JP6814611B2 - 多板式無励磁作動ブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、非制動時に複数のブレーキディスクを中立位置に保持する中立機構を備えた多板式無励磁作動ブレーキに関する。
従来のこの種の多板式無励磁作動ブレーキとしては、たとえば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に開示された多板式無励磁作動ブレーキは、回転軸が上下方向を指向する縦型モータの上部に装着されている。
この縦型モータの回転軸には、上下方向に並ぶ2枚のインナディスクが軸線方向へ移動自在となるとともに一体に回転する状態に設けられている。このブレーキにおいて、回転軸を制動するにあたっては、これら2枚のインナディスクの両面に摩擦板を押し付けて行われる。摩擦板は、下側のインナディスクの下方に配置されたサイドプレートと、インナディスクどうしの間に位置するアウタディスクと、上側のインナディスクの上方に配置された押圧板とにそれぞれ設けられている。
サイドプレートは、縦型モータのハウジングに固定されている。アウタディスクと押圧板は、ハウジングに回転が規制されるとともに上下方向への移動が許容される状態に設けられている。押圧板の上方には、押圧板に上方から接する昇降部材と、この昇降部材を下方に付勢する制動ばねと、この制動ばねのばね力に抗して昇降部材を上昇させる電磁石とが設けられている。
このブレーキは、電磁石の電磁コイルに通電されていない無励磁状態において、制動ばねのばね力で押圧板が下方に押されて2枚のインナディスクに摩擦板が押し付けられる制動状態になり、縦型モータの回転軸に制動力を付与してこの回転軸を静止した状態に保持する。また、このブレーキは、電磁コイルに通電されている励磁状態においては、押圧板を押すばね力が消失するために非制動状態になり、回転軸の回転を許容する。
このブレーキにおいては、非制動状態でインナディスクが回転軸とともに回転したときに摩擦板に接触することを防ぐために、中立機構を備えている。この中立機構は、インナディスクを摩擦板と接触することがない中立位置に保持するインナディスク用の位置調整部と、アウタディスクや押圧板を摩擦板がインナディスクに接触することがない中立位置に保持するアウタディスク用の位置調整部とによって構成されている。
インナディスク用の位置調整部は、下側のインナディスクを上方に付勢する第1の波ばねと、上側のインナディスクを上方に付勢する第2の波ばねと、これらのインナディスクの上昇を規制する第1の調整ボルトと、この第1の調整ボルトを下方に付勢する第1のコイルばねと、第1の調整ボルトに螺着されて第1の調整ボルトの下方への移動を規制する第1のナットなどを備えている。このインナディスク用の位置調整部においては、第1の波ばねと第2の波ばねのばね力の総和より第1のコイルばねのばね力を大きくして第1のナットの位置を変えることによって、アウタディスクに対する2枚のインナディスクの上下方向の位置を調整することができる。
アウタディスク用の位置調整部は、アウタディスクを上方に付勢する第2のコイルばねと、押圧板を上方に付勢する第3のコイルばねと、これらのアウタディスクと押圧板の上昇を規制する第2の調整ボルトと、この第2の調整ボルトを下方に付勢する第4のコイルばねと、第2の調整ボルトに螺着されて第2の調整ボルトの下方への移動を規制する第2のナットなどを備えている。このアウタディスク用の位置調整部においては、第2のコイルばねと第3のコイルばねのばね力の総和より第4のコイルばねのばね力を大きくして第2のナットの位置を変えることによって、インナディスクに対するアウタディスクおよび押圧板の上下方向の位置を調整することができる。
実公昭36−17807号公報
特許文献1に記載された多板式無励磁作動ブレーキの中立機構は、インナディスクと、アウタディスクおよび押圧板を中立位置に位置付けるために多くのばね部材を使用するものである。このばね部材としては、2枚のインナディスクをそれぞれ上方に付勢する第1、第2の波ばねと、アウタディスクおよび押圧板をそれぞれ上方に付勢する第2、第3のコイルばねと、第1および第2の調整ボルトをそれぞれ下方に付勢する第1、第4のコイルばねなどである。
このため、この多板式無励磁作動ブレーキは、部品点数や組立工程数が多く、生産性が低くなるという問題があった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、部品点数や組立工数を削減して多板式無励磁作動ブレーキを安価に提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る多板式無励磁作動ブレーキは、被制動物となる回転体と、前記回転体に対して軸線方向への移動が許容された状態で前記回転体と一体に回転する複数のインナディスクと、互いに隣り合う一対の前記インナディスクどうしの間に配置され、前記回転体の回転方向への回転が規制された状態で前記回転体に対する前記軸線方向への移動が許容されたアウタディスクと、前記複数のインナディスクと前記アウタディスクとからなる制動部に前記軸線方向の一端側から対向する位置に配置され、前記回転体の回転方向への回転および前記回転体に対する前記軸線方向への移動が規制されたサイドプレートと、前記制動部に前記軸線方向の他端側から対向する位置に配置され、前記回転体の回転方向への回転が規制されるとともに前記回転体に対する前記軸線方向への移動が許容されたアーマチュアと、前記アーマチュアを前記制動部に接近する方向である第1の方向へ付勢する制動ばねと、通電状態と非通電状態とが切り換えられる電磁コイルを有し、この電磁コイルに通電されることにより前記アーマチュアが前記第1の方向とは反対方向である第2の方向へ吸引されて前記制動部から離れて吸着されるフィールドコアと、前記電磁コイルに通電されている状態で前記インナディスクを前記アウタディスク、前記サイドプレートおよびアーマチュアに接触することがない中立位置に保持する中立機構とを備え、前記中立機構は、前記サイドプレートと隣り合う前記インナディスクに固定された連結部材と、この連結部材を前記第2の方向へ付勢する第1のばね部材と、前記連結部材の前記第1の方向への移動を許容するとともに前記第2の方向への移動を所定の位置で規制する第1の規制部材と、互いに隣り合う一対の前記インナディスクどうしの間に設けられ、これらのインナディスクを間隔が拡がる方向へ付勢する第2のばね部材と、前記第2のばね部材によって付勢される一対のインナディスクの間隔が狭くなる方向への移動を許容するとともに、これらのインナディスクの間隔が拡がる方向への移動を予め定めた間隔で規制する第2の規制部材と、前記アウタディスクを前記第2の方向へ付勢する第3のばね部材と、前記アウタディスクの前記第1の方向への移動を許容するとともに、前記第2の方向への移動を所定の位置で規制する第3の規制部材とを備えているものである。
