス機で5分間プレスし蛍光灯の光が透過する薄膜を成形する。この薄膜を光学顕微鏡で観察することで分散性を評価する。初期分散性の評価基準としては、分散性が最も良好なCNT粉末(KUMHO社のKnanos100P)を10点、最も悪い例1を1点として他を評価する。
なお、ここで、初期分散性について補足する。粒子は、凝集した状態で存在しその凝集の形態は、一次粒子の硬い凝集体としての凝結粒子(アグリゲート)と柔らかい集合粒子(アグロメレート)それに緩い結合の軟集合粒子(フロキュレート)で形成されている。ここで言う初期分散性とは、フロキュレート全体とアグロメレートの一部を解砕していく工程の評価であり、CNT粒状物の場合は、造粒粒子の解砕とこれを構成している二次凝集の解砕(ほぐれ)程度を調べる評価である。
この初期分散性が悪いCNTは、樹脂を二軸混練機等で混練した際、シャバシャバ状態で溶融しシェアが掛かりにくい場合、例えばポリエチレン樹脂等を用いた場合においては最終分散性も悪くなる。さらに、水や溶剤系に用いる場合は、この傾向が顕著に表れるので、比較的シェアの弱い混練に用いる素材の分散性を評価する上で極めて重要な評価方法である。
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)水で希釈化された合成系水溶性樹脂をバインダーとしてCNT粉末を造粒化し、安全性、流動性、および取り扱い性に優れたCNT粒状物を得ることができる。
(2)合成系水溶性樹脂をバインダーとした湿式造粒品を、更に転動造粒機で整粒し、造粒しなかった微細な粉末物も吸着しながら真球に近い造粒物にしているので、造粒物の圧縮強度等が大きく粉化抵抗力を大きくすることができる。
(3)CNT粒状物の飛散量(10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量)を0.2mg/m3以下にすることができ、環境汚染リスクを極めて低くすることができる。さらに、初期分散性にも優れたCNT粒状物が得られる。吸入性粉じん量が低減するのは、造粒物の硬さとも関係するが、同じ硬さでも低濃度水溶性樹脂用液をバインダーとして造粒した後、転動造粒機で追加造粒プラス整粒した結果であると思われる。また、初期分散性については、転動造粒機で整粒する際に、CNT凝集物が無定形な硬い団子状では無く、玉ねぎのように薄い皮を張り合わせたような形状の造粒物が形成されたからであると考えている。
(4)製造過程で溶剤または油類を全く使用しないので、低コストであり、製造場所も限定されない。また、人体への影響も低減される。さらに具体的に述べると、「設備面」では、(i)高価な溶剤が不要、(ii)工程が簡略、(iii)熱風乾燥機に比べ高価な真空乾燥器が不要、(iv)溶剤の回収設備が不要、(v)脱臭装置が不要、(vi)局所排気設備が不要、および(vii)防爆機能を付与した機器が不要というメリットがある。また、「労災法や消防法面」では、(i)火災の危険性が低減、(ii)危険物取扱免許取得者(作業主任者)が不要、(iii)各種の保護具が不要、(iv)6か月ごとの作業環境測定が不要、(v)特殊健康診断が不要、(vi)人体への有害性が低減、および(vii)乾燥前製品や溶剤等を保管する特別な危険物保管場所が不要というメリットがある。このように、多くの面で簡素化が図られるとともに省エネルギー化また省力化を図ることができる。
(5)特許文献5、6および7に記載の技術に比べ、製造設備投資額を大幅に低減させ、省資源性、および省力性に優れ、CBの造粒に近似したコストで、CNTの造粒物を生産できる。
本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、前述の実施形態では、造粒物を得る造粒工程と、造粒工程で得られた造粒物を整粒して、整粒物を得る整粒工程という2つの工程で、真球に近い球状造粒品を作製していたが、これに限定されない。例えば、造粒物を得るという単一の造粒工程だけで、真球に近い球状造粒品を作製できる方法を見出すことができれば、整粒工程を省略できる。
