JP6814603B2 - 湿式清掃用シート - Google Patents

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Description

本発明は、湿式清掃用シートに関する。
清掃用シートは、日常的に使用される製品であり、汚れやほこりなどの拭き取り性に対する要求がある。これに対し、様々な技術の提案がなされている。
例えば、清掃体と、この清掃体の少なくとも一面の一部に設けられた凹部と、この凹部に設けられた粘着剤とを含んでなる清掃用具が提案されている(特許文献1参照)。この清掃用具は、清掃面のごま、砂埃等の粒子物質や髪の毛等の固形物を液体物質と共に除去するために用いられる。また、静電気により塵埃や毛髪を吸着し、嵩高によりこれらを保持する掃除用積層シートが提案されている(特許文献2参照)。この掃除用積層シートは、ポリオレフィンフィルムの両面又は片面に繊度が0.9〜2.5drである帯電性の短繊維を用いて絡合した、特定の嵩高値を有する不織布を熱融着してなる。
特開平11−313792号公報 特開平11−276401号公報
従来技術である前記清掃用具および掃除用積層シートは、いずれも清掃液を含まない乾式のシートであり、湿式の清掃液を含む清掃用シートの技術ではない。
これに対し、清掃液を含む湿式清掃用シートでは、清拭し続けると、清掃液の放出量が減少してしまう。例えば、フローリング等の清掃する対象面積が広い場合、清掃途中で新たな湿式清掃用シートに交換することが必要になることがある。
清掃液の放出量は、使用途中で低下してしまうと、汚れ落とし性能が十分でない場合がある。清掃する対象の面積が広い場合だけでなく、汚れを落とすために、ごしごしと強く擦らないと汚れが落ちない場合にも問題となる。
従って、本発明は、清掃液の放出持続性の長い湿式清掃用シートを提供することに関する。
本発明は、不織布シートの片面に、液不透過性フィルムを積層させた湿式清掃用シートであって、
前記不織布シートは、網状シートの両面に不織の繊維集合体が配されてなり、
前記不織布シートと前記液不透過性フィルムとが部分的に融着しており、融着部が線状に構成され、該融着部が前記不織布シートの周縁部および内側の少なくも一方に存在し、該融着部の面積が、前記不織布シートの片面の面積の5%以上20%以下であり、
前記不織布シートが清掃液を担持している湿式清掃用シートを提供するものである。
本発明の湿式清掃用シートは、清掃液の放出持続性が長い。
本発明の湿式清掃用シートの好ましい一実施形態を示した縦断面図である。 本発明の湿式清掃用シートを清掃用具に取り付ける過程の一例を示した斜視図である。 本発明の湿式清掃用シートの一実施形態の一部位を示した上面図である。 本発明の湿式清掃用シートの一実施形態の融着部を示した上面図である。 比較例2〜4の湿式清掃用シートの融着部を示した上面図である。 実施例4の湿式清掃用シートと、比較例1の湿式清掃用シートの清掃液放出量を清拭面積に対してプロットしたグラフである。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の湿式清掃用シートおよびその製造方法をその好ましい実施形態に基づき説明する。
<湿式清掃用シート>
図1に示すように、本発明の湿式清掃用シート1は、不織布シート3の片面に、液不透過性フィルム2を有する。不織布シート3は、図示していない網状シートの両面に不織の繊維集合体が配されてなり、不織布シート3と液不透過性フィルム2とが部分的に融着している。融着部は、線状に構成され、不織布シート3の周縁部および内側の少なくも一方に存在する。融着部の面積は、不織布シート3の片面の面積の5%以上20%以下である。不織布シート3は、清掃液を担持している。
なお、本発明の湿式清掃用シートの形状は特に制限されず、円形、楕円形、矩形等のいずれであってもよいが、矩形が好ましい。
以下、本発明の湿式清掃用シートを単に「本発明のシート」とも称す。
また、本発明のシートの清掃面側を表面とも称する。一方、本発明のシートの清掃面と反対側を裏面とも称す。また、清掃液を単に「液」と称することもある。
