JP3177631B2 - 熱間圧延材の在炉時間設定方法および加熱制御方法 - Google Patents

熱間圧延材の在炉時間設定方法および加熱制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱間圧延材の在炉時
間設定方法および加熱制御方法に関する。さらに詳しく
は、多品種・少量生産がなされている熱間圧延設備にお
ける熱間圧延材の在炉時間設定方法および加熱制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱間圧延設備においては、生
産性を極限まで高めるために、可能な限り短い時間間隔
で圧延材を圧延ラインに供給するような制御がなされ、
また熱間圧延材の加熱炉における滞留時間、いわゆる在
炉時間もそれに合わせて制御されている。つまり、熱間
圧延材の加熱炉からの連続抽出がなされている。
【0003】例えば、特開平10−263641号公報
には、外乱が多く、且つ複雑化する操業形態の中でも、
最適な抽出タイミングと搬送パターンを決定し、ライン
効率を高めて、省エネルギを図ることを目的として、各
圧延設備における鋼材の温度を予測演算し、各圧延設備
が圧延可能な鋼材温度の範囲以内で、ネックとなる設備
の鋼材間ピッチを最短にするように、加熱炉からの鋼材
の抽出タイミングと、抽出後の鋼材の搬送パターンを決
定することを特徴とする熱間圧延ラインのミルページン
グ制御方法が提案されている。
【0004】特開平6−299231号公報には、粗ミ
ルライン下流での圧延材の待機を低減して、圧延設備を
円滑に運転することを目的として、先行圧延材における
搬送予測時刻と搬送実績時刻との誤差をもとに、次回の
加熱炉抽出時刻を補正するだけでなく、粗ミルライン上
流に存在する先行圧延材に対する搬送予測時刻を補正す
る熱間圧延におけるミルページング調整方法が提案され
ている。
【0005】特開昭62ー289308号公報には、加
熱炉を有する圧延ラインにおいて、ライン全体を粗圧延
ゾーン、バッファーゾーン、仕上圧延ゾーンに分類し、
予め設定された搬送パターンに基づいて、先行圧延材、
対象圧延材の搬送時間予測を行うと共に、この予測され
た搬送時間に応じて、粗圧延ゾーンでは圧延材の加熱炉
からの抽出ピッチを制御し、仕上圧延ゾーンでは圧延材
の仕上スタンドへの噛込みを制御し、粗圧延ゾーンと仕
上圧延ゾーンとの中間部を、搬送時間予測誤差修正のた
めのバッファーとして取扱うことを特徴とする熱間圧延
ラインにおけるミルページング制御方法が提案されてい
る。
【0006】しかしながら、これらの方法は、圧延材の
間ピッチを必要最小限とするため、いわば見切り発車的
に圧延材を次工程の圧延設備に進入させている。それ
故、圧延設備に不具合がなく、圧延、搬送が支障なく進
行しているときには問題は生じないが、いったんトラブ
ルが発生して、圧延材が滞留したときには、滞留してい
る圧延材と後からくる圧延材との干渉が起こったり、待
ち時間により圧延材の温度が、圧延できる許容範囲を超
えて低下するなどといったような事態を生ずる。
【0007】このような問題は、近年の熱間圧延設備
が、多種多様な製品を製造できる複合設備であることが
要求され、しかもいわゆる多品種・少量生産を可能とし
て顧客のニーズにタイムリーに対応できる設備であるこ
とが求められている現状において、より顕著になってき
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、多品種・少量生
産に適する熱間圧延設備における熱間圧延材の在炉時間
制御方法および加熱制御方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の熱間圧延材の在
炉時間設定方法は、コイル材、厚板材などの種類の異な
る複数の熱間圧延材が同一の加熱炉において加熱され、
かつ各圧延ラインにおいてその上流側の一部の圧延装置
が共用されている、熱間圧延設備における熱間圧延材の
在炉時間設定方法であって、各圧延ラインを圧延工程に
対応させた所要数のゾーンに分割し、前記各ゾーンには
一つの熱間圧延材しか存在しないようして、熱間圧延材
を加熱炉から抽出した場合における炉内に存在する各
間圧延材の在炉時間の設定が、ミル処理能力よる抽出時
間と、加熱炉処理能力による抽出時間とを比較して両抽
出時間の内で大きい方を炉内各熱間圧延材の実抽出時間
とし、当該熱間圧延材より炉内下流に位置する熱間圧延
材の前記実抽出時間を積算して得られた値によりなされ
ることを特徴とする。
【0010】 本発明の熱間圧延材の在炉時間設定方法
においては、下流ゾーンのサイクルタイムがその上流ゾ
ーンのサイクルタイムより長いために前記上流ゾーンの
サイクルタイムにより抽出をなした場合、前記下流ゾー
ンに熱間圧延材が2つ存在するようになるときは、ミル
処理能力よる抽出時間が熱間圧延材の加熱炉からの抽出
を所定時間遅らせて算出される。
【0011】また、本発明の熱間圧延材の在炉時間設定
