JP2018158957A - カーボンナノチューブ凝集体及びその製造方法ならびにそれを含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーボンナノチューブのぬれ性を高め飛散を抑制でき、かつ、熱可塑性樹脂への分散性と充填性に優れるカーボンナノチューブ凝集体、及びこれを含む樹脂組成物の提供。【解決手段】カーボンナノチューブと、水に溶解させると中性を示す水溶性ロジン系樹脂とを含み、前記カーボンナノチューブに対して前記水溶性ロジン系樹脂を0.1〜50重量%含む、カーボンナノチューブ凝集体であり、この凝集体を押し出し成形、乾燥、造粒化し、熱可塑性樹脂と溶融混合して得られる熱可塑性樹脂組成物。前記水溶性ロジン系樹脂が、ロジンのポリエチレンオキシド付加物であり、エチレンオキシドの繰り返し単位数nが、5〜50であるカーボンナノチューブ凝集体。【選択図】なし
Description
本発明は、カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含む、カーボンナノチューブ凝集体及びそれを含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
カーボンナノチューブは、熱可塑性樹脂と複合化し、高性能の複合材料を製造することができる。しかしながら、カーボンナノチューブは、嵩密度が低く、単位体積当りに包含される空気量が多いため、熱可塑性樹脂のペレットや粉体と均一混合しにくいといった問題がある。例えば、カーボンナノチューブと熱可塑性樹脂とを押出加工する場合、カーボンナノチューブと熱可塑性樹脂が層分離することがあるため、通常よりも高い圧力でカーボンナノチューブと、熱可塑性樹脂とを接触させることが必要となり、分散性も悪く、さらに充填量を増やすことができないといった問題がある。このような複合化する際の問題に加えて、カーボンナノチューブは嵩密度が低いため飛散しやすく、取り扱いにくいという問題も有している。
このため、カーボンナノチューブを造粒する試みが現在まで種々行なわれてきた(例えば、特許文献1〜9等)。
しかしながら、従来のカーボンナノチューブの造粒物については、飛散の抑制や、熱可塑性樹脂への分散性や充填性の向上といった点に関して、未だ十分な検討がなされていない。これらの課題に対してあらかじめカーボンナノチューブと熱可塑性樹脂などを二軸混練機で混練していわゆるマスターバッチ化するなどの対策が採られているが、マスターバッチ化の際に繊維長が短くなるなどの問題が発生する。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、カーボンナノチューブのぬれ性を高め、練りやすく、飛散も抑制でき、かつ、熱可塑性樹脂への分散性と充填性に優れるカーボンナノチューブ凝集体(造粒化カーボンナノチューブ)、及びこれを含む樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[カーボンナノチューブ凝集体]
カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含む、カーボンナノチューブ凝集体。
[熱可塑性樹脂組成物]
熱可塑性樹脂と前記カーボンナノチューブ凝集体とを含む熱可塑性樹脂組成物。
[カーボンナノチューブ凝集体]
カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含む、カーボンナノチューブ凝集体。
[熱可塑性樹脂組成物]
熱可塑性樹脂と前記カーボンナノチューブ凝集体とを含む熱可塑性樹脂組成物。
カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含むカーボンナノチューブ凝集体は、熱可塑性樹脂と溶融混合させる時に、カーボンナノチューブが飛散しない等の作業性が向上し、さらに、カーボンナノチューブと水溶性ロジン系樹脂とのぬれ性は高く、そのため水溶性ロジン系樹脂と混合したカーボンナノチューブは、成形品における分散性が良好になり、得られる成形品は、引張応力や伸び率が高いだけでなく、導電性が高い。