図2の(A)〜(C)の取り付け過程で示されるように、本発明の湿式清掃用シート1は、清掃用具4に取り付けて使用されることが好ましい。この清掃用具4は、湿式清掃用シート1の取り付部と、取り付部に回動可能に取り付けた取手部を有する。取り付部は清掃時に所定面積で清掃面に接するように板状になされている。取手部は使用者の手が清掃面から高い位置で使用するように、棒状体である。清掃方向を変える場合には、取手部に力を加えることで、湿式清掃用シートに圧力を加えることができ、取手部を前後左右に動かすことで、湿式清掃用シート1を清掃面に対して動かして清掃する。湿式清掃用シート1は、清掃用具4の取り付部よりも大きく、取り付部に固定するための耳部を有する。清掃用具4のシート取り付部に、湿式清掃用シート1の裏面が接するようにして耳部を折り返して取り付けられる。なお、図2において、耳部は符号5によって示す。この耳部5は、本発明のシートのうち、清掃対象と接触しない部分である。なお、本発明の湿式清掃用シートは、清掃用具に取り付けずに、清掃に用いることもできる。
(不織布シート)
本発明に用いられる不織布シートは、網状シートの両面に不織の繊維集合体が配されてなる。
−網状シート−
網状シートは、格子形状が三角形または四角形を有する格子状に形成された樹脂製のネットである。「格子形状が三角形または四角形を有する格子状」とは、正方形、長方形、菱型、三角形、台形又は平行四辺形の繰り返し及びこれらのうち2つ以上の組み合わせによって形成される格子を意味する。
網状シートとしてネット以外に、不織布、紙、フィルム等を用いることもできる。不織の繊維集合体はその構成繊維間で絡合しているのみならず、不織の繊維集合体の構成繊維が網状シートと絡合していることが好ましい。これによって本発明のシートの引張強度が向上している。網状シートがネットである場合、その線径は好ましくは50μm以上600μm以下、更に好ましくは75μm以上350μm以下である。また、線間距離は好ましくは2mm以上30mm以下、さらに好ましくは4mm以上20mm以下である。網状シートの構成材料としては、例えば、米国特許第5,525,397号明細書の第3欄39〜46行に記載の材料が使用できる。なお、網状シートの構成材料として熱収縮性のものを用いることは妨げない。もっとも網状シートは、熱収縮性でないか、又は熱収縮性であるとしても140℃で3分間加熱した後の熱収縮率が3%以下の低熱収縮性であることが好ましい。
−不織の繊維集合体−
不織の繊維集合体は、繊維ウエブの水流交絡によりその構成繊維同士が絡合して形成された不織布、すなわち、繊維ウエブの構成繊維同士が絡み合っている不織布である。不織の繊維集合体は、好ましくは構成繊維の絡合のみによって形成されているので、構成繊維の融着や接着のみによって形成されている繊維ウエブと比べてその構成繊維の自由度が大きい。このため、その構成繊維による髪の毛や細かなダスト等の汚れの捕集性および保持性に優れると共に肌触りが良い。
不織の繊維集合体を構成する繊維としては、例えば、米国特許第5,525,397号明細書の第4欄3〜10行に記載の繊維が使用できる。不織の繊維集合体は、繊度は5dtex以下の繊維を50質量%以上、特に3.5dtex以下の繊維を70質量%以上含んでいることが、本発明のシートに孔あきが発生することの防止、十分な嵩高さの発現及び維持の点から好ましい。また、髪の毛、塵埃、汚れ等の捕集性及び保持性に優れることからも好ましい。不織の繊維集合体の坪量、構成繊維の繊維長は、加工性、コスト等を総合的に勘案して本発明のシートの用途に応じて決定される。不織の繊維集合体の坪量は30g/m以上100g/m以下、特に40g/m以上70g/m以下であることが、孔あきが発生することの防止、十分な嵩高さの発現、及び嵩高さの維持の点から好ましい。孔あきの孔とは、孔径が円相当の直径で1mm以上のものとする。