2LのSUS製容器に、約50℃に加温したイオン交換水480gと、合成系水溶性樹脂(ポリビニルピロリドン(PVP)、第一工業社製の「ピッツコールK−30」、固形分95%以上、数平均分子量10000)9.35g(固形分換算で8.89g)を入れホモミキサーで5分間撹拌し、樹脂を完全に溶解し、樹脂バインダー水溶液を作製した。そして、(株)日本コークス工業製のヘンシェルミキサー「FM10C」(容積9L、処理容量6L)に、CNT粉末として(Kumho社製の「K−Nanos100P」)80gを投入し、1000rpmで撹拌しながら、上部から上記樹脂バインダー水溶液489.4gを5分かけて噴霧した。液の噴霧は、名東化工機(株)のダイヤフラム式定量ポンプ(50〜500mL/分)を用い、96mL/分のスピードで噴霧した。また、噴霧は、定量ポンプからのホースの先端に、(株)いけうち製の空円錐ノズルKB(噴霧流量2〜107L/時間)を取り付け、微霧の状態で行った。この造粒における水の量は、CNT量に対し6.0倍である。CNTに対する樹脂量は、10.0%である(CNTの配合量は、樹脂100質量部に対して、900質量部である)。
樹脂バインダー水溶液を全量投入後は、ヘンシェルミキサーの回転数を最低に落としさらに2分間撹拌して、湿式造粒品(水分量85.7%)を得た。造粒終了後のヘンシェルミキサー内部の温度は、約70℃であり、また、ミキサーの壁に造粒物の付着は殆ど見られなかった。これは、50℃の温水を用いたことも関係していると思われる。なお、この湿式造粒品の一部を、90℃の熱風乾燥機で水分量が1%以下になるまで乾燥し、その写真を撮影した。この写真を図2に示す。
次に、この湿式造粒品をパン型造粒機に移し、造粒および整粒を行った。パン型造粒機は、三床インダストリー(株)製の500mm径タイプを使用し、10〜45rpmで回転させながら湿式造粒品全量を約10分かけて少量ずつ投入し、粒の形状が真球になった時点で止めて、整粒品を得た。その後、90℃の熱風乾燥機で水分量が1%以下になるまで乾燥して、CNT粒状物を得た。なお、得られたCNT粒状物の写真を撮影した。この写真を図3に示す。
実施例1と同様にして得た湿式造粒品を、90℃の熱風乾燥機で水分量が10%以下になるまで乾燥し、パン型造粒機に移し、造粒および整粒を行った。パン型造粒機は、三床インダストリー(株)製の500mm径タイプを使用し、40rpmで回転させながら湿式造粒品全量を投入し、粒の形状が真球になった時点で止めて、整粒品を得た。その後、90℃の熱風乾燥機で水分量が1%以下になるまで乾燥して、CNT粒状物を得た。得られたCNT粒状物の写真を撮影した。この写真を図4に示す。
樹脂バインダー水溶液におけるイオン交換水の量を560gに変更し、ポリビニルピロリドンの量を4.43g(固形分換算で4.21gであり、CNTに対する樹脂量は、5.0%である)に変更した以外は、実施例2と同様にして、CNT粒状物を得た。この造粒における水の量は、CNT量に対し7倍であり、得られた湿式造粒品の水分量は、87.5%である。
樹脂バインダー水溶液におけるイオン交換水の量を560gに変更し、ポリビニルピロリドンの量を2.60g(固形分換算で2.47gであり、CNTに対する樹脂量は、3.0%である)に変更した以外は、実施例2と同様にして、CNT粒状物を得た。この造粒における水の量は、CNT量に対し7倍であり、得られた湿式造粒品の水分量は、87.5%である。
ポリビニルピロリドンに代えて、ポリエチレンイミン(PEI、(株)日本触媒製の「SP−018」、分子量1800、固形分98%以上)9.07g(固形分換算で8.89gであり、CNTに対する樹脂量は、10.0%である)を用いた以外は実施例2と同様にして、CNT粒状物を得た。この造粒における水の量は、CNT量に対し6倍であり、得られた湿式造粒品の水分量は、85.7%である。