本発明のカーボンナノチューブ凝集体は、カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含む。カーボンナノチューブは、炭素で構成されるチューブ状の繊維であり、カーボンナノチューブの長さは、通常0.1〜100μm、好ましくは5〜50μmであり、直径は1〜80nm、好ましくは5〜30nmのチューブ状繊維である。
本発明のカーボンナノチューブ凝集体に使用される水溶性ロジン系樹脂は、ロジンを水溶性になるように変性したロジンである。ロジンはマツ科の植物に多量に含まれる松脂の不揮発成分であり、主成分であるアビエチン酸は共役二重結合を有し、疎水性の高い部位と親水性を有するカルボキシル基から成っている。水溶性ロジン系樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、アルキレンオキシドをこのカルボキシル基に付加し、エステル化することにより、得ることができる。
アルキレンオキシドとして、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドを用いた場合、それぞれポリエチレンオキシドは:
−(CH2−CH2−O)n−、
そして、ポリプロピレンオキシドは:
−(CH2−CH(CH3)−O)n−
となり、ロジンのカルボキシル基に付加する。通常nは、5〜50、好ましくは10〜45である。ロジン系樹脂を構成する化合物のカルボキシル基ごとに、1分子の上記ポリアルキレンオキシドが付加することになり、ほとんどのカルボキシル基に上記ポリアルキレンオキシドが付加される。
−(CH2−CH2−O)n−、
そして、ポリプロピレンオキシドは:
−(CH2−CH(CH3)−O)n−
となり、ロジンのカルボキシル基に付加する。通常nは、5〜50、好ましくは10〜45である。ロジン系樹脂を構成する化合物のカルボキシル基ごとに、1分子の上記ポリアルキレンオキシドが付加することになり、ほとんどのカルボキシル基に上記ポリアルキレンオキシドが付加される。
ポリエチレンオキシドを付加して得られる水溶性にした水溶性ロジン系樹脂の具体例としては、例えば、商品名REO15、REO30、REO40(いずれもハリマ化成株式会社製)を挙げることができる。
ロジンは、その他の方法で水溶性にすることもできる。ロジンを水溶性にする方法としては、例えば、アルカリを用いてけん化することにより、水溶性にすることができる。
けん化は、通常行われている方法で行うことができ、例えば、ロジンを、苛性ソーダ、アルコールアミン、アンモニアなどでけん化する方法が挙げられる。具体的なけん化ロジンとしては、ハリマ化成株式会社製のRX−20などが挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブ凝集体における、カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂との比は、カーボンナノチューブに対する前記水溶性ロジン系樹脂として、通常0.1〜50重量%、好ましくは、0.5〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%である。水溶性ロジン系樹脂が多すぎると、カーボンナノチューブの量が相対的に少なくなり、カーボンナノチューブの特性が表れにくくなるため、好ましくない。一方、水溶性ロジン系樹脂の量が少なすぎる場合は、ぬれ性の改善や、熱可塑性樹脂組成物の物性が改良されにくくなる。
カーボンナノチューブ凝集体は、必要であれば、本来の目的を損なわない範囲で添加物を加えることができるが、入れない方が好ましい。添加物の例としては、充填剤、結着材などを挙げることができる。これらの添加物は、加えすぎると、物性が悪化するため、加える場合であっても、カーボンナノチューブに対し、0.1〜5重量%、例えば、0.1〜1重量%である。
カーボンナノチューブ凝集体は、カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂と、必要な場合、その他の添加物とを混合することにより得ることができる。混合する際は、水を加えて粘土状の混錬物になるように混合する。混合方法は、特に限定されるものではないが、ヘンシェルミキサーなどを用いて、2000rpm程度の高速回転を行う。水の量は、粘土状の混錬物になれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボンナノチューブの重量に対して、5倍〜10倍程度の水を使用する。