不織の繊維集合体は親水性繊維、例えばセルロース繊維やポリアクリロニトリル繊維を含むことが好ましい。セルロース繊維としては、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットンの繊維などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、親水性の合成繊維を用いることも好ましい。親水性の合成繊維を用いることで、本発明のシートは、含浸された清掃液の保持性を高めつつ、セルロース繊維だけを使用した場合に比べて嵩高となり、清掃性、操作性、風合いが一層良好になる。親水性の合成繊維としては、アクリル繊維や、繊維油剤などの親水化剤による処理で親水化されたポリエチレンテレフタレート繊維などを用いることが好ましい。親水化処理の方法としては、親水化剤による表面付着処理や練り込みなどが挙げられる。親水化剤としては、一般的な繊維用界面活性剤などを用いることができる。親水化剤は、初期親水性能だけでなく耐久親水性能があることが好ましい。初期親水性及び耐久親水性の評価法としては、例えば、綿玉法が挙げられる。綿玉法による初期親水性の評価方法は、カードウェブ1.0gを丸め、直径7cmの玉状にし、静かに水面に置いてから綿玉が完全に沈むまでの時間(秒)を求める。一方、綿玉法による耐久親水性の評価方法は、綿玉1gに対して純水200gを用いた浴比1:200の純水で30分間振とう機で振とう後、乾燥した綿で初期親水性と同様の評価を行い、時間(秒)を求める。そして、この方法で測定された初期親水性が0.1秒以上20秒以下、耐久親水性が0.2秒以上30秒以下であることが好ましい。親水性の度合いとしては、JIS L1907 5.1.2に規定されるバイレック法で、不織布シートの縦方向及び横方向ともに、10分後の吸い上げ高さが2mm以上あることが好ましい。
また、不織の繊維集合体は異形断面を有する繊維を含むことが好ましい。具体的には、毛管力によって清掃液を保持することが可能な形状の異形断面を有する繊維を含むことが好ましい。これによって、繊維が保持し得る清掃液の量が高まり、繊維集合体全体としての清掃液の含浸量を高めることができる。前記の異形断面形状としては、例えばC字形、Y字形、中空、β字形が挙げられる。
なお、本発明に用いられる不織布シートの面積は特に制限されるものではなく、清掃用具のシート取り付け部位におけるシート取り付け面の面積に合わせて調整される。また、本発明に用いられる不織布シートの厚さは特に制限されるものではないが、0.01mm以上5mm以下が好ましく、0.5mm以上2mm以下がより好ましい。不織布シートの厚さは、光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて、不織布シートの厚さ方向断面を観察し、目視できる繊維の下端から上端までの距離を3か所から10か所程度測定し、その平均値を厚さとする。
(液不透過性フィルム)
本発明に用いられる液不透過性フィルムは、清掃時にシート表面に保持されたダスト等および清掃液が、清掃用具4のシート取り付け面に付着することを防止できるものであれば特に制限されない。本発明に用いられる液不透過性フィルムの具体例として、アルミニウム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セルロース、ゴムまたはアクリルポリマーからなるフィルムが挙げられる。また、市販品として、保存用袋(例えば、ユニパック(商品名))およびラッピングフィルム(例えば、サランラップ(商品名))が挙げられる。
なお、本発明に用いられる液不透過性フィルムは、上述の不織布シートの面積と同じである。また、本発明に用いられる液不透過性フィルムの厚さは特に制限されるものではないが、0.01mm以上3mm以下が好ましく、0.04mm以上1mm以下がより好ましい。液不透過性フィルムの厚さが薄すぎると強度が不十分で清掃具への取り付け時または取り外し時に破れやすくなり、厚すぎると清掃具への取り付け安定性が悪くなる。
(融着部)
本発明のシートにおいて、上述のように、不織布シートと液不透過性フィルムとが部分的に融着している。この部分的な融着部を、以下、融着部ともいう。
すなわち、融着部は線状に構成され、該融着部が不織布シートの周縁部および内側の少なくも一方に存在し、該融着部の面積が、不織布シートの片面の面積の5%以上20%以下である。
このような形態で不織布シートと液不透過性フィルムとが融着していることにより、不織布シートと液不透過性フィルムが融着した状態で、不織布シートに所定量の清掃液を担持させることができる。加えて、融着部は、線状にしたことにより、それを伝って液が流れやすくなっている。