方法においては、各熱間圧延材の加熱炉装入後における
実際の経過時間に基づいて、各熱間圧延材の在炉時間を
補正するのが好ましい。ここで、前記補正は、例えば、
熱間圧延材の抽出ごとに実際の経過時間を算出し、前記
経過時間を用いて各熱間圧延材の在炉時間を新たに算出
するようにしてなされる。
【0012】一方、本発明の熱間圧延材の加熱制御方法
は、コイル材、厚板材などの種類の異なる複数の熱間圧
延材が同一の加熱炉において加熱され、かつ各圧延ライ
ンにおいてその上流側の一部の圧延装置が共用されてい
る、熱間圧延設備における熱間圧延材の加熱制御方法で
あって、前記のいずれかにより設定された在炉時間を用
いて加熱炉における各熱間圧延材の加熱を制御すること
を特徴とする。
【0013】本発明の熱間圧延材の加熱制御方法におい
ては、前記在炉時間に基づいて熱間圧延材の残在炉時間
を各熱間圧延材について算出し、前記残在炉時間に基づ
いて加熱炉内の各熱間圧延材の抽出予定時刻における加
熱温度を予測し、前記予測温度が所定温度に達しない熱
間圧延材がある場合、加熱炉の温度を所定量上昇させた
り、あるいは前記予測温度が所定温度に達しない熱間圧
延材がない場合、加熱炉の温度を所定量低下させるのが
好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0015】本発明の一実施形態に係る熱間圧延材の在
炉時間設定方法および加熱制御方法が適用されている熱
間圧延設備を図1に概略図で示す。
【0016】本発明の熱間圧延材の在炉時間設定方法お
よび加熱制御方法を説明する前に、まず本発明が適用さ
れている熱間圧延設備について簡単に説明する。
【0017】この熱間圧延設備1は、コイル材および厚
板材の2品種を圧延製造することができる複合品種製造
設備として構成されている。すなわち、コイル製造ライ
ンおよび厚板製造ラインの2製造ラインを有するものと
して構成されている。
【0018】コイル製造ラインは、コイル材スラブを加
熱する加熱炉2と、コイル材スラブを粗圧延する粗ミル
3と、粗圧延されたコイル材を仕上げ圧延する仕上ミル
4と、仕上げ圧延されたコイル材を巻き取ってコイルと
するコイラ5と、コイルを搬出する搬出装置6とを備え
てなるものとされる。
【0019】一方、厚板製造ラインは、厚板材スラブを
加熱する加熱炉2と、厚板材スラブを粗圧延する粗ミル
3と、粗圧延された厚板材を仕上げ圧延する仕上ミル4
と、仕上げ圧延された厚板材を矯正機が設置されたライ
ンに移載する移載機7と、移載された厚板材を矯正する
矯正機8と、矯正機8にて矯正された厚板材を所定長さ
に裁断する切断器9と、所定長さに裁断された厚板(以
下、定尺材という)を搬送するコンベア10と、コンベ
ア10により搬送されてきた定尺材が載置される載置テ
ーブル11などを備えてなるものとされる。そして、こ
の実施形態では、加熱炉2、粗ミル3、仕上ミル4は、
コイル製造ラインと厚板製造ラインとにおいて共用され
ている。
【0020】次に、かかる構成とされている熱間圧延設
備1における熱間圧延材の在炉時間設定方法について説
明する。
【0021】この熱間圧延材の在炉時間設定方法を適用
するにあたって、この熱間圧延設備1におけるコイル製
造ラインおよび厚板製造ラインを、次のようにゾーン分
割を行う。すなわち、コイル製造ラインを、粗ミルゾー
ンと、仕上ミル・コイラゾーンと、搬出ゾーンとに分割
する一方、厚板製造ラインを、粗ミルゾーンと、仕上ミ
ル・移載機ゾーンと、矯正機ゾーンと、切断器ゾーン
と、搬送・載置ゾーンなどに分割する。そして、この熱
間圧延設備1においては、前記各ゾーンには単一の圧延
材しか存在しないように在炉時間の設定がなされてい
る。そのため、従来のようないわゆる見切り発車的に、
圧延材を次の工程に移行させるようなことはなされてい
ない。
【0022】ところで、従来の方法ではいわゆる見切り
発車的に圧延材の抽出がなされているので、何等かのト
ラブルにより後行材が進入しようとしているゾーンから
先行材の退出が遅れた場合、後行材は先行材の処理され
ているゾーンに進入した状態で待機させられるおそれが
あり、つまり一つのゾーンに先行材と後行材が存在する
おそれがあり、それによりトラブルの処理が困難となる
事態も生ずる。
【0023】しかるに、本実施形態では、前述したよう
に、後行材が進入しようとしているゾーンから先行材が
退出した時点で後行材がそのゾーンに進入するように在
炉時間を設定しているので、何等かのトラブルにより後
行材が進入しようとしているゾーンから先行材の退出が
遅れたとしても、後行材をそれが処理されているゾーン
で待機させることが可能となる。したがって、本実施形
態では従来のものに比して運転継続の確実性が向上す
る。また、運転継続の確実性の一層の向上を図るため
に、実際の経過時間の計測を行い、その計測時間に基づ
いて在炉時間の補正をするのが好ましい。
【0024】次に、かかる製造方法が適用されている熱
間圧延設備1における熱間圧延材の在炉時間の算出につ