水を加える場合は、水溶性ロジン系樹脂を水に溶解してロジン水溶液を調製してから、カーボンナノチューブに混合してもよいし、水溶性ロジン系樹脂をカーボンナノチューブに混合してから、そこに水を加えてもよい。
混合によって得られた混錬物を湿式押出造粒機により、所定の形状のペレットを形成し、それを乾燥させてカーボンナノチューブ凝集体を得る。
[熱可塑性樹脂組成物]
高性能複合材料を得るために、得られたカーボンナノチューブ凝集体を熱可塑性樹脂に混合して、熱可塑性樹脂組成物を調製することができる。
高性能複合材料を得るために、得られたカーボンナノチューブ凝集体を熱可塑性樹脂に混合して、熱可塑性樹脂組成物を調製することができる。
熱可塑性樹脂としては、カーボンナノチューブ凝集体により機能を付加する熱可塑性樹脂であり、特に限定されるものではない。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニルサルファイド樹脂等が挙げられる。
カーボンナノチューブ凝集体の調製
[実施例1]
容量20Lのヘンシェルミキサーに、カーボンナノチューブ(CNT Co.,Ltd製CTUBE−199)100gと水600gとを加えて、ヘンシェルミキサーの容量の半分程度の容量とした。これに水溶性ロジン(商品名:REO30 ハリマ化成株式会社製 ポリエチレンオキシドを30mol付加したもの)100gを、カーボンナノチューブに対し、水溶性ロジンの固形分の割合が5重量%となる割合で水溶性ロジン系樹脂を添加し、2000rpmで2分間、高速回転で撹拌混合した。得られた混合物は粘土状の混錬物であり、これをダルトン社製の湿式押出造粒機に投入し、円柱状の造粒物(ペレット)を得た。得られた造粒物を、ヤマト科学社製の送風式乾燥機で90℃、2時間の条件で乾燥させ、カーボンナノチューブ凝集体を得た。得られたカーボンナノチューブ凝集体を、JIS Z8801−1に規定される公称目開きが2.36mmである篩を用いて分級した。この篩を通過したカーボンナノチューブ凝集体を公称目開きが1.18mmである篩を用いて更に分級した。そしてこの篩に残ったカーボンナノ凝集体を80℃で真空乾燥することによって、目的とするカーボンナノチューブ凝集体を得た。
[実施例1]
容量20Lのヘンシェルミキサーに、カーボンナノチューブ(CNT Co.,Ltd製CTUBE−199)100gと水600gとを加えて、ヘンシェルミキサーの容量の半分程度の容量とした。これに水溶性ロジン(商品名:REO30 ハリマ化成株式会社製 ポリエチレンオキシドを30mol付加したもの)100gを、カーボンナノチューブに対し、水溶性ロジンの固形分の割合が5重量%となる割合で水溶性ロジン系樹脂を添加し、2000rpmで2分間、高速回転で撹拌混合した。得られた混合物は粘土状の混錬物であり、これをダルトン社製の湿式押出造粒機に投入し、円柱状の造粒物(ペレット)を得た。得られた造粒物を、ヤマト科学社製の送風式乾燥機で90℃、2時間の条件で乾燥させ、カーボンナノチューブ凝集体を得た。得られたカーボンナノチューブ凝集体を、JIS Z8801−1に規定される公称目開きが2.36mmである篩を用いて分級した。この篩を通過したカーボンナノチューブ凝集体を公称目開きが1.18mmである篩を用いて更に分級した。そしてこの篩に残ったカーボンナノ凝集体を80℃で真空乾燥することによって、目的とするカーボンナノチューブ凝集体を得た。
[実施例2〜5]
実施例1と同様の手順で、カーボンナノチューブと水溶性ロジン系樹脂とを混合させ、表1に記載の割合に従って、実施例2〜5のカーボンナノチューブ凝集体を調製した。なお、REO15、REO40は、それぞれ、ロジンに対し、ポリエチレンオキシドを15mol%、40mol%付加させたものである。なお、REO15、REO30、REO40について、ポリエチレンオキシドの繰返し単位数nは、それぞれ約15、約30、約40である。
実施例1と同様の手順で、カーボンナノチューブと水溶性ロジン系樹脂とを混合させ、表1に記載の割合に従って、実施例2〜5のカーボンナノチューブ凝集体を調製した。なお、REO15、REO40は、それぞれ、ロジンに対し、ポリエチレンオキシドを15mol%、40mol%付加させたものである。なお、REO15、REO30、REO40について、ポリエチレンオキシドの繰返し単位数nは、それぞれ約15、約30、約40である。