本発明は、前記多板式無励磁作動ブレーキにおいて、前記回転体は、円筒状に形成され、前記連結部材は、前記回転体の軸端面と対向する板状部を有し、前記第1の規制部材は、一端部が前記回転体の軸端部に固定されるとともに他端部が前記板状部を移動自在に貫通する状態で前記第1の方向に延びる第1のロッドと、前記板状部における前記回転体の軸端面と対向する位置に取付けられた第1のストッパーとを有していてもよい。
本発明は、前記多板式無励磁作動ブレーキにおいて、前記第2の規制部材は、前記軸線方向に延びる状態で一端部が前記一対のインナディスクのうち一方のインナディスクに螺着され、他端側が他方のインナディスクを移動自在に貫通するボルトからなる第2のロッドと、前記第2のロッドにおける前記他方のインナディスクから突出した他端部に設けられて前記第2のロッドの抜け止めとなる第2のストッパーとを有していてもよい。
本発明は、前記多板式無励磁作動ブレーキにおいて、前記第3の規制部材は、前記軸線方向に延びる状態で一端部が前記アウタディスクと前記サイドプレートとのうちいずれか一方の部材に螺着され、他端側が他方の部材を移動自在に貫通するボルトからなる第3のロッドと、前記第3のロッドにおける前記他方の部材から突出した他端部に設けられて前記第3のロッドの抜け止めとなる第3のストッパーとを有していてもよい。
本発明によれば、複数のインナディスクのうち、最もサイドプレートに近接するインナディスクは、第1のばね部材と第1の規制部材とによって中立位置に保持される。他のインナディスクは、第2のばね部材と第2の規制部材とによって中立位置に保持される。アウタディスクは、第3のばね部材と第3の規制部材とによって中立位置に保持される。ここでいう「中立位置」とは、アーマチュアがフィールドコアに磁気によって吸着されている状態でインナディスクが回転体とともに回転したときに、サイドプレート、アウタディスクおよびアーマチュアなどと接触することがない位置である。
このため、この多板式無励磁作動ブレーキによれば、インナディスクとアウタディスクを中立位置に保持するにあたって、これらのディスクを上方に付勢するばね部材の他に調整ボルトを下方に付勢するばね部材が必要な特許文献1の装置と較べると、調整ボルトを下方に付勢するばね部材が不要となる分、部品点数が少なくなる。したがって、本発明によれば、部品点数や組立工数を削減して多板式無励磁作動ブレーキを安価に提供することができる。
第1の実施の形態による多板式無励磁作動ブレーキの断面図である。 中立機構の一部を拡大して示す断面図である。 制動状態の要部を拡大して示す断面図である。 非制動状態の要部を拡大して示す断面図である。 第2の実施の形態による多板式無励磁作動ブレーキの断面図である。 中立機構の一部を拡大して示す断面図である。 制動状態の要部を拡大して示す断面図である。 非制動状態の要部を拡大して示す断面図である。 第3の実施の形態の要部を拡大して示す断面図である。 連結部材の変形例を示す斜視図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る多板式無励磁作動ブレーキの一実施の形態を図1〜図3によって詳細に説明する。
図1に示す多板式無励磁作動ブレーキ1は、図1において下側に位置する縦型モータ2のリアハウジング3に組み付けられている。この多板式無励磁作動ブレーキ1は、この縦型モータ2が停止したときにモータ軸4に制動力を付与し、モータ軸4を停止状態に保持するものである。
図1に示す縦型モータ2は、モータ軸4の軸線Cが図1において上下方向を指向し、リアハウジング3が最上部に位置する状態で描いてある。しかし、この縦型モータ2の使用形態は、図1に示す形態に限定されることはなく、モータ軸4が例えば水平方向を指向する形態を採ることができる。なお、この実施の形態においては、便宜上、図1の上側を多板式無励磁作動ブレーキ1および縦型モータ2の上側として説明する。また、以下においては、図1において上から下に向かう方向を第1の方向といい、下から上に向かう方向を第2の方向という。
この実施の形態による多板式無励磁作動ブレーキ1は、図1において上下方向に重なる複数の機能部品を有し、縦型モータ2のリアハウジング3の上に固定されている。
多板式無励磁作動ブレーキ1の上下方向に重なる複数の機能部品とは、最も下に位置するサイドプレート5と、最も上に位置するフィールドコア6と、これらの部品の間で上下方向に並ぶ第1のインナディスク7、アウタディスク8および第2のインナディスク9と、アーマチュア10などである。
(縦型モータの構成)
縦型モータ2のリアハウジング3は、縦型モータ2の一方の軸端部を構成するもので、円筒状に形成されてモータ軸4と同一軸線上に位置付けられている。リアハウジング3の中空部は、モータ軸4と、後述する中立機構11の一部とを収容可能な大きさに形成されている。
モータ軸4は、リアハウジング3から図1において上側に突出している。このモータ軸4におけるリアハウジング3から突出した部分には、円筒状のハブ12が嵌合している。このハブ12は、大径部12aと小径部12bとによって構成されており、大径部12aがリアハウジング3に近接する状態でモータ軸4に取付けられている。また、このハブ12は、モータ軸4にキー13によって一体に回転するように結合されている。さらに、このハブ12は、モータ軸4の段部4aとスナップリング14とによって、モータ軸4の軸線方向への移動が規制されてモータ軸4に保持されている。この実施の形態においては、このハブ12によって、本発明でいう「被制動物となる回転体」が構成されている。