いて、コイル製造ラインを中心として説明する。なお、
以下の説明における各記号は次のとおりとする。
【0025】 R(i):スラブiの粗ミルゾーンサイクルタイム F(i):スラブiの仕上げ・コイラゾーンサイクルタ
イム C(i):スラブiの搬出ゾーンサイクルタイム
【0026】ここで、「サイクルタイム」とは、スラブ
先端の当該ゾーンへの進入開始からスラブ後端の当該ゾ
ーンの退出完了に要する時間をいう。例えは、粗ミルゾ
ーンサイクルタイムとは、スラブ先端の粗ミルゾーンへ
の進入開始からそのスラブ後端の粗ミルゾーンの退出完
了に要する時間をいい、仕上げ・コイラゾーンサイクル
タイムとは、スラブ先端の仕上げ・コイラゾーンへの進
入開始からそのスラブ後端の仕上げ・コイラゾーンの退
出完了に要する時間をいい、搬出ゾーンサイクルタイム
とは、スラブ先端の搬出ゾーンへの進入開始からそのス
ラブ後端の搬出ゾーンからの退出完了に要する時間をい
う。また、サイクルタイムとは別にG(i):スラブi
の先端の仕上・コイラゾーンへの進入開始からそのスラ
ブ後端の粗ミルゾーンの退出完了に要する時間を設定す
る。
【0027】第1抽出判断 先行材S(m−1)と後行材S(m)とを考察したと
き、粗ミルゾーンに2スラブが存在しないようにするた
めには、先行材S(m−1)の粗ミルゾーンサイクルタ
イム終了後に後行材S(m)を加熱炉から抽出すればよ
い。したがって、このときの先行材S(m−1)の抽出
から後行材S(m)の抽出までに要する時間(以下、抽
出時間という)P(m)は、下記式により表される。
【0028】 P(m)=R(m-1) (1)
【0029】第2抽出判断 後行材S(m)を前記第1抽出判断で抽出した後、仕上
ミル・コイラゾーンで2スラブが存在しないように、抽
出時間P(m)を設定する。
【0030】この設定において、先行材S(m−1)が
仕上ミル・コイラゾーンで仕上ミルおよびコイラ巻取り
完了後に後行材S(m)が仕上ミル・コイラゾーンに進
入するときは(図2参照)、仕上ミル・コイラゾーンに
2スラブが存在しないので、抽出時間P(m)は先行材
S(m−1)の粗ミルゾーンサイクルタイムR(m−
1)とされる。
【0031】 P(m)=R(m-1) (2)
【0032】第3抽出判断 前記第2抽出判断で抽出を行った場合、先行材S(m−
1)が仕上ミル・コイラゾーンで仕上ミルおよびコイラ
巻取り完了前に、後行材S(m)が仕上ミル・コイラゾ
ーンに進入するようになるときは(図3参照)、仕上ミ
ル・コイラゾーンに2スラブが存在することになるの
で、先行材S(m−1)の巻き取りが完了して後行材S
(m)が仕上ミル・コイラゾーンに進入可能となるま
で、後行材S(m)の抽出を遅らせる。その場合の抽出
時間P(m)は下記式により表される。
【0033】 P(m)=R(m-1)+{(F(m-1)-G(m-1))-(R(m)-G(m))} (3)
【0034】第4抽出判断 前記第2抽出判断で抽出を行った後、搬出ゾーンで2ス
ラブが存在しないように、抽出時間P(m)を設定す
る。
【0035】この設定において、先行材S(m−1)が
搬出ゾーンで搬出完了後に後行材S(m)が搬出ゾーン
に進入するときは、搬出ゾーンに2スラブが存在しない
ので、抽出時間P(m)は先行材S(m−1)の粗ミル
ゾーンサイクルタイムR(m−1)とされる。
【0036】 P(m)=R(m-1) (4)
【0037】第5抽出判断 前記第4抽出判断で抽出を行った場合、先行材S(m−
1)が搬出ゾーンで搬出完了前に、後行材S(m)が搬
出ゾーンに進入するようになるときは、搬出ゾーンに2
スラブが存在することになるので、先行材S(m−1)
の搬出が完了して後行材S(m)が搬出ゾーンに進入可
能となるまで、後行材S(m)の抽出を遅らせる。その
場合の抽出時間P(m)は下記式により表される。
【0038】 P(m)=(R(m-1)-G(m-1))+F(m-1)+C(m-1)-{(R(m)-G(m))+F(m)} (5)
【0039】第6抽出判断 前記第3抽出判断で抽出を行った後、搬出ゾーンで2ス
ラブが存在しないように、抽出時間P(m)を設定す
る。
【0040】この設定において、先行材S(m−1)が
搬出ゾーンで搬出完了後に後行材S(m)が搬出ゾーン
に進入するときは、搬出ゾーンに2スラブが存在しない
ので、抽出時間P(m)は第3抽出判断におけると同様
とされる。
【0041】 P(m)=R(m-1)+{(F(m-1)-G(m-1))-(R(m)-G(m))} (6)
【0042】第7抽出判断 前記第6抽出判断で抽出を行った場合、先行材S(m−
1)が搬出ゾーンで搬出完了前に、後行材S(m)が搬
出ゾーンに進入するようになるときは、搬出ゾーンに2
スラブが存在することになるので、先行材S(m−1)
の搬出が完了して後行材S(m)が搬出ゾーンに進入可
能となるまで、後行材S(m)の抽出を遅らせる。その
場合の抽出時間P(m)は下記式により表される。