[実施例6]
水溶性ロジン系樹脂として、けん化によって得られた水溶性ロジン系樹脂(商品名RX−20 ハリマ化成株式会社製)を用いて、実施例1と同様の方法で、実施例6のカーボンナノチューブ凝集体を作製した。配合比は、表1に基づいて作成した。
水溶性ロジン系樹脂として、けん化によって得られた水溶性ロジン系樹脂(商品名RX−20 ハリマ化成株式会社製)を用いて、実施例1と同様の方法で、実施例6のカーボンナノチューブ凝集体を作製した。配合比は、表1に基づいて作成した。
[比較例1]
水溶性ロジン系樹脂の代わりに、エマルジョンロジン(ER)を用いて、実施例1と同様の方法で、比較例1のカーボンナノチューブ凝集体を作製した。ERは、次の方法で作製した。すなわち、まず変性ロジン(ハリマ化成株式会社製 商品名「135GN」)100gをトルエン300gに溶解させ、変性ロジンのトルエン溶液を用意した。次に、界面活性剤(日本乳化剤工業株式会社製 商品名「ニューコール2320−SN」)中の有効成分濃度が10質量%である水溶液900mLを別途用意した。そして、これらを、トルエン溶液に添加して攪拌混合して乳化させた。これをさらに高圧乳化機(マントンガウリン社製)を用いて微細乳化物とした。得られた微細乳化物を100mmHgの条件下で加熱減圧蒸留することでトルエンを除去し、体積平均粒子径0.3μmのエマルジョンロジン(ER)を得た。配合比は、表1に基づいて作成した。
水溶性ロジン系樹脂の代わりに、エマルジョンロジン(ER)を用いて、実施例1と同様の方法で、比較例1のカーボンナノチューブ凝集体を作製した。ERは、次の方法で作製した。すなわち、まず変性ロジン(ハリマ化成株式会社製 商品名「135GN」)100gをトルエン300gに溶解させ、変性ロジンのトルエン溶液を用意した。次に、界面活性剤(日本乳化剤工業株式会社製 商品名「ニューコール2320−SN」)中の有効成分濃度が10質量%である水溶液900mLを別途用意した。そして、これらを、トルエン溶液に添加して攪拌混合して乳化させた。これをさらに高圧乳化機(マントンガウリン社製)を用いて微細乳化物とした。得られた微細乳化物を100mmHgの条件下で加熱減圧蒸留することでトルエンを除去し、体積平均粒子径0.3μmのエマルジョンロジン(ER)を得た。配合比は、表1に基づいて作成した。
[ぬれ性評価]
図1に示すように、口径15mmの漏斗1をメッシュ5(穴サイズ:60μm)で閉じた後、漏斗のネック部まで粉体のカーボンナノチューブ2(CNT Co., Ltd製CTUBE−199)を詰めた。その後、メッシュ5を水又は1%バインダ溶液3に接触させた。接触時点から、浸透時間の測定を開始し、浸透時間ごとにサンプルに浸み込んだ溶液の重量を測定することで、CNTとバインダのぬれ性を比較した。実験には、水溶性ロジン系樹脂(REO30)を1%含む水溶液、水、及びエマルジョンロジン(ロジンの固形分割合が1%のもの;ER1%)を使用して、実験を行ったが、水溶性ロジン系樹脂を含む水溶液は、カーボンナノチューブに非常に早く、しかも、大量に浸み込む(ぬれ性が高い)ことがわかった(図2参照)。すなわち、水溶性ロジン系樹脂が介在することで、非常に浸み込みやすくなることがわかった。
図1に示すように、口径15mmの漏斗1をメッシュ5(穴サイズ:60μm)で閉じた後、漏斗のネック部まで粉体のカーボンナノチューブ2(CNT Co., Ltd製CTUBE−199)を詰めた。その後、メッシュ5を水又は1%バインダ溶液3に接触させた。接触時点から、浸透時間の測定を開始し、浸透時間ごとにサンプルに浸み込んだ溶液の重量を測定することで、CNTとバインダのぬれ性を比較した。実験には、水溶性ロジン系樹脂(REO30)を1%含む水溶液、水、及びエマルジョンロジン(ロジンの固形分割合が1%のもの;ER1%)を使用して、実験を行ったが、水溶性ロジン系樹脂を含む水溶液は、カーボンナノチューブに非常に早く、しかも、大量に浸み込む(ぬれ性が高い)ことがわかった(図2参照)。すなわち、水溶性ロジン系樹脂が介在することで、非常に浸み込みやすくなることがわかった。
