JP6816736B2 - 抽出時間の調整方法及び抽出時間の決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱炉からスラブを抽出する、抽出時間の調整方法及び抽出時間の決定方法に関する。
加熱炉で加熱されたスラブから鋼帯を製造する圧延製造ラインでは、材料の圧延後のサイズや圧延時間を予測し、圧延順前後の材料が圧延ライン上で衝突しないように、加熱炉からのスラブの抽出ピッチが決定される。
例えば、特許文献1には、加熱炉内の在炉時間から抽出ピッチを決定する演算方式と、加熱炉から抽出されたスラブの圧延スケジュールを演算し,抽出ピッチを予測する方式を備えた抽出ピッチ決定方法が開示されている。
また、特許文献2には、エンドレス圧延において、粗圧延後に一旦コイルボックスで材料の巻き取りを行い、切断と溶接とにかかる時間を抽出ピッチに反映させ、次材抽出ピッチを決定する方法が開示されている。
特許文献1や特許文献2では、連続的に加熱炉から抽出される複数のスラブについて、圧延製造ラインの各設備における、材料(スラブやシートバー)の加熱や圧延、搬送等に要する時間から、加熱炉からの抽出ピッチを決定する。このような抽出ピッチの決定方法を、MPC(ミルページング)ともいう。
さらに、特許文献3には、搬送を考慮した方法として、圧延と精整ラインとが直結した鋼管製造ラインにおいて、材料の渋滞判定を行って精整ラインへの材料のラインオフやラインインの判定演算を行う方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、特許文献3の制御として、圧延ライン〜精整ライン下流側までの物流をシミュレーションし、オフラインの仕掛材を精整ラインの空き時間に移動情報を表示する方法が開示されている。
特開昭60−33169号公報 特開平10−235418号公報 特開平7−164035号公報 特開平11−285716号公報
ところで、圧延製造ラインでは、生産能力の最大能力を出すことが求められており、能率向上を目的とした様々な取り組みが行われている。しかしながら、圧延製造ラインの生産能力が向上するにつれ、生産能率のボトルネックとなる工程は、圧延製造ラインよりも物流の下流側の工程に移行している。このような工程としては、例えば、コイラーによる巻き取り後の搬送工程における搬送能力不足による生産能率の低下がある。特許文献1,2に記載の方法では、このような圧延製造ラインの下流側での生産能率の低下は考慮されていないことから、搬送能力の低下によって圧延製造ラインで渋滞が発生するといった問題が生じることとなる。圧延製造ラインにおいて渋滞が発生した場合、適正な温度での材料の圧延ができなくなることから、製品が目標とする組織となっていない等の品質上の問題が発生することとなる。また、渋滞が発生し、搬送設備の制約によりコイラーにてコイルの受け入れができない状態で、コイラーに鋼帯のストリップ先端が進入してしまうと、巻き取りが行われずに設備が長時間休止することとなる。
また、特許文献3及び特許文献4に記載の方法では、能力不足を出さないために、ロッド単位の仕掛材の圧延スケジュールから、オフライン材の仕掛材を無駄なく精整ラインに導入することを目的としており、加熱炉からの抽出時間については変更がなされない。また、予定している以上にオフライン材が増えることとなるため、結果的には能率の低下に繋がることがある。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、加熱炉からスラブの抽出時間を調整することで、圧延製造ラインの渋滞を解消することができる、抽出時間の調整方法及び抽出時間の決定方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、スラブからコイルを製造する圧延工程と、上記コイルを次工程へと搬送するコイル搬送工程とを備える圧延製造ラインにおいて、加熱炉から上記スラブを抽出する時間を調整する、抽出時間の調整方法であって、上記コイル搬送工程における第1の渋滞率を算出する工程と、上記第1の渋滞率と第1の渋滞判定値とから、上記コイル搬送工程において渋滞が発生しているか否かを判断する工程と、上記コイル搬送工程において渋滞が発生した場合に、上記コイル搬送工程における第2の渋滞率を算出する工程と、上記第2の渋滞率と第2の渋滞判定値とから、上記圧延工程において渋滞が発生しているか否かを判断する工程と、上記圧延工程において渋滞が発生した場合に、