ハブ12の大径部12aには、モータ軸4の軸線方向に延びる多数のスプライン溝15が設けられている。これらのスプライン溝15は、大径部12aの周方向の全域に設けられている。これらのスプライン溝15には、第1のインナディスク7と第2のインナディスク9とが接続されている。
(インナディスクの構成)
第1のインナディスク7と第2のインナディスク9は、それぞれ円環状に形成されており、中空部内にハブ12が挿入されてモータ軸4と同一軸線上に位置する状態で、モータ軸4の軸線方向に所定の間隔をおいて並んでいる。第1のインナディスク7は、サイドプレート5と隣り合う位置に設けられている。第2のインナディスク9は、第1のインナディスク7の上方に設けられている。
これらの第1および第2のインナディスク7,9の内周部には、ハブ12のスプライン溝15に嵌合する多数のスプライン歯16が形成されている。第1および第2のインナディスク7,9は、スプライン歯16がハブ12のスプライン溝15に嵌合した状態において、ハブ12に対する軸線方向への移動が許容されながら、ハブ12と一体に回転する。
第1および第2のインナディスク7,9の外周部の両面には、摩擦部材17が設けられている。
(アウタディスクの構成)
第1のインナディスク7と第2のインナディスク9との間、言い換えれば、互いに隣り合う一対のインナディスクどうしの間には、アウタディスク8が配置されている。アウタディスク8は、円環状に形成され、中空部内にハブ12が挿入されてモータ軸4と同一軸線上に位置付けられている。アウタディスク8の外周部であって、アウタディスク8を周方向に3等分する位置には、切欠き溝18がそれぞれ形成されている。
これらの切欠き溝18は、詳細には図示していないが、モータ軸4の軸線方向から見てアウタディスク8の径方向の外側に向けて開くU字状であって、後述する円筒状のカラー21が移動自在に嵌合する形状に形成されている。カラー21は、詳細は後述するが、リアハウジング3にモータ軸4の軸線と平行に延びる状態で固定されている。このカラー21が3箇所の切欠き溝18に嵌合することにより、ハブ12(モータ軸4)の回転方向へのアウタディスク8の回転が規制されるとともに、ハブ12(モータ軸4)に対するモータ軸4の軸線方向へのアウタディスク8の移動が許容されることになる。
(アーマチュアの構成)
第1のインナディスク7と第2のインナディスク9のうち、上側に位置する第2のインナディスク9の上方近傍、言い換えれば、第1および第2のインナディスク7,9とアウタディスク8とからなる制動部22にモータ軸4の軸線方向の一端側から(上側から)対向する位置には、アーマチュア10が配置されている。アーマチュア10は、円環状に形成されており、中空部内にハブ12が挿入されてモータ軸4と同一軸線上に位置付けられている。
アーマチュア10の外周部であって、アーマチュア10を周方向に3等分する位置には、切欠き溝23がそれぞれ形成されている。これらの切欠き溝23は、アウタディスク8の切欠き溝18と同一の形状に形成されている。すなわち、アーマチュア10の切欠き溝23は、モータ軸4の軸線方向から見てアーマチュア10の径方向の外側に向けて開くU字状であって、後述する円筒状のカラー21が移動自在に嵌合する形状に形成されている。このカラー21がアーマチュア10の3箇所の切欠き溝23に嵌合することにより、ハブ12(モータ軸4)の回転方向へのアーマチュア10の回転が規制されるとともに、ハブ12(モータ軸4)に対するモータ軸4の軸線方向へのアーマチュア10の移動が許容されることになる。
(サイドプレートの構成)
第1のインナディスク7と第2のインナディスク9のうち、下側に位置する第1のインナディスク7の下方近傍、言い換えれば、制動部22にモータ軸4の軸線方向の他端側から(下側から)対向する位置には、サイドプレート5が配置されている。
サイドプレート5は、リアハウジング3の軸端面の形状に倣う円環状に形成されており、図示していない複数のボルトによってリアハウジング3の軸端面に固定されている。すなわち、サイドプレート5は、ハブ12(モータ軸4)の回転方向への回転およびハブ12(モータ軸4)に対する軸線方向への移動が規制される状態でリアハウジング3に設置されている。サイドプレート5は、中空部内にハブ12が挿入されてモータ軸4と同一軸線上に位置付けられている。
このサイドプレート5の外周部には、第1のねじ孔24と第2のねじ孔25とが形成されている。第1のねじ孔24は、後述する連結用ボルト26をサイドプレート5に固定するためのもので、サイドプレート5を周方向に3等分する位置にそれぞれ形成されている。第2のねじ孔25は、後述するアウタディスク位置調整ボルト27をサイドプレート5に固定するためのもので、サイドプレート5の周方向において互いに隣り合う2つの第1のねじ孔24どうしの間であって、サイドプレート5を周方向に3等分する位置にそれぞれ形成されている。この実施の形態においては、サイドプレート5を周方向に6等分する位置のうち、1つおきとなる位置に第1のねじ孔24が形成され、残りの位置に第2のねじ孔25が形成されている。
(連結用ボルトの構成)
連結用ボルト26は、この多板式無励磁作動ブレーキ1の主要部品を保持するためのもので、全ての第1のねじ孔24にそれぞれ螺着され、サイドプレート5にモータ軸4の軸線Cと平行になる状態で立てられている。連結用ボルト26と第1のねじ孔24との螺合部分は、接着剤(図示せず)によって緩み止めが施されている。
連結用ボルト26の基部には、円筒状のカラー21がそれぞれ嵌合している。カラー21の一端部(図1においては下端部)は、サイドプレート5における第1のねじ孔24の周囲に形成された凹部28に嵌合している。また、カラー21は、連結用ボルト26に螺合されてカラー21の他端に押し付けられた締結用ナット29によって、一端部側に向けて押されている。このため、カラー21は、連結用ボルト26の基部に固定されている。
このカラー21は、上述したアウタディスク8の切欠き溝18と、アーマチュア10の切欠き溝23とに移動自在に通されている。