【0043】 P(m)=R(m-1)+{(F(m-1)-G(m-1))-(R(m)-G(m))}+(C(m-1)-F(m)) (7)
【0044】また、コイル材スラブの圧延と厚板材スラ
ブの圧延とを切替えるときには、コイル製造ラインと厚
板製造ラインとで共用される部分を含むゾーンを先行材
S(m−1)が通過するまでの時間TTを計算し、この
時間TTにコイル材スラブと厚板材スラブの切替に必要
な作業時間TCを加えたものを抽出時間P(m)とす
る。すなわち、先行材S(m−1)がコイル材スラブで
あれば、粗ミルゾーンおよび仕上げミル・コイラゾーン
を通過するまでの時間を時間TTとする一方、先行材S
(m−1)が厚板材スラブであれば、粗ミルゾーンおよ
び仕上げミル・移載機ゾーンを通過するまでの時間を時
間TTとして、抽出時間P(m)を算出する。
【0045】以上は、各圧延ラインの処理能力(以下、
ミル処理能力という)により抽出時間P(m)を設定す
る考え方を示したものである。
【0046】しかして、この方法で設定される抽出時間
P(m)にしたがって加熱炉2からスラブを抽出するこ
とにより、各ゾーンにスラブを進入させる際の待ち時間
が発生することがなく、これにより加熱炉2から抽出さ
れる各スラブの温度が低下する原因を予測可能な範囲で
排除することができる。
【0047】次に、図4および図5を参照して、前記ミ
ル処理能力による抽出時間P(m)と、加熱炉2の加熱
能力により規定される抽出時間(以下、加熱炉処理能力
による抽出時間という)Uとに基づいて、加熱炉2内の
各スラブにつき、前記残在炉時間Zを算出する処理を説
明する。
【0048】先ず、図4のステップS1では、加熱炉2
にスラブを装入するか、または加熱炉2からスラブを抽
出するかといういずれかのイベントを実行するか否かを
判定する。ここで、いずれのイベントをも実行しないと
判定された場合、元に戻って前記いずれかのイベントを
実行するものと判定されるまでステップS1の処理を繰
り返す。一方、いずれかのイベントを実行するものと判
定された場合は、そのイベントがスラブの装入であるの
か抽出であるのかを判別し、装入であれば、ステップS
2に進み、加熱炉2内に他のスラブが既に装入されてい
るか否かを判定する。
【0049】前記ステップS2で加熱炉2内に既に他の
スラブが存在すると判定された場合には、ステップS3
に進み、加熱炉2内で抽出端にあるスラブS(n)の残
在炉時間Z(n)を下記式(8)により算出する。ここ
では、スラブS(n)の材質、質量、形状などの諸元に
関する情報(以下、IDIの情報という)に基づき、ス
ラブS(n)が一つ前のイベント(加熱炉2にスラブを
装入するかまたは加熱炉2からスラブを抽出する)が実
行された時点において算出される残在炉時間PZ(n)
から現時点までの経過時間Yを減算したものをZ(n)
値として設定する。
【0050】 Z(n)=PZ(n)−Y (8)
【0051】ステップS3の処理が終了すると、今回装
入されるスラブS(m)および抽出端にあるスラブS
(n)を除いた加熱炉2内の全てのスラブS(n+1)
〜S(m−1)(n,m:n<m)につき、順次残在炉
時間Z(n+1)〜Z(m−1)を計算していく(ステ
ップS4、S5、S6、S7、S8、S9およびS1
0)。
【0052】すなわち、ステップS4では、スラブ番号
iをn+1とおいて、先ず抽出端のスラブS(n)の一
つ手前のスラブS(n+1)をスラブS(i)として指
定する。
【0053】ステップS5では、スラブS(i)につ
き、下記式(9)により所要在炉時間H(i)を算出す
る。この所要残在炉時間H(i)は、スラブS(i)を
加熱炉2の最大加熱能力により焼き上げるまでに必要と
される時間を示すものであり、各スラブ装入時にIDI
の情報に基づき算出される。ここでは、熱間圧延設備1
において何らかのトラブルが発生した場合を考慮して、
スラブS(i)が一つ前のイベント(加熱炉2にスラブ
を装入するかまたは加熱炉2からスラブを抽出する)が
実行されてから現時点までに経過した実際の経過時間で
ある実経過時間Yを所要残在炉時間PH(i)値から減
算したものを所要残在炉時間H(i)として設定する。
【0054】 H(i)=PH(i)−Y (9)
【0055】ステップS6では、スラブS(i)につ
き、加熱炉処理能力による抽出時間U(i)を下記式
(10)により算出する。すなわち、当該スラブS
(i)の所要残在炉時間H(i)から先行材S(i−
1)の残在炉時間Z(i−1)を減算したものが加熱炉
処理能力による抽出時間U(i)として設定される。
【0056】 U(i)=H(i)−Z(i−1) (10)
【0057】ステップS7では、下記式(11)により
実抽出時間T(i)を算出する。すなわち、前記ミル処
理能力による抽出時間P(i)と加熱炉処理能力による
抽出時間U(i)とが比較され、値の大きいほうが実抽
出時間T(i)として設定される。
【0058】 T(i)=max(U(i),P(i)) (11)
【0059】ステップS8では、下記式(12)により