ここで、図3(A)に示す、長方形の不織布シート3を例にして、「不織布シートの周縁部および内側」を説明する。図3(A)において、不織布シートの1つの辺の長さを、辺の端からの幅t1を含めてt2とする。また、長さt2の辺に隣接する辺の長さを、辺の端からの幅t3を含めてt4とする。「不織布シートの周縁部」とは、不織布シートの液不透過性フィルムと融着する側の面において、幅t1×t4の領域およびt3×t2の領域を示す。ここで、t1/t2が0.003以上0.035以下であり、t3/t4が0.004以上0.050以下である。一方、「不織布シートの内側」とは、不織布シート面内における上記周縁部を除く領域を意味する。
なお、本発明のシートが円形である場合、t1は不織布シートの端から円の中心に向かう周縁部の幅に相当する。t2は径に相当する。
また、本発明のシートが長円形である場合、短径がt4に相当し、長径がt2に相当する。t1は曲線部の端から中心に向かう周縁部の幅に相当し、t3は直線部の端から中心に向かう周縁部の幅に相当する。
また、本発明のシートが楕円形である場合、不織布シートの端から円の中心に向かう周縁部の幅/径の下限は、0.003以上0.004以下であり、上限は0.035以上0.050以下である。本発明のシートが楕円形である場合の図3(B)おいて、t5は、短径における不織布シートの端から円の中心に向かう周縁部の幅を示す。t6は、長径における不織布シートの端から円の中心に向かう周縁部の幅を示す。t5とt6は、同じでも異なってもよい。t6>t5の場合、幅t5を有する周縁部から幅t6を有する周縁部にかけて、周縁部の幅が広くなるように傾斜していることが好ましい。また、逆に、t5>t6の場合、幅t5を有する周縁部から幅t6を有する周縁部にかけて、周縁部の幅が狭くなるように傾斜していることが好ましい。本発明においては、t6>t5の形態が好ましい。
一方、「不織布シートの内側」とは、不織布シートのフィルムと融着する側の面における周縁部以外の面部分を示す。
なお、「線状」には直線、曲線、破線等が含まれる。ただし、不織布シートの内側を閉曲線で囲む融着部に切れ目がある線状の場合、シートの端部から液が漏れるおそれがある。したがって、不織布シートの周縁部に配される融着部は閉曲線であることが好ましい。また、不織布シートの片面の面積に対する融着部の面積の割合が、5%未満の場合は、清拭初期の放出量が多くなりすぎてしまうという問題、または、融着強度が低く不織布とフィルムの一体性が悪いという問題がある。上記融着部の面積の割合が20%を超える場合は、不織布の空隙を潰し過ぎてしまい、液を保持できる量が少なくなる。それに付随して液の放出量が減少してしまう。
線状の融着部の幅は、融着部の面積の割合が上記範囲内あれば特に制限されないが、t2の3/1000〜35/1000が好ましく、10/1000〜35/1000がより好ましく、17/1000〜35/1000がさらに好ましい。本発明のシートが、円形、長円形または楕円形である場合、線状の融着部の幅は、長径の3/1000〜35/1000が好ましく、10/1000〜35/1000がより好ましく、17/1000〜35/1000がさらに好ましい。
本発明のシートにおいて、融着部が不織布シートの周縁部および内側に存在することが好ましい。融着部が周縁部に存在することで、シートの端から清掃液が漏れるのを効果的に防ぐことができ、かつ、周縁部より内側にも融着部が存在することで、不織布とフィルムとの融着強度を高めることができる。
本発明のシートにおいて、シートのどこの部分においても均一な清拭性能を発揮するため、融着部がパターンであることが好ましい。「パターン」とは、同一の形状の融着部が複数形成されている形態を意味する。例えば、融着部が直線である場合、パターンの具体例として、融着部が平行または略平行に並び、融着部どうしの間隔(距離)の差が、±5%の範囲内にある形態が挙げられる。すなわち、図4(B)〜(F)に示す形態がパターンの具体例として挙げられる。なお、「略平行」とは、1つの直線と他の直線とのなす角の角度が±5度の範囲内にあることをいう。また、融着部が直線であって、複数の多角形やひし形を構成する形態も前記パターンに含まれる。さらに、融着部がS字、V字、U字等の形状の融着部がランダムに現れている形態も前記パターンに含まれる。
本発明のシートにおいて、不織布シートの内側に存在する融着部と清拭方向とが角度を有することが好ましい。本発明のシートを用いて床面を拭いた場合、床の表面に拭き筋がつくことが抑制されることにより、清拭面積の減少が抑制されるからである。