上記圧延工程及び上記コイル搬送工程における渋滞が解消される渋滞解消必要時間を算出し、上記渋滞解消必要時間に基づいて次に上記加熱炉から抽出されるスラブである変更材の抽出時間を調整する工程と、を備え、上記第1の渋滞率及び上記第2の渋滞率は、上記圧延工程及び上記コイル搬送工程上のトラッキング数と、上記圧延工程及び上記コイル搬送工程に保持可能な最大存在可能数とからそれぞれ求められ、上記第1の渋滞判定値及び上記第2の渋滞判定値は、上記圧延工程及び上記コイル搬送工程にて、渋滞が発生したと判定される渋滞率とし、上記コイル搬送工程において渋滞が発生していない場合、及び上記圧延工程において渋滞が発生していない場合には、上記抽出時間の調整を行わないことを特徴とする、抽出時間の調整方法が提供される。
本発明の一態様によれば、スラブからコイルを製造する圧延製造ラインにおいて、加熱炉からの上記スラブの抽出時間を圧延条件に応じて決定する、抽出時間の決定方法であって、上記圧延条件に応じて上記スラブの抽出時間を決定し、上記コイルが次工程へと搬送されるコイル搬送工程に、製造されたコイルが搬送された後、上記の抽出時間の調整方法を用いて、次に上記加熱炉から抽出されるスラブである変更材の抽出時間を調整することを特徴とする抽出時間の決定方法が提供される。
本発明の一態様によれば、加熱炉からスラブの抽出時間を調整することで、圧延製造ラインの渋滞を解消することができる、抽出時間の調整方法及び抽出時間の決定方法が提供される。
圧延製造ラインを示す構成図である。 本発明の一実施形態に係る抽出時間の調整方法を示すフローチャートである。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するように、本発明の実施形態を例示して多くの特定の細部について説明する。しかしながら、かかる特定の細部の説明がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかである。また、図面は、簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
<抽出時間の決定方法>
本発明の一実施形態に係る加熱炉抽出ピッチの決定方法について説明する。本実施形態では、コイル状の鋼帯(単に「コイル」ともいう。)を製造する圧延製造ライン1において、加熱炉3から抽出されるスラブの抽出時間を決定する。
圧延製造ライン1は、スラブからコイルを製造し、コイルを次工程へと搬送する一般的な圧延製造ラインである。圧延製造ライン1では、スラブヤード2に保管されているスラブが加熱炉3へと送られ、所定の温度に加熱される。次いで、加熱されたスラブは、後述する方法により決定される抽出時間に応じて加熱炉3から抽出され、粗圧延ミル4にて所定の板厚のシートバーに圧延(「粗圧延」ともいう。)される。さらに、粗圧延されたシートバーは、仕上圧延ミル5にて圧延(「仕上圧延」ともいう。)されて目標の板厚の鋼帯となる。その後、仕上圧延された鋼帯は、コイラー6にて巻き取られ、コイルとなる。次いで、コイラー6にて巻き取られたコイルは、2つの搬送ライン7,8を介して搬送され、コイルヤード9に搬送される。搬送ライン7,8は、コイルをライン上で搬送するコンベアであり、搬送ライン7,8との間では、搬送設備10によって搬送ライン7から搬送ライン8へのラインの切り替えが行われる。また、搬送ライン8からコイルヤード9へのコイルの搬送は、クレーン11によって行われる。さらに、コイルヤード9に搬送されたコイルは、コイルヤード9にて保管され、各コイルに応じたタイミングで、次工程12へと搬送される。コイルヤード9から次工程12への搬送は、クレーン13にて行われる。なお、以下では、加熱炉3〜コイラー6で行われる工程を圧延工程、搬送ライン7〜次工程12に搬出されるまでの工程をコイル搬送工程ともいう。
圧延製造ライン1では、以下の方法によって加熱炉3からのスラブの抽出時間が決定され、決定された抽出時間に合わせてコイルの製造や搬送が行われる。スラブの抽出時間の決定方法では、まず、これから連続的に圧延される複数のスラブについて、圧延条件に応じて加熱炉3からのスラブの抽出時間を決定する(「抽出MPC」ともいう。)。抽出時間の決定は、コンピュータによって行われる。抽出時間は、スラブやシートバーといった材料の圧延後のサイズや圧延時間を予測し、圧延順前後の材料が圧延ライン上で衝突しないように決定される。抽出時間は、例えば、特許文献1に記載の方法と同様な方法を用いてもよい。
