JP6816870B2 - 部品一体型クランプトレイ - Google Patents

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Description

本発明はワークの固定と解放が可能な部品一体型クランプトレイに関するものである。
例えば、複数個のワークに同時に印刷を行う場合やワークを実装機に供給する場合、半導体ワークにボンディングを行う場合などには、高い精度でワークを位置決め固定することが要求される。
このような要求に対応するため、これまで種々のワーククランプトレイが提案されている(例えば、特許文献1等)。しかし、これらのワーククランプトレイでは、ワークを挟持し位置決め固定する可動プレートと上側プレートとのワークに当接する高さ位置が異なるため、厚みの薄いワークの場合には位置決め固定が難しいことがあった。また、ワークの、可動プレートと上側プレートとが当接する部分は所定の強度が要求されるところ、可動プレートと上側プレートとの当接高さ位置が異なると、高さ方向の広い範囲でワークを高強度にしておく必要があった。
このため本出願人は、位置決め固定部材がワークに当接する高さ方向の範囲が狭く、厚みの薄いワークでも位置決め固定することができる薄型ワーククランプトレイを提案した(特許文献2)。図14に示す特許文献2で提案したワーククランプトレイは、上側プレート6と、下側プレート7と、下側プレート7上に積層配置された可動プレート8とを備える。可動プレート8は、ワークWを収容する複数個の位置決め穴81aを有し、ワークWを固定する位置とワークWを解放する位置とに移動可能とされる。また、突き当て板9が位置決め穴81a内に位置するように下側プレート7に溶接され、複数個の位置決め穴81aのそれぞれの内周面には、突き当て板9の方向にワークWを付勢する弾性部材81が設けられている。このような構成の従来のワーククランプトレイにおいて、可動プレート8がワークWを固定する位置とされると、突き当て板9と弾性部材81とでワークWが位置決め固定される。
特開2006−128585号公報 特開2014−82295号公報
近年、ワークの小型・薄型化が進み、従来よりも更に薄型のワークについても高精度で位置決め固定可能なワーククランプトレイが望まれている。また、ワーククランプトレイの生産性の向上も望まれている。
そこで、本発明は、従来よりも薄型のワークでも高精度で位置決め固定することができ、しかも従来よりも高い生産性を有するワーククランプトレイを提供することを目的とする。
本発明に係るワーククランプトレイは、上側プレートと、可動プレートと、下側プレートとがこの順で積層配置され、前記可動プレートは、ワークを収容する複数個の位置決め穴が形成され、収容されたワークを固定する固定位置と、当該固定されたワークを解放する解放位置とに移動が可能であり、前記上側プレート及び前記下側プレートの少なくとも一方には、前記位置決め穴へのワークの収容を可能とする収容穴が形成され、前記上側プレート又は前記下側プレートに、対向するプレート方向に突出した突き当て部が前記上側プレート又は前記下側プレートと一体に形成され、前記突き当て部と前記位置決め穴との間でワークが挟持されることを特徴とする。なお、上記各種のプレートは略板状の部材(プレート部材)であるが、その具体的な外形などは問わない。
また、上記構成において、前記突き当て部の前記収容穴に臨む側面が、前記収容穴の内側面と面一である構成としてもよい。
また、上記構成において、前記突き当て部の突出高さが前記可動プレートの厚みよりも高い構成としてもよい。
また、上記構成において、前記突き当て部の突出方向の先端部が、対向する前記上側プレート又は前記下側プレートに当接し接合されている構成としてもよい。
また、上記構成において、前記可動プレートが、前記上側プレート及び下側プレートの少なくとも一方に固定された固定部と、前記位置決め穴が形成され、前記固定位置と前記解放位置とに移動可能な可動部と、前記固定部と前記可動部の間に介在して前記可動部を前記解放位置から前記固定位置へ付勢するバネ部とを有する構成としてもよい。
また、上記構成において、前記固定部が枠形状を有し、前記可動部が前記固定部内に配置されている構成としてもよい。
また、上記構成において、前記可動プレートが前記バネ部を複数有し、これら複数のバネ部のそれぞれに対応して複数の固定部を有する構成としてもよい。
また、上記構成において、前記位置決め穴の内側面に弾性部材が設けられ、前記固定位置へ移動した状態において、前記弾性部材がワークを前記突き当て部方向へ付勢するように形成された構成としてもよい。