連結用ボルト26の他端部には、後述するフィールドコア6の取付け板31が位置決め用ナット32と第1の固定用ナット33とによって挟まれて固定されている。取付け板31は、3つの貫通孔34を有する円環状に形成され、後述するフィールドコア6の端部に溶接されている。貫通孔34は、取付け板31を周方向に3等分する位置にそれぞれ形成されている。
連結用ボルト26は、位置決め用ナット32が螺合されている状態で取付け板31の貫通孔34に挿通されている。第1の固定用ナット33は、このように貫通孔34に挿通された連結用ボルト26の先端部に螺合され、取付け板31を位置決め用ナット32に押し付けている。
(フィールドコアの構成)
フィールドコア6は、円環状に形成され、中空部にモータ軸4が挿入されてモータ軸4と同一軸線上に位置する状態で連結用ボルト26を介してサイドプレート5に固定されている。
このフィールドコア6の内周部には、非貫通穴からなる複数のばね挿入凹部35が形成されている。これらのばね挿入凹部35は、フィールドコア6を周方向に6等分する位置にそれぞれ形成されている。これらのばね挿入凹部35の中には制動ばね36が挿入されている。制動ばね36は、アーマチュア10を制動部22に接近する方向である第1の方向へ付勢するもので、圧縮コイルばねによって構成されている。この圧縮コイルばねの素線の断面形状は四角形である。
6箇所のばね挿入凹部35のうち、フィールドコア6の周方向において1つおきに位置する3箇所のばね挿入凹部35には、制動ばね36のばね力を調整するために無頭ボルト37が突出している。この無頭ボルト37は、ばね挿入凹部35の底壁に形成されたねじ孔38に螺合しており、ばね挿入凹部35内に移動自在に嵌合されたばね受け部材39を制動ばね36の一端部に押し付けている。この無頭ボルト37がばね挿入凹部35に対して前進または後退することにより、制動ばね36のばね力が増大あるいは減少する。ばね力が所定の大きさに調整された後に、フィールドコア6の上面から突出した無頭ボルト37の外端部に第2の固定用ナット40を締め込むことによって、無頭ボルト37がフィールドコア6に固定され、制動ばね36のばね力の調整が完了する。
フィールドコア6におけるばね挿入凹部35より径方向の外側には、コイル収容溝41が形成されている。このコイル収容溝41は、フィールドコア6の下面に開口し、フィールドコア6と同一軸線上に位置する環状に形成されている。このコイル収容溝41には電磁コイル42が収容されている。電磁コイル42は、通電状態と非通電状態とが切り換えられるものである。この電磁コイル42が通電されていない状態においては、図1および図2に示すように、アーマチュア10が制動ばね36のばね力で第1の方向へ(図において下方へ)押され、押圧力がアーマチュア10から第2のインナディスク9と、アウタディスク8と、第1のインナディスク7と、サイドプレート5とにこの順序で伝達される。この結果、第1および第2のインナディスク7,9とアウタディスク8とからなる制動部22がアーマチュア10とサイドプレート5とによって挟まれ、摩擦抵抗からなる制動力が生じる。この制動状態において、フィールドコア6とアーマチュア10との間に微少な隙間からなるエアギャップG(図3参照)が生じる。
一方、電磁コイル42が通電されると、図3に示すように、アーマチュア10が磁気によって第2の方向へ(図において上方へ)吸引されて制動部22から離れ、フィールドコア6の下面に吸着される。この多板式無励磁作動ブレーキ1は、このような非制動状態で第1および第2のインナディスク7,9をアウタディスク8、サイドプレート5およびアーマチュア10に接触することがない中立位置に保持する中立機構11を備えている。
(中立機構の構成)
中立機構11は、詳細は後述するが、上述したエアギャップGに相当する隙間を第1、第2のインナディスク7,9とアウタディスク8の両側となる4箇所に振り分け、図3に示すように、第1、第2のインナディスク7,9とアウタディスク8とを中立位置に保持する。図4に示す非制動状態において、サイドプレート5と第1のインナディスク7との間には、第1の隙間g1が形成されている。第1のインナディスク7とアウタディスク8との間には第2の隙間g2が形成されている。アウタディスク8と第2のインナディスク9との間には第3の隙間g3が形成されている。第2のインナディスク9とアーマチュア10との間には第4の隙間g4が形成されている。ここでは、第1〜第4の隙間g1〜g4の幅をそれぞれエアギャップGの1/4とする場合について説明する。なお、第1〜第4の隙間g1〜g4の幅は、エアギャップGの1/4に限定されることはなく、適宜変更することができる。
中立機構11は、これらの第1〜第4の隙間g1〜g4を形成するために第1〜第3の保持部43〜45を有している。第1の保持部43は、第1のインナディスク7を中立位置に保持する。第2の保持部44は、第2のインナディスク9を中立位置に保持する。第3の保持部45は、アウタディスク8を中立位置に保持する。
(第1の保持部の構成)
第1の保持部43は、図2に示すように、サイドプレート5とリアハウジング3の中空部内に収容された有底円筒状の連結部材51を使用して構成されている。連結部材51は、円環状の板状部51aと、この板状部51aの外周縁から第2の方向に(図2において上方に)延びる円筒部51bとを有している。この連結部材51は、板状部51aがハブ12の軸端面12cと対向する状態で、円筒部51bを軸線方向に貫通する3本の第1の固定用ボルト52によって、第1のインナディスク7に固定されている。固定用ボルト52は、第1のインナディスク7のねじ孔7aに螺着されている。連結部材51の円筒部51bは、この連結部材51が第1のインナディスク7に固定された状態において、周方向の全域にわたって第1のインナディスク7に当接する。
第1の固定用ボルト52は、円筒部51bの3箇所に穿設された第1のボルト挿通孔53にそれぞれ挿通されている。この第1のボルト挿通孔53は、円筒部51bを周方向に3等分する位置にそれぞれ形成されている。この円筒部51bには、互いに隣り合う2つの第1のボルト挿通孔53どうしの間に第2のボルト挿通孔54が形成されている。第1のボルト挿通孔53と第2のボルト挿通孔54は、円筒部51bを周方向に6等分する位置に形成されている。第2のボルト挿通孔54には、後述する第2の保持部44のインナディスク位置調整ボルト55が挿通されている。