当該スラブS(i)の残在炉時間Z(i)を算出する。
すなわち、先行材S(i−1)の残在炉時間Z(i−
1)に当該スラブS(i)の実抽出時間T(i)を加算
したものを当該スラブS(i)の残在炉時間Z(i)と
して設定する。
【0060】 Z(i)=Z(i−1)+T(i) (12)
【0061】ステップS9では、i=m−1であるか否
か、すなわちステップS5〜ステップS8の処理を各ス
ラブS(n+1)〜S(m−1)に対して行ったか否か
を判定する。i=m−1でない場合は、ステップS10
でiを値1インクリメントしてステップS5に戻る。
【0062】ステップS9で、i=m−1であると判定
された場合、各スラブS(n+1)〜S(m−1)につ
き、残在炉時間Z(n+1)〜Z(m−1)が算出され
たものとして、ステップS11以降の処理において、今
回装入されるスラブS(m)の残在炉時間Z(m)を設
定する。
【0063】すなわち、ステップS11では、今回装入
されるスラブS(m)につきIDIの情報に基づいて、
前記各ゾーンにおけるサイクルタイムを算出する。ここ
で、今回装入されるスラブS(m)がコイル材であれ
ば、粗ミルゾーンサイクルタイムR(m)、仕上げミル
・コイラゾーンサイクルタイムF(m)および搬出ゾー
ンサイクルタイムC(m)の各値を算出する。また、当
該スラブS(m)が厚板材であれば、粗ミルゾーンサイ
クルタイムR(m)、仕上げミル・移載機ゾーンサイク
ルタイムFT(m)、矯正機ゾーンサイクルタイムHL
(m)、切断器ゾーンサイクルタイムTS(m)および
搬送・載置ゾーンサイクルタイムPI(m)の各値を算
出する。
【0064】ステップS12では、今回装入されるスラ
ブS(m)の前記所要在炉時間H(m)をIDIの情報
に基づき算出する。
【0065】ステップS13では、前回装入されたスラ
ブS(m−1)と今回装入されるスラブS(m)との間
で材質の切替えがあるか否かを判定する。ここで、材質
の切替えがない場合は、ステップS14〜ステップS1
7の処理に進み、当該スラブS(m)の加熱炉処理能力
による抽出時間U(m)、前記ミル処理能力による抽出
時間P(m)、実抽出時間T(m)および残在炉時間Z
(m)をそれぞれ下記各式および前述したミル処理能力
による抽出時間P(m)の設定方法にしたがって設定す
る。すなわち、 U(m)=U(m)−Z(m−1) (ステップS14) T(m)=max(U(m),P(m)) (ステップS16) Z(m)=Z(m−1)+T(m) (ステップS17)
【0066】ステップS14〜ステップS17の処理が
終了すると、ステップS18に進み、装入端マークを反
抽出側に1スラブ分移動して元に戻る。
【0067】また、前記ステップS13で、前回装入さ
れたスラブS(m−1)と今回装入されるスラブS
(m)との間でコイル材と厚板材との切替がある場合
は、ステップS19に進み、厚板材からコイル材への切
替かコイル材から厚板材への切替であるかを判別する。
厚板材からコイル材への切替である場合はステップS2
0〜ステップS23の処理により、今回装入されるスラ
ブS(m)の加熱炉処理能力による抽出時間U(m)、
前記ミル処理能力による抽出時間P(m)、実抽出時間
T(m)および残在炉時間Z(m)を設定する。
【0068】すなわち、ステップS20では、ステップ
S14におけると同一の式により当該スラブS(m)の
加熱炉処理能力による抽出時間U(m)を算出する。
【0069】ステップS21では、前記ミル処理能力に
よる抽出時間P(m)を下記式(13)により修正す
る。
【0070】 P(m)=R(m−1)+FT(m−1)+α(coil) (13) ここで、α(coil)は厚板材からコイル材への切替
の際、ライン切替に必要とされる時間である。
【0071】ステップS22、S23では、それぞれス
テップS16、S17におけると同一の式により実抽出
時間T(m)および残在炉時間Z(m)を計算した後、
前記ステップS18の処理を実行し、元に戻る。
【0072】また、前記ステップS19でコイル材から
厚板材への切替であると判定された場合は、ステップS
24〜ステップS27の処理により、今回装入されるス
ラブS(m)の加熱炉処理能力による抽出時間U
(m)、前記ミル処理能力による抽出時間P(m)、実
抽出時間T(m)および残在炉時間Z(m)を算出す
る。
【0073】すなわち、ステップS24では、ステップ
S14におけると同一の式により当該スラブS(m)の
加熱炉処理能力による抽出時間U(m)を算出する。
【0074】ステップS25では、下記式(14)によ
り前記ミル処理能力による抽出時間P(m)を修正す
る。
【0075】 P(m)=R(m−1)+F(m−1)+α(NP) (14)
【0076】ここで、α(NP)はコイル材から厚板材
への切替の際、ライン切替に必要とされる時間である。
【0077】ステップS26、S27では、それぞれス
テップS16、S17におけると同一の式により実抽出