また、上記構成において、前記可動プレートをはめ込み可能な枠状凸部と、前記上側プレートと前記下側プレートとを所定間隔で支持する柱状凸部と、前記突き当て部とが、前記上側プレート又は前記下側プレートに一体に形成されている構成としてもよい。
本発明のワーククランプトレイでは、位置決め穴との間でワークを挟持する突き当て部が上側プレート又は下側プレートに一体に形成されているため、従来よりも更に薄型のワークについても高精度で位置決め固定が可能となる。また、部品点数が従来よりも削減できると共に、組み立て工程を簡略化できワーククランプトレイの生産性が向上する。
本発明の第1実施形態に係るワーククランプトレイの収容穴及びその近傍の部分断面斜視図である。 第1実施形態に係る上側プレートの平面図である。 図2のA−A線断面図である。 上側プレートの収容穴の拡大平面図である。 図4のB−B線断面図である。 第1実施形態に係る可動プレートの平面図である。 可動プレートの位置決め穴の構造を示す拡大平面図である。 第1実施形態に係る下側プレートの平面図である。 第1実施形態に係るワーククランプトレイの収容穴及びその近傍の構造を示す拡大平面図である。 図9のC−C線断面図である。 ワーククランプトレイにおける長穴と丸穴及びその近傍の部分平面図である。 第2実施形態に係る可動プレートの平面図である。 第3実施形態に係る収容穴の拡大平面図である。 従来のワーククランプトレイの構造を示す断面図である。
以下、本発明に係るワーククランプトレイを図に基づいて詳述する。但し、本発明は、これらの実施形態に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明においてx、y、およびzの直交座標軸は、図1に示す通りである。また、特に断りの無い限り、「平面方向」はxy平面の方向(各プレート部材の平面が広がる方向)であり、「積層方向」はz方向(各プレート部材が積層される方向)であるとする。
(第1実施形態)
まず第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係るワーククランプトレイT(以下、「クランプトレイT」と記すことがある)の収容穴11及びその近傍の部分断面斜視図を示す。図1に示すようにクランプトレイTは、上側プレート1、可動プレート3、および下側プレート2の各プレート部材が、この順に積層配置された構成となっている。
次に各プレート部材の構成について、図2〜図8を参照しながら以下に説明する。上側プレートについてまず説明する。図2に上側プレート1の平面図、図3にA−A線断面図、図4に収容穴の拡大平面図、図5に図4のB−B線断面図を示す。これらの図に示すように上側プレート1は、四角形の1つ角部を切り取った形状となっている。そして、ワークW(図1に図示)を収容可能な四角形状の収容穴11がx方向及びy方向にマトリックス状に複数個形成されている。また、面取りされた角部を除く上側プレート1の3つの角部には、上側プレート1と下側プレート2とを貼り合わせる際に両プレートを位置決めするための穴17が3つ形成されている。面取りされた角部とその対角に位置する角部には可動プレート3を移動させるための長穴15と丸穴16が形成されている。長穴15と丸穴16を用いた可動プレート3の移動方式については後述する。
そして、上側プレート1は下面に、上側プレート1の外枠に沿って形成された枠状凸部13と、収容穴11が形成されている領域に所定間隔を隔てて形成された4つの柱状凸部14aと、角部が切り取られた領域に形成された2つの柱状凸部14bと、複数個の収容穴11のそれぞれにおいて隣り合う2辺の内側面のそれぞれと面一となるように平面視においてL字状に形成された凸状の突き当て部12とを有する。枠状凸部13、柱状凸部14a,14b、突き当て部12は可動プレート3の厚みよりも高く設定される。これにより、可動プレート3の移動が円滑に行えるようになる。また、枠状凸部13、柱状凸部14a,14b、突き当て部12の高さは同じであるのが望ましい。これにより、上側プレート1と下側プレート2の撓みなどを防止でき両プレートの間隔を一定に維持できる。
本発明において、枠状凸部13、柱状凸部14a,14b、突き当て部12が上側プレート1に一体に形成されていることが重要である。これらの凸部が上側プレート1に一体に成形されることによって、突き当て部材を別部材として下側(又は上側)プレートに溶接していた従来のクランプトレイに比べて突き当て部12の高さを低くすることができ、従来よりも更に薄いワークの位置決め固定可能となる。枠状凸部13、柱状凸部14a,14b、突き当て部12を上側プレート1と一体に成形する加工方法に特に限定はないが、厚さ1mm以下の上側プレート1にこのような凸部を形成する場合には、フォトエッチング加工によるハーフエッチングが好適に使用される。