本発明のシートにおいて、不織布シートの内側に存在する融着部と清拭方向とのなす角度は、1度以上89度以下が好ましく、20度以上70以下がより好ましく、30度以上60以下がさらに好ましい。上記角度範囲とすることによって、本発明のシートの表面に拭き筋がつくことが抑制されるだけでなく、清掃液の放出持続性をより高めることができる。放出持続性をより高めることができる理由は、融着部により耳部5からの清掃液の供給が効果的に行われるからである。
図4(A)〜(F)は、いずれもサイズ(面積と厚さ)が同じ湿式清掃用シート1であり、実線が融着部を示している。図4(A)は、融着部6が不織布シート3の周縁部に存在することを示す。図4(B)〜(D)は、融着部6が不織布シート3の周縁部および内側に存在することを示す。図4(E)および(F)は、融着部6が不織布シート3の内側に存在することを示す。
なお、図4および図5において、わかり易くするために不織布シートと液不透過性フィルムとの間にある融着部を実線で示した。図5においては、楕円形の幅方向内部も融着部である。
(清掃液)
清掃液は、一般に、湿式清掃用シートで使用される清掃液が適用される。
すなわち、清掃液は水単独でも、界面活性剤を含む水溶液でも構わないが、界面活性剤を含む水溶液が好ましい。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤のいずれでも構わない。
例えば、アルキルベンゼンスルホン酸等の陰イオン界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性を用いることができる。
清掃液には、添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、すすぎ効果を高めることを目的とした、アクリル酸、メタクリル酸もしくはマレイン酸の重合体またはこれらの塩、ならびにマレイン酸と他のビニル系モノマーとの共重合体またはこれらの塩など、殺菌剤、香料、芳香剤、消臭剤、研磨粒子、pH調整剤、アルコールなどの水溶性有機溶媒などが挙げられる。
界面活性剤および上記のような添加剤の含有量は、一般に、湿式清掃用シートで使用される範囲で使用される。
(清掃用具)
本発明に用いられる清掃用具は特に制限されず、清掃する対象に合わせて選択される。清掃用具の具体例としては、クイックルワイパー(商品名、花王社製)の道具本体、スコッチブライトフロアワイパー(商品名、3M社製)の道具本体およびぞうきんワイパー(商品名、山崎産業)の道具本体が挙げられる。
[放出持続性]
本発明の湿式清掃用シートは、1回の清拭、すなわち、清掃対象面(例えば、フローリング)を重複する面がないように全面にわたって一通り拭くことで、清掃液が清掃面から清掃対象面に放出される量は、0.1g/畳以上が好ましく、0.5g/畳以上がより好ましく、1g/畳以上がさらに好ましい。
放出される量の上限は、10g/畳以下が実際的であり、7g/畳以下が好ましく、4g/畳以下がさらに好ましい。
ここで、1畳は、180cm×90cmで面積は16,200cmである。
本発明では、清掃液が湿式清掃用シートに担持できる最大液担持量、すなわち、初期の液担持量は、1g/枚以上が好ましく、10g/枚以上がより好ましく、20g/枚以上がさらに好ましい。
初期の液担持量の上限は、40g/枚以下が実際的であり、30g/枚以下が好ましく、25g/枚以下がさらに好ましい。
このようにすることで、目標とする1回清拭当たり1g/畳以上の液放出量が可能となりで、しかも3畳目以上持続させることが可能となる。
<湿式清掃用シートの製造方法>
本発明の湿式清掃用シートは、不織布シートの片面に、液不透過性フィルムを積層させた状態で不織布シートと液不透過性フィルムとを部分的に加熱して融着させることにより得られる。融着する方法はとしては例えば、電子プリンターFEP−II(商品名、富士インパルス社製)を用いて、180℃にて、1秒以上6秒以下加熱し、1秒以上6秒以下の冷却時間を設けることにより融着する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(湿式清掃用シートの作製)
−実施例1〜6の湿式清掃用シート−