連結部材51の板状部51aには第1の貫通孔56と第2の貫通孔57とが穿設されている。第1の貫通孔56は、板状部51aを周方向に6等分する位置のうち、1つおきとなる位置にそれぞれ形成されている。第2の貫通孔57は、板状部51aを周方向に6等分する位置のうち、第1の貫通孔56が形成されていない位置にそれぞれ形成されている。第1の貫通孔56には、第2の固定用ボルト58が挿通されている。第2の固定用ボルト58は、板状部51aにシム59とリング60とを着脱可能に固定している。シム59とリング60はそれぞれモータ軸4を挿通可能な大きさの円環状に形成され、板状部51aにおけるハブ12の軸端面12cと対向する位置に配置されている。シム59とリング60は、シム59が板状部51aに接する状態で互いに重ねられている。
板状部51aの第2の貫通孔57には、支持ボルト61が移動自在に挿通されている。支持ボルト61は、本発明でいう「第1のロッド」に相当するものである。この支持ボルト61は、平座金62と圧縮コイルばねからなる第1の戻しばね63とをこの順に貫通した状態で第2の貫通孔57にハブ12とは反対側から(図2においては下方から)挿通されている。第1の戻しばね63は、圧縮された状態で平座金62と板状部51aとの間に配置されている。
支持ボルト61における、第2の貫通孔57から突出した部位は、シム59の貫通孔59aおよびリング60の貫通孔60aに移動自在に挿通され、ハブ12のねじ孔64に螺着されている。すなわち、支持ボルト61は、一端部がハブ12の軸端部に固定されるとともに他端部が板状部51aを移動自在に貫通する状態でハブ12から第1の方向に延びている。
このように支持ボルト61がハブ12に取付けられることにより、連結部材51が第1の戻しばね63のばね力で第2の方向に付勢される。連結部材51は、図3に示す制動状態においては、制動ばね36のばね力がアーマチュア10と、第2のインナディスク9と、アウタディスク8とを介して第1のインナディスク7に伝達されるために、第1のインナディスク7と一体に第1の戻しばね63のばね力に抗して第1の方向に移動する。
また、連結部材51は、図4に示す非制動状態においては、制動ばね36のばね力が伝達されなくなるために、第1の戻しばね63のばね力によって第2の方向に移動し、リング60がハブ12の軸端面12cに当接した位置に保持される。すなわち、非制動状態において、連結部材51の第2の方向への移動は、シム59とリング60とによって規制される。この実施の形態においては、シム59とリング60とが本発明でいう「第1のストッパー」に相当する。また、この実施の形態においては、第1の戻しばね63が本発明でいう「第1のばね部材」に相当し、支持ボルト61とリング60およびシム59が本発明でいう「第1の規制部材」に相当する。
シム59とリング60の厚み(モータ軸4の軸線方向の長さ)は、図3に示すように、制動状態でリング60がハブ12から第5の隙間g5だけ離間する厚みである。一方、非制動状態においては、図4に示すように、リング60がハブ12に当接し、第5の隙間g5と等しい幅の第1の隙間g1が第1のインナディスク7とサイドプレート5との間に生じる。
このため、第1の隙間g1の幅をエアギャップGの1/4とするためには、第5の隙間g5の幅を変えることによって実施することができる。第5の隙間g5の幅は、シム59やリング60を厚みが異なるものに変えることによって変更することができる。
(第2の保持部の構成)
第2の保持部44は、図2に示すように、連結部材51の第2のボルト挿通孔54に移動自在に挿通されたインナディスク位置調整ボルト55と、このインナディスク位置調整ボルト55が移動自在に貫通する状態で第1のインナディスク7と第2のインナディスク9との間に設けられた第2の戻しばね65とを有している。インナディスク位置調整ボルト55は、本発明でいう「第2のロッド」に相当するもので、モータ軸4の軸線方向と平行に延びる状態で一端部(上端部)が第2のインナディスク9(一対のインナディスクのうち一方のインナディスク)のねじ孔66に螺着されている。このインナディスク位置調整ボルト55の一端部は、第3の固定用ナット67が螺合しており、この第3の固定用ナット67が締め込まれることによって第2のインナディスク9に固定されている。第3の固定用ナット67と第2の戻しばね65との間にはばね受け板68が設けられている。
インナディスク位置調整ボルト55の他端側は、第1のインナディスク7(一対のインナディスクのうち他方のインナディスク)の貫通孔69と、連結部材51の第2のボルト挿通孔54とを移動自在に貫通している。このインナディスク位置調整ボルト55における連結部材51から下方に突出した他端部には、第4の固定用ナット71が螺着されている。この第4の固定用ナット71は、インナディスク位置調整ボルト55の抜け止めとして機能するものである。この実施の形態においては、この第4の固定用ナット71が本発明でいう「第2のストッパー」に相当する。
第2の戻しばね65は、本発明でいう「第2のばね部材」に相当するものである。この第2の戻しばね65は、圧縮コイルばねからなり、第1のインナディスク7の上面と第3の固定用ナット67側のばね受け板68との間に圧縮された状態で配置されている。このため、第2の戻しばね65は、互いに隣り合う一対の第1のインナディスク7と第2のインナディスク9とを間隔が拡がる方向に付勢している。
第1のインナディスク7と第2のインナディスク9の間隔が狭くなる方向への移動は、第2の戻しばね65が圧縮されるとともに、インナディスク位置調整ボルト55が第1のインナディスク7に対して下方に移動することによって許容される。一方、第1のインナディスク7と第2のインナディスク9の間隔が拡がる方向への移動は、インナディスク位置調整ボルト55の下端部に螺着された第4の固定用ナット71が連結部材51の下面に当接することによって、予め定めた間隔で規制される。