次に、可動プレート3について説明する。図6に可動プレート3の平面図、図7に位置決め穴34の拡大平面図をそれぞれ示す。可動プレート3は、上側プレート1と略相似形状を有し上側プレート1よりも小さく、上側プレート1の枠状凸部13の内側に収まる形状を有している。可動プレート3は、四角形状で1つの角部に切れ目311が形成された枠状の固定部31と、枠状の固定部31内に収まった四角形状の可動部32と、固定部31と可動部32とに接続する複数のバネ部33とを有する。
固定部31の対角に位置する角部には、下側プレート2と貼り合わせる際に可動プレート3と下側プレート2とを位置決めするための穴30がそれぞれ2つ形成されている。また、四角形状の可動部32は、上側プレート1に形成された収納穴11に対応する位置にそれぞれ位置決め穴34を有する。図7に示すように、四角形状の位置決め穴34の隣り合う2つの内壁面にには、ワークWをx方向に付勢する第1板ばね35aとy方向に付勢する第2板ばね(何れも弾性部材)35bとが可動部32と一体に形成されている。第1板ばね35a及び第2板ばね35bはいずれも、ワークWに当接する当接部351とクランク状に成形された弾性部352とを有する。
また、可動部32は、対向する角部から外方に突出する押しボタン部36aと突出部36bとを有する。押しボタン部36aは固定部31の切れ目311から外方に突出し、突出部36bは固定部31の切り欠き部312に係入している。押しボタン部36aと突出部36bには長穴37と丸穴38が形成されている。また、上側プレート1に形成された柱状凸部14a,14bのそれぞれに対応する位置に長穴39a,39bが形成されている。
可動プレート3の固定部31、可動部32、バネ部材33、第1板ばね35a、第2板ばね35bは一体形成されているのが望ましい。これらを一体成形する際しては、前述のフォトエッチング加工が好適に使用できる。
下側プレート2について説明する。図8に、下側プレート2の平面図を示す。下側プレート2は、上側プレート1と同じ平面形状を有し、上側プレート1の収容穴11のそれぞれに対応する位置に吸引穴21を有する。そして、下側プレート2の面取りされた角部を除く下側プレート2の3つの角部には、上側プレート1との貼り合わせの際に上側プレート1と下側プレート2とを位置決めするための穴25がそれぞれ形成され、下側プレート2の対向する角部には、可動プレート3と貼り合わせる際に可動プレート3と下側プレート2とを位置決めするための穴24がそれぞれ2つ形成されている。また、面取りされた角部とその対角に位置する角部には可動プレート3を移動させるための長穴22と丸穴23が形成されている。なお、図8に破線で示す部分は、上側プレート1の柱部凸部14a,14bが当接する部分を示している。柱状凸部14a,14bと下側プレート2とは当接部において接合され、上側プレート1と下側プレート2とが固定される。
次に、本発明のクランプトレイTの組み立てについて説明する。まず、下側プレート2の上に可動プレート3が重ね合わせられる。そして、可動プレート3の4つの穴30と下側プレート2の4つの穴24とが上下方向に重なり合うようにし、これらの穴にピン(不図示)が嵌め入れられ可動プレート3と下側プレート2とが位置決めされる。そして、可動プレート3の固定部31の所定位置が下側プレート2に接合される。接合には、例えばスポット溶接やネジによる締結など従来公知の接合方法を用いることができる。
次いで、可動プレート3を接合した下側プレート2の上に上側プレート1が重ね合わせられる。そして、上側プレート1の3つの穴17と下側プレート2の3つの穴25とが上下方向に重なり合うようにし、これらの穴にピン(不図示)が嵌め入れられ上側プレート1と下側プレート2とが位置決めされる。このとき、上側プレート1の下面に形成された枠状凸部13が下側プレート2に当接し、可動プレート3は枠状凸部13で囲まれた領域に収納される。また、上側プレート1の柱状凸部14a,14bは可動プレート3に形成された長穴39a,39bを通って下側プレート2に当接する。長穴39a,39bの内周と柱状凸部14a,14bの外周との隙間は、可動プレート3の可動部32の移動量よりも広く設定されている。すなわち、長穴39a,39bの大きさは、可動部32の移動に伴う可動部32と柱状凸部14a,14bとの干渉が生じない大きさに設定されている。そのため、柱状凸部14a,14bが可動部32の移動を妨げることはない。そしてまた、上側プレート1のそれぞれ収容穴11に形成された突き当て部12も、可動部32の位置決め穴34を通って下側プレート2に当接する。そして、上側プレート1の柱状凸部14a,14bと下側プレート2とが当接している部分が接合される。接合には、前述のようにスポット溶接やネジによる締結など、従来公知の接合方法を用いることができる。また、上側プレート1と下側プレート2との接合は柱状凸部14a,14bの外、枠状凸部13及び突き当て部12において行ってももちろん構わない。