[熱可塑性樹脂組成物1〜11の調製]
実施例1のカーボンナノチューブ凝集体を、ポリカーボート樹脂(PC)又はポリフェニルスルフィド(PPS)に表2記載の割合で混合し、290℃〜330℃の範囲の温度で、押出機(PCM45)により、押し出し成形を行い、熱可塑性樹脂組成物1〜11(試作番号1〜11)の成形品を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物の特性を表3に記載する。なお、熱可塑性樹脂組成物8、及び熱可塑性樹脂組成物9には、カーボンナノチューブとして、CNT Co.,Ltd製圧縮タイプのカーボンナノチューブ(比較例2、商品名Ctube−199P)及びKumho Petrochemical Co., Ltd製圧縮タイプのカーボンナノチューブ(比較例3、商品名K−Nanos−100T)を用いた。
実施例1のカーボンナノチューブ凝集体を、ポリカーボート樹脂(PC)又はポリフェニルスルフィド(PPS)に表2記載の割合で混合し、290℃〜330℃の範囲の温度で、押出機(PCM45)により、押し出し成形を行い、熱可塑性樹脂組成物1〜11(試作番号1〜11)の成形品を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物の特性を表3に記載する。なお、熱可塑性樹脂組成物8、及び熱可塑性樹脂組成物9には、カーボンナノチューブとして、CNT Co.,Ltd製圧縮タイプのカーボンナノチューブ(比較例2、商品名Ctube−199P)及びKumho Petrochemical Co., Ltd製圧縮タイプのカーボンナノチューブ(比較例3、商品名K−Nanos−100T)を用いた。
[機械的物性]
機械的物性は、成形機JSW80を用いて成形した熱可塑性樹脂組成物を用いて、ISOに準拠して行った。また、抵抗率を150mmφ、厚さ0.9mmのプレスシート、及び90×50mm、厚さ3mmのモールドプレートを用いて測定した。
機械的物性は、成形機JSW80を用いて成形した熱可塑性樹脂組成物を用いて、ISOに準拠して行った。また、抵抗率を150mmφ、厚さ0.9mmのプレスシート、及び90×50mm、厚さ3mmのモールドプレートを用いて測定した。
伸び率、引張応力などの機械的物性は、表3に示すように、従来のCNTと同等かそれ以上の特性を有していることがわかった。
[効果]
(1)カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含む、カーボンナノチューブ凝集体について、機能性樹脂の基材となる樹脂と非常に混合しやすく、飛散が少なく、分散性も高い。水溶性ロジン系樹脂は、カーボンナノチューブとのぬれ性が高く、均一に混合することができ、容易に造粒化することができる。
(2)前記カーボンナノチューブに対して前記水溶性ロジン系樹脂を0.1〜50重量%含むのであれば、CNTの特性を悪化させることなく、さらに機械的物性も良好になり、従来のCNTよりも極めて有用である。
(3)原料である前記水溶性ロジン系樹脂は、水に溶解させると中性を示す場合は、例えば、アルカリ性を示す、けん化によって得られる水溶性ロジン系樹脂よりも、引張応力や伸び率などの機械的物性がさらに良好である。
(4)前記水溶性ロジン系樹脂が、ロジンのポリエチレンオキシド付加物であれば、機械的物性が高い樹脂組成物が得られる。
(5)前記エチレンオキシド付加物のポリエチレンオキシドの繰り返し単位数nが、5〜50であれば、水溶性ロジン系樹脂が扱いやすく、適度な親水性を有しているため、好ましい。
(6)熱可塑性樹脂と、(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ凝集体とを溶融混合して得られる熱可塑性樹脂組成物は、従来の造粒品カーボンナノチューブを使用した場合に比べて、機械的特性が優れる樹脂組成物である。
(7)カーボンナノチューブと、水と、水溶性ロジン系樹脂とを混合する工程と、前記混合物を押し出し成形する工程と、前記成形物を乾燥させる工程とを含む、カーボンナノチューブを造粒化する方法は、非常に簡便な方法で、カーボンナノチューブを造粒化することができ、また、得られた造粒化カーボンナノチューブを用いて、製造された機能性樹脂組成は、高い機械的特性、導電性を有している。