その後、加熱炉3から抽出時間に応じて複数のスラブが順次抽出され、連続的に圧延が行われ、コイルが製造される。そして、搬送ライン7にコイルが搬送されると、以下に説明する抽出時間の調整方法を用いて、加熱炉3からの抽出時間の調整が行われる。
(抽出時間の調整方法)
本実施形態に係る抽出時間の調整方法は、事前に抽出MPCによって決定された抽出時間について、圧延工程よりも製造工程の下流側のコイル搬送工程の渋滞率に応じて抽出時間を調整するものである。なお、本実施形態では、生産能率のボトルネックとなる工程がコイル搬送工程の一つである搬送ライン7でのコイル搬送であるとして、搬送ライン7の渋滞に着目して調整を行うものとする。
抽出時間の調整は、図2に示す処理フローに従って行われる。この処理フローは、コイル搬送工程である搬送ライン7にコイラー6からコイルが搬送されたタイミングで開始される。また、抽出時間の調整は、コンピュータによって行われる。このコンピュータは、抽出MPCを行うコンピュータを同じものであってもよい。さらに、本実施形態では、圧延製造ライン1上のスラブ、シートバー及び鋼帯(以下ではまとめて「材料」ともいう。)、並びにコイルは、トラッキング装置によって監視されており、それぞれが圧延製造ライン1上のどの位置にいるかは抽出MPCを行うコンピュータよりも上位のコンピュータによって監視及び制御されている。
抽出時間の調整では、まず、抽出時間を調整するスラブが存在するか否かが判断される(S100)。抽出時間を調整するスラブとは、これから加熱炉3から抽出され圧延が行われるスラブであり、加熱炉3から次に抽出されるスラブである。このスラブを「変更材」ともいう。
ステップS100にて、抽出時間を調整するスラブが存在しないと判断された場合、抽出時間の調整処理が終了する。
一方、ステップS100にて、抽出時間を調整するスラブが存在すると判断された場合、コイル搬送工程の渋滞率である搬送ライン7の第1の渋滞率R(%)が算出される(S102)。第1の渋滞率Rは、下記(1)式で算出される値である。(1)式において、Nは搬送ライン7上のコイルの数であるゾーン内トラッキング数(個)であり、N1maxは搬送ライン7に保持可能なコイルの最大数であるゾーン内最大存在可能数(個)である。ゾーン内最大存在可能数N1maxは、搬送ライン7であるコンベア上に積載可能なコイルの数であり、搬送ライン7の長さ等の仕様に応じて設定される。
=N/N1max×100・・・(1)
次いで、ステップS102で算出された第1の渋滞率Rに基づいて、コイル搬送工程である搬送ライン7で渋滞が発生しているか否かが判定される(S104)。ステップS104の判定は、第1の渋滞判定値RJ1(%)を用いて行われ、第1の渋滞率Rが第1の渋滞判定値RJ1以上となることで渋滞が発生していると判断される。例えば、第1の渋滞判定値RJ1は、搬送ライン7の設備的な限界から設定されてもよい。例えば、図1に示す圧延製造ライン1のコイラー6では、3基のコイラーが設けられ、このうち2基が稼働した状態で操業が行われる。また、搬送ライン7では、ゾーン内最大存在可能数N1maxを12個とする。この場合、実操業では、2基のコイラー6から交互にコイルが搬出され、搬送ライン7ではこの2系統から排出されるコイルを並行して搬送することとなる。搬送ライン7のゾーン内最大存在可能数N1maxは、設備的に搬送可能なコイルの数であり、具体的には2基のコイラー6からほぼ同時にコイルが搬送された場合の数となる。このため、実質的には、2基のコイラー6からは同時にコイルが搬送されることはないため、ゾーン内トラッキング数Nは12個となることはない。本実施形態では、一例として、渋滞判定値RJ1を、ゾーン内トラッキング数Nが7個となる第1の渋滞率Rである、58%(=7個/12個)とする。また、このような第1の渋滞率Rとしては、例えば、搬送ライン7に搬入されるコイルのピッチ(時間間隔)が、同コイルが搬送ライン8へと搬出されるコイルのピッチよりも短くなるときの、第1の渋滞率Rから設定してもよい。
ステップS104にて、渋滞が発生していないと判定された場合、抽出時間の調整処理が終了する。
一方、ステップS104にて、渋滞が発生していると判定された場合、圧延工程である粗圧延ミル4、仕上圧延ミル5及びコイラー6での第2の渋滞率Rが算出される(S106)。第2の渋滞率Rは、下記(2)式で算出される値である。(2)式において、Nは粗圧延ミル4、仕上圧延ミル5及びコイラー6上の材料やコイルの数であるゾーン内トラッキング数(個)であり、N2maxは粗圧延ミル4、仕上圧延ミル5及びコイラー6に保持可能な材料の最大数(ポジション数)であるゾーン内最大存在可能数(個)である。