次に、このような構成のクランプトレイTによるワークWの固定及び解放について説明する。図9に、クランプトレイTの収容穴11及びその近傍の平面図、図10に図9のC−C線断面図を示す。可動プレート3の可動部32は通常はワークWを固定する位置にある。このとき、押しボタン部36aは上側プレート1及び下側プレート2の面取りした角部から外方に突出した状態となっている。この状態では、上側プレート1の収容穴11から第1板ばね35a及び第2板ばね35bの少なくとも一部が露出している。
次に、クランプトレイTにワークWを位置決め固定する場合には、押しボタン部36aに力を加え、バネ部材33の付勢力に抗してクランプトレイTの内側方向に押し込む。すると、押しボタン部36aと一体に成形された可動部32が移動し、第1板ばね35a及び第2板ばね35bが上側プレート1の収容穴11から見えない位置に移動する。これにより、ワークWを収容穴11に収容可能な状態となる。次いで、収容穴11および位置決め穴34にワークWを収容する。収容穴11は、ワークWの大きさのバラツキを考慮し標準的なワークWの外形よりも大きく形成されている。そのためこの段階では、収容されたワークWは位置決め固定されていない。
次に、押しボタン部36aに加えていた力を外すと、バネ部材33の付勢力によって可動部32は押しボタン部36aが外方に突出する方向に移動する。このとき、第1板ばね35aと第2板ばね35bがワークWに当接してワークWを上側プレート1の突き当て部12の方向へ移動させる。そして、第1板ばね35aと第2板ばね35b及び突き当て部12によって、ワークWは位置決めされるとともに挟持され固定される。このとき可動プレート3は、収容されたワークWを押し付けて固定する固定位置にある。
位置決め固定されたワークWを収容穴11から取り出す場合は、押しボタン部36aをクランプトレイTの内側方向に押し込む。これにより、可動部32が同じ方向へ移動し、第1板ばね35aと第2板ばね35b及び突き当て部12とによるワークWの挟持が解除され、ワークWを取り出すことが可能となる。このとき可動プレート3は、固定されたワークWを解放する解放位置にある。
なお、ワークWの固定と解放は、クランプトレイTに形成された長穴や丸穴を用いて行うことも可能である。前述のように、上側プレート1、下側プレート2、可動プレート3の各プレートには長穴15,37,22及び丸穴16,38,23が形成されている。上側プレート1と下側プレート2の長穴15,22及び丸穴16,23は重ね合わせたときに平面視において完全に一致する位置に形成されている。一方、可動プレート3の可動部32の長穴37及び丸穴38は、上側プレート1と下側プレート2の長穴15,22及び丸穴16,23よりも図6において右上方向に若干ずれた位置に形成されている。
図11に、クランプトレイTにおける長穴と丸穴及びその付近の部分平面図を示す。クランプトレイTが組み立てられると、上側プレート1と下側プレート2の長穴15,22及び丸穴16,23は平面視において完全に一致する。一方、可動プレート3の可動部32の長穴37及び丸穴38は、上側プレート1と下側プレート2の長穴15,22及び丸穴16,23よりも右上方向に若干ずれた位置となる。このため、上側プレート1と下側プレート2の長穴15,22及び丸穴16,23から可動プレート3の可動部32が一部露出した状態となる。
クランプトレイTに形成された長穴や丸穴を用いてワークWを固定する場合は、上側プレート1と下側プレート2の長穴15,22及び丸穴16,23にピン(不図示)を挿入して、長穴15,22及び丸穴16,23から露出している可動部32を長穴15,22及び丸穴16,23から見えない位置まで移動させる。これにより、ワークWを収容穴11に収容可能な状態となる。次いで、収容穴11および位置決め穴4にワークWを収容する。その後、長穴15,22及び丸穴16,23からピン(不図示)を引き抜く。すると、バネ部材33の付勢力によって可動部32は図6において右上方向に移動し、第1板ばね35aと第2板ばね35b及び突き当て部12によって、ワークWは位置決めされるとともに挟持され固定される。