時間T(m)および残在炉時間Z(m)を計算した後、
前記ステップS18の処理を実行して元に戻る。
【0078】また、前記ステップS2で加熱炉2内に他
のスラブが装入されていないと判定された場合は、ステ
ップS28に進み、今回装入されるスラブS(m)につ
きIDIの情報に基づき、各ゾーンにおけるサイクルタ
イムを算出する。すなわち、今回装入されるスラブS
(m)がコイル材であれば、粗ミルゾーンサイクルタイ
ムR(m)、仕上げミル・コイラゾーンサイクルタイム
F(m)および搬出ゾーンサイクルタイムC(m)の各
値をそれぞれ算出する。また、当該装入スラブS(m)
が厚板材であれば、粗ミルゾーンサイクルタイムR
(m)、仕上げミル・移載機ゾーンサイクルタイムFT
(m)、矯正機ゾーンサイクルタイムHL(m)、切断
器ゾーンサイクルタイムTS(m)および搬送・載置ゾ
ーンサイクルタイムPI(m)の各値をそれぞれ算出す
る。
【0079】次に、ステップS29では、今回装入され
るスラブS(m)の前記所要在炉時間H(m)をIDI
の情報に基づき算出する。
【0080】次に、ステップS30では、前記ミル処理
能力による抽出時間P(m)を値0と設定し、ステップ
S31では、加熱炉処理能力による抽出時間U(m)、
実抽出時間T(m)、残在炉時間Z(m)および所要在
炉時間H(m)を全て等値として設定する。
【0081】 U(m)=T(m)=Z(m)=H(m) (15)
【0082】ステップS31の処理が終了すると、前記
ステップS18の処理を実行した後、元に戻る。
【0083】さらにまた、前記ステップS1で、イベン
トを実行するものと判定され、かつ当該イベントが加熱
炉2からのスラブの抽出であると判別された場合は、ス
テップS32に進み、今回抽出されるスラブS(n)の
残材炉時間Z(n)を値0と置いた後、ステップS33
〜ステップS39の処理に進む。ここでは、今回抽出さ
れるスラブS(n)以外の全てのスラブS(n−1)〜
S(m)につき、順次残在炉時間Z(n+1)〜Z
(m)を計算していく。
【0084】すなわち、ステップS33ではスラブ番号
iをn+1と置く。これにより、今回抽出されるスラブ
S(n)の後行材S(n+1)を先ずスラブS(i)と
して指定する。ステップS34では、スラブS(i)に
つき、所要残在炉時間H(i)を下記式(16)により
算出する。
【0085】 H(i)=PH(i)−Y (16)
【0086】ステップS35では、スラブS(i)につ
き、加熱炉処理能力による抽出時間U(i)を下記式に
より算出する。
【0087】 U(i)=U(i)−Z(i−1) (17)
【0088】ステップS36では、前記ミル処理能力に
よる抽出時間P(i)と加熱炉処理能力による抽出時間
U(i)とを比較し、値の大きいほうを実抽出時間T
(i)として設定する。
【0089】 T(i)=max(U(i),P(i)) (18)
【0090】ステップS37では、当該スラブS(i)
の残在炉時間Z(i)を下記式により算出する。
【0091】 Z(i)=Z(i−1)+T(i) (19)
【0092】ステップS38では、i=mであるか否
か、すなわちステップS34〜ステップS37の処理を
今回抽出されるスラブS(n)以外の全てのスラブS
(n−1)〜S(m)につき行ったか否かを判定する。
i=mでない場合は、ステップS10でiを値1インク
リメントし、ステップS5に戻る。i=mである場合
は、ステップS40に進み、抽出端マークを装入側に1
スラブ分移動して元に戻る。
【0093】以上のようにして設定される抽出時間P
(m)および加熱炉処理能力による抽出時間U(m)に
基づいて算出される各スラブの残在炉時間Zを考慮し
て、例えば下記のような考え方で加熱炉2の燃焼制御を
行うことによって、エネルギ消費量を減少させることも
可能となる。
【0094】すなわち、各スラブの残在炉時間Zに基づ
いて、加熱炉2内全スラブの前回計算設定温度から各ス
ラブの抽出予定時刻における温度を予測する。この予測
温度が所要温度に達しないスラブがあるか否かを判断し
て、所定温度に達しないスラブが一つでもあれば、加熱
炉の全ての帯域、すなわち予熱帯、加熱帯、均熱帯にお
いて全てのスラブが所定温度に達するように加熱炉2内
の温度を上げる。また、前記予測温度が所定温度に達し
ないスラブがない場合は、全ての帯域において全てのス
ラブの予測温度が所要温度を下回らない範囲で加熱炉2
内の温度を下げることによって、エネルギ消費量を最少
とすることができる。
【0095】次に、表1に、以上説明した処理により各
スラブS(k)に対して設定される各設定値、すなわ
ち、コイル材スラブの粗ミルゾーンサイクルタイムR
(k)、仕上げミル・コイラゾーンサイクルタイムF
(k)および搬出ゾーンサイクルタイムC(k)、厚板
材スラブの粗ミルゾーンサイクルタイムR(k)、仕上
げミル・移載機ゾーンサイクルタイムFT(k)、矯正
機ゾーンサイクルタイムHL(k)、切断器ゾーンサイ
クルタイムTS(k)および搬送・載置ゾーンサイクル