この間隔は、図4に示すように、非制動状態で第1のインナディスク7とアウタディスク8との間に第2の隙間g2が生じるとともに、アウタディスク8と第2のインナディスク9との間に第3の隙間g3が生じる間隔である。この間隔は、連結部材51に対する第4の固定用ナット71の位置を変えることによって調整することができる。すなわち、図3に示すように、第1のインナディスク7と第2のインナディスク9との間にアウタディスク8が挟まれて第1のインナディスク7がサイドプレート5に当接した制動状態で、第4の固定用ナット71と連結部材51の下面との間の第6の隙間g6が所定の幅となるように第4の固定用ナット71の位置を設定する。
この「所定の幅」は、第2の隙間g2の幅と第3の隙間g3の幅の総和となる幅である。このため、第2の隙間g2の幅と第3の隙間g3の幅をそれぞれエアギャップGの1/4とするためには、第4の固定用ナット71の位置あるいはインナディスク位置調整ボルト55の位置を変えて第6の隙間g6の幅をエアギャップGの1/2とすることにより実現できる。
この実施の形態においては、インナディスク位置調整ボルト55と第4の固定用ナット71とが本発明でいう「第2の規制部材」に相当する。
(第3の保持部の構成)
第3の保持部45は、図3および図4に示すように、サイドプレート5の外周部に立てて設けられたアウタディスク位置調整ボルト27と、このアウタディスク位置調整ボルト27が移動自在に貫通する状態でサイドプレート5とアウタディスク8との間に設けられた第3の戻しばね72とを有している。
アウタディスク位置調整ボルト27は、モータ軸4の軸線方向に延びる状態で一端部がサイドプレート5の3箇所の第2のねじ孔25にそれぞれ螺着されている。このため、第3の保持部45は、3本のアウタディスク位置調整ボルト27と、3個の第3の戻しばね72とを有している。
アウタディスク位置調整ボルト27の一端部は、第5の固定用ナット74が螺合しており、この第5の固定用ナット74が締め込まれることによってサイドプレート5に固定されている。第5の固定用ナット74と第3の戻しばね72との間にはばね受け板75が設けられている。
アウタディスク位置調整ボルト27の他端側であって頭部27aを除く他の部分は、アウタディスク8に穿設されたボルト挿通孔76に移動自在に挿通されている。この実施の形態において、アウタディスク位置調整ボルト27の頭部27aは、このアウタディスク位置調整ボルト27の抜け止めとして機能している。
この実施の形態においては、アウタディスク位置調整ボルト27の頭部27aを除く部分が本発明でいう「第3のロッド」に相当し、頭部27aが本発明でいう「第3のストッパー」に相当する。また、この実施の形態においては、アウタディスク位置調整ボルト27が本発明でいう「第3の規制部材」に相当する。
第3の戻しばね72は、本発明でいう「第3のばね部材」に相当するものである。この第3の戻しばね72は、圧縮コイルばねからなり、アウタディスク8の下面と第5の固定用ナット74側のばね受け板75との間に圧縮された状態で配置されている。このため、第3の戻しばね72は、アウタディスク8を第2の方向に付勢している。
アウタディスク8の第1の方向への移動は、第3の戻しばね72が圧縮されることによって許容される。一方、アウタディスク8の第2の方向への移動は、アウタディスク8の上面がアウタディスク位置調整ボルト27の頭部27aに当接することによって所定の位置で規制される。この所定の位置とは、図4に示すように、アウタディスク8と第1のインナディスク7との間に第2の隙間g2が生じるとともに、アウタディスク8と第2のインナディスク9との間に第3の隙間g3が生じる位置である。
このアウタディスク8の第2の方向への移動が規制される位置は、サイドプレート5に対するアウタディスク位置調整ボルト27の頭部27aの位置を変えることによって調整することができる。すなわち、図3に示すように、第1のインナディスク7と第2のインナディスク9との間にアウタディスク8が挟まれて第1のインナディスク7がサイドプレート5に当接した制動状態で、頭部27aとアウタディスク8の上面との間の第7の隙間g7が所定の幅となるようにアウタディスク位置調整ボルト27の実質的な長さを変える。ここでいう「所定の幅」は、第1の隙間g1の幅と第2の隙間g2の幅の総和となる幅である。また、「アウタディスク位置調整ボルト27の実質的な長さ」とは、アウタディスク位置調整ボルト27における、サイドプレート5から突出した部分の長さである。このため、アウタディスク8を中立位置に位置付けるためには、第7の隙間g7の幅をエアギャップGの1/2とすることによって実現できる。
このように構成された中立機構11を備えた多板式無励磁作動ブレーキ1は、電磁コイル42への通電を断った無励磁状態、言い換えれば図3に示す制動状態であるときに、フィールドコア6とアーマチュア10との間にエアギャップGが生じる。また、この状態においては、連結部材51に固定されたリング60とハブ12との間に第5の隙間g5が生じ、連結部材51の下面とインナディスク位置調整ボルト55の第4の固定用ナット71との間に第6の隙間g6が生じる。さらに、この状態においては、アウタディスク8とアウタディスク位置調整ボルト27の頭部27aとの間に第7の隙間g7が生じる。
電磁コイル42に通電した励磁状態、言い換えれば図4に示す非制動状態であるときには、アーマチュア10がフィールドコア6に磁気によって吸着されてエアギャップGは0になる。この状態においては、第1および第2のインナディスク7,9とアウタディスク8とが制動ばね36のばね力から解放され、第1〜第3の保持部43〜45によって中立位置に位置付けられる。すなわち、サイドプレート5と第1のインナディスク7との間にエアギャップGの1/4の幅となる第1の隙間g1が生じ、第1のインナディスク7とアウタディスク8との間にエアギャップGの1/4の幅となる第2の隙間が生じる。また、アウタディスク8と第2のインナディスク9との間にエアギャップGの1/4の幅となる第3の隙間g3が生じ、第2のインナディスク9とアーマチュア10との間にエアギャップGの1/4となる幅の第4の隙間g4が生じる。