一方、ワークWを解放する場合は、上側プレート1と下側プレート2の長穴15,22及び丸穴16,23にピン(不図示)を挿入して、長穴15,22及び丸穴16,23から露出している可動部32を長穴15,22及び丸穴16,23から見えない位置まで移動させる。これにより、第1板ばね35aと第2板ばね35b及び突き当て部12とによるワークWの挟持が解除され、ワークWを取り出すことが可能となる。なお、ワークWの固定と解放は長穴及び丸穴のどちらか一方を用いて行うことも可能である。そしてまた、ワークWの固定と解放のための穴は1箇所であってもよいし2箇所以上であってもよい。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
図12に可動プレート3aの平面図を示す。上側プレート1と下側プレート2とは第1実施形態のものと共通である。第1実施形態の可動プレート3では枠状の固定部31が用いられていたが、図12に示す可動プレート3aでは、複数個のバネ部材33のそれぞれに対応して複数個の固定部31aが用いられる。これらの固定部31aは下側プレート2に固定されている。本実施形態は、空間的余裕がなく可動プレートの固定部を枠状の一体形成物とできない場合などに適用できる。また、本実施形態によれば上側プレート1の枠状凸部13を固定部31a間に枝状に延出させることができ、上側プレート1の強度をさらに高めたい場合などにも適用できる。そしてまた、可動プレート3aにおける固定部の容積が小さくなりクランプトレイTの軽量化を図ることができる。なお、各固定部31aの大きさ及び形状は、下側プレート2に固定できる大きさ及び形状であればよく、固定部31aを固定する手段等を考慮して適宜決定すればよい。図12に示す形態は、スポット溶接によって固定部31aを下側プレート2に固定する形態であって、スポット溶接部分が破線で示されている。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。
図13に上側プレート1の収納穴11及びその付近の部分平面図を示す。なお、可動プレート3は、図6に示す第1実施形態のものにおいて、柱状突起14aとの干渉を避けるための長穴39aの部分に位置決め穴34が形成されたものを用いる。また、下側プレート2は、図8に示す第1実施形態のものにおいて柱状突起14aとの接触部分(破線部分)に吸引穴21が形成されてものを用いる。
図2に示した第1実施形態の上側プレート1では、柱状凸部14aを設けて上側プレート1と下側プレート2との間の撓みを抑え両プレート間が所定間隔となるようにしていた。このため柱状凸部14aが形成される部分には収容穴11を形成することができなかった。図13に示す第3実施形態では、ワークWを挟持するための突き当て部12の厚み(x方向及びy方向)を厚くして、突き当て部12に柱状凸部14aの役割をも果たさせるようにした。すなわち、L字状の突き当て部12をx方向及びy方向に厚くし、突き当て部12と下側プレート2との接触面積を広くして溶接可能な領域を確保した。これにより、これまで柱状凸部14aが形成されていた部分にも収容穴11が形成可能となってクランプトレイTの収容穴個数が増加可能となる。なお、図13に示すような厚みのある突き当て部は、すべての収納穴11において設ける必要はなく、例えば、第1実施形態の柱状突起14aが形成されていた部分の収容穴に設ければよい。
(その他)
以上説明した各プレートをエッチングにより加工する場合、プレート材料はエッチング液に対して腐食性を有するものであり、例えばステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウムなどの金属材料が好適に使用される。
以上説明した実施形態では、第1板ばね35a及び第2板ばねと共にワークWを挟持し固定する突き当て部12は上側プレート1に形成されていたが、突き当て部12は下側プレート2に形成されていてもよい。
また、下側プレート2に形成されている吸引穴21は円形に限定されるものではなく多角形などであってもよい。吸引穴21の形成個数も1つに限定されるものではなく2つ以上であっても勿論構わない。また、吸引穴21は無くてもよい。さらには、吸引穴21に換えて上側プレート1の収容穴11と同一形状の穴を形成してもよい。このような穴を形成した場合、z方向に長いワークWの固定が可能となる。