タイムPI(k)、スラブS(k)の所要在炉時間H
(k)、加熱炉処理能力による抽出時間U(k)、ミル
処理能力による抽出時間P(k)、実抽出時間T
(k)、残在炉時間Z(k)の様子を示す。ここでは、
現在コイル材スラブが装入端(スラブS(m))にあ
り、厚板材スラブが抽出端(スラブS(n))にある場
合が示されている。また、スラブ番号i+2、i+1、
iの各スラブはコイル材スラブであり、スラブ番号j+
1、jの各スラブは厚板材スラブである。
【0096】
【表1】 表1中、Z(n)はスラブの加熱炉2への装入時にはZ
(n)=PZ(n)−Y(Z(n)が負となる場合は、
Z(n)=0)として設定され、抽出時にはZ(n)=
0として設定される。
【0097】また、H(n)〜H(m−1)、U(n)
〜U(m−1)、T(n)〜T(m−1)、Z(n)〜
Z(m−1)の各設定値は加熱炉2へのスラブの装入ま
たは加熱炉2からのスラブの抽出が行われる毎に再設定
されるものである。
【0098】また、R(m)、F(m)、C(m)、H
(m)の各設定値は前記IDIの情報に基づき、装入時
のみ計算されるものである。
【0099】また、P(m)の設定値はR(m)、F
(m)、C(m)、H(m)の各設定値および先行材S
(m−1)につき前記IDIの情報に基づき装入時のみ
計算されるR(m−1)、F(m−1)、C(m−
1)、H(m−1)の各設定値に基づき装入時のみ計算
されるものである。
【0100】また、U(m)、T(m)、Z(m)の各
設定値はR(m)、F(m)、C(m)、H(m)の各
設定値、およびP(m)の設定値に基づき、装入時のみ
計算されるものである。すなわち、U(m)=H(m)
−Z(m−1)、T(m)=max(U(m),P
(m))、Z(m)=Z(m−1)+T(m)の各式に
したがって設定される。
【0101】以上述べたように、本実施形態の熱間圧延
材の在炉時間制御方法および加熱制御方法によれば、後
行材S(m)が進入しようとしているゾーンから先行材
S(m−1)が退出した時点で、後行材S(m)を当該
ゾーンに進入させているので、先行材S(m−1)が処
理されているゾーンにおいて、何らかのトラブルが発生
して、先行材S(m−1)がそのゾーンから退出するの
が遅れた場合にも、後行材S(m)と先行材S(m−
1)が干渉するのを防止することができる。
【0102】また、前記第1抽出判断から第7抽出判断
により加熱炉2内の各スラブの残在炉時間Zを求める際
に、加熱炉2へのスラブの装入または加熱炉2からのス
ラブの抽出が行われる毎に実経過時間Yを求め、加熱炉
2内の全てのスラブについて残在炉時間Zを計算し直す
ようにしている。そのため、圧延ライン上で何らかのト
ラブルが発生し、次の装入または抽出が予定通り行われ
ない場合にも、前記実経過時間Yを参照して加熱炉2内
の全てのスラブにつき、残在炉時間Zを計算し直して、
残在炉時間Zを補正することができる。
【0103】したがって、この補正された残在炉時間Z
により、熱量のロスを最小限とするように見直された加
熱スケジュールにより各スラブを加熱することができ
る。このため、トラブル発生時においてもエネルギ消費
量を最少として所定の加熱を行うことができる。
【0104】以上、本発明を実施形態に基づいて説明し
てきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるも
のではなく種々改変が可能である。例えば、実施形態で
は圧延ラインは、粗ミルと仕上ミルとを有するものとさ
れているが、粗ミルと中間ミルと仕上ミルとを有するも
のとされてもよい。また、共有されている圧延装置は、
粗ミルと仕上ミルに限定されるものではなく、並列的に
設けられる圧延ラインの種類に応じて適宜選定できる。
【0105】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
少なくとも加熱炉と圧延装置の一部、例えば粗ミルと仕
上ミルとを共有してなる複数の製造ラインをその工程に
対応したゾーンに分割するとともに、その各ゾーンには
複数の圧延材が存在しないように制御しているので、多
品種・少量生産がなされている熱間圧延設備における先
行材と後行材との干渉を生じさせることがないという優
れた効果が得られる。
【0106】また、本発明においては、多品種・少量生
産がなされているラインのように、ライン切替回数が多
い場合においても、このライン切替時間を在炉時間に反
映することが可能となり、熱量のロスを最小限とするよ
うな加熱スケジュールにより加熱することができるとい
う優れた効果も得られる。
【0107】本発明の好ましい形態においては、実経過
時間が残在炉時間に反映されているので、刻々と変化す
る圧延状況に応じた加熱スケジュールの設定が可能とな
るという優れた効果も得られる。またそれにより、安定
な操業が確保されるとともに、スラブの温度低下を最小
限に抑えることも可能となり、エネルギーロスを防ぐこ
とができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る熱間圧延設備におけ
る在炉時間設定方法が適用されている熱間圧延設備の概
略構成図である。
【図2】同熱間圧延設備における熱間圧延材の在炉時間
の算出方法を説明するためのグラフの一例を示す図であ
る。
【図3】同熱間圧延設備における熱間圧延材の在炉時間
の算出方法を説明するためのグラフの他の例を示す図で
ある。
【図4】同熱間圧延設備における熱間圧延材の在炉時間
の算出する処理を示すフローチャートの前半部である。
【図5】同熱間圧延設備における熱間圧延材の在炉時間
の算出する処理を示すフローチャートの後半部である。
【符号の説明】
1 熱間圧延設備 2 加熱炉 3 粗ミル 4 仕上ミル 5 コイラ 6 搬出装置 7 移載機 8 矯正機 9 切断器 10 コンベア 11 載置テーブル
フロントページの続き (72)発明者 井出 知良 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 昭62−30812(JP,A) 特開 昭55−97808(JP,A) 特開 昭55−147409(JP,A) 特開 平7−188785(JP,A) 特開 平7−290127(JP,A) 特開 平8−155513(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 C21D 1/00,9/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル材、厚板材などの種類の異なる複
    数の熱間圧延材が同一の加熱炉において加熱され、かつ
    各圧延ラインにおいてその上流側の一部の圧延装置が共
    用されている、熱間圧延設備における熱間圧延材の在炉
    時間設定方法であって、 各圧延ラインを圧延工程に対応させた所要数のゾーンに
    分割し、前記各ゾーンには一つの熱間圧延材しか存在し
    ないようして、熱間圧延材を加熱炉から抽出した場合に
    おける炉内に存在する各熱間圧延材の在炉時間の設定
    が、ミル処理能力よる抽出時間と、加熱炉処理能力によ
    る抽出時間とを比較して両抽出時間の内で大きい方を炉
    内各熱間圧延材の実抽出時間とし、当該熱間圧延材より
    炉内下流に位置する熱間圧延材の前記実抽出時間を積算
    して得られた値によりなされることを特徴とする熱間圧
    延材の在炉時間設定方法。
  2. 【請求項2】 下流ゾーンのサイクルタイムがその上流
    ゾーンのサイクルタイムより長いために前記上流ゾーン
    のサイクルタイムにより抽出をなした場合、前記下流ゾ
    ーンに熱間圧延材が2つ存在するようになるときは、
    ル処理能力よる抽出時間が熱間圧延材の加熱炉からの抽
    出を所定時間遅らせて算出されることを特徴とする請求
    項1記載の熱間圧延材の在炉時間設定方法。
  3. 【請求項3】 各熱間圧延材の加熱炉装入後における実
    際の経過時間に基づいて、各熱間圧延材の在炉時間を補
    正することを特徴とする請求項1記載の熱間圧延材の在
    炉時間設定方法。
  4. 【請求項4】 前記補正が、熱間圧延材の装入、抽出ご
    とに実際の経過時間を算出し、前記経過時間を用いて各
    熱間圧延材の在炉時間を新たに算出することであること
    を特徴とする請求項3記載の熱間圧延材の在炉時間設定
    方法。
  5. 【請求項5】 コイル材、厚板材などの種類の異なる複
    数の熱間圧延材が同一の加熱炉において加熱され、かつ
    各圧延ラインにおいてその上流側の一部の圧延装置が共
    用されている、熱間圧延設備における熱間圧延材の加熱
    制御方法であって、請求項1なしい請求項4により設定
    された在炉時間を用いて加熱炉における各熱間圧延材の
    加熱を制御することを特徴とする熱間圧延材の加熱制御
    方法。
  6. 【請求項6】 前記在炉時間に基づいて熱間圧延材の残
    在炉時間を各熱間圧延材について算出し、前記残在炉時
    間に基づいて加熱炉内の各熱間圧延材の抽出予定時刻に
    おける加熱温度を予測し、前記予測温度が所定温度に達
    しない熱間圧延材がある場合、加熱炉の温度を所定量上
    昇させることを特徴とする請求項5記載の熱間圧延材の
    加熱制御方法。
  7. 【請求項7】 前記在炉時間に基づいて熱間圧延材の残
    在炉時間を各熱間圧延材について算出し、前記残在炉時
    間に基づいて加熱炉内の各熱間圧延材の抽出予定時刻に
    おける加熱温度を予測し、前記予測温度が所定温度に達
    しない熱間圧延材がない場合、加熱炉の温度を所定量低
    下させることを特徴とする請求項5記載の熱間圧延材の
    加熱制御方法。
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