=N/N2max×100・・・(2)
ステップS106の後、ステップS102で算出された第2の渋滞率R2に基づいて、圧延工程である粗圧延ミル4、仕上圧延ミル5及びコイラー6で渋滞が発生しているか否かが判定される(S108)。ステップS104の判定は、第2の渋滞判定値RJ2(%)を用いて行われ、第2の渋滞率R2が第2の渋滞判定値RJ2以上となることで品質上問題となる渋滞が発生していると判断される。第2の渋滞判定値RJ2は、粗圧延ミル4、仕上圧延ミル5及びコイラー6に品質上問題となる渋滞が発生すると判断される第2の渋滞率R2に応じて設定される。ここで、品質上問題となる渋滞とは、スラブの抽出ピッチに対して、粗圧延ミル4または仕上圧延ミル5において、品質上問題となる材料の通過時間の遅れが発生する状態をいう。粗圧延ミル4または仕上圧延ミル5において、通過時間の遅れが大きくなると、材料の温度が低下することから、粗圧延または仕上圧延において目標とする材料組織や材料特性が得られない可能性が出てくる。例えば、ゾーン内最大存在可能数N2maxが6個である場合において、ゾーン内トラッキング数N2が3個以上となると品質上問題となる渋滞が発生する恐れがあるとする場合、50%(=3個/6個×100)が第2の渋滞判定値RJ2とすることができる。
ステップS108にて、渋滞が発生していないと判定された場合、抽出時間の調整処理が終了する。なお、この場合、コイル搬送工程では渋滞が発生しているものの、圧延工程ではその影響がまだ少なく、品質上問題となる渋滞は発生していない状態となる。
一方、ステップS108にて、渋滞が発生していると判定された場合、調整された変更材の抽出の時間間隔である、抽出ピッチ変更値TMPC(min)を算出する(S110)。抽出ピッチ変更値TMPCは、下記(3)式を用いて算出される時間である。(3)式において、Tは(4)式で表される渋滞解消必要時間(min)であり、TAVEは直近に加熱炉3から抽出された複数のスラブの抽出時間の平均間隔である平均抽出ピッチ(min)である。本実施形態では、一例として、TAVEとして、渋滞の判定時における過去5本分のスラブの抽出ピッチを平均化したものを用いる。また、(4)式において、NPROは(5)式で表される処理コイル数(個)、TTRAは搬送ライン7においてコイルの入側から出側までの搬送に必要な時間(min)、αは能率低下を回避するために補正係数である。特に、補正係数αは、圧延製造ライン1の搬送能力の仕様に対して、実際の操業上は搬送能力に余裕があるため、この余裕代を補正するための係数である。補正係数αは、設備、鋼板の種類により変化するが、0.0から1.0の値をとる。例えば、通常の加熱炉においては、補正係数αを0.85としてもよい。例を挙げると、3コイル分の圧延ピッチを自動で落とす場合、搬送ライン7の設備能力(1コイル/70sec)からは、ピッチを210sec広げる必要がある。しかし、実操業においては、そこまでピッチを広げる必要はなく、180secでよいため、180/210=0.85を補正係数αとする。また、補正係数の低い材料が、圧延工程に在る場合又はこれから抽出されるスラブのうち圧延抽出順の3本目までに含まれる場合には、その直後にピッチが長くなるため、抽出ピッチを大きくあける必要はない。また補正係数αは、コンピュータ上で変更可能としてもよい。このようにすることで、搬送能力の向上によって運用形態が変わった場合においても、その都度、補正係数αを調整することで、最適に抽出ピッチとなるように調整をすることができる。(5)式において、NROLは圧延工程におけるトラッキング数(個)であり、Nlevは前ゾーン及び搬送ライン7における渋滞判定トラッキング数(個)である。なお、本実施形態では、前ゾーンとは、搬送ライン7よりも上流側、つまり粗圧延ミル4〜コイラー6のゾーンである。トラッキング数は、前ゾーンに存在する、スラブ、シートバー及びコイルの数である。渋滞判定トラッキング数Nlevは、(6)式のように第1の渋滞判定値RJ1を用いて算出される。つまり、調整ピッチ変更値TMPCは、(3)式〜(5)式をまとめた(7)式にて算出される。
MPC=T+TAVE ・・・(3)
T=NPRO×TTRA×α ・・・(4)
PRO=(N+NROL−Nlev) ・・・(5)
lev=RJ1×N1max ・・・(6)