このため、この多板式無励磁作動ブレーキ1によれば、特許文献1に記載されている装置と較べると、部品点数が少なくなる。この理由は、第1および第2のインナディスク7,9とアウタディスク8の上昇位置を規制するにあたって、ボルトを下方に付勢するばね部材が用いられていないからである。したがって、この実施の形態によれば、部品点数や組立工数を削減して多板式無励磁作動ブレーキを安価に提供することができる。
この実施の形態において、連結部材51(第1のインナディスク7)の第2の方向への移動を規制するシム59およびリング60(第1のストッパー)は、連結部材51の板状部51aにおけるハブ12(回転体)の軸端面12cと対向する位置に着脱可能に固定されている。
このため、サイドプレート5と隣り合う第1のインナディスク7を中立位置に位置付けるにあたってシム59やリング60を厚みの異なるものに交換したり、リング60とハブ12との間隔を変えることによって、正確にかつ簡単に行うことができる。
この実施の形態において、第2のインナディスク9の第2の方向への移動は、インナディスク位置調整ボルト55(第2のロッド)に螺着された第4の固定用ナット71(第2のストッパー)によって規制される。
このため、インナディスク位置調整ボルト55の全長あるいは第4の固定用ナット71の位置を変えることによって、一対の第1および第2のインナディスク7,9のうち、一方の第1のインナディスク7に対する他方の第2のインナディスク9の位置を調整することができる。したがって、この実施の形態によれば、第2のインナディスク9を中立位置に位置付けるにあたって、正確にかつ簡単に行うことができる。
この実施の形態において、アウタディスク8の第2の方向への移動は、アウタディスク位置調整ボルト27(第3のロッド)の頭部27a(第3のストッパー)によって規制される。
このため、アウタディスク位置調整ボルト27の全長あるいは頭部27aの位置を変えることによって、サイドプレート5に対するアウタディスク8の位置を調整することができる。したがって、この実施の形態によれば、アウタディスク8を中立位置に位置付けるにあたって、正確にかつ簡単に行うことができる。
(第2の実施の形態)
本発明に係る多板式無励磁作動ブレーキ1は、図5〜図8に示すように構成することができる。図5〜図8において、図1〜図4によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図5〜図8に示す多板式無励磁作動ブレーキ81は、縦型モータ2の下端側に位置するリアハウジング3の下面に装着されている。この多板式無励磁作動ブレーキ81は、第1の実施の形態で示した多板式無励磁作動ブレーキ1とは、リアハウジング3に取付ける際の方向が上下逆になっていることにおいて異なり、その他の構成において一致している。
図5〜図8に示すように構成した場合であっても第1の実施の形態を採るときと同等の効果が得られる。
(第3の実施の形態)
第1の規制部材の第1のストッパーは、図9に示すように構成することができる。図9において、図1〜図4によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図7に示す連結部材51は、第2の方向への移動を規制するためにストッパプレート82と調整ボルト83とを備えている。ストッパプレート82は円環状に形成され、連結部材51の板状部51aとハブ12との間に配置されて中空部内にモータ軸4が通された状態で、板状部51aに固定用ボルト84によって固定されている。調整ボルト83と固定用ボルト84は、板状部51aの周方向において、図示していない3本の支持ボルト61を挟む位置にそれぞれ設けられている。このため、この実施の形態による板状部51aには、3本の支持ボルト61と、3本の調整ボルト83と、3本の固定用ボルト84とが設けられている。
固定用ボルト84は、板状部51aのボルト挿通孔85に移動自在に通された状態でストッパプレート82のねじ孔86に螺着されている。
調整ボルト83は、ストッパプレート82と板状部51aとの間の間隔を調整するためのもので、板状部51aのねじ孔87に螺合しており、先端がストッパプレート82に接触した状態で固定用ナット88によって板状部51aに固定されている。
調整ボルト83は、板状部51aを周方向に3等分する位置にそれぞれ設けられている。この調整ボルト83のねじ込み量を変えることにより、モータ軸4の軸線方向においてストッパプレート82の位置を変えることができる。
このため、この実施の形態によれば、ストッパプレート82とハブ12との間の第5の隙間g5の幅を簡単かつ正確に調整することができる。
(変形例の説明)
上述した第1および第2の実施の形態を採るにあたり使用する連結部材51は、図10に示すように構成することができる。
図10に示す連結部材51は、円環状の板状部51aと、この板状部51aの外周部分から第1のインナディスク7(図示せず)に向けて延びる複数の連結部91とによって構成されている。
連結部91は、円筒状に形成されており、板状部51aを周方向に6等分する位置にそれぞれ設けられている。これらの6本の連結部91のうち、板状部51aの周方向において1つおきに位置する3本の連結部91には第1のボルト挿通孔53が形成され、他の3本の連結部91には第2のボルト挿通孔54が形成されている。
連結部材51をこのように構成したとしても、上述した実施の形態と同等の効果が得られる。
上述した各実施の形態においては、縦型モータ2のリアハウジング3に装着される多板式無励磁作動ブレーキ1,81の一例を示した。しかし、本発明に係る多板式無励磁作動ブレーキを取付ける装置は、モータ以外の被制動装置であってもよい。
上述した各実施の形態においては、第1のインナディスク7と第2のインナディスク9とを用いる多板式無励磁作動ブレーキ1,81を示した。しかし、本発明はこのような限定にとらわれることはなく、3枚以上のインナディスクを使用することができる。このような構成を採る場合であっても、互いに隣り合う一対のインナディスクどうしの間にアウタディスク8を配置する。
上述した各実施の形態においては、第2の保持部44のインナディスク位置調整ボルト55が連結部材51を貫通する例を示した。しかし、インナディスク位置調整ボルト55は、連結部材51より径方向の外側に配置することにより、第1のインナディスク7のみを貫通する構成とすることができる。この構成を採る場合と較べて、第1および第2の実施の形態で示したようにインナディスク位置調整ボルト55が連結部材51を貫通する構成を採ることにより、第2の保持部44を径方向においてコンパクトに形成することができる。