以下のようにして、実施例1〜6の湿式清掃用シートを作製した。下記表1に示すように、実施例1〜6の湿式清掃用シートは、それぞれ図4(A)〜(F)に示す融着パターンを有する。
−不織布シート−
クイックルワイパー立体吸着ウェットシート(商品名、花王社製)
縦20.5cm、横28.5cm、厚さ1.5mm(乾燥時)
−液不透過性フィルム−
ユニパックJ−4を下記のサイズになるように切り出したもの(商品名、生産日本社製)
縦20.5cm、横28.5cm、厚さ0.04mm
−融着−
電子プリンターFEP−II(商品名、富士インパルス社製)を用いて、180℃で3秒加熱することにより、不織布シートと液不透過性フィルムとを融着させた。
−清掃液−
融着後不織布シートに0.01w%エマルゲン108水溶液(商品名、花王社製)を20g含浸させた。
−比較例の湿式清掃用シート−
液不透過性フィルムを用いず、融着しなかったこと以外は、実施例1の湿式清掃用シートと同様にして作製した。すなわち、比較例の湿式清掃用シートは、不織布シートに0.01w%エマルゲン108水溶液(商品名、花王社製)を20g含浸させただけのシートである。
不織布シートの内側に存在する融着部と清拭方向とのなす角の角度は以下の通りである。
実施例2および5:90度
実施例3および6:0度
実施例4:45度
比較例2:90度
比較例3:0度
上記作製した各湿式清掃用シートを、クイックルワイパー(商品名、花王社製)の道具本体に取り付けた。このようにして作製したクイックルワイパーを用いて、1畳(180cm×90cm)のフローリングを、半畳あたり4往復で清拭したときに減少した液量を、清掃液の放出量(g/畳)として計測した。各シートで合計6畳清拭した。なお、半畳清拭毎に、ワイパーヘッド(湿式清掃用シート取り付け部位)の清拭面を床面に対向させた状態で、ワイパーヘッドを180°回転した。結果を下記表1及び2に示す。
Figure 0006814603
Figure 0006814603
表1及び2から明らかなように、本発明の湿式清掃用シートは放出持続性に優れることが分かる。
1 湿式清掃用シート
2 液不透過性フィルム
3 不織布シート
4 清掃用具
5 湿式清掃用シートの耳部
6 融着部

Claims (6)

  1. 不織布シートの片面に液不透過性フィルムを積層させ清掃道具の取り付部に取り付けて使用される湿式清掃用シートであって、
    前記湿式清掃用シートは、前記液不透過性フィルム側を前記取り付部における取り付け面側とし、前記湿式清掃用シートの周縁部に、折り返して前記取り付部に固定するための耳部を有し、
    前記不織布シートは、網状シートの両面に不織の繊維集合体が配されてなり、
    前記不織布シートと前記液不透過性フィルムとが部分的に融着しており、融着部が線状に構成され、該融着部が前記不織布シートのシート面における周縁部および内側に存在し、
    前記融着部が複数、他の融着部と交差しないように、前記不織布シートの前記耳部から前記内側の面部分に延在して配列されており、
    前記融着部の面積が、前記不織布シートの片面の面積の5%以上20%以下であり、
    前記不織布シートが清掃液を担持している湿式清掃用シート。
  2. 前記融着部が、前記不織布シートのシート面における対向する位置にある前記周縁部に配された一対の前記耳部同士を前記内側の領域を介して結んで延在している請求項1に記載の湿式清掃用シート。
  3. 前記不織布シートのシート面における内側に存在する融着部が、パターンである請求項1または2に記載の湿式清掃用シート。
  4. 前記不織布シートのシート面における内側に存在する融着部と清拭方向とが角度を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の湿式清掃用シート。
  5. 清掃用具に取り付けて使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の湿式清掃用シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の湿式清掃用シートを有する清掃用具。
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