MPC=(N+NROL−Nlev)×TTRA+TAVE ・・・(7)
ステップS110の後、変更材と変更材の前に抽出されるスラブとの抽出の時間間隔がステップS110で算出された抽出ピッチ変更値TMPCとなるように、変更材の抽出時間が調整される(S112)。これにより、圧延製造ライン1での渋滞が解消された状態で、変更材が抽出されることとなる。なお、変更材の次以降に抽出されるスラブについては、変更材と同様に抽出時間が遅れることとなるが、それらの抽出ピッチについては抽出MPCによって設定されたものと同じとなる。そして、ステップS112が終了すると、抽出時間の調整処理も終了する。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、圧延製造ライン1は図1に示す構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。図1に示す構成は一例であり、一般的な熱延コイルの圧延製造ラインであれば、他の構成であってもよい。
また、上記実施形態では、搬送ライン7の渋滞率に基づいて抽出時間の調整を行うとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、粗圧延や仕上圧延よりも後の工程において生産能率のボトルネックとなる可能性がある工程であれば、搬送ライン8やコイルヤード9等の他のゾーンにおける渋滞率に基づいて抽出時間の調整が行われてもよい。搬送ライン8またはコイルヤード9での渋滞を考慮する場合、コイルの搬入のピッチとクレーン11,13のコイル搬出能力とから第1の渋滞判定値RJ1が設定されてもよい。例えば、搬送ライン8では、ゾーン内最大存在可能数N1maxが19個、搬送ライン7からのコイル1個当たりの搬入ピッチTが75sec、クレーン11の1回当たりのコイル搬出能力Tが150secとする。この場合、搬送ライン8の入出の能力差(T−T)から、クレーン11の一回のハンドリングの間に2個のコイルを搬送ライン8に搬送することができるため、ゾーン内トラッキング数Nが17個(=19個−2個)の場合に渋滞が発生しているとすることができる。このとき、第1の渋滞判定値RJ1は、89%(=17個/19個×100)となる。さらに、搬送ライン8またはコイルヤード9での渋滞を考慮する場合、ステップS110では、コイル搬送工程のうち該当する工程よりも上流側の工程(例えば、搬送ライン7)のトラッキング数や渋滞状況も考慮される。
さらに、上記実施形態では、変更材を1個としたが、本発明はかかる例に限定されない。変更材は、加熱炉3またはスラブヤード2に存在する複数のスラブとしてもよい。
さらに、上記実施形態のステップS104において、渋滞が発生したと判断された場合、作業者に渋滞の発生を知らせる警告処理が行われてもよい。この警告処理は、例えば、渋滞発生を知らせる音声ガイダンスや、電光掲示によって行うことができる。これにより、作業者に渋滞が発生したことを見える化することができ、作業者による抽出時間の調整をより正確に行うことができる。
さらに、上記実施形態では、図2に示す処理フローがコイル搬送工程のうち生産能率のボトルネックとなる工程に搬送されたタイミングで開始されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、図2に示す処理フローは、所定の時間間隔で連続的に行われてもよい。
さらに、上記実施形態では、ステップS110にて抽出ピッチ変更値TMPCを算出するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。ステップS110では、少なくとも渋滞解消必要時間Tが算出されればよく、その後、ステップS112にて渋滞解消必要時間Tに基づいて、抽出時間の調整が行われてもよい。