上述した各実施の形態においては、インナディスク位置調整ボルト55が第2のインナディスク9に螺着されて固定される例を示した。しかし、インナディスク位置調整ボルト55は、連結部材51に固定したり、第1のインナディスク7に固定してもよい。このような構成を採る場合は、インナディスク位置調整ボルト55の上側部分を第2のインナディスク9に移動自在に貫通させ、インナディスク位置調整ボルト55の先端部に抜け止めとして固定用ナットが取付ける。
上述した各実施の形態においては、アウタディスク位置調整ボルト27がサイドプレート5に螺着されて固定される例を示した。しかし、アウタディスク位置調整ボルト27は、アウタディスク8に固定してもよい。このような構成を採る場合は、アウタディスク位置調整ボルト27をサイドプレート5に移動自在に貫通させ、アウタディスク位置調整ボルト27の頭部27aを抜け止めとして使用する。
1,81…多板式無励磁作動ブレーキ、5…サイドプレート、6…フィールドコア、7…第1のインナディスク、8…アウタディスク、9…第2のインナディスク、10…アーマチュア、11…中立機構、12…ハブ(回転体)、22…制動部、27…アウタディスク位置調整ボルト(第3のロッド)、27a…頭部(第3のストッパー)、36…制動ばね、42…電磁コイル、51…連結部材、51a…板状部、55…インナディスク位置調整ボルト(第2のロッド)、59…シム(第1のストッパー)、60…リング(第1のストッパー)、61…支持ボルト(第1のロッド)、63…第1の戻しばね(第1のばね部材)、65…第2の戻しばね(第2のばね部材)、71…第4の固定用ナット(第2のストッパー)、72…第3の戻しばね(第3のばね部材)。

Claims (4)

  1. 被制動物となる回転体と、
    前記回転体に対して軸線方向への移動が許容された状態で前記回転体と一体に回転する複数のインナディスクと、
    互いに隣り合う一対の前記インナディスクどうしの間に配置され、前記回転体の回転方向への回転が規制された状態で前記回転体に対する前記軸線方向への移動が許容されたアウタディスクと、
    前記複数のインナディスクと前記アウタディスクとからなる制動部に前記軸線方向の一端側から対向する位置に配置され、前記回転体の回転方向への回転が規制されるとともに前記回転体に対する前記軸線方向への移動が許容されたアーマチュアと、
    前記制動部に前記軸線方向の他端側から対向する位置に配置され、前記回転体の回転方向への回転および前記回転体に対する前記軸線方向への移動が規制されたサイドプレートと、
    前記アーマチュアを前記制動部に接近する方向である第1の方向へ付勢する制動ばねと、
    通電状態と非通電状態とが切り換えられる電磁コイルを有し、この電磁コイルに通電されることにより前記アーマチュアが前記第1の方向とは反対方向である第2の方向へ吸引されて前記制動部から離れて吸着されるフィールドコアと、
    前記電磁コイルに通電されている状態で前記インナディスクを前記アウタディスク、前記サイドプレートおよびアーマチュアに接触することがない中立位置に保持する中立機構とを備え、
    前記中立機構は、
    前記サイドプレートと隣り合う前記インナディスクに固定された連結部材と、
    この連結部材を前記第2の方向へ付勢する第1のばね部材と、
    前記連結部材の前記第1の方向への移動を許容するとともに前記第2の方向への移動を所定の位置で規制する第1の規制部材と、
    互いに隣り合う一対の前記インナディスクどうしの間に設けられ、これらのインナディスクを間隔が拡がる方向へ付勢する第2のばね部材と、
    前記第2のばね部材によって付勢される一対のインナディスクの間隔が狭くなる方向への移動を許容するとともに、これらのインナディスクの間隔が拡がる方向への移動を予め定めた間隔で規制する第2の規制部材と、
    前記アウタディスクを前記第2の方向へ付勢する第3のばね部材と、
    前記アウタディスクの前記第1の方向への移動を許容するとともに、前記第2の方向への移動を所定の位置で規制する第3の規制部材とを備えている多板式無励磁作動ブレーキ。
  2. 請求項1記載の多板式無励磁作動ブレーキにおいて、
    前記回転体は、円筒状に形成され、
    前記連結部材は、前記回転体の軸端面と対向する板状部を有し、
    前記第1の規制部材は、
    一端部が前記回転体の軸端部に固定されるとともに他端部が前記板状部を移動自在に貫通する状態で前記第1の方向に延びる第1のロッドと、
    前記板状部における前記回転体の軸端面と対向する位置に取付けられた第1のストッパーとを有していることを特徴とする多板式無励磁作動ブレーキ。
  3. 請求項1または請求項2記載の多板式無励磁作動ブレーキにおいて、
    前記第2の規制部材は、
    前記軸線方向に延びる状態で一端部が前記一対のインナディスクのうち一方のインナディスクに螺着され、他端側が他方のインナディスクを移動自在に貫通するボルトからなる第2のロッドと、
    前記第2のロッドにおける前記他方のインナディスクから突出した他端部に設けられて前記第2のロッドの抜け止めとなる第2のストッパーとを有していることを特徴とする多板式無励磁作動ブレーキ。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の多板式無励磁作動ブレーキにおいて、
    前記第3の規制部材は、
    前記軸線方向に延びる状態で一端部が前記アウタディスクと前記サイドプレートとのうちいずれか一方の部材に螺着され、他端側が他方の部材を移動自在に貫通するボルトからなる第3のロッドと、
    前記第3のロッドにおける前記他方の部材から突出した他端部に設けられて前記第3のロッドの抜け止めとなる第3のストッパーとを有していることを特徴とする多板式無励磁作動ブレーキ。
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