約70℃に加温したトルエン197gと、バインダー用樹脂として熱可塑性樹脂の低分子量ポリエチレンであるハイワックス320P(三井化学製)5.56gを入れ、攪拌しながら樹脂を完全に溶解し、樹脂バインダー水溶液を作製した。次に、実施例1で用いたものと同じCNT粉末50gを10Lステンレス製丸型容器に入れ、そこに純水4950g入れた後、ホモジナイザー型撹拌機を用い、約6000rpmで30分間撹拌した。CNTに対する樹脂量は、10.0%である。次いで、撹拌機の羽をスクリュー型に変更し、約1000rpmで撹拌しながら、樹脂バインダー溶液を少量ずつ全量滴下後、さらに造粒性を観察しながら、トルエン276g追加した。得られた造粒物を60mesh篩で水を除去後(ろ過水は、回収し排水処理場で処理した)、ドラフト内で10時間風乾し、次いで70℃に設定した真空乾燥器で8時間乾燥し、水とトルエンを完全に除去して(水分量は1%以下)、CNT粒状物を得た。得られたCNT粒状物は、球状であり、粒子径は、0.5〜3mmであった。なお、得られたCNT粒状物の写真を撮影した。この写真を図5に示す。
ポリビニルピロリドンに代えて、水溶性ロジン系樹脂(天然樹脂であるロジンにエチレンオキシドを付加したもの、ハリマ化成社製の「REO−30」)を用いた以外は、実施例3と同様にして、湿式造粒品を得た。なお、CNT粉末80gに対するREO−30の配合量は固形分換算で4.2g(CNTに対する樹脂の量は、5%である)である。
次に、DALTON社製のマルチグランMG−55−2を用い、4mm径の円柱状造粒品を得た。その後、90℃の熱風乾燥機で水分量が1%以下になるまで乾燥して、CNT粒状物を得た。なお、得られたCNT粒状物の写真を撮影した。この写真を図6に示す。図6(A)は、側方から撮影した写真であり、図6(B)は、切断面を撮影した写真である。
CNT粒状物の評価(嵩密度、粒の硬さ、初期分散性、および吸入性粉じん量)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
なお、参考例1として、Kumho社製の「K−Nanos100P」と、参考例2として、Kumho社製の「K−Nanos100T」の評価も行った。得られた結果を表1に示す。
(1)嵩密度
嵩密度は、JIS−K6219−2法に準拠して測定した。
(2)粒の硬さ
粒の硬さの測定は、ゴム用CB造粒粒子の特性第3部:造粒粒子の硬さの求め方、JIS−K6219−3A法に準拠して測定した。
(3)初期分散性
ロール温度130℃に設定した6インチ2本ロールにポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、商品名「ノバテックLF280H」)を99g投入しロールに巻き付かせた。その上から1gを少量ずつ添加し、全量添加した後から10分間混練し、厚さ約3mmのシートを取り出した。このシートから、打ち抜き刃を用い直径3mmのサンプルを作り、160℃に加熱したプレス機で5分間プレスし蛍光灯の光が透過する薄膜を成形した。この薄膜を光学顕微鏡で観察することで分散性を評価した。初期分散性の評価基準としては、分散性が最も良好であったCNT粉末(KUMHO社のKnanos100P)を10点、最も悪かった比較例1を1点として他を評価した。
(4)吸入性粉じん量
再発粉じん量測定装置としては、柴田科学社製のsky−2型を用いた(図1参照)。そして、測定においては、10L/分の気流中に試料投入部よりCNT粒状物を投入し、飛散量は装置出口にセットしたろ紙に吸着した質量で算出した。また、測定においては、サンプル量を5レベル変更し、各々の飛散量を算出し、それをグラフ化し、グラフからサンプル量270mg時の粉じん量を、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量として採用した。また、CNT粉末である参考例1の結果と比較した数値も併せて示す。
また、本発明のCNT粒状物の初期分散性は、粒の硬さアップに伴い、やや低下するものの、比較例1や比較例2よりも優れていることが分かった。さらに、本発明のCNT粒状物の10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量(レスピラブル)は、原料のCNT粉末(参考例1)に比較して大幅に低下し、いずれも0.1mg/m3以下であることが分かった。