(1)カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含む、カーボンナノチューブ凝集体について、機能性樹脂の基材となる樹脂と非常に混合しやすく、飛散が少なく、分散性も高い。水溶性ロジン系樹脂は、カーボンナノチューブとのぬれ性が高く、均一に混合することができ、容易に造粒化することができる。
(2)前記カーボンナノチューブに対して前記水溶性ロジン系樹脂を0.1〜50重量%含むのであれば、CNTの特性を悪化させることなく、さらに機械的物性も良好になり、従来のCNTよりも極めて有用である。
(3)原料である前記水溶性ロジン系樹脂は、水に溶解させると中性を示す場合は、例えば、アルカリ性を示す、けん化によって得られる水溶性ロジン系樹脂よりも、引張応力や伸び率などの機械的物性がさらに良好である。
(4)前記水溶性ロジン系樹脂が、ロジンのポリエチレンオキシド付加物であれば、機械的物性が高い樹脂組成物が得られる。
(5)前記エチレンオキシド付加物のポリエチレンオキシドの繰り返し単位数nが、5〜50であれば、水溶性ロジン系樹脂が扱いやすく、適度な親水性を有しているため、好ましい。
(6)熱可塑性樹脂と、(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ凝集体とを溶融混合して得られる熱可塑性樹脂組成物は、従来の造粒品カーボンナノチューブを使用した場合に比べて、機械的特性が優れる樹脂組成物である。
(7)カーボンナノチューブと、水と、水溶性ロジン系樹脂とを混合する工程と、前記混合物を押し出し成形する工程と、前記成形物を乾燥させる工程とを含む、カーボンナノチューブを造粒化する方法は、非常に簡便な方法で、カーボンナノチューブを造粒化することができ、また、得られた造粒化カーボンナノチューブを用いて、製造された機能性樹脂組成は、高い機械的特性、導電性を有している。
図1に記載の参照番号は、下記の部分を示す。
1 漏斗
2 粉体
3 バインダ溶液又は水
4 容器
5 メッシュ部
1 漏斗
2 粉体
3 バインダ溶液又は水
4 容器
5 メッシュ部
Claims (7)
- カーボンナノチューブと、水溶性ロジン系樹脂とを含む、カーボンナノチューブ凝集体。
- 前記カーボンナノチューブに対して前記水溶性ロジン系樹脂を0.1〜50重量%含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ凝集体。
- 原料である前記水溶性ロジン系樹脂は、水に溶解させると中性を示す、請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ凝集体。
- 前記水溶性ロジン系樹脂が、ロジンのポリエチレンオキシド付加物である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ凝集体。
- 前記ポリエチレンオキシド付加物のエチレンオキシドの繰り返し単位数nが、5〜50である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ凝集体。
- 熱可塑性樹脂と、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ凝集体とを溶融混合して得られる、熱可塑性樹脂組成物。
- カーボンナノチューブと、水と、水溶性ロジン系樹脂とを混合する工程と、
前記混合物を押し出し成形する工程と、
前記成形物を乾燥させる工程とを含む、カーボンナノチューブを造粒化する方法。
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TW105126610A TW201708424A (zh) | 2015-08-21 | 2016-08-19 | 碳奈米管凝集體及其製造方法與包含其之熱塑性樹脂組合物 |
PCT/JP2016/074165 WO2017033838A1 (ja) | 2015-08-21 | 2016-08-19 | カーボンナノチューブ凝集体及びその製造方法ならびにそれを含む熱可塑性樹脂組成物 |
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