本発明のクランプトレイは、上側プレートと、下側プレートと、可動プレートとを備えていればよく、従来のクランプトレイのようなワークを挟持するための突き当て部材やプレート間隔を調整するためのスペーサーを基本的に必要としない。これにより、突き当て部材やスペーサーを上側プレートや下側プレートなどに溶接するための領域が不要となり、不要となった領域に収容穴を形成でき従来よりも収容穴の個数を多くすることができる。また、部材同士の貼り合わせが従来よりも少なくなって組み立て精度が向上すると共に、溶接などの貼り合わせ処理によって生じるプレートの歪みが抑えられる結果、ワーク固定位置の精度も向上する。
本発明は、各種のワークをクランプするワーククランプトレイに利用可能である。
1 上側プレート
2 下側プレート
3 可動プレート
T ワーククランプトレイ
W ワーク
11 収容穴
12 突き当て部
13 枠状凸部
14a,14b 柱状凸部
15 長穴
16 丸穴
21 吸引穴
22 長穴
23 丸穴
31 固定部
32 可動部
33 バネ部材
34 位置決め穴
35a 第1板ばね(弾性部材)
35b 第2板ばね(弾性部材)
37 長穴
38 丸穴
3a 可動プレート(第2実施形態)
31a 固定部(第2実施形態)
12a 突き当て部(第3実施形態)

Claims (9)

  1. 上側プレートと、可動プレートと、下側プレートとがこの順で積層配置され、
    前記可動プレートは、ワークを収容する複数個の位置決め穴が形成され、収容されたワークを固定する固定位置と、当該固定されたワークを解放する解放位置とに移動が可能であり、
    前記上側プレート及び前記下側プレートの少なくとも一方には、前記位置決め穴へのワークの収容を可能とする収容穴が形成され、
    前記上側プレート又は前記下側プレートに、対向するプレート方向に突出した突き当て部が前記上側プレート又は前記下側プレートと一体に形成され、
    前記突き当て部の突出高さが前記可動プレートの厚みよりも高く、
    前記突き当て部の突出方向の先端部が、対向する前記上側プレート又は前記下側プレートに当接し接合され、
    前記突き当て部と前記位置決め穴との間でワークが挟持されることを特徴とするワーククランプトレイ。
  2. 前記可動プレートをはめ込み可能な枠状凸部と、前記上側プレートと前記下側プレートとを所定間隔で支持する柱状凸部と、前記突き当て部とが、前記上側プレート又は前記下側プレートに一体に形成されている請求項に記載のワーククランプトレイ。
  3. 上側プレートと、可動プレートと、下側プレートとがこの順で積層配置され、
    前記可動プレートは、ワークを収容する複数個の位置決め穴が形成され、収容されたワークを固定する固定位置と、当該固定されたワークを解放する解放位置とに移動が可能であり、
    前記上側プレート及び前記下側プレートの少なくとも一方には、前記位置決め穴へのワークの収容を可能とする収容穴が形成され、
    前記上側プレート又は前記下側プレートに、対向するプレート方向に突出した突き当て部が前記上側プレート又は前記下側プレートと一体に形成され、
    前記可動プレートをはめ込み可能な枠状凸部と、前記上側プレートと前記下側プレートとを所定間隔で支持する柱状凸部と、前記突き当て部とが、前記上側プレート又は前記下側プレートに一体に形成され、
    前記突き当て部と前記位置決め穴との間でワークが挟持されることを特徴とするワーククランプトレイ。
  4. 前記突き当て部の突出高さが前記可動プレートの厚みよりも高い請求項記載のワーククランプトレイ。
  5. 前記突き当て部の前記収容穴に臨む側面が、前記収容穴の内側面と面一である請求項1〜4のいずれかに記載のワーククランプトレイ。
  6. 前記可動プレートが、
    前記上側プレート及び下側プレートの少なくとも一方に固定される固定部と、
    前記位置決め穴が形成され、前記固定位置と前記解放位置とに移動可能な可動部と、
    前記固定部と前記可動部の間に介在して前記可動部を前記解放位置から前記固定位置へ付勢するバネ部と、
    を有する請求項1〜のいずれかに記載のワーククランプトレイ。
  7. 前記固定部が枠形状を有し、前記可動部が前記固定部内に配置されている請求項記載のワーククランプトレイ。
  8. 前記可動プレートが、前記バネ部を複数有し、これら複数のバネ部のそれぞれに対応して複数の固定部を有する請求項記載のワーククランプトレイ。
  9. 前記位置決め穴の内側面に弾性部材が設けられ、
    前記固定位置へ移動した状態において、前記弾性部材がワークを前記突き当て部方向へ付勢するように形成された請求項1〜のいずれかに記載のワーククランプトレイ。
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