これに対して、比較例1で得られたCNT粒状物は、合成系水溶性樹脂に代えて、低分子量ポリエチレンをトルエンで溶解した溶液を使用し、造粒したものであるが、得られたCNT粒状物は、粒がかなり硬い物になっている。このため、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量は少なく優れているが、初期分散性が極端に悪くなっている。また、表1には示していないが、製造に当たっては、危険物取扱所、危険物取扱主任者、防爆設備、および排水処理設備等が必須であるといった欠点がある。
比較例2は、水溶性ロジン樹脂を5%添着したCNT粒状物であるが、ポリビニルピロリドンを5%添着した実施例3のCNT粒状物に比較して、造粒物が硬く、初期分散性が劣り、さらに、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量も多い。この原因を検証するために、比較例2で得られたCNT粒状物の顕微鏡写真(図6(A)および図6(B)参照)を観察した。図6(A)から、円柱状のCNT粒状物の側面は、光沢もあり、ひび割れ等も少なく、押し出し造粒品として理想に近い造粒品であることが分かった。そして、この様なCNT粒状物が形成されたのは、合成樹脂に比較してロジン樹脂のタック性(引きちぎるときの抵抗)や粘着力が強いことが起因しているのではないかと考えられる。一方において、粒が硬く、また、初期分散性が悪く出た原因もこのタック性能と粘着力に関係しているのではないかと考えられる。
さらに、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量が劣る理由として、図6(B)から分かるように、円柱状のCNT粒状物の切断面には、粉状のCNTが多く存在しており、これが飛散するために、10μm以下の粒子からなる吸入性粉じん量が多くなったのではないかと考えられる。
さらに、本発明のCNT粒状物は、適度な硬度を有するために、熱可塑性樹脂等の基体樹脂を用いた樹脂組成物を製造するに当たり、CNT粒状物を定量供給することができ、連続的に均一な混合状態の樹脂組成物を得ることができる。
Claims (4)
- ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種である水溶性樹脂を水に溶解させて、樹脂バインダー水溶液を調製する工程と、
撹拌状態にある、200質量部以上5000質量部以下のカーボンナノチューブ粉末に、100質量部の前記水溶性樹脂を含有する前記樹脂バインダー水溶液を少量ずつ添加しながら混合し、これらの混合物を撹拌することで、造粒して、造粒物を得る工程と、
前記造粒物を乾燥して、カーボンナノチューブ粒状物を得る工程と、を備える
ことを特徴とするカーボンナノチューブ粒状物の製造方法。 - ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種である水溶性樹脂を水に溶解させて、樹脂バインダー水溶液を調製する工程と、
撹拌状態にある、200質量部以上5000質量部以下のカーボンナノチューブ粉末に、100質量部の前記水溶性樹脂を含有する前記樹脂バインダー水溶液を少量ずつ添加しながら混合し、これらの混合物を撹拌することで、造粒して、造粒物を得る工程と、
転動造粒機を用いて、前記造粒物を整粒して、整粒物を得る工程と、
前記整粒物を乾燥して、カーボンナノチューブ粒状物を得る工程と、を備える
ことを特徴とするカーボンナノチューブ粒状物の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法において、
前記カーボンナノチューブ粉末は、カーボンナノチューブ粉末(スーパーグロース法で得られたものを除く)である
ことを特徴とするカーボンナノチューブ粒状物の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のカーボンナノチューブ粒状物の製造方法において、
前記造粒物を得る工程において、カーボンナノチューブ粉末に対する水分量は、5倍以上8倍以下である
ことを特徴とするカーボンナノチューブ粒状物の製造方法。
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