この場合、例えば、もともと設定されていた変更材の抽出時間に対して、渋滞解消必要時間Tだけ遅らせた時間を調整された抽出時間としてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係る抽出時間の調整方法は、スラブからコイルを製造する圧延工程と、コイルを次工程へと搬送するコイル搬送工程とを備える圧延製造ライン1において、加熱炉3からスラブを抽出する時間を調整する、抽出時間の調整方法であって、コイル搬送工程における第1の渋滞率を算出する工程(S102)と、第1の渋滞率と第1の渋滞判定値とから、コイル搬送工程において渋滞が発生しているか否かを判断する工程(S104)と、コイル搬送工程において渋滞が発生した場合に、コイル搬送工程における第2の渋滞率を算出する工程(S106)と、第2の渋滞率と第2の渋滞判定値とから、圧延工程において渋滞が発生しているか否かを判断する工程(S108)と、圧延工程において渋滞が発生した場合に、圧延工程及びコイル搬送工程における渋滞が解消される渋滞解消必要時間を算出し、渋滞解消必要時間に基づいて次に加熱炉3から抽出されるスラブである変更材の抽出時間を調整する工程(S110,S112)と、を備え、第1の渋滞率及び第2の渋滞率は、圧延工程及びコイル搬送工程上のトラッキング数と、圧延工程及びコイル搬送工程に保持可能な最大存在可能数とからそれぞれ求められ、第1の渋滞判定値及び第2の渋滞判定値は、圧延工程及びコイル搬送工程にて、渋滞が発生したと判定される渋滞率とし、コイル搬送工程において渋滞が発生していない場合、及び圧延工程において渋滞が発生していない場合には、抽出時間の調整を行わない。
上記(1)の構成によれば、圧延工程よりも下流側のコイル搬送工程が生産能率のボトルネックとなる場合において、圧延工程及びコイル搬送工程における物流の渋滞を解消することができるようになる。これにより、渋滞に伴い発生する操業トラブルを防止することができ、操業トラブルによる生産能率の低下を抑制することができる。また、圧延工程における渋滞発生に伴い発生する、品質トラブルを防止することもできる。
(2)本発明の一態様に係る抽出時間の決定方法は、スラブからコイルを製造する圧延製造ラインにおいて、加熱炉3からのスラブの抽出時間を圧延条件に応じて決定する、抽出時間の決定方法であって、圧延条件に応じてスラブの抽出時間を決定し、コイルが次工程へと搬送されるコイル搬送工程に、製造されたコイルが搬送された後、上記(1)の抽出時間の調整方法を用いて、次に加熱炉3から抽出されるスラブである変更材の抽出時間を調整する。
上記(2)の構成によれば、上記(1)と同様な効果が得られる。
1 圧延製造ライン
2 スラブヤード
3 加熱炉
4 粗圧延ミル
5 仕上圧延ミル
6 コイラー
7,8 搬送ライン
9 コイルヤード
10 搬送設備
11 クレーン
12 次工程
13 クレーン

Claims (2)

  1. スラブからコイルを製造する圧延工程と、前記コイルを次工程へと搬送するコイル搬送工程とを備える圧延製造ラインにおいて、加熱炉から前記スラブを抽出する時間を調整する、抽出時間の調整方法であって、
    前記コイル搬送工程における第1の渋滞率を算出する工程と、
    前記第1の渋滞率と第1の渋滞判定値とから、前記コイル搬送工程において渋滞が発生しているか否かを判断する工程と、
    前記コイル搬送工程において渋滞が発生した場合に、前記圧延工程における第2の渋滞率を算出する工程と、
    前記第2の渋滞率と第2の渋滞判定値とから、前記圧延工程において渋滞が発生しているか否かを判断する工程と、
    前記圧延工程において渋滞が発生した場合に、前記圧延工程及び前記コイル搬送工程における渋滞が解消される渋滞解消必要時間を算出し、前記渋滞解消必要時間に基づいて次に前記加熱炉から抽出されるスラブである変更材の抽出時間を調整する工程と、
    を備え、
    前記第1の渋滞率及び前記第2の渋滞率は、前記コイル搬送工程及び前記圧延工程上のトラッキング数と、前記コイル搬送工程及び前記圧延工程に保持可能な最大存在可能数とからそれぞれ求められ、
    前記第1の渋滞判定値及び前記第2の渋滞判定値は、前記コイル搬送工程及び前記圧延工程にて、渋滞が発生したと判定される渋滞率とし、
    前記コイル搬送工程において渋滞が発生していない場合、及び前記圧延工程において渋滞が発生していない場合には、前記抽出時間の調整を行わないことを特徴とする、抽出時間の調整方法。
  2. スラブからコイルを製造する圧延製造ラインにおいて、加熱炉からの前記スラブの抽出時間を圧延条件に応じて決定する、抽出時間の決定方法であって、
    前記圧延条件に応じて前記スラブの抽出時間を決定し、前記コイルが次工程へと搬送されるコイル搬送工程に、製造されたコイルが搬送された後、
    請求項1に記載の抽出時間の調整方法を用いて、次に前記加熱炉から抽出されるスラブである変更材の抽出時間を調整することを特徴とする抽出時間の決定方法。
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